JP2884763B2 - 浴室ユニットの防振構造 - Google Patents

浴室ユニットの防振構造

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、浴室ユニットの防振構造に関するものであ
る。
(ロ) 従来の技術 従来、浴室ユニットの防振構造の一実施例として、実
公昭57−40875号公報に記載されているものがある。
すなわち、かかる床パン防振構造は、浴室ユニットの
床パンの下面に平板状の防振ゴムを水平に取付け、同防
振ゴムを介して浴室ユニットを建物躯体の床版上に設置
しているものである。
かかる防振構造により、入浴者が床パン上を移動等す
ることにより浴室ユニット内で発生する振動を吸収して
建物の階下や隣室に振動が伝播しないようにしている。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 ところが、上記防振構造の場合、単に平板状の防振ゴ
ムを床パンの下面に水平に取付けているだけであり、か
かる平板状の防振ゴムは、せん断方向ばね定数が圧縮方
向ばね定数よりもはるかに小さいために(比率にしてせ
ん断ばね定数が圧縮方向ばね定数の略2割程度)、同防
振ゴムではせん断方向(この場合、水平方向)の振動吸
収力が弱く、入浴者が床パン上を移動等しただけで浴室
ユニットが横揺れして、入浴者に不快感を与えるという
問題があった。
また、地震時には、浴室ユニット内に設けた浴槽が横
揺れして浴室ユニットの側壁と衝突し、浴槽又は側壁を
損傷等する虞れもあった。
(ニ) 課題を解決するための手段 そこで、本発明では、浴室ユニットの底部を形成する
床パンの下面に防振ゴムを取付け、同防振ゴムを介して
浴室ユニットを建物躯体の床版上に設置した浴室ユニッ
トの防振構造において、建物躯体の床版上に固定された
有底円筒状の横ずれ規制体内に、防振ゴムの横方向のず
れが規制されるように一定間隔をあけて防振ゴムを配置
したことを特徴とする浴室ユニットの防振構造を提供せ
んとするものである。
また、本発明は、前記一定間隔は、防振ゴムのせん断
方向の最大たわみ量より小さく設定されていることにも
特徴を有する。
(ホ) 作用・効果 本発明によれば、以下のような作用効果が生起され
る。
浴室ユニットの底部を形成する床パンの下面に防振ゴ
ムを取付け、同防振ゴムを介して浴室ユニットを建物躯
体の床版上に設置した浴室ユニットの防振構造におい
て、建物躯体の床版上に固定された有底円筒状の横ずれ
規制体内に、防振ゴムの横方向のずれが規制されるよう
に一定間隔をあけて防振ゴムを配置した浴室ユニットの
防振構造としている。
したがって、建物躯体に固定されるのは防振ゴムでは
なく、有底円筒状の横ずれ規制体であるため、建物躯体
への接着を確実に行えるとともに、その横ずれ規制体に
配置される防振ゴムの横ずれ規制を、規制体の周壁によ
り確実に規制することができ、浴室ユニットの横揺れを
防止して入浴者に快適な入浴を提供することができる。
また、床パン上を入浴者が移動した際等にも、騒音や
振動を防振ゴムにより吸収して、建物の階下や隣室に振
動等が伝わるのを防止することができる。
そして、地震時にも、上記のように横ずれを防止する
ことができるので、浴室ユニット内に設けた浴槽が横揺
れにより浴室ユニットの側壁と衝突するのを防止するこ
とができ、浴槽又は側壁の損傷等を防止することができ
る。
しかも、横ずれ規制体を建物躯体の床版上に固定する
ための接着剤を、浴室ユニット設置後に同規制体の周囲
にかけた場合にも、同規制体の周壁により接着剤が防振
ゴムに直接かかるのを防止することができるので、防振
ゴムの防振機能を良好に確保することができる。
さらに、一定間隔は、防振ゴムのせん断方向の最大た
わみ量より小さく設定されているので、防振ゴムは一定
間隔以上に横ずれすることがなく、浴室ユニットの横ゆ
れをより確実に防止することができる。
(ヘ) 実施例 以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。
第1図は、本発明に係る防振構造を具備する浴室ユニ
ット(A)の説明図である。
