JP2880627B2 - 印字ギャップ調整装置 - Google Patents

印字ギャップ調整装置

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JP2880627B2 JP5154810A JP15481093A JP2880627B2 JP 2880627 B2 JP2880627 B2 JP 2880627B2 JP 5154810 A JP5154810 A JP 5154810A JP 15481093 A JP15481093 A JP 15481093A JP 2880627 B2 JP2880627 B2 JP 2880627B2
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    • B41J3/407—Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for marking on special material
    • B41J3/4078—Printing on textile

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、シリアルプリンタに利
用される印字ギャップ調整装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】まず、図８に従来例を示す。１はプラテ
ンである。相対向する側板（図示せず）には、プラテン
１と平行なキャリアシャフト２の両端がスプリング３に
よりプラテン１に対して接近する方向に付勢されて移動
自在に保持されている。また、キャリアシャフト２には
キャリア４が摺動自在に保持されている。このキャリア
４はキャリア駆動部（図示せず）により往復駆動される
ものである。そして、キャリア４には、印字ヘッドであ
るドットプリンタヘッド５とシートホルダ６とが装着さ
れている。このシートホルダ６はドットプリンタヘッド
５の前面よりも僅かにプラテン１側に配置されてプラテ
ン１上の用紙７を押えるものである。
【０００３】したがって、キャリアシャフト２、キャリ
ア４、ドットプリンタヘッド５、シートホルダ６はスプ
リング２の付勢力を駆動力としてプラテン１側に前進
し、プラテン１上の用紙７にシートホルダ６が当接した
位置で静止する。この場合、プラテン１とシートホルダ
６との間隔は用紙７の厚さと等しく、また、ドットプリ
ンタヘッド５の前面はシートホルダ６よりも僅かにプラ
テン１から離反する方向に位置するため、用紙７の厚さ
に関係なく用紙７の表面とドットプリンタヘッド５の前
面との間に印字ギャップが確保される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】従来例に示すように、
印字ギャップは用紙７の厚さに応じて調整されるが、シ
リアルプリンタにおいては、ドットプリンタヘッド５及
びシートホルダ６はキャリア４に保持されてプラテン１
に沿って移動するため、用紙７はドットプリンタヘッド
５の先端によって擦られることがある。この場合、紙厚
が一定以上の用紙７はある程度の腰の強さを有するため
特に問題はないが、紙厚が一定以下の薄い用紙７は腰が
弱いために、傷がついたり、曲がったり、皺が寄ったり
する。
【０００５】図示しないが、特開平２−１１３９７９号
公報、特開平４−３１０７３号公報、特開平４−３１０
７４号公報等に記載されているように、用紙に応じて印
字ギャップを調整するようにした発明があるが、これら
は上記のような問題を解決するものではない。
【０００６】
【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
プラテンに沿って往復駆動されるキャリアに搭載された
印字ヘッドと、この印字ヘッドと前記プラテンとの何れ
か一方を移動させて両者の対向間隔を使用する用紙に応
じて変化させて前記プラテン上の用紙と前記印字ヘッド
との間に所望の印字ギャップを形成する駆動部と、前記
