JP2591219B2 - プリンタの印刷方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 厚い印刷媒体を用い、印刷ヘッドを正逆両方向にスペ
ースさせて該印刷媒体の端部の際まで印刷するプリンタ
において、該印刷媒体上の文字等の印刷位置精度を向上
させるプリンタの印刷方法に関し、 良好な印刷品質を得ることを目的とし、 プラテンを挟んで対向する二組の送りローラにより、
印刷媒体を該プラテン上に搬送し、印刷ヘッドを該プラ
テン上で正逆両方向に移動させて該印刷媒体に印刷を行
うプリンタにおいて、該印刷媒体が前記二組の送りロー
ラのうち、一方のローラのみにより押さえられているこ
とを検出する検出手段を有し、該印刷媒体が一方の送り
ローラのみにより押さえられている場合、前記印刷ヘッ
ドを一方向に移動させる時のみ印刷を行わせる構成とす
る。

〔産業上の利用分野〕

本発明は厚い印刷媒体を用い、印刷ヘッドを正逆両方
向にスペースさせて該印刷媒体の端部の際まで印刷する
プリンタに係り、特に該印刷媒体上の文字等の印刷位置
精度を向上させるプリンタの印刷方法に関する。

情報化社会の発展に伴い、情報処理装置が処理したデ
ータを印刷する各種のプリンタが提供されているが、銀
行等で使用される通帳の如き厚い印刷媒体を使用し、こ
の印刷媒体の端部の際まで印刷するプリンタが提供され
ている。

即ち、通帳は小型であり印刷可能面積が小さいため、
可能な限り印刷面積を増大することが求められ、通帳の
端部の際まで印刷するようになって来た。

ところで、通帳はページ数によって厚みが変化するた
め、印刷ヘッドと通帳との間に入るリボンを保護するリ
ボンマスクガイドが通帳に接触するように構成されてい
る。従って、印刷ヘッドのスペース動作に伴い、リボン
マスクガイドの押圧力により通帳をスペース方向に移動
させる力が作用するが、このため、通帳端部の際を印刷
する時に、印刷品質が低下しないことが必要である。

〔従来の技術〕

第３図は従来技術の一例を説明する図である。

第３図（ａ）は上面図であり、第３図（ｂ）は第３図
（ａ）の線Ｃで示す位置の断面図である。テーブルにセ
ットされた通帳２は、テーブルに設けられた媒体ガイド
９に沿って、送りローラ３によりテーブル上を矢印Ｄの
方向に搬送され、通帳２の先端部分がプラテン１上に到
達し、印刷開始位置に停止すると、矢印Ａ又はＢの方向
にスペースされる印刷ヘッド５により印刷が行われる。

印刷ヘッド５にはリボンカセット８が取付けられてお
り、このリボンカセット８から通帳２と印刷ヘッド５の
間にリボン６が繰り出され、リボンマスクガイド７によ
って、リボン６が保護されている。

印刷ヘッド５は図示省略したキャリッジがスペースモ
ータによって駆動されることにより、矢印Ａ方向にスペ
ースしながら通帳２に印刷を行う場合、リボンマスクガ
イド７が通帳２を押圧することにより、通帳２が矢印Ａ
の方向に押しやられるが、媒体ガイド９により阻止され
て通帳２は動かない。

又、印刷ヘッド５が矢印Ｂの方向にスペースしながら
印刷する場合、通帳２が送りローラ３と４により押さえ
られ、送りローラ３と４の摩擦力で固定されている時
は、リボンマスクガイド７の通帳２を矢印Ｂ方向に押し
やる力より大きいため、通帳２は動かない。

しかし、第３図（ａ）に示す如く、通帳２の端部の際
まで印刷するため、通帳２の先端が送りローラに到達し
ていない場合と、通帳２の後端の際まで印刷するため、
通帳２の後端が送りローラ３から離れた場合、印刷ヘッ
ド５が矢印Ｂ方向に移動する時、リボンマスクガイド７
の通帳２を矢印Ｂ方向に押しやる力が、送りローラ３の
みの摩擦力で固定する力又は送りローラ４のみの摩擦力
で固定する力より大きく、通帳２は矢印Ｂの方向にぶれ
ることとなる。

〔発明が解決しようとする課題〕

第４図は従来技術の問題点を説明する図である。

通帳２が送りローラ３のみにより押さえられている場
合、印刷ヘッドが矢印Ａの方向にスペースしながら印刷
を行う時は、媒体ガイド９により通帳２のぶれが阻止さ
れ、正常な位置で印刷されるが、印刷ヘッドが矢印Ｂの
方向にスペースしながら印刷を行う時は、上記の如く、
通帳２は点線で示す通帳10の如く、先端部分が回転する
ように矢印Ｂの方向にぶれる。

