JP2879706B2 - 免疫測定試薬 - Google Patents

免疫測定試薬

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は免疫測定試薬、更に詳細には、被検試料中に
存在する抗原又は抗体を、被検試料中に含まれる補体成
分の影響を受けることなく、簡単な操作で、感度よく測
定することのできる免疫測定試薬に関する。
〔従来の技術〕
抗原抗体反応を利用する免疫測定法は各種内分泌疾患
の臨床診断等において極めて重要であり、種々の測定法
が知られている。その中でも、近年、マーカーを封入さ
せたリポソームを調製してこれに抗原又は抗体を感作さ
せ、この感作リポソームを検体と共存させてリポソーム
に共有結合している抗原又は抗体と検体中の抗体又は抗
原と反応させて抗原抗体複合体を形成し、この複合体を
特異的に破壊させてリポソームから流出するマーカーを
測定し、一方上記と同様の感作リポソームを種々既知量
の抗原又は抗体と共存させ、かつ上記と同様に流出マー
カーを測定して標準検量線を予め作成しておき、検体に
関する上記測定結果を上記標準検量線と照合させて、抗
体又は抗原を定量する方法が提案されており、この方法
は操作が簡単な点で注目をあびている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記方法に使用される感作リポソームは、リポソーム
の表面に抗体又は抗原を架橋剤を用いて結合することに
よって調製されている。しかしながら、斯かる感作リポ
ソームは、ヒト血清等の被検体中に補体成分が含まれて
いると、この補体成分が、リポソーム中に未反応のまま
残存する当該架橋剤によって活性化され、抗原・抗体反
応に基づかないリポソームの溶解が生起して、マーカー
リリースが起り、測定精度を悪くするという問題点があ
った。
従って、補体成分を含む被検体の場合にも影響を受け
ることのない免疫測定試薬の開発が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実情において、本発明者は鋭意研究を行った結
果、抗原又は抗体にリン脂質カルボキシアシル誘導体を
カルボジイミド法によって導入し、これをリポソームに
感作せしめれば、前記問題点の少ない試薬が得られるこ
とを見出し、先に特許出願した(特願平1-209789号)。
そして、更に検討を進めた結果、リポソームに感作させ
る抗原又は抗体へのリン脂質カルボキシアシル誘導体の
導入数を2個以下に抑制すれば、リポソームの非特異的
崩壊が少なく、より高感度の免疫測定試薬が得られるこ
とを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、抗原又は抗体1分子当たり2個
以下のリン脂質カルボキシアシル誘導体をカルボジイミ
ド法によって導入した抗原又は抗体をリポソームの表面
に感作し、かつリポソーム内に親水性標識物質を封入し
たことを特徴とする免疫測定試薬を提供するものであ
る。
リン脂質カルボキシアシル誘導体は、リン脂質にカル
ボン酸無水物を反応させることにより製造される。リン
脂質としては、例えばジパルミトイルホスファチジルエ
タノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスファチジ
ルエタノールアミン(DMPE),ジステアロイルホスファ
チジルエタノールアミン(DSPE)等が、またジカルボン
酸無水物としては次の一般式 HOOC-(CH2)n‐CO-O-OC-(CH2)n‐COOH (式中、nは2〜12の数を示す) で表わされるものが挙げられる。リン脂質とジカルボ
ン酸無水物の反応は、トリエチルアミン等の塩基の存在
下、クロロホルム等の溶媒中、50〜60℃で還流し、ニン
ヒドリン反応が消えるまで行うのが好ましい。斯くする
とき、例えばDPPE-NHCO(CH2)nCOOHが得られる。このリ
ン脂質カルボキシアシル誘導体のうち、カルボキシトリ
デカノイルリン脂質(n=12)を用いると、得られる試
薬はリポソームの非特異的崩壊が少なく、より高感度と
なる。
このリン脂質カルボキシアシル誘導体にエチルジメチ
