JP2878604B2 - 断熱耐火パネルの製造方法 - Google Patents

断熱耐火パネルの製造方法

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JP2878604B2
JP2878604B2 JP6161313A JP16131394A JP2878604B2 JP 2878604 B2 JP2878604 B2 JP 2878604B2 JP 6161313 A JP6161313 A JP 6161313A JP 16131394 A JP16131394 A JP 16131394A JP 2878604 B2 JP2878604 B2 JP 2878604B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断熱耐火パネルの製造
方法に関し、詳しくは、連続して供給される上下の金属
外皮の対向面に接着剤を面状に塗布するのに、接着剤の
面を均し、たとえ、ノズル孔を多数形成した塗布ノズル
を使用しながらも面状の塗布を容易におこなえ、接着剤
の厚みの変更も容易におこなおうとする技術に係るもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、断熱耐火パネルの製造方法におい
て、連続して供給される上下の金属外皮の対向面に接着
剤を塗布するのに、搬送される金属外皮の上下に複数本
のロールを配設するロールコータとか、金属外皮の搬送
方向とは略直交する方向に長く塗布ノズルを配設し、こ
の塗布ノズルにその長さ方向に小間隔を隔ててノズル孔
を多数個形成し、また、塗布ノズルにスリット状に長い
ノズル孔を形成し、これらノズル孔から接着剤を噴出し
て接着剤を金属外皮の上面に塗布するフローコータなど
のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロールコー
タによるものにおいては、対向する一対の塗布ロール及
び金属外皮の下方に配設される受ロールが必要となり、
構成が複雑になり、そして、ロールコータによる場合に
は、ロール転写となり、接着剤の硬化などにて、転写不
良が生じやすく、長時間にわたる塗布はできがたいもの
となっていた。そして、円孔のノズル孔から接着剤を噴
出して塗布をおこなうビード塗布においては、各々のノ
ズル孔から噴出される接着剤が筋状に塗布され、金属外
皮に接着剤を面状に塗布することができず、これを面状
に均すレベリングが難しくなるものであった。また、ス
リット状のノズル孔から帯状に塗布するフローコータに
おいては、接着剤を面状に塗布することができるが、接
着剤の上面を均すレベリングができないものであった。
そして、上の金属外皮の下面へ接着剤を塗布することが
できないものとなっていた。
【0004】ところで、金属外皮に接着剤を介して断熱
材を裏打ちする屋根材や壁材のような建材において、接
着剤を筋状に塗布する場合に、上記建材を野外に野積み
しておくと、隣接する筋状の接着剤間の隙間に結露水な
どが浸入し、断熱材と金属外皮とが剥離したり、断熱材
を劣化させるのである。本発明はこのような問題に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、金属
外皮に接着剤を面状に塗布するのに、塗布された接着剤
の上面を均して良好にレベリングがおこなえ、たとえ、
円孔のノズル孔を多数形成した塗布ノズルを使用しなが
ら、金属外皮に略均等の厚さに接着剤を塗布することが
でき、特に、接着剤のぼた落ちを回避して、上の金属外
皮の下面にもその下方から接着剤を塗布することがで
き、しかも、接着剤の厚みの変更も容易におこなえる断
熱耐火パネルの製造方法を提供しようとするにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1においては、上
下の金属外皮a,bが上下間隔を隔てて連続して供給さ
れ、上の金属外皮aの下面と下の金属外皮bの上面に接
着剤が塗布され、上下の金属外皮a,b間に断熱耐火芯
材12が装填されるとともに断熱耐火芯材12の上下面
に金属外皮a,bが押圧されて接着され、その後、所定
の長さに切断する断熱耐火パネルの製造方法であって、
