JP2883442B2 - 積層発泡成形品の製造方法 - Google Patents

積層発泡成形品の製造方法

Info

Publication number
JP2883442B2
JP2883442B2 JP31228890A JP31228890A JP2883442B2 JP 2883442 B2 JP2883442 B2 JP 2883442B2 JP 31228890 A JP31228890 A JP 31228890A JP 31228890 A JP31228890 A JP 31228890A JP 2883442 B2 JP2883442 B2 JP 2883442B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
polypropylene
backing material
leather skin
foamed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31228890A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04185328A (ja
Inventor
俊雄 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP31228890A priority Critical patent/JP2883442B2/ja
Publication of JPH04185328A publication Critical patent/JPH04185328A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2883442B2 publication Critical patent/JP2883442B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、積層発泡成形品の製造方法に関し、さらに
詳しくは、発泡ポリプロピレン層の表面にレザー表皮シ
ートが積層された発泡成形品であって、リアーパッケー
ジトリム、ピラー、ドアトリム、シートバックガーニッ
シュ、インナーパネル、ホイールハウスカバーなどの自
動車内装材に用いることができる積層発泡成形品の製造
方法に関する。
発明の技術的背景 従来、ポリ塩化ビニルレザー表皮と発泡体基材とから
なる積層発泡成形品としては、ポリ塩化ビニルレザーシ
ートと軟質の高発泡体とからなる2層発泡成形品があ
る。しかしながら、この軟質の高発泡体は、剛性が不充
分であるため、剛性体として用いることができず、成形
品に高剛性であることが要求されるような場合、さらに
別の基材を軟質の高発泡体の裏面に積層一体化する必要
がある。
また、従来、リアーパッケージトリム、ドアトリム、
シートバックガーニッシュ等の自動車内装材として、バ
ッキング材を裏打ちしたポリ塩化ビニルレザー表皮と高
剛性のフィラー入りポリプロピレン基材とからなる積層
成形品がある。しかしながら、この高剛性のフィラー入
りポリプロピレンは、基材としては、その比重が大きく
重過ぎるという問題がある。
また、上記ポリ塩化ビニルレザー表皮と上記ポリプロ
ピレン基材とを積層一体化する方法としては、 高温にして溶融させた上記ポリプロピレン基材と、上
記ポリ塩化ビニルレザー表皮とを高圧プレス(30〜100k
g/cm2)で積層一体化する方法、 予め成形した上記ポリプロピレン基材に接着剤を塗布
するとともに、真空成形用の孔をこの基材に開けた後、
上記ポリ塩化ビニルレザー表皮を加熱軟化させてこの基
材上に真空貼り合わせする方法がある。
しかしながら、前者の方法では、上記ポリ塩化ビニル
レザー表皮と上記ポリプロピレン基材とを高圧プレスで
積層一体化しなければならないため、積層成形品の表皮
となる上記ポリ塩化ビニルレザー表皮が損傷するという
問題がある。
また、後者の方法では、上記積層一体化の工程数が多
いため経済的でなく、しかも上記ポリプロピレン基材が
重いという問題がある。
したがって、軽量かつ高剛性で、レザー表皮を有する
積層成形品の出現が従来より望まれていた。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、軽量かつ高剛性で、レザー
