JP2884084B1 - 1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物及び1,8−(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物並びにそれらの製造方法 - Google Patents
1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物及び1,8−(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物並びにそれらの製造方法Info
- Publication number
- JP2884084B1 JP2884084B1 JP8100798A JP8100798A JP2884084B1 JP 2884084 B1 JP2884084 B1 JP 2884084B1 JP 8100798 A JP8100798 A JP 8100798A JP 8100798 A JP8100798 A JP 8100798A JP 2884084 B1 JP2884084 B1 JP 2884084B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydroxyethyl
- naphthalene
- formula
- acyloxyethyl
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
【要約】
【課題】 ペリ位架橋のポリエステルやポリエーテル用
のモノマーやその原料、界面活性剤などとして有用な、
新規な1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物
及び1,8−(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物
を提供する。 【解決手段】 式(I)もしくは式(II)で表わされる
1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物又は式
(III) で表わされる1−(1−アシルオキシエチル),
8−(2−アシルオキシエチル)ナフタレン。 【化1】 (式中、R1 はアシル基を示す。)
のモノマーやその原料、界面活性剤などとして有用な、
新規な1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物
及び1,8−(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物
を提供する。 【解決手段】 式(I)もしくは式(II)で表わされる
1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物又は式
(III) で表わされる1−(1−アシルオキシエチル),
8−(2−アシルオキシエチル)ナフタレン。 【化1】 (式中、R1 はアシル基を示す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な1,8−
(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物及び1,8−
(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物並びにその製
造方法に関する。
(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物及び1,8−
(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物並びにその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナフタレンのペリ位(1,8位)をヒド
ロキシメチル基で置換した、1,8−ビス(ヒドロキシ
メチル)ナフタレンは、従来よりよく知られた化合物で
ある。しかし、ナフタレンのペリ位をヒドロキシエチル
基やアシルオキシエチル基などの置換エチル基で置換し
た化合物は、合成が困難であり、文献未載である。これ
らの化合物は、ペリ位架橋のポリエステルやポリエーテ
ル用のモノマーやその原料、界面活性剤などとしての用
途が期待されている。
ロキシメチル基で置換した、1,8−ビス(ヒドロキシ
メチル)ナフタレンは、従来よりよく知られた化合物で
ある。しかし、ナフタレンのペリ位をヒドロキシエチル
基やアシルオキシエチル基などの置換エチル基で置換し
た化合物は、合成が困難であり、文献未載である。これ
らの化合物は、ペリ位架橋のポリエステルやポリエーテ
ル用のモノマーやその原料、界面活性剤などとしての用