従って、印刷開始位置がずれると共に、印刷行も斜行
することとなり、印刷品質が低下して見苦しいという問
題がある。

本発明はこのような問題点に鑑み、通帳２の位置を検
出するか、又は、通帳２の搬送量を計測することで、通
帳２が二組の送りローラ３と４で押さえられていないと
判定される場合、即ち、送りローラ３又は４のみで押さ
えられていると判定される場合、矢印Ａ方向に印刷ヘッ
ド５をスペースする場合のみ印刷させ、矢印Ｂ方向にス
ペースする時は印刷を行わせないようにして、良好な印
刷品質を得ることを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

そして、この目的は、プラテンを挟んで対向する二組
の送りローラを用い、テーブルに設けられた媒体ガイド
に印刷媒体の端面を押し当てて、該印刷媒体の位置決め
を行いながら、該テーブル上にセットされた該印刷媒体
を一方の送りローラ側から該プラテン上に搬送し、印刷
ヘッドを該プラテン上で正逆両方向にスペースさせて該
印刷媒体に印刷を行うプリンタにおいて、 前記二組の送りローラの各々に近接して設けられ該印
刷媒体の存在を検出するセンサにより、該印刷媒体が一
方のローラのみにより押さえられていることを検出する
検出手段を設け、 該検出手段が該印刷媒体を一組の送りローラが押さえ
ていることを検出している時に、該印刷媒体に対する印
刷指示があった場合、前記印刷ヘッドを前記媒体ガイド
の方向にスペースさせる時のみ印刷を行わせるか、又
は、プラテンを挟んで対向する二組の送りローラを用
い、テーブルに設けられた媒体ガイドに印刷媒体の端面
を押し当てて、該印刷媒体の位置決めを行いながら、該
テーブル上にセットされた該印刷媒体を一方の送りロー
ラ側から搬送量を計測して該プラテン上に搬送し、印刷
ヘッドを該プラテン上で正逆両方向にスペースさせて該
印刷媒体に印刷を行うプリンタにおいて、 該印刷媒体の前記搬送量から該印刷媒体が一組の送り
ローラによって押さえられていると判定される場合に、
該印刷媒体に対する印刷指示があった場合、前記印刷ヘ
ッドを前記媒体ガイドの方向にスペースさせる時のみ印
刷を行わせることにより達成される。

〔作用〕

上記の如く構成することにより、印刷媒体が一組の送
りローラによって押さえられている時、テーブルに設け
た媒体ガイドの方向に印刷ヘッドがスペースする際印刷
が行われるため、印刷媒体の位置がずれることが無く、
品質の良い印刷を行うことが出来る。

〔実施例〕

第１図は本発明の一実施例を示す回路のブロック図で
ある。

プロセッサ11はROM12に格納されているプログラムを
読出して動作する。そして、図示省略したテーブルに印
刷媒体がセットされると、媒体検出センサ20はポート21
を経て印刷媒体がセットされたことをプロセッサ11に通
知する。

プロセッサ11は媒体検出センサ20から印刷媒体のセッ
トを通知されると、図示省略した吸入機構により印刷媒
体を吸入し、改行制御回路18を経て改行モータ19を駆動
し、第３図（ａ）に示す送りローラ３により、テーブル
にセットされた印刷媒体を、第３図（ａ）に示すテーブ
ルの媒体ガイド９に沿ってプラテン１の方向に搬送させ
る。

第２図は印刷媒体の位置を検出するセンサの配置を説
明する図である。

第２図は印刷媒体24が送りローラ３と４によって押さ
えられているか否かを検知するため、センサ22と23を図
示する位置に取付け、センサ22と23が記録媒体24の存在
を検出するようにしたものである。

プロセッサ11は第２図に示すセンサ22がポート21を経
て通知する印刷媒体検出信号によって、センサ22の位置
から印刷媒体24の搬送量を改行モータ19の駆動量により
計測し、印刷媒体24に対する印刷開始位置を決定する。

そして、プロセッサ11は印刷媒体24を印刷開始位置に
停止させると、インタフェース回路14を経て上位装置か
ら送出される印刷データをRAM13に格納してから読出
し、ヘッド制御回路15を経て印刷ヘッド５に送出し、印
刷媒体24に印刷させる。

同時にプロセッサ11はスペース制御回路16を経てスペ
ースモータ17を駆動し、印刷ヘッド５を印刷開始位置に
位置付けし、印刷ヘッド５のスペース動作を行わせる
が、センサ22が印刷媒体24の存在を検出し、センサ23が
印刷媒体24の存在を検出していない場合、矢印Ａ方向の
スペース時に印刷を行わせ、矢印Ｂ方向のスペース時に
は印刷を行わせない。

