JP6166304B2 - 合成樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、合成樹脂製のシート材を用いて立体形状の合成樹脂成形品をインサート成形する合成樹脂成形品の製造方法に関する
従来、例えば特許文献1に開示されているように、インサート成形使用領域と不使用領域とを有する三次元加工用平面フィルムを射出成形用金型内に導入した後に三次元加工用平面フィルムの少なくともインサート成形使用領域を射出成形用金型のキャビティ形成面に密着させて三次元形状に加工し、型閉めした後に成形樹脂を射出成形用金型内に射出して樹脂成形品を製造するインサート成形品の製造方法が知られている。
三次元加工用平面フィルムは、樹脂成形品の一部となる積層物がカバーフィルム上に剥離可能に形成されており、積層物はインサート成形使用領域と不使用領域との境界線にカバーフィルムを貫通しないように切込みが設けられている。そして、射出成形用金型内に成形樹脂を射出することにより、樹脂成形品の成形と同時に、インサート成形使用領域の積層物と成形樹脂とを一体化し接着させた後にカバーフィルムを剥離して樹脂成形品を製造する。
特許第3262750号公報
上記のようなインサート成形品の製造方法では、積層物とカバーフィルムとが一体となった三次元加工用平面フィルムが射出成形用金型内に配置される。すなわち、三次元加工用平面フィルムの不使用領域が射出成形用金型のキャビティの外側に突出している状態で型閉めする。このため、三次元加工用平面フィルムを射出成形用金型のキャビティ形成面に沿った形状に正確に加工することが難しく、また、型閉めする際に、三次元加工用平面フィルムとキャビティ形成面とにずれが生じて、正確な形状の樹脂成形品を製造し難いという課題がある。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、正確な形状の合成樹脂成形品を製造することが可能な合成樹脂成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる合成樹脂成形品の製造方法は、製品表面を形成する合成樹脂製の表面シート材を用いて立体形状の合成樹脂成形品をインサート成形する合成樹脂成形品の製造方法であって、上記表面シート材の基となる合成樹脂シート基材から該表面シート材を形成するシート材形成工程と、上記表面シート材を所定の形状に折り曲げるシート材折り工程と、折り曲げた上記表面シート材を成形型に配置してインサート成形する成形工程とを有し、上記シート材形成工程では、上記合成樹脂シート基材を貫通する切れ目と、該合成樹脂シート基材の基材表層側の部位のみを除去した基材表層除去部とが形成されるようにし、前記合成樹脂シート基材が有する2つの前記基材表層のうちの一方側の該基材表層は、前記製品表面となる表面コート層を構成し、他方側の該基材表層は、接着剤が設けられた接着層を構成し、前記基材表層除去部は、上記接着層側に形成され、かつ前記基材表層除去部のうち、前記成形型内に合成樹脂を流し込んで充填するゲート近くに位置する該基材表層除去部の除去深さは浅く、該ゲートから遠方に位置する該基材表層除去部の除去深さは深いことを特徴とする。
前記合成樹脂シート基材に前記表面シート材の輪郭に沿ってつながった上記切れ目を形成することにより、該表面シート材が該合成樹脂シート材から切離されることを特徴とする。
前記シート材折り工程では、線状につながって形成された前記基材表層除去部に沿って、前記表面シート材が谷折りもしくは山折りされることを特徴とする。
折り曲げられた前記表面シート材の各面は、前記成形型が備える凹部の内面に沿わされて配置され、該凹部から突出しないことを特徴とする。
折り曲げられた前記表面シート材の前記各面のうち、前記成形型内に合成樹脂を流し込んで充填するゲート近くに位置する該面は、前記基材表層除去部からの迫り出し寸法が長く設定され、該ゲートから遠方に位置する該面は、該基材表層除去部からの迫り出し寸法が短く設定されることを特徴とする。
折り曲げられた前記表面シート材の前記各面のうち、前記成形型内に合成樹脂を流し込んで充填するゲート近くに位置する該面は、前記基材表層除去部からの迫り出し寸法が短く設定され、該ゲートから遠方に位置する該面は、該基材表層除去部からの迫り出し寸法が長く設定されることを特徴とする。
前記合成樹脂シート基材には、これを貫通してエア抜き細孔が形成され、該エア抜き細孔は、前記成形工程において、前記成形型内に充填される合成樹脂が最も遅れて到達する樹脂充填終端部付近に配設されることを特徴とする。
前記エア抜き細孔は、前記基材表層除去部に設けられることを特徴とする。
折り曲げられた前記表面シート材の各面のうち、隣り合う面同士のいずれか一方の面の端縁には、前記シート材形成工程において、当該端縁に対して前記基材表層除去部を挟む形態で、他方の面に重ね合わせるために突出されて舌片が形成され、該端縁からの上記舌片の突出方向は、上記成形型内に合成樹脂を流し込んで充填するゲートからの合成樹脂の流れ方向に沿わされ、上記一方の面の上記舌片は、合成樹脂の熱と流動圧力で上記他方の面に圧着されることを特徴とする。
