JP2888063B2 - 車両用ドアの開閉制御装置 - Google Patents

車両用ドアの開閉制御装置

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JP2888063B2
JP2888063B2 JP4304163A JP30416392A JP2888063B2 JP 2888063 B2 JP2888063 B2 JP 2888063B2 JP 4304163 A JP4304163 A JP 4304163A JP 30416392 A JP30416392 A JP 30416392A JP 2888063 B2 JP2888063 B2 JP 2888063B2
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基之 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば乗用車のドア
の開閉を電気的に行う装置において、傾斜した場所にお
いても、開閉時の過負荷によるサーボ異常が生じないよ
うに、また、ドア駆動系の小形化をも図ることのできる
車両用ドアの開閉制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、観光バスあるいは路線バスにおけ
るドアの開閉は自動となっている。また、タクシーにお
いても後席左側のドアの開閉は自動で行われている。し
かしながら、タクシーのドアは自動ドアとは言え、運転
手の手動操作によって行われているのが現実である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近の乗用
車の高級化指向に伴って、乗用車のドアをサーボモータ
ーによって自動的に開閉させるようにしたら,との要請
がにわかに出始めている(特開昭58−76669号公
報参照)。サーボ系を応用して自動ドアを制作しようと
する場合、工作機械などと異なって精度はあまり要求さ
れないものの、反面、開閉動作時の安全性や確実性が特
に要求されることから、この要求に沿うような構成及び
制御プログラムの構築が必要である。この開閉制御時の
安全性やドア開閉の操作性を考慮した場合には、サーボ
系の動作をその開閉時の負荷状態などに応じて臨機応変
に変化させるような制御を行なうことが好ましいと言え
る。ところで、ドアの開閉をサーボ系を用いて行なおう
とする場合には、通常はこのサーボ系がドアの開閉力に
必要なトルクを発生する設定とするであろうが、サーボ
モータの容量が不足していれば、風や車両の傾斜等の影
響による外力が原因でそのサーボ系の制御が不能とな
り、サーボ異常が生じるという不具合が生じることにな
る。このようなことを勘案すれば、サーボモータの容量
は十分大きなものでなければならないが、小型軽量化の
要請からサーボモータの容量をむやみに大きくすること
は実際にはできない。また、大きなサーボモータをきめ
細かく制御するためのサーボアンプも高価なものが必要
となってしまう。
【0004】本発明は、上記のような事情に鑑みて成さ
れたものであり、ドアを開閉するメインのサーボモータ
とこれを補助するモータを設け、過負荷によるサーボ異
常を来さないようにし、また、サーボ系の小形化を図る
ことのできる車両用ドアの開閉制御装置の提供を目的と
する。
【0005】上記目的を達成するための本発明は、車両
のドアを自動開閉させる開閉制御装置であって、車両の
傾きを検出する傾き検出センサと、サーボ系で構成さ
れ、前記傾き検出センサの検出値によらず所定のトルク
当該ドアを開閉駆動する駆動手段と、非サーボ系で構
成され、当該駆動手段の容量の不足分を補って前記ドア
を開閉駆動する補助駆動手段と、前記傾き検出センサか
ら出力されている信号に基づいて前記ドアの開閉に要す
トルクを算出し、算出されたトルクのうち、前記所定
のトルクを前記駆動手段に発生させると共に、算出され
たトルクと前記所定のトルクとの差分のトルクを前記補
助駆動手段に発生させる駆動制御手段とを有することを
特徴とする。
【0006】また、前記駆動手段はサーボ系により構成
され、前記補助駆動手段は非サーボ系で構成されている
ことを特徴とする。
【0007】
【作用】このように構成した本発明は以下のように作用
する。傾き検出センサは車両の傾き,つまり車両の停車
姿勢を検出することになる。駆動制御手段はこの傾き検
出センサによって検出された傾きに基づいて、ドアの自
重によって生じるモーメント,すなわち、ドアの開閉に
要する増加分のトルクを算出し、補助駆動手段にこのト
ルクに相当するトルクを発生させる。
【0008】したがって、補助駆動手段はこの傾斜によ
