JP2880545B2 - アスタキサンチンのイン・ビボ生産方法およびアスタキサンチン含量を増加させるファフィア・ロドジマ酵母 - Google Patents

アスタキサンチンのイン・ビボ生産方法およびアスタキサンチン含量を増加させるファフィア・ロドジマ酵母

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、一の態様において、色素アスタキサンチン
の経済的なin vivo生産方法に関する。もう一つの態様
において、本発明は抗生物質、チトクロームB阻害剤、
またはテルペノイド合成経路阻害剤含有の栄養培地中、
ファフィア(Phaffia)属の微生物を培養し、生き残っ
ている色素増加微生物を培養し、該酵母を採取すること
からなる、ファフィア属微生物の培養体のアスタキサン
チン含量を増加させる方法に関する。
発明の背景 赤黄色のカロチノイド色素であるアスタキサンチン
は、通常、天然において見られ、多くの動物によって顕
著に示されている。この色素を合成できない動物は、こ
の色素または色素先駆体の食餌採取に依存している。
天然のサケおよびマスの赤い皮および身の色は、主に
アスタキサンチンによるものであり、それは通常、これ
らの魚において非結合色素として存在する。自然におい
ては、食餌の海洋性動物のプランクトンおよびネクトン
がサケにそのカロチノイド色素を供給している。
食餌アスタキサンチンの不足のため、養殖場で、また
は孵化場にて大きくなった魚は、一般に色が薄く、その
天然環境で成長した魚に特徴的な皮および身の色彩を欠
いている。カロチノイドが動物またはヒトの食事におい
て栄養学的に重要であるか否かは測定されていないが、
色素にある種の食物を魅力的にするものである。したが
って、たとえ、栄養学的に色の薄い養殖魚が天然環境で
成長した魚と同じであるとしても、食物の色相がしばし
ばその質のインジケーターであるため、天然色の魚に対
する消費者の強い要望がある。さらには、アスタキサン
チンまたはその先駆体がベークトサーモンの特有の好み
の一因となるという証拠がある。
最近の健康損傷のおそれに対する関心の増加は、発癌
性および/または催奇性の可能性を有する種々の合成着
色剤の使用禁止に帰着している。食品における使用がだ
んだん禁止されている黄色および赤色アゾ染料は、非毒
性のカロチノイドに取って代えられている。カロチノイ
ドは、一般に、高濃度であっても毒性ではない。したが
って、天然のカロチノイドは、例えば、サケ科の魚を着
色する好ましい色素である。
過去において、サケ科の魚の食餌にてカロチノイド含
有の甲殻類または甲殻類加工処理廃棄物を利用する多く
の研究がなされてきた。養殖場で、または孵化場におい
て、多量の乾燥、粉砕した外骨格性甲殻類残物を補った
食餌を魚に与えると、その魚の淡い色は改良される。し
かしながら、甲殻類シェルはカロチノイド含量が非常に
低く、ミネラルを多く含み、その食餌特性を改良する広
範な加工処理なしでは、サケ科の魚の食餌における該シ
ェルの使用は制限される。さらには、長時間にわたって
飼料を与えた場合にのみ満足のいく色相を得ることがで
き、経済的な意味で本質的なことではないが、非常に短
期間で満足のいく色相を得ることが望ましい。
アスタキサンチン自体を魚を飼料に加え、魚色を改良
しうることが知られている。例えば、米国特許第423978
2号は、アスタキサンチンのような着色剤を魚の飼料に
加え、加えて選択された着色剤または着色剤類と組み合
わさって触媒として作用し、魚の色相度を高めるホルモ
ンであるテストステロンを制限量添加することからな
る、魚の色相度を高める方法を記載している。
アスタキサンチン自体の2つの主な商業源は甲殻類シ
ェルと化学合成物からなる抽出物である。赤色カロチノ
イド色素は外骨格性甲殻類シャルおよび組織から抽出す
ることができ、定量以上の濃度にて食餌処方における他
の飼料と混合し、養殖場の魚、甲殻類およびある種の家
禽類に与え、満足のいく皮、身、甲皮または卵黄色素形
成を得ることができる。甲殻類シェルおよび組織廃棄物
からのアスタキサンチンの抽出方法の例は、例えば、米
国特許第3906112号(アンダーソン(Anderson)および
第450593号(メイヤースら(Meyers et al.))におい
て記載されている。
ジャーナル・オブ・フード・サイエンス、第47巻(19
82)、表題「大豆油方法を用いるクローフィッシュ廃棄
物からのアスタキサンチン色素の抽出」の論説におい
て、種々の抽出法が記載されている。例えば、クローフ
ィッシュ廃棄物全体をすり砕き、粉砕したクローフィッ
シュ廃棄物を水と混合し、pHをアルカリまたは酸で調整
し、酵素を溶液に加え、該溶液を撹拌し、加熱して加水
分解する。加水分解後、アスタキサンチンを油で抽出
し、該アスタキサンチンに富んだ油を遠心分離により回
収する。しかしながら、特にクリルおよびクローフィッ
シュ・シェルからの天然単離物のアスタキサンチンの価
格は、およそ、1キログラム当たり$5000から$15000
のコストとすることができる。アスタキサンチンの生産
について、より原料依存性が少なく、より経済的な方法
が望まれていることは明らかである。
サケおよびマスの身の着色もまた、食品添加物として
合成カロチノイドカンタキサンチンを用いて行われてき
たが、この化学物質はかなり高価であり、サケ科の魚に
おいてはいくらか不満な色相が得られた旨報告されてい
る。アスタキサンチンの化学合成における最近の研究
が、米国特許第4245109号(メイヤーら(Mayer et a
l.)、第4283559号(ブロガーら(Broger et al.))お
よび第4585885号(バーンハードら(Bernhard et a
l.))に示されている。現在の合成アスタキサンチン色
素の価格は、1キログラム当たり約$2000である。しか
しながら、多くの国は合成カロチノイドの使用を禁止し
ている。
アスタキサンチンは、囲い飼育されるサケの飼料に用
いられる最も高価な成分の一つである。アグリカルチャ
ー、すなわち、魚の養殖に対する興味が最近急激に様相
を変えているため、それに比例して経済的なアスタキサ
ンチン源に対する商業的要求も大きくなってきた。
鶏の卵黄の色相もまた経済的に重要であるため、鳥類
の卵黄の色素形成についても研究されている。高色素含
量の卵黄が要求されている。商業的食餌における最も一
般的な色素源はイエローコーンであり、それは顕著な卵
黄色素のクリプトキサンチン、ゼアキサンチンおよびル
テインを供給する。残念ながら、鶏の食餌においては、
マイロ、小麦、米および大麦のような高エネルギー穀物
がコーンに取って代わり、その結果、色素形成が喪失し
ている。アスタキサンチンは家禽類飼料補足剤として使
用され、卵黄色素形成を高めることができる。
現在のところ商業的に用いられていない、アスタキサ
ンチン生産における解決手段の一つは、生合成、すなわ
ち、微生物を用い、アスタキサンチンを合成することで
ある。
アスタキサンチンの微生物源として、酵母のファフィ
ア・ロドジマ(Phaffia rhodozyma)が知られている
(デーヴィス(Davis)のカリフォルニア大学、ジョン
ソン(Johnson)の修士論文、「酵母ファファイア・ロ
ドジマによるアスタキサンチン生産および動物飼料にお
ける色素源としてのその使用」(1976))。酵母は、一
般に、高栄養価の家畜飼料であり、動物食餌において
は、しばしば、望ましいものであると考えられている;
アスタキサンチン含有の付加的属性は、この色素の食餌
