JP2880260B2 - 固体状チタン触媒成分、これを用いるオレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 - Google Patents

固体状チタン触媒成分、これを用いるオレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法

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JP2880260B2 JP16530090A JP16530090A JP2880260B2 JP 2880260 B2 JP2880260 B2 JP 2880260B2 JP 16530090 A JP16530090 A JP 16530090A JP 16530090 A JP16530090 A JP 16530090A JP 2880260 B2 JP2880260 B2 JP 2880260B2
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【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、固体状チタン触媒成分、これを用いるオレ
フィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法に関し、
さらに詳しくは、粒度分布がシャープでかつ嵩比重が高
いオレフィン重合体を得ることができるオレフィン重合
用固体状チタン触媒成分、これを用いるオレフィン重合
用触媒およびオレフィンの重合方法に関する。
発明の技術的背景 マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を
必須成分とする固体状チタン触媒成分は、この触媒の存
在下、炭素数3以上のα−オレフィンを重合させると、
立体規則性の高い重合体を高い触媒活性で製造し得るこ
とが知られている。
このような固体状チタン触媒成分は、一般には、マグ
ネシウム化合物、電子供与体およびチタン化合物、場合
によってはさらに有機アルミニウム化合物やケイ素化合
物などを、特定の条件下に組合せて相互接触させること
により調製されている。
たとえば特開昭54−40293号公報には、Mg(OR12-nX
n〔R1はC1〜C10のアルキル、アリールまたはシクロアル
キル、Xはハロゲン、nは0<n≦2を表す〕および電
子供与体を、Ti(OR24〔R2はC1〜C10のアルキル、ア
リールまたはシクロアルキル〕に溶解して均質溶液を形
成し、この均質溶液から固体成分を析出させ、得られる
固体成分を液状のハロゲン化合物と接触させてオレフィ
ン重合用のチタン触媒成分を調製する方法が開示されて
いる。
このようにして調製されるチタン触媒成分を用いて得
られる重合体は、立体規則性、触媒活性などの点におい
てなお改善が望まれており、また水素等の分子量調節剤
を用いてメルトインデックスの高い重合体を得ようとす
ると、触媒活性あるいは立体規則性が低下したりすると
いう問題点があった。
また、上記のような触媒を用いて得られる重合体は一
般に粉末状であり、ペレット化が必要であった。
本発明者等は、特開昭56−811号において、優れた触
媒活性を有するとともに立体規則性に優れた重合体をえ
ることができ、かつ分子量調節剤の存在下にオレフィン
重合を行っても触媒活性が低下したり、得られる重合体
の立体規則性が低下したりすることがないようなオレフ
ィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法を提案し
た。
この方法によれば、電子供与体である有機カルボン酸
エステル(たとえば安息香酸エチル)を、固体状チタン
触媒成分の凝集剤として作用させ、この量を加減するこ
とによって固体状触媒成分の粒径をコントロールし、粒
度分布の良好な比較的粒径の大きい顆粒状または球状の
固体状触媒成分を得ている。かかる固体状触媒成分の存
在下でα−オレフィンを重合させると、顆粒状または球
状で、かつ粒度分布に優れ、嵩密度が大きく、流動性が
良好な重合体が得られる。
ところで、このようにして得られる重合体では、粒子
が小さくかつ粒径が揃っている方が圧縮成形時に均一性
に優れた成形体が得られることが知られており、粒径が
小さく粒度分布が揃っている固体状触媒成分の存在下で
重合させれば上記重合体が得られることも知られてお
り、したがって粒径が小さく、かつ粒径が揃っている固
体状触媒成分を製造することが望まれていた。
本発明者等はさらに研究を進めた結果、固体状チタン
触媒成分を調製する際に、少なくとも二種の特定の有機
カルボン酸エステルを用いることにより平均粒径が6μ
m以下であるような小粒径で、しかも該二種の有機カル
ボン酸エステルの量比により粒径を容易にコントロール
することができる固体状触媒成分を得ることができ、そ
してこの触媒成分を用いることによって粒度分布がシャ
ープでかつ嵩比重が高く、流動性が良好な重合体を得る
ことができることを見出した。
発明の目的 本発明は、粒度分布がシャープでかつ嵩比重が高いオ
レフィン重合体を高い触媒活性で製造しうるような粒径
が小さく、かつ粒径が揃っているオレフィン重合用固体
状チタン触媒成分、これを用いるオレフィン重合用触媒
およびオレフィンの重合方法を提供することを目的とし
ている。
発明の概要 本発明に係るオレフィン重合用固体状チタン触媒成分
[A]は、 [I](a)ハロゲン含有マグネシウム化合物、 (b)有機ヒドロキシ化合物および (c)一般式[Ia]で表される少なくとも一種の有機カ
ルボン酸エステル、 R1COOR2 …[Ia] (式中、R1はアリール基であり、R2は炭素数1〜5の炭
化水素基である) (d)一般式[Ib]で表される少なくとも一種の有機カ
ルボン酸エステル R1COOR3 …[Ib] (式中、R1はアリール基であり、R3は炭素数6〜10の炭
化水素基である) からなる液状混合物と、 [II]一般式 Ti(OR)gX4-g で表される液状チタン化合物 (式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であ
り、0≦g≦4である) とを接触して得られ、平均粒子径が6μm以下であるこ
とを特徴としている。
また本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記のよ
うな固体状チタン触媒成分[A]と、有機アルミニウム
化合物触媒成分[B]とから形成されることを特徴とし
ている。
さらに本発明に係るオレフィンの重合方法は上記のよ
うなオレフィン重合用触媒の存在下、オレフィンを重合
または共重合させることを特徴としている。
本発明に係るオレフィン重合用触媒を用いてオレフィ
