JP2880374B2 - 光ディスク装置のフォーカス制御装置 - Google Patents

光ディスク装置のフォーカス制御装置

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JP2880374B2
JP2880374B2 JP15244793A JP15244793A JP2880374B2 JP 2880374 B2 JP2880374 B2 JP 2880374B2 JP 15244793 A JP15244793 A JP 15244793A JP 15244793 A JP15244793 A JP 15244793A JP 2880374 B2 JP2880374 B2 JP 2880374B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスク装置のフォ
ーカス制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ディスク装置においては、情報の記録
・再生に際して光ビームを光ディスクの記録面に対して
常に良好な集束状態に保つ必要がある。このため、フォ
ーカス(あるいはフォーカシング)サーボが行われる。
【0003】図16は従来の光ディスク装置における、
フォーカス制御装置の一例である。
【0004】光ピックアップ1は光ディスク2の記録面
2A上に光ビーム3をレンズ4を通して集束光として照
射し、情報の記録再生を行う。また、光ピックアップ1
は光ディスク2から反射された光に基づき、その内部の
図示しない光学系から得られる信号を誤差信号生成回路
5に送り、誤差信号生成回路5はこれに従って光ビーム
3の集束位置3Aと光ディスク2の記録面2Aとの垂直
方向のずれ量を示すフォーカス誤差信号FESや、光デ
ィスク2の記録面2A上に刻まれた図示しないトラック
と光ビーム3との、光ディスク2の半径方向のずれ量を
示すトラッキング誤差信号TESなどを生成する。
【0005】フォーカス誤差信号FESは位相補償回路
6、スイッチ7、およびドライバー8を経て光ピックア
ップ1内のフォーカスアクチュエーター9に加えられ、
フォーカスアクチュエーター9はレンズ4を光ディスク
2の記録面2Aに垂直な方向に駆動して光ビーム3の集
束位置3Aを変化させる。フォーカスサーチ回路10
は、後述するフォーカスサーチのためにフォーカスアク
チュエーター9を駆動させる。コントローラー11はフ
ォーカス誤差信号FESを観測すると共に、このフォー
カス制御装置全体の管理・制御を行う。
【0006】次に、光ディスク2の記録面2Aと光ビー
ム3の集束位置3Aとのずれ量と、フォーカス誤差信号
FESとの関係について説明する。図17は、光ディス
ク2の記録面2Aと光ビーム3の集束位置3Aとのずれ
量Δxを横軸に、光ピックアップ1内部の光学系と誤差
信号生成回路5により生成されるフォーカス誤差信号F
ESの振幅を縦軸に表したグラフである。
【0007】図17の原点は記録面2Aと集束位置3A
が一致したジャストフォーカス点であり、これより左側
は記録面2Aに対して集束位置3Aが遠い領域FARで
あり、右側は近い領域NEARである。この図より、フ
ォーカス誤差信号FESは、光ディスク2の記録面2A
と光ビーム3の集束位置3Aとの距離に応じて、極性お
よび大きさを有する信号であることが分かる。
【0008】したがって、図16のフォーカス制御装置
において、誤差信号生成回路5が出力するフォーカス誤
差信号FESが図17のような極性を有しており、位相
補償回路6にプラスの信号を加えたとき、フォーカスア
クチュエーター9を介してレンズ4を光ディスク2から
遠ざける方向に駆動するように構成されていたとすれ
ば、集束位置3Aが常に光ディスク2の記録面2Aの近
傍にあるように制御できる。
【0009】しかし、上述のように有意なフォーカス誤
差信号FESが得られるのは、ジャストフォーカス点を
基準にして遠近方向共にせいぜい数十ミクロンであり、
この範囲を越えた言わばアウトフォーカス状態ではフォ
ーカス誤差信号FESは光ビーム3の集束位置3Aによ
らずほぼ0となる。このため、集束位置3Aと記録面2
Aとの位置関係が不明確なものとなり、フォーカス制御
を実行できない。言い換えれば、フォーカスサーボを働
かせる場合、光ビーム3の集束位置3Aがジャストフォ
ーカス点から数十ミクロン以内にある必要がある。
【0010】ところが、フォーカスサーボを開始しよう
とするときに、光ビーム3の集束位置3Aがこの範囲内
にあることは希である。このため、通常、フォーカスサ
ーボを開始する前に、有意なフォーカス誤差信号FES
が得られる範囲を探すフォーカスサーチが行われる。
【0011】図16において、コントローラー11はス
イッチ7を端子A側に切り替え、フォーカスサーチ回路
10の出力をドライバー8に供給し、フォーカスアクチ
ュエーター9を駆動してレンズ4の位置を光ディスク2
の記録面2Aに垂直な方向に大きく動かす。このとき、
フォーカスサーチ回路10の出力が例えば三角波や正弦
波のように時間的に変化するものであったとすれば、レ
ンズ4は遠くから近くへ、または近くから遠くへと移動
させられるので、フォーカス誤差信号FESは図18に
示すように、変化する。
【0012】フォーカス誤差信号FESがプラス(また
はマイナス)のピークから逆極性のマイナス(またはプ
ラス)のピークに至る間、つまり有意なフォーカス誤差
信号FESのゼロクロス点は、先の図17で説明したジ
ャストフォーカス点であるので、コントローラー11は
このフォーカス誤差信号FESのゼロクロス点あるい
は、この付近でスイッチ7を端子B側に切り替えてフォ
