JP2879832B2 - 防錆願料 - Google Patents

防錆願料

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JP2879832B2 JP31236590A JP31236590A JP2879832B2 JP 2879832 B2 JP2879832 B2 JP 2879832B2 JP 31236590 A JP31236590 A JP 31236590A JP 31236590 A JP31236590 A JP 31236590A JP 2879832 B2 JP2879832 B2 JP 2879832B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、防錆顔料に関する。さらに詳しくは、本発
明は、塗料用樹脂として酸化重合型樹脂を用いた場合に
も優れた防錆効果を発揮し得る防錆顔料に関する。
〔従来の技術〕
従来、油性塗料、溶剤系塗料、水系塗料などの塗料用
の防錆顔料としては、クロム系顔料(たとえば、ジンク
クロメータ、ストロンチウムクロメートなど)、鉛系顔
料(たとえば、鉛丹、塩基性クロム酸鉛、シアナミド
鉛、鉛酸カルシウムなど)、リン酸系顔料(たとえば、
リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウムな
ど)、モリブデン酸系顔料(たとえば、モリブデン酸亜
鉛など)、ホウ酸系顔料(たとえば、メタホウ酸バリウ
ムなど)が使用されていた(たとえば、特公昭53−3149
5号公報、特公昭54−5399号公報、特開昭56−129638号
公報など)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、クロム系顔料や鉛系防錆顔料は、防錆力が優
れているものの、有害金属であるクロム(6価クロム)
や鉛を含有するため、人の健康を損なうおそれがあるな
ど、安全性面で問題があった。
一方、リン酸系防錆顔料、モリブデン酸系防錆顔料、
ホウ酸系防錆顔料などは、有害金属を含まず、いわゆる
無公害防錆顔料であって、安定性面での問題は少ない
が、一般に防錆力が低く、その持続性も低いという問題
があった。特に、無公害防錆顔料においては、塗料用樹
脂として電着塗料の塗膜形成要素として有用な酸化重合
型樹脂を用いた場合に優れた防錆効果を発揮するものが
見当たらなかった。
したがって、本発明は、塗料用樹脂として酸化重合型
樹脂を用いた場合にも優れた防錆効果を発揮する防錆顔
料を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、鱗片状顔料の粒子表面を鉛化合物、カルシ
ウム化合物およびビスマス化合物よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種の金属化合物で被覆して鱗片状粒体を
作製し、この鱗片状粒体を防錆顔料として用いることに
よって、上記目的を達成したものである。
すなわち、本発明の防錆顔料の素材である鱗片状顔料
は、それ自身の化学的な防錆力は持たないものの、塗料
用樹脂に配合して塗料化したときに、塗膜中で鱗片状に
配列して水が塗膜を透過して素地(鉄)に達するのを防
止して、防錆効果を発揮する。
また、上記鱗片状顔料の粒子表面を被覆する鉛化合
物、カルシウム化合物およびビスマス化合物よりなる群
から選ばれた少なくとも1種の金属化合物が、電着塗料
の塗膜形成要素として有用な酸化重合型樹脂に対して硬
化触媒として働き、塗膜の硬化を促進して塗膜の耐水透
過性を向上させるので、水の透過が防止され、優れた防
錆効果が長期間にわたって発揮されるようになる。
また、鱗片状顔料の粒子表面を被覆する鉛化合物、カ
ルシウム化合物およびビスマス化合物よりなる群から選
ばれた少なくとも1種の金属化合物が、樹脂成分の一部
と反応して金属石鹸を形成し、これが鉄の腐食を防止す
るので、防錆効果が長期間にわたって持続するようにな
る。さらに、上記金属石鹸の加水分解生成物が鉄の腐食
を防止するので、防錆効果がより一層向上する。