表皮を有する積層発泡成形品の製造方法を提供すること
を目的としている。
発明の概要 本発明に係る積層発泡成形品の製造方法は、 バッキング材が裏打ちされている、未発泡状態の発泡
性ポリプロピレンシートを加熱して発泡させ、直ちに得
られる発泡ポリプロピレン層の表面に、 通気性のない材料からなり、厚さ方向に針穴通気孔が
設けられており、かつバッキング材が裏打ちされている
レザー表皮シートを、該バッキング材を介して積層一体
化させると同時に成形加工することを特徴としている。
発明の具体的説明 以下、本発明に係る積層発泡成形品の製造方法を、図
に基づいて具体的に説明する。
本発明で製造される積層発泡成形品は、バッキング材
が裏打ちされているレザー表皮層と、バッキング材が裏
打ちされている発泡ポリプロピレン層とからなる。
たとえば、本発明で製造される積層発泡成形品1は、
第1図に断面図を示すように、バッキング材2aが裏打ち
されているシボ模様付レザー表皮層3と、バッキング材
2bが裏打ちされている発泡ポリプロピレン層4とからな
る。
上記レザー表皮層、たとえばシボ模様付レザー表皮層
3を形成するシボ模様付レザー表皮シート3aは、第2図
に断面図を示すように、通気性のない材料からなり、厚
さ方向に針穴通気孔5が設けられており、かつバッキン
グ材2aが裏打ちされている。
このようなレザー表皮シートを構成する通気性のない
材料としては、具体的には、ポリ塩化ビニル(PVC)、
ポリウレタン、熱可塑性エラストマー(TPE)などのプ
ラスチックシートが挙げられる。本発明においては、針
穴通気孔が目立たないシボ模様付レザー表皮シートが好
ましい。
上記の針穴通気孔5は、上記レザー表皮シート3aと、
溶融軟化状態の発泡ポリプロピレン層4とを、レザー表
皮シート3aに裏打ちされているバッキング材2aを介して
積層一体化させると同時に成形加工(絞り加工)して積
層発泡成形品を製造する際に、溶融軟化状態の発泡ポリ
プロピレン層4から発生するガスを放出して、このよう
なガスにより積層発泡成形品1の接着不良および外観が
損なわれるのを防止する役割を果たす。
このような役割が効果的に達成されるためには、この
針穴通気孔の孔径は、溶融ポリプロピレンのレザー表皮
層表面への滲み出しがなく、かつ、通気が行なわれる大
きさであり、また針穴通気孔の単位面積当りの個数は、
1〜25個/cm2であることが好ましい。
上記の好ましいバッキング材2aとしては、たとえばウ
ーリーナイロン、あるいはポリエチレンテレフタレート
(PET)等のポリエステル、ポリプロピレンなどからな
り、目付が20〜100g/m2、好ましくは40〜80g/m2である
通気性の不織布および織布が挙げられる。また、バッキ
ング材2aとして、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ
ウレタン、ポリ塩化ビニルなどの厚さ1〜5mm、好まし
くは1〜3mmの発泡体を用いてもよい。上記の針穴通気
孔は、一般に、上記のようなレザー表皮シートにバッキ
ング材を裏打ちする前に、針穴加工を施して形成する
が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンな
どの独立気泡からなる発泡体をバッキング材として用い
る場合には、これらの発泡体は通気性がないため、バッ
キング材をレザー表皮シートに裏打ちした後に、バッキ
ング材とともにレザー表皮シートに針穴加工を施すこと
が必要である。
なお、バッキング材としては、レザー表皮シートを絞
り成形で金型の形状に追随させるため、縦横の伸びが大
きく、かつ縦横の伸縮性のバランスのとれた材料が好ま
しい。
上記のようなレザー表皮シートとして用いられるプラ
スチックシート、たとえばポリ塩化ビニルシートは、発
泡ポリプロピレン層と融着することができない。しかし
ながら、上記のようなバッキング材2aはアンカー効果を
有するため、上記のようなプラスチックシートと発泡ポ
リプロピレン層との間に、上記バッキング材を介して積
層一体化させることによって、両者間の接着性に優れた
積層発泡成形品を得ることが可能となる。
第3図に示すような、上記の発泡ポリプロピレン層4
は、第4図に示すようなバッキング材2bが裏打ちされて
いる、未発泡状態の発泡性ポリプロピレンシート4aを加
熱して発泡させることによって形成される。