プラテンと前記印字ヘッドとの間隔が狭隘な一定値にな
る状態を検出する最小間隔検出手段と、この最小間隔検
出手段の検出信号により前記印字ギャップを広げる方向
に前記駆動部を駆動させる制御手段とにより構成した。
【０００７】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明において、プラテン上の用紙を検出する用紙検出器を
キャリアに設け、前記印字ヘッドと前記プラテンとの対
向間隔を狭めるとともに前記用紙検出器の検出信号によ
り前記プラテンと前記印字ヘッドとの対向間隔を広げて
前記用紙と前記印字ヘッドとの間に所望の印字ギャップ
を形成する駆動部を設けた。
【０００８】請求項３記載の発明は、プラテンに沿って
往復駆動されるキャリアに搭載された印字ヘッドと、こ
の印字ヘッドと前記プラテンとの何れか一方を移動させ
て両者の対向間隔を変化させて前記プラテン上の用紙と
前記印字ヘッドとの間に印字ギャップを形成する駆動部
と、この駆動部に駆動される前記印字ヘッド又は前記プ
ラテンが一定の基準位置に位置する状態を検出する基準
位置検出手段と、前記印字ギャップを一定の紙厚を境と
して厚い用紙に対応する基準値と薄い用紙に対応する拡
大値とに分けて設定する設定手段と、この設定手段から
の設定データに基づいて前記基準位置検出手段からの検
出信号を基準に前記駆動部の動作を制御する制御手段と
により構成した。
【０００９】請求項４記載の発明は、用紙を間にしてプ
ラテンと印字ヘッドとの一方を相対的に対向方向に変位
させる駆動部を設け、前記プラテンと前記印字ヘッドと
の間に、紙厚が一定値以下となる薄い用紙の紙厚と余裕
を見込んだ印字ギャップとを加算した値に対応する間隔
が維持されるように、前記プラテン又は前記印字ヘッド
の移動量を制限する移動量制限手段を設けた。
【００１０】
【作用】請求項１記載の発明は、駆動部によりプラテン
と印字ヘッドとの間隔を狭めることによりプラテン上の
用紙と印字ヘッドとの間の印字ギャップを設定すること
ができ、プラテンと印字ヘッドとの間隔が一定値以下に
達した場合には、最小間隔検出手段の検出信号により駆
動部を駆動してプラテンと印字ヘッドとの間隔を広げる
ことができ、これにより、紙厚の薄い用紙を用いた場合
においても、薄い用紙が印字ヘッドから受ける圧力を軽
減し、用紙に傷がついたり、用紙が曲がり或いは皺が寄
ることを回避することができる。
【００１１】請求項２記載の発明は、プラテンと印字ヘ
ッドとの間隔を駆動部により狭め、用紙検出器が用紙を
検出したときに駆動部によりプラテンと印字ヘッドとの
間隔を少し広げることにより、用紙に対応する印字ギャ
ップを調整することができ、また、印字ヘッドとプラテ
ンとの間隔が最小間隔検出手段により検出された場合に
は、薄い用紙に対しては余裕をもって印字ギャップを調
整することができ、これにより、紙厚の薄い用紙を用い
た場合においても、薄い用紙が印字ヘッドから受ける圧
力を軽減し、用紙に傷がついたり、用紙が曲がり或いは
皺が寄ることを回避することができる。
【００１２】請求項３記載の発明は、印字ギャップを厚
い用紙に対応する基準値と薄い用紙に対応する拡大値と
に分けて設定することができ、この設定データに基づい
て駆動部の動作を制御して印字ヘッド又はプラテンの移
動量を決定することにより、厚い用紙の印字ギャップよ
り薄い用紙の印字ギャップを広げることができ、これに
より、紙厚の薄い用紙を用いた場合においても、薄い用
紙が印字ヘッドから受ける圧力を軽減し、用紙に傷がつ
いたり、用紙が曲がり或いは皺が寄ることを回避するこ
とができる。
【００１３】請求項４記載の発明は、印字ヘッド又はプ
ラテンの移動量を制限して両者の間には薄い紙厚に適し
た間隔を確保することができるため、薄い用紙に対して
は余裕をもって印字ギャップを調整することができ、こ
れにより、紙厚の薄い用紙を用いた場合においても、薄
い用紙が印字ヘッドから受ける圧力を軽減し、用紙に傷
がついたり、用紙が曲がり或いは皺が寄ることを回避す
ることができる。
【００１４】
【実施例】請求項１記載の発明の一実施例を図１及び図