途が期待されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって本発明は、
新規な1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物
及び1,8−(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物
並びにその製造方法を提供することを目的とする。
新規な1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物
及び1,8−(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物
並びにその製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、1,8−ジビニルナ
フタレンにヒドロホウ素化剤を作用させて得られる1,
8−ジビニルナフタレン−ホウ素化合物を分解すると、
効率よく1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合
物が得られることを見出し、この知見に基づき本発明を
なすに至った。すなわち本発明は、(1)式(I)
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、1,8−ジビニルナ
フタレンにヒドロホウ素化剤を作用させて得られる1,
8−ジビニルナフタレン−ホウ素化合物を分解すると、
効率よく1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合
物が得られることを見出し、この知見に基づき本発明を
なすに至った。すなわち本発明は、(1)式(I)
【0005】
【化8】
【0006】で表わされる1,8−ビス(1−ヒドロキ
シエチル)ナフタレン、(2)式(II)
シエチル)ナフタレン、(2)式(II)
【0007】
【化9】
【0008】で表わされる1−(1−ヒドロキシエチ
ル),8−(2−ヒドロキシエチル)ナフタレン、
(3)式(III)
ル),8−(2−ヒドロキシエチル)ナフタレン、
(3)式(III)
【0009】
【化10】
【0010】(式中、R1 はアシル基を示す。)で表わ
される1−(1−アシルオキシエチル),8−(2−ア
シルオキシエチル)ナフタレン、(4)式(IV)
される1−(1−アシルオキシエチル),8−(2−ア
シルオキシエチル)ナフタレン、(4)式(IV)
【0011】
【化11】
【0012】で表わされる1,8−ジビニルナフタレン
をヒドロホウ素化して得られる1,8−ジビニルナフタ
レン−ホウ素化合物を分解処理することを特徴とする式
(I)
をヒドロホウ素化して得られる1,8−ジビニルナフタ
レン−ホウ素化合物を分解処理することを特徴とする式
(I)
【0013】
【化12】
【0014】で表わされる1,8−ビス(1−ヒドロキ
シエチル)ナフタレン、又は式(II)
シエチル)ナフタレン、又は式(II)
【0015】
【化13】
【0016】で表わされる1−(1−ヒドロキシエチ
ル),8−(2−ヒドロキシエチル)ナフタレンの製造
方法、及び(5)(2)項記載の式(II)で表わされる
1−(1−ヒドロキシエチル),8−(2−ヒドロキシ
エチル)ナフタレンとアシル化剤とを反応させることを
特徴とする式(III)
ル),8−(2−ヒドロキシエチル)ナフタレンの製造
方法、及び(5)(2)項記載の式(II)で表わされる
1−(1−ヒドロキシエチル),8−(2−ヒドロキシ
エチル)ナフタレンとアシル化剤とを反応させることを
特徴とする式(III)
【0017】
【化14】
【0018】(式中、R1 はアシル基を示す。)で表
わされる1−(1−アシルオキシエチル),8−(2−
アシルオキシエチル)ナフタレンの製造方法を提供する
ものである。
わされる1−(1−アシルオキシエチル),8−(2−
アシルオキシエチル)ナフタレンの製造方法を提供する
ものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の新規な1,8−(ヒドロ
キシエチル)ナフタレン化合物は、式(I)で表わされ
る1,8−ビス(1−ヒドロキシエチル)ナフタレン又
は式(II)で表わされる1−(1−ヒドロキシエチ
ル),8−(2−ヒドロキシエチル)ナフタレンであ
る。
キシエチル)ナフタレン化合物は、式(I)で表わされ
る1,8−ビス(1−ヒドロキシエチル)ナフタレン又
は式(II)で表わされる1−(1−ヒドロキシエチ
ル),8−(2−ヒドロキシエチル)ナフタレンであ
る。
【0020】上記式(I)又は式(II)で表わされる化