金属外皮a,bに接着剤を塗布するのに、金属外皮a,
bの搬送途中に断面略半円状に形成された塗布ノズル
2,2が配設され、塗布ノズル2には所定圧力にて接着
剤を噴出する円孔のノズル孔3が金属外皮a,bの搬送
方向とは略直交する方向に適宜間隔を隔てて多数形成さ
れ、塗布ノズル2を搬送される金属外皮a,bに近接さ
せ、ノズル孔3から噴出される接着剤の噴出圧により塗
布ノズル2を金属外皮a,bから若干後退させて金属外
皮a,bに対して僅かな隙間dを形成することによりノ
ズル孔3から噴出される接着剤を均して金属外皮a,b
に対して接着剤を面状に塗布することを特徴とするもの
である。
【0006】請求項2においては、塗布ノズル2を搬送
される金属外皮a,bに当接させることを特徴とするも
のである。
【0007】
【0008】
【作用】請求項1においては、塗布ノズル2を金属外皮
a,bに近接させ、ノズル孔3から噴出される接着剤が
金属外皮a,bにて受けられることに起因する受圧力に
て、塗布ノズル2が金属外皮a,bから後退し、金属外
皮a,bとの間に噴出圧に起因する所定の隙間dを形成
する。このような隙間dにおいてノズル孔3から噴出さ
れた接着剤を面状にかつ隙間dに相当する厚みにおいて
略均等の厚みに均して金属外皮a,bに塗布する。この
ように、金属外皮a,bに塗布ノズル2を近接し、接着
剤を噴出する圧力に起因する受圧力にて塗布ノズル2を
金属外皮a,bから後退させて隙間dを形成し、このよ
うな隙間dにおいて接着剤を面状に均して金属外皮a,
bに塗布することで、接着剤のぼた落ちを回避し、搬送
される下の金属外皮bの上面にその上方から良好に塗布
する。また、上の金属外皮aの下面にその下方から良好
に塗布するのである。しかして、断熱耐火パネルAの製
造方法において特に有効となる。そして、ノズル孔3か
ら接着剤を噴出する圧力を変更することで、接着剤を金
属外皮a,bに噴出することに起因して、塗布ノズル2
が金属外皮a,bから離れる隙間dを変更する。しかし
て、接着剤の塗布厚の変更をも容易におこなう。しか
も、金属外皮a,bに対して各々の円孔のノズル孔3…
から噴出する接着剤が金属外皮a,bにて受けられ、噴
出される接着剤が受けられることによる受圧力にて塗布
ノズル2を金属外皮a,bから所定の隙間dを形成す
る。このように受圧力にて保持されている塗布ノズル2
にて噴出される接着剤を圧縮し、隣接する円孔のノズル
孔3・・からの接着剤を連ね、接着剤を面状にかつ噴出
圧に起因する隙間dに相当する厚みに均して塗布する。
更に、断面略半円状に形成された塗布ノズル2を使用す
ることで、断面略半円状の塗布ノズル2にて接着剤を均
すロールコータのような塗布をおこなえ、接着剤の均し
作用を良好におこなう。
【0009】請求項2においては、塗布ノズル2を搬送
される金属外皮a,bに当接させることで、接着剤を噴
出しないときには、ノズル孔3・・を閉塞しておくので
ある。
【0010】
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述す
る。図1及び図5は断熱耐火パネルAの生産ラインの説
明図を示していて、供給装置4から供給される上の金属
外皮aを第1成形機5にて成形し、供給装置6から供給
される下の金属外皮bを第2成形機7にて成形し、これ
らの成形機5,7の下流側における接着剤塗布装置8,
8において金属外皮a,bに接着剤が塗布され、そし
て、予め成形されていて、珪酸カルシウムのような無機
質材9がラインに挿入され、また、予め形が整えられた
ロックウールのような無機質繊維材10がラインに挿入
され、上下に成形コンベヤを備えたダブルコンベヤ装置
11において、断熱耐火芯材12の上下から金属外皮
a,bが外嵌するように成形されて装着され、そして、
切断部13において、所定の長さに切断され、断熱耐火
パネルAを連続生産することができるようにしたもので
ある。
【0012】そして、上記接着剤塗布装置8は、塗布ノ
ズル2が上の金属外皮aの下面に配置され、また、下の
金属外皮bの上面に配置されている。これら塗布ノズル
2は基台15に対してスプリング14を介装連結してシ
リンダー16にて昇降自在に保持されている。即ち、シ
リンダー16の伸縮にてスプリング14を介して塗布ノ