２に基づいて説明する。図８において説明した従来例と
同一構造の部分については同一符号を用いて説明する
（以下同様）。相対向する側板（図示せず）には、プラ
テン１と平行なキャリアシャフト２の両端がスプリング
３によりプラテン１に対して接近する方向に付勢されて
移動自在に保持されている。またキャリアシャフト２に
はキャリア４が摺動自在に保持されている。このキャリ
ア４はキャリア駆動部（図示せず）により往復駆動され
るものである。そして、キャリア４には、印字ヘッドで
あるドットプリンタヘッド５とシートホルダ６とが装着
されている。このシートホルダ６はドットプリンタヘッ
ド５の前面よりも僅かにプラテン１側に配置されてプラ
テン１上の用紙７を押えるものである。
【００１５】また、キャリア４の下面にはプラテン１の
長手方向と直交するラック８が形成されている。このラ
ック８に噛合されるギヤ９の外周にはラック８に干渉し
ない円周部１０が形成されている。このギヤ９は駆動部
である正逆回転自在のモータ１１に連結され、このモー
タ１１はモータコントローラ１２に接続されている。
【００１６】さらに、キャリア４のホームポジションを
検出するホームポジションスイッチ１３が設けられてい
る。本実施例において、ホームポジションスイッチ１３
は反射型の光電検出器が用いられ、発光素子から出射さ
れてキャリア４から反射される反射光を受光素子が受光
することによりキャリア４のホームポジションを検出す
るとともに、キャリア４がプラテン１側に前進した場合
にはＯＦＦに切り替わる。すなわち、このホームポジシ
ョンスイッチ１３は、ドットプリンタヘッド５とプラテ
ン１との間隔が狭隘な一定値に達した状態を検出する最
小間隔検出手段である。なお、このホームポジションス
イッチ１３は透過型の光電検出器や他のメカニカルスイ
ッチに代えることも可能である。
【００１７】次いで、プログラムが書き込まれたＲＯＭ
１４と、そのプログラムを実行する制御手段であるＣＰ
Ｕ１５と、可変データが書き込まれるＲＡＭ１６とがバ
スラインにより接続されている。また、ＣＰＵ１５に
は、前記モータコントローラ１２と、前記ホームポジシ
ョンスイッチ１３とが接続されている。
【００１８】このような構成において、印字ギャップ調
整動作を図２に示すフローチャートに基づいて説明す
る。まず、ホームポジションスイッチ１３の状態が判断
される。ホームポジションスイッチ１３がＯＮであると
判断された状態は、キャリア４がプラテン１から最も離
反された状態で、この状態からモータ１１によりギヤ９
をＬ方向に駆動してキャリア４をプラテン１側に前進さ
せる。ホームポジションスイッチ１３がＯＦＦであると
判断された場合には、モータ１１によりギヤ９をＲ方向
に駆動し、キャリア４をプラテン１から後退させ、ホー
ムポジションスイッチ１３がＯＮになった時点でギヤ９
をＬ方向に駆動してキャリア４をプラテン１側に前進さ
せる。ギヤ９の歯がラック８から外れた後は、キャリア
シャフト２はキャリア４とともにスプリング３の付勢力
により前進する。
【００１９】いま、プラテン１の外周に厚い用紙７が給
紙された状態を考えると、ホームポジションスイッチ１
３がＯＦＦになる前にシートホルダ６が用紙７に当接し
てキャリア４が静止する筈である。この場合、プラテン
１のシートホルダ６との間隔は用紙７の厚さと等しく、
また、ドットプリンタヘッド５の前面はシートホルダ６
よりも僅かにプラテン１から離反する方向に位置するた
め、用紙７の厚さに関係なく用紙７の表面とドットプリ
ンタヘッド５の前面との間に印字ギャップが確保され
る。
【００２０】次に、プラテン１の外周に薄い用紙７が給
紙された場合を考える。この場合には、さらにキャリア
４の前進が許容されるため、ホームポジションスイッチ
１３がＯＦＦとなる。このＯＦＦの検出信号を受けたＣ
ＰＵ１５は、モータコントローラ１２を介してモータ１
１の動作を制御し、ギヤ９を所定角度Ｒ方向に回転させ
る。これにより、キャリアシャフト２、キャリア４、ド
ットプリンタヘッド５、シートホルダ６がプラテン１か