このような発泡性ポリプロピレンシート4aは、(A)
ポリプロピレン、(B)発泡剤、(C)有機過酸化物、
(D)架橋助剤などを含んでなる発泡性ポリプロピレン
シート形成用組成物を、上記(B)発泡剤および(C)
有機過酸化物が分解しない温度でシート状に成形するこ
とにより得られる。
また、上記の発泡性ポリプロピレンシート形成用組成
物は、ポリエチレン、ポリブテン−1、EPRなどの樹脂
を、(A)ポリプロピレン100重量部に対して100重量部
以下の割合で含んでいてもよい。
(A)ポリプロピレンとしては、メルトフローレート
(MFR:ASTM D 1238,L)が、0.1〜50g/10分、好ましくは
0.5〜20g/10分であるようなプロピレンの単独重合体、
ならびにこのようなプロピレンと15モル%以下のエチレ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセンなどの他のα−オレフィンとの共重
合体が用いられる。
発泡性ポリプロピレンシート形成用組成物において用
いられる(B)発泡剤は、常温で液体または固体であっ
て加熱により分解して気体を発生する化学物質であり、
かつ前記(A)ポリプロピレンの融点以上の分解温度を
有する化学物質である。
このような発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、
アゾジカルボン酸バリウム、N,N′−ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン、4,4−オキシビス(ベンゼンスル
ホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3−ジス
ルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカル
バジド、トリヒドラジノトリアジン、ビウレア、炭酸亜
鉛などが挙げられる。これらの中では、ガス発生量が多
く、ガス発生終了温度が(A)ポリプロピレンの熱劣化
開始温度よりも充分低い、アゾジカルボンアミド、N,
N′−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トリヒド
ラジノトリアジンが特に好ましい。
この(B)発泡剤は、前記(A)ポリプロピレン100
重量部に対して1〜20重量部、特に2〜5重量部の量で
存在することが好ましい。
発泡性ポリプロピレンシート形成用組成物を架橋させ
るために用いられる(C)有機過酸化物としては、有機
ペルオキシド、有機ペルオキシエステルが主として用い
られ、この有機過酸化物の1分の半減期を得るための分
解温度は、前記(A)ポリプロピレンの融点よりも高い
ことが好ましい。
このような(C)有機過酸化物としては、具体的に
は、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド
(1)、オクタノイルペルオキシド(2)、デカノイル
ペルオキシド(3)、ラウロイルペルオキシド(4)、
コハク酸ペルオキシド(5)、アセチルペルオキシド
(6)、tert−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキサノ
エート)(7)、m−トルオイルペルオキシド(8)、
ベンゾイルペルオキシド(9)、tert−ブチルペルオキ
シイソブチレート(10)、1,1−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(1
1)、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキ
サン(12)、tert−ブチルペルオキシマレイン酸(1
3)、tert−ブチルペルオキシラウレート(14)、tert
−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ノエート(15)、シクロヘキサノンペルオキシド(1
6)、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネー
ト(17)、2,5−ジメチル−2,5−(ベンゾイルペルオキ
シ)ヘキサン(18)、tert−ブチルペルオキシアセテー
ト(19)、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタ
ン(20)、tert−ブチルペルオキシベンゾエート(2
1)、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキ
シ)バレレート(22)、ジ−tert−ブチルペルオキシイ
ソフタレート(23)、メチルエチルケトンペルオキシド
(24)、α,α′−ビス(tert−ブチルペルオキシイソ
プロピル)ベンゼン(25)、ジクミルペルオキシド(2
6)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキ
シ)ヘキサン(27)、ブチルクミルペルオキシド(2
8)、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド(2
9)、ジ−tert−ブチルペルオキシド(30)、パラメン
タンヒドロペルオキシド(31)、2,5−ジメチル−2,5−
(tert−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン(32)、1,
1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド(3
3)、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキ
シド(34)、クメンヒドロペルオキシド(35)、tert−
ブチルヒドロキシペルオキシド(36)などが挙げられ
る。
これらのうちでも(12)〜(36)の化合物が好まし
い。
この(C)有機過酸化物は、前記(A)ポリプロピレ
ン100重量部に対して0.01〜5重量部、特に0.01〜1重
量部の量で存在することが好ましい。
上記の(D)架橋助剤は、(C)有機過酸化物によっ
て(A)ポリプロピレンの水素が引き抜かれ、これによ
って生じるポリマーラジカルが、開裂反応を起すよりも
速く架橋助剤と反応させることによって、ポリマーラジ
カルを安定化させると同時に、架橋効率を高める働きを
するものである。
このような働きをする架橋助剤としては、通常二重結
合を1個または2個以上有する不飽和化合物、オキシム
化合物、ニトロソ化合物、マレイミド化合物などの1種
または2種以上の混合物が用いられる。
このような架橋助剤としては、具体的には、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、ジアリルフタレート、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリ
レート、キノンジオキシム、ベンゾキノンジオキシムな
どのオキシム化合物、パラニトロフェノール、N,N−メ
タフェニレンビスマレイミドが挙げられる。これらのう
ちではネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジメタクリレートが好ましい。
本発明で用いられる発泡性ポリプロピレンシート形成
用組成物には、上記のような各成分に加えて、各種の添
加剤を含有させることができる。たとえば上記各成分を
混練する際に、炭素原子数30以上のフェノール系熱安定
剤、あるいは製造される発泡ポリプロピレンの剛性アッ
プのために発泡性ポリプロピレンシート形成用組成物中
に、5〜30重量%の配合量でタルクなどのフィラーを添
加することが好ましい。
上記の発泡性ポリプロピレンシート4aに裏打ちされて
いるバッキング材2bとしては、上述したウーリーナイロ
ン、ポリエステルなどからなる不織布および織布が用い
られる。
このバッキング材2bを発泡性ポリプロピレンシート4a
に裏打ちしておくことにより、このシートの加熱軟化に
よるドローダウンを防止することができる。
次に、上記の様な発泡性ポリプロピレンシート形成用
組成物を用いた、積層発泡成形品の製造方法を、第1図
に示すような積層発泡成形品を例にとって説明する。
発泡性ポリプロピレンシート形成用組成物をシート状
に成形するには、上記のような各成分を含む発泡性ポリ
プロピレンシート形成用組成物をブラベンダーなどで混
練した後、カレンダーロールでシート状に成形する方
法、プレス成形機でシート化する方法および押出機を用
いて混練したのちTダイまたは環状ダイを通してシート
化する方法などが採用できる。これらのなかでは、最後
