JPH1120261A - 印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 リボン引っ掛けや印字ヘッドのピン折れ等を
防止して円滑かつ確実に複数枚綴り用紙等の記録用紙を
印字できるようにする。 【解決手段】 印字ヘッド５による当接が解除された場
合の複数枚綴り用紙Ｐの戻り厚さ推定量に応じて設定量
を補正可能な設定量補正手段（３１，３２）を設け、ギ
ャップ設定制御手段（３１，３２）を、設定量の代りに
補正設定量を用いてギャップ設定可能に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、印字ヘッドをイン
クリボンを介してプラテンに供給された複数枚綴り用紙
等の記録用紙に当接するまで進動させ当接後に印字ヘッ
ドを設定量だけ退動させてギャップを設定する印字装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】図６において、プラテン２は、本体ケー
ス（１Ｌ，１Ｒ）に設けられている。印字ヘッド５を搭
載したキャリア４は、シャフト３に摺動自在に装着さ
れ、キャリアモータ，タイミングベルト，スプロケット
等を含むキャリア移動機構（図示省略）によってＸ方向
に往復移動される。

【０００３】なお、印字ヘッド５とプラテン２に供給さ
れた記録用紙Ｐとの間には、リボンカセット（図示省
略）から引き出されたインクリボンが介在しており、印
字中インクリボンはカセット本体内のリボン巻取りロー
ラによって送り付勢されている。

【０００４】ここに、ギャップ調整機構１０は、偏心カ
ム機構１１Ｌ．１１Ｒと，従動ギヤ１３および駆動ギヤ
１４と，モータ（ステッピングモータ）１５と，モータ
駆動ユニット２０とからなる。また、ギャップ設定制御
手段は、制御ユニット３０の一部機能を利用して形成さ
れている。

【０００５】モータ１５を正回転させると偏心カム機構
１１Ｌ．１１Ｒによってシャフト３がプラテン２に接近
する方向に進動し、逆回転させると離反する方向に退動
する。この進退動を検出する移動量検出器１７は、例え
ばシャフト３に取付けられたスリット円板１８とエンコ
ーダ１９とから形成されている。

【０００６】かかるギャップ調整機構１０およびギャッ
プ設定制御手段（３０）を具備する印字装置では、ギャ
ップ設定指令が発せられると、制御ユニット３０からモ
ータ駆動ユニット２０に進動パルス信号が入力されモー
タ１５が正回転する。すると、偏心カム機構１１Ｌ，１
１Ｒが働き、シャフト３つまり印字ヘッド５をプラテン
２に接近する方向に進動（前進）させる。

【０００７】ここに、制御ユニット３０は、進動パルス
信号を出力しているにも拘わらず移動量検出器１７（１
９）からシャフト３の回転信号が出力されていないと、
印字ヘッド５が進動していないと判別する。つまり、ス
テッピングモータ（１５）が脱調した場合に、印字ヘッ
ド５がプラテン２に所定圧力で当接したと判別する。す
ると、制御ユニット３０は、設定量を読取り、かつモー
タ１５を逆回転させて印字ヘッド５を設定量分だけ退動
（後退）させる。そして、モータ１５を停止させる。こ
れにより、ギャップ設定が終了する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した印
字装置では、記録用紙が複数枚綴り用紙である場合、ギ
ャップを用紙厚に対して正しく設定しても、用紙側から
インクリボンに過大な押圧力が作用して、リボン引っ掛
けや印字ヘッド５のピン折れ等の問題が生じやすい。

【０００９】そこで、かかる事態が発生しないように、
ギャップ量を大きくとることが考えられる。しかし、こ
れでは印字ヘッド５のインパクト力が不足して不鮮明印
字となってしまう。

【００１０】なお、ヘッドピンの動作距離を大きくして
ギャップを大きくとることができるように構成すること
も考えられるが、これでは大幅なコスト高を招くことに
なり経済性の観点から認め難い。