源を必要とする動物、例えば、サケ科の魚、甲殻類、産
卵鶏またはフラミンゴのような鳥類にとっては、ピー・
ロドジマが理想的な飼料補足剤であるかもしれないこと
示唆している。
しかしながら、天然のピー・ロドジマの色素収量は、
6日増殖において、200〜600ppm/乾燥重量酵母のオーダ
ーにすぎない。アスタキサンチン自体の供給源として、
天然のピー・ロドジマは不適当である。ある種の魚、甲
殻類および家禽類の食餌の天然のピー・ロドジマで補足
する実験ではいくらかの徴候が示された。しかしなが
ら、実際に、飼料補足剤として満足のいく色素形成レベ
ルを得るのに、添加しなければならないピー・ロドジマ
は多量であり、色素源として天然のピー・ロドジマは商
業的適合性を欠く。
発明の要約 したがって、本発明の目的は、色素アスタキサンチン
の経済的なin vivo生産方法を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、高アスタキサンチン含量
を有する酵母のファフィア・ロドジマの培養物を得る方
法を提供する。本発明のもう一つ別の目的は、高アスタ
キサンチン含量により特徴付けられるピー・ロドジマを
提供することにある。
本発明のさらなる目的は、ATCCに寄託されている株AT
CC−24230またはATCC−24202のような天然のピー・ロド
ジマから由来する子孫のアスタキサンチン含量を改良す
る方法を開発することである。
本発明のさらにもう一つ目的は、酵母のピー・ロドジ
マの突然変異株のアスタキサンチン含量を改良する方法
を開発することである。
これらのおよび他の目的は、その最も基本的な形式に
て、抗生物質、チトクロームB阻害剤、またはテルペノ
イド合成経路阻害剤含有の栄養培地において、ファフィ
ア属の微生物を培養し、生き残っている色素増加微生物
を培養し、該酵母を採取することからなる方法により達
成される。
株発育におけるキーとなる工程は、形態学的な選択工
程にある。突然変異の順序および型と抗生物質、チトク
ロームB阻害剤またはテルペノイド阻害剤選択との可能
な組み合わせは、本発明においてピー・ロドジマに付し
た組み合わせに限定されるものではない。最近の結果は
この技法の再現性を確認している。
本発明の関連する目的および利点は、以下の図面およ
び詳細な記載を参考することによりさらに明らかとな
る。
図面の簡単な記載 本発明において用いる方法および機構は添付図面に記
載されており: 図1は、ピー・ロドジマにて見いだされた種々の色素
および中間体の化学構造式および関係を示す。
図2は、ピー・ロドジマの突然変異体分離の好ましい
順序を示すフローチャートである。
図3は、斑入りコロニーの外観を示すマイクロピクタ
グラフである。
発明の詳説 日本および太平洋北西部の樹木に付随する酵母フロラ
を研究する目的で1967年に行った航海の間に、特異アス
タキサンチンを合成する微生物が種々の広葉樹の粘着流
動体から単離された(パフら(Phaff et al.)「日本お
よび北アメリカ西海岸の樹木に付随する酵母フロラの比
較研究」、Proc.IV:フェルメント・テクノール・ツデェ
イ(Ferment.Technol.Today)、(1972)759〜774
頁)。今日、ファフィア・ロドジマとして知られている
ことの微生物は、カロチノイド色素を生産し、数種のシ
ョ糖発酵能を有することが解明された。
ファフィアはその独特な特性のため属であることが承
認され、それは、そのグルコールおよび他のショ糖を発
酵させる能力、その主たるカロチノイドとしてのアスタ
キサンチン合成、その出芽形成モード、その子嚢菌性酵
母においては通常でない尿素使用能のようなある種の代
謝特性の所有、およびその細胞壁構成を包含する。この
属におけるピー・ロドジマの該種だけが独占的に出芽に
より生殖し、電子顕微鏡をスキャンすることにより植物
的生殖のこのモードの試験は、該酵母が、多層細胞壁の
形成に至る同一部位から繰り返し出芽することを示して
いる。
ファフィア属の他の特性は、その厚壁胞子の形成、そ
の48.3%のモル%G+C含量、そのウレアーゼによる尿
素分解能、およびそのパーフェクト段階の明らかな欠如
を包含する。その特性は該酵母が担子菌類親和性である
ことを示唆している。ファフィア属の生殖サイクルを解
明する試みはすべて失敗した。
「ファフィア・ロドジマ、赤着色発酵酵母のカロチノ
イド」、フィトケミストリー(Phytochem.)15、(197
6)1003〜1007頁にて報告されているように、アンドリ
ュースら(Andrewes et al.)は、ピー・ロドジマのカ
ロチノイドが普通でないことを見いだした。天然のピー
・ロドジマにてアンドリュースによって見いだされた色
素および色素中間体を図1に示す。図中、(A)はエチ
ネノン(echinenone)、(B)は3−ヒドロキシエチネ
ノン、(C)はフェニコキサンチン(phenicoxanthi
n)、および(D)はアスタキサンチンである。アスタ
キサンチンは、この酵母により合成される主たる色素で
あること;天然の酵母においては、約85%のカロチノイ
ド混合物からなることが判明した。
大抵の植物および動物源のカロチノイドは水混和性溶
媒で容易に抽出することができるが、酵母がその色素と
ねばり強く付着していることはよく知れらている。アス
タキサンチンは強固に酵母細胞に付着しており、まず酵
母細胞の構造を変えることなく、脂質溶媒により抽出す
ることはできない。
抽出物の大部分の定量方法は、フレンチ・プレス(Fr
ench press)(シンプソンら(Simpson et al.)、「微
生物破壊用の修飾フレンチ・プレス」、ジャーナル・オ
ブ・バクテリオロジー(J.Bact.),86,(1963)1126〜1
127頁)のように、またはブラウン・ホモジナイザー(B
raun homogenizer)(バエら(Bae et al.)、「クリプ
トコッカス・ラウレンティーにおけるプレクタニアキサ
ンチンの発生」,フィトケミストリー,10,(1970)625
〜629頁)のように機械的に酵母細胞を破壊し、ついで
該細胞を溶媒で抽出することからなる。これらの方法
は、通常、アスタキサンチン濃度の測定に用いられる。
アスタキサンチンを大規模に回収する必要性が酵素の
抽出方法の発達をもたらした。該方法は、細菌のバシラ
ス・サーキュランスWL−12(Bacillus circulans WL−1
2)により産生される細胞外溶菌酵素を利用し、それは
酵母細胞壁を部分的に消化し、カロチノイド色素を脂質
溶媒で抽出可能とする。これらの酵母細胞上で26時間ビ
ー・サーキュランスWL−12を増殖させ、ついで該酵母−
細菌混合物をアセトンで抽出した後、熱−滅菌ピー・ロ
ドジマ細胞からアスタキサンチンの完全抽出物を得た。
ピー・ロドジマからのアスタキサンチンの定量抽出を
付与する細菌−フリー溶菌系は、ピー・ロドジマ細胞上
でビー・サーキュランスWL−12を増殖させた培養ブロス
を濃縮することにより得た。好ましくは、ビー・サーキ
ュランスWL−12をピー・ロドジマ細胞含有の培地上にて
増殖させる。溶菌系は、pH6.5で、低濃度の酵母中にも
最も効果的に作用することが判明した。
一般に、栄養源および環境が、種々のカロチノイド生
産微生物のカロチノイド収量に対して効果を有する。複
合培地における発酵のカロチノイド形成の増加が報告さ
れている(ハンソン(Hanson)、「微生物の色素および
ビタミン生産」,マイクロビアル・テクノロジー(Micr
obial Technology),エイチ・ジュイ・ペプラー編(H.