の方法、つまり混練した後、(B)発泡剤などの分解温
度未満の温度でTダイから押し出して成形する方法は、
エネルギー消費量、所要時間ともに少なく、シートの平
面性や押出肌も良好であり好ましい。
発泡性ポリプロピレンシート形成用組成物をシート状
とする際には、前述のように(B)発泡剤が分解しない
温度で行なう必要があるが、具体的には、発泡剤として
アゾジカルボンアミドを用いた場合には、150〜190℃好
ましくは160〜180℃程度の温度で発泡性ポリプロピレン
シート形成用組成物のシート化を行なうことが好まし
い。
この未発泡状態の発泡性ポリプロピレンシート4aの厚
みは、0.5〜5mm程度であることが好ましい。
次に、このようにして得られた未発泡状態の発泡性ポ
リプロピレンシート4aに、上記のようなバッキング材2b
を従来公知の方法で裏打ちする。
次いで、第5図および第6図に示すように、この発泡
性ポリプロピレンシート4aを、真空成形機のセラミック
ヒーター6などで加熱して発泡させる。
そして、第7図および第8図に示すように、直ちに得
られた溶融軟化状態の発泡ポリプロピレン層4の表面
に、上記の厚さ方向に針穴通気孔が設けられたシボ模様
付レザー表皮シート3aに裏打ちされているバッキング材
2aが接するように、発泡ポリプロピレン層4とシボ模様
付レザー表皮シート3aとを重ね合わせて、ガス抜き孔7
を有する上金型8aと下金型8bとを具備する上下合わせの
プレス成形機で発泡ポリプロピレン層4とシボ模様付レ
ザー表皮シート3aとを積層一体化させると同時に成形加
工して、所望形状の積層発泡成形品1を製造する。
未発泡状態の発泡性ポリプロピレンシート4aを発泡さ
せる際の加熱温度は、(B)発泡剤の分解温度以上であ
ることが必要であるが、具体的には発泡剤としてアゾカ
ルボンアミドを用いた場合には200℃以上の温度に加熱
することが好ましい。
また、プレス加工時にプレス金型は水などで冷却状態
にしておき、発泡成形された発泡ポリプロピレンシート
4aを冷却固化することが好ましい。プレス時間は0.1〜
3分程度であり、プレス加工後エアースプレーなどによ
って得られた積層発泡成形品を冷却することが好まし
い。
また、本発明においては、上記シボ模様付レザー表皮
層3と上記発泡ポリプロピレン層4との接着をより強固
にするため、レザー表皮シート3aを予め予熱することが
好ましい。
上記の予熱条件としては、たとえば200℃で10秒乃至
1分という条件が挙げられる。この条件でレザー表皮シ
ートを予熱すると、レザー表皮シートの表面温度は、30
〜100℃になる。
上記ガス抜き孔7は、0.1〜1.0mmφであることが好ま
しい。
得られる積層発泡成形品では、発泡ポリプロピレン層
4の厚みは1〜50mm程度であって、発泡倍率は2〜10倍
程度であることが好ましい。
発泡ポリプロピレン層の比重は0.1〜0.5程度であり、
軽量で剛性のある積層発泡成形品が得られる。
このような本発明に係る積層発泡成形品の製造方法で
は、溶融軟化状態の発泡ポリプロピレン層4に、厚さ方
向に針穴通気孔5が設けられたシボ模様付レザー表皮シ
ート3aを、このレザー表皮シート3aに裏打ちされたバッ
キング材2aが発泡ポリプロピレン層4の表面と接するよ
うに重ね合わせてプレス成形しているため、このバッキ
ング材2aに、発泡ポリプロピレン層4の表層が含浸さ
れ、接着剤を用いることなく発泡ポリプロピレン層4と
シボ模様付レザー表皮シート2aとを積層一体化すること
ができ、また、深絞りなどの各種形状への絞り成形が容
易であり、特に肉厚部あるいは肉薄部での絞り成形が容
易に行なえる。
発明の効果 本発明によれば、通気性のない材料からなり、厚さ方
向に針穴通気孔が設けられているレザー表皮シートと、
加熱発泡して得られた溶融軟化状態の発泡ポリプロピレ
ン層とを、特定のバッキング材を介して積層することに
より、バッキング材の通気孔または非通気性のバッキン
グ材に設けられた針穴通気孔、および通気性のない材料
からなるレザー表皮シートに設けられた針穴通気孔を通
して溶融軟化状態の発泡ポリプロピレン層から発生する
ガスのガス抜きが行なわれ、レザー表皮シートと発泡ポ
リプロピレン層とが接着性よく一体化した積層発泡成形
品を得ることができる。すなわちレザー表皮シートに設
けられた針穴通気孔を通してガス抜きが行なわれるの