ーカスサーボを開始させる。フォーカスサーチからフォ
ーカスサーボに切り替える一連の手順は、一般にフォー
カス引き込みと呼ばれている。
【0013】光ディスク2の反りおよび、光ピックアッ
プ1またはフォーカスアクチュエーター9の機械的誤差
の合計は、数百ミクロンと見積もられる。このため、フ
ォーカスサーチ回路10から出力される信号の振幅は、
フォーカスアクチュエーター9(およびレンズ4)が少
なくともこの公差分以上動くだけのレベルに設定され
る。これにより、フォーカスサーチ中に必ず有意なフォ
ーカス誤差信号FESが得られる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フォーカス
引き込みに要する時間を短縮しようとすれば、このフォ
ーカスサーチ回路10からの出力信号の周波数を高める
ことにより、時間当たりの、フォーカス誤差信号FES
のゼロクロス点すなわち引き込み可能点を通過する頻度
を多くすることがまず考えられる。
【0015】しかしながら、この場合以下のような問題
点を有している。
【0016】フォーカス引き込みが可能な範囲は、ジャ
ストフォーカス点前後の数十ミクロンであり、したがっ
て、フォーカスサーチ時の数百ミクロンの動きに比べれ
ば数パーセントから高々10〜20パーセント程度に過
ぎない。このため、コントローラー11がフォーカス誤
差信号FESのゼロクロス点でスイッチ7を端子B側に
切り替えたとしても、フォーカスサーチ中にレンズ4な
どの可動部品がフォーカスアクチュエーター9から得た
運動量が大きければ、ジャストフォーカス点前後数十ミ
クロンの範囲内でレンズ4の過渡的な動きを食い止める
ことはできず、アウトフォーカス状態になってしまう。
したがって、光ビーム3の集束位置3Aと光ディスク2
の記録面2Aとの位置関係は不明となり、フォーカス引
き込みは失敗する。
【0017】フォーカスサーチ回路10の出力信号の振
幅や周波数が高まると、フォーカス引き込みが失敗しや
すくなる。また、光ディスク2の回転によりその記録面
2Aが面に垂直な方向に振れる、いわゆる面振れのた
め、記録面2Aとレンズ4との相対速度が増加するの
で、フォーカス引き込みがさらに失敗しやすくなる。
【0018】本発明の目的は、フォーカス引き込みを、
確実、かつ高精度に行うことができる光ディスク装置の
フォーカス制御装置を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る光
ディスク装置のフォーカス制御装置は、上記の課題を解
決するために、光ビームを光ディスクにフォーカスさせ
るように、光ビームを光ディスクに集束させるための
ンズの位置を制御する光ディスク装置のフォーカス制御
装置において、光ビームを光ディスクに照射したときに
得られる光ディスクからの反射光または光ディスクの透
過光の光量が所定値よりも小さいときにのみ、光ビーム
を光ディスクにフォーカスさせる位置にレンズを移動さ
せるためのオフセット信号を、上記反射光または透過光
の光量と上記所定値との差に応じて発生する電圧発生手
段と、フォーカス誤差信号にオフセット信号を加算する
加算器とが備えられており、加算器の出力に応じてレン
ズの位置を制御することを特徴としている。
【0020】請求項2の発明に係る光ディスク装置のフ
ォーカス制御装置は、上記の課題を解決するために、請
求項1の発明に係る光ディスク装置のフォーカス制御装
置であって、電圧発生手段は、フォーカス誤差信号が第
1基準電圧より大きいか、第2基準電圧より小さいかを
判別する判別手段と、光ディスクからの反射光または光
ディスクの透過光の光量が所定値よりも小さいときにの
み、反射光または透過光の光量と所定値との差に応じた
電圧を発生する電圧発生源と、電圧発生源からの電圧の
極性を判別結果に応じて非反転または反転させてオフセ
ット信号として出力する極性切り替え手段から構成され
ており、フォーカスサーチ開始に際して、その発生する
信号の極性を確定させることを特徴としている。
【0021】請求項3の発明に係る光ディスク装置のフ
ォーカス制御装置は、上記の課題を解決するために、請
求項1の発明に係る光ディスク装置のフォーカス制御装
置であって、電圧発生手段は、フォーカス誤差信号が第
3基準電圧を低い方から高い方に交差したか、高い方
低い方へ交差したかを判別する判別手段と、光ディス
クからの反射光または光ディスクの透過光の光量が所定
値よりも小さいときにのみ、反射光または透過光の光量
と所定値との差に応じた電圧を発生する電圧発生源と、
電圧発生源からの電圧の極性を判別結果に応じて非反転
または反転させてオフセット信号として出力する極性切
り替え手段から構成されており、上記光ディスクからの
反射光または透過光の光量が予め定める値以上である場
合にのみ、上記判別手段による判別を行うことを特徴と
している。
【0022】
【作用】請求項1の構成によれば、光ビームを光ディス
クにフォーカスさせる位置にレンズを移動させるオフセ
ット信号が電圧発生手段から出力される。このため、フ
ォーカス制御の際、フォーカス引き込みの失敗が起こら
なくなる。しかも、調整箇所がないため、容易に信頼性
の高いフォーカス制御装置を実現できる。また、上記オ
フセット信号は、光ディスクからの反射光または光ディ
スクの透過光の光量が所定値よりも小さいときにのみ
その差に応じて出力されるので、光ビームが光ディスク
にフォーカスしているときには出力されない。つまり、
光ビームが光ディスクにフォーカスしているときには、
加算器から元のフォーカス誤差信号が出力される。した
がって、高精度のフォーカス制御を実現できる。
【0023】請求項2の構成によれば、請求項1の作用
に加え、フォーカス制御装置の電圧発生手段を簡単な構