J.Peppler),ラインホルド,ニューヨーク(1967)222
〜250頁)。
カロチノイドはテトラテルペンであり、その基本的な
合成経路は他のテルペノイドの経路と同様である。アセ
チルCoAは初期の先駆体であり、第1のテルペノイド化
合物はメバロン酸である(スコプファーら(Schopfer e
t al.)、“Sur la biosynthse du β−carotne pa
r Phycomyes cultiv sur un mileu contenant de 1′
actate de sodium comme unique source de carbon
e",Experientia,8,(1952)140頁)。イソペンテニル
ピロホスフェートは、カロチノイドが誘導される基本的
な先駆体である(グッドウィン(Goodwin)、バイオシ
ンセシス(Biosynthesis)、カロチノイド,オー・アイ
スラー編(O.Isler),バーセル(Basel),バークハウ
ザー(Birkhauser),(1971)577〜636頁;ブリットン
(Britton)、「カロチノイドの生合成」、植物性色素
の化学および生化学,Vol.1,(1976)262〜327頁参
照)。
ピー・ロドジマでの最先の研究は株♯67−210型でな
された。さらに数種の天然の単離体(UCD−FST♯s 67−
202、67−203、67−210、67−383、67−385および68−6
53C)の若コロニーの視覚試験は、67−210および67−38
5(各々、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクシ
ョンATCC No.24202および24230)が最も高色素形成株で
あることを示した。VMブロスにて5日間増殖させた後、
これら2種の株におけるアスタキサンチン含量の定量測
定は、67−210で約295μg/gであるのに対して67−385は
約450μg/g乾燥酵母を有することを示した。その高天然
アスタキサンチン含量のため、該発明者らは株成長用に
主として67−385を用いた。
ピー・ロドジマの増殖および色素形成の最適培養条件
を決定するのに設計された一連の実験の結果として、ア
スタキサンチン生合成は、増殖の指数相の間に最も効果
的に起こることが判明した。増殖培地中の色素収量は、
単に細胞濃度に依存するだけでなく、培養条件によって
も影響されることが判明した。アスタキサンチン生産の
最適pHは、振盪フラスコにて5.0であることが判明し
た。しかしながら、他の試験pHで、ピー・ロドジマのア
スタキサンチン濃度は比較的一定を維持した。
培養温度は、ピー・ロドジマの増殖速度に影響を及ぼ
すが、酵母細胞におけるアスタキサンチンの蓄積には影
響しないことが判明した。さらには、光の作用もピー・
ロドジマのカロチノイド生成(carotenogenesis)に影
響を与えないが、高光強度下にて増殖させた細胞がより
赤い色相を有することは明らかであり、それは特定のカ
ロチノイドの濃度が異なることによるものであろう。
低グルコース濃度および高空気供給速度が、ピー・ロ
ドジマによる効果的なアスタキサンチン生産を促進する
ことが判明した。空気供給速度が20ミリモル/時間以下
であるか、またはグルコース濃度が4%w/v以上である
場合、赤色酵母におけるアスタキサンチン濃度はかなり
減少する。しかしながら、これらいずれかの条件下で培
養した酵母においても、なおアスタキサンチンがなお優
勢色素であった。しかしながら、低空気供給および高グ
ルコース濃度の作用を組み合わせた場合、その場合、ピ
ー・ロドジマのアスタキサンチン濃度は極端に低濃度ま
で減少し、β−ゼアカロテン(β−zeacarotene)形成
を生じた。これら不利な条件下では、再度、アスタキサ
ンチンは該カロテンから効率よく形成されなかった。
この酵母にけるエタノール生産を抑制する炭素化合物
(例えば、セロビオース)にて培養した場合、アスタキ
サンチン収量は比較的高収率であった。エタノール生産
を促進する炭素源(例えば、高グルコース)にて培養し
た場合、アスタキサンチン収量は比較的低収率であっ
た。ペントース−ホスフェート経路を介して代謝される
炭素化合物(例えば、キシロース)は、有効なカロチノ
イド生成を促進しなかった。
天然株のピー・ロドジマに対する栄養培地および環境
条件の最適化における広範な実験にもかかわらず、色素
含量の劇的な増加は得られなかった。発明者らは、上記
要因独特の操作では、生合成を商業上可能とするのに必
要な程度までピー・ロドジマのアスタキサンチン含量の
増加を誘発するのに十分ではないかもしれないと結論し
た。
高アスタキサンチン生産能を有するピー・ロドジマの
新規な遺伝子変異体を単離する目的で、ピー・ロドジマ
を突然変異生成に付した。しかしながら、結果は、思う
に、突然変異のランダムおよび非定方向特性によって相
互に一致しなかった。例えば、UV照射後の数千のコロニ
ーをスクリーニングした後では、高着色変異体を単離す
る試みは成功しなかった。大部分のUV生成突然変異体
は、アスタキサンチン含量がかなり減少しており、色相
は非常に薄かった。
従来の突然変異誘発法によるピー・ロドジマのアスタ
キサンチン含量の改良においてさらなる発展の可能性が
制限されることは明らかである。これは、微生物が不必
要な細胞構成成分を過剰に生産する方向にいかないよう
に、その細胞構成成分の生合成に対して厳重な遺伝子調
節機能を有しているからである。アスタキサンチンのよ
うな色素の生合成は、明らかに、酵母細胞のいずれか所
定の株において厳重に調節されているため、非定方向突
然変異生成による高アスタキサンチン生産能を有するコ
ロニーを生成する。生存能力のある遺伝可能な遺伝子交
代を引き起こす可能性はおそらく非常に低い。
突然変異生成後のコロニーのスクリーニングは、相対
的に不成功に終わっているため、発明者らはアスタキサ
ンチン過剰生産する選択操作を開発することを試みた。
アスタキサンチン形成は高濃度のグルコースにより減少
するため、発明者らは、選択剤として2−デオキシグル
コースを用い、カタボライト−抑制解除され、ついで高
色素生合成を示すグルコース−耐性株を単離した。この
選択的操作により生成された株のいくつかは色素形成を
変化させるが、多くは極端に不安定であり、一つの株
も、天然の親よりもアスタキサンチン濃度を2倍以上増
加させなかった。
ケトコナゾール(ketoconazole)およびミコナゾール
(miconazole)を包含するステロール生合成抑制剤を、
酵母麦芽エキス培地寒天に混合し、その操作はピー・ロ
ドジマの有意な死滅をもたらした。しかしながら、数千
の残存種のスクリーニングは、高着色酵母株を生産しな
かった。ニコチン(1mM)、イミダゾール(4mM)、2−
メチルイミダゾール(1mM)およびモルホリン(10mM)
を含有する数種の他の試験化合物は、視覚的にコロニー
を色相変化させたが、それは増殖を害することなく、カ