る増加分のトルクを発生させることになり、ドアの駆動
をメインで行なう駆動手段は、車両の停車姿勢に拘らず
に同一のトルクでドアを駆動すればよいことになり、駆
動手段を必要最低限の容量とすることができる。また、
補助駆動手段も増加分のトルクを出力することができる
容量で足りるので、ドアの駆動系の大きさを全体として
は縮小することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明にかかる車両用ドアの開閉
制御装置の制御系の概略構成図であり、図2は、ドアの
駆動系とこれに直接関連する制御系の概略構成図であ
る。DC電源1は、ドアの自動開閉を行なわせるための
電源であり、通常は車両に搭載されているバッテリーが
使用される。記憶装置2は、ドアの自動開閉のための動
作プログラムや後述する各種のセンサー等からの信号を
一時記憶するものである。ピッチ角検出センサ3は、車
両の前後方向の傾き角を検出するセンサである。ロール
角検出センサ4は、車両の左右方向の傾き角を検出する
センサである。これらのセンサは傾き検出センサとして
機能するものである。ドア開スイッチ6a,6b及びド
ア閉スイッチ7a,7bは、車両のドアアウトサイドハ
ンドル及びドアインサイドハンドルにそれぞれ設けられ
ているものであり、ドアを自動開閉しようとする場合に
操作するスイッチである。
【0010】ポテンショメーター5及び15は、ドアの
開閉位置を検出するセンサーであり、現在ドアがその開
閉軌跡のどこに存在しているかを検出するものである。
なお、この検出はポテンショメーターによらずに後述す
るエンコーダーのパルス信号を用いても良い。リモコン
8は、主にドアの開閉を遠隔操作で行なうためのもので
あり、そこからの信号は車両に搭載されている受信器9
によって受信される。1枚のドアの開閉は4つの駆動手
段によって行われるようになっているが、本実施例では
サーボモーターを用いている。第1軸を駆動させる駆動
手段10は、その軸を減速機11を介して駆動するサー
ボモーター12と、このサーボモータ12の駆動を補助
する位置制御を行なわない普通のDCモータ16と、ド
アの開閉状態を維持するブレーキ13と、前述のポテン
ショメーター5と、主にドアの開閉速度を制御するため
のパルス信号を得るエンコーダー14とから構成され
る。第2軸を駆動させる駆動手段20も同様に、減速機
21,サーボモーター22,補助モータ26,ブレーキ
23,ポテンショメーター15,エンコーダー24とか
ら構成される。サーボモータ12,22は駆動手段とし
て機能し、モータ16,26は補助駆動手段として機能
する。
【0011】それぞれの軸に独立して設けられている前
リミットスイッチ30,31及び後リミットスイッチ3
2,33は制御不能に陥ったときにストッパーとして機
能するオーバーラン検出用のリミットスイッチである。
補助駆動手段として機能するモータ16,26を除くそ
れぞれの駆動手段10または20の動作は、DCサーボ
ドライバー35または40によって制御される。一方、
モータ16,26はそれぞれ専用のDCドライバー3
7,42によって制御される。また、ドアコントロール
ユニット45は、各種のスイッチやセンサーからの入力
に基づいてドアの開閉を総括的に制御するものである。
【0012】ドアの駆動機構の概略の構成は図2及び図
3に示すようになっている。ドア50とボディー51側
とはアーム52によって連結されている。ドア51側に
取り付けられた第1軸はアーム52をこの軸を回転中心
として回動させるように働き、また、ドア50に取り付
けられた第2軸もやはりアーム52をこの軸を回転中心
として回動させるように働く。なお、このような駆動機
構は、図4(A)に示すように車両の両側のドアに対し
てそれぞれ独立して設けられている。それぞれの軸はこ
のように動くから、それぞれの軸を回転させる速度や最
終的な回転位置をそれぞれ独自に設定することで、従来
とは異なる態様でのドアの開閉が可能となる。例えば、
図4(B)に示すような態様,すななわち車体と平行に
ドアを開くことも可能となり、このようにすれば、狭い
場所での乗降が非常に楽となる。なお、ドア50の外周
面には図2に示すようにドアの閉止時の防水性を維持す
るウエザーストリップ56が取り付けられている。ま
た、第1軸及び第2軸に設けられているサーボモーター
への電流はDCサーボドライバー35,40,37,4
2からそれぞれ供給される。
【0013】なお、図2においてはDCサーボドライバ
ーは一つだけ記載してあるが、実際には図1に示すよう
にそれぞれのサーボモータに対して独立して設けてあ
る。また、それぞれの軸に設けられているポテンショメ
ーターからの信号は、現在位置情報としてドアコントロ
