JP2879352B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2879352B2 JP8120090A JP8120090A JP2879352B2 JP 2879352 B2 JP2879352 B2 JP 2879352B2 JP 8120090 A JP8120090 A JP 8120090A JP 8120090 A JP8120090 A JP 8120090A JP 2879352 B2 JP2879352 B2 JP 2879352B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電子写真感光体に関する。
〔従来の技術〕
近年、電子写真方式の利用は、複写機の分野に限ら
ず、印刷版材、スライドフィルム、マイクロフィルム等
の従来は写真技術が使われていた分野へも広がり、ま
た、レーザーやLEDを光源とする高速プリンターの分野
への応用も開始されている。従って電子写真感光体に対
する要求も高度で幅広いものになりつつある。
これまで電子写真方式に用いる感光体としては非晶質
セレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛等の無機光導電性物
質を主成分とする感光層を有するものが主体であった。
これらの無機物質からなる感光体は有用なものではある
が、一方で様々な欠点もある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
近年、これを補うため、有機光導電性物質を用いた電
子写真感光体が提案され、実用に給され始めた。電子写
真感光体は言うまでもなく、電荷発生機能と電荷輸送機
能とを有しなければならない。電荷輸送物質として使用
できる有機化合物としては、例えばピラゾリン系、ヒド
ラゾン系、アジン系、トリアリールアミン系、カルバゾ
ール系、オキサゾール系等数多くの化合物が提案されて
いるが、実用に至ったものは極限られている。
また電荷発生物質の選択の範囲も限定されているの
で、電子写真プロセスの幅広い要求に充分応えられるも
のは未だ得られていないのが現状である。
本発明者らは有機電子写真感光体を改良すべく鋭意研
究の結果、特定のアジン化合物を含有する感光層を設け
たものが優れた電子写真特性を発揮することを見出だし
て本発明に至った。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、下記一般式(I)で示されるア
ジン化合物の少なくとも1種を含有する感光層を有する
ことを特徴とする電子写真感光体である。
(式中、R1、R2およびR3は置換されても良いアルキル
基、アリル基、アリール基、アラルキル基を表し、R2
よびR3は互いに結合して環を形成しても良い。また、X
は相異なっても良いハロゲン原子、アルキル基、アルコ
キシ基、ジアルキルアミノ基を示し、mは0から6まで
の整数を表し、Yは相異なっても良いハロゲン原子、ア
ルキル基、アルコキシ基を表し、nは0から4までの整
数を表す。) 次に本発明を更に詳細に説明する。
前記一般式(I)で示されるアジン化合物の具体例と
して、次のような化合物がある。
これらのアジン化合物は、1種または2種以上を組み
合わせて用いることができる。
本発明の電子写真感光体は、以上に示したようなアジ
ン化合物の1種または2種以上を感光層に含有するもの
である。
本発明の電子写真感光体の物理的構成は、既知の形態
のいずれによっても良い。本発明は導電性支持体上に単
一の光導電層を設けた単層型感光体、電荷発生層と電荷
輸送層とからなる機能分離型感光体など、いずれのタイ
プの電子写真感光体にも適用することができる。例え
ば、前記一般式(I)で示されるアジン化合物と増感色
素を、必要に応じて化学増感材や電子受容性化合物を添
加して、結合剤中に溶解もしくは分散させたものを、導
電性支持体上に設けて成る単層型感光体、あるいは、導
電性支持体上、電荷発生効率の高い電荷発生層の上層ま
たは下層に、前記一般式(I)で示されるアジン化合物
を、必要に応じて化学増感材や電子受容性化合物を添加
して、結合剤中に溶解もしくは分散させたものを電荷輸