ロチノイド組成が変化していることを示した。しかしな
がら、これらの変化はアスタキサンチンが増加したので
はないため、さらに色素組成の変化における分析は実施
しなかった。
さらに、発明者らは、ピー・ロドジマを、セノイルト
リフルオロアセトン(thenoyl trifluroacetone)(TTF
A)、アンチマイシンAおよびシアン化ナトリウムを含
有する数種の電子伝達阻害剤で処理することを試みた。
天然のピー・ロドジマは、実質的に低濃度のアンチマイ
シンAおよびTTFAにより死滅したが、シアン化物および
アジドに対して比較的不感性であることが判明した。
上記広範な実験の結果、発明者らは、ピー・ロドジマ
のコロニーが生成され、そのコロニーが高アスタキサン
チン含量により特徴付けられる驚くべき方法を見いだし
た。本発明の方法によって得られるピー・ロドジマは非
復帰性であり、アスタキサンチンが天然のピー・ロドジ
マよりもより効果的な飼料および色素補足であるに充分
なくらい高濃度にて酵母中に存在し、アスタキサンチン
発酵を商業上可能なアスタキサンチン生産方法とするに
充分な量のアスタキサンチンを生産することが可能な酵
母のコロニーを得ることができる。
さらに詳しくは、発明者らは、天然のまたは突然変異
株のピー・ロドジマを、代謝経路阻害剤、特に第1呼吸
経路阻害剤の存在下で、第2呼吸経路を作動させる薬剤
または環境条件のような影響の存在下、または選択剤、
とりわけ選択剤として抗生物質、チトクロームB阻害剤
またはテルペノイド合成経路阻害剤を用いる形態学的選
択条件下にて増殖させることにより、高着色ピー・ロド
ジマの定方向および特異的選択性が得られることを見い
だした。例えば、ピンク色酵母のピー・ロドジマを、抗
生物質、チトクロームB阻害剤、またはテルペノイド合
成経路阻害剤含有の寒天上に置き、1〜2ヶ月後、高着
色の縦方向パピラに発育し、非色素形成の滑らかな底面
により特徴付けられる普通でない形態のコロニーを得
た。該パピラを単離し、精製し、つづいて振盪フラスコ
にて色素形成を試験し、各突然変異体が、親の天然単離
体と比較してアスタキサンチン含量を3〜6倍増加させ
ることが証明された。
選択された子孫の一つ(IGI−887J0);図2および添
付したテキスト参照)は生理学的に特徴付けられる。該
突然変異体は種々の窒素源にてゆっくりと生長し、数種
の炭素源にて低細胞収量を示した。それは、アンチマイ
シンAおよびTTFAのような呼吸阻害剤に対して高感受性
を示したが、シアン化物またはアジドに対する感受性に
おいては天然の単離体と異ならなかった。それは過酸化
水素による殺菌に対してより感性であった。薄層クロマ
トグラフィーを用いるカロチノイド分析は、親中には存
在しない2つの未知のカロチノイド、ならびにカロテン
およびシス−アスタキサンチンの蓄積増加を示した。
抗生物質選択剤は、例えば、1種またはそれ以上のア
ンチマイシン、ツニカマイシン(tunicamycin)および
ニスタチン(nystatin)を包含する。アンチマイシンは
また、電子伝達阻害剤またはチトクロームB阻害剤とし
ても分類することができる。選択子孫の色素形成を強化
する他のチトクロームB阻害剤は、例えば、2−n−ヘ
プチル−4−ヒドロキシ−キノリン−N−オキシド(HO
QNO)を包含する。テルペノイド合成経路阻害剤は、例
えば、メバロン酸ラクトンを包含し、それは一般に代謝
阻害剤と称されてもよく、ステロール阻害剤の一例であ
る。
選択剤、例えば、アンチマイシンの濃度は、酵母麦芽
エキス培地(YM)プレートにおいて、好ましくは1〜10
0μMの範囲、さらに好ましくは30〜80μM、最も好ま
しくは、最も特徴的なコロニーを生成するには、約50μ
Mである。
ピー・ロドジマに対する抗生物質、チトクロームB阻
害剤またはテルペノイド合成経路阻害剤の作用は意外で
あり、さらに特有の基礎をなす機構を解明しなければな
らない。抗生物質、チトクロームB阻害剤、またはテル
ペノイド合成経路阻害剤の選択に付されたピー・ロドジ
マが高色素含量のコロニーを生産し、一方、KCN、ロテ
ノン(rotenone)、TTFA等を包含する呼吸阻害剤のよう
な他の薬剤で行った実験では、YMプレート上のまたは液
体増殖培地におけるピー・ロドジマの色素形成に対して
有意に影響しないことは意外なことである。
本発明らは、ピー・ロドジマにおけるアンチマイシン
の作用を説明しうる仮説を展開するが、この仮説は推測
的であり、本発明の範囲に影響を与えるとするべきでは
ない。
本発明者らは、ステロール合成において生じるよう
な、環化およびヒドロキシル化はチトクロームP450に依
存しており、アンチマイシンのようなチトクロームB阻
害剤が、cyt.P450になるチトクロームであるチトクロー
ムBと反応するため、おそらくアンチマイシン突然変異
体の色素形成増加はcyt.P450の機能または活性の変化に
よるものである。この分子はグルタミン・シンセターゼ
を不活性化することが知られており、これは観察される
窒素異化作用の遅延によるものであるかもしれない。さ
らに、該仮説の論考は、アンら(An et al.)「アスタ
キサンチン量を増加させるファフィア・ロドジマ突然変
異体の単離」においても示されている。
細菌の研究は、この技法がピー・ロドジマで繰り返し
行うことができることを確認している。
抗生物質、チトクロームB阻害剤、またはテルペノイ
ド合成経路阻害剤が該プロトコルに包含される限りは、
天然の、または抗生物質、チトクロームB阻害剤、また
はテルペノイド合成経路阻害剤選択の酵母細胞に、選択
の前、後、または前および後に、または所望数のまたは
組み合わせの突然変異および選択工程にて付加的に突然
変異原を照射してもよい。
突然変異原または突然変異誘発剤は、種々の化学物質
または他の照射より選択することができ、好ましくは非
復帰突然変異に引き起こすに十分強力なものである。変
性が観察されない突然変異体が工業的使用には非常に望
ましい。強力な突然変異原は、エチルメタンスルホネー
ト、ニトロソグアニジン(N−メチル−N−ニトロ−N
−ニトロソ−グアニジン)、亜硝酸(ただし、比較的高
量を必要とするかもしれない)、有意な量の紫外線照
射、X−線等を包含する。
その利用容易性、比較的強力な突然変異誘発特性およ
び操作が比較的容易かつ安全であるため、ニトロソグア
ニジンおよびUVが好ましい。しかしながら、当該分野に
て公知の量および照射法を用い、どのような強力な突然
変異原を用いてもよい。
ある場合には、強い突然変異原と強力な突然変異原と
を組み合わせることができる。弱突然変異原には、2−
アミノプリン、t−ブロモウラシル、ヒドロキシルアミ
ン、重亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。
現在における高アスタキサンチン生産株を生成する突
然変異および選択の順序を図2に示す。図2に関して、
