JP2001314947A - 薄肉鋳片の鋳造方法 - Google Patents
薄肉鋳片の鋳造方法Info
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- JP2001314947A JP2001314947A JP2000131648A JP2000131648A JP2001314947A JP 2001314947 A JP2001314947 A JP 2001314947A JP 2000131648 A JP2000131648 A JP 2000131648A JP 2000131648 A JP2000131648 A JP 2000131648A JP 2001314947 A JP2001314947 A JP 2001314947A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スカムの巻き込みに起因する鋳片表面の割れ
や、スカム疵の発生を防止して、表面性状の優れた薄肉
鋳片を製造する。 【解決手段】 冷却ドラムの周面の一部とサイド堰で形
成した湯溜まり部に溶融金属を注入し、ついで、該溶融
金属を該冷却ドラムの回転周面で冷却・凝固しながら薄
肉鋳片を連続鋳造する双ドラム式連続鋳造方式による薄
肉鋳片の鋳造方法において、溶鋼の表面張力を下げる塗
布剤を、ドラム表面に塗布する。また、塗布剤をドラム
端部に塗らないと、より表面性状の優れた薄肉鋳片を製
造することができる。塗布剤は、溶鋼の表面張力を下げ
る元素および/または溶鋼の表面張力を下げる元素の化
合物を含む塗布剤が好ましい。
や、スカム疵の発生を防止して、表面性状の優れた薄肉
鋳片を製造する。 【解決手段】 冷却ドラムの周面の一部とサイド堰で形
成した湯溜まり部に溶融金属を注入し、ついで、該溶融
金属を該冷却ドラムの回転周面で冷却・凝固しながら薄
肉鋳片を連続鋳造する双ドラム式連続鋳造方式による薄
肉鋳片の鋳造方法において、溶鋼の表面張力を下げる塗
布剤を、ドラム表面に塗布する。また、塗布剤をドラム
端部に塗らないと、より表面性状の優れた薄肉鋳片を製
造することができる。塗布剤は、溶鋼の表面張力を下げ
る元素および/または溶鋼の表面張力を下げる元素の化
合物を含む塗布剤が好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷却ドラムの周面
の一部に湯溜まり部を形成し、そこに注入した溶融金属
を冷却・凝固せしめて、薄肉鋳片を製造する双ドラム式
連続鋳造方式による薄肉鋳片の鋳造方法において、溶融
の表面張力を下げる塗布剤をドラム表面に塗布しつつ薄
肉鋳片を連続鋳造する鋳造方法に関するものである。
の一部に湯溜まり部を形成し、そこに注入した溶融金属
を冷却・凝固せしめて、薄肉鋳片を製造する双ドラム式
連続鋳造方式による薄肉鋳片の鋳造方法において、溶融
の表面張力を下げる塗布剤をドラム表面に塗布しつつ薄
肉鋳片を連続鋳造する鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、溶鋼等の溶融金属から最終形状に
近い数mmから数十mmの肉厚鋳片を直接製造する方法
が注目されている。この方法によれば、従来法のような
圧延工程を省略できる、あるいは、圧延工程での負荷コ
ストを軽減できるので、工程や設備の簡略化を図ること
ができる。
近い数mmから数十mmの肉厚鋳片を直接製造する方法
が注目されている。この方法によれば、従来法のような
圧延工程を省略できる、あるいは、圧延工程での負荷コ
ストを軽減できるので、工程や設備の簡略化を図ること
ができる。
【0003】この種の連続鋳造方法としては、互いに逆
方向に回転する一対の冷却ドラムの間に湯溜まり部を形
成する双ドラム方式、冷却ドラムとベルトの間に湯溜ま
り部を形成するドラムベルト方式、一本の冷却ドラムの
周面の一部に湯溜まりを形成する単ドラム方式がある。
これらの方式においては、いずれも冷却ドラムの周囲に
接する部分で、溶融金属の冷却・凝固が進行し、凝固シ
ェルを生成する。従って、この凝固シェルを安定して成
長せしめることが良好な表面性状を有する鋳片を製造す
ることにおいてきわめて重要である。
方向に回転する一対の冷却ドラムの間に湯溜まり部を形