で、レザー表皮シートと発泡ポリプロピレン層との間に
生じるガス溜りが防止され、このガス溜りに起因する積
層発泡成形品の接着不良および外観不良が回避される。
レザー表皮シートに設けられる針穴通気孔は、微小な
針穴であるために、レザー表皮シートの外観を低下させ
ることはなく、たとえばレザー表皮シートとしてシボ模
様付ポリ塩化ビニルレザーを用いることにより、レザー
タッチの意匠性に優れた積層発泡成形品を得ることがで
きる。
しかも、本発明においては積層発泡成形品にポリプロ
ピレン発泡体が用いられているので、本発明によって得
られた積層発泡成形品は、軽量で、かつ高剛性である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本
発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
実施例1 [発泡性ポリプロピレンシート形成用組成物の組成] ポリプロピレン樹脂 …100重量部 密度 …0.91g/cm3 MFR(ASTM D 1238,L) …3g/10分 発泡剤(アゾジカルボンアミド) …3重量部 有機過酸化物(ジクミルパーオキサイド) …0.1重量部 架橋助剤(ジビニルベンゼン) …1.0重量部 上記の発泡性ポリプロピレンシート形成用組成物を90
φ押出機で可塑化した後、170℃でシート化し、0.92g/c
m3の発泡性ポリプロピレンシートを得た。
この発泡性ポリプロピレンシート(シートサイズ:厚
さ1.2mm×幅600mm×長さ1300mm)の片面に20g/m2のポリ
エステル不織布(PET不織布)からなるバッキング材を
裏打ちし、この発泡性ポリプロピレンシートをクランプ
で挟み、バッキング材を下面にしてその下面側のヒータ
ーの加熱設定温度を300℃とし、その反対側の上面側の
ヒーターの加熱設定温度を380℃にして110秒間加熱して
発泡性ポリプロピレンシートを発泡させ、厚さ6mmの溶
融軟化状態の発泡ポリプロピレン層を得た。
次いで、10個/cm2の針穴通気孔を有する厚さ0.4mmの
シボ模様付ポリ塩化ビニルレザー表皮シートに、ウーリ
ーナイロンからなるバッキング材を裏打ちしたレザー表
皮シート(合計厚さ0.8mm、目付710g/m2)を、発泡ポリ
プロピレン層に、このバッキング材が発泡ポリプロピレ
ン層の溶融軟化状態の露出面に接するように重ね合わせ
後、キャビティ内部から上方に向けて1mmφのガス抜き
孔を1個/cm2の割合で設けた上金型のキャビティ内部
に、レザー表皮シートを対向させ、下金型に、発泡ポリ
プロピレン層に裏打ちされたバッキング材を対向させて
プレス成形を行なった。なおプレス型はホイールハウス
カバーであり、プレスの一般平面部のクリアランスは5.
5mmとした。またプレス条件は、金型温度20℃、プレス
圧力5kg/cm2、プレス時間90秒であった。
しかる後にプレス状態を開放し、シボ模様付ポリ塩化
ビニルレザー表皮シート、バッキング材、発泡ポリプロ
ピレン層およびバッキング材が順次積層された構造の積
層発泡成形品を得た。
得られた成形品は、厚みが5.5mmであり、その目付は1
810g/m2と軽量であった。
この成形品の外観は、ポリ塩化ビニルレザー表面のシ
ボ流れや、ガス溜りもなく、良好であった。
この成形品について、テストピース巾25mm、長さ150m
m、引張り速度50mm/分の条件で180°T字剥離試験を行
ない、レザー表皮層と発泡ポリプロピレン層との接着強
度を測定したところ、この接着強度は1500g/25mm巾と良
好であった。
さらに、この成形品から巾50mm×長さ150mmのテスト
ピースを採取して、100mmのスパン間隔で50mm/分の曲げ
速度で3点曲げ試験を行なったところ、弾性勾配は7.5k
g/cmであり、曲げ剛性の高い成形品であった。
実施例2 実施例1において、バッキング材を裏打ちしたシボ模
様付ポリ塩化ビニルレザー表皮シートを、発泡ポリプロ
ピレン層と重ね合わせて積層一体化する前に、このシボ
模様付ポリ塩化ビニルレザー表皮シートを200℃、30秒
の条件で加熱した以外は、実施例1と同様にして、積層
発泡成形品を得、その評価を行なった。
得られた積層発泡成形品は、外観が良好であり、180
°T字剥離試験によるレザー表皮層と発泡ポリプロピレ
ン層との接着強度が2500g/25mm巾であり、弾性勾配が7.