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションATC N
o.24230より得られる天然の親67−385は、6日培養にて
200〜600μg/g乾燥重量酵母を有することが検定され
た。67−385をアンチマイシン選択に付し、IGI−887J0
と称される高着色子孫を得た。基部コロニーから切開さ
れた第1の突然変異体パピラ(papillus)は合計約700
μgのカロチノイド/g酵母を含有し、それに対して親株
は300〜400μg/gを有した。IGI−887J0は、6日培養に
て960μg/gを乾燥重量酵母のアスタキサンチン含量を有
することが検定された。IGI−887J0をアンチマイシン50
μM含有のYM寒天に戻し、第2代のアンチマイシンコロ
ニーを選択した。これらのうち1つは1200μg/gを生産
し、他は1450μg/gを生産した。したがって、アンチマ
イシンAがピー・ロドジマの着色変異体単離用の優れた
選択剤であることは明らかである。
IGI−887J0をニトロソグアニジン(NTG)突然変異に
付し、合計1200〜1500μgのカロチノイド/g酵母を生産
するIGI−887J2を得た。さらに、IGI−887J2をアンチマ
イシンで選択してIGI−887J1を得、それは6日培養にて
700〜1100μgのアスタキサンチン含量/g乾燥重量酵母
を有することを検定した。第2のNTG突然変異誘発はIGI
−887J3子孫を生産した。
IGI−887J3のコロニーを精製した後、該単離体を白色
および着色コロニーに分離した。白色復帰突然変異体を
IGI−887J4と称した。淡色コロニーは5g/lの硫酸アンモ
ニウムではほとんど増殖せず、高濃度の硫酸アンモニウ
ム(20g/l)にてわずかに増殖し、培養基上、グルタメ
ートまたはグルタミンで良好に増殖した。これらの結果
は、該株が窒素代謝において前進的に損なわれ、それが
培養速度を制限していることを示唆している。
IGI−887J4、IGI−887J3の白色分離体をニトロソグア
ニジン突然変異に付した後、IGI−1287J1を単離した。I
GI−1287J1は、6日培養にて900〜1400μg/g乾燥重量酵
母を含有することが検定された。この株もまた、窒素代
謝にて損なわれた。株IGI−887J3およびIGI−1287J1は
エタノール上にて増殖しないが、従来の突然変異体は増
殖することに留意すべきである。
IGI−887J2をNTG突然変異誘発に対してIGI−2880B60
を得、それは6日培養にて1700μg/g乾燥重量酵母を含
有することを検定した。
アンチマイシン突然変異体の特性 親株(67−385)、IGI−887J0およびIGI−887J2は、
窒素源としてアンモニウム、グルタメートまたはグルタ
ミンを用い、ほぼ等しい菌体収率を有した。しかしなが
ら、培養速度の分析は、一連の株がこれら窒素化合物上
にて前進的にゆっくりと増殖することを示した。これら
のデータは、窒素利用の割合または効率がアンチマイシ
ン突然変異体にて損なわれていることを示唆する。
該親および2種の研究した突然変異体は、4種の試験
炭素源において菌体収率を減少させたが、さらに高い色
素形成を示した。さらには、該アンチマイシン突然変異
体はグルコースを発酵させ、有意なエタノールデヒドロ
ゲナーゼ活性をも有した。しかしながら、IGI−887J2は
もはやエタノール上では増殖せず、スクシネートを包含
する他の呼吸基質での菌体収率を減少させた。エネルギ
ー源における収率減少および電子伝達鎖用アンチマイシ
ンによる阻害特異性は、着色突然変異体における呼吸ま
たはミトコンドリア機能が変化したことを示唆してい
る。
該突然変異体の、アンチマイシンA、セオニルトリフ
ルオロアセチン、ナトリウムアジド、過酸化水素および
シアン化ナトリウムを包含する呼吸阻害剤に対する感受
性を試験した。これらの阻害剤は種々の呼吸鎖部位に影
響を与えた。意外にも、アンチマイシン誘発突然変異体
はYMプレート上の、およびまたは液体培地におけるアン
チマイシンAに対してより感性であった。親株はアンチ
マイシン100μMで約50%生存したのに対して、該突然
変異体は約60μMで死滅した。YM寒天上のIGI−887J0お
よびIGI−887J2集団の50%を殺菌するアンチマイシンの
濃度は、各々、約18および3μMであった。突然変異体
は液体培地にてさらに感受性であり、約0.5μMのアン
チマイシン濃度にて死滅した。
これらの結果は、明らかに、淡色コロニーから発生し
た着色パピラがアンチマイシン含有のプレート上にて単
離された場合であっても、それらは該薬剤に対して実質
的により感受性であることを示す。該寒天からのパピラ
の空間的分離は、より感受性である株の生産を促進する
ことは明らかである。
該突然変異体はまた、TTFAおよび過酸化水素を包含す
る他の呼吸阻害剤に対しても感受性であるが、シアン化
物に対してほんのわずかにより感受性であり、アジドに
対する感受性と変わらなかった。これらのデータは、ア
ンチマイシン単離株が変性呼吸鎖を有するという前記仮
説を支持し、阻害が該鎖の初期部位、チトクロームbの
近辺に生じているかもしれないことを示唆している。
突然変異体のカロチノイド組成については、アンらの
「アスタキサンチン量を増加させるファフィア・ロドジ
マ突然変異体の単離」参照。
適当な微生物培養を保証し、細菌転換法にて細胞によ
る炭素エネルギー源の吸収を最大にし、発酵培地におけ
る最大細胞密度での菌体収率を最大にするには、飼料培
地中に適当量の栄養源およびミネラルを供給することが
必要である。
発酵体の組成は広範に変化し、酵母株、用いる基質お
よび発酵体(すなわち、液体と細胞の合計)中のミネラ
ル含量にいくらかは依存している。以下の表において、
発酵体中における種々の元素の濃度の最低限、広範な範
囲、および好ましい範囲を示すが、該濃度は元素濃度と
して表されており、各々のすべてはまたは一部は適当な
イオン形にて、またはPのようなケースにて、ホスフェ
ートのようなある種の結合形にて存在しうることを認識
すべきである。各元素量はグラムまたは発酵体(細胞含
有の水相)1リットル当たりのミリグラムにて表されて
いる。
本発明を実施する方法、さらには本発明の特徴および
利点は以下の実施例から明らかである。該実施例は、本
発明の本質の理解を促進する目的に供されるものであ
る。該実施例における条件および専門用語が特異的であ
るとしても、それが本発明の範囲を限定するのに用いら
れていると認識すべきではなく、かかる変形および本発
明の本質の修飾および応用は、当該分野において通常の
知識を有する者により容易に予想される。
実施例における天然株は、公認の寄託機関、メリーラ
ンド州、ロックビルのアメリカン・タイプ・カルチャー
・コレクションから、所定のATCC Nos.24230および2420
2を入手した。該ATCCの明示は、各株の2つの寒天斜面
培養物が公認の寄託機関で寄託されていることを示すも
のである。
