JP2885519B2 - 金属薄帯の連続鋳造装置 - Google Patents
金属薄帯の連続鋳造装置Info
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- JP2885519B2 JP2885519B2 JP1318591A JP1318591A JP2885519B2 JP 2885519 B2 JP2885519 B2 JP 2885519B2 JP 1318591 A JP1318591 A JP 1318591A JP 1318591 A JP1318591 A JP 1318591A JP 2885519 B2 JP2885519 B2 JP 2885519B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はベルト方式や双ドラム方
式などの金属薄帯連続鋳造装置に関わり、特に湯溜り部
に配設するスカム堰の構造に関する。
式などの金属薄帯連続鋳造装置に関わり、特に湯溜り部
に配設するスカム堰の構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来の双ドラム方式の連続鋳造装置を図
１に基づいて説明すると、該装置は一対の冷却ドラム１
と一対のサイド堰２で構成された湯溜り部４と、該湯溜
り部４に溶湯５を注入するノズル３と、該ノズル３と冷
却ドラム１との間にスカム堰６を前記溶湯５にその一部
を浸漬配設して構成されている。前記スカム堰６はノズ
ル３から吐出される溶湯流れがメニスカス部Ｒを波立た
せて鋳片Ｓの表面性状を劣化せしめるので、該溶湯流れ
を緩和してメニスカス部Ｒの波立ちを防止するものであ
る（特開昭61−165255号公報参照）。通常かゝるスカム
堰は耐熱性、耐熱衝撃性を与えるために窒化ボロン（Ｂ
Ｎ）材で製造されていた。
１に基づいて説明すると、該装置は一対の冷却ドラム１
と一対のサイド堰２で構成された湯溜り部４と、該湯溜
り部４に溶湯５を注入するノズル３と、該ノズル３と冷
却ドラム１との間にスカム堰６を前記溶湯５にその一部
を浸漬配設して構成されている。前記スカム堰６はノズ
ル３から吐出される溶湯流れがメニスカス部Ｒを波立た
せて鋳片Ｓの表面性状を劣化せしめるので、該溶湯流れ
を緩和してメニスカス部Ｒの波立ちを防止するものであ
る（特開昭61−165255号公報参照）。通常かゝるスカム
堰は耐熱性、耐熱衝撃性を与えるために窒化ボロン（Ｂ
Ｎ）材で製造されていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ＢＮ材
で製造されたスカム堰の溶湯に浸漬された部分は、溶湯
との反応によって長時間使用が困難である。また溶湯が
特にSUS304ステンレス綱の場合、該溶鋼と反応してＢＮ
が解離し、解離したＮが該溶鋼に溶解して鋳片表面の成
分が局所的に変化する恐れがあり、また解離したボロン
と溶鋼中の酸素と反応してボロン酸化物(B2O3)が生成
し、鋳片の表面割れを引起こす。
で製造されたスカム堰の溶湯に浸漬された部分は、溶湯
との反応によって長時間使用が困難である。また溶湯が
特にSUS304ステンレス綱の場合、該溶鋼と反応してＢＮ
が解離し、解離したＮが該溶鋼に溶解して鋳片表面の成
分が局所的に変化する恐れがあり、また解離したボロン
と溶鋼中の酸素と反応してボロン酸化物(B2O3)が生成
し、鋳片の表面割れを引起こす。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するもので、高温の溶湯中におけるＢＮ材の状態を究
明したところ、ＢＮなどの窒化物の特性を保持したまゝ
解離を防止するために、スカム堰表面に保護膜、たとえ
ば、ZrO2, Al2O3 等の酸化物の薄い被膜を溶射或は塗布
することが最も有効な手段であることが明らかとなっ
た。
決するもので、高温の溶湯中におけるＢＮ材の状態を究
明したところ、ＢＮなどの窒化物の特性を保持したまゝ
解離を防止するために、スカム堰表面に保護膜、たとえ
ば、ZrO2, Al2O3 等の酸化物の薄い被膜を溶射或は塗布
することが最も有効な手段であることが明らかとなっ
た。
【０００５】すなわち、本発明は回転する一対の冷却ド
ラムと一対のサイド堰とで形成した湯溜り部に溶湯を供
給してＳＵＳ３０４系ステンレス鋼の金属薄帯を連続鋳
造する装置において、前記冷却ドラムの幅方向に亘っ
て、少なくとも該冷却ドラムに面する壁面にＡｌ 2 Ｏ 3
の保護皮膜を形成し且つ素材がＢＮからなる一対のスカ
ム堰を前記溶湯中に浸漬、配設してなることを特徴とす