合物は、式(IV)で表わされる1,8−ジビニルナフタ
レンを原料として製造することができる。本発明の式
(I)又は式(II)の化合物の製造は、通常、溶媒中で
行われ、このときの溶媒としては、例えばテトラヒドロ
フランやジグライムなどのエーテル類があげられる。前
記溶媒中で水素化ホウ素ナトリウムと三フッ化ホウ素エ
ーテル錯体を反応させるなどして、ジボランを発生さ
せ、これを式(IV)で表わされる化合物に作用させてヒ
ドロホウ素化反応を行わせる。このとき、式(IV)で表
わされる化合物は、あらかじめ溶媒に添加しておいて
も、ジボランの発生後に添加してもよい。ジボランの使
用量は適宜に決定することができるが、通常、式(IV)
で表わされる化合物1モルに対し3〜9モル、好ましく
は4〜8モルである。例えば水素化ホウ素ナトリウムと
三フッ化ホウ素エーテル錯体を用いる場合、その使用量
は、通常、式(IV)で表わされる化合物1モルに対し2
〜7モル、好ましくは3〜6モルとする。
合物は、式(IV)で表わされる1,8−ジビニルナフタ
レンを原料として製造することができる。本発明の式
(I)又は式(II)の化合物の製造は、通常、溶媒中で
行われ、このときの溶媒としては、例えばテトラヒドロ
フランやジグライムなどのエーテル類があげられる。前
記溶媒中で水素化ホウ素ナトリウムと三フッ化ホウ素エ
ーテル錯体を反応させるなどして、ジボランを発生さ
せ、これを式(IV)で表わされる化合物に作用させてヒ
ドロホウ素化反応を行わせる。このとき、式(IV)で表
わされる化合物は、あらかじめ溶媒に添加しておいて
も、ジボランの発生後に添加してもよい。ジボランの使
用量は適宜に決定することができるが、通常、式(IV)
で表わされる化合物1モルに対し3〜9モル、好ましく
は4〜8モルである。例えば水素化ホウ素ナトリウムと
三フッ化ホウ素エーテル錯体を用いる場合、その使用量
は、通常、式(IV)で表わされる化合物1モルに対し2
〜7モル、好ましくは3〜6モルとする。
【0021】反応温度は好ましくは0℃〜室温であり、
特にジボランを発生させる反応試剤の添加時には反応液
を氷水浴で十分冷却することが好ましく、その後は通
常、室温で1〜3時間反応させる。反応収率を上げるた
めには、反応中たえず効率よく攪拌することが好まし
い。このようにして反応を行うと、式(IV)で表わされ
る1,8−ジビニルナフタレンとジボランとの間でヒド
ロホウ素化反応が進行して、1,8−ジビニルナフタレ
ン−ホウ素化合物の白濁溶液が生ずる。
特にジボランを発生させる反応試剤の添加時には反応液
を氷水浴で十分冷却することが好ましく、その後は通
常、室温で1〜3時間反応させる。反応収率を上げるた
めには、反応中たえず効率よく攪拌することが好まし
い。このようにして反応を行うと、式(IV)で表わされ
る1,8−ジビニルナフタレンとジボランとの間でヒド
ロホウ素化反応が進行して、1,8−ジビニルナフタレ
ン−ホウ素化合物の白濁溶液が生ずる。
【0022】次に、この1,8−ジビニルナフタレン−
ホウ素化合物を分解処理する。分解処理は、例えば、反
応液にアルカリ水溶液を加え、次いで過酸化水素水を加
えるなどの方法で行うことができる。この分解処理のの
ち、例えばジクロロメタン、希塩酸などの溶媒を用いて
抽出操作を行い、得られた粗生成物を再結晶により精製
すると、式(IV)の化合物の2個のビニル基(−CH=
CH2)が1−ヒドロキシエチル基(−CH(OH)CH
3)又は2−ヒドロキシエチル基(−CH2 CH2 OH)
に変換された、式(I)で表わされる1,8−ビス(1
−ヒドロキシエチル)ナフタレンと、式(II)で表わさ
れる1−(1−ヒドロキシエチル),8−(2−ヒドロ
キシエチル)ナフタレンとが得られる。式(I)で表わ
される化合物と式(II)で表わされる化合物は、分別結
晶やクロマトグラフィーなど、通常行われる方法で容易
に分離できる。
ホウ素化合物を分解処理する。分解処理は、例えば、反
応液にアルカリ水溶液を加え、次いで過酸化水素水を加
えるなどの方法で行うことができる。この分解処理のの
ち、例えばジクロロメタン、希塩酸などの溶媒を用いて
抽出操作を行い、得られた粗生成物を再結晶により精製
すると、式(IV)の化合物の2個のビニル基(−CH=
CH2)が1−ヒドロキシエチル基(−CH(OH)CH
3)又は2−ヒドロキシエチル基(−CH2 CH2 OH)
に変換された、式(I)で表わされる1,8−ビス(1
−ヒドロキシエチル)ナフタレンと、式(II)で表わさ
れる1−(1−ヒドロキシエチル),8−(2−ヒドロ
キシエチル)ナフタレンとが得られる。式(I)で表わ
される化合物と式(II)で表わされる化合物は、分別結
晶やクロマトグラフィーなど、通常行われる方法で容易
に分離できる。
【0023】本発明の新規な1−(1−アシルオキシエ
