JP2001071927A - 全方向移動車両とその駆動制御方法並びに角度測定方法 - Google Patents

全方向移動車両とその駆動制御方法並びに角度測定方法

Info

Publication number
JP2001071927A
JP2001071927A JP24847699A JP24847699A JP2001071927A JP 2001071927 A JP2001071927 A JP 2001071927A JP 24847699 A JP24847699 A JP 24847699A JP 24847699 A JP24847699 A JP 24847699A JP 2001071927 A JP2001071927 A JP 2001071927A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
axis
joystick
omnidirectional
vehicle body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP24847699A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3791659B2 (ja
Inventor
Masayoshi Wada
正義 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP24847699A priority Critical patent/JP3791659B2/ja
Publication of JP2001071927A publication Critical patent/JP2001071927A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3791659B2 publication Critical patent/JP3791659B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵角を検出するセンサがなくとも全方向移
動を可能とし、制御の高速化、簡略化、低価格化、操作
性の向上を図った全方向移動車両とその駆動制御方法並
びに角度測定方法を提供する。 【解決手段】 複数の駆動輪2,3を有し、鉛直軸のま
わりを回転自在に車両本体に支持された駆動ユニット1
と、操作装置としての2軸ジョイスティック11とを備
え、駆動ユニット1を車両本体12に対して回転させ、
前記ジョイスティック11を、その並進動作指令読み取
り部が前記駆動ユニットの回転と同期して回転するよう
に、かつ前記車両本体上部から操作可能に配設してな
り、さらに前記ジョイスティックの操作棒としてのステ
ィック部110を、車両本体の水平面内の特定の方向で
あって鉛直軸から所定の角度(Ω)傾けて取付け、この
操作棒の取付け位置を操作棒の基準位置としてなるもの
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両本体の方向
を変えることなく任意の方向へ移動することが可能であ
るとともに、そのままの位置で旋回することができる全
方向移動車両とその駆動制御方法並びに角度測定方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、全方向移動車両としては、特開昭
61−218432号公報に記載のものや、特開平9−
164968号公報に記載のものが知られている。前者
は同一軸上にある2個の駆動輪からなる駆動ユニットを
垂直軸まわりで旋回自在に車両本体に支持し、車両本体
に設けた旋回伝達機構と旋回モータにより回転駆動する
ことで駆動ユニットの走行方向を変更することにより、
全方向移動を行うものである。
【0003】後者は、互いの車輪が同一直線上に配設さ
れるとともに台車に軸支された操舵輪をかねた一対の駆
動輪と、両駆動輪を回転駆動する2つのアクチュエータ
と、両駆動輪の車軸を支持する操舵軸と、車両本体に形
成されて、両駆動輪の設置位置の中点から水平方向に離
間した位置で操舵軸を垂直軸まわりの回動を自在にして
支持する軸受け部と、により構成される駆動ユニット、
および操舵軸を回転駆動するアクチュエータとにより構
成され、2つのアクチュエータの協調動作により、操舵
軸に水平面内のあらゆる方向への速度を発生させること
により全方向移動を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
全方向移動車両はいずれも、全方向に移動するためには
下記のような問題があった。まず、駆動ユニットと車両
本体との相対角度つまり操舵角を常に知る必要があり、