5kg/cmであった。
この積層発泡成形品は、実施例1で得られた積層発泡
成形品と比較して、接着強度が向上しており、破断は、
表皮層を形成する表皮材シート部で生じていた。
実施例3 実施例1の発泡性ポリプロピレンシート形成用組成物
を実施例1と同様にして、厚さ1.5mm、幅700mm、長さ1,
000mmの発泡性ポリプロピレンシートを得た。
この発泡性ポリプロピレンシートの片面に20g/m2のPE
T不織布からなるバッキング材を裏打ちし、この発泡性
ポリプロピレンシートをクランプで挟み、バッキング材
を下面にしてその下面側のヒーターの加熱設定温度を30
0℃とし、その反対側の上面側のヒーターの加熱設定温
度を380℃にして150秒間加熱して発泡性ポリプロピレン
シートを発泡させ、厚さ7.5mmの溶融軟化状態の発泡ポ
リプロピレン層を得た。
次いで、10個/cm2の針穴通気孔を有する厚さ0.4mmの
シボ模様付ポリ塩化ビニルレザー表皮シートに、50g/m2
のPET不織布からなるバッキング材を裏打ちしたレザー
表皮シート(合計厚さ0.45mm、目付600g/m2)を、発泡
ポリプロピレン層に、このバッキング材が発泡ポリプロ
ピレン層の溶融軟化状態の露出面に接するように重ね合
わせ後、キャビティ内部から上方に向けて1mmφのガス
抜き孔を10個/cm2の割合で設けた上金型のキャビティ
内部に、レザー表皮シートを対向させ、下金型に発泡ポ
リプロピレン層に裏打ちされたバッキング材を対向させ
てプレス成形を行なった。なお、上記の上下合わせ型の
金型としてシートバックガーニッシュ型の金型を用い
た。またプレス条件は金型温度20℃、プレス圧力2kg/cm
2、プレス時間2分であった。
次いで、実施例1と同様にしてプレス状態を開放し、
シボ模様付ポリ塩化ビニルレザー表皮シート、バッキン
グ材、発泡ポリプロピレン層およびバッキング材が順次
積層された構造の積層発泡成形品を得た。
得られた成形品は、厚みが6.5mmであり、その目付は2
000g/m2と軽量であった。
この成形品の外観は、ポリ塩化ビニルレザー表面のシ
ボ流れや、ガス溜りもなく、良好であった。
この成形品について、実施例1と同様にして180°T
字剥離試験を行ない、レザー表皮層と発泡ポリプロピレ
ン層との接着強度を測定したところ、この接着強度は15
00g/25mm巾と良好であった。
さらに、この成形品から巾50mm×長さ150mmのテスト
ピースを採取して、100mmのスパン間隔で50mm/分の曲げ
速度で3点曲げ試験を行なったところ、弾性勾配は9.0k
g/cmであり、曲げ剛性の高い成形品であった。
実施例4 実施例3において、バッキング材として厚さ3mmのポ
リプロピレン発泡シート[商品名トーレペフ PPAM2003
0、東レ(株)]を実施例3のシボ模様付ポリ塩化ビニ
ルレザー表皮シートに裏打ちした後、両者に同時に針穴
加工を施して10個/cm2の針穴通気孔を有するレザー表
皮シートを得、このレザー表皮シートを、実施例3のPE
T不織布を裏打ちしたレザー表皮シートの代わりに用い
た以外は、実施例3と同様にして積層発泡成形品を得
た。
得られた成形品は、厚みが8.5mmであり、その目付は2
000g/m2と軽量であった。
この成形品の外観は、ポリ塩化ビニルレザー表面のシ
ボ流れや、ガス溜りもなく、良好であった。
この成形品について、実施例1と同様にして180°T
字剥離試験を行ない、レザー表皮層と発泡ポリプロピレ
ン層との接着強度を測定したところ、この接着強度は20
00g/25mm巾と良好であった。なお、このT字剥離試験に
おいては、破断は発泡ポリプロピレン層で生じていた。
さらに、この成形品から巾50mm×長さ150mmのテスト
ピースを採取して、100mmのスパン間隔で50mm/分の曲げ
速度で3点曲げ試験を行なったところ、弾性勾配は9.0k
g/cmであり、曲げ剛性の高い成形品であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る積層発泡成形品の製造方法によ
り得られる積層発泡成形品の一例を表わす断面図であ
り、第2図、第3図、第4図、第5図、第6図、第7図
および第8図は、第1図に示す本発明に係る積層発泡成
形品の製造における工程説明図である。 1…積層発泡成形品 2a,2b…バッキング材 3…シボ模様付レザー表皮層 3a…シボ模様付レザー表皮シート 4…発泡ポリプロピレン層 4a…発泡性ポリプロピレンシート 5…針穴通気孔 6…セラミックヒーター 7…ガス抜き孔、8a…上金型、8b…下金型
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:04 B29L 9:00 31:58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バッキング材が裏打ちされている、未発泡
    状態の発泡性ポリプロピレンシートを加熱して発泡さ
    せ、直ちに得られる発泡ポリプロピレン層の表面に、 通気性のない材料からなり、厚さ方向に針穴通気孔が設
    けられており、かつバッキング材が裏打ちされているレ
    ザー表皮シートを、該バッキング材を介して積層一体化