チル),8−(2−アシルオキシエチル)ナフタレン
は、上記式(III) で表わされる。式中のR1 はアシル基
を表わす。R1 は脂肪族アシル基(飽和でも不飽和でも
よく、直鎖、分岐もしくは環状のいずれでもよい。好ま
しくは炭素数1〜10、例えばホルミル、アセチル、ア
クリロイル、メタクリロイル、デカノイルなど)、芳香
族アシル基(好ましくは炭素数7〜11、例えばベンゾ
イル、ナフトイルなど)、ヘテロ環アシル基(好ましく
は5〜6員環、例えばフロイル、ピリジンカルボニル、
テノイルなど)のいずれでもよい。また、これらはハロ
ゲン原子などで置換されていてもよい。
チル),8−(2−アシルオキシエチル)ナフタレン
は、上記式(III) で表わされる。式中のR1 はアシル基
を表わす。R1 は脂肪族アシル基(飽和でも不飽和でも
よく、直鎖、分岐もしくは環状のいずれでもよい。好ま
しくは炭素数1〜10、例えばホルミル、アセチル、ア
クリロイル、メタクリロイル、デカノイルなど)、芳香
族アシル基(好ましくは炭素数7〜11、例えばベンゾ
イル、ナフトイルなど)、ヘテロ環アシル基(好ましく
は5〜6員環、例えばフロイル、ピリジンカルボニル、
テノイルなど)のいずれでもよい。また、これらはハロ
ゲン原子などで置換されていてもよい。
【0024】式(III) で表わされる化合物は、本発明の
式(II)で表わされる化合物をアシル化することにより
製造することができる。アシル化剤は通常用いられるも
のを用いることができ、例えば無水酢酸、無水安息香酸
などのカルボン酸無水物、塩化アセチル、塩化ベンゾイ
ルなどのハロゲン化アシルなどがあげられる。本発明に
おけるアシル化反応は、ピリジン、トリエチルアミンな
どの溶媒中で行うことが好ましい。反応温度は用いるア
シル化剤により異なるが、通常、アシル化剤添加直後は
室温〜50℃とし、その後0℃〜室温として反応させ
る。反応時間もアシル化剤により異なるが、通常、3〜
10日である。このようにして反応を行うと、はじめは
無色の反応液が黄色の溶液に変化する。反応終了後にこ
の溶液を水で処理して抽出操作を行えば、式(II)の1
−(1−ヒドロキシエチル),8−(2−ヒドロキシエ
チル)ナフタレンの2個の水酸基(−OH)がアシルオ
キシ基(−OR1 )に変換した式(III) で表わされる1
−(1−アシルオキシエチル),8−(2−アシルオキ
シエチル)ナフタレンが得られる。
式(II)で表わされる化合物をアシル化することにより
製造することができる。アシル化剤は通常用いられるも
のを用いることができ、例えば無水酢酸、無水安息香酸
などのカルボン酸無水物、塩化アセチル、塩化ベンゾイ
ルなどのハロゲン化アシルなどがあげられる。本発明に
おけるアシル化反応は、ピリジン、トリエチルアミンな
どの溶媒中で行うことが好ましい。反応温度は用いるア
シル化剤により異なるが、通常、アシル化剤添加直後は
室温〜50℃とし、その後0℃〜室温として反応させ
る。反応時間もアシル化剤により異なるが、通常、3〜
10日である。このようにして反応を行うと、はじめは
無色の反応液が黄色の溶液に変化する。反応終了後にこ
の溶液を水で処理して抽出操作を行えば、式(II)の1
−(1−ヒドロキシエチル),8−(2−ヒドロキシエ
チル)ナフタレンの2個の水酸基(−OH)がアシルオ
キシ基(−OR1 )に変換した式(III) で表わされる1
−(1−アシルオキシエチル),8−(2−アシルオキ
シエチル)ナフタレンが得られる。
【0025】本発明の式(I)、式(II)、式(III) で
表わされる化合物はいずれも新規化合物であり、両親媒
性を有するため界面活性剤として利用できる。また、R
1 として重合性の基(例えばアクリロイル基、メタクリ
ロイル基、2−クロロアクリロイル基、4−ビニルベン
ゾイル基など)を有する式(III) の化合物はラジカル反
応やイオン反応など通常行われる方法によって単独重合
又は共重合して、ペリ位架橋のポリマーとすることがで
きる。このポリマーの分子量は特に制限はないが、通常
5000〜30000である。
表わされる化合物はいずれも新規化合物であり、両親媒
性を有するため界面活性剤として利用できる。また、R
1 として重合性の基(例えばアクリロイル基、メタクリ
ロイル基、2−クロロアクリロイル基、4−ビニルベン
ゾイル基など)を有する式(III) の化合物はラジカル反
応やイオン反応など通常行われる方法によって単独重合
又は共重合して、ペリ位架橋のポリマーとすることがで
きる。このポリマーの分子量は特に制限はないが、通常
5000〜30000である。
【0026】
【実施例】次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説