このためには絶対値エンコーダやポテンショメータ、あ
るいは積算型エンコーダと原点センサとの併用のシステ
ムなど、高価または複雑な装置を使用する必要があっ
た。さらに、この操舵角の検出値を用いて、操作者が要
求する車両速度を制御演算部にて三角関数を用いた計算
により分解することにより、2つの車輪の駆動速度を実
時間で求める必要があるため、計算能力に優れた演算器
を使用する必要があった。
【0005】この発明は上記の問題点を解決するために
なされたもので、この発明の課題は、操舵角を検出する
センサがなくとも全方向移動を可能とすることにより、
機構的な簡易化および低コスト化を図り、さらに、制御
演算部における演算を簡略化して、全体として、制御の
高速化、簡略化、低価格化、操作性の向上を図った全方
向移動車両とその駆動制御方法並びに角度測定方法を提
供することにある。
【0006】なお、前述の問題を解決するために、本件
出願人は、本件と関連する発明を、特願平11−113
474号により出願した。後述する本件発明は、上記出
願に係る発明とは異なる実施形態に関わる発明であっ
て、例えば車椅子への適用などにおいて、操作性のさら
なる改善を図るものである(本件発明と技術的に共通す
る部分については、上記出願の詳細説明参照)。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本件請求項1の発明においては、台車に軸支され
た複数の駆動輪を有し、鉛直軸のまわりを回転自在に車
両本体に支持された駆動ユニットと、操作装置としての
2軸ジョイスティックとを備え、駆動ユニットを車両本
体に対して回転させることにより任意の方向に移動する
全方向移動車両であって、前記ジョイスティックを、そ
の並進動作指令読み取り部が前記駆動ユニットの回転と
同期して回転するように、かつ前記車両本体上部から操
作可能に配設してなり、さらに前記ジョイスティックの
操作棒を、車両本体の水平面内の特定の方向であって鉛
直軸から所定の角度傾けて取付け、この操作棒の取付け
位置を操作棒の基準位置としてなるものとする。
【0008】ジョイスティックが駆動ユニットと同期回
転し車両本体も一体となって駆動されることにより、操
舵角を検出するセンサがなくとも全方向移動を可能にす
ることができ、また、操作性のよい全方向移動車両が提
供できる。
【0009】また、請求項2の発明によれば、互いの車
輪が同一直線上に配設されるとともに台車に軸支された
一対の駆動輪と、両駆動輪を回転駆動するアクチュエー
タと、前記台車上に配設された操舵軸と、前記一対の駆
動輪の設置位置の中点から水平方向に離間した位置で、
前記操舵軸の垂直軸心まわりの旋回を自在にして車両本
体に連結された駆動ユニットと、さらに、この駆動ユニ
ットに配設された前記操舵軸の回転駆動用のアクチュエ
ータと、2軸ジョイスティックとを備えた全方向移動車
両であって、前記ジョイスティックをその並進動作指令
読み取り部が前記駆動ユニットの回転と同期して回転す
るように、ジョイスティックの中心軸を前記操舵軸の旋
回軸心と一致させ、かつ車両本体部から操作可能に前記
駆動ユニットの台車上に配設してなり、さらに前記ジョ
イスティックの操作棒を、車両本体の水平面内の特定の
方向であって鉛直軸から所定の角度傾けて取付け、この
操作棒の取付け位置を操作棒の基準位置としてなるもの
とする。
【0010】上記の構成によれば、操舵角を検出するセ
ンサが不要であるのは勿論のこと、伝達機構部品等を介
在させずにジョイスティックを直接的に駆動ユニットに
固定しているので、指令読み取り部まわりのより一層の
簡素化を図ることができ、しかも、オフセット駆動輪の
数を抑えた駆動ユニットを採用していることとあいまっ
て、高度な移動性能を有しかつ操作性に優れた全方向移
動車両を低コストで実現することができる。
【0011】請求項3の発明によれば、請求項1または
2のいずれかに記載の全方向移動車両の角度測定方法に
おいて、ジョイスティックが車両操作者によって使用さ
れていない状態における前記ジョイスティックのx軸,
y軸の速度指令値の読み取り値rx,ryに基づき、下記
数5式から、全方向移動車両の起動時における駆動ユニ
ットと車両本体との水平面内における初期相対角度θ0
を測定することとする。
【0012】
【数5】 さらに請求項4の発明によれば、請求項1または2のい
ずれかに記載の全方向移動車両において、前記ジョイス
ティックのx軸,y軸の速度指令値の読み取り値rx
yに基づき、下記数6式から求めた速度指令値rdに相
応する操作棒の鉛直軸からの傾き角度相当値を演算し、
この角度相当値が、前記操作棒の基準位置としてあらか
じめ定めた鉛直軸からの傾斜角度の値と一致し、所定時
間変化しないことを確認することにより、ジョイスティ