ンを重合させると、粒径が小さく、粒度分布がシャープ
で、嵩比重が高くかつ流動性が良好なオレフィン重合体
が得られる。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るオレフィン重合用固体状チタン触
媒成分、これを用いるオレフィン重合用触媒およびオレ
フィンの重合方法について具体的に説明する。
本発明において重合という語は、単独重合だけでな
く、共重合をも包含した意味で用いられることがあり、
また重合体という語は、単独重合体だけでなく、共重合
体をも包含した意味で用いられることがある。
第1図に、本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製
工程の説明図を示す。
本発明に係るオレフィン重合用固体状チタン触媒成分
[A]は、 [I](a)ハロゲン含有マグネシウム化合物、 (b)有機ヒドロキシ化合物および (c)一般式[Ia]で表される少なくとも一種の有機カ
ルボン酸エステル、 R1COOR2 …[Ia] (式中、R1はアリール基であり、R2は炭素数1〜5の炭
化水素基である) (d)一般式[Ib]で表される少なくとも一種の有機カ
ルボン酸エステル R1COOR3 …[Ib] (式中、R1はアリール基であり、R3は炭素数6〜10の炭
化水素基である) からなる液状混合物と、 [II]一般式 Ti(OR)gX4-g で表される液状チタン化合物 (式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であ
り、0≦g≦4である) とを接触して得られる。
またオレフィン重合用触媒は、上記のような [A]固体状チタン触媒成分と、 [B]有機アルミニウム化合物触媒成分とから形成され
ることを特徴としている。
本発明において、固体状チタン触媒成分[A]の調製
に用いられる(a)ハロゲン含有マグネシウム化合物と
しては、具体的には、 塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、沃化マグネシ
ウム、弗化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウ
ム; メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウ
ム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マ
グネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコ
キシマグネシウムハライド; フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化
マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド; エチル塩化マグネシウム、プロピル塩化マグネシウ
ム、ブチル塩化マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウ
ム、アルミ塩化マグネシウムなどのアルキルハロゲン化
マグネシウムなどが用いられる。
これらのうち特に塩化マグネシウム、アルコキシ塩化
マグネシウム、アリロキシ塩化マグネシウムなどが好ま
しく用いられる。
これらハロゲン含有マグネシウム化合物としては、後
述するハロゲン不含有マグネシウム化合物から誘導した
化合物あるいは触媒成分の調製時に誘導した化合物であ
ってもよい。ハロゲン含有マグネシウム化合物をハロゲ
ン不含有マグネシウム化合物から誘導するには、たとえ
ばハロゲン不含有マグネシウム化合物をハロゲン含有化
合物と接触させればよい。ハロゲン含有化合物として
は、ハロゲン不含有マグネシウム化合物をハロゲン化す
ることができる化合物であればいずれでもよく、たとえ
ば四塩化ケイ素などのハロゲン含有ケイ素、t−ブチル
クロリドなどのハロゲン含有分岐鎖状炭化水素の他、酸
ハライドなどを例示することができる。上記ハロゲン不
含有マグネシウム化合物としては、 ジエトキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウムな
どのジアルコキシマグネシウム、ジフェノキシマグネシ
ウムなどのジアリロキシマグネシウム、ジエチルマグネ
シウム、ジブチルマグネシウムなどのジアルキルマグネ
シウム、ジフェニルマグネシウムなどのジアリルマグネ
シウム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウム
塩を例示することができる。
ハロゲン含有マグネシウム化合物は上記のハロゲン含
有マグネシウム化合物およびハロゲン不含有マグネシウ
ム化合物の外に、上記のマグネシウム化合物と他の金属
との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混
合物であってもよい。さらに、上記の化合物を2種以上
組み合わせた混合物であってもよい。
また、これらのマグネシウム化合物は、液体であって
も固体であってもよい。
これらのうち特に塩化マグネシウム、アルコキシ塩化
マグネシウム、アリロキシ塩化マグネシウムなどが好ま
しく用いられる。
本発明に係る固体状チタン触媒成分[A]の調製に用
いられる(b)有機ヒドロキシ化合物としては、具体的
には、 メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、エチレングリコール、メチルカルビトール、2−メ
チルペンタノール、2−エチルブタノール、n−ヘプタ
ノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、
デカノール、ドデカノール、テトラデシルアルコール、
ウンデセノール、オレイルアルコール、ステアリルアル
コールなどの脂肪族アルコール、 シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなど
の脂環族アルコール、 フェノール、ベンジルアルコール、メチルベンジルア
ルコール、イソプロピルベンジルアルコール、α−メチ
ルベンジルアルコール、α,α−ジメチルベンジルアル
コールなどの芳香族アルコール、 n−ブチルセロソルブ、1−ブトキシ−2−プロパノ
ールなどのアルコキシ基を含んだ脂肪族アルコールなど
を挙げることができる。これらのうち2−エチルヘキサ
ノールが好ましく用いられる。
本発明に係る固体状チタン触媒成分[A]の調製に用
いられる(c)有機カルボン酸エステルは、下記一般式
[Ia]で表される有機カルボン酸エステルを少なくとも
一種含有している。
R1COOR2 …[Ia] このような、一般式[Ia]で表される有機カルボン酸
エステルにおいて、R1はアリール基を表す。このアリー