明する。 実施例1 1,8−ジビニルナフタレン0.456g、水素化ホウ
素ナトリウム0.291gを含むテトラヒドロフラン溶
液25mlに、氷水浴で冷却下、三フッ化ホウ素エーテ
ル錯体1.3mlを添加した。室温で1.5時間反応さ
せた後、アルカリ水溶液を添加し、次いで過酸化水素水
を添加して、白濁した溶液をジクロロメタンで抽出処理
した。得られた粗生成物をベンゼン−ペンタン系の混合
溶媒から再結晶して精製し、0.055g(収率11
%)の1,8−ビス(1−ヒドロキシエチル)ナフタレ
ン(無色結晶)と、0.299g(収率56%)の1−
(1−ヒドロキシエチル),8−(2−ヒドロキシエチ
ル)ナフタレン(無色結晶)を得た。なお、得られた
1,8−ビス(1−ヒドロキシエチル)ナフタレンに
は、ラセミ体とメソ体の2個のジアステレオマーが含ま
れる。
明する。 実施例1 1,8−ジビニルナフタレン0.456g、水素化ホウ
素ナトリウム0.291gを含むテトラヒドロフラン溶
液25mlに、氷水浴で冷却下、三フッ化ホウ素エーテ
ル錯体1.3mlを添加した。室温で1.5時間反応さ
せた後、アルカリ水溶液を添加し、次いで過酸化水素水
を添加して、白濁した溶液をジクロロメタンで抽出処理
した。得られた粗生成物をベンゼン−ペンタン系の混合
溶媒から再結晶して精製し、0.055g(収率11
%)の1,8−ビス(1−ヒドロキシエチル)ナフタレ
ン(無色結晶)と、0.299g(収率56%)の1−
(1−ヒドロキシエチル),8−(2−ヒドロキシエチ
ル)ナフタレン(無色結晶)を得た。なお、得られた
1,8−ビス(1−ヒドロキシエチル)ナフタレンに
は、ラセミ体とメソ体の2個のジアステレオマーが含ま
れる。
【0027】 1,8−ビス(1−ヒドロキシエチル)ナフタレン: 融点;148〜150℃ Rf(シリカゲル/酢酸エチル);0.41 元素分析;測定値;C,77.47, H,7.55 計算値;C,77.75, H,7.46(C14H16O2 ) 質量分析(m/z);216(M+) IR(Nujol);3257,1065cm-1(OH) 1H−NMR(重クロロホルム); δ 1.60(d,J=6.23Hz)(CH3), 1.63(d,J=6.23Hz)(CH3), 2.43(s)(OH), 5.80(q,J=6.23Hz)(CH−O), 5.69(q,J=6.23Hz)(CH−O)
【0028】 1−(1−ヒドロキシエチル),8−(2−ヒドロキシエチル)ナフタレン 融点;114.5〜115℃ Rf(シリカゲル/酢酸エチル);0.32 元素分析;測定値;C,78.07, H,7.21 計算値;C,77.75, H,7.46(C14H16O2 ) 質量分析(m/z);216(M+) IR(Nujol);3283,1054cm-1(OH) 1H−NMR(重クロロホルム); δ 1.60(d,J=6.34Hz,3H)(CH3), 2.10(s,2H)(OH) , 3.58(ddd,J=14.40,7.08,6.72Hz, 1H) 3.39(ddd,J=14.40,6.96,6.41Hz, 1H)(ArCH2) 3.89(ddd,J=10.68,7.08,6.41Hz, 1H) 3.85(ddd,J=10.68,6.96,6.72Hz, 1H)(−OCH2) 5.84(q,J=6.34Hz,1H)(−CH−O−)
【0029】実施例2 実施例1で得られた1−(1−ヒドロキシエチル),8
−(2−ヒドロキシエチル)ナフタレン0.07g、無
水酢酸1ml及びピリジン1mlの混合物を室温に10
日間放置して反応させた。反応後、生じた黄色溶液を、
希塩酸で抽出し、次いでジクロロメタンで抽出処理し
た。得られた粗生成物をヘキサンから再結晶して精製す
ると、0.092g(収率95%)の1−(1−アセト
キシエチル),8−(2−アセトキシエチル)ナフタレ
ンが無色結晶として得られた。 融点;71.5〜72℃ Rf(シリカゲル/ジクロロメタン);0.20 元素分析;測定値;C,72.16, H,6.41 計算値;C,71.98, H,6.71(C18H20O4 ) 質量分析(m/z);300(M+) IR(Nujol);1740,1240,1065cm-1(CH3 COO −) 1H−NMR(重クロロホルム); δ 1.64(d,J=6.47Hz,3H)(CH3), 2.07(s,3H),2.13(s,3H)(Ac), 3.58(ddd,J=14.50,9.10,5.40Hz, 1H) 3.43(ddd,J=14.50,9.62,6.80Hz, 1H)(CH2 OAc) 4.64(ddd,J=11.07,9.62,5.40Hz, 1H) 4.40(ddd,J=11.07,9.10,6.80Hz, 1H)(OCH2) 6.87(q,J=6.47Hz,1H)(CHOAc)