ックが車両操作者によって使用されていない状態にある
ことを認識してなるようにしたものとする。
【0013】
【数6】 上記方法および構成によれば、車両本体と駆動ユニット
との相対角度の初期値を基準として、旋回軸に設置され
た例えばエンコーダのような角度測定器や、タコジェネ
レータのような速度計測器からの情報により相対角度デ
ータの更新を行なうことで、逐次、相対角度を推定する
ことができる。さらに、デッドレコニング法として知ら
れるアルゴリズムを適用し、車両の位置、姿勢を逐次推
定することで、ナビゲーション走行を行なうことが可能
である。
【0014】請求項5の発明によれば、請求項1,2ま
たは4のいずれかに記載の全方向移動車両の駆動制御方
法において、車両本体の前後方向(x軸方向)と左右方
向(y軸方向)の速度指令値vx,vy値を下記数7式,
数8式により演算して、この演算された速度指令値に基
づいて車両を駆動することとする。
【0015】
【数7】
【0016】
【数8】 上記方法によれば、三角関数の計算なしで、車両の全方
向動作のための車輪の駆動速度を求めることが可能とな
る。よって、演算速度の向上、または、演算能力の高く
ない演算装置の使用が可能となる。
【0017】請求項6の発明は、請求項1,2または4
のいずれかに記載の全方向移動車両において、車両に速
度制限を設ける場合には、鉛直軸から所定の角度傾けて
取付ける操作棒の傾斜方向を前記車両に速度制限を設け
る方向とは逆の方向とし、前記速度制限の制限割合に比
例して操作棒の傾斜角度を大きくしてなるものとする。
【0018】この構成により、ソフト的な特別な演算処
理を必要とせずに、例えば車椅子における場合、前方に
は高速運転が可能で、後ろ方向への最高速度は制限する
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図面に基づき、本発明の実施の形
態について以下に述べる。
【0020】図1および図2は、請求項1,2,3の発
明に関わる実施例の側面図および正面図である。駆動ユ
ニット1は、台車15に軸支された操舵輪をかねた一対
の駆動輪2および3と、両駆動輪を回転駆動する2つの
図示しないアクチュエータおよび歯車からなる駆動力伝
達手段と、前記台車15上に配設された操舵軸16と、
車両本体12に配設され,前記一対の駆動輪2,3の設
置位置の中点から水平方向に離間した位置で,前記操舵
軸16の垂直軸心(図2における旋回中心C)まわりの
旋回を自在にするために車両本体12に配設された軸受
け部8とからなる。この軸受け部8は、本体支持シャフ
ト8aと軸受8bとからなり、駆動ユニット1の水平旋
回を可能としている。
【0021】さらに、この駆動ユニット1には、前記操
舵軸16の回転駆動用のアクチュエータ9と歯車10か
らなる駆動力伝達手段と、2軸ジョイスティック11と
が配設されている。この2軸ジョイスティック11は、
図示しないジョイスティックの並進動作指令読み取り部
が前記駆動ユニット1の回転と同期して回転するよう
に,ジョイスティック11の中心軸を前記操舵軸16の
旋回軸心Cと一致するように配設される。また、ジョイ
スティック11の操作棒としてのスティック部110
は、前記車両本体12の上部から操作可能に配設され
る。回転軸が同一直線状に位置する車輪2、3は図示し
ない減速歯車を介して、図示しないアクチュエータによ
りそれぞれ独立に駆動される。さらに、本体車両12
は、複数個の自由輪13を備えており、全方向に自由に
移動できるように構成されている。
【0022】ジョイスティック11のスティック部11
0は車両本体に形成された穴から車両本体12の上部に
突出しており、車両本体12上に搭乗する操縦者は通常
のジョイスティックと同様な方法でこれを操作可能とし
ている。
【0023】以上説明した部分の構成は、前述の特願平
11−113474号に記載したものと同一であり、動
作原理については、上記出願の詳細説明を参照された
い。
【0024】図1および2において、スティック部11
0に力が加えられないときには、駆動ユニット1の姿勢
にかかわらず、スティック部110は車両本体12上の
座標系Ov-XvYvにおけるXv軸の正方向に角度Ω傾けた状
態に落ち着くように設定されている。これは、Xv軸方向
に速度rの指令を与えていることに相当するものとす
る。図1の例では、車両本体12に角度Ω傾けて固定さ
れたスティック指示板70に対してスティック110が
直角に落ちつくようにその軸がばね71で支持されてい
る。
【0025】このとき、車両本体12上に搭乗する操縦
者は通常のジョイスティックと同様な方法で移動したい
方向にスティック部を倒すことで、車両本体12を操作
可能である。