本発明の各成分について詳しく説明すると、本発明の
防錆顔料の素材である鱗片状顔料としては、たとえば、
雲母、板状酸化鉄、雲母状酸化鉄、グラファイト、タル
ク、板状酸化アルミニウム、アルミニウムフレーク、ガ
ラスフレーク、珪酸アルミニウムなどを用いることがで
きる。そして、雲母としては、白雲母、ソーダ雲母、絹
雲母、セラドナイト、海緑石、金雲母、黒雲母などの天
然雲母や、合成雲母などが挙げられる。さらに、たとえ
ばパール状顔料など、上記鱗片状顔料に酸化チタン、チ
タネート、アルミナ、シリカなどをコーティング処理し
た顔料も、本発明の防錆顔料の素材を構成する鱗片状顔
料として使用することができる。
鱗片状顔料の粒子表面を被覆する金属化合物は、鉛化
合物、カルシウム化合物およびビスマス化合物よりなる
群から選ばれた少なくとも1種であって、これらは酸化
重合型樹脂の硬化触媒としての作用が優れている。
また、上記鱗片状顔料の粒子表面を被覆する金属化合
物は、無機金属化合物、有機金属化合物のいずれでもよ
く、無機金属化合物としては、たとえば前記金属の含水
酸化物、水酸化物、酸化物などが挙げられ、有機金属化
合物としては、たとえば前記金属を含有したポリマーな
どが挙げられる。
そして、鱗片状顔料の粒子表面を被覆する金属化合物
の量としては、その金属の重量換算で鱗片状顔料に対し
て0.1〜50重量%の範囲、特に1〜20重量%の範囲が好
ましい。鱗片状顔料の粒子表面を被覆する金属化合物の
量が上記範囲より少ない場合は、酸化重合型樹脂を硬化
させる効果が少なく、そのため、防錆効果を長期間持続
させることがむつかしくなる。また、鱗片状顔料の粒子
表面を被覆する金属化合物の量が上記範囲より多くなる
と、酸化重合型樹脂に対する硬化触媒作用が強くなりす
ぎ、塗料の可使時間や貯蔵期間が短くなる。
鱗片状顔料の粒子表面を金属化合物で被覆するにあた
っては、たとえば、鱗片状顔料を金属イオンを含有する
液中に分散させ、液のpHをアミン類などで弱酸性側から
アルカリ側に変化させることによって、金属イオンを水
酸化物として鱗片状顔料の粒子表面に沈着させ、その
後、濾過、水洗、乾燥して、鱗片状顔料の粒子表面の水
酸化物を含水酸化物に変化させる方法が採用される。た
だし、金属化合物によっては、pHをアルカリ側から酸性
側に変化させる場合もある。また、熱加水分解によって
鱗片状顔料の粒子表面に金属化合物を被覆させることも
可能である。鱗片状顔料の粒子形状は文字どおり鱗片状
であるが、その粒子表面を上記のように金属化合物で被
覆した場合にも、粒子形状はほぼ鱗片状に保たれ、鱗片
状粒体が得られる。
上記金属イオンを含有する液を作るための金属イオン
を放出する物質としては、たとえば、塩化鉛、塩化カル
シウム、塩化ビスマスなどの金属塩化物、水酸化鉛、水
酸化カルシウム、水酸化ビスマスなどの金属水酸化物、
硝酸鉛、硝酸カルシウム、硝酸ビスマスなどの硝酸金属
鉛、炭酸鉛、炭酸カルシウム、炭酸ビスマスなどの炭酸
金属塩、あるいはそれらの金属の炭酸水素塩およびそれ
らの複塩、硫酸鉛、硫酸カルシウム、硫酸ビスマスなど
の硫酸金属塩、あるいはそれらの金属の硫酸アンモニウ
ム塩およびそれらの複塩などが挙げられる。
前記鱗片状顔料の粒子表面に沈積した水酸化物を含水
酸化物に変化させるための際の加熱温度としては、室温
から700℃までが適切であり、有機溶剤が使用されてい
る場合には、温度を室温から沸点にまですることが適切
である。反応形式としては、バッチ式、連結式のいずれ
も採用可能である。鱗片状顔料の粒子表面を金属化合物
で被覆するための処理時間は、通常、鱗片状顔料を金属
イオンを含有する液に投入した後、10分〜5時間であ
る。
また、鱗片状顔料の粒子表面を金属化合物で被覆する
他の方法として、鱗片状顔料の粒子表面に物理吸着、乳
化重合法、溶液重合法を利用して金属化合物を被覆させ
る方法なども採用することができる。その一例として
は、たとえば、金属含有モノマー(金属元素含有重合性
単量体)の含有溶液中に鱗片状顔料を加えて分散させ
(逆に鱗片状顔料の分散液中に金属含有モノマーを添加