ル基は置換されていてもよく、また未置換でもよく、た
とえばフェニル基、ベンジル基およびこれらのアルキル
置換、アルコキシ置換、ハロゲン置換された基などに挙
げられる。
また一般式[Ia]において、R2は炭素数1〜5の炭化
水素基を表し、具体的には炭素数1〜5のアルキル基、
またはアルコキシ基を表す。このような有機カルボン酸
エステルとして具体的には、 安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピ
ル、安息香酸ブチル、トルイル酸メチル、トルイル酸エ
チル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニ
ス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル
などを挙げることができる。このような化合物のうち、
式[Ia]で表される(c)有機カルボン酸エステルとし
て安息香酸エチルが好ましく用いられる。
本発明に係る固体状チタン触媒成分[A]の調製に用
いられる(d)有機カルボン酸エステルは、下記一般式
[Ib]で表される有機カルボン酸エステルを少なくとも
一種含有している。
R1COOR3 …[Ib] このような、一般式[Ib]で表される有機カルボン酸
エステルにおいて、式中、R1はアリール基を表し、上記
式[Ia]中R1と同様である。
R3は炭素数6〜10の炭化水素基を表し、この炭化水素
基としてはアルキル基、脂環基、置換または未置換アリ
ール基が挙げられる。
このような有機カルボン酸エステルとして、具体的に
は、安息香酸ヘキシル、安息香酸2−エチルヘキシル、
安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸
フェニル、安息香酸ベンジル、安息香酸スチリルを挙げ
ることができる。
このような化合物のうち、式[Ib]で表される(d)
有機カルボン酸エステルとして安息香酸2−エチルヘキ
シルが好ましく用いられる。
本発明に係る液状混合物[I]の調製においては、上
記のような一般式[Ia],[Ib]で表される有機カルボ
ン酸エステル(c),(d)が少なくとも一種ずつ用い
られるが、この際式[Ia]で表される有機カルボン酸エ
ステル(c)は、式[Ib]で表される有機カルボン酸エ
ステル(d)に対して、モル比で0.05〜10好ましくは0.
1〜5の量で用いられる。この使用量の比を変化させる
ことによって、得られる固体状チタン触媒成分[A]の
粒径の大きさがコントロールでき、式[Ib]で表される
(d)有機カルボン酸エステルの使用量比が多くなると
触媒成分[A]の粒径が小さくなる傾向がある。
本発明に係る液状混合物[I]は上記のような (a)ハロゲン含有マグネシウム化合物、 (b)有機ヒドロキシ化合物、 (c)一般式[Ia]で表される有機カルボン酸エステル
の少なくとも一種および (d)一般式[Ib]で表される有機カルボン酸エステル
の少なくとも一種 を接触させることによって得られる。この接触において
は、これらの化合物をどのような順序で接触させてもよ
い。具体的には、 (a)ハロゲン含有マグネシウム化合物と(b)有機
ヒドロキシ化合物とから得られる混合物に(c)有機カ
ルボン酸エステルおよび(d)有機カルボン酸エステル
を接触させる。
(a)ハロゲン含有マグネシウム化合物、(c)有機
カルボン酸エステルおよび(d)有機カルボン酸エステ
ルとから得られる混合物に(b)有機ヒドロキシ化合物
を接触させる、 四者を同時に接触させることができる。
このような接触方法としては混合攪拌、加熱などの一
般的方法を用いることができる。
液状混合物[I]を調製する際、不活性炭化水素溶媒
を共存させて接触させることができる。
このような不活性炭化水素溶媒としては、具体的に
は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、テトラデカン、灯油などの脂肪族炭化水
素; シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペン
タン、シクロオクタン、シクロヘキセンなどの脂環族炭
化水素; ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ク
メン、シメンなどの芳香族炭化水素; エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化
炭化水素、あるいはこれらの混合物などを挙げることが
できる。
上記のような(a)ハロゲン含有マグネシウム化合
物、(b)有機ヒドロキシ化合物、(c)有機カルボン
酸エステルおよび(d)有機カルボン酸エステルの接触
において、(b)有機ヒドロキシ化合物は、マグネシウ
ム化合物の種類によっても異なるが、(a)ハロゲン含
有マグネシウム化合物1モル当り約1モル以上、好まし
くは約1〜約20モル特に好ましくは約1.5〜約12モルで
用いられる。
この場合、(b)有機ヒドロキシ化合物として炭素数
6以上のアルコールを用いると、炭素数5以下のアルコ
ールを用いる場合に比べて使用量が少なくマグネシウム
化合物を溶解することができ、かつ活性の大きい触媒成
分が得られる。
また、(c)有機カルボン酸エステルと(d)有機カ
ルボン酸エステルの総使用量は、(a)ハロゲン含有マ
グネシウム化合物に対して0.02〜1.0(モル比)好まし
くは0.05〜0.3(モル比)で用いられる。
本発明に係る固体状チタン触媒成分[II]の調製に用
いられる液状状態のチタン化合物としては、たとえば一
般式、 Ti(OR)gX4-g (Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、
0≦g≦4である) で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。
より具体的には、 TiCl4、TiBr4、TiI4などのテトラハロゲン化チタン; Ti(OCH3)Cl3、 Ti(OC2H5)Cl3、 Ti(On−C4H9)Cl3、 Ti(OC2H5)Br3、 Ti(OisoC4H9)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチ
タン; Ti(OCH32Cl2、 Ti(OC2H52Cl2、 Ti(On−C4H92Cl2、 Ti(OC2H52Br3などのジハロゲン化アルコキシチタ
ン; Ti(OCH33Cl、 Ti(OCH2H53Cl、 Ti(On−C4H93Cl、 Ti(OC2H53Br; Ti(OC234、 Ti(OC2H54、 Ti(On−C4H94、 Ti(Oiso−C4H94 Ti(O−2−エチルヘキシル)4; Ti(OCH34、 Ti(OC2H54、 Ti(On−C4H94、 Ti(Oiso−C4H94 Ti(O−2−エチルヘキシル)4などのテトラアルコキ
シチタンなどのモノハロゲン化アルコキシチタンなどを
挙げることができる。
これらの中で好ましものは、テトラハロゲン化チタン
であり、特に四塩化チタンが好ましい。これらのチタン
化合物は単独で用いてもよく、混合物の形で用いてもよ
い。あるいは炭化水素、ハロゲン化炭化水素に希釈して
も用いてもよい。
本発明に係る固体状チタン触媒成分[A]は、上記の
ような[I]液状混合物と、[II]液状チタン化合物と
を接触させることによって得られる。
この接触に際しては、電子供与体を共存させてもよ
い。このような電子供与体としては、上述した一般式
[Ia]で表される(c)有機カルボン酸エステルおよび
一般式[Ib]で表される(d)有機カルボン酸エステル
を用いることができる。
さらにこれらの有機カルボン酸エステル以外では有機
酸エステル、有機酸ハライド、有機酸無水物、エーテ
ル、アルデヒド、ケトン、第三アミン、亜リン酸エステ
ル、リン酸エステル、リン酸アミド、カルボン酸アミ
ド、ニトリルなどを例示でき、具体的には、 アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、シクロヘキサ
ノン、ベンゾキノンなどの炭素数3〜15のケトン類; アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチル
アルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフ
トアルデヒドなどの炭素数2〜15のアルデヒド類; ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、
酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プ
ロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル
酢酸メチル、ジクロツ酢酸エチル、メタクリル酸メチ
ル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチ
ル、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、クマリ
ン、フタリド、炭酸エチレンなどの炭素数2〜18の有機
酸エステル類; アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸
クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素数2〜15の酸ハ
ライド類; メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエー
テル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロ
フラン、アニソール、ジフェニルエーテルなどの炭素数
2〜20のエーテル類; 酢酸N,N−ジメチルアミド、安息香酸N,N−ジエチルア
ミド、トルイル酸N,N−ジメチルアミドなどの酸アミド
類; トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルア
ミン、トリベンジルアミン、テトラメチルエチレンジア
ミンなどの第三アミン類; アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリニトリルなど
のニトリル類などを例示することができ、これらの内で
は有機カルボン酸エステルとくに芳香族カルボン酸エス
テルが好ましい。これら化合物は2種以上併用すること
ができる。
このような電子供与体の使用量は、[II]液状チタン
化合物1モルに対し0.001〜0.1モル好ましくは0.003〜
0.03モルで用いられる。
また[II]液状チタン化合物の使用量は、この接触に
よって特別な析出手段を加えることなく固体状チタン触
媒成分を析出させるに充分な量が必要であり、チタン化
合物の種類、接触条件によっても異なるが、液状混合物
[I]中の(a)ハロゲン含有マグネシウム化合物1モ
ルに対し1モル以上好ましくは2〜100モルさらに好ま
しくは5〜50モルの量で用いられる。
本発明において、[I]液状混合物と[II]液状チタ
ン化合物との接触方法は、常法にしたがって行うことが
できる。この際、接触条件によって得られる固体状チタ
ン触媒成分の形状や大きさなどに影響を及ぼすことがあ
る。[I]、[II]両者の接触によって急速に固体生成
物が生じないような低い温度で両者を混合し、その後昇
温して除々に固体生成物を生成させる方法が好ましい。
この方法によれば、粒径が小さくかつ揃っており、か
つ流動性のよい固体状チタン触媒成分[A]を得ること
ができる。この粒径は上述したように[I]液状混合物
中に含まれる式[Ia]、[Ib]で表される(c)有機カ
ルボン酸エステル、(d)有機カルボン酸エステルの両
者の含有比を変化させることにより容易にコントロール
することができる。
さらにこの方法において、上述したような電子供与体
を適当量共存させることにより、さらに粒度分布が良好
な顆粒状または球状の固体状チタン触媒成分[A]が得
られる。このような固体状チタン触媒成分を用いて後述
するオレフィン重合を行った場合、小粒径でかつ粒度分
布がシャープな顆粒状または球状オレフィン重合体が得
られる。
なお、上記接触は約−70℃〜約+200℃の温度で行う
ことができる。接触させる両液状物の温度は異なってい
てもよい。既述のように両者を混合させる時に低温であ
ることが好ましく、たとえば−70℃〜+50℃程度の温度
条件が好ましい。接触温度が低いと固体状物の析出が認
められない場合があるが、その際は昇温してたとえば好
ましくは約50℃〜150℃に昇温して反応させるか、また
は長時間の接触によって固体生成物を析出させるとよ
い。
このようにして得られた固体状チタン触媒成分は、50
℃〜150℃の過剰液状チタン化合物好ましくは四塩化チ
タンを用いて1回以上洗浄することが好ましい。その
後、通常は炭化水素で洗浄して重合に使用することがで
きる。
このようにして得られた固体状チタン触媒成分[A]
の組成は、マグネシウム/チタン(原子比)が2〜10
0、好ましくは4〜50、さらに好ましくは5〜30であ
り、さらにハロゲン/チタン(原子比)が4〜100好ま
しくは5〜90さらに好ましくは8〜50であり、電子供与
体/チタン(モル比)が0.01〜100好ましくは0.2〜10さ
らに好ましくは0.4〜6である。
そして、この固体状チタン触媒成分[A]は、上記の
成分が一体となって触媒成分を形成しているので、ヘキ
サン洗浄によって実質的にその組成が変わることがな
い。
本発明に係る固体状チタン触媒成分[A]の平均粒径
は6μm好ましくは5μm以下である。
また、その形状は顆粒状またはほぼ球状になってお
り、その比表面積は、通常10m2/g以上好ましくは100〜1
000m2/gである。
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上記のような
固体状チタン触媒成分[A]と有機アルミニウム化合物
触媒成分[B]とから形成される。
本発明においてオレフィン重合用触媒の調整に用いら
れる[B]有機アルミニウム化合物触媒成分としては、
具体的には、下記のような化合物が用いられる。
(1)R1 mAl(OR2nHpXq (式中、R1およびR2は炭素原子を通常1〜15個、好まし
くは1〜4個含む炭化水素基であり、これらは互いに同
一でも異なってもよい。Xはハロゲン原子を表わし、0
<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦
q<3の数であって、しかもm+n+p+q=3であ
る)で表わされる有機アルミニウム化合物。
(2)M1AlR1 4 (式中、M1はLi、Na、Kであり、R1は前記と同じ)で表
わされる第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化
物。
前記の(1)に属する有機アルミニウム化合物として
は、次のような化合物を例示できる。
一般式、R1 mAl(OR23-m (式中、R1およびR2は前記と同じ。mは好ましくは1.
5≦m≦3の数である)、 一般式R1 mAlX3-m (式中、R1は前記と同じ。Xはハロゲン、mは好まし
くは0<m<3である)、 一般式、R1 mAlH3-m (式中、R1は前記と同じ。mは好ましくは2≦m<3
である)、 一般式、R1 mAl(OR2nXq (式中、R1およびR2は前記と同じ。Xはハロゲン、0
<m≦3、0≦n<3、0≦q<3で、m+n+q=3
である)で表わされる化合物などを挙げることができ
る。
(1)に属するアルミニウム化合物としては、より具
体的には、トリエチルアルミニウム、トリブチルアルミ
ニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリイソプレ
ニルアルミニウムなどのトリアルケニルアルミニウム; ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニ
ウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキ
シド; エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミ
ニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセ
スキアルコキシド、 R1 2.5Al(OR20.5などで表わされる平均組成を有する
部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム; ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウ
ムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミドなどのジア
ルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセス
キクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチ
ルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド; エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニウ
ムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド等のアル
キルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化
されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒ
ドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキ
ルアルミニウムヒドリド; エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウ
ムジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリドなど
その他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム; エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミ
ニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシ
ブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化
されたアルキルアルミニウムを挙げることができる。
また(1)に類似する化合物としては、酸素原子や窒
素原子を介して2以上のアルミニウムが結合した有機ア
ルミニウム化合物を挙げることができる。このような化
合物としては、例えば、 (C2H52AlOAl(C2H52、 (C4H92AlOAl(C4H92メチルアルミノオキサンなどを挙げることができる。
前記(2の属する化合物としては、 LiAl(C2H54、 LiAl(C7H154などを挙げることができる。
これらの中では、特にトリアルキルアルミニウムを用
いることが好ましい。
このような有機アルミニウム化合物[B]は、必要に
応じて上記のような電子供与体と接触させて用いてもよ
い。この際用いられる電子供与体としては、前記のよう
な化合物のうち(c)有機カルボン酸エステルが好まし
く、とくに安息香酸エステルおよび核置換安息香酸エス
テルが好ましい。これらを例示すると、安息香酸エステ
ル、トルイル酸エステル、アニス酸エステル、フタル酸
ジエステル、ヒドロキシ安息香酸エステル、アミノ安息
香酸エステルなどであり、とくに好ましいのは、p−ト
ルイル酸メチル、p−トルイル酸エチルである。
固体状チタン触媒成分[A]と有機アルミニウム化合
物[B]との接触においては、有機アルミニウム化合物
[B]と固体状チタン触媒成分[A]とは、Al/Ti(原
子比)が通常1〜1000好ましくは2〜100特に好ましく
は2〜10となるような量で用いられることが望ましい。
また該接触においては、前述した不活性炭化水素溶媒
を共存させて行う方が好ましい。
本発明では、上記のような固体状チタン触媒成分
[A]と有機アルミニウム化合物[B]からなるオレフ
ィン重合用触媒に、必要に応じて前述した電子供与体を
加えたオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重
合を行なうが、この際オレフィン重合用触媒にα−オレ
フィンを予備重合させてもよい。この予備重合は、オレ
フィン重合用触媒1g当り0.1〜500g好ましくは 0.3〜300g、特に好ましくは1〜100gの量でα−オレフ
ィンを予備重合させることにより行なわれる。
予備重合では、本重合における系内の触媒濃度よりも
かなり高濃度の触媒を用いることができる。
予備重合における固体状チタン触媒成分[A]の濃度
は、後述する不活性炭化水素触体1当り、チタン原子
換算で、通常約0.01〜200ミリモル、好ましくは約1〜1
00ミリモル、特に好ましくは1〜50ミリモルの範囲とす
ることが望ましい。
有機アルミニウム化合物[B]の量は、オレフィン重
合用触媒1g当り0.1〜500g好ましくは0.3〜300gの重合体
が生成するような量であればよく、オレフィン重合用触
媒中のチタン原子1モル当り、通常約0.1〜100モル、好
ましくは約0.5〜50モル、特に好ましくは1〜20モルの
量であることが望ましい。
電子供与体は、オレフィン重合用触媒中のチタン原子
1モル当り、0.1〜50モル、好ましくは0.5〜30モル、特
に好ましくは1〜50モルの量で必要に応じて用いられ
る。
予備重合は、不活性炭化水素媒体にオレフィンおよび
上記の触媒成分を加え、温和な条件下に行なうことが好
ましい。この際用いられる不活性炭化水素媒体として
は、前述した不活性炭化水素溶媒のうちとくに脂肪族炭
化水素を用いることが好ましい。なお、オレフィン自体
を溶媒に予備重合を行なうこともできるし、実質的に溶
媒のない状態で予備重合することもできる。
予備重合で使用されるオレフィンは、後述する本重合
で使用されるオレフィンと同一であっても、異なってい
てもよく、具体的には、エチレン、プロピレンであるこ
とが好ましい。
予備重合の際の反応温度は、通常約−20〜100℃、好
ましくは約−20〜80℃、さらに好ましくは0〜40℃の範
囲であることが望ましい。
なお、予備重合においては、水素のような分子量調節
剤を用いることもできる。このような分子量調節剤は、
135℃のデカリン中で測定した予備重合により得られる
重合体の極限粘度[η]が、約0.2dl/g以上、好ましく
は約0.5〜10dl/gになるような量で用いることが望まし
い。
予備重合は、上記のように、オレフィン重合用触媒1g
当り約0.1〜500g、好ましくは約0.3〜300g、特に好まし
くは1〜100gの重合体が生成するように行なうことが望
ましい。予備重合量をあまり多くすると、オレフィン重
合体の生産効率が低下することがある。
予備重合は回分式あるいは連続式で行なうことができ
る。
本重合において使用することができるオレフィンとし
ては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル
−1−ペンテン、1−オクテンなどの炭素数2〜20のオ
レフィンが挙げられる。本発明の重合方法においては、
これらのオレフィンを単独で、あるいは組み合わせて使
用することができる。
なお、これらのオレフィンの共重合を行なう際には、
共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和結合を有す
る化合物を重合原料として用いることもできる。
本発明の重合方法において、オレフィンの本重合は、
通常、気相あるいは液相で行なわれる。
本重合がスラリー重合の反応形態を採る場合、反応溶
媒としては、上述の不活性炭化水素を用いることもでき
るし、反応温度において液状のオレフィンを用いること
もできる。
本発明の重合方法においては、固体状チタン触媒成分
[A]は、重合容積1当りチタン原子に換算して、通
常は約0.0001〜1.0ミリモル、好ましくは約0.005〜0.1
ミリモルの量で用いられる。また、有機アルミニウム化
合物[B]は、重合系中の予備重合触媒成分中のチタン
原子1モルに対し、金属原子が、通常約1〜2000モル、
好ましくは約5〜500モルとなるような量で用いられ
る。さらに、電子供与体を共存させる場合、有機アルミ
ニウム化合物[B]中の金属原子1モル当り、通常は約
0.001〜10モル、好ましくは約0.01〜2モル、とくに好
ましくは約0.05〜1モルとなるような量で用いられる。
本重合時に、水素を用いれば、得られる重合体の分子
量を調節することができ、メルトフローレイトの大きい
重合体が得られる。
本発明において、オレフィンの重合温度は、通常、約
20〜200℃、好ましくは約50〜100℃に、圧力は、通常、
常圧〜100kg/cm2、好ましくは約2〜50kg/cm2で行うの
が好ましい。本発明の重合方法においては、重合を、回
分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行なう
ことができる。さらに重合を、反応条件を変えて2段以
上に分けて行なうこともできる。
このようにして得られたオレフィンの重合体は単独重
合体、ランダム共重合体およびブロック共重合体などの
いずであってもよい。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いてオレフィ
ンの重合特に炭素数3以上のα−オレフィンの重合を行
なうと、立体規則性の高い重合体を触媒効率よく製造す
ることができ。そして、得られた重合体は小粒径でかつ
粒度分布に優れている。
発明の効果 本発明によれば、顆粒状またはほぼ球状で、粒径が小
さくかつ粒度分布がシャープな重合体が得られる。この
ような重合体は嵩比重が高く、流動性もよく、用途によ
ってはペレット化せずに用いることも可能である。
また本発明によれば分子量調節剤を用いてメルトイン
デックスの高い重合体を得ても、立体規則性を低下させ
ることがない。
また本発明では、オレフィン重合用触媒当りの重合体
の収率が高いので、重合体中の触媒残渣が少なく、した
がって、重合体中の触媒を除去する操作を省略しても触
媒起因の着色もなく、白色のオレフィン重合体が得られ
る。
以下本発明を実施例によって説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
実施例1 固体状チタン触媒成分[A]の調製 無水塩化マグネシウム9.52g(100ミリモル)、デカン
54mlおよび2−エチルヘキシルアルコール36.3ml(235
ミリモル)を混合し、加熱しながら130℃で2時間反応
させ均一溶液とした。この溶液中に安息香酸エチル0.
47g(3.1ミリモル)、安息香酸2−エチルヘキシル1.71
g(7.3ミリモル)を添加し、130℃で1時間攪拌混合
し、安息香酸エチル、安息香酸2−エチルヘキシルを均
一に溶解させた。
得られた均一溶液500mlを室温まで冷却した後、0℃
に保持された四塩化チタン200ml(1.8モル)中に1時間
に亘って全量を滴下して添加した。添加終了後、この混
合液の温度を1時間かけて20℃にし、その後30分かけて
80℃に昇温させる。80℃に達した混合液に安息香酸エチ
ル2.24ml(15.6ミリモル)を添加し、同温度を保ちなが
ら2時間攪拌した。
反応終了後、熱濾過して固体部を分離し、得られた固
体部に四塩化チタン200mlを添加し、再び懸濁させた
後、90℃で2時間加熱しながら反応させた。反応終了
後、熱濾過して固体部を分離し、得られた固体部を90℃
デカンおよびヘキサンで洗浄した。洗浄は、洗浄液中に
遊離チタンが検出されなくなるまで充分行った。
このように調製された固体状チタン触媒成分[A]は
ヘキサンスラリーとして保存する。触媒組成はこのスラ
リーの一部を乾燥して測定した。
このようにして得られた固体状チタン触媒成分[A]
の組成はチタン3.0重量%、塩素60重量%、マグネシウ
ム16重量%および安息香酸エチル13.2重量%、安息香酸
2−エチルヘキシル2.0重量%であった。
この固体状チタン触媒成分[A]の平均粒径は3.0μ
mであった。
固体状チタン触媒成分[A]の前処理 200mlガラス製容器にヘキサン100ml、トリエチルアル
ミニウム1.5ミリモルおよび上記のような固体状チタン
触媒成分[A]をチタン原子換算で0.5ミリモル添加
し、室温で1時間攪拌しながら混合する。
オレフィンの重合 充分に窒素置換した内容量2lのステンレス製オートク
レーブに精製ヘキサン1.0lを挿入した。オートクレーブ
内にエチレン/ブテン−1混合ガス(94.6モル/5.4モ
ル)を流通させながら60℃まで昇温した後、トリエチル
アルミニウム2.25ミリモルおよび上記の前処理した固体
状チタン触媒成分[A]をチタン原子換算で0.015ミリ
モル添加した。次いで水素を0.5Kg/cm2添加した後、70
℃に昇温し、全圧2.5Kg/cm2(ゲージ圧)となるように
エチレン/ブテン−1混合ガスを供給した。2時間後、
混合ガスの供給を止め急冷し、55℃になったら攪拌を止
め、速やかに常圧まで減圧し、55〜50℃に保ちながら全
重合体を取り出し濾過した。濾過した重合体は、80℃で
一晩減圧乾燥した。
用いた触媒の重合活性は21900g−PE/mM−Ti、MFRは2.
0g/10min、密度は0.928g/cm3、嵩比重は0.46g/ccであっ
た。
得られた共重合体の平均粒径は118μmであった。
結果を表−1に示す。
実施例2 実施例1において、初期の仕込みで安息香酸エチル
0.78g(5.2ミリモル)、安息香酸2−エチルヘキシル1.
22g(5.2ミリモル)(混合モル比1.0)で用いた以外は
実施例1と同様な方法で固体状チタン触媒成分[A]を
調製した。この触媒成分の粒径は4.2μmであった。
また、実施例1と同様な方法で重合を行いエチレン/
ブテン−1共重合体を得た。用いた触媒の重合活性は21
600g−PE/mM−Ti、MFRは1.9g/10min、密度は0.930g/c
m3、嵩比重は0.46g/ccであった。
得られた共重合体の平均粒径は135μmであった。
結果を表−1に示す。
比較例1 実施例1において、安息香酸2−エチルヘキシルは用
いず、安息香酸エチルを0.47g(3.1ミリモル)用いる
以外は実施例1と同様にして固体状チタン触媒成分
[A]を調製した。
この触媒成分の粒径は5.2μmであった。
この触媒成分[A]を用いて実施例1と同じ方法でオ
レフィンを重合させ、エチレン/ブテン−1共重合体を
得た。用いた触媒の重合活性は23500g−PE/mM−Ti、MFR
は1.2g/10min、密度は0.929g/cm3、嵩比重0.38g/ccであ
った。
共重合体の平均粒径は150μmであった。
結果を表−1に示す。
比較例2 実施例1において、安息香酸2−エチルヘキシルは用
いず、安息香酸エチルを1.56g(10.4ミリモル)を用い
る以外は実施例1と同様にして固体状チタン触媒成分
[A]を調製した。
この触媒成分の粒径は8.0μmであった。
この触媒成分[A]を用いて実施例1と同様にオレフ
ィンを重合させ、エチレン/ブテン−1共重合体を得
た。用いた触媒の重合活性は21700g−PE/mM−Ti、MFRは
2.2g/10min、密度は0.928g/cm3、嵩比重0.40g/ccであっ
た。
共重合体の平均粒径を235μmであった。
結果を表−1に示す。
比較例3 実施例1において、安息香酸エチルを用いず、安息香
酸2−エチルヘキシルを2.44g(10.4ミリモル)用いる
以外は実施例1と同様にして実施したが、触媒粒子が析
出せず、固体状チタン触媒成分[A]は得られなかっ
た。
結果を表−1に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図に、本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製工
程の説明図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−811(JP,A) 特表 平4−500832(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 4/60 - 4/70

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[I] (a)ハロゲン含有マグネシウム化合物、 (b)有機ヒドロキシ化合物および (c)一般式[Ia]で表される少なくとも一種の有機カ
    ルボン酸エステル、 R1COOR2 …[Ia] (式中、R1はアリール基であり、R2は炭素数1〜5の炭
    化水素基である) (d)一般式[Ib]で表される少なくとも一種の有機カ
    ルボン酸エステル R1COOR3 …[Ib] (式中、R1はアリール基であり、R3は炭素数6〜10の炭
    化水素基である) からなる液状混合物と、 [II]一般式 Ti(OR)gX4-g で表される液状チタン化合物 (式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であ
    り、0≦g≦4である) とを接触して得られ、平均粒子径が6μm以下であるオ
    レフィン重合用固体状チタン触媒成分。
  2. 【請求項2】前記液状混合物[I]において、 式[Ia]で表される(c)有機カルボン酸エステルが、
    式[Ib]で表される(d)有機カルボン酸エステルに対
    して0.1〜5(モル比)で用いられ、かつこれら有機カ
    ルボン酸エステル(c),(d)の総使用量が、ハロゲ
    ン含有マグネシウム化合物(a)に対し0.05〜0.3(モ
    ル比)であることを特徴とする請求項第1項に記載のオ
    レフィン重合用固体状チタン触媒成分。
  3. 【請求項3】[A] [I](a)ハロゲン含有マグネシウム化合物、 (b)有機ヒドロキシ化合物および (c)一般式[Ia]で表される少なくとも一種の有機カ
    ルボン酸エステル、 R1COOR2 …[Ia] (式中、R1はアリール基であり、R2は炭素数1〜5の炭
    化水素基である) (d)一般式[Ib]で表される少なくとも一種の有機カ
    ルボン酸エステル R1COOR3 …[Ib] (式中、R1はアリール基であり、R3は炭素数6〜10の炭
    化水素基である) からなる液状混合物と、 [II]一般式 Ti(OR)gX4-g で表される液状チタン化合物 (式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であ
    り、0≦g≦4である) とを接触して得られ、平均粒子径が6μm以下である固
    体状チタン触媒成分と、 [B]有機アルミニウム化合物触媒成分と から形成されるオレフィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】前記液状混合物[I]において、 式[Ia]に表される(c)有機カルボン酸エステルが、
    式[Ib]で表される(d)有機カルボン酸エステルに対
    して0.1〜5(モル比)で用いられ、かつこれら有機カ
    ルボン酸エステル(c),(d)の総使用量が、ハロゲ
    ン含有マグネシウム化合物(a)に対し0.05〜0.3(モ
    ル比)であることを特徴とする請求項第3項に記載のオ
    レフィン重合用触媒。
  5. 【請求項5】請求項第3項に記載されたオレフィン重合
    用触媒の存在下、オレフィンを重合または共重合させる
    ことを特徴とするオレフィンの重合方法。
  6. 【請求項6】請求項第5項に記載のオレフィン重合用触
    媒において、式[Ia]で表される(c)有機カルボン酸
    エステルが、式[Ib]で表される(d)有機カルボン酸
    エステルに対して0.1〜5(モル比)で用いられ、かつ
    これら有機カルボン酸エステル(c),(d)の総使用
    量が、ハロゲン含有マグネシウム化合物(a)に対し0.
    05〜0.3(モル比)であることを特徴とする請求項第5
    項に記載のオレフィンの重合方法。
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