ら離れる方向に移動する。これにより、薄い用紙７の表
面とドットプリンタヘッド５との間には、厚い用紙７を
用いた場合の印字ギャップよりも広い印字ギャップが形
成される。
【００２１】これにより、紙厚の薄い用紙７を用いた場
合においても、薄い用紙７がドットプリンタヘッド５か
ら受ける圧力を軽減し、用紙７に傷がついたり、用紙７
が曲がり或いは皺が寄ることを回避することができる。
【００２２】次に、請求項２記載の発明の一実施例を図
３及び図４に基づいて説明する。キャリア４には用紙検
出器１７が取り付けられている。本実施例においては、
用紙検出器１７は例えばプラテン１上の用紙７に当接し
たときの圧力に対応する電圧を出力することによって用
紙７を検出する圧電スイッチを用いているが、他の方法
により用紙７を検出するものでもよい。この用紙検出器
１７はＣＰＵ１５に接続されている。
【００２３】このような構成において、印字ギャップ調
整動作を図４に示すフローチャートに基づいて説明す
る。まず、ホームポジションスイッチ１３の状態が判断
される。ホームポジションスイッチ１３がＯＮであると
判断された状態は、キャリア４がプラテン１から最も離
反された状態で、この状態からモータ１１によりギヤ９
をＬ方向に駆動してキャリア４をプラテン１側に前進さ
せる。ホームポジションスイッチ１３がＯＦＦであると
判断された場合には、モータ１１によりギヤ９をＲ方向
に駆動し、キャリア４をプラテン１から後退させ、ホー
ムポジションスイッチ１３がＯＮになった時点でギヤ９
をＬ方向に駆動してキャリア４をプラテン１側に前進さ
せる。
【００２４】いま、プラテン１の外周に厚い用紙７が給
紙された状態を考えると、ホームポジションスイッチ１
３がＯＦＦになる前に用紙検出器１７が用紙７を検出す
る筈である。この検出時にモータ１１を一旦停止させ、
再度ギヤ９をＲ方向に一定角度駆動しキャリア４を距離
ａだけ後退させることにより、プラテン１上の用紙７の
表面と印字ヘッド５の先端との間の印字ギャップが、用
紙７の厚さに関係なく一定に調整される。
【００２５】次に、プラテン１の外周に薄い用紙７が給
紙された場合を考える。この場合には、さらにキャリア
４の前進が許容されるため、ホームポジションスイッチ
１３がＯＦＦとなる。このＯＦＦの検出信号を受けたＣ
ＰＵ１５は、モータコントローラ１２を介してモータ１
１の動作を制御し、ギヤ９を所定角度Ｒ方向に回転させ
る。これにより、キャリアシャフト２、キャリア４、ド
ットプリンタヘッド５、シートホルダ６がプラテン１か
ら離れる方向に距離ｂだけ後退する。この距離ｂは前述
した距離ａよりも大きい。これにより、薄い用紙７の表
面とドットプリンタヘッド５との間には、厚い用紙７を
用いた場合の印字ギャップよりも広い印字ギャップが形
成される。
【００２６】さらに、請求項３記載の発明の一実施例を
図５に基づいて説明する。キャリア４をプラテン１から
最大限離反させたときにＯＮとなるホームポジションス
イッチ１８が設けられている。このホームポジションス
イッチ１８は、ドットプリンタヘッド５が一定の基準位
置に位置する状態を検出する基準位置検出手段として機
能するものである。また、ＲＯＭ１４とＣＰＵ１５とＲ
ＡＭ１６とインターフェース１９とがバスラインにより
接続され、ＣＰＵ１５にはホームポジションスイッチ１
８が接続され、インターフェース１９にはホストコンピ
ュータ２０が接続されている。このホストコンピュータ
２０は、印字ギャップを一定の紙厚を境として厚い用紙
７に対応する基準値と薄い用紙７に対応する拡大値とに
分けて設定する設定手段として機能する。また、ＣＰＵ
１５は、このホストコンピュータ２０からの設定データ
に基づいてホームポジションスイッチ１８からの検出信
号を基準にモータ１１の動作を制御する制御手段として
機能するものである。
【００２７】このような構成において、印字ギャップ調
整に際しては、使用する用紙７に対応する印字ギャップ
のデータ（基準値又は拡大値）をホストコンピュータ２
０から設定する。次いで、モータ１１によりギヤ９をＲ