【００１１】本発明の目的は、リボン引っ掛けや印字ヘ
ッドのピン折れ等を防止して円滑かつ確実に複数枚綴り
用紙等の記録用紙を印字することができる印字装置を提
供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明は、プラテンと、
印字ヘッドと、この印字ヘッドとプラテンとの間に供給
されるインクリボンと、プラテンに対して印字ヘッドを
進退動させてギャップを調整可能に形成されたギャップ
調整機構と、このギャップ調整機構の一部を形成するモ
ータを回転作動させ印字ヘッドをプラテンに供給された
複数枚綴り用紙等の記録用紙に当接するまで進動させる
とともに当接後に印字ヘッドを設定量だけ退動させてギ
ャップを設定するギャップ設定制御手段とを備えた印字
装置において、前記印字ヘッドによる当接が解除された
場合の前記複数枚綴り用紙の厚さ戻り推定量に応じて前
記設定量を補正する設定量補正手段を設け、前記ギャッ
プ設定制御手段を、前記設定量の代りに補正設定量を用
いてギャップ設定可能に構成したことを特徴とする。

【００１３】かかる発明では、記録用紙が複数枚綴り用
紙である場合、当該用紙が印字ヘッドによる当接が解除
された後に厚さが戻ることを考慮して、設定量補正手段
で印字ヘッドの当接後の退動量（設定量）が補正され、
該補正設定量分だけ印字ヘッドは退動される。

【００１４】したがって、ギャップが不足して複数枚綴
り用紙側からインクリボンに過大な押圧力が作用するよ
うなことはなく、リボン引っ掛けや印字ヘッドのピン折
れ等を防止して円滑かつ確実に複数枚綴り用紙を印字す
ることができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。本印字装置は、図１〜図５に示す如
く、基本的構成は従来例（図６）と同様とされている
が、設定量補正手段（３１，３２）を設け、印字ヘッド
５による当接が解除された場合に複数枚綴り用紙の厚さ
が戻る量を推定して設定量を補正し、該補正設定量だけ
印字ヘッド５を退動させてギャップ設定可能に形成され
ている。

【００１６】なお、従来例（図６）の場合と共通する構
成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略化
または省略する。

【００１７】図１において、３０は印字装置の制御ユニ
ットであり、ＣＰＵ３１，ＲＯＭ３２，ＲＡＭ３３，キ
ーボード３４，表示器３５，タイマ３６，入出力ポート
（Ｉ／Ｏ）３７等から形成されている。入出力ポート３
７には、ギャップ調整機構１０のモータ（ステッピング
モータ）１５がモータ駆動ユニット２０を介して接続さ
れているとともに移動量検出器（１７）のエンコーダ１
９が接続されている。

【００１８】ここにおいて、本発明では、記録用紙が複
数枚綴り用紙Ｐである場合、図２（Ａ），（Ｂ）に示す
如く、ギャップ調整時に印字ヘッド５が所定圧力で当接
すると押し縮められ、かつ当接解除されると厚さが戻っ
て当接時より厚くなることに着目して設定量補正手段
（３１，３２）を設け、当該厚さ戻り分（ａ）を考慮し
て印字ヘッド５の退動量（設定量Ｓ）を補正することと
している。

【００１９】設定量補正手段（３１，３２）は、印字ヘ
ッド５による当接が解除された場合の複数枚綴り用紙Ｐ
の厚さ戻り推定量に応じて設定量Ｓを補正する手段であ
る。この実施形態では、図３に示す如く、印字ヘッド５
の当接時の複数枚綴り用紙の厚さ（ｔ１）と当接解除さ
れた場合の厚さ（ｔ１’）との対応関係を示す用紙戻り
厚さ推定量データテーブルＴＢをＲＡＭ３３のメモリ３
３Ｍに格納している。

【００２０】次に、この実施形態の作用を図５に示すフ
ローチャートに基づき説明する。本印字装置においてギ
ャップ設定指令が発せられると、制御ユニット３０から
モータ駆動ユニット２０に進動パルス信号が入力されモ
ータ１５が正回転して、印字ヘッド５が進動される（Ｓ
Ｔ１０）。