【0026】図3には、初期相対角度θ0検出の説明た
めの車両上面図を示す。同図に示すように、システムの
起動時に車両本体12と駆動ユニット1は角度θ0だけ
ずれているとすると、図示していない車両制御装置は、
駆動ユニット1上に固定されたジョイスティック11
は、駆動ユニット1上の座標系Oc−XccにおけるXc
軸、Yc軸の各方向に、以下の数9式、数10式に示すr
x、ryの速度指令を読み取ることになる。
【0027】
【数9】
【0028】
【数10】 これらの読み取り値から、求める角度θ0は、以下のよ
うにrx,ryを使用して求めることができる。
【0029】
【数11】 以上の原理は、スティック部110のあらかじめ傾けら
れた方向が車両本体のXv軸方向に特定しなくてもよ
く、任意の方向において同様な方法で関係を導出するこ
とができる。
【0030】上記により、初期状態における車両本体1
2と駆動ユニット1との相対角度θ 0を絶対値角度検出
装置がなくとも測定することができる。
【0031】次に請求項4の発明について説明する。前
記請求項3の発明は、ジョイスティック11が操縦に使
用されていない状態、つまり開放されている状態である
ことを仮定したときに成立するもので、ジョイスティッ
ク部110が操縦者によって傾けられている状態では、
誤った角度を検出してしまう。これを解決するために、
駆動ユニット1上に固定されたジョイスティック11
は、駆動ユニット1上の座標系Oc−XccにおけるXc
軸、Yc軸の各方向に検出された値rx、ryから、以下の
数12式によって得られるスティック部110の傾きの
度合いrdを、検出されるべき値rと比較・一致すること
を確認する。
【0032】
【数12】 さらにこの状態がある所定の時間継続するときに、ステ
ィック部110が開放状態にあることを認識することが
できる。つまり、このスティック110の開放状態を検
出後、請求項3に記載のアルゴリズムである駆動ユニッ
ト1の角度計測を行うことにより、信頼性の高い角度検
出アルゴリズムが実現できる。
【0033】ここで、検出に要する上記所定の時間は、
適用機器によって異なり、その使用状況に応じて調整す
る必要がある。例えば、人間が搭乗する車椅子のような
適用例では、特定の大きさの一定速度を指令するように
ジョイスティックを傾け、これを数秒間保っていること
は、実使用上まれなことであると考えられるので、この
場合、前記所定の時間は、2〜5秒程度に設定する。
【0034】ところで、これまで説明した請求項3及び
4に記載のジョイスティック11を使用した一連の角度
検出アルゴリズムは、電源投入直後のシステムの起動時
に一度行わせることで十分であり、その後は旋回軸用ア
クチュエータ9のシャフトに設置されたインクリメンタ
ルエンコーダの値を積算することにより、初期角度検出
後の任意の時間における角度計測が可能となる。
【0035】また、操作者が車上に搭乗せず、遠隔操作
などの自動運転のみにより車両動作を行わせる場合に
は、特許請求項4のアルゴリズムを用いて、ジョイステ
ィックにより常に駆動ユニットと車両本体の相対角度を
計測することも可能である。
【0036】次に請求項5の発明について説明する。
【0037】初期相対角度θ0を検出した後の駆動ユニ
ット1が車両本体12に対して回転運動を行ったときの
角度θは、旋回軸用アクチュエータ9のシャフトに設置
された、図示しないインクリメンタルエンコーダの値を
積算することで、検出することができる。この角度θを
用いて、ジョイスティック11により直接検出される値
から、速度指令値のみを抽出することを考える。
【0038】駆動ユニット1上に固定されたジョイステ
ィック11により検出される駆動ユニット1上の座標系
Oc−XccにおけるXc軸、Yc軸の各方向に直接検出さ
れる速度指令値をsx、syとする。
【0039】このとき、 sx、syを角度θにより回転変
換すると、車両本体12上のXv軸、Yv軸方向への検出
値を得ることができる。しかし、これらの検出値はジョ
イスティックの傾きΩの値を含んでいる。つまり、操縦
者がジョイスティックを操作していなくとも、あらかじ
め傾けられたジョイスティックの傾きΩに対応した速度
が指令されていると誤読しまうことになる。この値は、
駆動ユニット1と車両本体12の相対角度θが零、つま
り両方の姿勢が一致しているときにXc軸、Yc軸方向に
検出される既知の値、rx0、ry0と一致しており、これら
は既知の値なので、この、rx0、ry0をそれぞれ差し引く
ことによって、ジョイスティックの傾きΩの影響を除去
することができる。その結果、純粋に操縦者が入力した
速度指令値の車両本体12上の座標系Ov−Xvvにおけ
るXv軸、Yv軸の各方向への速度指令vx、vyを求めるこ
とが可能となる。即ち、vx、vyは、以下の数13式、数