してもよい)、得られたスラリーを80℃までの温度下で
30分〜4時間攪拌、分散させた後、鱗片状顔料を単離、
乾燥、解砕することによって、粒子表面を金属化合物で
被覆した鱗片状顔料を得る方法がある。さらに他の方法
としては、鱗片状顔料を金属含有モノマーが溶解可能な
溶剤に分散させ、その分散液中に金属含有モノマーと重
合開始剤を滴下して加え、一定の攪拌または回転を維持
したまま、昇温、熟成し、鱗片状顔料の粒子表面に金属
含有ポリマーの被膜を形成する方法がある。
上記金属含有モノマーとしては、下記の一般式(I)
〜(III)で示されるものが挙げられる。
一般式(I): (CH2=CR′COO)xMnRn-x 一般式(II): (CH2=CH)xMnRn-x 一般式(III): (CH2=CHC6H4xMnRn-x 〔上記一般式(I)〜(III)において、Mは金属元
素、Rは(置換)アルキル基、(置換)フェニル基また
は(置換)ヒドロキシ基、R′はHまたはメチル基、n
は金属元素の原子価、xはnより小さい整数である〕 つまり、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸などの不飽和有機酸の金属エステル、あるいは
それらの金属塩や、ビニル金属、スチリル金属などであ
り、それらの金属は水酸基、有機酸残基、(置換)アル
キル基などを持つこともある。具体的には、たとえば、
鉛ではジフェニル鉛ジ(メタ)アクリレート、スチリル
トリエチル鉛などが挙げられる。なお、上記の(メタ)
アクリレートは、アクリレートまたはメタクリルートを
示す。
また、上記のような金属含有モノマーを用いないで、
鱗片状顔料の粒子表面を金属を含まないポリマーの被膜
で被覆した後、そのポリマーの被覆に化学反応を利用し
て金属元素を導入する方法も採用できる。上記後処理で
の化学反応としては、金属化合物と酸とのエステル化反
応やエステル交換反応などが好ましい。その際に用いる
金属化合物としては、たとえば、酸化カルシウム、塩化
鉛、塩化ビスマスなどの金属酸化物、金属ハロゲン化物
などが好ましい。これらの金属化合物は公知の方法によ
ってポリマー中のカルボキシル基または中和されたカル
ボキシル基と容易にエステル化またはエステル交換する
ので、ポリマーの被覆中に容易に金属元素を導入するこ
とができる。
上記モノマーは、溶剤100重量部に対して1〜100重量
部の範囲で使用するのが適切であり、特に5〜80重量部
の範囲で使用するのが好ましい。
溶剤は、形成されるポリマーの被膜を溶解もしくは膨
潤することのないものを使用することが必要である。使
用し得る溶剤としては、たとえば、メタン系炭化水素溶
剤、エチレン系炭化水素溶剤、アセチレン系炭化水素溶
剤、脂環式炭化水素系溶剤、芳香族炭化水素溶剤などが
挙げられる。
また、一般式(IV): (式中、Rはメチル、エチルなどのアルキル基またはフ
ェニル基を表し、nは3以上の整数を表す) で表される有機ポリシロキサンまたは流動パラフィンな
どの高沸点溶剤と、アセトン、ジクロルメタン、メチレ
ンクロライド、エチレンクロライド、テトラヒドロフラ
ンなどの低沸点極性有機溶剤との混合溶剤を用いること
もできる。ただし、高沸点溶剤は、沸点が350℃以下の
ものを使用する必要がある。沸点が350℃より高い溶剤
を使用すると、ポリマー被膜形成後の溶剤の蒸発が遅く
なり、作業性は悪くなる。また、低沸点溶剤は、沸点が
30℃以上のものを使用する必要がある。沸点が30℃より
低い溶剤の場合は、ポリマー被膜の形成処理中に溶剤が
蒸発してしまい、溶液の粘度が上がり、取り扱いが困難
になる。
重合開始剤としては、たとえば、過硫酸カリウム、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス−
2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2′−アゾビス−4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルなどのアゾ化