ールユニット45に入力される。なお、図2では便宜上
この信号がドアコントロールユニット45に直接入力さ
れるようになっているが、実際には図1に示したように
DCサーボドライバー35,40を介してこれに入力さ
れる。DCサーボドライバー35,40からはドアコン
トロールユニット45に向けて電機子電流情報,つまり
サーボモーターに供給されている電流情報が、またドア
コントロールユニット45からはDCサーボドライバー
35,40に向けて停止あるいは続行の命令がそれぞれ
出力される。また、ドアコントロールユニット45はD
Cドライバー37及び42に車両の傾きによって生じる
ドア開閉時の増加分のトルクを発生させるような電流を
モータ16,26に与えるように指令する。
【0014】図5は、本発明にかかる車両用ドアの開閉
制御装置の制御系の詳細な構成を示した図であり、図1
に示したもののうち特に本発明に関連のある構成のみを
抽出したものである。この図において図1と同一の部材
には同一の符号を付し、その機能の説明は省略すること
にする。
【0015】同図中AMと付されているものは、補助駆
動手段として機能するモータ16,26を示している。
このモータ16,26は1軸アシスト用ドライバ(DC
サーボドライバーに等価)37,2軸アシスト用ドライ
バ42によって駆動される。ドアコントロールユニット
45は、ピッチ角検出センサ3及びロール角検出センサ
4からの検出信号に基づいて、平坦路でのドアの開閉に
要するトルクよりも余分に必要となるトルクを算出し、
このトルクをそれぞれのモータ16,26に発生される
ために必要な電流の供給を1軸アシスト用ドライバ37
及び2軸アシスト用ドライバ42に指令する。
【0016】このトルクの出力指令は図6に示すような
変換マトリックス処理部45Aによって行なわれる。つ
まり、図1に示したポテンショメータ5,15によって
現在のドアの開き具合が入力され、また、前述のロール
角検出センサ及びピッチ角検出センサ3から車両の現在
のロール角及びピッチ角がそれぞれ入力される。さら
に、駆動するドアのドア重心座標,アーム重心座標,ド
ア重量,アーム重量がそれぞれ入力される。この重心座
標と重量とは、予め判っているものであるから、これら
の値は記憶装置2に記憶されている。変換マトリックス
処理部45Aは、これらの入力によって車両の傾斜によ
ってドアが受ける回転モーメントの大きさを算出するこ
とになる。変換マトリックス処理部45Aは、この回転
モーメントを1軸及び2軸のそれぞれの軸に振り分け、
1軸負荷トルク,2軸負荷トルクとして1軸アシスト用
ドライバ37,2軸アシスト用ドライバ42にそれぞれ
出力することになる。
【0017】図7は、図6に示した装置の動作フローチ
ャートを示したものである。ドアコントロールユニット
45は、ピッチ角検出センサ3及びロール角検出センサ
4から検出されているロール角及びピッチ角を入力し
(S1)、現在のドアの開閉位置を認識するためにポテ
ンショメータ5,15から1軸及び2軸の角度を入力す
る(S2)。そして、これらの入力した値及び記憶装置
2に記憶されている前述のドア,アームの重心位置、重
量のデータに基づいて、傾斜によってドアの1軸回り及
び2軸回りにそれぞれ発生する回転モーメント力,すな
わち負荷トルクをそれぞれ演算する。つまり、傾斜によ
ってドアの開閉がどの程度重くなるかを1,2軸回りの
それぞれについて算出することになる(S3,S4)。
この状態でドア開スイッチ6a,6bまたはドア閉スイ
ッチ7a,7bのいずれかが操作された場合には、この
算出されている負荷トルクを発生させるように、1軸ア
シスト用ドライバ37及び2軸アシスト用ドライバ42
にその負荷トルク発生相当の電圧を出力する。これによ
って、1軸アシスト用ドライバ37及び2軸アシスト用
ドライバ42は、それぞれのモータ16,26に要求さ
れている負荷トルクを発生させるための電流を供給す
る。もちろんドア開閉時の車両の傾きが0であれば、こ
の供給電流は0である(S5,S6)。これと同時に、
DCサーボドライバー35,40に目標値を出力してサ
ーボモータ12,22を駆動させてドアを開閉させる
(S7)。
【0018】そして、再度S2と同様に1,2軸の角
度,つまりドアの開き具合を認識し、1,2軸の負荷ト
ルクを上記と同様に算出して、S5のステップに戻る
(S8〜S10)。
【0019】以上のように制御することで、サーボモー
タ12,22は車両の傾斜などに拘らずに常にドアの慣
性トルクのみが負荷トルクとなって、ドアの位置偏差を
車両の傾きがどうであれ、常に理論的に0とすることが
できる。
【0020】また、サーボモータの大きさも傾斜などを
考慮して大きめの容量にしなくても良いことから、合計