方向に駆動しキャリア４をホームポジションに移動さ
せ、ホームポジションスイッチ１８がＯＮするとモータ
１１が反転しギヤ９がＬ方向に回転するため、キャリア
４がプラテン１側に前進する。このキャリア４の前進方
向の移動量は、ホストコンピュータ２０から設定された
設定データ（基準値又は拡大値）によってＣＰＵ１５が
制御される。これにより、厚い用紙７の印字ギャップ
（基準値）より薄い用紙７の印字ギャップ（拡大値）を
広げることができる。
【００２８】なお、ホストコンピュータ２０からは用紙
７の種類のみを設定し、その用紙７の種類に応じてキャ
リア４のプラテン１側への移動量を制御するプログラム
をＲＯＭ１４に書き込んでも同様の目的を果たすことが
可能である。この場合には、ＲＯＭ１４が、印字ギャッ
プを一定の紙厚を境として厚い用紙７に対応する基準値
と薄い用紙７に対応する拡大値とに分けて設定する設定
手段として機能する。
【００２９】さらに、請求項４記載の発明の第一の実施
例を図６に基づいて説明する。本実施例におけるホスト
コンピュータ２０は、キャリア４のホームポジションか
らプラテン１側への移動量を設定するものであるが、請
求項３記載の発明と異なる点は、印字ギャップが一定に
なるようにキャリア４の移動量を設定するもので、薄い
用紙７を使用する場合に印字ギャップを広げるデータを
設定する機能はない。請求項４記載の発明の特徴は、ド
ットプリンタヘッド５とプラテン１との間に、薄い用紙
７の紙厚と余裕を見込んだ印字ギャップとを加算した値
に対応する間隔が維持されるように、ドットプリンタヘ
ッド５すなわちキャリア４の移動量を制限する移動量制
限手段としての円周部１０をギヤ９の外周の一部に形成
したものである。
【００３０】このような構成において、印字ギャップ調
整に際しては、使用する用紙７に対応する印字ギャップ
のデータをホストコンピュータ２０から設定する。次い
で、モータ１１によりギヤ９をＲ方向に駆動しキャリア
４をホームポジションに移動させ、ホームポジションス
イッチ１８がＯＮするとモータ１１が反転しギヤ９がＬ
方向に回転するため、キャリア４がプラテン１側に前進
する。このキャリア４の前進距離は、ホストコンピュー
タ２０から設定された設定データによってＣＰＵ１５が
制御される。これにより、紙厚が一定値以上となる用紙
７の印字ギャップを一定に定めることができる。
【００３１】ギヤ９をＬ方向に回転させるとギヤ９の歯
がラック８から外れ、円周部１０がラック８と対向す
る。すなわち、円周部１０によりキャリア４のプラテン
１側への移動量が制限される。このときにプラテン１と
ドットプリンタヘッド５との間は、紙厚が一定値以下と
なる薄い用紙７の紙厚に余裕を見込んだ印字ギャップを
付加した値に対応する間隔が維持される。これにより、
厚い用紙７を給紙した場合に比べてより薄い用紙７の印
字ギャップを広げることができる。
【００３２】さらに、請求項４記載の発明の第二の実施
例を図７に基づいて説明する。本実施例におけるキャリ
ア４にはギヤ９に噛合されるラック８が省略されてい
る。代わりに、キャリアシャフト２をプラテン１側に付
勢するスプリング２１が、ドットプリンタヘッド５をプ
ラテン１側に変位させる駆動部としての役目を果たすも
のである。また、キャリア４にはシートホルダ６がドッ
トプリンタヘッド５の前面よりも僅かにプラテン１側に
寄せられて固定されている。しかして、プラテン１とド
ットプリンタヘッド５との間に、紙厚が一定値以下とな
る薄い用紙７の紙厚と余裕を見込んだ印字ギャップとを
加算した値に対応する間隔が維持されるように、ドット
プリンタヘッド５すなわちキャリア４の移動量を制限す
る移動量制限手段としてのストッパ２２が支持部材２３
に螺合されている。
【００３３】このような構成において、スプリング２１
の付勢力に抗してキャリア４をプラテン１から離反させ
ることにより、プラテン１とシートホルダ６との間に用
紙７が挿入される。したがって、キャリア４はスプリン
グ２１の付勢力により前進し、シートホルダ６がプラテ
ン１上の用紙７に当接した位置で静止する。
【００３４】厚い用紙７を給紙した場合は、従来例（図
８）において述べたように、用紙７に応じて一定の印字
ギャップが用紙７とドットプリンタヘッド５との間に形
成されるが、薄い用紙７を給紙した場合は、キャリア４
はさらにプラテン１側に前進するが、その移動量はスト
ッパ２２により制限され、プラテン１上の用紙７とドッ
トプリンタヘッド５との間には、薄い紙厚に適した印字
ギャップを確保することができる。
【００３５】前記実施例において、印字ヘッドとしてド
ットプリンタヘッド５を用いたが、これに代えてインク
ジェットヘッド等の他の印字ヘッドを用いてもよい。ま
た、プラテン１と印字ヘッド（ドットプリンタヘッド
５）との間隔を変えるために、キャリア４を移動させる
状態で説明したが、キャリア４に対して印字ヘッドをプ
ラテン１に対して進退自在に設け、或いは、プラテン１
をキャリア４に対して進退自在に保持するようにしても
よいものである。
【００３６】
【発明の効果】請求項１記載の発明は、上述のように、
印字ヘッドとプラテンとの何れか一方を駆動部により移
動させることにより、プラテン上の用紙と印字ヘッドと
の間に所望の印字ギャップを形成することができ、ま
た、プラテンと印字ヘッドとの間隔が狭隘な一定値にな
る状態を最小間隔検出手段により検出し、その検出信号
によって制御手段により印字ギャップを広げる方向に駆
動部を駆動させるようにしたので、紙厚の薄い用紙を用
いた場合においても、薄い用紙が印字ヘッドから受ける
圧力を軽減し、用紙に傷がついたり、用紙が曲がり或い
は皺がよることを回避することができる。
【００３７】請求項２記載の発明は、上述のように、プ
ラテン上の用紙を検出する用紙検出器をキャリアに設
け、駆動部により印字ヘッドとプラテンとの対向間隔を
狭め、用紙検出器の検出信号によって駆動部によりプラ
テンと印字ヘッドとの対向間隔を広げることにより、用
紙と印字ヘッドとの間に所望の印字ギャップを形成する
ことができ、また、請求項１記載の発明と同様に、印字
ヘッドとプラテンとの間隔が最小間隔検出手段により検
出された場合には、薄い用紙に対しては余裕をもって印
字ギャップを調整することができるため、紙厚の薄い用
紙を用いた場合においても、薄い用紙が印字ヘッドから
受ける圧力を軽減し、用紙に傷がついたり、用紙が曲が
り或いは皺がよることを回避することができる。
【００３８】請求項３記載の発明は、上述のように、印
字ヘッド又はプラテンが一定の基準位置に位置する状態
を基準位置検出手段により検出し、設定手段により印字
ギャップを一定の紙厚を境として厚い用紙に対応する基
準値と薄い用紙に対応する拡大値とに分けて設定し、そ
の設定データに基づいて基準位置検出手段からの検出信
号を基準に印字ヘッド又はプラテンを移動させるための
駆動部の動作を制御手段により制御するようにしたの
で、印字ギャップを厚い用紙に対応する基準値と薄い用
紙に対応する拡大値とに分けて設定することができ、こ
の設定データに基づいて駆動部の動作を制御して印字ヘ
ッド又はプラテンの移動量を決定することにより、厚い
用紙の印字ギャップより薄い用紙の印字ギャップを広げ
ることができ、これにより、紙厚の薄い用紙を用いた場
合においても、薄い用紙が印字ヘッドから受ける圧力を
軽減し、用紙に傷がついたり、用紙が曲がり或いは皺が
よることを回避することができる。
【００３９】請求項４記載の発明は、上述のように、駆
動部によりプラテンと印字ヘッドとの一方を相対的に対
向方向に変位させることにより、プラテン上の用紙と印
字ヘッドとの間に印字ギャップを形成することができ、
また、プラテンと印字ヘッドとの間に、紙厚が一定値以
下となる薄い用紙の紙厚と余裕を見込んだ印字ギャップ
とを加算した値に対応する間隔が維持されるように、プ
ラテン又は印字ヘッドの移動量を制限する移動量制限手
段を設けので、薄い用紙に対しては印字ヘッドに対して
余裕をもって印字ギャップを調整することができ、これ
により、紙厚の薄い用紙を用いた場合においても、薄い
用紙が印字ヘッドから受ける圧力を軽減し、用紙に傷が