合物、コハク酸パーオキサイド、アセチルシクロヘキシ
ルスルホニルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、デカノニルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、プ
ロピオニルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベ
ンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブ
チレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルエ
チルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、
t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパー
オキサイド、クメンヒドロパーオキサイドなどのパーオ
キサイド系開始剤などを用いることができる。
重合開始剤の使用量は、モノマー100重量部に対して
0.01〜5重量部の範囲が適切であり、特に0.3〜2重量
部の範囲が好ましい。重合開始剤が0.01重量部より少な
い場合は重合速度が遅く、また重合開始剤が5重量部よ
り多くなると重合速度が速くなって重合のコントロール
が困難になる。
重合反応は、50〜95℃、好ましくは60〜85℃で行われ
る。また、重合時間は重合反応温度によっても異なる
が、一般に4〜10時間である。
重合反応は、酸素の存在しない雰囲気中で行うことが
好ましい。これは酸素がラジカルスキャベンジャー(遊
離基捕獲剤)として働き、重合反応を阻害するからであ
る。そのため、溶剤は溶存酸素を除去したものを使用す
ることが好ましい。溶存酸素の除去は、たとえば溶剤を
窒素、アルゴンなどの不活性基体で一定時間バブリング
することなどによって行うことができる。
重合反応のための反応装置としては、バッチ式、連続
式のいずれも可能である。
本発明の防錆顔料は、塗料化に際しては各種の樹脂を
用いることができるが、特に本発明の防錆顔料は、鱗片
状顔料の粒子表面を被覆する金属化合物の金属が酸化重
合型樹脂の硬化触媒として働き、塗膜の耐水透過性を向
上させるので、塗料化に際して酸化重合型樹脂を用いた
場合にも優れた防錆効果を発揮するという特徴がある。
酸化重合型樹脂は、電着塗料用の樹脂として有用なも
のであるが、前述したように、この酸化重合型樹脂は耐
水透過性が悪く、水が塗膜を透過して素地に達し素地を
腐食させやすいので従来の防錆顔料では充分な防錆効果
が得られなかったが、本発明の防錆顔料によれば、上記
のように酸化重合型樹脂を硬化させて、耐水透過性を向
上させるので、酸化重合型樹脂を塗料用樹脂として用い
た塗料、たとえば電着塗料などの防錆作用が向上し、防
錆面でも優れた特性を持つ塗料が得られるようになる。
上記の酸化重合型樹脂は、溶剤系のものと水系のもの
とに大別される。溶剤系酸化重合型樹脂としては、多塩
基酸、多価アルコール、重合性ビニルモノマーなどの重
縮合反応により得られる不飽和ポリエステル樹脂が代表
例として挙げられる。上記多塩基酸としては、たとえ
ば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水
コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テ
トラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、
テトラブロム無水フタル酸、テトラクロル無水フタル
酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸、無水マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸などの二塩基酸、無水トリメ
ット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物な
どの三塩基酸、無水ピロメリット酸などの四塩基酸が挙
げられる。多価アルコールとしては、たとえば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレン
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、トリエチレングリコール、水素化ビスフェノール
A、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテルなど
の二価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチル
アミノメタンなどの三価アルコール、ペンタエリトリッ
トなどの四価アルコールが挙げられる。重合性ビニルモ
ノマーとしては、たとえば、スチレン、ビニルトルエ
ン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレートなど
が挙げられる。
また、これらの多塩基酸、多価アルコール、重合性ビ
ニルモノマーなどと、その他の添加剤とから合成される
不飽和ポリエステル樹脂であれば、特に制限はなく、種
々の変性剤で変性された不飽和ポリエステル樹脂も使用
することができる。そのような変性剤としては、あまに
油、大豆油、サフラワー油、トール油、やし油、ひまし
油、脱水ひまし油、ぬか油脂肪酸、フェノール、エポキ
シ、スチレン、アクリル、ビニル、ウレタンなどが挙げ
られる。
一方、水系酸化重合型樹脂としては、アニオン型、カ
チオン型の酸化重合型水系樹脂が挙げられる。
アニオン型電着塗料に使用するアニオン型酸化重合型
水系樹脂は、酸化重合し得る不飽和結合と、電着に必要
な負の電荷と親水性を与えるための、カルボキシル基の
ようなアニオン性官能基を持っている。典型的なそのよ
うな樹脂は、マレイン化天然もしくは合成乾性油、マレ
イン化ポリブタジエン、あるいはそれらの樹脂を水、ア
ルコール、アンモニア、一級または二級アミンで開裂し
て得られるジカルボン酸、ハーフエステル、ハーフアミ
ドなどである。
カチオン型電着塗料に使用するカチオン型酸化重合型
水系樹脂は、酸化重合し得る不飽和結合と、正の電荷と
親水性を与えるためのアミノ基のようなカチオン性官能
基を持っている。典型的なそのような樹脂は、エポキシ
化液状ポリブタジエンと二級アミンとを反応させること
により、ポリブタジエンにアミノ基を導入することによ
って得られる。
これら電着塗料は、塗膜性能を向上させる目的で電荷
および親水性を与えない樹脂、たとえばエポキシアクリ
レート系樹脂を上記水系酸化重合型樹脂とエマルジョン
の形で併用することも可能であり、また樹脂自体の自己
架橋とあわせて、ブロックイソシアネート化合物やメラ
ミン樹脂、ポリエステル樹脂のような架橋剤を併用する
ことも可能である。したがって、このような親水性官能
基を持たない樹脂および硬化剤との併用系も含めて、酸
化重合型水性樹脂として使用することができる。
本発明の防錆顔料は、特にこれらの酸化重合型樹脂に
対しても優れた防錆効果を発揮する点において特徴があ
るが、これら酸化重合型樹脂以外の塗料用樹脂(塗膜形
成要素となるもので、厳密には樹脂できないものを含
む)に対しても使用することができる。
そのような塗料用樹脂としては、特に制限はなく、種
々のものを用い得るが、その具体例を挙げると、たとえ
ば、フェノール樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、シ
リコーン樹脂、ポリエステル樹脂などの各種樹脂、ボイ
ル油、油性ワニスなどの油系樹脂、塩化ゴム、環化ゴム
などのゴム誘導体、その他繊維素誘導体などが、単独で
または2種以上併用して使用される。
本発明の防錆顔料を用いて塗料化する場合、塗料用樹
脂100重量部(ただし、固形分量)に対して本発明の防
錆顔料を10〜150重量部の範囲で使用すればよい。
〔実施例〕
つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。また、以後において、配合量など各種の
量はいずれも重量基準によるものである。
実施例1 アクリル酸カルシウムの1%スラリー3に絹雲母30
0gを投入し、室温で2時間攪拌した。その後、スラリー
を脱水、濾過、乾燥、解砕して、絹雲母の粒子表面をカ
ルシウム化合物で被覆した鱗片状粒体からなる防錆顔料
を得た。この防錆顔料において、絹雲母の粒子表面を被
覆するカルシウム化合物は、アクリル酸ポリマー中にカ
ルシウムを含有したものであり、その量はカウシウム換
算で絹雲母に対して6.4%であった。
実施例2 イオン交換水1を約80℃まで上昇させ、そこに塩化
鉛を5.4g投入し、塩化鉛を溶解させた。
上記塩化鉛の水溶液に雲母状酸化鉄を100g投入し、約
30分間攪拌した後、0.1N水酸化ナトリウムを加えて溶液
のpHを4.0に調整した。溶液の温度を80℃に保持したま
ま1時間攪拌した後、濾過、水洗し、得られた脱水ケー
キを乾燥機中300℃で乾燥し、その後、解砕することに
よって、雲母状酸化鉄の粒子表面を含水酸化鉛で被覆し
た鱗片状粒体からなる防錆顔料を得た。この防錆顔料に
おいて、雲母状酸化鉄の粒子表面を被覆する含水酸化鉛
の量は、鉛換算で雲母状酸化鉄に対して4.0%であっ
た。
実施例3 6%アンモニア水溶液2500mlに珪酸アルミニウム300g
を投入し、攪拌しつつ加熱してスラリー温度を約80℃に
昇温させた。
その後、10%水酸化ビスマス硝酸溶液1200mlを60分か
けて滴下した。その間、スラリー温度を80±2℃に保持
した。
水酸化ビスマス硝酸溶液を滴下後、30分間スラリーを
熟成した後、常法にしたがって濾過、水洗し、得られた
ケーキを90℃にて乾燥させた。その後、解砕することに
よって、珪酸アルミニウムの粒子表面を含水酸化ビスマ
スで被覆した防錆顔料を得た。
この防錆顔料において、珪酸アルミニウムの粒子表面
を被覆する含水酸化ビスマスの量は、ビスマス換算で珪
酸アルミニウムに対して17.0%であった。
つぎに、上記実施例1〜3で得た防錆顔料を用いて常
乾型中油アルキッド樹脂系防錆塗料を調製し、塗膜形成
後、塩水噴霧試験を行い、その防錆効果を調べた。その
結果を試験例1において示す。また、試験例1において
は、比較対照のため、防錆顔料としてリン酸亜鉛、ジン
ククロメートおよびモリブデン酸亜鉛を用いて常乾型中
油アルキッド樹脂系防錆塗料を調製し同様の試験を行っ
た。
また、実施例1〜3で得た防錆顔料を用いて常乾型長
油アルキッド樹脂系防錆塗料を調製し、塗膜形成後、塩
水噴霧試験を行い、その防錆効果を調べた。その結果を
試験例2において示す。また、試験例2においても、比
較対照のため、防錆顔料としてリン酸亜鉛、ジンククロ
メートおよびモリブデン酸亜鉛を用いて常乾型長油アル
キッド樹脂系防錆塗料を調製し、同様の試験を行った。
なお、常乾型中油アルキッド樹脂および常乾型長油アル
キッド樹脂はいずれも酸化重合型樹脂に属するものであ
る。
試験例1 第1表に示す配合の常乾型中油アルキッド樹脂系防錆
塗料を調製し、塗膜形成後、塩水噴霧試験を行い、その
防錆効果を調べた。
1−1 防錆塗料の調製 第1表に示す配合で6種類の常乾型中油アルキッド樹
脂系防錆塗料を調製した。
※1 防錆顔料の種類 (1)実施例1の防錆顔料 (2)実施例2の防錆顔料 (3)実施例3の防錆顔料 (4)リン酸亜鉛 (5)ジンククロメート (6)モリブデン酸亜鉛 ※2 商品名:大日本インキ化学工業社製の固形分濃度
50%の常乾型中油キッド樹脂液 ※3 商品名:楠本化成社製のポリエステル樹脂系皮張
防止剤 ※4 商品名:楠本化成社製の沈降防止剤 ※5 関西ペイント社製の塗料用シンナーA 1−2 塗装および塗装条件 上記6種類の常乾型中油アルキッド樹脂系防錆塗料を
それぞれ下記の塗装条件で被塗板上に塗装し、常温で乾
燥して塗膜を形成した。
塗 装:バーコーター塗装 被塗板:脱脂処理軟鋼板 JIS G 3141(SPCC−SB) (日本テストパネル工業社製) 膜 厚:30±1μm 乾 燥:室温 1週間 1−3 塩水噴霧試験 上記のように被塗板に塗膜を形成することによって作
製した試験板を、機内温度を35℃に保った塩水噴霧機内
に入れ、5%NaCl水溶液を1kg/cm2で14日間塗膜に噴霧
し、試験板のサビ(錆)の発生および塗膜のふくれ(膨
れ)を観察した。
1−4 試験結果 上記塩水噴霧試験の結果を第2表に防錆顔料の種類ご
とに示す。
防錆効果は、試験板のサビ発生防止効果および塗膜の
フクレ発生防止効果で評価するが、それらの評価基準は
次の通りである。サビ発生防止効果の評価基準はASTMD7
14−59(1965)に準拠している。なお、下記の評価基準
からも明らかなように、サビ発生防止効果、フクレ発生
防止効果とも、評価値が高いほど効果が優れている。
サビ発生防止効果の評価基準 5:サビ発生面積 0.1%未満 4:サビ発生面積 0.1%以上〜1%未満 3:サビ発生面積 1%以上〜10%未満 2:サビ発生面積 10%以上〜33%未満 1:サビ発生面積 33%以上 フクレ発生防止効果の評価基準 5:8F以下 4:8M、6F 3:8MD、6M、4F 2:8D、6MD、4M、2F 1:6D、4MD以上、2M以上 第2表に示すように、実施例1〜3の防錆顔料は、サ
ビ、フクレのいずれに対しても防止効果の評価値が高
く、従来の無公害防錆顔料であるリン酸亜鉛やモリブデ
ン酸亜鉛に対してはもとより、クロム系顔料であるジン
ククロメートに比べても、防錆効果が優れていた。
試験例2 第3表に示す配合の常乾型長油アルキッド樹脂系防錆
塗料を調製し、塗膜形成後、塩水噴霧試験を行い、その
防錆効果を調べた。
2−1 防錆塗料の調製 第3表に示す配合で6種類の常乾型長油アルキッド樹
脂系防錆塗料を調製した。
※1 防錆顔料の種類 (1)実施例1の防錆顔料 (2)実施例2の防錆顔料 (3)実施例3の防錆顔料 (4)リン酸亜鉛 (5)ジンククロメート (6)モリブデン酸亜鉛 ※2 商品名:大日本インキ化学工業社製の固形分濃度
70%の常乾型長油キッド樹脂液 ※3 商品名:楠本化成社製の沈降防止剤 2−2 塗装および塗装条件 上記6種類の常乾型長油アルキッド樹脂系防錆塗料を
それぞれ下記の塗装条件で被塗板上に塗装し、常温で乾
燥して塗膜を形成した。
塗 装:バーコーター塗装 被塗板:脱脂処理軟鋼板 JIS G 3141(SPCC−SB) (日本テストパネル工業社製) 膜 厚:30±1μm 乾 燥:室温 1週間 2−3 塩水噴霧試験 上記のように被塗板に塗膜を形成することによって作
製した試験板を、機内温度を35℃に保った塩水噴霧機内
に入れ、5%NaCl水溶液を1kg/cm2で14日間塗膜に噴霧
し、試験板のサビ(錆)の発生および塗膜のふくれ(膨
れ)を観察した。
2−4 試験結果 上記塩水噴霧試験の結果を第4表に防錆顔料の種類ご
とに示す。防錆効果の評価基準は試験例1の場合と同様
である。
第4表に示すように、実施例1〜3の防錆顔料は、常
乾型長油アルキッド樹脂系防錆塗料にした場合にも、サ
ビ、フクレのいずれに対しても防止効果の評価値が高
く、従来の無公害防錆顔料であるリン酸亜鉛やモリブデ
ン酸亜鉛に対してはもとより、クロム系顔料であるジン
ククロメートに比べても、防錆効果が優れていた。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の防錆顔料は、塗料用樹
脂として酸化重合型樹脂を用いた場合にも、防錆効果が
優れており、また、14日以上にわたる塩水噴霧試験にも
耐え防錆効果の持続性も優れていた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鱗片状顔料の粒子表面を鉛化合物、カルシ
    ウム化合物およびビスマス化合物よりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の金属化合物で被覆した鱗片状粒体か
    らなる防錆顔料。
  2. 【請求項2】鱗片状顔料の粒子表面を被覆する金属化合
    物の量が、その金属の重量換算で鱗片状顔料に対して0.
    1〜50重量%である請求項1記載の防錆顔料。
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