成で実現することができるとともに、オフセット信号の
初期値として適切な値を選択することができる。
【0024】請求項3の構成によれば、請求項1の作用
に加え、フォーカス制御装置の電圧発生手段を簡単な構
成で実現することができるとともに、オフセット信号の
極性の判別・決定を、より信頼性高く行うことができ
る。
【0025】
【実施例】本発明は、有意なフォーカス誤差信号FES
が得られるジャストフォーカス点近傍からアウトフォー
カス状態に至るまでの間の反射光量信号TOTALの変
化の仕方に注目したものである。図1にこのフォーカス
誤差信号FESと反射光量信号TOTALの関係の一般
的な例を示すが、有意なフォーカス誤差信号FESが得
られるジャストフォーカス点近傍の領域では、光ディス
ク記録面上のトラックやあるいは光ピックアップ内部の
光学系などの影響を受けて若干の変動は有るものの、総
じて反射光量信号TOTALのレベルは高い。この領域
では、フォーカス誤差信号FESはジャストフォーカス
点からのずれを、その方向も含めて明確に示す信号なの
で、フォーカスアクチュエーターなどのサーボ手段をジ
ャストフォーカス点方向に向けて正しく駆動することが
できる。また一方、アウトフォーカス状態においてはフ
ォーカス誤差信号FESはほぼ0になってしまい、ジャ
ストフォーカス点からのずれの方向を示すことができな
いこともすでに説明した通りである。
【0026】ところが、反射光量信号TOTALに注目
すると、ジャストフォーカス点近傍からアウトフォーカ
ス状態に至るにつれて、フォーカス誤差信号FESが0
に漸近するのと同様次第に減少する。したがって、図2
(b)のように、反射光量信号TOTALがある基準値
VTを下回ったら、その下回った分自体を電気的な回路
で求め、フォーカスアクチュエーターをジャストフォー
カス点に向けて駆動させる信号TDIF(同図(c))
として使うことが出来るはずである。ただし、反射光量
信号TOTALのレベルが基準値VT以上の時は、信号
TDIFを0にしておく。
【0027】無論、アウトフォーカスの方向に応じてこ
の信号TDIFの極性は切り替える必要があるが、これ
はジャストフォーカス点近傍からアウトフォーカス状態
に至るまでにフォーカス誤差信号FESのプラス・マイ
ナスいずれのピーク、またはいずれの方向のゼロクロス
が出現したかを検出・記憶しておけば容易に行え、これ
にしたがって信号TDIFの極性を切り替えると、オフ
セット信号VOFF(同図(d))が得られる。これを
フォーカス誤差信号FES(同図(a))に加算する
と、アウトフォーカス状態でもフォーカスアクチュエー
ターを常にジャストフォーカス点に向けて駆動する極性
を有する信号FES’(同図(e))が得られる。
【0028】一方、反射光量信号TOTALのレベルが
基準値VT以上のとき、すなわち、ジャストフォーカス
点近傍ではフォーカス誤差信号FESが明確に得られる
のでオフセット信号VOFFを加える必要は無く、むし
ろオフセット信号VOFFを加えるとこれはフォーカス
サーボをジャストフォーカス点からずれた位置で行わせ
る外乱として作用する恐れがある。したがって、反射光
量信号TOTALが基準値VTを下回ったときだけその
差を信号TDIFとして出力するような回路を構成すれ
ば、オフセット信号VOFFはアウトフォーカス状態で
はフォーカスアクチュエーターをジャストフォーカス点
に向けて駆動する信号となり、かつジャストフォーカス
点近傍ではフォーカスサーボを妨げないよう0となるの
で、これらの問題点は一挙に解決することになる。
【0029】本発明は以上のような原理と考察に基づい
て行われたものである。
【0030】本発明の第1実施例を図3から図8までを
参照しながら説明する。図3は本発明の一実施例たる光
ディスク装置におけるフォーカス制御装置の構成図であ
り、従来の例としてすでに図16で説明したものと同一
の部分については同一の番号を付して説明を略する。
【0031】図3において、フォーカス誤差信号FES
は誤差方向検出回路20(判別手段)に与えられ、フォ
ーカス誤差信号FESがあるプラスの基準電圧+VF1
よりもプラスとなったときに信号OVERを記憶回路3
0(判別手段)に出力し、フォーカス誤差信号FESが
あるマイナスの基準電圧−VF2よりもマイナスとなっ
たときに信号UNDERを記憶回路30に出力する。
【0032】記憶回路30はこの誤差方向検出回路20
からの信号OVERによって信号+SELを出力し、信
号UNDERによって信号−SELを出力する。なお、
これら誤差方向検出回路20からの信号OVERとUN
DERが同時に出力されるようなことは、フォーカス誤
差信号FESが同時にプラス・マイナスの電圧を示すよ
うなことが決してないので当然有り得ず、したがってこ
れら信号+SELと−SELが同時に出力されることも
ない。
【0033】一方、光ディスク2から反射されて光ピッ
クアップ1に戻った光の光量は、その内部の図示しない
光学系や光検出器により光電流として光量信号生成回路
70(電圧発生源)に供給され、反射光量信号TOTA
Lとして光量差検出回路40(電圧発生源)に与えられ
る。
【0034】光量差検出回路40は光量信号の基準値V
Tを示す電圧源41と、この反射光量信号TOTALと
を比較し、反射光量信号TOTALが基準値VT以下の
時はその差(基準値VT−反射光量信号TOTAL)を
信号TDIFとして出力し、反射光量信号TOTALが
基準値VTを上回る時は0(V)を信号TDIFとして
出力する。なお、ここでは信号TDIFは上記の説明に
したがってマイナスにならないものとする。
【0035】極性切り替え回路50(極性切り替え手