送層として設けて成る積層型感光体などがあるが、いず
れの場合にも適用することが可能である。
本発明において使用される導電性支持体は、通常、電
子写真感光体の導電性支持体として使用されているもの
で良い。例えば、真鍮、アルミニウムなどの金属の円筒
または板、プスチックのシートまたは円筒の表面に金属
あるいはインジウム・スズ複合酸化物などの導電性被膜
を形成したもの等が挙げられる。
本発明において使用される増感色素は、通常、電子写
真感光体の増感色素として使用されているもので良い。
例えば、トリフェニルメタン系、アクリジン系、チアジ
ン系、シアニン系、スチリル系などの染料、ピリリウム
塩、チオピリリウム塩、および、フタロシアニン系、ペ
リレン系、キナクリドン系、アゾ系などの顔料等を挙げ
ることができる。
本発明で使用される化学増感剤としては、N,N−ジエ
チルバルビツール酸、p−クロロフェノール、P−クロ
ロベンゾイルアセトアニリド、α−ナフトール、p−ニ
トロ安息香酸等がある。
本発明において使用される積層型感光体の電荷発生層
中の電荷発生物質としては、一般に機能分離型電子写真
感光体で使用されている電荷発生物質であれば、どのよ
うなものでも使用することができる。
本発明の電子写真感光体は、有機質の光導電性物質あ
るいは電荷輸送物質を使用する電子写真感光体の製造に
おいて知られている技術に従って、通常の方法で製造で
きる。
本発明の前記一般式(I)で示されるアジン化合物を
含有する感光層は、結合剤と共に溶剤を用いて塗布し、
被膜を形成することにより作成することができる。結合
剤としては、電子写真感光体において一般に使用されて
いるものであれば、どのようなものでも良く、各種の熱
可塑性または熱硬化性の合成樹脂が好適に使用できる。
溶剤としては、これらの結合剤と前記一般式(I)で示
されるアジン化合物とを同時に溶解するものが好適に使
用できる。これらの結合剤と前記一般式(I)で示され
るアジン化合物との比率は、重量部で、互いに0.2ない
し5の範囲から選ぶ。
本発明の電子写真感光体の感光層の膜厚は全体で1な
いし100μmの範囲が好ましい。特に積層型感光体で電
荷輸送層の下層に電荷発生層を設ける場合、電荷発生層
の膜厚は1μm以下が好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、単層型感光層、
積層型の電荷発生層および電荷輸送層、更に必要に応じ
て設けられる接着層、中間層、あるいは表面層の形成方
法として、通常の塗布方法を用いることができる。
本発明の電子写真感光体は、この外にも既知の技術を
適用することもできる。例えば、感光層の成膜性、機械
的強度、柔軟性、耐磨耗性、耐久性等を向上させるため
に、必要に応じて可塑剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、接着促進剤、分散剤等の添加剤を加えても良い。
〔発明の実施例〕
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明する。
なお、以下の実施例において「部」は重量部、「%」は
重量%を示す。
実施例(1) アルミ板上にカゼインのアンモニア水溶液(カゼイン
11.2部、28%アンモニア水1部、水222部)をワイアー
バーで塗布、乾燥し、塗工量1.0g/m2の接着層を形成し
た。次に下記構造のビスアゾ顔料5部を ブチラール樹脂(ブチラール化度63モル%)2部をエタ
ノール75部に溶かした溶液中にボールミルにて15時間分
散した後、接着層上に塗工、乾燥し、塗工量0.2g/m2
電荷発生層を形成した。
次に、前記のアジン化合物No.(1)5部と、ポリ−
4,4′−ジオキシジフェイル−2,2′−プロパンカーボネ
ート(粘度平均分子量3万)5部とをジクロロメタン20
0部に溶かした溶液を、電荷発生層上に塗布、乾燥し
て、塗工量10g/m2の電荷輸送層を形成した。
このようにして作成した電子写真感光体を25℃、相対
湿度55%の雰囲気中に放置して調湿した後、静電紙試験
装置(川口電機製作所「SP−428」)を用いて、スタテ
ィック方式で−5kVの電圧でコロナ帯電し、暗所で10秒
間保持した後、タングステンランプを光源として、試料
面の照度が5ルクスになるように10秒間露光し、電子写
真特性の評価を行い、次の結果を得た。
V0(帯電の初期電位)=−480V DD10(暗所での10秒間の電位保持率)=90% E1/2(半減衰露光量)=2.2ルクス・秒 VR(5ルクスで10秒間露光後の電位)=0V 比較例1) 本発明のアジン化合物No.(1)の代わりに特開昭58
−10747に記載の下記構造の化合物 を用いた他は実施例)1と同様にして電子写真感光体を
作成し、電子写真特性を評価し、次の結果を得た。
V0 =−460V DD10=85% E1/2=5.0ルクス・秒 VR =−20V 実施例1)の電子写真感光体に比べ、明らかに感度特
性が劣り、残留電位特性も悪い。
比較例2) 本発明のアジン化合物No.(1)の代わりに特開昭58
−52647に記載の下記構造の化合物 を用いた他は実施例1)と同様にして電子写真感光体を
作成し、電子写真特性を評価し、次の結果を得た。
V0 =−480V DD10=87% E1/2=4.7ルクス・秒 VR =−22V 実施例1)の電子写真感光体に比べ、明らかに感度特
性が劣り、残留電位特性も悪い。
実施例2) アルミ板上にN,N′−ジメチルペリレンテトラカルボ
ン酸イミドを真空蒸着し、厚さ0.15μmの電荷発生層を
形成した。次にポリエステル樹脂(東洋紡「バイロン20
0」)5部と前記のアジン化合物No.(81)5部とをテト
ラヒドロフラン133部に溶かした溶液を電荷発生層上に
塗布乾燥し、塗工量11g/m2の電荷輸送層を作成した。
このように作成した電子写真感光体の電子写真特性を
実施例1)の場合と同様にして評価し、次の結果を得
た。
V0 =−490V DD10=92% E1/2=2.5ルクス・秒 VR =0V 比較例3 本発明のアジン化合物No.(81)の代わりに特開昭58
−10747に記載の下記化合物 を用いた他は実施例2)と同様にして電子写真感光体を
作成し、電子写真特性を評価し、次の結果を得た。
V0 =−570V DD10=90% E1/2=9.3ルクス・秒 VR =−22V 実施例2)の電子写真感光体に比べ、明らかに感度特
性が劣り、残留電位特性も悪い。
実施例3) 本発明のアジン化合物No.(60)5部とポリ−N−ビ
ニルカルバゾール(分子量30万)5部とをテトラヒドロ
フラン133部に溶かした溶液にβ型銅フタロシアニン1
部をアトライターにて分散した後、実施例1)で用いた
カゼイン層を設けたアルミ板のカゼイン層上に塗布、乾
燥し、塗工量10g/m2の感光層を作成した。
このように作成した電子写真感光体の電子写真特性を
実施例1)の場合と同様にして評価し、次の結果を得
た。ただし、帯電極性を正帯電とした。
V0 =+500V DD10=91% E1/2=5.5ルクス・秒 VR =0V 比較例4) 本発明のアジン化合物No.(60)の代わりに比較例
1)で用いた化合物を用いた他は実施例3)と同様にし
て電子写真感光体を作成し、電子写真特性を評価し、次
の結果を得た。
V0 =+490V DD10=87% E1/2=7.8ルクス・秒 VR =+27V 実施例3)の電子写真感光体に比べ、明らかに感度特
性が劣り、残留電位特性も悪い。
実施例4) 下記構造のアゾ化合物2と ポリエステル樹脂(東洋紡「バイロン200」)1部とを
テトラヒドロフラン147部中に入れてボールミルで100時
間分散させ、分散液をワイアーバーでアルミ板上に塗布
し、120℃の熱風で30分間乾燥して、膜厚が約0.3μmの
電荷発生層を形成した。
その上に、本発明のアジン化合物No.(3)5部とポ
リカーボネート樹脂(帝人化成「パンライトL1250」)
5部とを1,2−ジクロロエタン70部に溶かした溶液をア
プリケーターにて塗布し、60℃の温風で3時間乾燥し
て、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
このように作成した電子写真感光体の電子写真特性を
実施例1)の場合と同様にして評価し、次の結果を得
た。
V0 =−720V DD10=95% E1/2=2.1ルクス・秒 VR =−2V 実施例5〜47) 実施例4)におけるアジン化合物No.(3)の代わり
に、以下に示す化合物No.のアジン化合物を用いた他は
実施例4)と同様にして電子写真感光体を作成した。
それぞれの電子写真特性は下記の通りである。
比較例5および6) 実施例4)におけるアジン化合物(3)の代わりに下
記構造の比較化合物No.1および2をそれぞれ用いた他は
実施例4)と同様にして比較例5および6)の電子写真
感光体を作成し、実施例1)と同様にして電子写真特性
の評価を行った。
いずれの場合も、照度5ルクスの光を10秒間照射して
も表面電位の低下は観察されなかった。
そこで、照度100ルクスの光を10秒間照射したとこ
ろ、表面電位は、比較例5の場合755Vから717Vへ、比較
例6の場合713Vから505Vへそれぞれ低下した。比較例5
および6の感光体は著しく感度が低いことがわかった。
比較化合物No.1 比較化合物No.2 実施例48) 下記構造のアジン化合物2部とポリエステル樹脂 (東洋紡「バイロン200」)1部とをシクロヘキサノン1
47部中に入れて、ボールミルで100時間分散させせ、分
散液をワイアーバーにて、アルミニウムを蒸着させたポ
リエステルフィルム上に塗布し、120℃の熱風で30分間
乾燥して膜厚約0.2μmの電荷発生層を形成した。
その上に、本発明のアジン化合物No.(6)11部とポ
リカーボネート樹脂(帝人化成「パンライトL1250」)
9部とを、1,2−ジクロロエタン180部に溶かした溶液を
アプリケーターにて塗布し、60℃の温風で3時間乾燥し
て、膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
このように作成した電子写真感光体の電子写真特性を
実施例1)の場合と同様にして評価し、次の結果を得
た。
V0 =−750V DD10=95% E1/2=1.0ルクス・秒 VR =0V 実施例49) 実施例48)で作成した電子写真感光体の帯電−放電を
1万回繰り返し、特性の変化を調べた。結果は次の通り
であり、繰り返し安定性が優れていることがわかった。
実施例50〜83) 実施例48)におけるアジン化合物No.(6)の代わり
に、以下に示す化合物No.のアジン化合物を用いた他は
実施例48)と同様にして電子写真感光体を作成した。
それぞれの電子写真特性は下記の通りである。
実施例84) 実施例48)で作成した電子写真感光体を、市販の電子
写真複写機を改造した試験機に装着し、複写画像を形成
させたところ、原稿に忠実でかつ階調性の良い鮮明な複
写画像が得られた。
また、4万回繰り返しの複写試験を20℃、相対湿度55
%の環境条件、5℃、同10%の環境条件、および35℃、
同60%の環境条件で、各々行ったが、いずれの場合も画
像は良好で画質の低下は認められなかった。
〔発明の効果〕
本発明の電子写真感光体は、以上の実施例から明らか
なように、帯電特性、感度特性、画像形成性に優れてお
り、残留電位特性も良好であり、また、繰り返して使用
しても感度や電位特性の変動が小さく、光疲労も少な
い。また、耐候性も高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須田 修 埼玉県大宮市大谷804番26号 (56)参考文献 特開 昭57−138644(JP,A) 特開 昭63−48551(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 5/06 321

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に下記一般式(I)で示さ
    れるアジン化合物の少なくとも1種を含有する感光層を
    有することを特徴とする電子写真感光体。 (式中、R1、R2およびR3は置換されても良いアルキル
    基、アリル基、アリール基、アラルキル基を表し、R2
    よびR3は互いに結合して環を形成しても良い。また、X
    は相異なっても良いハロゲン原子、アルキル基、アルコ
    キシ基、ジアルキルアミノ基を示し、mは0から6まで
    の整数を表し、Yは相異なっても良いハロゲン原子、ア
    ルキル基、アルコキシ基を表し、nは0から4までの整
    数を表す。)
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