−(2−ヒドロキシエチル)ナフタレン0.07g、無
水酢酸1ml及びピリジン1mlの混合物を室温に10
日間放置して反応させた。反応後、生じた黄色溶液を、
希塩酸で抽出し、次いでジクロロメタンで抽出処理し
た。得られた粗生成物をヘキサンから再結晶して精製す
ると、0.092g(収率95%)の1−(1−アセト
キシエチル),8−(2−アセトキシエチル)ナフタレ
ンが無色結晶として得られた。 融点;71.5〜72℃ Rf(シリカゲル/ジクロロメタン);0.20 元素分析;測定値;C,72.16, H,6.41 計算値;C,71.98, H,6.71(C18H20O4 ) 質量分析(m/z);300(M+) IR(Nujol);1740,1240,1065cm-1(CH3 COO −) 1H−NMR(重クロロホルム); δ 1.64(d,J=6.47Hz,3H)(CH3), 2.07(s,3H),2.13(s,3H)(Ac), 3.58(ddd,J=14.50,9.10,5.40Hz, 1H) 3.43(ddd,J=14.50,9.62,6.80Hz, 1H)(CH2 OAc) 4.64(ddd,J=11.07,9.62,5.40Hz, 1H) 4.40(ddd,J=11.07,9.10,6.80Hz, 1H)(OCH2) 6.87(q,J=6.47Hz,1H)(CHOAc)
【0030】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、新
規な化合物である1,8−ビス(1−ヒドロキシエチ
ル)ナフタレン、1−(1−ヒドロキシエチル),8−
(2−ヒドロキシエチル)ナフタレン、及び1−(1−
アシルオキシエチル),8−(2−アシルオキシエチ
ル)ナフタレンが得られる。これらの化合物はポリエス
テルやポリエーテル用のモノマーやその原料、界面活性
剤製造原料などとして有用である。本発明の化合物は、
市販の1,8−ジビニルナフタレンを出発物質として、
簡便な工程で製造することができる。
規な化合物である1,8−ビス(1−ヒドロキシエチ
ル)ナフタレン、1−(1−ヒドロキシエチル),8−
(2−ヒドロキシエチル)ナフタレン、及び1−(1−
アシルオキシエチル),8−(2−アシルオキシエチ
ル)ナフタレンが得られる。これらの化合物はポリエス
テルやポリエーテル用のモノマーやその原料、界面活性
剤製造原料などとして有用である。本発明の化合物は、
市販の1,8−ジビニルナフタレンを出発物質として、
簡便な工程で製造することができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 33/26 C07C 29/52 C07C 67/08 C07C 69/16 C08G 63/00 C08G 65/00 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表わされる1,8−ビス(1−ヒドロキシエチル)ナ
フタレン。 - 【請求項2】 式(II) 【化2】 で表わされる1−(1−ヒドロキシエチル),8−(2
−ヒドロキシエチル)ナフタレン。 - 【請求項3】 式(III) 【化3】 (式中、R1 はアシル基を示す。)で表わされる1−
(1−アシルオキシエチル),8−(2−アシルオキシ
エチル)ナフタレン。 - 【請求項4】 式(IV) 【化4】 で表わされる1,8−ジビニルナフタレンをヒドロホウ
素化して得られる1,8−ジビニルナフタレン−ホウ素
化合物を分解処理することを特徴とする式(I) 【化5】 で表わされる1,8−ビス(1−ヒドロキシエチル)ナ
フタレン、又は式(II) 【化6】 で表わされる1−(1−ヒドロキシエチル),8−(2
−ヒドロキシエチル)ナフタレンの製造方法。 - 【請求項5】 請求項2記載の式(II)で表わされる1
−(1−ヒドロキシエチル),8−(2−ヒドロキシエ
チル)ナフタレンとアシル化剤とを反応させることを特
徴とする式(III) 【化7】 (式中、R1 はアシル基を示す。)で表わされる1−
(1−アシルオキシエチル),8−(2−アシルオキシ
エチル)ナフタレンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8100798A JP2884084B1 (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物及び1,8−(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物並びにそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8100798A JP2884084B1 (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物及び1,8−(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物並びにそれらの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2884084B1 true JP2884084B1 (ja) | 1999-04-19 |