前記表面シート材を折り曲げ可能として側面部を形成する前記切れ目に位置され、前記成形工程後に該側面部と合成樹脂との間に挟まれる舌片が、該切れ目で分断された隣り合う一対の該側面部のうち、一方の該側面部に連設され、該側面部を折り曲げて上記表面シート材を前記成形型内に挿入してインサート成形したときに、一対の該側面部のうち、上記舌片が連設されていない他方の該側面部の上記切れ目が、上記合成樹脂成形品の角部上に沿って配置され、当該合成樹脂成形品の表面に露出していることを特徴とする。
前記舌片は、前記成形型内に合成樹脂を流し込んで充填するゲート位置からより遠方に位置する前記側面部に対し、前記合成樹脂成形品の表面に露出しないように配置されたことを特徴とする。
本発明にかかる合成樹脂成形品の製造方法にあっては、正確な形状の合成樹脂成形品を製造でき、製造された合成樹脂成形品は、正確な形状を備えることができる。殊に、基材表層除去部のうち、成形型内に合成樹脂を流し込んで充填するゲート近くに位置する基材表層除去部の除去深さは浅く、ゲートから遠方に位置する基材表層除去部の除去深さは深くしていて、これにより、流動圧が高いゲート近くに位置される基材表層除去部を形成する除去深さは浅くすることで、形態安定性を保持し、他方、流動圧が低くなるゲートから遠方に位置される基材表層除去部を形成する除去深さは深くすることで、表面シート材の変形に融通を与えることができる。
本発明に係る合成樹脂成形品の製造方法の好適な一実施形態を示す、合成樹脂成形品の一例である蓋を示す斜視図である。 図1に示した蓋の縦断面図である。 図1に示した蓋を製造するための成形型を示す縦断面図である。 図1に示した蓋を製造するための表面シート材を示す斜視図である。 図4に示した表面シート材を合成樹脂シート基材から形成するシート材形成工程を示す斜視図である。 シート材折り工程で用いるプレス加工機の曲げ型を示す斜視図である。 図4に示した表面シート材が、図6に示した曲げ型により折り曲げられている状態を示す平面図である。 図7中、A−A線断面図である。 合成樹脂成形品の成形工程を説明する説明図である。 図4に示した表面シート材の形状の変形例を説明する説明図である。 図4に示した表面シート材に関する変形例を説明する説明図である。 図4に示した表面シート材に関する他の変形例を説明する説明図である。 図4に示した表面シート材に関するさらに他の変形例を説明する説明図である。 図13に示した表面シート材の舌片の形態例を説明する説明図である。 図13に示した表面シート材の舌片の圧着状態を説明する説明図である。 図13に示した表面シート材における舌片位置の他の例を説明する説明図である。 図13に示した表面シート材における舌片の突出方向の他の例を説明する説明図である。
以下に、本発明にかかる合成樹脂成形品の製造方法の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。この実施形態では、例えば合成樹脂製のコンパクト容器を射出成形により製造する製造方法を例に挙げ、製造される合成樹脂成形品として、例えばコンパクト容器の蓋を例に挙げて説明する。従って、コンパクト容器の容器本体に対しても適用することができる。図1は、蓋を示す斜視図である。図2は、蓋を示す縦断面図である。
本実施形態のコンパクト容器の蓋1は、図1及び図2に示すように、平面視長方形状をなす上面部(天面部)2と、上面部2の四辺から各々垂設された側面部3とを有する立体形状に形成され、下面側は四方が側面部3に囲まれて上方に窪む矩形状の凹部4を有している。容器本体も同様であって、平面視長方形状をなす下面部(底面部)と、下面部の四辺から各々立設された側面部とを有する立体形状に形成され、上面側は四方が側面部に囲まれて下方に窪む矩形状の凹部を有している。蓋1には、長方形状の上面部を区画する一対の長辺部分のうち、一方から垂設された側面部3に、容器本体(図示せず)に対して回動自在に支持されるヒンジ部5が設けられ、他方から垂設された側面部3に、容器本体と係合して蓋1が閉じた状態を維持する係合片6が設けられている。側面部3には、成形された蓋1を成形型から脱型するための抜き勾配が設けられている。
このコンパクト容器の蓋1は、上面部2の天面2a及び側面部3の側面3aが製品表面部位となる。これら部位に製品表面を形成する合成樹脂製の表面シート材7が適用されて、蓋1がインサート成形される。
図3は、蓋1を製造するための成形型8を示す縦断面図である。この蓋1の製造に用いられる成形型8は、図3に示すように、上下方向に分割される上射出型9と下射出型10とを有する。上射出型9の下面側には、蓋1の上面部2及び側面部3の外形寸法に対応し上方に窪む上型凹部9aが設けられ、下射出型10の上面には、蓋1に設けられる凹部4の内側寸法に対応し上方に突出する下型突部10aと、ヒンジ部5及び係合片6の外形寸法に対応し下方に窪む下型凹部10b,10cが設けられている。
上射出型9と下射出型10とを重ね合せた状態で、内部には蓋1の形状をなす成形空間が形成され、下射出型10におけるヒンジ部5を形成する下型凹部10bに、成形空間に連通されるスプル10dのゲート10eが接続されている。そして、下射出型10の下型突部10aを除く上面10fが、側面部3の下面を形成するように、上射出型9と下射出型10とのパーティング位置が設定されている。本実施形態においては、アンダーカット部を形成するために配置されるスライド型等は省略している。
図4は、表面シート材7を示す斜視図である。表面シート材7は、一方の面に、接着剤が設けられた接着層が形成され、他方の面に、製品表面となる表面コート層が形成されたインサート成形用樹脂シートである。図4に示すように、蓋1の天面2aを形成する部位7a及び各側面3aを形成する部位7bが、蓋1の製品表面の展開図状に配置されている。そして、表面シート材7は、蓋1の製品表面の形状に対応して、所定の位置で折り曲げられて、上型凹部9aの内面に密着するように配置される。このとき、折り曲げられた表面シート材7が上型凹部9aの内面に、より密着し易いように、表面シート材7を製品表面の形状に折り曲げるための折り線7cが表面シート材7の折り曲げ位置に設けられている。この折り線7cは、例えば、表面シート材7の基となる合成樹脂シート基材11(図5参照)の基材表層側の部位を除去した基材表層除去部を線状につなげることにより形成されている。すなわち、本実施形態においては、折り線7cが基材表層除去部に相当する。
図5は、合成樹脂シート基材11から表面シート材7を形成するシート材形成工程を示す斜視図である。表面シート材7は、図5に示すように、ロール状に巻かれた合成樹脂シート基材11から形成される。合成樹脂シート基材11は、ロール状に巻かれた形態のものに限らず、枚葉状の平判形態であっても良い。表面シート材7を形成する場合には、合成樹脂シート基材11が平坦になるように支持台(図示せず)上に合成樹脂シート基材11を引き出し、例えばレーザーマーカー機12により、表面シート材7を合成樹脂シート基材11から切り離すとともに、蓋1の製品表面の形状となるように折り曲げるための折り線7cを形成する。
レーザーマーカー機12は、レーザー照射部12aから照射されるレーザー13の出力を制御可能な制御部12bを有している。このため、合成樹脂シート基材11に照射するレーザー13の出力を制御することにより、合成樹脂シート基材11の基材表層側の部位を除去した基材表層除去部(折り線7c)を形成すること、たとえば接着層のみを除去すること、そしてまた、合成樹脂シート基材11を貫通する切れ目7dを形成することができるように構成されている。
表面シート材7を形成する方法は、合成樹脂シート基材11を接着層側が上方を向くように支持台上に配置し、合成樹脂シート基材11と対向する上方に配置されたレーザー照射部12aから合成樹脂シート基材11の接着層に向けてレーザー13を照射することにより、表面シート材7を形成する(シート材形成工程)。
シート材形成工程では、レーザー照射部12aと支持台とを相対移動させつつレーザー13を照射して、表面シート材7の外形形状となる輪郭に沿って合成樹脂シート基材11を貫通する連続した切れ目7dを形成することにより、表面シート材7が合成樹脂シート基材11から切り離される。また、蓋1の天面2aと各側面3aとを形成する部位の境界に沿って合成樹脂シート基材11の接着層を除去することにより、蓋1の天面2aと各側面3aとを形成する部位の境界に折り線7cが形成される。
図6は、シート材折り工程で用いるプレス加工機の曲げ型14,15を示す斜視図である。図7は、表面シート材7が曲げ型14,15により折り曲げられている状態を示す平面図である。図8は、図7におけるA−A線断面図である。
シート材形成工程で形成された表面シート材7は、プレス加工機の下曲げ型14の上に配置された後に、上方から上曲げ型15に押圧されることにより、折り線7cに沿って谷折りされる(シート材折り工程)。勿論、山折りしても良い。
下曲げ型14には、水平な上面に表面シート材7の輪郭形状と同じ形状に形成され、僅かな段差で窪まされて、表面シート材7が載置される輪郭段部14aと、輪郭段部14aの内側に、形成する製品表面の形状出形成された曲げ型凹部14bとが下方に窪ませて形成されている。曲げ型凹部14bの底面には、下曲げ型14の下方の空間と連通する小径の貫通孔14cが複数設けられている。
上曲げ型15は、下曲げ型14の曲げ型凹部14b内に挿入されて、曲げ型凹部14bの内面との間に表面シート材7の厚み分の隙間を形成する押圧部15aを有する。上曲げ型15は、下曲げ型14に対して上下方向に移動されて、押圧部15aが曲げ型凹部14bに出没可能に設けられている。そして、表面シート材7は、接着層を上方に向けて曲げ型凹部14bを覆うように輪郭段部14aに配置された後に、上曲げ型15が降下されて、押圧部15aが曲げ型凹部14bに挿入されることにより、表面シート材7が折り線7cに沿って折り曲げられる。折り曲げられた表面シート材7の表面コート層側の面が、製品表面の形状に形成される。
図9は、成形工程を示す図である。表面シート材7を備える蓋1をインサート成形する場合には、まず図9(a)に示すように、上射出型9と下射出型10とが上下に分離しておく。次いで、図9(b)に示すように、上射出型9の上型凹部9a内に、上述したようにして既に折り曲げた状態の表面シート材7を配置する。このとき、表面シート材7は、製品表面の形状に折り曲げられているので、上型凹部9aの内面に沿って配置される際、表面シート材7を上型凹部9aの内面に、より密着させて沿わせることができると共に、表面シート材7を上型凹部9a内に適切に保持させるために、例えば、上型凹部9a内で表面シート材7を吸着することが望ましい。このとき、表面シート材7は、上型凹部9aより下方に突出しないように上型凹部9a内に完全に収容されている。
次に、図9(c)に示すように、上射出型9と下射出型10とを重ねる。その後、図9(d)に示すように、成形空間にゲート10eから成形樹脂(合成樹脂)を射出して、表面シート材7と射出した成形樹脂とを一体化させる(成形工程)。
上射出型9はいわゆる雌型であり、下射出型10は雄型である。図示例では、下射出型10から上射出型9へ向けて成形樹脂(合成樹脂)を射出して成形する場合が示されている。上射出型9が雌型の場合には、折り曲げられた表面シート材7の各側面3aは、成形型8が備える上型凹部9aの内面に沿わされて配置され、当該上型凹部9aから突出しないようにされる。しかしながら、雌型である上射出型9から雄型である下射出型10へ向けて成形樹脂を射出して成形するようにしても良いことはもちろんである。
さらに、折り曲げられた表面シート材7の各側面3aは、成形型8が備える凸部の外面、すなわち下射出型10の下型突部10aの外面に沿わされて配置されるようにしてもよく、この場合、表面シート材7は、製品の内面側に配置されることになり、このような構成であっても良い。
表面シート材7(合成樹脂シート基材11)には、成形工程の前に予め、これを貫通して、成形型8内への成形樹脂の流れ込みに応じて成形型8内のエアを排出するために、エア抜き細孔16が形成されている。エア抜き細孔16は特に、成形工程において、成形型8内に充填される成形樹脂が最も遅れて到達する樹脂充填終端部付近に配設される。樹脂充填終端部は、ゲート10e位置や成形型8の形状に依存してその位置は種々であることから、エア抜き細孔16の位置は実際に応じて設定される。
本実施形態にあっては、エア抜き細孔16は、折り線7c(基材表層除去部)に設けられる(図4参照)。図では、エア抜き細孔16は、見やすく、折り線7cからはみ出すように示されているが、実際は、外観を損なわないように、当該折り線7cからはみ出さない大きさで、ピンホール状に形成される。本実施形態では、エア抜き細孔16を折り線7cに設ける場合について説明したが、樹脂充填終端部付近であれば、折り線7cに設けることに限らず、どのような位置に配設しても良いことはもちろんである(図4中、エア抜き細孔16a参照)。表面シート材7にエア抜き細孔16を形成することにより、良好な樹脂充填を確保することができる。
次に、図9(e)に示すように、射出した成形樹脂が硬化した後に、上射出型9と下射出型10とを上下に分離して、成形された蓋1を脱型する。最後にゲート10eでつながっている無用な樹脂部分を切除して合成樹脂成形品としての蓋1が完成する。
本実施形態に係る合成樹脂成形品としての蓋1の製造方法によれば、蓋1の製品表面を形成する表面シート材7を、製品表面の形状に折り曲げた後に、射出成形用の上射出型9の上型凹部9aに配置するので、表面シート材7の製品表面を上型凹部9aの内面に容易に沿わせることができる。また、表面シート材7は、製品表面の形状に折り曲げる前に、表面シート材7の輪郭に沿ってつながった切れ目7dを合成樹脂シート基材11に形成することによって、合成樹脂シート基材11から切離されているので、表面シート材7の取り扱い易さを向上することができる。このとき、合成樹脂シート基材11からの表面シート材7の形成にレーザー13を用いたので、制御が容易であると共に、カット粉の付着が少なく、製品や成形条件に合わせた微調整も容易に行うことができる。
言い換えると、本実施形態では、表面シート材7を成形型8に挿入する時点で、表面シート材7が容易にかつ確実に成形型8の形状に沿うように、合成樹脂シート基材11に対し、レーザー13を使用して、基材表層除去部(折り線7c)を設けるようにしている。合成樹脂シート基材11は、厚みや硬度に、ロット間でバラツキが存在するが、レーザー13であれば、カットの形状や深さを即時に正確に変更調整できるため、常に安定した性状の表面シート材7を作成することができる。また、表面シート材7を成形型8に挿入する際、折り線7cで折り曲げて立体形状に仕付けてから挿入することができるため、外表面にゲート10eがある蓋1(合成樹脂成形品)では、内表面に加飾することができる。
そして、表面シート材7を蓋1の製品表面の展開図形状に切り離すことにより、下曲げ型14の上面に設けられた表面シート材7を、その輪郭形状と同じ形状の段差を有する輪郭段部14aに配置することが可能となったため、上曲げ型15により表面シート材7を押圧した際にも、表面シート材7の位置がずれることを防止できる。
更に、折り曲げる前の表面シート材7には、蓋1の天面2aを形成する部位7aと各側面3aを形成する部位7bとの境界に沿って折り線7cが形成されているので、プレス加工により表面シート材7を折り線7cに沿って容易にかつ正確に折り曲げることができる。このため、単に上曲げ型15と下曲げ型14に挟み込んで表面シート材7を折り曲げる場合よりも、製品表面の形状がより正確に得られるように表面シート材7を折り曲げることができる。このとき、折り線7cは、接着層側に形成されているので、製品表面を損なうことなく、形成された折り線7c側に谷折りもしくは山折りすることにより、正確な製品形状に折り曲げることができる。このように、表面シート材7がより正確な形状の製品表面を形成するように折り曲げられているので、上射出型9の上型凹部9aの内面に表面シート材7を高精度で密着させることができる。
また、折り曲げられた表面シート材7は、上型凹部9aの内面に沿わされて配置されたときに、当該上型凹部9aから突出しないように配置されるので、上射出型9と下射出型10とを重ね合わせた場合にも、表面シート材7の位置が移動することはない。このため、表面シート材7を上型凹部9a内の正確な位置に配置した状態を維持したままで、成形樹脂を射出することができる。このため、成形凹凸箇所の形状転写性が向上し、生産性を向上できるだけでなく、より正確な形状であって美観に優れた製品表面を有する蓋1を製造することができる。
上記実施形態においては、折り線7cを、合成樹脂シート基材11の接着層を除去することのみにより形成する例について説明したが、折り線7cの一部に、合成樹脂シート基材11を貫通する切れ目7dを形成するようにしてもよい。折り線7cの途中に切れ目7dが設けられている場合には、表面シート材7と型との間の空気が抜けやすいので、エア溜まりなどの不良を回避することができる。
図10は、表面シート材7の形状の変形例を示す図である。図10(a)に示すように、製品表面に施される模様7eの少なくとも一部について、合成樹脂シート基材11を貫通するように形成し、そして、図示のように折り線7cを跨ぐように形成しても、エア溜まり不良を回避することができる。また、図10(b),図10(c)に示すように、ゲート10e近傍に配置される部位を避ける窪み部7fを、表面シート材7に形成しておいても良い。
図11には、表面シート材7(合成樹脂シート基材11)の変形例が示されている。この変形例では、折り線7c(基材表層除去部)のうち、成形型8内に成形樹脂を流し込んで充填するゲート10e(窪み部7f近傍)近くに位置する折り線7cにおける除去深さD1は表面シート材7に浅く、ゲート10eから遠方に位置する折り線7cにおける除去深さD2は深く形成されるように構成される(D1<D2)。
成形樹脂の流動解析により、成形樹脂をゲート10eから成形型8内に流し込む(図中、矢印Y,yで示す)際、流動性状によっては、表面シート材7に皺などの歪みが生じることが判った。
そこで、流動圧が高いゲート10e近くに位置される折り線7cを形成する除去深さD1は浅くすることで、形態安定性を保持し、他方、流動圧が低くなるゲート10eから遠方に位置される折り線7cを形成する除去深さD2は深くすることで、表面シート材7の変形に融通を与えるように構成する。
これにより、流し込まれる成形樹脂の流動性状に対応させて、薄い表面シート材7を、歪みなくピンと張るようにして、合成樹脂成形品(蓋1)を形成することができる。ゲート10eが表面シート材7で、天面を形成する部位7aに配置される場合であっても、同様に設定すればよい。
図12には、表面シート材7(合成樹脂シート基材11)の他の変形例が示されている。この変形例も、成形樹脂の流動解析の結果を考慮したものである。
折り曲げられた表面シート材7の、側面を形成する部位7bとなる各面のうち、成形型8内に成形樹脂を流し込んで(図中、矢印Y,yで示す)充填するゲート10e(窪み部7f近傍)近くに位置する側面(例えば、ヒンジ部5が形成される側の側面)は、折り線7c(基材表層除去部)からの迫り出し寸法(側面の幅寸法)H1が長く設定され、ゲート10eから遠方に位置する側面(例えば、係合片6が形成される側の側面)は、折り線7cからの迫り出し寸法(側面の幅寸法)H2が短く設定される(H1>H2)。
すなわち、上述した表面シート材7に生じ得る皺などの歪みを防止するために、この変形例では、流動圧が高いゲート10e近くに位置される側面の幅寸法H1が、成形型8でしっかりと保持されるように長く設定されて、形態安定性が保持され、他方、流動圧が低くなるゲート10eから遠方に位置される側面の幅寸法H2は、成形型8による保持作用が弱まるように短く設定されて、表面シート材7の変形に融通を与える、具体的には、表面シート材7が流動する成形樹脂によって延伸される場合に、当該延伸による伸びが、この寸法の短い側面側(H2側)に現れるようにして、結果的に設定に従った寸法で美観良く表面シート材7を合成樹脂成形品(蓋1)に設け得るように構成される。
これにより、図11の変形例で説明したのと同様に、流し込まれる成形樹脂の流動性状に対応させて、薄い表面シート材7を、歪みなくピンと張るようにして、合成樹脂成形品(蓋1)を形成することができる。ゲート10eが表面シート材7で、天面を形成する部位7aに配置される場合であっても、同様に設定すればよい。
図示例に代えて、折り曲げられた表面シート材7の、側面を形成する部位7bとなる各面のうち、成形型8内に成形樹脂を流し込んで(図中、矢印Y,yで示す)充填するゲート10e(窪み部7f近傍)近くに位置する側面(例えば、ヒンジ部5が形成される側の側面)は、折り線7c(基材表層除去部)からの迫り出し寸法(側面の幅寸法)H1が短く設定され、ゲート10eから遠方に位置する側面(例えば、係合片6が形成される側の側面)は、折り線7cからの迫り出し寸法(側面の幅寸法)H2が長く設定される(H1<H2)ようにしてもよいことはもちろんである。
上記図11及び図12で説明した除去深さの設定と、側面の幅寸法の設定を併用して構成しても良いことはもちろんである。
図13〜図17には、表面シート材7(合成樹脂シート基材11)のさらに他の変形例が示されている。この変形例も、成形樹脂の流動解析の結果を考慮したものである。
折り曲げられた表面シート材7の各面のうち、成形型8が備える凹部9a,10b,10cに配置されたときに隙間が生じるように隣り合う面同士のいずれか一方の面の端縁には、シート材形成工程において、当該端縁に対して基材表層除去部を挟む形態で、隙間を塞いで他方の面に重ね合わせるために突出されて舌片が形成される。
そして、端縁からの舌片の突出方向は、成形型8内に成形樹脂を流し込んで充填するゲート10eからの成形樹脂の流れ方向yに沿わされる。これにより、一方の面の舌片は、成形樹脂の熱と流動圧力で他方の面に圧着される。従って、合成樹脂シート基材11としては、熱融着性の素材を採用することが好ましい。
図13及び図14に示すように、成形型8が備える上型凹部9aに配置されたときに隙間が生じるように隣り合う面とは、天面を形成する部位7aの周囲を取り囲んで配置されていて、折り曲げられたときに側面を形成する部位7bとなる面をいう。
これら部位7bを形成する各面は、成形型8が備える上型凹部9aに配置されて合成樹脂成形品(蓋1)の形態をなすとき、天面を形成する部位7a周りに沿う方向において、隙間が生じ得る状態で互いに隣接される。この変形例では、当該隙間を塞ぐ目的で舌片17が備えられる。
舌片17は、これら互いに隣接する一対の、側面を形成する部位7bとなる面のいずれか一方に、天面を形成する部位7a周りに沿う方向の端縁7gから突出形成される。舌片17は、これが突出形成される端縁7gに対し、追加の基材表層除去部、すなわち追加の折り線7hを挟んで形成される。追加の折り線7hにより、舌片17は、側面を形成する部位7bとなる面に対し、折り曲げ可能に形成される。
この舌片17は、シート材形成工程において、表面シート材7の外形形状となる輪郭に含まれ、切れ目7dの形成によって、表面シート材7の一部として合成樹脂シート基材11から切り離される。また、舌片17と端縁7gとの間に位置される追加の折り線7hは、天面を形成する部位7aとなる面と、側面を形成する部位となる各面7bとの境界に折り線7cが形成されるときに、併せて形成される。
端縁7gから突出形成された舌片17は、表面シート材7が上型凹部9a内に配置されて折り曲げられる際に、追加の折り線7hで折り曲げられて、隣接する一対の、側面を形成する部位7bとなる面の他方に、隙間を塞ぐように重ね合わされる。舌片17の大きさは、折り曲げて重ね合わせたときに、はみ出さない大きさで形成される。
図14には、舌片17の形態例が示されている。図14(A)に示すものは、中心角が90度よりも僅かに小さな角度の扇状に形成された舌片17の場合であり、二点鎖線で示すようにして重ね合わされる。
図14(B)は、扇状の中心角側に、互いに隣接する一対の側面を形成する部位7bとなる面を折る折り線7cと一連に連なるようにして、湾曲状の切れ目7iが形成され、かつ中心角が60度程度とされた舌片17の場合である。湾曲状の切れ目7iにより、図14(A)の場合と比べて、舌片17の折り重ねを円滑化することができる。
図14(C)は、扇状の中心角側に、互いに隣接する一対の側面を形成する部位7bとなる面を折る折り線7cと一連に連なるようにして、湾曲状の折り線7jが形成され、かつ湾曲状の折り線7jに沿うように、当該折り線7jの外側に湾曲状の切れ目7kが形成された舌片17の場合である。湾曲状の折り線7j及び湾曲状の切れ目7kにより、図14(B)の場合に比べて、舌片17の折り重ねをさらに円滑化しつつ、折り皺がほとんど発生しないようにして、ほぼ完全に隙間を塞ぐことができる。
舌片17の端縁7gからの突出方向は、ゲート10eからの成形樹脂の流れ方向7に沿わされる。ゲート10eから成形型8内に充填される成形樹脂は、成形型8の上型凹部9a内に、ゲート10eに近い側から充填・充満されていき、徐々にゲート10eから遠い側へ向かって充填・充満が進行していく。
すなわち、成形樹脂は、成形型8の上型凹部9a内に、ゲート10eを中心として放射状に流れていき、上型凹部9aに堰き止められる位置まで流れると、その後は、上型凹部9aの形態に沿ってさらにゲート10eから遠方へ向かって流れていって、上型凹部9aに充満していく。
上型凹部9aが矩形状であって、その側縁にゲート10eが形成されている場合には、図13に示すように、ゲート10eの位置が側縁の長さ方向中央位置であれ、片寄った位置であれ、成形樹脂は、ゲート10eを挟む両側において、側縁に面する側面を形成する部位7bとなる面(P)から、向かい合う他方の、側面を形成する部位7bとなる面(R)に向かって流れていく。
これに基づき、舌片17は、ゲート10eに近接する側面を形成する部位7bとなる面(P)に、これと隣接する他の面(Q)に向かって突出形成され、そしてまた当該他の面(Q)に、これと隣接するさらに他の面(R)に向かって突出形成される。そして、舌片17は図15に示すように、これが重なり合う他方の面に対し、成形樹脂の熱と流動圧力によって、隙間が生じないようにして、かつ平坦となる状態で圧着される。
図13〜図15に示した構成は、言い換えれば、表面シート材7を折り曲げ可能として側面部3を形成する切れ目7dに位置され、成形工程後に側面部3と合成樹脂との間に挟まれる舌片17が、切れ目7dで分断された隣り合う一対の側面部3,3のうち、一方の側面部3に連設され、側面部3,3を折り曲げて表面シート材7を成形型8内に挿入してインサート成形したときに、一対の側面部3,3のうち、舌片17が連設されていない他方の側面部3の切れ目7dが、蓋1の角部(側面部3,3同士で形成される稜線)上に沿って配置され、当該蓋1の表面に露出している形態をいう。
成形型8内に合成樹脂を流し込んで充填するゲート10e位置から各側面部3までの距離が均一でない場合には、舌片17は、当該ゲート10e位置からより遠方に位置する側面部3に対し、蓋1の表面に露出しないように配置される。
以上の構成によれば、蓋(合成樹脂成形品)1の表面全体に、表面シート材7を重ねた痕跡が認識されることなく、隙間なく連続模様7eを加飾することができる。詳述すると、蓋1の周側面を覆う、表面シート材7の側面部3は、基材表層除去部で形成される折り線7cを起点に、切れ目7dを介してそれぞれ独立して折り曲げ可能である。切れ目7dを介して隣接する一対の側面部3,3のうち、上記他方の側面部3の切れ目7dは、表面シート材7を蓋1の表面に固定した際に、当該蓋1の角部に沿って、蓋1の表面に露出するように位置付けられている。こうすることで、蓋1の表面に露出している切れ目7d、すなわち側面部3,3同士の稜線は認識しづらくなり、舌片17を含む側面部3を重ねている痕跡をほぼ消すことができる。
表面シート材7は、射出成形時に、熱と圧力とによって、僅かではあるが、溶融状態の合成樹脂の流動方向に引き延ばされる。引き延ばし度合いは、合成樹脂の流動方向に沿っているほど、また、流動圧力の減衰が小さい箇所であるほど、大きくなる。蓋1の上面部2を例に挙げれば、縦横の長さが大きく異なる長方形で、その中心にゲート10eが設けられている場合、上面部2の短手方向に連接される側面部3の方が、上面部2の長手方向に連接される側面部3よりも、引き延ばし度合いが大きい。このため、上面部2の短手方向に連接される側面部3に舌片17を備えると、当該舌片17が動いてその位置が変化してしまい、隣接する側面部3,3間に隙間が生じて、合成樹脂が露出してしまう。このような事態を解決するために、上面部2の長手方向に連接される側面部3に舌片17を設け、隣接する一対の側面部3,3のうち、ゲート10eからより遠くに位置する側面部3上に、舌片17を折り込むようにして配置し、上面部2の短手方向に連接される側面部3の切れ目7dをそこに重ねるようにしている。
図13では、平面視長方形状の天面を形成する部位7aの四隅に生じ得る隙間それぞれに対応させて、4つの舌片17を設ける場合を例示して説明したが、図16に示すように、いずれかの舌片17の形成を省略するようにしても良いことはもちろんである。
図17には、前後左右方向中央を基準としてゲート10eを形成した場合が示されている。この場合、ゲート10eは、まさに中央位置でなく、前後方向や左右方向に片寄った位置であっても、成形樹脂は、ゲート10eに近い、側面を形成する部位7bとなる面(P)から、ゲート10eから遠い、側面を形成する部位7bとなる面(R)に向かって流れていく。
これに基づき、舌片17は、ゲート10eに近接する側面を形成する部位7bとなる面に、これと隣接する他の面に向かって突出形成される。そして、舌片17は図15で示したように、これが重なり合う面に対し、成形樹脂の熱と流動圧力によって、隙間が生じないようにして、かつ平坦となる状態で圧着される。
このような構成を備えることにより、隙間が生じ得る箇所がある場合に、シート材形成工程で追加して形成することができる、切れ目7dと折り線7hにより突出形成した舌片17によって、当該隙間を塞ぐことができる。
舌片17の突出方向を、成形樹脂の流れ方向yに沿わせたので、成形樹脂の流れを利用して、特段の手順を要することなく、合理的に自動的に、言い換えれば成り行きに従って、舌片17の重ね合わせを確保することができる。
そして舌片17を、成形樹脂の熱と流動圧力によって圧着するようにしたので、重ね合わせと同様に、特段の手順を要することなく、合理的に自動的に、言い換えれば成り行きに従って、舌片17の接合を確保することができる。以上のように、舌片17を形成することにより、合成樹脂シート基材11から、形態安定性が高く、強度を向上した合成樹脂成形品を製造することができる。
また、上記実施形態においては、折り線7cを形成する際に、合成樹脂シート基材11の接着層のみを除去する例について説明したが、合成樹脂シート基材11を貫通しなければ表面コート層を一部除去するようにしてもよい。また、折り線7cを形成する際に、接着層を除去して表面コート層だけを残しても良いし、接着層を一部残してもよい。
また、上記実施形態においては、合成樹脂シート基材11から表面シート材7を形成する際に、レーザー13を用いる例について説明したが、トムソン刃等を用いても良いことはもちろんである。
さらに、上記実施形態では、成形型8として、上下に開くタイプのものを例示して説明したが、左右に開くタイプの成形型であっても良いことはもちろんである。
1 蓋
2 上面部
2a 天面
3 側面部
3a 側面
4 凹部
5 ヒンジ部
6 係合片
7 表面シート材
7a 天面を形成する部位
7b 側面を形成する部位
7c 折り線
7d 切れ目
7e 模様
7f 窪み部
7g 端縁
7h 追加の折り線
7i 湾曲状の切れ目
7j 湾曲状の折り線
7k 湾曲状の切れ目
8 成形型
9 上射出型
9a 上型凹部
10 下射出型
10a 下型突部
10b 下型凹部
10c 下型凹部
10d スプル
10e ゲート
10f 下射出型の上面
11 合成樹脂シート基材
12 レーザーマーカー機
12a 照射部
12b 制御部
13 レーザー
14 下曲げ型
14a 輪郭段部
14b 曲げ型凹部
14c 貫通孔
15 上曲げ型
15a 押圧部
16 エア抜き細孔
16a エア抜き細孔
17 舌片
D1,D2 除去深さ
H1,H2 迫り出し寸法
Y,y 成形樹脂の流れ

Claims (11)

  1. 製品表面を形成する合成樹脂製の表面シート材を用いて立体形状の合成樹脂成形品をインサート成形する合成樹脂成形品の製造方法であって、
    上記表面シート材の基となる合成樹脂シート基材から該表面シート材を形成するシート材形成工程と、
    上記表面シート材を所定の形状に折り曲げるシート材折り工程と、
    折り曲げた上記表面シート材を成形型に配置してインサート成形する成形工程とを有し、
    上記シート材形成工程では、
    上記合成樹脂シート基材を貫通する切れ目と、該合成樹脂シート基材の基材表層側の部位のみを除去した基材表層除去部とが形成されるようにし、
    前記合成樹脂シート基材が有する2つの前記基材表層のうちの一方側の該基材表層は、前記製品表面となる表面コート層を構成し、他方側の該基材表層は、接着剤が設けられた接着層を構成し、前記基材表層除去部は、上記接着層側に形成され、かつ前記基材表層除去部のうち、前記成形型内に合成樹脂を流し込んで充填するゲート近くに位置する該基材表層除去部の除去深さは浅く、該ゲートから遠方に位置する該基材表層除去部の除去深さは深いことを特徴とする合成樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記合成樹脂シート基材に前記表面シート材の輪郭に沿ってつながった上記切れ目を形成することにより、該表面シート材が該合成樹脂シート材から切離されることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  3. 前記シート材折り工程では、線状につながって形成された前記基材表層除去部に沿って、前記表面シート材が谷折りもしくは山折りされることを特徴とする請求項1または2に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  4. 折り曲げられた前記表面シート材の各面は、前記成形型が備える凹部の内面に沿わされて配置され、該凹部から突出しないことを特徴とする請求項1〜3いずれかの項に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  5. 折り曲げられた前記表面シート材の前記各面のうち、前記成形型内に合成樹脂を流し込んで充填するゲート近くに位置する該面は、前記基材表層除去部からの迫り出し寸法が長く設定され、該ゲートから遠方に位置する該面は、該基材表層除去部からの迫り出し寸法が短く設定されることを特徴とする請求項4に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  6. 折り曲げられた前記表面シート材の前記各面のうち、前記成形型内に合成樹脂を流し込んで充填するゲート近くに位置する該面は、前記基材表層除去部からの迫り出し寸法が短く設定され、該ゲートから遠方に位置する該面は、該基材表層除去部からの迫り出し寸法が長く設定されることを特徴とする請求項4に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  7. 前記合成樹脂シート基材には、これを貫通してエア抜き細孔が形成され、該エア抜き細孔は、前記成形工程において、前記成形型内に充填される合成樹脂が最も遅れて到達する樹脂充填終端部付近に配設されることを特徴とする請求項1〜6いずれかの項に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  8. 前記エア抜き細孔は、前記基材表層除去部に設けられることを特徴とする請求項7に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  9. 折り曲げられた前記表面シート材の各面のうち、隣り合う面同士のいずれか一方の面の端縁には、前記シート材形成工程において、当該端縁に対して前記基材表層除去部を挟む形態で、他方の面に重ね合わせるために突出されて舌片が形成され、該端縁からの上記舌片の突出方向は、上記成形型内に合成樹脂を流し込んで充填するゲートからの合成樹脂の流れ方向に沿わされ、上記一方の面の上記舌片は、合成樹脂の熱と流動圧力で上記他方の面に圧着されることを特徴とする請求項1〜8いずれかの項に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  10. 前記表面シート材を折り曲げ可能として側面部を形成する前記切れ目に位置され、前記成形工程後に該側面部と合成樹脂との間に挟まれる舌片が、該切れ目で分断された隣り合う一対の該側面部のうち、一方の該側面部に連設され、
    該側面部を折り曲げて上記表面シート材を前記成形型内に挿入してインサート成形したときに、一対の該側面部のうち、上記舌片が連設されていない他方の該側面部の上記切れ目が、上記合成樹脂成形品の角部上に沿って配置され、当該合成樹脂成形品の表面に露出していることを特徴とする請求項1〜8いずれかの項に記載の合成樹脂成形品の製造方法。
  11. 前記舌片は、前記成形型内に合成樹脂を流し込んで充填するゲート位置からより遠方に位置する前記側面部に対し、前記合成樹脂成形品の表面に露出しないように配置されたことを特徴とする請求項10記載の合成樹脂成形品の製造方法。
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