4つのモータを使用するとは言え、制御用のアンプを含
め駆動系の大きさを全体としては小さくすることがで
き、小形化,軽量化を実現できる。
【0021】この小型軽量化は、図8に示すように、サ
ーボモータ12,22とモータ16,26とを伝達手段
34,44で機械的に連結させ、上記の実施例のように
直結とせずに分離するようにすれば、レイアウトの自由
度も含めさらにこれを押し進めることができるようにな
る。また、この図8の実施例において2軸駆動用の補助
モータ26を車体側に取り付ければ、ドアの重量を軽減
することができ、各モータの負荷を小さくすることがで
きる。
【0022】以上の実施例においては、ドアの支持を2
軸で行なっているものを例示したが、本発明の装置を従
来の一点支持型のドアに適用することももちろん可能で
ある
【0023】。
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、主に
駆動手段でドアの開閉をさせ、傾斜による負荷トルクの
増加分は補助駆動手段に受け持たせるようにしたので、
サーボ異常を起こすことがなく、また、ドアの開閉の安
定度を向上させることができるようになる。
【0024】また、駆動手段の容量を必要以上に大きく
する必要がないので、駆動系の小型化を図ることがで
き、設計の自由度が向上することになる。特に、補助駆
動手段を非サーボ系とすることによってサーボアンプを
小型,廉価なものとすることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる車両用ドアの開閉制御装置の
概略構成図である。
【図2】 同装置の駆動系の概略構成図である。
【図3】 同装置によって駆動されるドアの駆動機構の
概略構成図である。
【図4】 図2に示した駆動系の配置状態を示す図であ
り、(B)は、ドアの開閉動作の一態様を示す図であ
る。
【図5】 図1に示した装置のサーボモータを中心とす
る制御系の概略構成ブロック図である。
【図6】 図1に示したドアコントロールユニットの一
部の構成を示す図である。
【図7】 図6に示した装置の動作フローチャトであ
る。
【図8】 図2に示した装置の他の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
3…ピッチ角検出センサ(傾き検出センサ) 4…ロール角検出センサ(傾き検出センサ) 10,20…駆動手段16,26…モータ(補助駆動手段) 12,22…サーボモータ(駆動手段) 35,40…DCサーボドライバ(駆動手段) 45…ドアコントロールユニット(駆動制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E05F 15/10 - 15/12 B60J 1/17 E05F 11/54

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のドアを自動開閉させる開閉制御装置
    であって、 当該車両の傾きを検出する傾き検出センサと、サーボ系で構成され、前記傾き検出センサの検出値によ
    らず所定のトルクで 当該ドアを開閉駆動する駆動手段
    と、非サーボ系で構成され、当該駆動手段の容量の不足分を
    補って 前記ドアを開閉駆動する補助駆動手段と、 前記傾き検出センサから出力されている信号に基づいて
    前記ドアの開閉に要するトルクを算出し、算出されたト
    ルクのうち、前記所定のトルクを前記駆動手段に発生さ
    せると共に、算出されたトルクと前記所定のトルクとの
    差分のトルクを前記補助駆動手段に発生させる駆動制御
    手段とを有することを特徴とする車両用ドアの開閉制御
    装置。
JP4304163A 1992-11-13 1992-11-13 車両用ドアの開閉制御装置 Expired - Lifetime JP2888063B2 (ja)

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JP2001115734A (ja) * 1999-10-20 2001-04-24 Kyosan Electric Mfg Co Ltd 扉の移動妨害検出装置および扉自動開閉装置
JP2009221760A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Tokai Rika Co Ltd 車両用ドア開閉制御装置
JP4905739B2 (ja) * 2010-03-08 2012-03-28 隆志 矢野 自動車のドア装置

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