成する双ドラム方式、冷却ドラムとベルトの間に湯溜ま
り部を形成するドラムベルト方式、一本の冷却ドラムの
周面の一部に湯溜まりを形成する単ドラム方式がある。
これらの方式においては、いずれも冷却ドラムの周囲に
接する部分で、溶融金属の冷却・凝固が進行し、凝固シ
ェルを生成する。従って、この凝固シェルを安定して成
長せしめることが良好な表面性状を有する鋳片を製造す
ることにおいてきわめて重要である。
【0004】双ドラム式連続鋳造装置では、図1に示す
ように、軸を水平にし互いに接近して並行に設置され、
且つ、互いに逆方向に回転する一対の冷却ドラム2、
2’と、冷却ドラム2、2’の両端面に圧着されたサイ
ド堰3、3’(仮想線で示す)とを主要な構成部材とし
ている。冷却ドラム2、2’とサイド堰3、3’とで形
成された湯溜まり部7の上方にはシールチャンバー8が
設けられ、シールチャンバー8内には不活性ガスが供給
される。湯溜まり部7にタンディッシュ14から浸漬ノ
ズル9を介し溶湯1を連続的に供給することにより、溶
湯1は冷却ドラム2、2’との接触部で凝固シェル4、
4’を形成し、凝固シェル4、4’は冷却ドラム2、
2’の回転に伴ってキッシングポイント6で圧着され薄
肉鋳片5となる。
ように、軸を水平にし互いに接近して並行に設置され、
且つ、互いに逆方向に回転する一対の冷却ドラム2、
2’と、冷却ドラム2、2’の両端面に圧着されたサイ
ド堰3、3’(仮想線で示す)とを主要な構成部材とし
ている。冷却ドラム2、2’とサイド堰3、3’とで形
成された湯溜まり部7の上方にはシールチャンバー8が
設けられ、シールチャンバー8内には不活性ガスが供給
される。湯溜まり部7にタンディッシュ14から浸漬ノ
ズル9を介し溶湯1を連続的に供給することにより、溶
湯1は冷却ドラム2、2’との接触部で凝固シェル4、
4’を形成し、凝固シェル4、4’は冷却ドラム2、
2’の回転に伴ってキッシングポイント6で圧着され薄
肉鋳片5となる。
【0005】しかし、かかる鋳造を行うに際し、湯だま
り部7に注入された溶湯1の表面に浮遊する酸化物(ス
カム)が、冷却ドラム2、2’の回転とともに、流れ込
む溶湯に付随して引き込まれ、鋳片の凝固シェル4、
4’の表面に付着して鋳造される場合がある。この結
果、鋳造された薄肉鋳片に割れやスカム疵が発生し、鋳
片の品質が損なわれる。
り部7に注入された溶湯1の表面に浮遊する酸化物(ス
カム)が、冷却ドラム2、2’の回転とともに、流れ込
む溶湯に付随して引き込まれ、鋳片の凝固シェル4、
4’の表面に付着して鋳造される場合がある。この結
果、鋳造された薄肉鋳片に割れやスカム疵が発生し、鋳
片の品質が損なわれる。
【0006】特開平6−339754号公報には、湯溜
まり内にスカム堰10、10’を配し、スカム堰10、
10’とサイド堰3、3’に囲まれたスペースに、スカ
ムを溶融状態に保つフラックスを添加しながら溶湯1を
注入し、溶融状のスカムを除去しながら鋳造を行う方法
が記載されている。
まり内にスカム堰10、10’を配し、スカム堰10、
10’とサイド堰3、3’に囲まれたスペースに、スカ
ムを溶融状態に保つフラックスを添加しながら溶湯1を
注入し、溶融状のスカムを除去しながら鋳造を行う方法
が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スカム
はスカム堰とドラムとの間にも生成し、これを巻き込む
ことによって欠陥が生じる。また、溶融状のスカムを除
去することは困難である。本発明は、スカムの巻き込み
に起因する鋳片表面の割れやスカム疵の発生を防止し
て、表面性状の優れた薄肉鋳片を製造するものである。
はスカム堰とドラムとの間にも生成し、これを巻き込む
ことによって欠陥が生じる。また、溶融状のスカムを除
去することは困難である。本発明は、スカムの巻き込み
に起因する鋳片表面の割れやスカム疵の発生を防止し
て、表面性状の優れた薄肉鋳片を製造するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)冷却ド
ラムの周囲の一部とサイド堰で形成した湯溜まり部に溶
融金属を注入し、ついで、該溶融金属を該冷却ドラムの
回転周面で冷却、凝固しながら薄肉鋳片を連続鋳造する
鋳造方法において、溶鋼の表面張力を下げる塗布剤を、