ルアミノプロピルカルボジイミド(EDCI)、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(DCCI)、シクロヘキシルメチル
ホリウムカルボジイミドトルエンスルホネート(CMC)
等の水溶性カルボジイミドを反応させ、これにリン脂質
カルボキシアシル誘導体の1/2モル以下の抗原又は抗体
を反応せしめれば当該抗原又は抗体1分子当たり2個以
下のリン脂質カルボキシアシル誘導体が導入される。抗
原又は抗体1分子当たり2個を超えるリン脂質カルボキ
シアシル誘導体が結合していると、リポソームの非特異
的崩壊が増加する。
他方、リポソームはリン脂質及びコレステロールを主
要構成成分とするものであれば、従来使用されている何
れのものでもよいが、リン脂質とコレステロールの比が
1:1前後であるとき、特に安定なリポソームが得られ
る。またリン脂質中の脂肪酸残基は、炭素原子数が12〜
18であることが好ましく、更には偶数であることがより
好ましい。
リポソーム内に封入される標識物質は、親水性であっ
て、リポソーム外に溶出された際に定量可能な物質でな
ければならない。斯かる物質としては、例えば、高濃度
では自己消光により蛍光は示されないが、低濃度(10-3
M以下)で非常に強い蛍光を発するカルボキシフルオレ
セインのような蛍光性化合物;リポソーム外で酸化反応
により発光するルミノールやルシフェリンのような発光
性化合物;可視部あるいは紫外部に特異的な吸収帯を有
する吸光性化合物(水溶性色素等);酸化酵素の作用に
より分解され酸素消費あるいは過酸化水素生成をもたら
すグルコース及びシュークロースなどの糖類;テトラペ
ンチルアンモニウムのような比較的大きなイオン性化合
物;ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の
ような補酵素類;メチルピオロゲンを初めとするラジカ
ル化合物などが望ましい。
リポソームは、例えば次の方法で製造される。まずリ
ン脂質とコレステロールをフラスコに入れ、溶媒を加え
て反応させた後、溶媒を留去し、吸引乾燥する。しかる
後、壁面に薄膜が形成されたフラスコ内に所定の標識物
質の水溶液を加え、密栓をして振とうし、標識物質封入
リポソームを得る。次いでこれを粒径制御処理に付し、
目的の粒度分布及び平均粒罫を有するリポソームを売
る。
この標識物質封入リポソームと上記の修飾抗原又は抗
体を室温で60時間以上反応させれば本発明の免疫測定試
薬が得られる。
このようにして調製した本発明の免疫測定試薬を用い
て、被検体中の抗原あるいは抗体である被検物質を測定
するには、被検体にリポソーム試薬及び補体を加え、リ
ポソーム上で抗原−抗体複合体を形成せしめ、次いで、
補体依存性リポソーム膜損傷反応を引き起こさせる。す
ると、斯かる反応量に比例して、リポソーム内から標識
物質が放出され、最後に、放出された標識物質に応じた
分析方法(例えば、標識物質が蛍光物質であれば、蛍光
分析法)により定量を行い、例えば、予め作成した検量
線により、試料中の被検物質の量を測定することができ
る。
この測定操作において使用する補体は、格別限定され
ないが、通常、モルモット血清が用いられる。しかし、
ウサギ、マウス、ヒト等の血清を使用してもよい。
〔発明の効果〕
如上の如く、本発明の免疫測定試薬は、リポソームの
表面に特別の方法によって抗原又は抗体を感作してある
ので、被検体中の補体成分によって抗原抗体非依存性の
リポソーム溶解現象を起こすことがなく、高精度で被検
体中の抗原、抗体を測定することができる。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 リポソームの調製: ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)1μ m
ol、コレステロール(Cho1.)1μ mol及びジパルミト
イルホスファチジン酸(DPPA)0.1μ molをナシ型フラ
スコにとり、脂質を溶解していたクロロホルムをロータ
リーエバポレーターにより留去した。更に1時間程度真
空デシケータで乾燥し完全に有機溶媒を除去した後、ナ
シ型フラスコに0.2Mカルボキシフルオレセイン(CF)20
0μlを加え薬50℃の水浴に1〜2分間浸した。その
後、10分程度ボルテックスミキサーでナシ型フラスコを
激しく振とうすることで、ガラス内壁上の脂質薄膜をは
がし、CF封入多重層リポソームを調製した。未封入のCF
は10mMヘペス緩衝液(150mM NaCl含有;pH7.5)で遠心洗
浄(12000×g,15分)を3回行って分離した。
実施例2 ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DP
PE)カルボキシアシル誘導体の調製:0.1mmol DPPEをク
ロロホルム/メタノール(2:1)に溶かし、ジサクシン
酸無水物(n=2)、ジグルタル酸無水物(n=3)、
ジアジピン酸無水物(n=4)、ジピメリン酸無水物
(n=5)、ジスベリン酸無水物(n=6)、ジセバシ
ン酸無水物(n=7)、ジデカジカルボン酸無水物(n
=10)、ジドデカンジカルボン酸無水物(n=12)の8
種の無水カルボン酸0.1mmolを加え、トリエチルアミン
の存在下で50℃にて6時間還流した。ニンヒドリン反応
(−)を確認して反応を停止し、20mMリン酸−クエン酸
緩衝液(pH5.5)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した後、2
mlまで濃縮した。これをクロロホルム/メタノールでシ
リカゲルカラムクロマトグラフィーに付して精製し、8
種類のDPPEカルボキシアシル誘導体を得た。
実施例3 ヤギIgGとDPPEカルボキシアシル誘導体の結合: 実施例2で合成した8種類の1mM DPPEカルボキシアシ
ル誘導体溶液50μlをそれぞれ小試験管に取り、N2ガス
気流中で溶媒を留去する。1%オクチルグルコシド溶液
(ヘペス緩衝液)500μlを加え脂質を再溶解した後、
1%エチルジメチルアミノプロピルカルボジイミド(ED
CI)溶液(ヘペス緩衝液)10μlを加えて30分間室温で
反応させる。6.0mg/ml抗CRPヤギIgG溶液500μlを加
え、一昼夜室温で反応させることでDPPEカルボキシアシ
ル誘導体結合抗CRPヤギIgGを合成する。未反応のEDCI及
び界面活性剤はセファデックスG-25(PD-10;ファルマシ
ア社)でゲル濾過を行い除去する。
実施例4 ヤギIgG 1分子当たりのDPPEカルボキシアシル誘導体
結合数の測定: 実施例3の方法に準じて、1mMカルボキシトリデカノ
イルジパルミトイルエタノールアミン量(n=12,以下
「Dodeca-PE」と略す)、1%EDCI量及び抗CRPヤギIgG
量を下記表1の割合で反応させ、3種類のDodeca-PE結
合IgGを調製した。
この3種類のDodeca-PE結合IgGのタンパク濃度をロー
リー法により測定した。
次に、このIgG溶液1mlに5%塩酸−メタノール2mlを
加えて100℃6時間以上煮沸することによりメタノリシ
スを行い、脂質のパルミトイル基をメチルエステル化す
る。冷却後n−ヘキサンで3回抽出を行い、2%NaHCO3
で洗った後無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレー
ターで溶媒を留去する。OV-1系のカラム(SE-30)を用
いて、リミストイルメチルエステルを内部標準として標
準品のパルミトイルエステルでガスクロマトグラフィー
(GC)を行うことにより検量線を作成しておき、先程メ
タノリシスにより得られたサンプルの濃度を、内部標準
を加えて定量する。
このGC定量の結果とローリー法によるタンパク濃度の
結果から、IgG 1分子当たりに導入されるDodeca-PEの平
均数を算出したところ、図1に示す結果を得た。
また、同様の方法により、実施例3で得られた8種の
DPPEカルボキシアシル誘導体結合IgGの導入DPPEカルボ
キシアシル誘導体数を算出したところ、すべて約2であ
った。
実施例5 DPPEカルボキシアシル誘導体結合IgGのリポソームへ
の感作: 実施例1で調製したリポソームペレットに実施例3及
び4で得られたDPPEカルボキシアシル誘導体結合IgG溶
液1mlを加えて懸濁し室温下60時間以上反応することに
より、DPPEカルボキシアシル誘導体結合IgG感作リポソ
ームを調製する。未反応のIgGはGVB-により遠心洗浄を
3回行うことにより除去する。これにより得られた感作
リポソームペレットは再びGVB-1mlに懸濁し、アッセイ
に用いる。
実施例6 IgG感作リポソームのヒト血清及びモルモット血清に
対する安定性とIgGへのDPPEカルボキシアシル誘導体導
入数との関係: マイクロプレートに40倍希釈したヒト血清25μlを加
え、400倍希釈した3種のDodeca-PE導入数の異なるIgG
感作リポソームを25μlずつ分注した。モルモット血清
は補体価を10単位に希釈したものを25μl加え、GVB2+
を25μl添加し全量を100μlとし、37℃90分インキュ
ベートした。5%安息香酸ナトリウム含有10mM EDTA溶
液を100μl加えることにより反応を停止した後、リポ
ソームの非特異的崩壊を蛍光測定機(励起490nm,蛍光53
0nm)により相対蛍光強度を測定することによって求め
た。
相対蛍光強度 ={(F1-F0)/(F2-F0)}×100 F1:実測した蛍光強度 F0:リポソームブランク F2:トライトンX-100によりリポソームを破壊した時に
得られる蛍光強度 結果は、図2に示したとおり任意のヒト血清84検体に
おいて、非特異的な崩壊はIgG 1分子当たりの導入数が
大きくなるに従って、増えてくる傾向が見られた。これ
から、IgG感作リポソームを調製する際、IgG 1分子当た
りのカルボキシアシル誘導体の導入数は2個程度でよい
ことが分かった。
実施例7 IgG感作リポソームのモルモット血清に対する安定性
と、導入したカルボキシアシル誘導体のアルキレン鎖長
(n=2〜12)との関係: 実施例5で得られたn=2〜12の8種類のIgG感作リ
ポソームをGVB2+でそれぞれ800倍希釈した溶液を96穴マ
イクロプレートに50μl加え、そこに10単位に希釈した
モルモット補体25μlを加え、全量を100μlにするた
めにGVB2+を25μl添加し、37℃で90分インキュベート
した。10mM EDTA溶液を100μl加えることにより反応を
停止した後、実施例6と同様にしてリポソームの非特異
的崩壊を測定した。結果は、図3に示したとおり、リポ
ソームの非特異的崩壊はn=8が最大であり、LILA法に
適するアルキレン鎖長はn=2、3及び12の3種が考え
られた。次に、n=2、3及び12の3種のIgG感作リポ
ソームを用いて、モルモット血清を0〜20単位まで希釈
して、リポソームの安定性を調べた。結果は図4に示し
たとおり、n=2、3は補体価が12単位を超えると非特
異的崩壊が起きてくるが、n=12は20単位においても非
特定的崩壊が5%以下と安定であった。
実施例8 IgG感作リポソームのヒト血清及びモルモット血清に
対する安定性と、導入したカルボキシアシル誘導体のア
ルキレン鎖長(n=2〜12)との関係: 実施例7と同様のリポソーム試薬、96穴マイクロプレ
ート及び希釈バッファーを用いた。マイクロプレートに
GVB2+で40倍希釈したヒト血清を25μl加え、800倍希釈
した3種類(n=2,3,12)のIgG感作リポソームをそれ
ぞれ50μl加えた。10単位のモルモット血清を25μl添
加し、全量を100μlとして、37℃90分インキュベート
した後、5%安息香酸ナトリウム含有10mM EDTA溶液を1
00μl加えることにより反応を停止して実施例6と同様
にして非特異的崩壊を測定した。
結果は図5に示したようにヒト血清84検体において、
10%以上のリポソーム非特異的崩壊を生じた検体は、n
=2で20%、n=3で35%、そしてn=12においては2
%であった。実施例7及びこの結果より、反応液中のモ
ルモット血清、ヒト血清に最も安定なリポソームはn=
12のIgG結合リポソームであることが分かった。
実施例9 Dodeca-PE結合IgGのリポソームへの感作率の測定: IgG 1分子当たり約2個のDodeca-PEが結合する条件で
リポソームへのインキュベート時間を変えることによ
り、IgGのリポソームへの感作率を調べた。インキュベ
ートは室温下24〜144時間までとした。リポソーム組成
はジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)1μ m
ol、コレステロール1μ molとする以外は実施例1の操
作と同様にCF封入リポソームを調製した。
各反応時間毎にヘペス緩衝液で3回リポソームを遠心
洗浄し、得られたリポソームペレットに実施例4の操作
と同様に5%塩酸メタノールを加え、メタノリシスを行
い、GCによりパルミトイルメチルエステルを定量する。
これによりリポソームに導入されたDodeca-PEが定量で
きるので、実施例と比較してリポソーム中に結合したIg
G量が算出できる。結果は図6に示したとおりで、反応
時間に従い感作率が上昇し、96時間以上でほぼプラトー
に達していることが分かった。
実施例10 CRP抗原の測定(サンドイッチアッセイ): 実施例9で得られた各反応時間毎のIgG感作リポソー
ム(6本)を用いた。マイクロプレートに400倍希釈し
たリポソーム試薬を25μl加え、GVB2+で希釈した0.05
内100ng/mlのヒトCRP抗原溶液25μlを分注し、37℃で4
5分インキュベートさせた。引き続き二次抗体として100
倍希釈したウサギ抗CRPヒトIgGを25μl及び10単位にな
るように希釈したモルモット血清25μlを加え、再び37
℃で45分反応させた。10mM EDTA含有GVB2+100μlを加
え反応を停止した後、CRP抗原に依存したCF放出率を実
施例6と同様にして測定した。結果は図7に示すとお
り、反応時間に従ってCF放出率は増加し、96時間以上で
ほぼ同じ検量線が得られた。このことは実施例9の結果
を反映しており、高感度なアッセイ系を得るためにはイ
ンキュベート時間を96時間以上にするのがよいことが分
かった。また、96時間以上インキュベートした3種のIg
G結合リポソーム(96,120,144時間)を用いて、任意の
ヒト血清とモルモット血清の安定性を調べたところ、96
時間が最もリポソームの非特異的崩壊が少ないことが分
かった。
実施例11 従来法(EIA法、SRID法)と本発明法(LILA法)との
相関: 任意のヒト検体(n=50)を用いて、LILA法とEIA法
及びLILA法とSRID法で相関を調べたところ、図8及び図
9に示すようにLILA-EIA及びLILA-SRIDともに相関係数
γ=0.98が得られた。
【図面の簡単な説明】
図1はDodeca-PEの使用濃度とIgG 1分子当たりに導入さ
れるDodeca-PEの数との関係を示す図面である。図2はI
gG 1分子当たりに導入されたDodeca-PE数とそれにより
得られたリポソームのヒト血清とモルモット血清による
非特異的崩壊率との関係を示す図面である。図3は導入
したカルボキシアシル誘導体のアルキレン鎖長(n)と
それにより得られたリポソームのモルモット血清による
非特異的崩壊率との関係を示す図面である。図4はIgG
感作リポソームの非特異的崩壊に対するモルモット血清
補体価が及ぼす影響を示す図面である。図5は導入した
カルボキシアシル誘導体のアルキレン鎖長(n)とそれ
により得られたリポソームのヒト血清及びモルモット血
清による非特異的崩壊率との関係を示す図面である。図
6は、リポソームのインキュベート時間と修飾IgGのリ
ポソームへの感作率との関係を示す図面である。図7は
本発明の免疫測定試薬を用いて、種々のインキュベート
時間でCRP抗原希釈系列を測定したときのCF放出率を示
す図面である。図8及び図9はCRP抗原の測定系におけ
る本発明の測定試薬を用いた方法(LILA法)とEIA法、L
ILA法とSRID法との相関をそれぞれ示す図面である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗原又は抗体1分子当たり2個以下のリン
    脂質カルボキシアシル誘導体をカルボジイミド法によっ
    て導入した抗原又は抗体をリポソームの表面に感作し、
    かつリポソーム内に親水性標識物質を封入したことを特
    徴とする免疫測定試薬。
  2. 【請求項2】リン脂質カルボキシアシル誘導体がカルボ
    キシトリデカノイルリン脂質である請求項1記載の免疫
    測定試薬。
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