段)は、記憶回路30から信号+SELが出力されてい
るとき、信号TDIFをそのままオフセット信号VOF
Fとして出力し、信号−SELが出力されているとき、
信号TDIFの極性を反転させてオフセット信号VOF
Fとして出力する。ここでは、信号+SELも−SEL
も与えられていないときは、いずれの極性のオフセット
信号VOFFも出力しないものとするが、後の動作説明
で明らかになるように、いずれの極性のオフセット信号
VOFFを出力してもよい。
【0036】極性切り替え回路50からのオフセット信
号VOFFは加算アンプ60(加算器)に送られ、フォ
ーカス誤差信号FESと加算される。加算アンプ60の
出力信号FES’は位相補償回路6を経てスイッチ7の
端子B側から共通端子Cを通りフォーカスアクチュエー
ター9を駆動しレンズ4を動かして光ビーム3の集束位
置3Aを変化させる。スイッチ7の端子A側にはフォー
カスサーチ回路10が接続されている。
【0037】なお、フォーカス誤差信号FESは先の従
来技術の説明で用いた図17と同様、光ビーム3の集束
位置3Aがジャストフォーカス点より遠い場合にフォー
カス誤差信号FESはマイナス、近い場合にプラスにな
るとし、これに合わせてフォーカスアクチュエーター9
の極性はフォーカス誤差信号FESがプラスの時に光ビ
ーム3の集束位置3Aを光ディスク2の記録面2Aから
遠ざける方向に、フォーカス誤差信号FESがマイナス
の時は近づける方向に駆動されるようになっている。
【0038】続いて、誤差方向検出回路20、記憶回路
30、光量差検出回路40、および極性切り替え回路5
0についてさらに詳しく説明する。
【0039】誤差方向検出回路20は図4に示すよう
に、コンパレーター201と202、及びそれぞれプラ
ス、マイナスの基準電圧+VF1、−VF2を発生する
電圧源203、204とで構成されている。コンパレー
ター201の非反転入力とコンパレーター202の反転
入力にはフォーカス誤差信号FESが共通に与えられ
る。またこれらコンパレーター201、202の他方の
入力にはそれぞれ電圧源203、204からの基準電圧
+VF1、−VF2が入力されており、フォーカス誤差
信号FESが基準電圧+VF1よりプラスになるとコン
パレーター201から信号OVERが出力され、フォー
カス誤差信号FESが基準電圧−VF2よりマイナスに
なるとコンパレーター202から信号UNDERが出力
される。
【0040】次に記憶回路30の構成例を図5に示す。
記憶回路30は、NORゲート301、302によるR
Sフリップフロップ31で構成される。
【0041】論理「H」レベルの信号OVERが与えら
れると、RSフリップフロップ31の出力+Qが「H」
レベルになり、出力−Qが「L」レベルになる。逆に信
号UNDERが与えられると、RSフリップフロップ3
1の出力+Qが「L」レベルになり、出力−Qが「H」
レベルになり、互いに他方の入力が与えられるまでその
状態を保持する。これら出力+Q、−Qはそれぞれ信号
+SEL、−SELとして出力される。
【0042】光量差検出回路40は、図6に示すよう
に、差動アンプ401、ダイオードD1、抵抗R1、バ
ッファアンプ402から構成されている。
【0043】差動アンプ401は、電圧源41が発生す
る電圧値、すなわち、光量信号の基準値VTと反射光量
信号TOTALとの差、(基準値VT−反射光量信号T
OTAL)を求めて出力するが、その出力にはダイオー
ドD1が接続されているので、(基準値VT−反射光量
信号TOTAL)>0のときだけ抵抗R1の両端にこの
電圧が現れ、(基準値VT−反射光量信号TOTAL)
≦0のときには電圧は現れず0になる。なお、(基準値
VT−反射光量信号TOTAL)>0のときに、信号T
DIFに含まれる、ダイオードD1の順方向電圧降下
(およそ0.7V)の誤差を考慮する場合、基準値VT
をその分だけ高く設定するなどの手法でこの誤差を回避
すれば良い。
【0044】今度は極性切り替え回路50の構成を図7
で説明する。極性切り替え回路50は非反転アンプ50
1、反転アンプ502、スイッチ503および504で
構成されている。論理「H」レベルの信号+SELが入
力されたときにはスイッチ503がオンになるので、信
号TDIFがそのままオフセット信号VOFFとして出
力され、信号−SELが入力されたときにはスイッチ5
04がオンになるので、信号TDIFが極性を反転させ
られた後、オフセット信号VOFFとして出力される。
信号+SEL、−SELが両方とも入力されないとき、
すなわち、どちらも論理「L」レベルのときには、スイ
ッチ503、504が両方ともオフになり、オフセット
信号VOFFは出力されない。
【0045】次に本実施例におけるフォーカス制御装置
のフォーカス引き込みについて、図3および図8を主に
参照しながら説明する。フォーカス引き込みに先立つフ
ォーカスサーチに際して、コントローラー11はスイッ
チ7を端子A側に切り替え、フォーカスサーチ回路10
からの信号をドライバー8に供給し、フォーカスアクチ
ュエーター9(及びレンズ4)を駆動させる。
【0046】フォーカスアクチュエーター9(及びレン
ズ4)の駆動中、光ビーム3の集束位置3Aが光ディス
ク2の記録面2Aと一致するジャストフォーカス点前後
に達する度に、図8(a)のようなフォーカス誤差信号
FESが得られる。このとき、レンズ4が光ディスク2
に対して遠い方から近づくか、あるいは近い方から遠ざ
かるかに応じて、フォーカス誤差信号FESのプラス・
マイナスいずれのピークが先に現れるかは異なるが、図
はフォーカスサーチをジャストフォーカス点より遠い方
から開始した場合を示している。
【0047】また、反射光量信号TOTALは、同図