ついたり、用紙が曲がり或いは皺がよることを回避する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】請求項１記載の発明の一実施例に係るもので、
印字ギャップ調整装置を電子回路とともに示す側面図で
ある。
【図２】印字ギャップ調整動作を示すフローチャートで
ある。
【図３】請求項２記載の発明の一実施例に係るもので、
印字ギャップ調整装置を電子回路とともに示す側面図で
ある。
【図４】印字ギャップ調整動作を示すフローチャートで
ある。
【図５】請求項３記載の発明の一実施例に係るもので、
印字ギャップ調整装置を電子回路とともに示す側面図で
ある。
【図６】請求項４記載の発明の第一の実施例に係るもの
で、印字ギャップ調整装置を電子回路とともに示す側面
図である。
【図７】請求項４記載の発明の第二の実施例に係るもの
で、印字ギャップ調整装置を電子回路とともに示す側面
図である。
【図８】従来例を示す側面図である。
【符号の説明】
１ プラテン ４ キャリア ５ 印字ヘッド １０ 移動量制限手段 １１ 駆動部 １３ 最小間隔検出手段 １５ 制御手段 １７ 用紙検出器 ２０ 設定手段 ２１ 駆動部 ２２ 移動量制限手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B41J 25/308 B41J 11/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 プラテンに沿って往復駆動されるキャリ
    アに搭載された印字ヘッドと、この印字ヘッドと前記プ
    ラテンとの何れか一方を移動させて両者の対向間隔を使
    用する用紙に応じて変化させて前記プラテン上の用紙と
    前記印字ヘッドとの間に所望の印字ギャップを形成する
    駆動部と、前記プラテンと前記印字ヘッドとの間隔が狭
    隘な一定値になる状態を検出する最小間隔検出手段と、
    この最小間隔検出手段の検出信号により前記印字ギャッ
    プを広げる方向に前記駆動部を駆動させる制御手段とよ
    りなることを特徴とする印字ギャップ調整装置。
  2. 【請求項２】 プラテン上の用紙を検出する用紙検出器
    をキャリアに設け、前記印字ヘッドと前記プラテンとの
    対向間隔を狭めるとともに前記用紙検出器の検出信号に
    より前記プラテンと前記印字ヘッドとの対向間隔を広げ
    て前記用紙と前記印字ヘッドとの間に所望の印字ギャッ
    プを形成する駆動部を設けたことを特徴とする請求項１
    記載の印字ギャップ調整装置。
  3. 【請求項３】 プラテンに沿って往復駆動されるキャリ
    アに搭載された印字ヘッドと、この印字ヘッドと前記プ
    ラテンとの何れか一方を移動させて両者の対向間隔を変
    化させて前記プラテン上の用紙と前記印字ヘッドとの間
    に印字ギャップを形成する駆動部と、この駆動部に駆動
    される前記印字ヘッド又は前記プラテンが一定の基準位
    置に位置する状態を検出する基準位置検出手段と、前記
    印字ギャップを一定の紙厚を境として厚い用紙に対応す
    る基準値と薄い用紙に対応する拡大値とに分けて設定す
    る設定手段と、この設定手段からの設定データに基づい
    て前記基準位置検出手段からの検出信号を基準に前記駆
    動部の動作を制御する制御手段とよりなることを特徴と
    する印字ギャップ調整装置。
  4. 【請求項４】 用紙を間にしてプラテンと印字ヘッドと
    の一方を相対的に対向方向に変位させる駆動部を設け、
    前記プラテンと前記印字ヘッドとの間に、紙厚が一定値
    以下となる薄い用紙の紙厚と余裕を見込んだ印字ギャッ
    プとを加算した値に対応する間隔が維持されるように、
    前記プラテン又は前記印字ヘッドの移動量を制限する移
    動量制限手段を設けたことを特徴とする印字ギャップ調
    整装置。
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