14式により求めることができる。
【0040】
【数13】
【0041】
【数14】 次に、請求項6の発明に関わる実施例について説明す
る。例えば、この全方向移動車両を車椅子の移動機構と
して用いた場合を考えると、車椅子は操作者の向いてい
る方向、つまり車両前方には高速に移動できることが要
求され、また車両後方にはその安全性の問題から移動速
度を制限することが望ましく、方向に応じて最高速度を
制限する必要が生じる。
【0042】これをソフト的にx軸の方向のみにゲイン
をかけることで実施しようとすると、指令する移動の方
向と、実際の車両の移動方向に誤差が発生し、操作性が
悪化することが避けられない。これを図4により説明す
る。同図は車両に指令される速度ベクトルvを車両本体
のXv-Yv平面上に表したものである。同図中、破線のベ
クトルは、操作者が指令した速度の方向φと大きさvを
示し、破線の円は最高速度Vmaxを表している。ここで、
xの正方向の最高速度は、基準Vmaxの2倍である2Vmax
とし、xの負方向の最高速度は基準の半分の0.5Vmax
する最高速度の設定をx軸方向に沿って差を持たせるこ
とを考える。
【0043】これを実現するためには、検出されたx方
向の速度成分を倍率に応じて拡大、縮小する方法が、簡
単な方法として考えられる。この時、指令値、最高速度
はそれぞれ同図中に実線で示すベクトルおよび半楕円の
結合した曲線になる。しかし、拡大、縮小したx方向の
成分にy軸の速度成分と合成すると、同図に実線で示す
v'の速度の指令を車両に与えていることになり、この
方向φ’はもとのφとは一致しない。これより、ゲイン
を乗じた前後では指令の方向に誤差Δφが生じることが
わかる。これを補正するためには、制御装置における演
算量を増加せざるを得ない。
【0044】これに対して、本発明のスティック部11
0をあらかじめ傾けた角度を基準として設置する方法で
の最高速度は、図5において破線で示される基準の円を
x軸方向にr動かした同図中実線で表わされるものとな
る。またx方向の速度指令の初期偏差分rを差し引く処理
を施した後の指令値のベクトルはもとのベクトルと同じ
ものとなる。よって、車両の移動方向の歪みは発生する
ことがない。
【0045】以上の説明から明らかなように、ソフト的
な特別な演算処理を必要とせず、上記の車椅子における
例の場合、前方には高速運転が可能で、後ろ方向への最
高速度は制限することができる。これを実現するには、
図1においてx軸の負方向に角度Ω傾けた状態を基準と
して設置すればよい。
【0046】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、操舵角を検出するセンサがなくとも、全方向移動を
容易に行うことができ、機構の単純化と低コスト化を図
った操作性のよい全方向移動車両が提供できる(請求項
1,2)。また、請求項3ないし5の発明により、全方
向移動車両における測定および制御演算等を簡略化し
て、全体として、制御の高速化、簡略化、低価格化を図
った全方向移動車両ならびにその駆動制御方法並びに角
度測定方法を提供することができる。さらに、請求項6
の発明により、例えば車椅子などに好適な速度制限を付
与した簡略化した制御が実現できる。さらにまた、この
発明の全方向移動車両は、通信を用いた遠隔操縦や、自
動操縦、ナビゲーション制御などの用途にも適用が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の全方向移動車両の概略構成
を示す側面図である。
【図2】この発明の実施例の全方向移動車両の概略構成
を示す正面図である。
【図3】請求項3の発明を説明するための車両状態図で
ある。
【図4】請求項6の発明を説明するための改良前の速度
ベクトル状態図である。
【図5】請求項6の発明を説明するための改良後の速度
ベクトル状態図である。
【符号の説明】
1:駆動ユニット、2,3:駆動輪、8:軸受部、9:
アクチュエータ、10:歯車、11:ジョイスティッ
ク、12:車両本体、13:自由輪、15:台車、1
6:操舵軸、70:スティック指示板、71:ばね、1
10:スティック部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車に軸支された複数の駆動輪を有し、
    鉛直軸のまわりを回転自在に車両本体に支持された駆動
    ユニットと、操作装置としての2軸ジョイスティックと
    を備え、駆動ユニットを車両本体に対して回転させるこ
    とにより任意の方向に移動する全方向移動車両であっ
    て、前記ジョイスティックを、その並進動作指令読み取
    り部が前記駆動ユニットの回転と同期して回転するよう