ドラム表面に塗布することを特徴とする薄肉鋳片の鋳造
方法であり、また、(2)冷却ドラムの周囲の一部とサ
イド堰で形成した湯溜まり部に溶融金属を注入し、つい
で、該溶融金属を該冷却ドラムの回転周面で冷却、凝固
しながら薄肉鋳片を連続鋳造する鋳造方法において、溶
鋼の表面張力を下げる元素および/または溶鋼の表面張
力を下げる元素の化合物を含む塗布剤を、ドラム表面に
塗布することを特徴とする薄肉鋳片の鋳造方法であり、
塗布剤として、具体的には(3)酸化物、硫化物、窒化
物のいずれか1種以上を含む塗布剤であり、また、
(4)La、Se、Te、Ce、Mn、Si、Sn、C
u、PおよびBのいずれか1種以上および/またはこれ
らの化合物を含む塗布剤を使用するものである。
ラムの周囲の一部とサイド堰で形成した湯溜まり部に溶
融金属を注入し、ついで、該溶融金属を該冷却ドラムの
回転周面で冷却、凝固しながら薄肉鋳片を連続鋳造する
鋳造方法において、溶鋼の表面張力を下げる塗布剤を、
ドラム表面に塗布することを特徴とする薄肉鋳片の鋳造
方法であり、また、(2)冷却ドラムの周囲の一部とサ
イド堰で形成した湯溜まり部に溶融金属を注入し、つい
で、該溶融金属を該冷却ドラムの回転周面で冷却、凝固
しながら薄肉鋳片を連続鋳造する鋳造方法において、溶
鋼の表面張力を下げる元素および/または溶鋼の表面張
力を下げる元素の化合物を含む塗布剤を、ドラム表面に
塗布することを特徴とする薄肉鋳片の鋳造方法であり、
塗布剤として、具体的には(3)酸化物、硫化物、窒化
物のいずれか1種以上を含む塗布剤であり、また、
(4)La、Se、Te、Ce、Mn、Si、Sn、C
u、PおよびBのいずれか1種以上および/またはこれ
らの化合物を含む塗布剤を使用するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の基本的な実施形態を図2
に示す。図2に示すように、本発明では、双ドラム2、
2’の表面に溶鋼の表面張力を低下させる塗布剤12、
12’をスプレーノズル11、11’を介して塗布す
る。本発明者等の知見によると、湯溜り部の溶鋼の湯面
に浮上してきたスカムが、冷却ドラムの回転とともに流
れ込む溶湯に付随して引き込まれる現象が観察される。
この状況下において、ドラム表面に溶鋼の表面張力を低
下させる塗布剤をスプレーノズル11、11’を用いて
塗布すると、塗布剤12、12’が、溶鋼と接して溶鋼
へ溶解して、または、溶鋼と反応して、鋳造ドラム2、
2’近傍の溶湯の表面張力を低下させる。すると、鋳造
ドラム2、2’近傍の湯面上にあるスカムは、ドラム表
面からはじかれるようにドラムから離れていく。この結
果、塗布剤の塗布によりはじかれたスカムは、湯溜まり
の中央部に移動して集積し、ドラム界面からのスカムの
巻き込みは激減する。
に示す。図2に示すように、本発明では、双ドラム2、
2’の表面に溶鋼の表面張力を低下させる塗布剤12、
12’をスプレーノズル11、11’を介して塗布す
る。本発明者等の知見によると、湯溜り部の溶鋼の湯面
に浮上してきたスカムが、冷却ドラムの回転とともに流
れ込む溶湯に付随して引き込まれる現象が観察される。
この状況下において、ドラム表面に溶鋼の表面張力を低
下させる塗布剤をスプレーノズル11、11’を用いて
塗布すると、塗布剤12、12’が、溶鋼と接して溶鋼
へ溶解して、または、溶鋼と反応して、鋳造ドラム2、
2’近傍の溶湯の表面張力を低下させる。すると、鋳造
ドラム2、2’近傍の湯面上にあるスカムは、ドラム表
面からはじかれるようにドラムから離れていく。この結
果、塗布剤の塗布によりはじかれたスカムは、湯溜まり
の中央部に移動して集積し、ドラム界面からのスカムの
巻き込みは激減する。
【0010】塗布剤を塗布する塗布手段として、スプレ
ーノズルの例を述べたが、塗布剤は、ロールコーターや
刷毛等の手段で塗布してもよい。塗布量は、溶鋼の鋼種
や鋳造条件に応じて適宜選択すればよい。表面張力を低
減させる元素の粉末とともに、あるいは、表面張力を低
減させる元素の粉末の代わりに、表面張力を低減させる
元素の化合物の粉末や成形物を用いてもよい。
ーノズルの例を述べたが、塗布剤は、ロールコーターや
刷毛等の手段で塗布してもよい。塗布量は、溶鋼の鋼種
や鋳造条件に応じて適宜選択すればよい。表面張力を低