(b)に示すように、ジャストフォーカス点近傍で高い
レベルとなる。
【0048】フォーカス誤差信号FESが基準電圧+V
F1よりもプラス側に大きいとき、同図(c)に示す信
号OVERが誤差方向検出回路20から出力され、フォ
ーカス誤差信号FESが基準電圧−VF2よりもマイナ
ス側に大きいとき、同図(d)に示す信号UNDERが
誤差方向検出回路20から出力される。記憶回路30の
出力信号+SELは、同図(e)に示すように、信号O
VERによりセットされ、信号UNDERによりリセッ
トされる。記憶回路30の出力信号−SELは、同図
(f)に示すように、信号UNDERによりセットさ
れ、信号OVERによりリセットされる。
【0049】記憶回路30の出力信号+SEL、−SE
Lは、動作開始時においていずれが論理「H」レベルで
あるか不定である。後述するオフセット信号VOFF、
信号FES’についても同様であるが、フォーカスサー
チ中の最初の信号OVER(あるいはUNDER)が入
力されたとき、これらはすべて確定する。
【0050】光量差検出回路40は、反射光量信号TO
TALが基準値VTを下回ったときだけ、反射光量信号
TOTALのレベルと基準値VTとの差を、同図(g)
に示すように、信号TDIFとして出力する。
【0051】極性切り替え回路50は、論理「H」レベ
ルの信号+SELが出力されているときには信号TDI
Fの極性をそのままにし、信号−SELが出力されてい
るときには反転させて、同図(h)に示すように、オフ
セット信号VOFFとして出力する。オフセット信号V
OFFは、先に述べたように、ジャストフォーカス点近
傍では信号+SEL、−SELの状態に依らず0となる
ので、ジャストフォーカス点近傍でのフォーカス引き込
み、あるいはフォーカスサーボには影響を与えない。一
方、アウトフォーカス状態においては0ではなく、その
方向に応じた極性の信号となる。
【0052】したがって、元のフォーカス誤差信号FE
S(同図(a))にオフセット信号VOFFが加算アン
プ60で加算された出力である信号FES’は、同図
(i)に示すように、ジャストフォーカス点近傍では元
のフォーカス誤差信号FESと同一であるが、アウトフ
ォーカス状態ではフォーカスアクチュエーター9をジャ
ストフォーカス点に向けて駆動するオフセット信号VO
FFとほぼ同一になる。
【0053】したがって、一旦スイッチ7を端子B側に
切り替えてフォーカスサーボを開始すれば、仮にジャス
トフォーカス点近傍を逸脱してアウトフォーカス状態に
到ったとしても、直ちにレンズ4(及び光ビーム3の集
束位置3A)はジャストフォーカス点近傍に戻されるた
め、フォーカス引き込みの失敗は結果的に生じない。
【0054】本発明の第2実施例を図9および図10を
参照しながら説明する。なお、説明の便宜上、前記の実
施例の図面に示した部材と同一の機能を有する部材に
は、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0055】本実施例のフォーカス制御装置では、記憶
回路30が前記実施例と異なっている。記憶回路30
は、図10に示すように、3入力のNORゲート30
3、304からなるRSフリップフロップ32で構成さ
れている。
【0056】信号OVER及び信号UNDERによる出
力信号+SEL及び−SELの変化は、前記実施例と同
様であるが、本実施例では、RSフリップフロップ32
を構成するNORゲート303、304が3入力のもの
であり、これらの入力の一つずつに図9に示すようにそ
れぞれ信号SET、RESETがコントローラー11か
ら入力されている。
【0057】前記実施例の記憶回路30では、動作開始
時に信号+SEL、−SELのいずれが論理「H」レベ
ルであるかは不定であり、最初に信号OVER(あるい
はUNDER)が入力された時点でこれが確定する。こ
の時点以降、フォーカス誤差信号FESに加算されるオ
フセット信号VOFFは、常にレンズ4(及び光ビーム
3の集束位置3A)をアウトフォーカス状態からジャス
トフォーカス点近傍に引き戻す正しい極性となる。
【0058】しかし、本実施例の記憶回路30では、コ
ントローラー11がフォーカスサーチに先立って論理
「H」レベルの信号SET(あるいはRESET)を一
瞬でも送出しておけば、信号+SEL、−SELのレベ
ル、ひいてはフォーカス誤差信号FESに加算されるオ
フセット信号VOFFの極性も確定させることができ
る。
【0059】この信号SET、RESETの入力を記憶
回路30が有することで、図9のフォーカス制御装置に
おけるフォーカス引き込みは前記実施例よりも簡略化す
る。
【0060】例えば、コントローラー11がスイッチ7
を端子A側に切り替えると共に、フォーカスサーチ回路
10を制御してフォーカスアクチュエーター9を駆動
し、レンズ4を光ディスク2より充分に遠ざけた位置
(遠い領域FAR側のアウトフォーカス状態)に移動さ
せておいたとする。ここで記憶回路30に信号RESE
Tを一瞬送出し、初期状態として信号−SELを出力す
る状態にしておけば、フォーカスアクチュエーター9
(及びレンズ4、光ビーム3の集束位置3A)をジャス
トフォーカス点に向けて移動させる極性(すなわちマイ
ナス)のオフセット信号VOFFが極性切り替え回路5
0から出力される。したがって、スイッチ7を端子B側
に切り替えるだけで、レンズ4(及び光ビーム3の集束
位置3A)は自動的にジャストフォーカス点近傍に位置
決めされることになるので、コントローラー11は別段
他に処理を行わなくともフォーカス引き込みは完了す
る。また、すでに何度も述べたようにジャストフォーカ
ス点近傍ではオフセット信号VOFFは自動的に0にな
るので、オフセット信号VOFFはジャストフォーカス
点近傍におけるフォーカスサーボに何ら影響を与えな
い。
【0061】前記実施例では、オフセット信号VOFF
の極性を確定させるためにフォーカスサーチ回路10は
フォーカスアクチュエーター9を少なくとも一度はジャ
ストフォーカス点近傍まで駆動する必要があり、このた
め正弦波や三角波など時間的に変化する信号を発生する
電圧源が必要であった。しかし本実施例においては上記
のフォーカス引き込みの手順より明らかなように、フォ
ーカスサーチ回路10は単にフォーカスアクチュエータ
ー9を駆動してレンズ4を光ディスク2から充分遠ざけ
るだけの直流電圧源を備えるだけでよい。
【0062】本発明の第3実施例を図11ないし図13
を参照しながら説明する。なお、説明の便宜上、前記の
実施例の図面に示した部材と同一の機能を有する部材に
は、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0063】本実施例のフォーカス制御装置では、誤差
方向検出回路20が前記第1および第2実施例と異なっ
ている。誤差方向検出回路20は、図11に示すよう
に、ヒステリシスコンパレーター205、ディレイライ
ン(遅延素子)206、NOTゲート207、ANDゲ
ート208、NORゲート209から構成されており、
ANDゲート208から信号OVERが出力され、NO
Rゲート209から信号UNDERが出力される。
【0064】アウトフォーカス状態において、光ビーム
3の集束位置3Aが光ディスク2の記録面2Aに近すぎ
るのか遠すぎるのか(領域NEAR側か領域FAR側
か)を知るために、前記実施例ではジャストフォーカス
点近傍からアウトフォーカス状態に至るまでに出現した
フォーカス誤差信号FESの極性を、基準電圧+VF
1、−VF2と比較し判定していた。
【0065】しかし、アウトフォーカス状態の方向の判
定は、フォーカス誤差信号FESのゼロクロス方向でも
行える。例えば図12に示すフォーカス誤差信号FES
において、初期状態で光ビーム3の集束位置3Aが図の
領域FAR側の点Aにあったとする。そして、集束位置
3Aが領域FARの点Aから領域NEARの点Bに移動
したとすると、フォーカス誤差信号FESはマイナスか
らプラスに向かってゼロクロスする。逆に、集束位置3
Aが領域NEARの点Bから領域FARの点Aに移動し
たとすると、フォーカス誤差信号FESはプラスからマ
イナスに向かってゼロクロスする。
【0066】本実施例の誤差方向検出回路20は、上記
の事実に基づいて、フォーカス誤差信号FESがマイナ
スからプラスに向かってゼロクロスしたことを検出する
と、フォーカス誤差信号FESがプラスのピークを経て
領域NEARのアウトフォーカス状態に至ると判断して
信号OVERを出力するようになっており、フォーカス
誤差信号FESがプラスからマイナスに向かってゼロク
ロスしたことを検出すると、フォーカス誤差信号FES
がマイナスのピークを経て領域FARのアウトフォーカ
ス状態に至ると判断して信号UNDERを出力するよう
になっている。
【0067】その動作を図13で説明する。同図(a)
で示したフォーカス誤差信号FESが入力された場合、
ヒステリシスコンパレーター205の出力信号FLVL
は、同図(b)に示すように、フォーカス誤差信号FE
Sがプラスからマイナスに向かってゼロクロスしたか、
マイナスからプラスに向かってゼロクロスしたかによ
り、論理「H」レベルまたは論理「L」レベルになる。
信号FLVL’は、信号FLVLをディレイライン20
6で時間tdだけ遅延させてからNOTゲート207で
反転させることにより得られる(同図(c))。信号O
VERは、ANDゲート208で信号FLVLとFLV
L’の論理積を求めることにより得られる(同図
(d))。信号UNDERは、NORゲート209で信
号FLVLとFLVL’の論理和の反転を求めることに
より得られる(同図(e))。
【0068】信号OVER、UNDERをフォーカス誤
差信号FESと比較すると、信号OVERは、フォーカ
ス誤差信号FESがマイナスからプラス向かってゼロク
ロスした時を示しており、信号UNDERは、フォーカ
ス誤差信号FESがプラスからマイナスに向かってゼロ
クロスした時を示していることが判る。なお、ヒステリ
シスコンパレーター205のヒステリシス電圧±VHに
より、フォーカス誤差信号FESがプラスからマイナス
に向かってゼロクロスした時点および、マイナスからプ
ラスに向かってゼロクロスした時点を確実に示すことが
できると共に、アウトフォーカス状態、すなわち、フォ
ーカス誤差信号FES≒0における誤動作を防止するこ
とができる。
【0069】前記第1および第2実施例の誤差方向検出
回路20では、フォーカス誤差信号FESが基準電圧+
VF1(あるいは−VF2)を越えたときに初めて信号
OVER(あるいはUNDER)の論理が確定し、記憶
回路30の出力信号+SEL、−SELの論理、オフセ
ット信号VOFFの極性も確定した。
【0070】これに対し、本実施例の誤差方向検出回路
20では、フォーカス誤差信号FESがゼロクロスした
ときに初めて信号OVER(あるいはUNDER)の論
理が確定し、記憶回路30の出力信号+SEL、−SE
Lの論理、オフセット信号VOFFの極性も確定する。
【0071】いずれにせよフォーカス引き込みを領域F
AR側から開始するか、領域NEAR側から開始するか
に応じて、コントローラー11が信号SETあるいはR
ESETを出力することにより、記憶回路30の初期状
態を決定すれば、フォーカス引き込みの初めからこれら
の信号OVER、UNDER、+SEL、−SEL、V
OFFの論理または極性を確定することができる。
【0072】このため、本実施例のフォーカス制御装置
においても、前記実施例と同様に、フォーカス引き込み
が行われる。
【0073】本発明の第4実施例を図14および図15
を参照しながら説明する。なお、説明の便宜上、前記の
実施例の図面に示した部材と同一の機能を有する部材に
は、同一の符号を付記し、その説明を省略する。
【0074】本実施例のフォーカス制御装置では、図1
4に示すように、誤差方向検出回路20が前記第1ない
し第3実施例と異なっている。誤差方向検出回路20
は、図15に示すように、第3実施例の誤差方向検出回
路20(図11)に、コンパレーター210、基準電圧
VJを発生する電圧源211、ANDゲート212、2
13を加えた構成になっている。
【0075】本実施例では、オフセット信号VOFFの
極性を定めるために使われるフォーカス誤差信号FES
のゼロクロス点の検出を、ジャストフォーカス点近傍で
のみ行うことにより、フォーカス誤差信号FESがほぼ
0となるアウトフォーカス状態での誤検出をさらに確実
に防いでいる。アウトフォーカス状態では、反射光量信
号TOTALは低いレベルとなるので、反射光量信号T
OTALをコンパレーター210で基準電圧VJと比較
することにより得られた信号TOTOKは論理「L」レ
ベルとなる。このとき、ANDゲート212、213は
その前段のANDゲート208およびNORゲート20
9からの出力を阻止し、信号OVERおよび信号UND
ERを出力しない。
【0076】したがって、本実施例の誤差方向検出回路
20は前記第3実施例の誤差方向検出回路20よりもフ
ォーカス誤差信号FESのゼロクロスを誤検出しにく
い。このため、オフセット信号VOFFの極性の決定を
より信頼性高く行うことができる。
【0077】以上の実施例では、フォーカス誤差信号F
ESは接地電位(0V)を基準電圧Vref (第3の基準
電圧)としてプラス側またはマイナス側に変化するとし
て説明したが、これに限る必要はない。例えば、+5V
の単一電源を使用する場合、0Vと+5Vの間の電圧
(例えば、+2.5V)をフォーカス誤差信号FESの
基準電圧Vref にする。このとき、フォーカス誤差信号
FESは基準電圧Vrefを中心に0Vから+5Vの範囲
で変化するから、基準電圧+VF1を基準電圧Vref
り大きいプラスの電圧に設定し、第2基準電圧−VF2
を基準電圧Vrefより小さいプラスの電圧に設定すれば
よい。
【0078】
【発明の効果】請求項1の発明に係る光ディスク装置の
フォーカス制御装置は、以上のように、光ビームを光デ
ィスクに照射したときに得られる光ディスクからの反射
光または光ディスクの透過光の光量が所定値よりも小さ
いときにのみ、光ビームを光ディスクにフォーカスさせ
る位置にレンズを移動させるためのオフセット信号
反射光または透過光の光量と所定値との差に応じて発生
する電圧発生手段と、フォーカス誤差信号にオフセット
信号を加算する加算器とが備えられており、加算器の出
力に応じてレンズの位置を制御するので、光ビームを光
ディスクにフォーカスさせる位置にレンズを移動させる
オフセット信号が電圧発生手段から出力される。このた
め、フォーカス制御の際、フォーカス引き込みの失敗が
起こらなくなる。しかも、調整箇所がないため、容易に
信頼性の高いフォーカス制御装置を実現できるという効
果を奏する。また、上記オフセット信号は、光ディスク
からの反射光または光ディスクの透過光の光量が所定値
よりも小さいときにのみ出力されるので、光ビームが光
ディスクにフォーカスしているときには出力されない。
つまり、光ビームが光ディスクにフォーカスしていると
きには、加算器から元のフォーカス誤差信号が出力され
る。したがって、高精度のフォーカス制御を実現できる
という効果も併せて奏する。
【0079】請求項2の発明に係る光ディスク装置のフ
ォーカス制御装置は、以上のように、請求項1の光ディ
スク装置のフォーカス制御装置であって、電圧発生手段
は、フォーカス誤差信号が第1基準電圧より大きいか、
第2基準電圧より小さいかを判別する判別手段と、光デ
ィスクからの反射光または光ディスクの透過光の光量が
所定値よりも小さいときにのみ、反射光または透過光の
光量と所定値との差に応じた電圧を発生する電圧発生源
と、電圧発生源からの電圧の極性を判別結果に応じて非
反転または反転させてオフセット信号として出力する極
性切り替え手段から構成されているとともに、フォーカ
サーチ開始に際して、その発生する信号の極性を確定
させるので、請求項1の効果に加え、フォーカス制御装
置の電圧発生手段を簡単な構成で実現できるという効果
を奏する。
【0080】また、フォーカス引き込みに際して、オフ
セット信号の極性の初期値を確定させることができ、フ
ォーカス引き込みのためにフォーカスアクチュエーター
を駆動するフォーカスサーチ回路として、正弦波や三角
波など時間的に変化する信号を発生する電圧源ではな
く、単に直流電圧を発生するだけの簡単な構成で実現す
ることができる。さらには、レンズが光ディスクから大
きく遠ざかった状態からでもフォーカス引き込みを行う
ことができるので、フォーカス引き込みに際してフォー
カス誤差信号が特定のレベルである必要はなく、どのよ
うな状態からでも、確実にフォーカス引き込みを行うこ
とができるという効果も新たに奏する。
【0081】請求項3の発明に係る光ディスク装置のフ
ォーカス制御装置は、以上のように、請求項1の光ディ
スク装置のフォーカス制御装置であって、電圧発生手段
は、フォーカス誤差信号が第3基準電圧を低い方から
い方に交差したか、高い方から低い方へ交差したかを判
別する判別手段と、光ディスクからの反射光または光デ
ィスクの透過光の光量が所定値よりも小さいときにの
み、反射光または透過光の光量と所定値との差に応じた
電圧を発生する電圧発生源と、電圧発生源からの電圧の
極性を判別結果に応じて非反転または反転させてオフセ
ット信号として出力する極性切り替え手段から構成され
ているとともに、上記光ディスクからの反射光または透
過光の光量が予め定める値以上である場合にのみ、上記
判別手段による判別を行うので、請求項1の効果に加
え、フォーカス制御装置の電圧発生手段を簡単な構成で
実現できるという効果を奏する。
【0082】また、フォーカス誤差信号が上記第3基準
電圧を交差した方向を、光ディスクからの反射光または
透過光の光量が予め定める値以上である場合にのみ判別
するので、交差方向の誤判別が生じ難く、オフセット信
号の極性の決定を、より信頼性高く行うことができると
いう効果も新たに奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】フォーカス誤差信号と反射光量信号との関係を
示す波形図である。
【図2】本発明に係るフォーカス制御装置の原理を示す
波形図である。
【図3】本発明に係るフォーカス制御装置の第1実施例
を示す構成図である。
【図4】図3のフォーカス制御装置における誤差方向検
出回路を示す構成図である。
【図5】図3のフォーカス制御装置における記憶回路を
示す構成図である。
【図6】図3のフォーカス制御装置における光量差検出
回路を示す構成図である。
【図7】図3のフォーカス制御装置における極性切り替
え回路を示す構成図である。
【図8】図3のフォーカス制御装置の動作を示す波形図
である。
【図9】本発明に係るフォーカス制御装置の第2実施例
を示す構成図である。
【図10】図9のフォーカス制御装置における記憶回路
を示す構成図である。
【図11】本発明に係るフォーカス制御装置の第3実施
例を示すものであり、誤差方向検出回路の構成図であ
る。
【図12】図11の誤差方向検出回路を使用したフォー
カス制御装置の動作を示す波形図である。
【図13】図11の誤差方向検出回路を使用したフォー
カス制御装置の動作を示す波形図である。
【図14】本発明に係るフォーカス制御装置の第4実施
例を示す構成図である。
【図15】図14のフォーカス制御装置における誤差方
向検出回路を示す構成図である。
【図16】従来のフォーカス制御装置の構成図である。
【図17】図16のフォーカス制御装置におけるフォー
カス誤差信号を示す波形図である。
【図18】図16のフォーカス制御装置において、フォ
ーカスサーチ時のフォーカス誤差信号を示す波形図であ
る。
【符号の説明】
2 光ディスク 3 光ビーム 4 レンズ 5 誤差信号生成回路 10 フォーカスサーチ回路 11 コントローラー 20 誤差方向検出回路(判別手段) 30 記憶回路(判別手段) 40 光量差検出回路(電圧発生源) 50 極性切り替え回路(極性切り替え手段) 60 加算アンプ(加算器) 70 光量信号生成回路(電圧発生源)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ビームを光ディスクにフォーカスさせる
    ように、光ビームを光ディスクに集束させるためのレン
    ズの位置を制御する光ディスク装置のフォーカス制御装
    置において、 光ビームを光ディスクに照射したときに得られる光ディ
    スクからの反射光または光ディスクの透過光の光量が所
    定値よりも小さいときにのみ、光ビームを光ディスクに
    フォーカスさせる位置にレンズを移動させるためのオフ
    セット信号を、上記反射光または透過光の光量と上記所
    定値との差に応じて発生する電圧発生手段と、フォーカ
    ス誤差信号にオフセット信号を加算する加算器とが備え
    られており、加算器の出力に応じてレンズの位置を制御
    することを特徴とする光ディスク装置のフォーカス制御
    装置。
  2. 【請求項2】上記の電圧発生手段は、フォーカス誤差信
    号が第1基準電圧より大きいか、第2基準電圧より小さ
    いかを判別する判別手段と、光ディスクからの反射光ま
    たは光ディスクの透過光の光量が所定値よりも小さいと
    きにのみ、反射光または透過光の光量と所定値との差に
    応じた電圧を発生する電圧発生源と、電圧発生源からの
    電圧の極性を判別結果に応じて非反転または反転させて
    オフセット信号として出力する極性切り替え手段から構
    成されているとともに、フォーカスサーチ開始に際し
    て、その発生する信号の極性を確定させることを特徴と
    する請求項1記載の光ディスク装置のフォーカス制御装
    置。
  3. 【請求項3】上記の電圧発生手段は、フォーカス誤差信
    号が第3基準電圧を低い方から高い方に交差したか、
    い方から低い方へ交差したかを判別する判別手段と、光
    ディスクからの反射光または光ディスクの透過光の光量
    が所定値よりも小さいときにのみ、反射光または透過光
    の光量と所定値との差に応じた電圧を発生する電圧発生
    源と、電圧発生源からの電圧の極性を判別結果に応じて
    非反転または反転させてオフセット信号として出力する
    極性切り替え手段から構成されているとともに、上記光
    ディスクからの反射光または透過光の光量が予め定める
    値以上である場合にのみ、上記判別手段による判別を行
    うことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置のフ
    ォーカス制御装置。
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