浴室ユニット(A)は、第1図に示すように、前後左
右側壁(1)(2)(3)(4)と天井壁(5)と床パ
ン(6)とにより内部にバスルーム(7)を形成し、同
バスルーム(7)内に気泡発生浴槽(B)や洗場(9)
やカウンター(10)等を設置している。
また、気泡発生浴槽(B)は、床版(6)の左側半部
の位置に設置した浴槽本体(8)と、カウンター(10)
の右側下方に配置した循環ポンプ(P)との間に、給水
配管(11)と送水配管(12)とを介設して浴湯循環流路
(R)を形成し、送水配管(12)に空気取入部(13)を
送気配管(14)を介して連通連結している。
また、浴槽本体(8)は、上面開口の箱型に形成する
と共に、周縁に一定幅を有する鍔状の縁部(8a)を形成
し、浴槽本体(8)の前壁と後壁に、それぞれ二個づつ
背側用の噴出ノズル(15)(15)と足側用の噴出ノズル
(16)(16)を取付け、同浴槽本体(8)の洗場(9)
側に位置する右側壁の底部に近い位置に浴槽吸入口(1
7)を設け、同浴槽本体(8)の底部に浴場排水孔(1
8)を設けている。
また、各噴出ノズル(15)(15)(16)(16)には、
送水配管(12)の一端を連通連結すると共に、送気配管
(14)の一端を連通連結し、また、浴湯吸入口(17)に
吸水配管(11)の一端を連通連結している。
そして、各噴出ノズル(15)(15)(16)(16)内に
おいて、送水配管(12)を通して送出される浴湯中に、
送気配管(14)を通して送出される空気をエジェクタ効
果を利用して吸入、さらには混合して、各噴出ノズル
(15)(15)(16)(16)より気泡混じりの浴湯を浴槽
本体(8)内へ噴出可能としている。
また、第1図中、(M)は、循環ポンプ(P)を駆動
するモーター、(10a)はカウンター前垂れ部、(13a)
は空気吸入口、(13b)は空気量調節部、(13c)は吸気
管、(19)はポンプ支持台、(20)は浴槽エプロン、
(21)は気泡発生浴槽(B)を操作するための操作パネ
ル部である。
また、床パン(6)の下面には、第1図に示すよう
に、支持脚体(22)を垂設し、同支持脚体(22)により
建物躯体の床版(F)上に一定の空間(23)を開けて浴
室ユニット(A)を支持している。
上記のような構成において、気泡発生浴槽(B)は、
浴室ユニット(A)内にあって使用時に振動を発生する
ものであるが、本発明の要旨は、かかる浴室ユニット
(A)の防振構造にあり、以下第2図〜第14図を参照し
ながら説明する。
すなわち、支持脚体(22)は、第1図及び第2図に示
すように、伸縮高さ調節部(24)と防振部(25)とから
構成している。
そして、伸縮高さ調節部(24)は、第2図に示すよう
に、床パン(6)の下面に調節部本体(26)を固設し、
同調節部本体(26)に雌ネジ部(27)を設け、同雄ネジ
部(27)に調節ボルト(28)の上端部を上下方向に進退
調節自在に螺着し、下端に位置する同調節ボルト(28)
の六角形の頭部(28a)に防振部(25)を取付けてい
る。(28b)は締付ナットである。
また、防振部(25)は、第3図及び第4図に示すよう
に、調節ボルト(28)の頭部(28a)の下面に円板状の
取付板(29)を取付け、同取付板(29)の下面に円柱状
の防振ゴム(30)を取付け、同防振ゴム(30)の下面
に、有底円筒状の横ずれ規制体(31)を取付け、同規制
体(31)の下面に、円板状の接着用板体(32)を取付け
て構成している。
また、横ずれ規制体(31)は、第3図及び第4図に示
すように、防振ゴム(30)の下面径よりも少し大径に形
成した底壁(31a)と、同底壁(31a)の周縁より直上方
に立上げて形成した周壁(31b)とを鉄板等により一体
成形して形成している。
そして、周壁(31b)は、防振ゴム(30)と取付板(2
9)の周囲を一定間隔(t)を開けて囲繞し、同周壁(3
1b)により防振ゴム(30)の横ずれ(せん断方向のず
れ)を規制可能としている。
すなわち、一定間隔(t)は、防振ゴム(30)のせん
断方向の最大たわみ量も小さく設定して、同一間隔
(t)以上に防振ゴム(30)が横ずれしないようにして
いる。
また、接着用板体(32)は、浴室ユニット(A)の設
置面である建物躯体の床版(F)に支持脚体(22)の下
端をラバーコンクリート等の接着剤(33)により接着す
るための鉄板製等の板体であり、防振ゴム(30)の下面
と同一径の円板に形成してもよいが、本実施例では、接
着性をより良好にするために、第2図に示すように、同
防振ゴム(30)の下面よりも大径に形成している。
そして、接着用板体(32)の周縁部(32a)には、第
3図及び第4図に示すように、多数個の空気抜き兼固定
用の孔(32b)を円周方向に一定の間隔を開けて設けて
いる。
このようにして、接着用板体(32)を床版(F)に接
着する接着剤(33)中の空気が、各孔(32b)を通して
スムーズに外部に流出するようにして、接着剤(33)中
に接着性不良の原因となる空気溜りの発生を防止すると
共に、各孔(33)と接着剤(32)とのくいつきを良好に
して、浴室ユニット(A)の固定を確実に行なえるよう
にしている。
本発明の実施例は、上記のように構成しているもので
あり、本実施例によれば、以下のような作用効果が生起
される。
すなわち、本実施例では、浴室ユニット(A)の底部
を形成する床パン(6)の下面に防振ゴム(30)を取付
けているために、同防振ゴム(30)を建物躯体の床版
(F)に当接させて、浴室ユニット(A)を設置するこ
とにより、床パン(6)上を人が移動等した際や、気泡
発生浴槽(B)を使用した際にも、騒音や振動を防振ゴ
ム(30)により吸収して、建物の階下や隣室に振動等が
伝わるのを防止することができる。
この際、防振ゴム(30)には、横ずれ規制体(31)を
設けているために、入浴者が床パン(6)上を移動等し
た際に防振ゴム(30)に作用する横ずれを、同横ずれ規
制体(31)の周壁(31b)が規制し、浴室ユニット
(A)が横揺れを生じるのを防止することができて、入
浴者に快適な入浴を提供することができる。
そして、地震時にも、上記のように横ずれ規制体(3
1)により浴室ユニット(A)の横揺れを防止すること
ができるために、浴室ユニット(A)内に設けた浴槽本
体(8)が横揺れにより浴室ユニット(A)の側壁と衝
突するのを防止することができ、浴槽本体(8)又は側
壁の損傷等を防止することができる。
また、接着剤(33)を浴室ユニット設置後にかける、
いわゆる後かけ作業を行った際にも、横ずれ規制体(3
1)の周壁(31b)により接着剤(33)が防振ゴム(30)
に直接かかるのを防止することができるために、同防振
ゴム(30)の防振機能を良好に確保することができる。
また、横ずれ規制体(31)は、上記した第1実施例と
しての横ずれ規制体(31)以外に、第5図〜第10図に示
す第2〜第6実施例のように形成することもできる。
すなわち、第2実施例としての横ずれ規制体(31)
は、第5図に示すように、筒状に形成し、防振ゴム(3
0)の下面に取付けた接着用板体(32)の周縁部上面に
立設して、防振ゴム(30)と取付板(29)の周囲を一定
間隔(t)を開けて囲繞し、同横ずれ規制体(31)によ
り防振ゴム(30)の横ずれを規制している。
かかる構成により、第1実施例の横ずれ規制体(31)
と同様の作用効果を得られるようにすると共に、同規制
体(31)の構造の簡易化を図っている。
また、第3実施例としての横ずれ規制体(31)は、第
6図に示すように、前記第1実施例及び第2実施例の防
振ゴム(30)の略2倍の肉厚を有する防振ゴム(30)を
囲繞可能な有底円筒状に形成し、周壁(31b)の高さを
防振ゴム(30)の高さの略2倍に形成している。
かかる構成により、防振ゴム(30)の圧縮(引張り)
方向ばね定数を大きくすると共に、同防振ゴム(30)が
引張り状態に変形した状態で横ずれした場合にも、横ず
れ規制体(31)により確実に同防振ゴム(30)の横ずれ
を規制できるようにしている。
また、第4実施例としての横ずれ規制体(31)は、第
7図及び第8図に示すように、取付板を兼用するキャッ
プ状の上側規制体(34)と有底円筒状の下側規制体(3
5)とから構成しており、下側規制体(35)の周壁(35
b)の上部外周面側方に、上側規制体(34)の周壁(34
b)の下部内周面を一定間隔(t)を開けて内外側に対
向配置している。(34a)は、上側規制体(34)の取付
用天井壁、(35b)は、下側規制体(35)の底壁であ
る。
かかる構成により、上側規制体(34)の周壁(34b)
が下側規制体(35)の周壁(35b)に当接して、防振ゴ
ム(30)の横ずれを規制できるようにしている。
また、第5実施例としての横ずれ規制体(31)は、第
9図に示すように、取付用天井壁(34a)と周壁(34b)
とによりキャップ状に形成した上側規制体(34)と、円
筒状の下側規制体(35)とから構成している。
かかる構成により、第4実施例の横ずれ規制体(31)
と同様の作用効果が得られるようにすると共に、同規制
体(31)の構造の簡易化を図っている。
また、第6実施例としての横ずれ規制体(31)は、第
10図に示すように、天井壁(31c)にボルト挿通孔(3
6)を有し、防振ゴム(30)と取付板(29)を被覆可能
なキャップ状に形成している。
そして、横ずれ規制体(31)の周壁(31b)と防振ゴ
ム(30)の周面との間には一定間隔(t)を開けてい
る。
かかる構成により、防振ゴム(30)の横ずれを横ずれ
規制体(31)の周壁(31b)により規制すると共に、同
防振ゴム(30)の引張り変形を同規制体(31)の天井壁
(31c)により規制して、浴室ユニット(A)の横揺れ
や傾斜を低減させることができるようにしている。
また、横ずれ規制体(31)は、棒状又は板状に形成し
て、取付板(29)の周縁部に複数個垂設したり、また、
接着用板体(32)の周縁部に複数個立設して、防振ゴム
(30)の横ずれを規制可能とすることもできる。この場
合も、横ずれ規制体(31)と防振ゴム(30)の周面との
間には一定間隔(t)を開けている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る防振構造を具備する浴室ユニッ
トの説明図。 第2図は、第1実施例としての支持脚体の側面図。 第3図は、同支持脚体の防振部の一部切欠側面図。 第4図は、同防振部の一側半部の平面図。 第5図は、第2実施例としての防振部の一部切欠側面
図。 第6図は、第3実施例としての防振部の一部切欠側面
図。 第7図は、第4実施例としての防振部の一部切欠側面
図。 第8図は、同防振部の一側半部の一部切欠平面図。 第9図は、第5実施例としての防振部の一部切欠側面
図。 第10図は、第6実施例としての防振部の一部切欠側面
図。 (A):浴室ユニット (B):気泡発生浴槽 (6):床パン (16):支持脚体 (24):伸縮高さ調節部 (25):防振部 (30):防振ゴム (31):横ずれ規制体 (32):接着用板体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−133158(JP,A) 実開 昭63−176164(JP,U) 実開 昭57−167141(JP,U) 実開 平4−20554(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04H 1/12 301 E04F 15/00 - 15/00 101 E04B 1/98 E03C 1/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浴室ユニット(A)の底部を形成する床パ
    ン(6)の下面に防振ゴム(30)を取付け、同防振ゴム
    (30)を介して浴室ユニット(A)を建物躯体の床版
    (F)上に設置した浴室ユニットの防振構造において、 建物躯体の床版(F)上に固定された有底円筒状の横ず
    れ規制体(31)内に、防振ゴム(30)の横方向のずれが
    規制されるように一定間隔(t)をあけて防振ゴム(3
    0)を配置したことを特徴とする浴室ユニットの防振構
    造。
  2. 【請求項2】一定間隔(t)は、防振ゴム(30)のせん
    断方向の最大たわみ量より小さく設定されていることを
    特徴とする請求項1に記載の浴室ユニットの防振構造。
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