る金属薄帯の連続鋳造装置である。
ラムと一対のサイド堰とで形成した湯溜り部に溶湯を供
給してＳＵＳ３０４系ステンレス鋼の金属薄帯を連続鋳
造する装置において、前記冷却ドラムの幅方向に亘っ
て、少なくとも該冷却ドラムに面する壁面にＡｌ 2 Ｏ 3
の保護皮膜を形成し且つ素材がＢＮからなる一対のスカ
ム堰を前記溶湯中に浸漬、配設してなることを特徴とす
る金属薄帯の連続鋳造装置である。
【０００６】
【作用】サイド堰は高温の溶湯、たとえばＳＵＳ３０４
系ステンレス鋼の場合は約１５００℃に浸漬されるの
で、その表面が解離され易く、溶湯を汚染する恐れが生
ずる。前述のようにスカム堰の材質は耐熱性、耐熱衝撃
性が良好で地金付着の少ないＢＮなどの窒化物系のセラ
ミックスが用いられるが、溶湯が鋼の場合、該セラミッ
クスが溶鋼との反応によって解離して溶鋼にＮが溶解し
鋳片表面の成分が局所的に変化するとともにボロン酸化
物が生成して鋳片表面の割れを誘起する。
系ステンレス鋼の場合は約１５００℃に浸漬されるの
で、その表面が解離され易く、溶湯を汚染する恐れが生
ずる。前述のようにスカム堰の材質は耐熱性、耐熱衝撃
性が良好で地金付着の少ないＢＮなどの窒化物系のセラ
ミックスが用いられるが、溶湯が鋼の場合、該セラミッ
クスが溶鋼との反応によって解離して溶鋼にＮが溶解し
鋳片表面の成分が局所的に変化するとともにボロン酸化
物が生成して鋳片表面の割れを誘起する。
【０００７】すなわち、 ＢＮ→Ｂ＋Ｎ ２Ｂ＋３Ｏ→B2O3 の反応が生じ、ＮやB2O3が溶鋼を汚染する。このスカム
堰の溶湯との反応解離を防止するため該スカム堰の表面
に保護膜として、たとえばZrO2, Al2O3 などの酸化物の
薄い被膜を溶射或いは塗布することが極めて有効であ
る。
堰の溶湯との反応解離を防止するため該スカム堰の表面
に保護膜として、たとえばZrO2, Al2O3 などの酸化物の
薄い被膜を溶射或いは塗布することが極めて有効であ
る。
【０００８】この被膜効果を図２に示す。図２は図１の
連続鋳造装置を用い、溶湯としてSUS304ステンレス綱
を、又、スカム堰の材質としてＢＮをそれぞれ用い、ス
カム堰表面の被膜のないもの、ZrO2をスカム堰溶鋼浸漬
部分の冷却ドラムに面する壁面に溶射したもの、ZrO2,
あるいは Al2O3を上記部分の壁面両面に溶射したものの
４種類のスカム堰を用いて鋳造した鋳片の表面割れの状
態を示したものである。
連続鋳造装置を用い、溶湯としてSUS304ステンレス綱
を、又、スカム堰の材質としてＢＮをそれぞれ用い、ス
カム堰表面の被膜のないもの、ZrO2をスカム堰溶鋼浸漬
部分の冷却ドラムに面する壁面に溶射したもの、ZrO2,
あるいは Al2O3を上記部分の壁面両面に溶射したものの
４種類のスカム堰を用いて鋳造した鋳片の表面割れの状
態を示したものである。
【０００９】これによれば、少くとも冷却ドラムに面す
る部分に酸化物の被膜を形成すると鋳片の表面割れが著
るしく少なくなることがわかる。
る部分に酸化物の被膜を形成すると鋳片の表面割れが著
るしく少なくなることがわかる。
【００１０】
【実施例】SUS304組成をもち温度1500℃のステンレス溶
鋼を図１で示した冷却ドラム１、サイド堰２間の湯溜り
部４に注湯し、肉厚２mm、板幅800mm の薄肉鋳片を鋳造
速度80m/分で製造した。このとき、材質ＢＮのスカム堰
６端部を冷却ドラム１の略幅全長に亘って上記溶鋼中に
浸漬したが、この浸漬部分の冷却ドラム１に面する壁面
にZrO2を溶射して厚さ10μm 程度の被膜を形成した。
鋼を図１で示した冷却ドラム１、サイド堰２間の湯溜り
部４に注湯し、肉厚２mm、板幅800mm の薄肉鋳片を鋳造
速度80m/分で製造した。このとき、材質ＢＮのスカム堰
６端部を冷却ドラム１の略幅全長に亘って上記溶鋼中に
浸漬したが、この浸漬部分の冷却ドラム１に面する壁面
にZrO2を溶射して厚さ10μm 程度の被膜を形成した。
【００１１】湯溜り部４に注湯されたステンレス溶鋼の
湯面には膜厚0.5mm 程度のスカムが浮遊していたが、ス
カム堰６の浸漬のために上記スカムの冷却ドラムへの巻
込みがなく、さらに鋳造中、冷却ドラムに面するスカム
堰のＢＮ成分が溶解せず、得られた鋳片の表面性状は極
めて良好であった。
湯面には膜厚0.5mm 程度のスカムが浮遊していたが、ス
カム堰６の浸漬のために上記スカムの冷却ドラムへの巻
込みがなく、さらに鋳造中、冷却ドラムに面するスカム
堰のＢＮ成分が溶解せず、得られた鋳片の表面性状は極
めて良好であった。
【００１２】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明はスカム堰
の湯溜り部への浸漬部分にZrO2等の保護被膜を形成した
ので、スカム堰の材質として耐熱性、熱衝撃性などに優
れたＢＮ等を使用でき、これにより、長時間、安定した
連続鋳造採業を行うことができるのでその工業的効果は
極めて大きい。
の湯溜り部への浸漬部分にZrO2等の保護被膜を形成した
ので、スカム堰の材質として耐熱性、熱衝撃性などに優
れたＢＮ等を使用でき、これにより、長時間、安定した
連続鋳造採業を行うことができるのでその工業的効果は
極めて大きい。
【図１】本発明の連続鋳造装置を示す概略斜視図であ
る。
る。
【図２】スカム堰表面被膜の種類と鋳片の表面割れ発生
面積との関係を示す図である。
面積との関係を示す図である。
１…冷却ドラム ２…サイド堰 ３…ノズル ４…湯溜り部 ５…溶湯 ６…スカム堰 ７…酸化膜 Ｓ…金属薄帯 Ｒ…メニスカス部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水地 功 山口県光市大字島田3434番地 新日本製 鐵株式会社 光製鐵所内 (72)発明者 山本 恵一 広島県広島市西区観音新町四町目６番地 22号 三菱重工業株式会社 広島研究所 内 (72)発明者 山根 孝 広島県広島市西区観音新町四町目６番地 22号 三菱重工業株式会社 広島研究所 内 (56)参考文献 特開 昭63−177945（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−20141（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−165255（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−162557（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−94559（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B22D 11/06 330
Claims (1)
- 【請求項１】 回転する一対の冷却ドラムと一対のサイ
ド堰とで形成した湯溜り部に溶湯を供給してＳＵＳ３０
４系ステンレス鋼の金属薄帯を連続鋳造する装置におい
て、前記冷却ドラムの幅方向に亘って、少なくとも該冷
却ドラムに面する壁面にＡｌ 2 Ｏ 3 の保護皮膜を形成し
且つ素材がＢＮからなる一対のスカム堰を前記溶湯中に
浸漬、配設してなることを特徴とする金属薄帯の連続鋳
造装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1318591A JP2885519B2 (ja) | 1991-02-04 | 1991-02-04 | 金属薄帯の連続鋳造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1318591A JP2885519B2 (ja) | 1991-02-04 | 1991-02-04 | 金属薄帯の連続鋳造装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04253552A JPH04253552A (ja) | 1992-09-09 |
| JP2885519B2 true JP2885519B2 (ja) | 1999-04-26 |
Family
ID=11826120
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1318591A Expired - Fee Related JP2885519B2 (ja) | 1991-02-04 | 1991-02-04 | 金属薄帯の連続鋳造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2885519B2 (ja) |
-
1991
- 1991-02-04 JP JP1318591A patent/JP2885519B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04253552A (ja) | 1992-09-09 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990105 |
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