そして、センサ22と23が共に印刷媒体24の存在を検出
すると、矢印Ａ及びＢ方向のスペース動作時に印刷を行
わせ、センサ22が印刷媒体24の存在を検出しなくなる
と、又、矢印Ａ方向のスペース時に印刷を行わせ、矢印
Ｂ方向のスペース時には印刷を行わせない。

他の実施例として、プロセッサ11はセンサ22と23が設
備されていない場合、プロセッサ11は媒体検出センサ20
の位置から印刷媒体の搬送量を計測し、印刷媒体の印刷
開始位置を決定する。

そして、プロセッサ11は印刷媒体を印刷開始位置に停
止させると、インタフェース回路14を経て上位装置から
送出される印刷データをRAM13に格納してから読出し、
ヘッド制御回路15を経て印刷ヘッド５に送出し、印刷媒
体に印刷させる。

同時にプロセッサ11はスペース制御回路16を経てスペ
ースモータ17を駆動し、印刷ヘッド５を印刷開始位置に
位置付けして、印刷ヘッド５のスペース動作を行わせる
が、媒体検出センサ20の位置からの印刷媒体の搬送量に
基づき、第３図（ａ）に示す送りローラ３が印刷媒体を
押さえているが、送りローラ４は押さえていないと判定
される場合、第３図（ｂ）の矢印Ａ方向のスペース時に
印刷を行わせ、矢印Ｂ方向のスペース時には印刷を行わ
せない。

そして、媒体検出センサ20の位置からの印刷媒体の搬
送量に基づき、第３図（ａ）に示す送りローラ３と４が
印刷媒体を押さえていると判定される場合、第３図
（ｂ）の矢印Ａ及びＢ方向のスペース動作時に印刷を行
わせる。

そして、媒体検出センサ20の位置からの印刷媒体の搬
送量に基づき、第３図（ａ）に示す送りローラ４が印刷
媒体を押さえているが、送りローラ３は押さえていない
と判定される場合、又、矢印Ａ方向のスペース時に印刷
を行わせ、矢印Ｂ方向のスペース時には印刷を行わせな
い。

〔発明の効果〕

以上説明した如く、本発明はプラテンを挟んで対向す
る二組の送りローラにより印刷媒体を押さえて印刷を行
うプリンタにおいて、一組の送りローラによって印刷媒
体が押さえられている場合、テーブルに設けた媒体ガイ
ドの方向に印刷ヘッドがスペースする時のみ印刷が行わ
れるため、印刷媒体の位置がずれることが無く、品質の
良い印刷を行うことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す回路のブロック図、 第２図は印刷媒体の位置を検出するセンサの配置を説明
する図、 第３図は従来技術の一例を説明する図、 第４図は従来技術の問題点を説明する図である。 図において、 １はプラテン、2,10は通帳、 3,4は送りローラ、５は印刷ヘッド、 ６はリボン、７はリボンマスクガイド、 ８はリボンカセット、９は媒体ガイド、 11はプロセッサ、12はROM、 13はRAM、14はインタフェース回路、 15はヘッド制御回路、16はスペース制御回路、 17はスペースモータ、18は改行制御回路、 19は改行モータ、20は媒体検出センサ、 21はポート、22,23はセンサ、 24は記録媒体である。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プラテンを挟んで対向する二組の送りロー
   ラにより、印刷媒体の片側の端面がガイドされる媒体ガ
   イドに印刷媒体の端面を押し当てて、該印刷媒体の位置
   決めを行いながら、該印刷媒体を一方の送りローラ側か
   ら該プラテン上に搬送し、印刷ヘッドを該プラテン上で
   正逆両方向に移動させて該印刷媒体に往復印字するプリ
   ンタにおいて、 前記二組の送りローラの各々に近接して設けられ該印刷
   媒体の存在を検出するセンサにより、該印刷媒体が一方
   のローラのみにより押さえられていることを検出する検
   出手段を有し、 該印刷媒体が一方のローラのみにより押さえられている
   場合、前記印刷ヘッドを媒体ガイドの方向に移動させる
   時のみ印刷を行わせることを特徴とするプリンタの印刷
   方法。
2. 【請求項２】プラテンを挟んで対向する二組の送りロー
   ラにより、印刷媒体の片側の端面がガイドされる媒体ガ
   イドに印刷媒体の端面を押し当てて、該印刷媒体の位置
   決めを行いながら、該印刷媒体を一方の送りローラ側か
   ら該プラテン上に搬送し、印刷ヘッドを該プラテン上で
   正逆両方向に移動させて該印刷媒体に往復印字するプリ
   ンタにおいて、 該印刷媒体の搬送量から該印刷媒体が一組の送りローラ
   のみによって押さえられていることを判別する判別手段
   を有し、 該印刷媒体が一方のローラのみにより押さえられている
   場合、前記印刷ヘッドを媒体ガイドの方向に移動させる
   時のみ印刷を行わせることを特徴とするプリンタの印刷
   方法。