減させる元素の粉末とともに、あるいは、表面張力を低
減させる元素の粉末の代わりに、表面張力を低減させる
元素の化合物の粉末や成形物を用いてもよい。
【0011】酸素、硫黄、窒素は溶鋼の表面張力を下げ
る作用が大きいので、酸化物、硫化物、窒化物を塗布す
ることが有効である。元素としては、表面張力を下げる
作用の大きい、La、Se、Te、Ce、Mn、Si、
Sn、Cu、PおよびBが望ましく、これらの1種以上
を用いる。また、これら元素の化合物を用いてもよい。
さらに、これらの元素の酸化物、硫化物、窒化物を用い
ることによって、酸素、硫黄、窒素の作用効果との相乗
効果が得られる。
る作用が大きいので、酸化物、硫化物、窒化物を塗布す
ることが有効である。元素としては、表面張力を下げる
作用の大きい、La、Se、Te、Ce、Mn、Si、
Sn、Cu、PおよびBが望ましく、これらの1種以上
を用いる。また、これら元素の化合物を用いてもよい。
さらに、これらの元素の酸化物、硫化物、窒化物を用い
ることによって、酸素、硫黄、窒素の作用効果との相乗
効果が得られる。
【0012】スカム堰10、10’は必須とするもので
はないが、スカム堰10、10’を併用すると、湯溜ま
り中央部に集積したスカムが再びドラム界面側に移動し
てこないので、本発明を一層効果的に行うことができ
る。また、塗布部分をドラム端部以外の部分に限定する
ことによって、ドラム端部では、スカムがドラム界面に
引き込まれるので、湯溜まり中央部へのスカムの集積が
減少し、これらスカムが湯面変動や波立ち等の鋳造状態
の変動によって巻き込まれて発生するスカム疵を低減さ
せることが可能となる。この際、中間成品である帯状鋼
板から成品の薄鋼板を製造するには、例えば、成品とな
る薄鋼板の板幅寸法を一定に揃えるために、中間成品で
ある帯状鋼板の幅方向の両端部をトリミングにより切り
落して屑鋼とし、残部を成品の薄鋼板にする。従って、
中間成品である帯状鋼板においては、多数の表面疵が幅
方向の両端部のトリミング代内に存在していても、成品
の品質上の支障にはならない。
はないが、スカム堰10、10’を併用すると、湯溜ま
り中央部に集積したスカムが再びドラム界面側に移動し
てこないので、本発明を一層効果的に行うことができ
る。また、塗布部分をドラム端部以外の部分に限定する
ことによって、ドラム端部では、スカムがドラム界面に
引き込まれるので、湯溜まり中央部へのスカムの集積が
減少し、これらスカムが湯面変動や波立ち等の鋳造状態
の変動によって巻き込まれて発生するスカム疵を低減さ
せることが可能となる。この際、中間成品である帯状鋼
板から成品の薄鋼板を製造するには、例えば、成品とな
る薄鋼板の板幅寸法を一定に揃えるために、中間成品で
ある帯状鋼板の幅方向の両端部をトリミングにより切り
落して屑鋼とし、残部を成品の薄鋼板にする。従って、
中間成品である帯状鋼板においては、多数の表面疵が幅
方向の両端部のトリミング代内に存在していても、成品
の品質上の支障にはならない。
【0013】
【実施例】SUS304鋼を図2に示す双ドラム連続鋳
造機により鋳造し、薄肉鋳片を製造した。鋳造条件は以
下のとおりである。 鋳造ドラムの寸法:直径1300mm、幅1000mm 鋳造ドラムの構造:内部水冷式、表面Niメッキの銅製 鋳造鋼種 :SUS304 鋳造速度 :60m/分 鋳片厚 :3mm。
造機により鋳造し、薄肉鋳片を製造した。鋳造条件は以
下のとおりである。 鋳造ドラムの寸法:直径1300mm、幅1000mm 鋳造ドラムの構造:内部水冷式、表面Niメッキの銅製 鋳造鋼種 :SUS304 鋳造速度 :60m/分 鋳片厚 :3mm。
【0014】この鋳片に発生した割れおよびスカム疵の
発生率を調査した。この鋳片は、幅25mmをトリミン
グした後、常法によって冷延、熱処理を行い成品とし
た。その製品に発生したスカム疵および鋳片の割れが原
因であるヘゲ疵の発生率を調査した。調査結果を表1に
示す。試料1は比較材である。鋳片表面の全面にスカム
の巻き込みによる疵が認められ、鋳片の幅中央付近にも
割れが生じていた。
発生率を調査した。この鋳片は、幅25mmをトリミン
グした後、常法によって冷延、熱処理を行い成品とし
た。その製品に発生したスカム疵および鋳片の割れが原
因であるヘゲ疵の発生率を調査した。調査結果を表1に
示す。試料1は比較材である。鋳片表面の全面にスカム
の巻き込みによる疵が認められ、鋳片の幅中央付近にも
割れが生じていた。
【0015】試料2から26は、塗布剤を塗布した本発
明例である。試料2から12のように、元素単体を塗布
した場合、スカム疵、割れが減少している。また、試料
13から25のように、化合物を塗布しても同様の効果
が得られ、特に、酸化物、硫化物、窒化物を塗布した場
合、よりスカム疵、割れの防止効果が高い。実施例には
記載していないが、複数の種類を混合しても同様の効果
が得られた。
明例である。試料2から12のように、元素単体を塗布
した場合、スカム疵、割れが減少している。また、試料
13から25のように、化合物を塗布しても同様の効果
が得られ、特に、酸化物、硫化物、窒化物を塗布した場
合、よりスカム疵、割れの防止効果が高い。実施例には
記載していないが、複数の種類を混合しても同様の効果
が得られた。
【0016】試料26は、塗布部分をドラム端部から2
0mmより幅中央側の部分に限定した場合であるが、巨
大なスカムの巻き込みによる欠陥が減少している。鋳造
ままの鋳片には、端部にスカム巻き込みが連続して認め
られたが、トリミングを施して製造した成品では、スカ
ム巻き込み疵、割れともに減少している。
0mmより幅中央側の部分に限定した場合であるが、巨
大なスカムの巻き込みによる欠陥が減少している。鋳造
ままの鋳片には、端部にスカム巻き込みが連続して認め
られたが、トリミングを施して製造した成品では、スカ
ム巻き込み疵、割れともに減少している。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明によると、双ドラム式連続鋳造に
よる薄肉鋳片の製造において、湯溜り部の溶鋼の湯面に
浮上しているスカムを、ドラム近傍から離れた位置に移
動させて、ドラム表面への巻き込みを防止することが可
能となり、鋳片の割れやスカム疵の発生を防止して、表
面性状の優れた薄肉鋳片を鋳造することができる。ま
た、本発明によると、従来おこなっていたスカム量低減
を目的とした溶鋼清浄化のための精錬や酸化防止のため
のシールを軽減することが可能となる。
よる薄肉鋳片の製造において、湯溜り部の溶鋼の湯面に
浮上しているスカムを、ドラム近傍から離れた位置に移
動させて、ドラム表面への巻き込みを防止することが可
能となり、鋳片の割れやスカム疵の発生を防止して、表
面性状の優れた薄肉鋳片を鋳造することができる。ま
た、本発明によると、従来おこなっていたスカム量低減
を目的とした溶鋼清浄化のための精錬や酸化防止のため
のシールを軽減することが可能となる。
【図1】双ドラム式の連続鋳造装置の概略を示す側面断
面図である。
面図である。
【図2】本発明の実施形態の例を説明する双ドラム式の
連続鋳造装置の概略を示す側面断面図である。
連続鋳造装置の概略を示す側面断面図である。
1…溶鋼 2、2’…鋳造ドラム(双ドラム) 3、3’…サイド堰 4、4’…凝固シェル 5…薄肉鋳片 6…キッシングポイント 7…湯溜まり 8…シールチャンバー 9…浸漬ノズル 10、10’…スカム堰 11、11’…スプレーノズル 12、12’…塗布剤 13、13’…塗布膜 14…タンディッシュ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 栄一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 Fターム(参考) 4E004 DA13 SA08 SB03 SB07
Claims (5)
- 【請求項1】 冷却ドラムの周囲の一部とサイド堰で形
成した湯溜まり部に溶融金属を注入し、ついで、該溶融
金属を該冷却ドラムの回転周面で冷却、凝固しながら薄
肉鋳片を連続鋳造する鋳造方法において、溶鋼の表面張
力を下げる塗布剤を、ドラム表面に塗布することを特徴
とする薄肉鋳片の鋳造方法。 - 【請求項2】 冷却ドラムの周囲の一部とサイド堰で形
成した湯溜まり部に溶融金属を注入し、ついで、該溶融
金属を該冷却ドラムの回転周面で冷却、凝固しながら薄
肉鋳片を連続鋳造する鋳造方法において、溶鋼の表面張
力を下げる元素および/または溶鋼の表面張力を下げる
元素の化合物を含む塗布剤を、ドラム表面に塗布するこ
とを特徴とする薄肉鋳片の鋳造方法。 - 【請求項3】 前記塗布剤が、酸化物、硫化物、窒化物
のいずれか1種以上を含むものであることを特徴とする
請求項1記載の薄肉鋳片の鋳造方法。 - 【請求項4】 前記溶鋼の表面張力を下げる元素および
/または溶鋼の表面張力を下げる元素の化合物が、L
a、Se、Te、Ce、Mn、Si、Sn、Cu、Pお
よびBのいずれか1種以上、および/または、La、S
e、Te、Ce、Mn、Si、Sn、Cu、PおよびB
のいずれか1種以上の化合物を含むものであることを特
徴とする請求項2記載の薄肉鋳片の鋳造方法。 - 【請求項5】 前記塗布剤を、ドラム端部だけに塗らな
いことを特徴とする請求項1または2記載の薄肉鋳片の
鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000131648A JP2001314947A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 薄肉鋳片の鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000131648A JP2001314947A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 薄肉鋳片の鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001314947A true JP2001314947A (ja) | 2001-11-13 |
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ID=18640512
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000131648A Withdrawn JP2001314947A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 薄肉鋳片の鋳造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2001314947A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003266153A (ja) * | 2002-03-14 | 2003-09-24 | Nippon Steel Corp | 双ドラム式連続鋳造機による薄肉鋳片の鋳造方法 |
WO2004009272A1 (ja) * | 2002-07-18 | 2004-01-29 | Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. | 帯板製造設備 |
JP2005512820A (ja) * | 2001-12-21 | 2005-05-12 | ポスコ | 双ロール式薄板鋳造機におけるロール表面汚れと鋳片エッジ部未凝固の防止装置 |
-
2000
- 2000-04-28 JP JP2000131648A patent/JP2001314947A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2004009272A1 (ja) * | 2002-07-18 | 2004-01-29 | Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. | 帯板製造設備 |
CN1309506C (zh) * | 2002-07-18 | 2007-04-11 | 石川岛播磨重工业株式会社 | 带板制造设备 |
US7318267B2 (en) | 2002-07-18 | 2008-01-15 | Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. | Strip production equipment |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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