突然変異誘発 実施例1:紫外線突然変異誘発 IGI2880B60株を、細胞のセライン懸濁液から12インチ
離して、1分間(95.3%殺菌)、3分間(99.4%殺菌)
および5分間(99.99%殺菌)、殺菌性UVランプの紫外
線で突然変異誘発に付した。突然変異誘発の期間後、1
時間、該突然変異誘発細胞を暗所に保持し、数倍の希釈
度にて酵母麦芽エキス培地(YM)上にプレートした。プ
レートを20℃にてインキュベートした。暗赤−橙色コロ
ニーを観察される色素形成差に基づいて単離し、スラン
トにストリークした。
実施例2:ニトロソグアニジン突然変異誘発 株1287J1をYMにて48時間培養した。細胞を遠心分離に
よりペレット状をし、上澄液を捨て、該細胞を0.1Mシト
レート緩衝液(pH5.0)中に再度懸濁させた。細胞を振
盪することなく、室温にて25分間、ニトロソグアニジン
(NTG)100μg/mlで処理した。該懸濁液を遠心分離に付
し、上澄液を除染し、該細胞を0.1Mリン酸カリウム緩衝
液(pH7.0)で3回洗浄した。ペレットをリン酸塩緩衝
液に懸濁させ、YM20ml含有のフラスコ中にて希釈し、一
夜振盪した。細胞をYM上にプレートし、20℃にてインキ
ュベートした。解剖顕微鏡の下で観察される暗赤色がか
かった橙色により特徴付られるコロニーを選択し、該コ
ロニーを色素形成差に基づいて単離し、スライドにスト
リークした。3日齡のスラントを用いてYMフラスコを接
種した。YM培地1mlを用い、該スラント内容物を懸濁さ
せ、この全懸濁液をYM20ml含有の250mlフラスコに加
え、20℃にて6日間振盪した。
形態学的選択 実施例3:アンチマイシン処理 前記工程1(a)にて記載されているNTG突然変異誘
発の、または非突然変異誘発のいずれかの株ATCC24230
の指数的に増殖する酵母細胞を、アンチマイシンA(ア
ンチマイシンA1およびA3の混合物;シグマ・カタログ♯
2006)50μm含有のYM培地上にプレートし、20℃にてコ
ロニーが増殖するまでインキュベートした。培養を約1
カ月行った。2週間以上インキュベートした後、フライ
ド・エッグ(fried egg)が出現しているコロニーにお
いて赤色中心が現れた。この赤色中心をYM培地に単離し
た。
実施例4:ツニカマイシン処理 ツニカマイシン(tunicamycin)5μg/mlを有するGYE
寒天の傾斜プレート上、(天然の)株ATCC24202のlog相
培養物をプレートすることによりツニカマイシン突然変
異体を選択した。これらの第2プレート上にて培養した
コロニーを、ツニカマイシン5および8μg/ml含有のGY
E寒天プレートにストリークした。対照は270μg/gであ
り、それに対して8μg/mlのツニカマイシン耐性突然変
異体では610μg/gであった。
実施例5:ニスタチン処理 ATCC24202株のlog相YM培養物を,ニスタチン(nystat
in)3および5μg/ml含有のYMフラスコに接種すること
によりニスタチン突然変異体を単離した。48時間後、こ
れら選択培養物をYM寒天とニスタチン(3および5μg/
ml)含有の抗生作用プレートにプレートした。得られた
コロニーを色素について検定した。対照は270μg/gであ
り、それに対して高ニスタチン突然変異体では400μg/g
であった。
実施例6:メバロン酸処理 株ATCC24202をNTGで生存50%まで突然変異誘発に付
し、YM培地にプレートした。コロニーを5mMのメバロン
酸ラクトン含有のYM寒天にランダムにプレートした。こ
れらすべてのコロニーを第1に10、ついで25mMのメバロ
ン酸ラクトン含有の培地に続けて移した。メバロン酸ラ
クトン25mMにて培養させたコロニーを色素について検定
した。対照は275μg/gであり、それに対して25mMメバロ
ン酸ラクトン耐性突然変異体では540μg/gであった。
カロチノイド抽出および分析 コロニーは色素含量について以下のように分析するこ
とができる。
培養培地30mlから採取した後、細胞を水中にて洗浄
し、水30ml中に再度懸濁させる。光学濃度を測定して生
長度を決定する。該懸濁液約13mlを、ビーズ・ビーター
(Bead Beater、Bio Spec Products,Bartlesville,OK)
にて冷却しながら、0.5mmのガラスビーズで3〜4分間
粉砕する。粉砕後、ビーズ/細胞混合物をビーカーに入
れ、アセトン10ml部で5×抽出する。該アセトン抽出液
をプールし、15000rpmで45分間遠心分離に付す。清澄な
アセトン上澄液を細胞ペレットより流出させる;該ペレ
ットが残りの色素を有している場合、それをガラスホモ
ジナイザーを用いて手動で粉砕し、さらにアセトンで抽
出する。
合したアセトン抽出液を分離漏斗中に合し、約10mlの
石油エーテルを、ならびに数mlの飽和塩化ナトリウム溶
液を加え、エマルジョンの解消を助ける。ペトロール抽
出液を収集し、アセトン層を再度抽出する。該ペトロー
ル抽出液を合し、ガラスウールを介して濾過し、脂質小
球体および他の粒子物質を除去する。吸光度スペクトル
を記録する(石油エーテル中のトランスアスタキサンチ
ンの最大吸光度は474nmである)。カロチノイドの合計
組成を1%死滅係数=2100を用い、式: カロチノイド合計(μg/g酵母)=(mlペトロール)(4
74nm吸光度)(100)/(21)(乾燥重量酵母[g]) により算定する。
個々のカロチノイドは薄層クロマトグラフイー(TL
C)および電子吸光スペクトルにより分析することがで
きる。分析用のカロチノイドエキスを調製するには、石
油エーテル抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、窒
素流にて蒸発させることにより濃縮して調製する。これ
らを、20%アセトン/80%石油エーテルを用いるシリカ
ゲルプレート(シリカゲル60,5×20dm,0.25mm厚)(E.M
erck,Darmstadt,West Germany)上のTLCによりクロマト
グラフィーに付す。展開後、バンドをこすり落とし、ガ
ラスウール充填のパスツール・ピペット(Pasteur Pipe
t)を介してアセトンで溶出する。色素の同定には、最
大吸光度のrf値と標準体との共同クロマトグラフィーを
用いる。可視吸収スペクトルをギルホールド・レスポン
ス・スペクトロフォトメーター(Gilford Response spe
ctrophotometer)を用いてアセトンまたはペトロールに
て記録し、デービス(Davies)のカロチノイズ(Carote
noids)、38〜165頁、植物色素の化学および生化学、第
2巻、ティー・ダブリュー・グッドウィン(T.W.Goodwi
n)編、アカデミック・プレス、ロンドン(1976)にて
リストされている比吸光係数を用いて算定する。
ベンチ・スケール発酵 実施例7 10リッターの実験用発酵槽中におけるアスタキサンチ
ンの生産は、以下の操作に従って行う: 冷凍したファフィア・ロドジマ株IGI−887J1(20ml)
(図1および添付テキスト参照)を用い、3%グルコー
ス、1%酵母エキスおよび0.1%ガゼイン水解物からな
る培地300mlに接種した。接種する前に、該培地を121℃
および15p.s.i.にて約20分間滅菌した。該接種培地を、
1インチのストロークを有するロータリーシューカー
上、250r.p.m.の速度で、20℃の温度にて約48時間振盪
した。細胞ブロス300mlを用い、1リッター当たり以下
の組成を有して滅菌シード培地3リッター含有の5リッ
ターのシード発酵槽を接種した。
G 硫酸アンモニウム 5.0 一塩基性リン酸カリウム 1.5 硫酸マグネシウム・ヘプタ水和物 1.5 塩化カルシウム・ジ水和物 0.1 酵母エキス 6.0 ビタミン混合物 2ml 微量元素混合物 1ml ビタミン混合物は以下の成分からなる: G ビオチン 0.08 イノシトール 5.00 チアミン 5.00 カリシウム・パントセネート 2.00 ピロキシジンHCl 2.25 水 1リッターまで適量 微量元素混合物は以下の成分からなる: G 1)FeCl3・gH2O 3 2)Na2MoO4・2H2O 2 3)ZnSO4・7H2O 8 MnSO4・H2O 3 CuSO4・5H2O 6 水を適量加え1リッターにする。
接種後、70%セレロース(cerelose)溶液を発酵槽に
増加的に送り込み、細胞の比増殖速度を約u=0.15に保
持した。該発酵槽は温度20℃に維持し、pHを調整した。
高濃度のコーン浸液(12g/l)を除いては、該生産培
地の組成は第1段階シード培地と同じであった。温度を
21℃に維持し、pHを8N KOHで5に調整した初期の15時間
の間の250L/分での通気を300L/分に上げた。初期の15時
間の間の150r.p.m.での撹拌を200r.p.m.に上げた。70%
セレロース、7%硫酸アンモニウムの滅菌溶液を発酵槽
に増加的に送り込んだ。細胞の比増殖速度を約0.1にて
調整した。セレロース30kgを発酵槽に送り込んだ後、細
胞を採取した。該細胞は約1000μg/gのアスタキサンチ
ンを有した。
アスタキサンチン生合成の強化 さらには、アンチマイシンまたは第1呼吸鎖の別の阻
害剤をファフィア・ロドジマ細胞に加え、該細胞を光に
照射した場合、酵母のアスタキサンチン含量がかなり増
加することが判明した。この現象の基礎をなす機構は理
解されていないが、第1の呼吸経路が阻害されると、光
がアスタキサンチン生産をかなり刺激する作用を有する
第2の呼吸(酸化)経路の誘因として作用すると仮説す
ることができる。したがって、本発明は、代謝経路阻害
剤の存在下にて第2呼吸経路を刺激しながら酵母を増殖
させることからなる、酵母のアスタキサンチンまたは他
のカロチノイド含量を増加させる方法を包含する。第2
の呼吸経路は、光、ストレスを引き起こすことが公知の
ある種の環境条件、栄養素等の影響により刺激すること
ができる。しかしながら、本発明は上記仮説により制限
されるものではない。
前記の呼吸鎖阻害剤と第2呼吸経路の開始とを組み合
わせることによりアスタキサンチン生合成の強化が誘発
されることが、以下の実験からわかるであろう。
実施例9 使用するピー・ロドジマ株は、天然の単離体、UCD−F
ST−67−385(ファフら(Phaff et al.),1972;ミラー
ら(Miller et al.),1976)、前記使用の突然変異体An
t−1−4、および株18−13−6、エチルメタンスルホ
ネート(EMS)突然変異誘発操作に従って得られたアス
タキサンチン増加突然変異体(YM寒天にて単離)であっ
た。該株を温度調節したインキュベーター/シェーカー
(エンビロン−シェーカー モデル3597(Environ−Sha
ker Model),Lab−Line Instruments,Inc.,Melrose Par
k,IL)中、前記(アンら,1989)と同様に、酵母エキス
/麦芽エキス/ペプトン/グルコース培地(YM培地、Di
fco Co.,Detroit,MI)にて培養させた。洗浄細胞懸濁液
の光学密度(660nm)を測定することにより増殖度を決
定した;1mgの乾燥細胞重量/mlがO.D.1.35に相当する。
フラスコ培地表面から20〜40cmを保持した2本のシル
バニア20ワット・クールホワイト蛍光灯(Sylvania 20
watt Coolwhite)を用いて光を照射した。フラスコに活
性的に増殖する酵母約102〜106個の細胞を接種した。対
照の暗所の場合、フラスコをアルミニウムホイールでラ
ップした。不溶性の化学物質が培地中に含まれている場
合、それらをまず、酵母増殖または色素形成に影響を与
えない少量のエタノールに溶かした。
カロチノイド抽出および分析 抽出前、ピー・ロドジマをフラスコ中にて5日間培養
した。酵母を遠心分離法により液体培地より採取した。
該酵母細胞を蒸留水に懸濁させ、水で洗浄し、抽出し、
前記(アンら,1989)と同様にして薄層クロマトグラフ
ィーおよび吸収分光分析法によりカロチノイドについお
て分析した。
第2呼吸経路刺激のカロチノイド生産の増加 ピー・ロドジマ天然単離物、UCD−FST−67−385およ
びそのアンチマイシン感性突然変異体、Ant−1−4お
よび18−13−6の表面から20cmに位置する2本の20ワッ
トの蛍光球の影響を研究した。
各培養物を、(a)合計30時間の暗さ(以下、暗所と
いう)、(b)アンチマイシン0.2μMと一緒に合計の
暗さ(接種の際にアンチマイシンを導入)(以下、暗所
/アンチマイシンという)の条件下、および実験に約30
時間から実験に約60時間まで培養物を光にさらす以外、
(a)および(b)と同様の条件(c)および(d)下
(以下、明所および明所/アンチマイシンという)にて
増殖させた。
より多量のシス−アスタキサンチンとより少量のカロ
チン濃度が明所増殖細胞にて存在することが解った以
外、色素抽出および特性は、該色素が組成において定性
的に同様であることを示した。
酵母分析は、明所/アンチマイシンのピー・ロドジマ
UCD−FST−67−385のカロチノイド含量が、暗所、暗所
/アンチマイシンまたはこの天然単離物の明所培養物の
いずれに対しても2倍まで増加していることを示した
(表1)。表2は、アンチマイシン感受性である突然変
異体18−13−6が、明所培養物よりもアンチマイシン/
明所において、カロチノイド含量の2倍増加を引き起こ
すことを示している。
上記結果から解るように、天然およびアスタキサンチ
ン増加ピー・ロドジマの増殖およびカロチノイド形成
は、光によって明らかに影響を受けている。天然単離
体、UCD−FST−67−385、およびそのアンチマイシン感
受性突然変異体Ant−1−4および18−13−6は、各
々、より良好に増殖し、暗所においても色素形成を増加
させたが、光による影響とは違っていた。
食品および色素源としてのファフィア 採取した細胞は、機械的または手動手段またはその組
み合わせを用いて粉砕するか、または破壊し、全栄養飼
料の一部としてサケ科の魚に与えることができる。熱お
よび空気に対する粉砕または破壊した酵母のアスタキサ
ンチンの安定性を増加させるために、食品分野において
通常用いられる保護コーティングまたはマトリックス、
例えば、天然ガムを使用することが好ましい。
食品補助剤としてピー・ロドジマを、ニジマス(サル
モ・ガイルドネリ(Salmo fairdneri)、アメリカ・ロ
ブスター、コリンウズラ(Coturnix quail)および産卵
鶏に使用する例が、デービス(Davis)でのカリフォル
ニア大学、共同発明者であるジョンソン(Johnson)の
修士論文、表題「酵母ファフィア・ロドジマによるアス
タキサンチン生産およびその動物飼料における色素源と
しての使用」(ここに提出したコピー)に記載されてい
る。
本発明に従って得られた酵母における、乾燥基準での
細胞単位当たりの高アスタキサンチン含量の結果とし
て、色素形成を誘発するのに用いられる酵母量は、実質
的に減少させることができる。
前記具体例のデザインまたは操作において、該発明方
法を種々の操作要求に適合させるように変形してもよ
く、それらはすべて、本発明の範囲および精神の範囲内
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12R 1:645) (72)発明者 ホ,コーク・ピイ アメリカ合衆国メリーランド州21044、 コロンビア、テイルコート・ウェイ 10343番 (72)発明者 ホール,ウイリアム・ティー アメリカ合衆国メリーランド州20853、 ロックビル、ノアベック・ロード4704番 (72)発明者 ヤン,フェイ―シュン アメリカ合衆国メリーランド州20853、 ロックビル、グレンモア・テラス2287番 (72)発明者 ゲルディアイ―タンサー,ベリル アメリカ合衆国メリーランド州20740、 カレッジ・パーク、アパートメント・ナ ンバー 302、ロウォルト・ドライブ 4325番 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 23/00 C12N 1/16 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンチマイシンA、ツニカマイシンおよび
    ニスタチンからなる群より選択される抗生物質、チトク
    ロームB阻害剤またはテルペノイド合成経路阻害剤含有
    の栄養培地において、ファフィア属の微生物を培養する
    ことからなることを特徴とする高アスタキサンチン含量
    を有する酵母の生産方法。
  2. 【請求項2】チトクロームB阻害剤がアンチマイシンA
    および2−n−ヘプチル−4−ヒドロキシ−キノリン−
    N−オキシドからなる群より選択される請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】テルペノイド合成経路阻害剤がメバロン酸
    ラクトンである請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】培地中のアンチマイシンA、ツニカマイシ
    ンおよびニスタチンからなる群より選択される抗生物質
    またはテルペノイド合成経路阻害剤の濃度が1μMと10
    0μMの間にある請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】ファフィア属の微生物を形態学的選択の
    前、後、または前後のいずれかにて突然変異誘発に付す
    請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】採取酵母におけるアスタキサンチンが、酵
    母細胞の乾燥重量に基づき、1000ppmまたはそれ以上で
    ある請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】ファフィア属と同定される特徴を有する酵
    母であって、アンチマイシンA、ツニカマイシンおよび
    ニスタチンからなる群より選択される抗生物質またはテ
    ルペノイド合成経路阻害剤含有の栄養培地において培養
    した、天然のファフィア属の、または天然ファフィア属
    の突然変異体の少なくとも1回の形態学的選択工程によ
    って得られることを特徴とする酵母。
  8. 【請求項8】サケ科の魚の身または皮、家禽の肉または
    卵黄の色素形成を増加させるに十分な量の粉砕した形の
    請求項1記載の方法により得られる酵母を、該サケ科の
    魚または家禽に与えることを特徴とするサケ科の魚の身
    またはその皮、家禽の肉または卵黄の色素形成を増加さ
    せる方法。
  9. 【請求項9】アンチマイシンA、ツニカマイシンおよび
    ニスタチンからなる群より選択される抗生物質、チトク
    ロームB阻害剤またはテルペノイド合成経路阻害剤含有
    の栄養培地において、ファフィア属の微生物を1回また
    はそれ以上培養し、生存している色素形成増加を示す微
    生物を培養し、培養した酵母を採取し、アスタキサンチ
    ンを抽出することからなることを特徴とするアスタキサ
    ンチンのインビボ生産方法。
  10. 【請求項10】さらに、アンチマイシンA、ツニカマイ
    シンおよびニスタチンからなる群より選択される抗生物
    質、チトクロームB阻害剤またはテルペノイド合成経路
    阻害剤含有の栄養培地において、該培養のうちのいずれ
    かの培養の前または後のいずれかにて、ファフィア属の
    微生物を少なくとも1回、突然変異に付すことからなる
    請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】第2呼吸(酸化)経路を作動させる影響
    の下、チトクロームB阻害剤の存在下にて該酵母を増殖
    させることからなる高アスタキサンチン含量を有する酵
    母の生産方法。
  12. 【請求項12】チトクロームB阻害剤がアンチマイシン
    Aである請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】チトクロームB阻害剤の存在下で、第2
    呼吸(酸化)経路を作動させる薬剤の存在下または環境
    条件の影響下にて、請求項1において得られた酵母を増
    殖させることからなる高アスタキサンチン含量を有する
    酵母の生産方法。
  14. 【請求項14】チトクロームB阻害剤の存在下で、第2
    呼吸(酸化)経路を作動させる薬剤の存在下または環境
    条件の影響下にて、酵母を増殖させることによって別の
    オキシダーゼ系を包含することからなる高アスタキサン
    チン含量を有するピー・ロドジマ属の酵母の生産方法。
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