    に、かつ前記車両本体上部から操作可能に配設してな
    り、さらに前記ジョイスティックの操作棒を、車両本体
    の水平面内の特定の方向であって鉛直軸から所定の角度
    傾けて取付け、この操作棒の取付け位置を操作棒の基準
    位置としてなることを特徴とする全方向移動車両。
  2. 【請求項2】 互いの車輪が同一直線上に配設されると
    ともに台車に軸支された一対の駆動輪と、両駆動輪を回
    転駆動するアクチュエータと、前記台車上に配設された
    操舵軸と、前記一対の駆動輪の設置位置の中点から水平
    方向に離間した位置で、前記操舵軸の垂直軸心まわりの
    旋回を自在にして車両本体に連結された駆動ユニット
    と、さらに、この駆動ユニットに配設された前記操舵軸
    の回転駆動用のアクチュエータと、2軸ジョイスティッ
    クとを備えた全方向移動車両であって、前記ジョイステ
    ィックをその並進動作指令読み取り部が前記駆動ユニッ
    トの回転と同期して回転するように、ジョイスティック
    の中心軸を前記操舵軸の旋回軸心と一致させ、かつ車両
    本体部から操作可能に前記駆動ユニットの台車上に配設
    してなり、さらに前記ジョイスティックの操作棒を、車
    両本体の水平面内の特定の方向であって鉛直軸から所定
    の角度傾けて取付け、この操作棒の取付け位置を操作棒
    の基準位置としてなることを特徴とする全方向移動車
    両。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかに記載の全
    方向移動車両の角度測定方法において、ジョイスティッ
    クが車両操作者によって使用されていない状態における
    前記ジョイスティックのx軸,y軸の速度指令値の読み
    取り値rx,ryに基づき、下記数1式から、全方向移動
    車両の駆動ユニットと車両本体との水平面内における初
    期相対角度θ0を測定することを特徴とする全方向移動
    車両の角度測定方法。 【数1】
  4. 【請求項4】 請求項1または2のいずれかに記載の全
    方向移動車両において、前記ジョイスティックのx軸,
    y軸の速度指令値の読み取り値rx,ryに基づき、下記
    数2式から求めた速度指令値rdに相応する操作棒の鉛
    直軸からの傾き角度相当値を演算し、この角度相当値
    が、前記操作棒の基準位置としてあらかじめ定めた鉛直
    軸からの傾斜角度の値と一致し、所定時間変化しないこ
    とを確認することにより、ジョイスティックが車両操作
    者によって使用されていない状態にあることを認識して
    なるようにしたことを特徴とする全方向移動車両。 【数2】
  5. 【請求項5】 請求項1,2または4のいずれかに記載
    の全方向移動車両の駆動制御方法において、車両本体の
    前後方向(x軸方向)と左右方向(y軸方向)の速度指
    令値vx,vy値を下記数3式,数4式により演算して、
    この演算された速度指令値に基づいて車両を駆動するこ
    とを特徴とする全方向移動車両の駆動制御方法。 【数3】 【数4】
  6. 【請求項6】 請求項1,2または4のいずれかに記載
    の全方向移動車両において、車両に速度制限を設ける場
    合には、鉛直軸から所定の角度傾けて取付ける操作棒の
    傾斜方向を前記車両に速度制限を設ける方向とは逆の方
    向とし、前記速度制限の制限割合に比例して操作棒の傾
    斜角度を大きくしてなることを特徴とする全方向移動車
    両。
JP24847699A 1999-09-02 1999-09-02 全方向移動車両とその駆動制御方法並びに角度測定方法 Expired - Fee Related JP3791659B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24847699A JP3791659B2 (ja) 1999-09-02 1999-09-02 全方向移動車両とその駆動制御方法並びに角度測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24847699A JP3791659B2 (ja) 1999-09-02 1999-09-02 全方向移動車両とその駆動制御方法並びに角度測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001071927A true JP2001071927A (ja) 2001-03-21
JP3791659B2 JP3791659B2 (ja) 2006-06-28