ズル2を基台15に対して昇降し、そして、その昇降位
置においては、スプリング14に伸縮にて若干の上下位
置の変更がおこなえるようにしてある。このように、塗
布ノズル2を昇降して大きくその位置を変更するととも
に、その昇降位置において塗布ノズル2に掛かる負荷に
てスプリング14が伸縮し、塗布ノズル2の位置の僅か
な変位を許す構成としては、他に種々なものが考えられ
る。
【0013】図6に示すように、接着剤を充填したドラ
ムカン18に圧力エアーを吹き込み、圧力エアーにて接
着剤をポンプユニット19をへてヒータ20を装着した
ホース21を介して塗布ノズル2に供給するようにした
ものである。塗布ノズル2は必要に応じて接続して長く
することができる。ところで、接着剤はウレタン系一液
型のもので、粘度は2000〜3000cps、塗布量
は400g/m2 、硬化剤として水を使用する。また、
ノズル孔3・・のピッチPは3mm、孔径Dは2mmで
ある。そして、形成される隙間dは0.02mm乃至
0.03mm程度である。
【0014】しかして、図3に示すように、下の金属外
皮bの上面側の塗布ノズル2をそのシリンダー16の伸
長にて金属外皮bに当接させる。そして、多数のノズル
孔3・・から設定された圧力で接着剤が噴出され、この
噴出される接着剤が受けロール17にて受けられている
金属外皮bにて受けられることに起因する受圧力にて、
塗布ノズル2がスプリング14を圧縮して、金属外皮b
から後退し、金属外皮bとの間に噴出圧に起因する所定
の隙間dを形成する。このような隙間dにおいて断面略
半円状に形成された塗布ノズル2の円弧面にて多数のノ
ズル孔3・・から噴出された接着剤を面状にかつ隙間d
に相当する厚みにおいて略均等の厚みに均して金属外皮
a,bに塗布するのである。そして、図4に示すよう
に、上の金属外皮aの下面に接着剤を塗布するのに、上
の金属外皮aの下方に配設された塗布ノズル2をそのシ
リンダー16の伸長にて金属外皮aに当接させ、接着剤
を塗布し、その噴出圧にて塗布ノズル2を後退させて隙
間dを形成して、同様におこなわれるものである。そし
て、このように、金属外皮aに塗布ノズル2を当接さ
せ、接着剤を噴出する圧力に起因する受圧力にて塗布ノ
ズル2を金属外皮aから後退させて隙間dを形成し、こ
のような隙間dにおいて接着剤を面状に均して金属外皮
aに塗布するから、接着剤のぼた落ちを回避でき、搬送
される金属外皮aの下面においてもその下方から良好に
塗布するのである。
【0015】尚、実施例においては、ノズル孔3は円孔
にしたが、塗布ノズル2の長さ方向に長いスリット状に
形成してもよく、また、図6(b)に示すように、たと
えば大径孔と小径孔を千鳥状に配するなど、その形状形
態は種々設計変更可能である。図6(b)において、符
号Hは塗り巾を示している。また、実施例では、塗布ノ
ズル2を金属外皮a,bに当接させて、ノズル孔3から
の接着剤の噴出圧にて隙間dを形成するようにしたが、
金属外皮a,bに対して塗布ノズル2を隙間dよりも小
さい間隙を形成しておき、その後の接着剤の噴出圧にて
隙間dを形成するようにしてもよいものである。
【0016】図7は断熱耐火パネルAの一部省略した断
面図を示していて、巾方向の一側端部には嵌合凹部24
が、他側端部には嵌合凸部25が形成されている。そし
て、断熱耐火パネルAの形状形態は種々設計変更可能で
ある。
【0017】
【発明の効果】本発明の請求項1においては、金属外皮
の搬送途中に塗布ノズルが配設され、塗布ノズルには所
定圧力にて接着剤を噴出するノズル孔が形成され、塗布
ノズルを搬送される金属外皮に近接させ、ノズル孔から
噴出される接着剤の噴出圧により塗布ノズルを金属外皮
から若干後退させて金属外皮に対して僅かな隙間を形成
することによりノズル孔から噴出される接着剤を均して
金属外皮に対して接着剤を面状に塗布するから、塗布ノ
ズルを金属外皮に近接させ、ノズル孔から噴出される接
着剤が金属外皮にて受けられることに起因する受圧力に
て、塗布ノズルが金属外皮から後退し、金属外皮との間
に噴出圧に起因する所定の隙間を形成し、このような隙
間においてノズル孔から噴出された接着剤を面状にかつ
隙間に相当する厚みにおいて略均等の厚みに均して金属
外皮に塗布することができるという利点がある。しか
も、このように、金属外皮に塗布ノズルを近接し、接着
剤を噴出する圧力に起因する受圧力にて塗布ノズルを金
属外皮から後退させて隙間を形成し、このような隙間に
おいて接着剤を面状に均して金属外皮に塗布するから、
接着剤のぼた落ちを回避することができ、搬送される上
の金属外皮の下面においてもその下方から良好に塗布す
ることができ、断熱耐火パネルの製造方法において特に
有効となるという利点がある。しかも、ノズル孔から接
着剤を噴出する圧力を変更することで、接着剤を金属外
皮に噴出することに起因して、塗布ノズルが金属外皮か
ら離れる隙間を変更することができ、しかして、接着剤
の塗布厚の変更をも容易におこなえるという利点があ
る。しかも、金属外皮に対して各々の円孔のノズル孔か
ら噴出する接着剤が金属外皮にて受けられ、噴出される
接着剤が受けられることによる受圧力にて塗布ノズルを
金属外皮から所定の隙間を形成し、このように受圧力に
て保持されている塗布ノズルにて噴出される接着剤を圧
縮し、隣接する円孔のノズル孔からの接着剤を連ね、接
着剤を面状にかつ噴出圧に起因する隙間に相当する厚み
に均して塗布することができるという利点がある。
に、断面略半円状に形成された塗布ノズルを使用するか
ら、断面略半円状の塗布ノズルにて接着剤を均すロール
コータのような塗布をおこなえ、接着剤の均 し作用を良
好におこなえるという利点がある。
【0018】請求項2においては、塗布ノズルを搬送さ
れる金属外皮に当接させるから、接着剤を噴出しないと
きには、ノズル孔を閉塞しておくことができるという利
点がある。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の生産ラインを示す概略説明
図である。
【図2】(a)は一部断面した部分正面図、(b)は側
断面図、(c)は底面図、(d)は斜視図である。
【図3】(a)(b)(c)は同上の下の金属外皮に接
着剤を塗布する動作を示す説明図である。
【図4】(a)(b)(c)は同上の上の金属外皮に接
着剤を塗布する動作を示す説明図である。
【図5】同上の生産ラインを示す概略説明図である。
【図6】(a)は同上の塗布装置の説明図、(b)は塗
布ノズルの他の実施例の底面図である。
【図7】同上の断熱耐火パネルの一部省略した断面図で
ある。
【符号の説明】
a 金属外皮 b 金属外皮 2 塗布ノズル 3 ノズル孔 d 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−38776(JP,A) 特開 平3−38271(JP,A) 特開 昭62−183876(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05C 5/00 - 5/04 B05D 1/00 - 7/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下の金属外皮が上下間隔を隔てて連続
    して供給され、上の金属外皮の下面と下の金属外皮の上
    面に接着剤が塗布され、上下の金属外皮間に断熱耐火芯
    材が装填されるとともに断熱耐火芯材の上下面に金属外
    皮が押圧されて接着され、その後、所定の長さに切断す
    る断熱耐火パネルの製造方法であって、金属外皮に接着
    剤を塗布するのに、金属外皮の搬送途中に断面略半円状
    に形成された塗布ノズルが配設され、塗布ノズルには所
    定圧力にて接着剤を噴出する円孔のノズル孔が金属外皮
    の搬送方向とは略直交する方向に適宜間隔を隔てて多数
    形成され、塗布ノズルを搬送される金属外皮に近接さ
    せ、ノズル孔から噴出される接着剤の噴出圧により塗布
    ノズルを金属外皮から若干後退させて金属外皮に対して
    僅かな隙間を形成することによりノズル孔から噴出され
    る接着剤を均して金属外皮に対して接着剤を面状に塗布
    することを特徴とする断熱耐火パネルの製造方法。
  2. 【請求項2】 塗布ノズルを搬送される金属外皮に当接
    させることを特徴とする請求項1記載の断熱耐火パネル
    の製造方法。
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