    させると同時に成形加工することを特徴とする積層発泡
    成形品の製造方法。
JP31228890A 1990-11-16 1990-11-16 積層発泡成形品の製造方法 Expired - Fee Related JP2883442B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31228890A JP2883442B2 (ja) 1990-11-16 1990-11-16 積層発泡成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31228890A JP2883442B2 (ja) 1990-11-16 1990-11-16 積層発泡成形品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04185328A JPH04185328A (ja) 1992-07-02
JP2883442B2 true JP2883442B2 (ja) 1999-04-19

Family

ID=18027447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31228890A Expired - Fee Related JP2883442B2 (ja) 1990-11-16 1990-11-16 積層発泡成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2883442B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6166304B2 (ja) * 2014-09-04 2017-07-19 吉田プラ工業株式会社 合成樹脂成形品の製造方法
JP6346848B2 (ja) * 2014-11-11 2018-06-20 株式会社ジェイエスピー 表皮材被覆発泡粒子成形体
JP7029540B2 (ja) * 2018-08-09 2022-03-03 旭化成株式会社 積層構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04185328A (ja) 1992-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3710014B2 (ja) 表皮材付発泡成形体の製造方法及びそれにより得られる車輌用内装材
JPH0710535B2 (ja) 2層発泡成形品の製造方法
US5656675A (en) Automotive molded roof material and process for producing the same
EP2993086A1 (en) Manufacture of an article having a decorative covering overlying an injection molded substrate having a cellular structure
JP2883442B2 (ja) 積層発泡成形品の製造方法
JP2001162709A (ja) 積層体およびその製造方法ならびに熱可塑性発泡接着剤
JP4894116B2 (ja) 発泡部を備えるプレス成形体の製造方法
JPH0745197B2 (ja) 多層発泡成形品の製造方法
JP2847723B2 (ja) トランクルーム材の製造方法
JP3110088B2 (ja) ポリプロピレン系発泡成形品の製造方法
JPH07164537A (ja) 発泡成形体の製造方法
JP3606655B2 (ja) 自動車用成形天井材およびその製造方法
JP2009023549A (ja) 自動車内装用樹脂部材、および自動車内装用樹脂部品
JP3172281B2 (ja) 自動車用内装材の製造法
JP3870453B2 (ja) ポリオレフィン樹脂ブロック状発泡体およびその製造方法
JPH06114957A (ja) 自動車用内装材の製造法
JPH06320571A (ja) 積層成形体の製造方法
JPS62261433A (ja) ポリプロピレン系成形用積層体
JPH0623919A (ja) 内装材の成型方法
JPH09262921A (ja) 真空成形用積層発泡体
JPH05245947A (ja) 発泡性積層シートのプレス成形方法
JP3313186B2 (ja) 複合発泡成形品の製造方法
JP2000246749A (ja) ポリオレフィン系発泡シートの製造方法及びその装置
JP4166502B2 (ja) 連続気泡発泡体の成形方法
JP2003245967A (ja) 自動車用成形天井材の製造方法および該方法で得られた自動車用成形天井材

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090205

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100205

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees