JP3142274B2 - 抗生物質mi43−37f11の製造中間体 - Google Patents
抗生物質mi43−37f11の製造中間体Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は制癌抗生物質MI43-3
7F11の製造中間体に関する。
7F11の製造中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】制癌抗生物質MI43-37F11は下記の式で示
される物質であり、以下の理化学的性質を有する。
される物質であり、以下の理化学的性質を有する。
【化2】
【0003】(1) 形状:白色粉状 (2) 分子量:222(m/z、FDマススペクトロ
メトリーによる) (3) 元素分析(実測値):炭素59.40%、水素4.54
%、酸素35.79% (4) 分子式:C11H10O5 (5) 比旋光度:0°(c0.2、アセトニトリル) (6) 融点:148.5〜149.5℃ (7) 紫外部吸収スペクトル:メタノール中の吸収極
大(nm)、括弧内は(logε) 238 (4.63),244(4.65),2
56(sh,4.05),274(sh,3.82)286(sh,3.67),330
(3.78) (8) 赤外部吸収スペクトル(cm-1):3480,1680,
1630,1570,1510,1230,1190,1170,1100,1090,98
0,860,840,710,690に特徴的な吸収帯を有する。 (9) 溶解性:アセトニトリルに易溶、メタノール、
クロロホルムに可溶、水、ヘキサンに難溶。
メトリーによる) (3) 元素分析(実測値):炭素59.40%、水素4.54
%、酸素35.79% (4) 分子式:C11H10O5 (5) 比旋光度:0°(c0.2、アセトニトリル) (6) 融点:148.5〜149.5℃ (7) 紫外部吸収スペクトル:メタノール中の吸収極
大(nm)、括弧内は(logε) 238 (4.63),244(4.65),2
56(sh,4.05),274(sh,3.82)286(sh,3.67),330
(3.78) (8) 赤外部吸収スペクトル(cm-1):3480,1680,
1630,1570,1510,1230,1190,1170,1100,1090,98
0,860,840,710,690に特徴的な吸収帯を有する。 (9) 溶解性:アセトニトリルに易溶、メタノール、
クロロホルムに可溶、水、ヘキサンに難溶。
【0004】(10) 該磁気共鳴スペクトル(重アセト
ニトリル中のプロトン核磁気共鳴スペクトル、内部基準
はテトラメチルシラン): δ:3.56(1H,t,J=6.4Hz,OH) 3.88(3H,s,OCH3) 4.33(2H,d,J=6.4,CH2) 6.50(1H,d,J=2.8,CH) 6.54(1H,d,J=2.8,CH) 6.56(1H,s,CH) 11.00(1H,s,OH) (11) 重アセトニトリル中の13C核磁気共鳴スペク
トル:
ニトリル中のプロトン核磁気共鳴スペクトル、内部基準
はテトラメチルシラン): δ:3.56(1H,t,J=6.4Hz,OH) 3.88(3H,s,OCH3) 4.33(2H,d,J=6.4,CH2) 6.50(1H,d,J=2.8,CH) 6.54(1H,d,J=2.8,CH) 6.56(1H,s,CH) 11.00(1H,s,OH) (11) 重アセトニトリル中の13C核磁気共鳴スペク
トル:
【0005】
【表1】表 注:sは1重線、dは2重線、tは3重線 qは4重線 内部基準:テトラメチルシラン
【0006】該抗生物質はストレプトバーチシリウム属
に属するMI43-37F11生産菌、例えばストレプトバーチシ
リウム・ユーロシディクム(Streptoverticillium euroc
idicum、微工研菌寄第10513号)を培養することに
より生産されるが、化学合成による製造方法は未だ報告
されていなかった。
に属するMI43-37F11生産菌、例えばストレプトバーチシ
リウム・ユーロシディクム(Streptoverticillium euroc
idicum、微工研菌寄第10513号)を培養することに
より生産されるが、化学合成による製造方法は未だ報告
されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗生物質MI
43-37F11の製造中間体を提供することを目的とするもの
である。本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意努力
した結果、抗生物質MI43-37F11の重要な製造中間体を見
出し、本発明を完成するに至った。
43-37F11の製造中間体を提供することを目的とするもの
である。本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意努力
した結果、抗生物質MI43-37F11の重要な製造中間体を見
出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は下記の
一般式(VI)で示される化合物である。
一般式(VI)で示される化合物である。
【化3】 (VI)
【発明の実施の形態】本明細書では、 (1) 下記の一般
式(I)で表される化合物
式(I)で表される化合物
【化4】 (I) (式中、R1及びR2は独立に水素原子又は低級アルキル
基を示し、Lは脱離基を示す)、(2) (a)上記の一般式
(I)で示される化合物(式中、R1、R2及びLは上記
定義の通りである)をルイス酸で処理する工程、(b)工
程(a)により得られた化合物を必要により一般式(II) R3−COOX ……(II) (式中、R3は水素原子又は低級アルキル基を示し、X
は水素原子若しくはアルカリ金属、有機塩基を示す)と
反応させた後加水分解する工程、及び(c)工程(b)の前
に、及び/又は工程(b)に引き続き必要によりアルキル
化剤で処理する工程を含む抗生物質MI43-37F11の製造方
法、及び
基を示し、Lは脱離基を示す)、(2) (a)上記の一般式
(I)で示される化合物(式中、R1、R2及びLは上記
定義の通りである)をルイス酸で処理する工程、(b)工
程(a)により得られた化合物を必要により一般式(II) R3−COOX ……(II) (式中、R3は水素原子又は低級アルキル基を示し、X
は水素原子若しくはアルカリ金属、有機塩基を示す)と
反応させた後加水分解する工程、及び(c)工程(b)の前
に、及び/又は工程(b)に引き続き必要によりアルキル
化剤で処理する工程を含む抗生物質MI43-37F11の製造方
法、及び
【0009】(3) (a)下記の一般式で示される化合物
【化5】 (III) (式中、R1及びR2は独立に水素原子又は低級アルキル
基を示し、R4は低級アルキル基、又はエステル残基を
示す)を塩基の存在下に下記の一般式(IV)で示される
化合物
基を示し、R4は低級アルキル基、又はエステル残基を
示す)を塩基の存在下に下記の一般式(IV)で示される
化合物
【化6】 (IV) (式中、Lは前記定義の通りであり、R5及びR6は独立
に低級アルキル基を示す)と反応させた後、塩基で処理
し、必要によりアルキル化剤で処理することを特徴とす
る下記一般式(I)
に低級アルキル基を示す)と反応させた後、塩基で処理
し、必要によりアルキル化剤で処理することを特徴とす
る下記一般式(I)
【化7】 (I) (式中、R1、R2及びLは前記定義の通りである)で示
される化合物の製造方法についても開示する。
される化合物の製造方法についても開示する。
【0010】一般式(I)で示される化合物は新規化合
物であり、抗生物質MI43-37F11の製造中間体として有用
である。式(I)中、R1及びR2は独立に水素原子を示
すか、又は低級アルキル基を示す。本明細書において低
級アルキル基とは、例えば炭素数1〜4の直鎖若しくは
分枝していてもよいアルキル基をいい、具体的には、例
えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等
を例示することができる。式(I)においてR 1及びR2
はメチル基であることが好ましい。一般式(I)中Lは
脱離基を示すが、本明細書において脱離基とは置換反
応、脱離反応又は加水分解反応において反応基質から離
れていく原子または官能基を有していればよく、例え
ば、ベンジルオキシ基、ハロゲン原子、低級アルコキシ
基、ホルミルオキシ基、低級アルカノイルオキシ基等を
挙げることができる。ただし、これらに限定されること
なく当業者に周知の脱離基も含まれる。
物であり、抗生物質MI43-37F11の製造中間体として有用
である。式(I)中、R1及びR2は独立に水素原子を示
すか、又は低級アルキル基を示す。本明細書において低
級アルキル基とは、例えば炭素数1〜4の直鎖若しくは
分枝していてもよいアルキル基をいい、具体的には、例
えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等
を例示することができる。式(I)においてR 1及びR2
はメチル基であることが好ましい。一般式(I)中Lは
脱離基を示すが、本明細書において脱離基とは置換反
応、脱離反応又は加水分解反応において反応基質から離
れていく原子または官能基を有していればよく、例え
ば、ベンジルオキシ基、ハロゲン原子、低級アルコキシ
基、ホルミルオキシ基、低級アルカノイルオキシ基等を
挙げることができる。ただし、これらに限定されること
なく当業者に周知の脱離基も含まれる。
【0011】上記一般式(I)で示される化合物は、一
般式(III)で示される化合物と一般式(IV)で示され
る化合物とを塩基の存在下に反応させて得られる下記の
一般式(V)で示される化合物
般式(III)で示される化合物と一般式(IV)で示され
る化合物とを塩基の存在下に反応させて得られる下記の
一般式(V)で示される化合物
【化8】 (V) (式中、R1、R2、R4及びLは前記定義と同じであ
る)を、さらに塩基で処理し、必要によりアルキル化剤
で処理することにより得られる。一般式(III)及び
(V)においてR1、R2は独立に水素原子又は低級アル
キル基を示し、R1及びR2がメチル基であることが好ま
しい。一般式(IV)及び(V)においてLは脱離基を示
し、一般式(III)及び(V)においてR4は低級アルキ
ル基又はエステル残基を示す。
る)を、さらに塩基で処理し、必要によりアルキル化剤
で処理することにより得られる。一般式(III)及び
(V)においてR1、R2は独立に水素原子又は低級アル
キル基を示し、R1及びR2がメチル基であることが好ま
しい。一般式(IV)及び(V)においてLは脱離基を示
し、一般式(III)及び(V)においてR4は低級アルキ
ル基又はエステル残基を示す。
【0012】一般式(III)で示される化合物と一般式
(IV)の化合物を反応させるには、例えばエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中
で、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウ
ムジシクロへキシルアミド、リチウムビス(トリメチル
シリル)アミド等の塩基の存在下に反応させればよい。
一般式(III)で示される化合物に対して該塩基を1.0
〜2.0モルで、一般式(IV)で示される化合物を1.0〜
3.0モルで使用すればよく、通常反応温度−78℃〜0
℃で0.5〜2.0時間反応させればよい。反応は好ましく
はアルゴン、窒素等の不活性ガス下で行われる。
(IV)の化合物を反応させるには、例えばエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等の溶媒中
で、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウ
ムジシクロへキシルアミド、リチウムビス(トリメチル
シリル)アミド等の塩基の存在下に反応させればよい。
一般式(III)で示される化合物に対して該塩基を1.0
〜2.0モルで、一般式(IV)で示される化合物を1.0〜
3.0モルで使用すればよく、通常反応温度−78℃〜0
℃で0.5〜2.0時間反応させればよい。反応は好ましく
はアルゴン、窒素等の不活性ガス下で行われる。
【0013】一般式(V)で示される化合物をさらに塩
基で処理し、必要によりアルキン化剤で処理することに
より一般式(I)で示される化合物が得られる。使用す
る塩基としては例えば水素化ナトリウム、tert−ブトキ
シカリウム、ナトリウム、低級アルコキシナトリウム等
を挙げることができ、これらの塩基は化合物(V)に対
して通常1.0〜1.5モルで使用される。反応は好ましく
は無水ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、エーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶
媒、ジメチルホルムアミド等の不活性溶媒中で0〜10
0℃の温度下に行われ、反応時間は通常0.5〜2時間で
ある。反応は好ましくは窒素、アルゴン等の不活性気流
下に行われる。
基で処理し、必要によりアルキン化剤で処理することに
より一般式(I)で示される化合物が得られる。使用す
る塩基としては例えば水素化ナトリウム、tert−ブトキ
シカリウム、ナトリウム、低級アルコキシナトリウム等
を挙げることができ、これらの塩基は化合物(V)に対
して通常1.0〜1.5モルで使用される。反応は好ましく
は無水ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、エーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶
媒、ジメチルホルムアミド等の不活性溶媒中で0〜10
0℃の温度下に行われ、反応時間は通常0.5〜2時間で
ある。反応は好ましくは窒素、アルゴン等の不活性気流
下に行われる。
【0014】さらに必要な場合には上記の様にして得ら
れる化合物をアルキル化剤で処理することにより一般式
(I)で示される化合物が得られる。使用されるアルキ
ル化剤としてはジメチル硫酸、ヨウ化メチル、ヨウ化エ
チル、ヨウ化ブチル、ジアゾメタン等を挙げることがで
き、好ましくはアセトン、ジメチルホルムアミド、ジク
ロルメタン等の溶媒中でアルキル化剤を1.0〜5.0当量
使用し、0°〜室温若しくは加熱下で0.5〜10時間反
応させればよい。以下の様にして得られた一般式(I)
で示される化合物をルイス酸で処理するか、又は、必要
により一般式(II)で示される化合物と反応させた後に
加水分解することにより抗生物質MI43−37F11が製
造される。
れる化合物をアルキル化剤で処理することにより一般式
(I)で示される化合物が得られる。使用されるアルキ
ル化剤としてはジメチル硫酸、ヨウ化メチル、ヨウ化エ
チル、ヨウ化ブチル、ジアゾメタン等を挙げることがで
き、好ましくはアセトン、ジメチルホルムアミド、ジク
ロルメタン等の溶媒中でアルキル化剤を1.0〜5.0当量
使用し、0°〜室温若しくは加熱下で0.5〜10時間反
応させればよい。以下の様にして得られた一般式(I)
で示される化合物をルイス酸で処理するか、又は、必要
により一般式(II)で示される化合物と反応させた後に
加水分解することにより抗生物質MI43−37F11が製
造される。
【0015】ルイス酸としてはBBr3、BCl3、ZnCl2、ZnB
r2、ZnI2、AlCl3、BF3・O(Et)2、SnCl4、AlBr3等を使用
することができ、一般式(I)で示される化合物に対し
て1.0〜10モルのルイス酸を用いて、例えば無水ジク
ロルメタン、クロロホルム、トルエン等の不活性溶媒中
で−78℃〜室温の温度下に0.5〜5時間反応させるこ
とにより抗生物質MI43-37F11が製造できる。ルイス酸と
の反応で生成するハロゲン体は、さらに一般式(II)で
示される化合物と反応させた後に加水分解しても抗生物
質MI43-37F11が製造できる。式(II)中R3は水素原子
又は低級アルキル基を示し、Xは水素原子、アルカリ金
属若しくは有機塩基を示し、アルカリ金属としてはナト
リウム、カリウム、リチウム等、有機塩基としてはアン
モニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、メチル
ジメチルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、ジイ
ソプロピルエチルアミン等を例示できる。R3が水素原
子でありXがナトリウムである一般式(II)で示される
化合物と一般式(I)で示される化合物の反応はジメチ
ルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル等の溶媒中で−5〜50℃の温度下に1〜2
4時間反応させればよい。上記の反応を行うにあたって
は、一般式(I)の化合物をルイス酸で処理して得られ
る化合物においてLが臭素原子であることが好ましい。
反応終了後生成物を単離し、若しくは反応液をそのまま
加水分解処理に付することにより抗生物質MI43-37F11が
得られる。
r2、ZnI2、AlCl3、BF3・O(Et)2、SnCl4、AlBr3等を使用
することができ、一般式(I)で示される化合物に対し
て1.0〜10モルのルイス酸を用いて、例えば無水ジク
ロルメタン、クロロホルム、トルエン等の不活性溶媒中
で−78℃〜室温の温度下に0.5〜5時間反応させるこ
とにより抗生物質MI43-37F11が製造できる。ルイス酸と
の反応で生成するハロゲン体は、さらに一般式(II)で
示される化合物と反応させた後に加水分解しても抗生物
質MI43-37F11が製造できる。式(II)中R3は水素原子
又は低級アルキル基を示し、Xは水素原子、アルカリ金
属若しくは有機塩基を示し、アルカリ金属としてはナト
リウム、カリウム、リチウム等、有機塩基としてはアン
モニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、メチル
ジメチルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、ジイ
ソプロピルエチルアミン等を例示できる。R3が水素原
子でありXがナトリウムである一般式(II)で示される
化合物と一般式(I)で示される化合物の反応はジメチ
ルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン、アセ
トニトリル等の溶媒中で−5〜50℃の温度下に1〜2
4時間反応させればよい。上記の反応を行うにあたって
は、一般式(I)の化合物をルイス酸で処理して得られ
る化合物においてLが臭素原子であることが好ましい。
反応終了後生成物を単離し、若しくは反応液をそのまま
加水分解処理に付することにより抗生物質MI43-37F11が
得られる。
【0016】加水分解反応は酸若しくは塩基による処理
で行えばよく、酸として例えば塩酸、硫酸、酢酸、トリ
フルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホ
ン酸等を例示することができ、塩基として例えば炭酸水
素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、ホウ
酸ナトリウム等を例示することができる。加水分解反応
は−5℃〜50℃で1〜24時間行えばよい。上記の一
般式(II)で示される化合物と処理する工程に先だっ
て、若しくは加水分解処理の後に、得られた生成物をア
ルキル化剤で処理してもよい。使用されるアルキル化剤
及び処理方法は前述したものと同様である。以上の各反
応工程において製造された化合物は次工程にそのまま用
いてもよいが通常は当業者に周知の方法、例えばシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶等の操作により
精製して次工程の反応に用いるのがよい。以上の各反応
工程の一例を具体例として以下の反応スキームに示す
が、本発明はこれらの工程に限定されることはない。
尚、スキーム中Bnはベンジル基を示す。
で行えばよく、酸として例えば塩酸、硫酸、酢酸、トリ
フルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホ
ン酸等を例示することができ、塩基として例えば炭酸水
素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、ホウ
酸ナトリウム等を例示することができる。加水分解反応
は−5℃〜50℃で1〜24時間行えばよい。上記の一
般式(II)で示される化合物と処理する工程に先だっ
て、若しくは加水分解処理の後に、得られた生成物をア
ルキル化剤で処理してもよい。使用されるアルキル化剤
及び処理方法は前述したものと同様である。以上の各反
応工程において製造された化合物は次工程にそのまま用
いてもよいが通常は当業者に周知の方法、例えばシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶等の操作により
精製して次工程の反応に用いるのがよい。以上の各反応
工程の一例を具体例として以下の反応スキームに示す
が、本発明はこれらの工程に限定されることはない。
尚、スキーム中Bnはベンジル基を示す。
【0017】
【化9】
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
尚、実施例中の化合物番号は前述のスキーム中の化合物
番号である。 実施例1エチル−2−メチル−4,6−ジメトキシベンゾエート
8の合成
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
尚、実施例中の化合物番号は前述のスキーム中の化合物
番号である。 実施例1エチル−2−メチル−4,6−ジメトキシベンゾエート
8の合成
【化10】 化合物7 5.0g(25mmol)をアセトン200mlに溶
解し、ジメチル硫酸15.8g(125mmol)、炭酸カリウ
ム6.9g(50mmol)を加え加熱還流した。1晩反応
後、1当量の炭酸カリウムを加え、さらに原料がなくな
るまで還流した。反応液に酢酸エチルを加え飽和食塩水
で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
下に濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィ(Merck Art.7734、(a)トルエン、(b)トルエン
/酢酸エチル=20:1、(c)トルエン/酢酸エチル=
10:1、(d)トルエン/酢酸エチル=5:1)で精製
し、化合物8を4.94g(収率:88.1%)得た。
解し、ジメチル硫酸15.8g(125mmol)、炭酸カリウ
ム6.9g(50mmol)を加え加熱還流した。1晩反応
後、1当量の炭酸カリウムを加え、さらに原料がなくな
るまで還流した。反応液に酢酸エチルを加え飽和食塩水
で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
下に濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィ(Merck Art.7734、(a)トルエン、(b)トルエン
/酢酸エチル=20:1、(c)トルエン/酢酸エチル=
10:1、(d)トルエン/酢酸エチル=5:1)で精製
し、化合物8を4.94g(収率:88.1%)得た。
【0019】融点:51.0−52.0℃(オイル状から結晶
化) IR(CHCl3)cm-1: 1705(C=0) 1600(Ar) 1150(エステル) NMR(CDCl3) δPPM: 1.36(3H, t, J=7.0, CH2 CH 3) 3.79(6H, s, OCH3) 4.36(2H, q, J=7.0, CH 2CH3)
化) IR(CHCl3)cm-1: 1705(C=0) 1600(Ar) 1150(エステル) NMR(CDCl3) δPPM: 1.36(3H, t, J=7.0, CH2 CH 3) 3.79(6H, s, OCH3) 4.36(2H, q, J=7.0, CH 2CH3)
【0020】エチル 2−(3−ベンジルオキシアセト
ニル)−4,6−ジメトキシベンゾエート10の合成
ニル)−4,6−ジメトキシベンゾエート10の合成
【化11】 化合物8 1.0g(4.46mmol)を窒素気流下にて無水
THFに溶解し、−72.0℃に冷却し攪拌しながら、1.
47Mリチウムジイソプロピルアミド3.94mlを加え
た。5分間攪拌後別途に調製した試薬9を無水THFに
溶解し−72.0℃に冷却して加えた。−72.0℃で1時
間20分攪拌し、1N塩酸11.6mlを加え室温に戻し
た。酢酸エチル200mlを加え、飽和食塩水で洗い有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(Merck
Art.7734、(a)トルエン、(b)トルエン/酢酸エチル=
20:1、(c)トルエン/酢酸エチル=10:1、(d)ト
ルエン/酢酸エチル=7:1、(e)トルエン/酢酸エチ
ル=5:1)で精製し化合物10を445mg(収率:46.
6%)得た。
THFに溶解し、−72.0℃に冷却し攪拌しながら、1.
47Mリチウムジイソプロピルアミド3.94mlを加え
た。5分間攪拌後別途に調製した試薬9を無水THFに
溶解し−72.0℃に冷却して加えた。−72.0℃で1時
間20分攪拌し、1N塩酸11.6mlを加え室温に戻し
た。酢酸エチル200mlを加え、飽和食塩水で洗い有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(Merck
Art.7734、(a)トルエン、(b)トルエン/酢酸エチル=
20:1、(c)トルエン/酢酸エチル=10:1、(d)ト
ルエン/酢酸エチル=7:1、(e)トルエン/酢酸エチ
ル=5:1)で精製し化合物10を445mg(収率:46.
6%)得た。
【0021】オイル状 IR(CHCl3)cm-1: 1720(C=0) 1600(Ar) NMR(CDCl3) δPPM: 1.31(3H, t, J=6.8, CH2 CH 3) 3.78(2H, s, CH2) 3.79(3H, s, OCH3) 3.81(3H, s, OCH3) 4.16(2H, s, CH2O) 4.29(2H, q, J=6.8, CH 2CH3) 4.58(2H, s, CH 2Ph) 6.31(1H, d, J=2.2, CH) 6.40(1H, d, J=2.2 CH) 7.30(5H, m, Ph)
【0022】3−ベンジルオキシメチル−6,8−ジメ
トキシ1H−2−ベンゾピラン−1−オン11の合成
トキシ1H−2−ベンゾピラン−1−オン11の合成
【化12】 化合物10 777mg(2.086mmol)を窒素気流下にて無
水トルエンに溶解し、NaH83.5mg(2.086mmol)と
触媒量のt−BuOHを加え、80℃で1時間攪拌した。反
応液に0.1N塩酸を加え水層を酢酸エチル100mlで2
回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗った後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィ(Merck Art.7734、
(a)トルエン、(b)トルエン/酢酸エチル=5:1、(c)
トルエン/酢酸エチル=2:1)で精製し化合物11(式
I中、R1=CH3、R2=CH3、L=OBnの化合物)を543.
6mg(収率:79.6%)得た。
水トルエンに溶解し、NaH83.5mg(2.086mmol)と
触媒量のt−BuOHを加え、80℃で1時間攪拌した。反
応液に0.1N塩酸を加え水層を酢酸エチル100mlで2
回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗った後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィ(Merck Art.7734、
(a)トルエン、(b)トルエン/酢酸エチル=5:1、(c)
トルエン/酢酸エチル=2:1)で精製し化合物11(式
I中、R1=CH3、R2=CH3、L=OBnの化合物)を543.
6mg(収率:79.6%)得た。
【0023】 融点:86.0−89.0℃(オイル状から結晶化) IR(CHCl3)cm-1: 1715(C=0) 1595(Ar) NMR(CDCl3) δPPM: 3.89(3H, s, OCH3) 3.96(3H, s, OCH3) 4.32(2H, s, CH2O) 4.65(2H, s, CH 2Ph) 6.38(1H, d, J=2.2, CH) 6.42(1H, s, 4-CH) 6.46(1H, d, J=2.2, CH) 7.37(5H, m, Ph)
【0024】実施例2 3−ブロモメチル−6−メトキシ−8−ヒドロキシ−1
H−2−ベンゾピラン−1−オン2 及び3−ヒドロキ
シメチル−6−メトキシ−8−ヒドロキシ−1H−2−
ベンゾピラン−1−オン(抗生物質MI43-37F11) 化合物11 78mg(0.238mmol)を窒素気流下にて
無水ジクロルメタン10mlに溶解し、−70℃に冷却
後、BBr3を45.3μl(0.479mmol)を加えて10分間
攪拌した。さらに室温で2時間攪拌した後、反応液に水
とエーテルを加えた。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(Merck Art.7
734、(a)トルエン/酢酸エチル=10:1、(b)トルエ
ン/酢酸エチル=5:1、(c)トルエン/酢酸エチル=
2:1)で精製し化合物2及び抗生物質MI43-37F11をそ
れぞれ9.6mg(収率:14.1%)と38.0mg(収率:7
1.8%)得た。これらは、酢酸エチル/ヘキサンより再
結晶した。
H−2−ベンゾピラン−1−オン2 及び3−ヒドロキ
シメチル−6−メトキシ−8−ヒドロキシ−1H−2−
ベンゾピラン−1−オン(抗生物質MI43-37F11) 化合物11 78mg(0.238mmol)を窒素気流下にて
無水ジクロルメタン10mlに溶解し、−70℃に冷却
後、BBr3を45.3μl(0.479mmol)を加えて10分間
攪拌した。さらに室温で2時間攪拌した後、反応液に水
とエーテルを加えた。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(Merck Art.7
734、(a)トルエン/酢酸エチル=10:1、(b)トルエ
ン/酢酸エチル=5:1、(c)トルエン/酢酸エチル=
2:1)で精製し化合物2及び抗生物質MI43-37F11をそ
れぞれ9.6mg(収率:14.1%)と38.0mg(収率:7
1.8%)得た。これらは、酢酸エチル/ヘキサンより再
結晶した。
【0025】化合物2:針状結晶 融点:137.0−138.0℃ IR(CHCl3)cm-1:1680(C=0),1610(Ar) NMR (CDCl3) δPPM 3.88 (3H, s, OCH3), 4.21 (2H, s, CH2),6.40 (1H, d,
J=2.0, CH), 6.51 (1H, s, 4-CH),6.53 (1H, d, J=2.
0, CH), 11.00 (1H, s, OH) 抗生物質MI43-37F11:針状結晶 融点: 149.0−150.0℃ IR(CHCl3)cm-1 1680 (C=O), 1610 (Ar) NMR (CDCl3) δPPM 2.16 (1H, t, J=6.4Hz, OH), 3.88 (3H, s, OCH3),4.47
(2H, d, J=6.4, CH2), 6.38 (1H, d, J=2.0, CH),6.47
(1H, s, 4-CH), 6.50 (1H, d, J=2.0, CH)
J=2.0, CH), 6.51 (1H, s, 4-CH),6.53 (1H, d, J=2.
0, CH), 11.00 (1H, s, OH) 抗生物質MI43-37F11:針状結晶 融点: 149.0−150.0℃ IR(CHCl3)cm-1 1680 (C=O), 1610 (Ar) NMR (CDCl3) δPPM 2.16 (1H, t, J=6.4Hz, OH), 3.88 (3H, s, OCH3),4.47
(2H, d, J=6.4, CH2), 6.38 (1H, d, J=2.0, CH),6.47
(1H, s, 4-CH), 6.50 (1H, d, J=2.0, CH)
【0026】実施例33−ヒドロキシメチル−6−メトキシ−8−ヒドロキシ
−1H−2−ベンゾピラン−1−オン(抗生物質MI43-3
7F11)の合成 化合物11 20mg(0.0611mmol)を窒素気流下にて無
水ジクロメタン3mlに溶解し、−70℃に冷却して、1
M BCl3/CH2Cl2を183μl(0.183mmol)加え1
時間撹拌した。さらに室温で1時間撹拌した後反応液に
水とエーテルを加えた。有機層を飽和食塩水で洗った
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固し
た。残渣をTLC(酢酸エチル=4:1)で精製し抗生
物質MI43-37F11 9.2mg(収率:62.8%)を得た。
−1H−2−ベンゾピラン−1−オン(抗生物質MI43-3
7F11)の合成 化合物11 20mg(0.0611mmol)を窒素気流下にて無
水ジクロメタン3mlに溶解し、−70℃に冷却して、1
M BCl3/CH2Cl2を183μl(0.183mmol)加え1
時間撹拌した。さらに室温で1時間撹拌した後反応液に
水とエーテルを加えた。有機層を飽和食塩水で洗った
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固し
た。残渣をTLC(酢酸エチル=4:1)で精製し抗生
物質MI43-37F11 9.2mg(収率:62.8%)を得た。
【0027】実施例4 化合物11 520mg(1.588mmol)を窒素気流下にて無
水ジクロメタン50mlに溶解し、−70℃に冷却して、
BBr3を2.4ml(25.6mmol)加えて10分間撹拌した。
さらに室温で2時間撹拌した後、反応液に水とエーテル
を加えた。有機層を飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィ(Merck Art 7734、(a)
トルエン/酢酸エチル=20:1、(b)トルエン/酢酸
エチル=10:1、(c)トルエン/酢酸エチル5:1、
トルエン/酢酸エチル1:1、(e)トルエン/酢酸エチ
ル=1:2)で精製し化合物2、抗生物質MI43-37F11、
1及び3をそれぞれぞれ87.2mg(収率:19.2%)、
100.9mg(収率:28.6%)、42.0mg(収率:9.7
%)と57.7mg(収率:17.5%)を得た。これらは、
酢酸エチル/ヘキサンより再結晶した。
水ジクロメタン50mlに溶解し、−70℃に冷却して、
BBr3を2.4ml(25.6mmol)加えて10分間撹拌した。
さらに室温で2時間撹拌した後、反応液に水とエーテル
を加えた。有機層を飽和食塩水で洗った後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、減圧下に濃縮乾固した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィ(Merck Art 7734、(a)
トルエン/酢酸エチル=20:1、(b)トルエン/酢酸
エチル=10:1、(c)トルエン/酢酸エチル5:1、
トルエン/酢酸エチル1:1、(e)トルエン/酢酸エチ
ル=1:2)で精製し化合物2、抗生物質MI43-37F11、
1及び3をそれぞれぞれ87.2mg(収率:19.2%)、
100.9mg(収率:28.6%)、42.0mg(収率:9.7
%)と57.7mg(収率:17.5%)を得た。これらは、
酢酸エチル/ヘキサンより再結晶した。
【0028】化合物1:針状結晶 融点: 184.0−185.5℃ IR(CHCl3)cm-1 :1680 (C=O), 1610 (Ar) NMR (CD3CN) δPPM :4.34 (2H, s, CH2), 6.44 (2H,
s, 5.7, CH),6.65 (1H, s, 4-CH), 10.93 (1H, s, 8-O
H), 化合物3:針状結晶 融点: 249.0−252.0℃ IR(CHCl3)cm-1 :1670 (C=O), 1610 (Ar) NMR (CD3CN) δPPM :4.32 (2H, s, CH2), 6.37 (1H,
d, J=2.0, CH),6.40 (1H, d, J=2.0, CH), 6.52 (1H,
s, 4-CH),11.0 (1H, bs, 8-OH)
s, 5.7, CH),6.65 (1H, s, 4-CH), 10.93 (1H, s, 8-O
H), 化合物3:針状結晶 融点: 249.0−252.0℃ IR(CHCl3)cm-1 :1670 (C=O), 1610 (Ar) NMR (CD3CN) δPPM :4.32 (2H, s, CH2), 6.37 (1H,
d, J=2.0, CH),6.40 (1H, d, J=2.0, CH), 6.52 (1H,
s, 4-CH),11.0 (1H, bs, 8-OH)
【0029】上記の化合物1 50mg(0.24mmol)をア
セトン5mlに溶解し、ジメチル硫酸33mg(0.26mmo
l)、炭酸カリウム36mg(0.26mmol)を加えて2時
間加熱還流した。反応液に酢酸エチルを加え飽和食塩水
で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
下に濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィ(Merck Art 7734、(a)トルエン、トルエン/酢
酸エチル=10:1、(c)トルエン/酢酸エチル5:
1)で精製し、抗生物質MI43-37F11を48mg得た。
セトン5mlに溶解し、ジメチル硫酸33mg(0.26mmo
l)、炭酸カリウム36mg(0.26mmol)を加えて2時
間加熱還流した。反応液に酢酸エチルを加え飽和食塩水
で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧
下に濃縮乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィ(Merck Art 7734、(a)トルエン、トルエン/酢
酸エチル=10:1、(c)トルエン/酢酸エチル5:
1)で精製し、抗生物質MI43-37F11を48mg得た。
【0030】実施例53−ホルミルオキシメチル−6−メトキシ−8−ヒドロ
キシ−1H−2−ベンゾピラン−1−オン−5の合成 化合物2 50mg(0.175mmol)を無水DMFに溶解し、
ギ酸ナトリウム60mg(0.882mmol)を加え、室温で
8時間撹拌した。反応液に酢酸エチル30mlを加え飽和
食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
下に濃縮乾固した。ヘキサン/酢酸エチルで再結晶し化
合物5を36mg(収率:82.2%)得た。
キシ−1H−2−ベンゾピラン−1−オン−5の合成 化合物2 50mg(0.175mmol)を無水DMFに溶解し、
ギ酸ナトリウム60mg(0.882mmol)を加え、室温で
8時間撹拌した。反応液に酢酸エチル30mlを加え飽和
食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
下に濃縮乾固した。ヘキサン/酢酸エチルで再結晶し化
合物5を36mg(収率:82.2%)得た。
【0031】針状結晶 融点: 134.5−135.5℃ IR(CHCl3)cm-1 : 1710 (C=O) 1680 (C=O) 1610 (Ar) NMR (CDCl3) δPPM : 3.87 (3H, s, OCH3) 4.97 (2H, s, CH2) 6.40 (1H, d, J=2.0, CH) 6.51 (1H, s, 4-CH) 6.53 (1H, d, J=2.0, CH) 8.15 (1H, s, COH) 10.98 (1H, s, 8-OH)
【0032】化合物5 6.0mg(0.024mmol)をアセ
トニトリルに溶解し、1N塩酸200μlを加え、室温
で1晩撹拌した。反応液に酢酸エチル25mlを加え飽和
食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
下に濃縮乾固した。ヘキサン/酢酸エチルで再結晶し抗
生物質MI43-37F11を定量的に得た。機器データは標品の
ものと一致した。
トニトリルに溶解し、1N塩酸200μlを加え、室温
で1晩撹拌した。反応液に酢酸エチル25mlを加え飽和
食塩水で洗った後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
下に濃縮乾固した。ヘキサン/酢酸エチルで再結晶し抗
生物質MI43-37F11を定量的に得た。機器データは標品の
ものと一致した。
【0033】参考例 抗生物質MI43-37F11の各種動物細胞及び人癌細胞に対す
る増殖阻害活性(IC 50)値を、第1表に示した。
る増殖阻害活性(IC 50)値を、第1表に示した。
【表2】第1表 MI43-37F11の各種動物癌細胞および人癌細胞の増殖に対
する阻害活性
する阻害活性
【0034】(イ) 抗生物質MI43-37F11のエールリッヒ固
型癌担癌マウスに対する治療実験は次のように行なっ
た。すなわち雌性ICRマウスにエールリッヒ腹水癌細
胞の懸濁液を細胞数が2×106 個/マウスとなるよう
に腹側皮下に移植し、移植後7日目に1回、または移植
後7日目から14日目まで隔日に5回、抗生物質MI43-3
7F11を10、2.5、1.25、0.625mg/kg、または、
2.5、1.25、0.625mg/kgの投与量で腹腔内に注射
した(1群4匹、対照群8匹)。細胞移植後15日目に固
型癌を取り出しその重量を測定し、生理食塩水を投与し
た対照群のマウスの固形癌の重量を100としたときの
MI43-37F11投与群の固形癌の重量の減少の割合を抑制率
として第2表に示した。
型癌担癌マウスに対する治療実験は次のように行なっ
た。すなわち雌性ICRマウスにエールリッヒ腹水癌細
胞の懸濁液を細胞数が2×106 個/マウスとなるよう
に腹側皮下に移植し、移植後7日目に1回、または移植
後7日目から14日目まで隔日に5回、抗生物質MI43-3
7F11を10、2.5、1.25、0.625mg/kg、または、
2.5、1.25、0.625mg/kgの投与量で腹腔内に注射
した(1群4匹、対照群8匹)。細胞移植後15日目に固
型癌を取り出しその重量を測定し、生理食塩水を投与し
た対照群のマウスの固形癌の重量を100としたときの
MI43-37F11投与群の固形癌の重量の減少の割合を抑制率
として第2表に示した。
【0035】
【表3】第2表 MI43-37F11のEhrlich固形癌担癌マウスに対する効果
【0036】(ロ) 抗生物質MI43-37F11の腹腔内マクロフ
ァージの活性化実験は次のように行った。すなわち、雌
雄CDF1マウスに抗生物質MI43-37F11をマクロファー
ジ採取前1日に50、12.5、3.125mg/kgの投与量
となるよう腹腔内に投与した。1日後に腹腔内からマク
ロファージを採取し、1x106 個/mlとなるようプラスチ
ックシャーレで培養し、更に、フォルボールミリステー
トアセテートを100ng/mlとなるように加えマクロフ
ァージを活性化した。そして生成したO2 - をチトクロ
ームCの還元により測定した。結果は対照群として生理
食塩水を投与したマウスの腹腔内マクロファージのO2 -
産生量を100とした時のO2 -産生増加率を第3表に示
した。
ァージの活性化実験は次のように行った。すなわち、雌
雄CDF1マウスに抗生物質MI43-37F11をマクロファー
ジ採取前1日に50、12.5、3.125mg/kgの投与量
となるよう腹腔内に投与した。1日後に腹腔内からマク
ロファージを採取し、1x106 個/mlとなるようプラスチ
ックシャーレで培養し、更に、フォルボールミリステー
トアセテートを100ng/mlとなるように加えマクロフ
ァージを活性化した。そして生成したO2 - をチトクロ
ームCの還元により測定した。結果は対照群として生理
食塩水を投与したマウスの腹腔内マクロファージのO2 -
産生量を100とした時のO2 -産生増加率を第3表に示
した。
【0037】
【表4】第3表 MI43-37F11の腹腔内マクロファージのO2 -産生に対する
効果 * マクロファージ採取前1日に腹腔内投与。
効果 * マクロファージ採取前1日に腹腔内投与。
【0038】(ハ) 抗生物質MI43-37F11の腹腔内マクロフ
ァージの食作用に対する効果を調べる実験は次のように
行った。すなわち、雌雄CDF1マウスにMI43-37F11を
マクロファージ採取3日前および1日前に50、5、0.
5mg/kgとなるように腹腔内に投与した。そして、腹腔
内よりマクロファージを採取し、5×105 個/mlとな
るようプラスチックシャーレで培養し、その中に熱処理
酵母を7.5×106個/mlとなるように加え、更に培養
した。そして、メタノールで固定し、ギムザ染色を行い
400個のマクロファージに食作用を受けた酵母の数を
調べた。結果は対照群として、生理食塩水を投与したマ
ウスの腹腔内マクロファージの400個当りの食作用を
受けた酵母の数を100とした時の食作用増加率を第4
表に示した。
ァージの食作用に対する効果を調べる実験は次のように
行った。すなわち、雌雄CDF1マウスにMI43-37F11を
マクロファージ採取3日前および1日前に50、5、0.
5mg/kgとなるように腹腔内に投与した。そして、腹腔
内よりマクロファージを採取し、5×105 個/mlとな
るようプラスチックシャーレで培養し、その中に熱処理
酵母を7.5×106個/mlとなるように加え、更に培養
した。そして、メタノールで固定し、ギムザ染色を行い
400個のマクロファージに食作用を受けた酵母の数を
調べた。結果は対照群として、生理食塩水を投与したマ
ウスの腹腔内マクロファージの400個当りの食作用を
受けた酵母の数を100とした時の食作用増加率を第4
表に示した。
【0039】
【表5】第4表 MI43-37F11の腹腔内マクロファージの食作用に対する結
果 * マクロファージ採取前3日および1日に腹腔内投
与。
果 * マクロファージ採取前3日および1日に腹腔内投
与。
【0040】
【発明の効果】本発明により、抗生物質MI43-37F11の有
用な製造中間体が提供された。
用な製造中間体が提供された。
フロントページの続き (72)発明者 岡本 六郎 神奈川県藤沢市花の木2−18 (72)発明者 熊谷 博行 静岡県沼津市東椎路1388 (72)発明者 石塚 雅章 静岡県三島市西若町6番5号 (72)発明者 竹内 富雄 東京都品川区東五反田5−1−11 (56)参考文献 特開 平3−2177(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 311/76 A61K 31/00 - 31/80 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】下記の一般式(VI)で示される化合物(式中
R1およびR2は独立に水素原子または低級アルキル基を表
し、L2はハロゲン原子を表す)。 【化1】 (VI)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11312162A JP3142274B2 (ja) | 1999-11-02 | 1999-11-02 | 抗生物質mi43−37f11の製造中間体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11312162A JP3142274B2 (ja) | 1999-11-02 | 1999-11-02 | 抗生物質mi43−37f11の製造中間体 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2231460A Division JP3041022B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 抗性物質m143―37f11の製造方法及び製造中間体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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