JPH11279091A JPH11279091A (ja) | 1999-10-12 |
Family
ID=13734466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8100798A Expired - Lifetime JP2884084B1 (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物及び1,8−(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物並びにそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2884084B1 (ja) |
-
1998
- 1998-03-27 JP JP8100798A patent/JP2884084B1/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11279091A (ja) | 1999-10-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0242736B1 (en) | Sialosylceramides and production method thereof | |
JP2884084B1 (ja) | 1,8−(ヒドロキシエチル)ナフタレン化合物及び1,8−(アシルオキシエチル)ナフタレン化合物並びにそれらの製造方法 | |
KR100365020B1 (ko) | 아르부틴 중간체의 제조방법 | |
JPH05238990A (ja) | 1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチル)ナフタレン誘導体およびその製造方法 | |
US4395561A (en) | Synthesis of 3-hydroxyoxetane | |
JP5305697B2 (ja) | α−D−マンノピラノシド誘導体の製造方法 | |
JPH0460591B2 (ja) | ||
JP3074665B2 (ja) | 新規ヒドラゾン化合物、及びトリアゾール化合物の製造法 | |
EP0582153B1 (en) | Method of preparing 4-deoxy-D-mannose | |
KR100361833B1 (ko) | 심바스타틴의 제조방법 | |
JP3142274B2 (ja) | 抗生物質mi43−37f11の製造中間体 | |
JP3142273B2 (ja) | 抗生物質mi43−37f11の製造中間体 | |
JP3823668B2 (ja) | スフィンゴミエリン類縁体およびその製法 | |
JP3020980B2 (ja) | 光学活性なバレロラクトン誘導体 | |
US4808340A (en) | Process for preparing methyl 4-oxo-5-tetradecynoate | |
JPH01319496A (ja) | ウラシル誘導体 | |
JP3758707B2 (ja) | (−)−トランス−クマウシンの製法および新規中間体 | |
JP3207184B2 (ja) | 抗生物質mi43−37f11の製造方法および製造中間体 | |
JP2869745B2 (ja) | 光学活性ジクロルラクトン化合物及びその製造方法、並びにそれを用いた光学活性ジオール化合物の製造方法 | |
JP3304638B2 (ja) | 脂環式ジカルボン酸及びそのエステル、並びにそれらの製造方法 | |
JP3101474B2 (ja) | 4’−デメチル−4−ホルミルメチル−4−デソキシ−4−エピポドフィロトキシン誘導体の製造法 | |
CN118027091A (zh) | 一种曲前列环素及其中间体的制备方法 | |
JP2893473B2 (ja) | (+)―エキレニンの製造法および中間体 | |
JPH06145165A (ja) | D−グリセロ−d−タロオクトン酸エステル類およびマンニトール類 | |
JPH05140202A (ja) | 環状オリゴ糖、その製造方法及び合成中間体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |