JP2880137B2 - 焼物の製造方法 - Google Patents
焼物の製造方法Info
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- JP2880137B2 JP2880137B2 JP32471896A JP32471896A JP2880137B2 JP 2880137 B2 JP2880137 B2 JP 2880137B2 JP 32471896 A JP32471896 A JP 32471896A JP 32471896 A JP32471896 A JP 32471896A JP 2880137 B2 JP2880137 B2 JP 2880137B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、透光性の象嵌に
より装飾を施した陶磁器等の焼物に関する。
より装飾を施した陶磁器等の焼物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、陶磁器である焼物の彩飾は、下絵
や上絵による彩画の外、釉を着色することによって施す
のが一般的である。
や上絵による彩画の外、釉を着色することによって施す
のが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
焼物は彩飾の表現に限界があり、焼物に変化や新たな装
飾性を出すのは困難である。
焼物は彩飾の表現に限界があり、焼物に変化や新たな装
飾性を出すのは困難である。
【0004】そこで、この発明の課題は器体に透光性の
象嵌を施すことによって、従来にない新たな変化に冨
み、かつ斬新な装飾の表現が可能な焼物の製造方法を提
供することにある。
象嵌を施すことによって、従来にない新たな変化に冨
み、かつ斬新な装飾の表現が可能な焼物の製造方法を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、請求項1の発明は、素地を用いて形成した器
体に貫通する孔を設け、この器体を素焼きしたのち孔に
釉薬を詰めて乾燥させ、乾燥後に素焼器体を本焼きする
構成を採用したものである。
するため、請求項1の発明は、素地を用いて形成した器
体に貫通する孔を設け、この器体を素焼きしたのち孔に
釉薬を詰めて乾燥させ、乾燥後に素焼器体を本焼きする
構成を採用したものである。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、器体に設ける孔の直径は器体の厚みに等しく、孔の
一方端部の周囲に凹窪部を設け、この孔と凹窪部を釉薬
で埋める構成を採用したものである。
て、器体に設ける孔の直径は器体の厚みに等しく、孔の
一方端部の周囲に凹窪部を設け、この孔と凹窪部を釉薬
で埋める構成を採用したものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、孔と凹窪部の周面に透明釉薬1に水3の割合いで溶
いた液体を塗布した後、孔と凹窪部を透光性の釉薬で埋
める構成を採用したものである。
て、孔と凹窪部の周面に透明釉薬1に水3の割合いで溶
いた液体を塗布した後、孔と凹窪部を透光性の釉薬で埋
める構成を採用したものである。
【0008】請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明
において、孔と凹窪部を埋める釉薬は、3号透明釉0.
5と福島長石1(重量)の混合物を40%重量の水で溶
いで形成されている構成を採用したものである。
において、孔と凹窪部を埋める釉薬は、3号透明釉0.
5と福島長石1(重量)の混合物を40%重量の水で溶
いで形成されている構成を採用したものである。
【0009】ここで孔の端部周囲に設ける凹窪部は、孔
の周囲に1〜2mmの大きさ及び深さで形成すると共
に、素焼きは1時間に100℃づつ温度を上げていき、
8時間かけて800℃で焼成する。
の周囲に1〜2mmの大きさ及び深さで形成すると共
に、素焼きは1時間に100℃づつ温度を上げていき、
8時間かけて800℃で焼成する。
【0010】また、本焼きは、1時間に100℃づつ温
度を上げて12時間30分で1250℃まで上げ、12
50℃になったら1時間に100℃づつ温度を下げて8
00℃まで下げ、800℃になったら窯の火を消して自
然に常温まで放置する。
度を上げて12時間30分で1250℃まで上げ、12
50℃になったら1時間に100℃づつ温度を下げて8
00℃まで下げ、800℃になったら窯の火を消して自
然に常温まで放置する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示例と共に説明する。
示例と共に説明する。
【0012】先ず、練り土を用いた素地で所望する形状
の器体1を、手捻り、押し型、ろくろ、鋳込み等の手段
で形成し、この器体1が乾燥する前に、器体1の所望す
る位置に内外に貫通する孔2を設ける。
の器体1を、手捻り、押し型、ろくろ、鋳込み等の手段
で形成し、この器体1が乾燥する前に、器体1の所望す
る位置に内外に貫通する孔2を設ける。
【0013】器体1に設ける孔2の直径Rは、器体1の
厚みWに等しく設定し、この孔2の表面側端部の周囲に
凹窪部3が連ねて設けられている。
厚みWに等しく設定し、この孔2の表面側端部の周囲に
凹窪部3が連ねて設けられている。
【0014】この凹窪部3の表面からの深さDは1mm
にすると共に、周囲の幅D´は1〜2mmに設定する。
にすると共に、周囲の幅D´は1〜2mmに設定する。
【0015】器体1に設ける孔2は、図2(B)に示す
ように、器体1の外面に対して90°に設け、凹窪部3
は図1(A)のような角形以外に図1(B)の如き円弧
状に形成してもよく、図2(A)の如く、孔2と同軸心
状になっている。
ように、器体1の外面に対して90°に設け、凹窪部3
は図1(A)のような角形以外に図1(B)の如き円弧
状に形成してもよく、図2(A)の如く、孔2と同軸心
状になっている。
【0016】図3(A)は器体1に複数の孔2を並べて
設けた場合の凹窪部3の他の例を示し、複数の孔2は器
体1の強度低下を防ぐため、2mm以上の間隔を設ける
と共に、凹窪部3は孔2の直列方向に沿って連続する溝
状に形成している。
設けた場合の凹窪部3の他の例を示し、複数の孔2は器
体1の強度低下を防ぐため、2mm以上の間隔を設ける
と共に、凹窪部3は孔2の直列方向に沿って連続する溝
状に形成している。
【0017】この溝状凹窪部3の幅は、溝幅に対して孔
2の直径が70%になるように設定されている。
2の直径が70%になるように設定されている。
【0018】図3(B)、(C)は凹窪部3の形状に装
飾性をもたせた例であり、図3(B)は花弁形の凹窪部
3、図3(C)は星形の凹窪部3を示している。
飾性をもたせた例であり、図3(B)は花弁形の凹窪部
3、図3(C)は星形の凹窪部3を示している。
【0019】前記のように、孔2と凹窪部3を設けた器
体1は、乾燥させた後、素焼きをする。
体1は、乾燥させた後、素焼きをする。
【0020】この素焼きは器体1を入れた窯の温度を1
時間に100℃づつ上げて行き、8時間かけて800℃
にすることによって焼結する。
時間に100℃づつ上げて行き、8時間かけて800℃
にすることによって焼結する。
【0021】次に素焼き器体1の孔2と凹窪部3の内周
面に接着用液体を塗布した後、孔2と凹窪部3に釉薬4
を詰めて埋め、釉薬4を器体1の内外面に合わせて仕上
げる。
面に接着用液体を塗布した後、孔2と凹窪部3に釉薬4
を詰めて埋め、釉薬4を器体1の内外面に合わせて仕上
げる。
【0022】上記液体は、3号透明釉と水を1対3(重
量)の割合で解いたものであり、釉薬4と器体1を結合
させる役目をする。
量)の割合で解いたものであり、釉薬4と器体1を結合
させる役目をする。
【0023】また、釉薬4は、3号透明釉0.5と福島
長石1の混合物を水40%(重量)の割合で溶かした透
明のものであるが、これに本焼に使用する下絵用の絵具
を0.1%(重量)入れ、ピンク、イエロー、ブルー、
グリーン、ライラック等の着色を透光性を維持した状態
で着色してもよい。
長石1の混合物を水40%(重量)の割合で溶かした透
明のものであるが、これに本焼に使用する下絵用の絵具
を0.1%(重量)入れ、ピンク、イエロー、ブルー、
グリーン、ライラック等の着色を透光性を維持した状態
で着色してもよい。
【0024】器体1の孔2及び凹窪部3を埋めた釉薬4
を乾燥させ、この後、器体1を窯に入れて本焼を行う。
を乾燥させ、この後、器体1を窯に入れて本焼を行う。
【0025】本焼は、窯の温度を1時間に100℃づつ
上げて行き、12時間30分で1250℃までにする
と、今度は1時間に100℃づつ温度を下げて行き、8
00℃になったろ窯の火を消して自然に常温まで放置す
る。
上げて行き、12時間30分で1250℃までにする
と、今度は1時間に100℃づつ温度を下げて行き、8
00℃になったろ窯の火を消して自然に常温まで放置す
る。
【0026】上記釉薬4は本焼きによってガラス化し、
本焼きによって焼き締められ器体1と結合一体化し、釉
薬4が器体1に透光性の装飾を施すことになる。
本焼きによって焼き締められ器体1と結合一体化し、釉
薬4が器体1に透光性の装飾を施すことになる。
【0027】なお、器体1に対する彩画や彩色、施釉は
一般的な陶磁器の製法を自由に採用すればよい。
一般的な陶磁器の製法を自由に採用すればよい。
【0028】前記のように、本焼きによって完成した焼
物は図4の如く器体1の所定位置に象嵌による透光性の
装飾が施されることになり、変化と趣きのある焼物が得
られることになる。
物は図4の如く器体1の所定位置に象嵌による透光性の
装飾が施されることになり、変化と趣きのある焼物が得
られることになる。
【0029】この象嵌は透明だけでなく、薄い着色を施
すことによって装飾性に変化をもたせることができると
共に、点在させる象嵌部分で図柄や模様の表現も可能に
なる。
すことによって装飾性に変化をもたせることができると
共に、点在させる象嵌部分で図柄や模様の表現も可能に
なる。
【0030】
【発明の効果】以上のように、この発明によると貫通す
る孔を設けた素焼器体の該孔を釉薬で埋め、この後本焼
きするようにしたので、器体に透光性のある象嵌によっ
て装飾を施すことができ、焼物における全く新たな感覚
の装飾が得られ、変化と装飾性に優れた焼物を提供でき
る。
る孔を設けた素焼器体の該孔を釉薬で埋め、この後本焼
きするようにしたので、器体に透光性のある象嵌によっ
て装飾を施すことができ、焼物における全く新たな感覚
の装飾が得られ、変化と装飾性に優れた焼物を提供でき
る。
【0031】また、孔の一方端部の周囲に凹窪部を設け
ることにより、孔を埋める釉薬の器体への固着強度を向
上させることができる。
ることにより、孔を埋める釉薬の器体への固着強度を向
上させることができる。
【図1】(A)は器体の孔を設けた部分を示す拡大断面
図、(B)は同じく孔の他の形状を示す器体の断面図。
図、(B)は同じく孔の他の形状を示す器体の断面図。
【図2】(A)は器体に設けた孔の正面図、(B)は器
体に設けた孔の部分を示す横断平面図。
体に設けた孔の部分を示す横断平面図。
【図3】(A)は器体に施した孔と凹窪部の他の例を示
す正面図、(B)は凹窪部が花形の正面図、(C)は星
形の正面図。
す正面図、(B)は凹窪部が花形の正面図、(C)は星
形の正面図。
【図4】孔と凹窪部を釉薬で埋めた縦断面図。
1 器体 2 孔 3 凹窪部 4 釉薬
Claims (4)
- 【請求項1】 素地を用いて形成した器体に貫通する孔
を設け、この器体を素焼きしたのち孔に釉薬を詰めて乾
燥させ、乾燥後に素焼器体を本焼きすることを特徴とす
る焼物の製造方法。 - 【請求項2】 器体に設ける孔の直径は器体の厚みに等
しく、孔の一方端部の周囲に凹窪部を設け、この孔と凹
窪部を釉薬で埋めることを特徴とする請求項1記載の焼
物の製造方法。 - 【請求項3】 孔と凹窪部の周面に透明釉薬1に水3の
割合いで溶いた液体を塗布した後、孔と凹窪部を透光性
の釉薬で埋めることを特徴とする請求項2記載の焼物の
製造方法。 - 【請求項4】 孔と凹窪部を埋める釉薬は、3号透明釉
0.5と福島長石1(重量)の混合物を40%重量の水
で溶いで形成されている請求項1乃至3の何れかに記載
の焼物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32471896A JP2880137B2 (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 焼物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32471896A JP2880137B2 (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 焼物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10152366A JPH10152366A (ja) | 1998-06-09 |
JP2880137B2 true JP2880137B2 (ja) | 1999-04-05 |
Family
ID=18168943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32471896A Expired - Fee Related JP2880137B2 (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 焼物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2880137B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017111735A1 (en) * | 2015-12-26 | 2017-06-29 | Eczacibaşi Holding Anonim Şirketi | A method for fixing a part on the surface of a ceramic sanitary ware and a ceramic sanitary ware on which said part is fixed |
WO2017111738A1 (en) * | 2015-12-26 | 2017-06-29 | Eczacibaşi Holding Anonim Şirketi | A method for fixing a part on the surface of a ceramic product and a ceramic product on which said part is fixed |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101092559B1 (ko) | 2008-09-08 | 2011-12-13 | 김영수 | 창문투시효과를 갖는 도자기 및 그 제조방법 |
KR100943253B1 (ko) | 2009-07-21 | 2010-02-18 | 김영수 | 창문투시효과를 갖는 도자기 및 그 제조방법 |
-
1996
- 1996-11-19 JP JP32471896A patent/JP2880137B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017111735A1 (en) * | 2015-12-26 | 2017-06-29 | Eczacibaşi Holding Anonim Şirketi | A method for fixing a part on the surface of a ceramic sanitary ware and a ceramic sanitary ware on which said part is fixed |
WO2017111738A1 (en) * | 2015-12-26 | 2017-06-29 | Eczacibaşi Holding Anonim Şirketi | A method for fixing a part on the surface of a ceramic product and a ceramic product on which said part is fixed |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10152366A (ja) | 1998-06-09 |
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