【００２１】制御ユニット３０は、進動パルス信号を出
力しているにも拘わらずエンコーダ１９からシャフト
（３）の回転信号が出力されていないと、印字ヘッド５
が進動していないと判別する。つまり、ステッピングモ
ータ（１５）が脱調した場合に、印字ヘッド５がプラテ
ン２に所定圧力で当接したと判別する（ＳＴ１１のＹＥ
Ｓ）。この当接位置から複数枚綴り用紙Ｐの厚さ（ｔ
１）が検出される（ＳＴ１２）。

【００２２】ＣＰＵ３１は、ＲＡＭ３３のメモリ３３Ｍ
に格納された用紙戻り厚さ推定量データテーブルＴＢを
検索して、検出した厚さ（ｔ１）に対応する用紙戻り厚
さ推定量を求める。そして、求めた用紙戻り厚さ推定量
に基き補正設定量（Ｓ’）を決定する（ＳＴ１３）。

【００２３】すると、制御ユニット３０は、補正設定量
（Ｓ’）を読取り、かつモータ１５を逆回転させて印字
ヘッド５を補正設定量（Ｓ’）分だけ退動（後退）させ
る（ＳＴ１４）。そして、モータ１５を停止させる（Ｓ
Ｔ１５）。これにより、ギャップ設定が終了する。

【００２４】このように、ギャップ設定することによ
り、図４に示す如く、インクリボンの回転トルクを、補
正しない場合に比べて小さくすることができる。

【００２５】しかして、この実施形態によれば、設定量
補正手段（３１，３２）を設け、印字ヘッド５による当
接が解除された場合に複数枚綴り用紙Ｐの厚さが戻る量
（ａ）を推定して設定量（Ｓ）を補正し、該補正設定量
（Ｓ´）だけ印字ヘッド５を退動させてギャップ設定可
能とされているので、リボン引っ掛けや印字ヘッド５の
ピン折れ等を防止して円滑かつ確実に複数枚綴り用紙Ｐ
を印字することができる。

【００２６】

【発明の効果】本発明によれば、設定量補正手段を設
け、印字ヘッドによる当接が解除された場合に複数枚綴
り用紙の厚さが戻る量を推定して設定量を補正し、該補
正設定量だけ印字ヘッドを退動させてギャップ設定可能
とされているので、リボン引っ掛けや印字ヘッドのピン
折れ等を防止して円滑かつ確実に複数枚綴り用紙等の記
録用紙を印字することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を説明するためのブロック図
である。

【図２】同じく、複数枚綴り用紙の厚さ戻り現象を説明
するための図である。

【図３】同じく、複数枚綴り用紙の戻り厚さ推定量デー
タテーブルを説明するための図である。

【図４】同じく、設定量補正前と補正後のリボン回転ト
ルクを比較するための図である。

【図５】同じく、動作を説明するためのフローチャート
である。

【図６】ギャップ調整機能を有する印字装置の従来構成
を説明するための図である。

【符号の説明】

２ プラテン ５ 印字ヘッド １０ ギャップ調整機構 ３１ ＣＰＵ（設定量補正手段，ギャップ設定制御手
段） ３２ ＲＯＭ（設定量補正手段，ギャップ設定制御手
段）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラテンに対して印字ヘッドを進退動さ
   せてギャップを調整可能に形成されたギャップ調整機構
   と、このギャップ調整機構の一部を形成するモータを回
   転作動させ印字ヘッドをインクリボンを介してプラテン
   に供給された複数枚綴り用紙等の記録用紙に所定圧力で
   当接するまで進動させるとともに当接後に印字ヘッドを
   設定量だけ退動させてギャップを設定可能なギャップ設
   定制御手段とを備えた印字装置において、 前記印字ヘッドによる当接が解除された場合の前記複数
   枚綴り用紙の戻り厚さ推定量に応じて前記設定量を補正
   可能な設定量補正手段を設け、前記ギャップ設定制御手
   段を、前記設定量の代りに補正設定量を用いてギャップ
   設定可能に構成したことを特徴とする印字装置。