JP2885982B2 - 偏光ガラスの製造方法 - Google Patents
偏光ガラスの製造方法Info
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- JP2885982B2 JP2885982B2 JP3336086A JP33608691A JP2885982B2 JP 2885982 B2 JP2885982 B2 JP 2885982B2 JP 3336086 A JP3336086 A JP 3336086A JP 33608691 A JP33608691 A JP 33608691A JP 2885982 B2 JP2885982 B2 JP 2885982B2
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- polarizing
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- particles
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- Glass Compositions (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は偏光ガラスの製造方法、
特には偏光特性に有用な銀粒子を分散させた偏光ガラス
の製造方法に関するものである。
特には偏光特性に有用な銀粒子を分散させた偏光ガラス
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】偏光材料は通常シ−ト形状に製造されて
いるが、一般にその製造方法は偏光粒子の塊を懸濁媒中
に分散させ、その後懸濁媒を押し出し、圧延あるいは延
伸などによって流動させ、偏光粒子を懸濁媒の流動方向
に配向させることによって行なわれており、この場合、
必要に応じて偏光粒子も伸長せしめられている。他方、
この偏光材料の研究および商品はそのほとんどが有機ま
たは無機の分子あるいは結晶が分散され、配向された有
機プラスチック懸濁媒に向けられてきているが、これは
有機プラスチックの多くが低い軟化点をもつものであ
り、比較的低い温度で流動可能であるからである。
いるが、一般にその製造方法は偏光粒子の塊を懸濁媒中
に分散させ、その後懸濁媒を押し出し、圧延あるいは延
伸などによって流動させ、偏光粒子を懸濁媒の流動方向
に配向させることによって行なわれており、この場合、
必要に応じて偏光粒子も伸長せしめられている。他方、
この偏光材料の研究および商品はそのほとんどが有機ま
たは無機の分子あるいは結晶が分散され、配向された有
機プラスチック懸濁媒に向けられてきているが、これは
有機プラスチックの多くが低い軟化点をもつものであ
り、比較的低い温度で流動可能であるからである。
【0003】しかし、この有機プラスチックを用いたも
のは硬度、耐引掻性が低く、温度容量が小さくて吸湿性
が高く、またその多くは屈折率も低いためにその用途が
制限されるという不利があることから、この偏光ガラス
についてはこのような欠点のない無機質のガラスからな
るものが開発された。この偏光ガラスについては偏光物
質として微細な金属粒子および無機結晶が用いられてい
る(米国特許第2,123,901 号明細書参照)が、これにつ
いては無機けい酸塩系基礎組成に塩化銀、臭化銀または
よう化銀から選ばれたハロゲン化銀の超顕微鏡的粒子を
含有するフォトクロミック偏光ガラスも提案されている
(米国特許第3,653,863 号明細書参照)。
のは硬度、耐引掻性が低く、温度容量が小さくて吸湿性
が高く、またその多くは屈折率も低いためにその用途が
制限されるという不利があることから、この偏光ガラス
についてはこのような欠点のない無機質のガラスからな
るものが開発された。この偏光ガラスについては偏光物
質として微細な金属粒子および無機結晶が用いられてい
る(米国特許第2,123,901 号明細書参照)が、これにつ
いては無機けい酸塩系基礎組成に塩化銀、臭化銀または
よう化銀から選ばれたハロゲン化銀の超顕微鏡的粒子を
含有するフォトクロミック偏光ガラスも提案されている
(米国特許第3,653,863 号明細書参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】また、この偏光ガラス
については銀の光還元で偏光効果を示すガラスの製造も
提案されている(米国特許第4,125,405 号明細書参照)
が、この方法で得られたものは生成される銀の量が比較
的少なく、銀によって引き起こされる吸収量が限られる
ために、二色比が限られるという不利がある 。なお、
これについてはハロゲン化銀結晶によってフォトクロミ
ック性が付与されているフォトクロミックガラスを還元
性雰囲気、好ましくは水素雰囲気中で約450 ℃よりも低
い高温で熱処理する方法も提案されている(米国特許出
願第95,435号明細書参照)が、これらの偏光ガラスはい
ずれも多成分ガラスで作られたものであるために、ガラ
ス組成が複雑で品質が不安定であり、化学的耐久性にも
問題がある。
については銀の光還元で偏光効果を示すガラスの製造も
提案されている(米国特許第4,125,405 号明細書参照)
が、この方法で得られたものは生成される銀の量が比較
的少なく、銀によって引き起こされる吸収量が限られる
ために、二色比が限られるという不利がある 。なお、
これについてはハロゲン化銀結晶によってフォトクロミ
ック性が付与されているフォトクロミックガラスを還元
性雰囲気、好ましくは水素雰囲気中で約450 ℃よりも低
い高温で熱処理する方法も提案されている(米国特許出
願第95,435号明細書参照)が、これらの偏光ガラスはい
ずれも多成分ガラスで作られたものであるために、ガラ
ス組成が複雑で品質が不安定であり、化学的耐久性にも
問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決した偏光ガラスの製造方法に関するものであり、
これは複数の層状の密度分布をもつ多孔質ガラス中に銀
粒子を分散させたのち透明ガラス化して銀粒子の濃度分
布を複数の層毎にに形成させ、ついでこれを延伸して銀
粒子を配向し、還元処理することによって偏光特性をも
たせることを特徴とするものである。
を解決した偏光ガラスの製造方法に関するものであり、
これは複数の層状の密度分布をもつ多孔質ガラス中に銀
粒子を分散させたのち透明ガラス化して銀粒子の濃度分
布を複数の層毎にに形成させ、ついでこれを延伸して銀
粒子を配向し、還元処理することによって偏光特性をも
たせることを特徴とするものである。
【0006】すなわち、本発明者らは偏光ガラスを容易
に、かつ有利に製造する方法を開発すべく種々検討した
結果、これについてはこの始発材となるガラス材を例え
ば四塩化けい素を酸水素火炎中で火炎加水分解して得た
シリカガラス微粒子を堆積して得た多孔質ガラス体とす
ると、このものはシリカガラス微粒子を堆積で得られた
ものであることから複数の層状の密度分布をもつものと
なるが、これに銀粒子を分散してから透明ガラス化する
と、銀粒子がこの複数の層毎に濃度分布をもって分散さ
れるので、これを延伸すればこの銀粒子の配向によって
偏光ガラスが容易に得られることを見出すと共に、これ
によれば目的とする偏光ガラスを工業的に安価に得るこ
とができることを確認して本発明を完成させた。以下に
これをさらに詳述する。
に、かつ有利に製造する方法を開発すべく種々検討した
結果、これについてはこの始発材となるガラス材を例え
ば四塩化けい素を酸水素火炎中で火炎加水分解して得た
シリカガラス微粒子を堆積して得た多孔質ガラス体とす
ると、このものはシリカガラス微粒子を堆積で得られた
ものであることから複数の層状の密度分布をもつものと
なるが、これに銀粒子を分散してから透明ガラス化する
と、銀粒子がこの複数の層毎に濃度分布をもって分散さ
れるので、これを延伸すればこの銀粒子の配向によって
偏光ガラスが容易に得られることを見出すと共に、これ
によれば目的とする偏光ガラスを工業的に安価に得るこ
とができることを確認して本発明を完成させた。以下に
これをさらに詳述する。
【0007】
【作用】本発明は偏光ガラスの製造方法に関するもので
あり、これは例えばけい素化合物の火炎加水分解で作ら
れたシリカガラス微粒子を堆積して得た、複数の層状の
密度分布をもった多孔質ガラス中に、銀粒子を分散させ
たのちこれを透明ガラス化し、ついてこれを延伸して銀
粒子を配向させることを要旨とするものである。
あり、これは例えばけい素化合物の火炎加水分解で作ら
れたシリカガラス微粒子を堆積して得た、複数の層状の
密度分布をもった多孔質ガラス中に、銀粒子を分散させ
たのちこれを透明ガラス化し、ついてこれを延伸して銀
粒子を配向させることを要旨とするものである。
【0008】本発明において始発材とされる多孔質ガラ
ス材は複数の層状の密度分布をもつものとされるが、こ
れは例えば光ファイバ用母材の製造方法としてよく知ら
れているVAD法やOVD法で作られたものとすればよ
い。すなわち、これは四塩化けい素などのけい素化合物
を酸水素火炎中で火炎加水分解させてシリカガラス微粒
子を生成させ、これを石英ガラス製の担体上に堆積させ
ることによって得られた多孔質ガラス母材とすればよい
が、この多孔質ガラス母材はけい素化合物の火炎加水分
解で生成したシリカガラス微粒子が時間的経過に伴なっ
て担体上に堆積されたものであることから、図1に示し
たように複数の層状の密度分布をもつものとなる。
ス材は複数の層状の密度分布をもつものとされるが、こ
れは例えば光ファイバ用母材の製造方法としてよく知ら
れているVAD法やOVD法で作られたものとすればよ
い。すなわち、これは四塩化けい素などのけい素化合物
を酸水素火炎中で火炎加水分解させてシリカガラス微粒
子を生成させ、これを石英ガラス製の担体上に堆積させ
ることによって得られた多孔質ガラス母材とすればよい
が、この多孔質ガラス母材はけい素化合物の火炎加水分
解で生成したシリカガラス微粒子が時間的経過に伴なっ
て担体上に堆積されたものであることから、図1に示し
たように複数の層状の密度分布をもつものとなる。
【0009】この多孔質ガラス母材には後述するように
これに銀化合物溶液が添加されるのであるが、このもの
はこれを銀化合物溶液に浸漬したときに微粒子間の凝集
力によって破壊されないだけの機械的強度を有すること
が必要とされることから、平均かさ密度が0.3g/cm3以上
のものとすることがよいが、これはまたこの化合物溶液
がこの多孔質ガラス母材内を容易に拡散移動することが
必要とされることからこの平均かさ密度は1.0g/cm3以下
のものとすることがよい。
これに銀化合物溶液が添加されるのであるが、このもの
はこれを銀化合物溶液に浸漬したときに微粒子間の凝集
力によって破壊されないだけの機械的強度を有すること
が必要とされることから、平均かさ密度が0.3g/cm3以上
のものとすることがよいが、これはまたこの化合物溶液
がこの多孔質ガラス母材内を容易に拡散移動することが
必要とされることからこの平均かさ密度は1.0g/cm3以下
のものとすることがよい。
【0010】なお、この多孔質ガラス母材はシリカガラ
スだけで作られたものであってもよいが、これはこれに
光ファイバ用のド−パントとしてよく知られているゲル
マニア(GeO2) を含有させると、多孔質ガラス母材の回
転軸を中心とした同心円上にゲルマニアの濃度比による
複数の多孔質ガラスの密度差が生じるし、これを偏光ガ
ラスを構成するのに必要な屈折率をもつものとすること
ができるので、このゲルマニアをド−プすることは好ま
しいことである。
スだけで作られたものであってもよいが、これはこれに
光ファイバ用のド−パントとしてよく知られているゲル
マニア(GeO2) を含有させると、多孔質ガラス母材の回
転軸を中心とした同心円上にゲルマニアの濃度比による
複数の多孔質ガラスの密度差が生じるし、これを偏光ガ
ラスを構成するのに必要な屈折率をもつものとすること
ができるので、このゲルマニアをド−プすることは好ま
しいことである。
【0011】本発明ではこの多孔質ガラス母材に偏光ガ
ラス特性をもたせるために銀粒子を分散させるのである
が、これはこの多孔質ガラス母材を銀化合物の溶液に浸
漬させて、多孔質ガラス母材の内部まで銀化合物を浸漬
させればよく、これによればこの多孔質ガラス母材が複
数の層状の密度分布をもつものであり、さらにはゲルマ
ニアの濃度差をもつこともあるので、浸漬された銀化合
物が濃度差をもつものとなり、このため銀粒子が配向し
易いものになる。
ラス特性をもたせるために銀粒子を分散させるのである
が、これはこの多孔質ガラス母材を銀化合物の溶液に浸
漬させて、多孔質ガラス母材の内部まで銀化合物を浸漬
させればよく、これによればこの多孔質ガラス母材が複
数の層状の密度分布をもつものであり、さらにはゲルマ
ニアの濃度差をもつこともあるので、浸漬された銀化合
物が濃度差をもつものとなり、このため銀粒子が配向し
易いものになる。
【0012】なお、ここに使用する銀化合物は溶剤に対
し溶解性のある硝酸銀、過塩酸塩とすればよく、この溶
剤は本質的に多孔質ガラス母材と反応しないものであれ
ば特に限定されないけれども、水は多孔質ガラス母材の
微粒子間の凝集力を弱めるので好ましいものではなく、
これは溶解度、多孔質ガラス母材との作用、乾燥性から
メタノ−ル、エタノ−ルとすることがよい。
し溶解性のある硝酸銀、過塩酸塩とすればよく、この溶
剤は本質的に多孔質ガラス母材と反応しないものであれ
ば特に限定されないけれども、水は多孔質ガラス母材の
微粒子間の凝集力を弱めるので好ましいものではなく、
これは溶解度、多孔質ガラス母材との作用、乾燥性から
メタノ−ル、エタノ−ルとすることがよい。
【0013】このようにして作られた銀化合物を分散し
ている多孔質ガラス母材は乾燥後、ついで電気炉中で加
熱処理し透明ガラス化して銀を含有した石英ガラスとさ
れるのであるが、この場合にはこれをヘリウムを含む還
元性雰囲気とすることがよく、またこれにフォトクロミ
ック性をもたせるためにはハロゲンガスを微量混合して
もよいが、さらには酸化物への転換を完全にするために
酸素ガスを微量混合してもよい。
ている多孔質ガラス母材は乾燥後、ついで電気炉中で加
熱処理し透明ガラス化して銀を含有した石英ガラスとさ
れるのであるが、この場合にはこれをヘリウムを含む還
元性雰囲気とすることがよく、またこれにフォトクロミ
ック性をもたせるためにはハロゲンガスを微量混合して
もよいが、さらには酸化物への転換を完全にするために
酸素ガスを微量混合してもよい。
【0014】本発明はこの銀を含有している石英ガラス
を延伸加工してこの銀粒子を配向させて、この石英ガラ
スを図2に示したような偏光ガラスとするのであるが、
この延伸加工は従来公知の多成分ガラスにおける延伸加
工よりも温度の高い1,100 ℃から1,500 ℃の間の温度で
行なうことが必要とされる。このような高い温度で延伸
加工するとこの銀粒子が配向され、400℃から500℃の間
の温度で還元熱処理することによってこれに偏光特性が
与えられ、この石英ガラスは偏光性をもつものとなるの
であるが、これについてはこの石英ガラスをそのガラス
層毎に切断し、研磨処理すれば図3に示したような偏光
ガラスを容易に、かつ安価に得ることができる。
を延伸加工してこの銀粒子を配向させて、この石英ガラ
スを図2に示したような偏光ガラスとするのであるが、
この延伸加工は従来公知の多成分ガラスにおける延伸加
工よりも温度の高い1,100 ℃から1,500 ℃の間の温度で
行なうことが必要とされる。このような高い温度で延伸
加工するとこの銀粒子が配向され、400℃から500℃の間
の温度で還元熱処理することによってこれに偏光特性が
与えられ、この石英ガラスは偏光性をもつものとなるの
であるが、これについてはこの石英ガラスをそのガラス
層毎に切断し、研磨処理すれば図3に示したような偏光
ガラスを容易に、かつ安価に得ることができる。
【0015】
【実施例】つぎに本発明の実施例をあげる。 実施例1 石英製同心多重管バ−ナ−に水素ガス5.5 リットル/
分、酸素ガス8.0 リットル/分を供給して酸水素火炎を
形成させ、このバ−ナ−中心に四塩化けい素および四塩
化ゲルマニウムを酸素ガス0.17リットル/分のキャリア
ガスに同伴して供給し、四塩化けい素、四塩化ゲルマニ
ウムの火炎加水分解でシリカガラス微粒子、ゲルマニウ
ム微粒子を発生させ、これらの微粒子を担体上の軸方向
に8時間堆積成長させたところ、外径45mm、長さ300mm
で重さが190g、平均かさ密度が0.4g/cm3である多孔質ガ
ラス母材が得られた。
分、酸素ガス8.0 リットル/分を供給して酸水素火炎を
形成させ、このバ−ナ−中心に四塩化けい素および四塩
化ゲルマニウムを酸素ガス0.17リットル/分のキャリア
ガスに同伴して供給し、四塩化けい素、四塩化ゲルマニ
ウムの火炎加水分解でシリカガラス微粒子、ゲルマニウ
ム微粒子を発生させ、これらの微粒子を担体上の軸方向
に8時間堆積成長させたところ、外径45mm、長さ300mm
で重さが190g、平均かさ密度が0.4g/cm3である多孔質ガ
ラス母材が得られた。
【0016】ついでこの多孔質ガラス母材を硝酸銀17.6
重量%のメタノ−ル溶液に浸漬して多孔質ガラス母材の
内部まで硝酸銀を浸漬させ、これを空気中に放置して乾
燥させたのち、電気炉中でヘリウムガス含有雰囲気中に
おいて1,470 ℃に加熱して透明ガラス化したところ、銀
を0.2 重量%含有した石英ガラスが得られた。つぎにこ
の石英ガラスを1,150 ℃で延伸加工し、ガラス層毎に切
断し、研磨加工し、水素雰囲気中において450℃に加熱
したところ、このものは外観が茶褐色であり、回転検光
子により透過光強度が変化するという物性を示したので
偏光ガラスであることが確認された。
重量%のメタノ−ル溶液に浸漬して多孔質ガラス母材の
内部まで硝酸銀を浸漬させ、これを空気中に放置して乾
燥させたのち、電気炉中でヘリウムガス含有雰囲気中に
おいて1,470 ℃に加熱して透明ガラス化したところ、銀
を0.2 重量%含有した石英ガラスが得られた。つぎにこ
の石英ガラスを1,150 ℃で延伸加工し、ガラス層毎に切
断し、研磨加工し、水素雰囲気中において450℃に加熱
したところ、このものは外観が茶褐色であり、回転検光
子により透過光強度が変化するという物性を示したので
偏光ガラスであることが確認された。
【0017】実施例2 石英製同心多重管バ−ナ−に水素ガス7.0 リットル/
分、酸素ガス8.0 リットル/分を供給して酸水素火炎を
形成させ、このバ−ナ−中心に四塩化けい素を酸素ガス
0.17リットル/分のキャリアガスに同伴して供給し、こ
の四塩化けい素の火炎加水分解で発生したシリカガラス
微粒子を担体上の軸方向に8時間堆積成長させたとこ
ろ、外径45mm、長さ300mm で重さが215g、平均かさ密度
が0.45g/cm3である多孔質ガラス母材が得られた。
分、酸素ガス8.0 リットル/分を供給して酸水素火炎を
形成させ、このバ−ナ−中心に四塩化けい素を酸素ガス
0.17リットル/分のキャリアガスに同伴して供給し、こ
の四塩化けい素の火炎加水分解で発生したシリカガラス
微粒子を担体上の軸方向に8時間堆積成長させたとこ
ろ、外径45mm、長さ300mm で重さが215g、平均かさ密度
が0.45g/cm3である多孔質ガラス母材が得られた。
【0018】ついでこの多孔質ガラス母材を硝酸銀20.4
重量%のメタノ−ル溶液に浸漬して多孔質ガラス母材の
内部まで硝酸銀を浸漬させ、これを空気中に放置して乾
燥させたのち、電気炉中でヘリウムガス含有雰囲気中に
おいて1,500 ℃に加熱して透明ガラス化したところ、銀
を0.2 重量%含有した石英ガラスが得られた。つぎにこ
の石英ガラスを1,300 ℃で延伸し、ガラス層毎に切断
し、研磨加工して水素雰囲気中において470 ℃に加熱し
たところ、このものは外観が黄色であり、回転検光子に
より透過光強度が変化するということから偏光ガラスで
あることが確認された。
重量%のメタノ−ル溶液に浸漬して多孔質ガラス母材の
内部まで硝酸銀を浸漬させ、これを空気中に放置して乾
燥させたのち、電気炉中でヘリウムガス含有雰囲気中に
おいて1,500 ℃に加熱して透明ガラス化したところ、銀
を0.2 重量%含有した石英ガラスが得られた。つぎにこ
の石英ガラスを1,300 ℃で延伸し、ガラス層毎に切断
し、研磨加工して水素雰囲気中において470 ℃に加熱し
たところ、このものは外観が黄色であり、回転検光子に
より透過光強度が変化するということから偏光ガラスで
あることが確認された。
【0019】
【発明の効果】本発明は偏光ガラスの製造方法に関する
ものであり、これは前記したように複数の層状の密度分
布を有する多孔質ガラス中に銀粒子を分散させたのち透
明ガラス化して銀粒子の濃度分布を複数の層毎に形成さ
せ、ついでこれを延伸して銀粒子を配向し、還元熱処理
することによって偏光特性をもたせることを特徴とする
ものであるが、これによれば始発材としての多孔質ガラ
スが複数の層状の密度分布をもつものであるので、これ
に含浸された銀粒子が密度差をもつものとなり、これを
ガラス化して得た石英ガラスを延伸すればこの銀粒子が
配向されて還元熱処理により偏光特性をもつものとなる
ので、偏光ガラスを容易に、しかも安価に得ることがで
きるという有利性が与えられる。
ものであり、これは前記したように複数の層状の密度分
布を有する多孔質ガラス中に銀粒子を分散させたのち透
明ガラス化して銀粒子の濃度分布を複数の層毎に形成さ
せ、ついでこれを延伸して銀粒子を配向し、還元熱処理
することによって偏光特性をもたせることを特徴とする
ものであるが、これによれば始発材としての多孔質ガラ
スが複数の層状の密度分布をもつものであるので、これ
に含浸された銀粒子が密度差をもつものとなり、これを
ガラス化して得た石英ガラスを延伸すればこの銀粒子が
配向されて還元熱処理により偏光特性をもつものとなる
ので、偏光ガラスを容易に、しかも安価に得ることがで
きるという有利性が与えられる。
【図1】本発明で使用される多孔質ガラス母材の縦断面
図を示したものである。
図を示したものである。
【図2】本発明において石英ガラスを延伸して得られた
銀化合物含有石英ガラスの縦断面図を示したものであ
る。
銀化合物含有石英ガラスの縦断面図を示したものであ
る。
【図3】本発明により得られた偏光ガラスの縦断面図を
示したものである。
示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−83951(JP,A) 特開 平2−248341(JP,A) 特開 昭56−169140(JP,A) 特開 昭63−36225(JP,A) 特開 昭53−84016(JP,A) 特公 昭49−36805(JP,B1) 特公 昭48−1095(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 5/30 C03C 1/00 - 14/00
Claims (4)
- 【請求項1】複数の層状の密度分布を有する多孔質ガラ
ス中に銀粒子を分散させたのち透明ガラス化して銀粒子
の濃度分布を複数の層毎に形成させ、ついでこれを延伸
して銀粒子を配向し、還元処理することによって偏光特
性をもたせることを特徴とする偏光ガラスの製造方法。 - 【請求項2】火炎加水分解で生成させたシリカガラス微
粒子を堆積して得た多孔質ガラス母材を銀化合物を含む
溶液中に浸漬し、乾燥させヘリウムを含む還元性雰囲気
下に高温で焼結して透明ガラス化したのち、延伸および
切断研磨する請求項1に記載した偏光ガラスの製造方
法。 - 【請求項3】多孔質ガラス母材が火炎中に四塩化けい素
などのシリカガラス原料と共に四塩化ゲルマニウムなど
のド−パント原料ガスを供給してあらかじめ密度差をも
つものとし、この密度差によって銀粒子の分散密度差を
形成させるようにする請求項2に記載した偏光ガラスの
製造方法。 - 【請求項4】銀化合物が硝酸銀または過塩酸銀である請
求項2または請求項3に記載した偏光ガラスの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3336086A JP2885982B2 (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 偏光ガラスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3336086A JP2885982B2 (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 偏光ガラスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05150117A JPH05150117A (ja) | 1993-06-18 |
JP2885982B2 true JP2885982B2 (ja) | 1999-04-26 |
Family
ID=18295556
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3336086A Expired - Lifetime JP2885982B2 (ja) | 1991-11-26 | 1991-11-26 | 偏光ガラスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2885982B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0719742B1 (en) * | 1994-12-27 | 1998-04-08 | Hoya Corporation | Polarizing glass and production process thereof |
US6563639B1 (en) * | 2002-01-24 | 2003-05-13 | Corning Incorporated | Polarizing glasses |
US7618908B2 (en) * | 2005-12-20 | 2009-11-17 | Corning Incorporated | Visible light optical polarizer made from stretched H2-treated glass |
JP4402728B2 (ja) * | 2008-04-21 | 2010-01-20 | Hoya Candeo Optronics株式会社 | 偏光ガラス、光アイソレーターおよび偏光ガラスの製造方法 |
-
1991
- 1991-11-26 JP JP3336086A patent/JP2885982B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05150117A (ja) | 1993-06-18 |
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