Family

ID=17178726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24847699A Expired - Fee Related JP3791659B2 (ja) 1999-09-02 1999-09-02 全方向移動車両とその駆動制御方法並びに角度測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3791659B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014125866A1 (ja) * 2013-02-12 2014-08-21 株式会社椿本チエイン 指示装置、プログラム、指示方法及び移動体システム
WO2014125867A1 (ja) * 2013-02-12 2014-08-21 株式会社椿本チエイン 指示装置、コンピュータプログラム、移動体システム及び指示方法
WO2014125865A1 (ja) * 2013-02-12 2014-08-21 株式会社椿本チエイン 移動指示装置、コンピュータプログラム、移動指示方法及び移動体システム
JP2018034633A (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 国立大学法人東京工業大学 着脱式電動台車

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014125866A1 (ja) * 2013-02-12 2014-08-21 株式会社椿本チエイン 指示装置、プログラム、指示方法及び移動体システム
WO2014125867A1 (ja) * 2013-02-12 2014-08-21 株式会社椿本チエイン 指示装置、コンピュータプログラム、移動体システム及び指示方法
WO2014125865A1 (ja) * 2013-02-12 2014-08-21 株式会社椿本チエイン 移動指示装置、コンピュータプログラム、移動指示方法及び移動体システム
JP2018034633A (ja) * 2016-08-31 2018-03-08 国立大学法人東京工業大学 着脱式電動台車

Also Published As

Publication number Publication date
JP3791659B2 (ja) 2006-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3791663B2 (ja) 全方向移動車両とその制御方法
JP4816732B2 (ja) 運転支援システムおよび運転支援方法
JP4316698B2 (ja) 操舵装置及びその制御方法
EP0716974A1 (en) Omnidirectional vehicle and method of controlling the same
EP3293600B1 (en) Three-axis motion joystick
US9658639B2 (en) Inceptor apparatus
JP5338968B2 (ja) 操舵制御装置
JP3560403B2 (ja) 全方向移動車両およびその制御方法
JP3791659B2 (ja) 全方向移動車両とその駆動制御方法並びに角度測定方法
JP4078889B2 (ja) 電動車椅子
JP2002213959A (ja) 角速度検出装置および車両用ナビゲーション装置
JP3791656B2 (ja) 全方向移動車両とその操舵角の測定方法並びにその制御方法
JP7391616B2 (ja) 移動体の姿勢推定装置
JP2007038962A (ja) 車両
JP5927031B2 (ja) 倒立振子型車両
JP3134167B2 (ja) 自動車玩具における操舵装置
JP3601253B2 (ja) 運転姿勢適正化装置
CN213199979U (zh) 一种电动平衡车
JP2001066143A (ja) 自動車用表示装置
WO2021187594A1 (ja) 誤差補正装置
JP2888063B2 (ja) 車両用ドアの開閉制御装置
JP2010228743A (ja) 車両
JP2733924B2 (ja) 移動体の走行制御装置
Switkes et al. Using MEMS accelerometers to improve automobile handwheel state estimation for force feedback
JP2000185574A (ja) 移動体操縦装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040217

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20060316

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060329

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100414

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110414

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees