JP2877349B2 - 紙葉類の選別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、たとえば、郵便物自動処理装置に使用され
る紙葉類の選別装置に関する。

（従来の技術） 郵便物自動処理装置などにおいては、供給部に投入さ
れた郵便物を一通ずつ取出し、この郵便物を切手認識
部、押印部、読取部、分岐部等に送り込んで区分処理す
るよになっているが、郵便物がある許容の厚さを越える
と、切手認識部、押印部、読取部、分岐部等でジャムや
詰まりなどを発生する。

このため、郵便物を送り込む前に予め選別装置によっ
て郵便物の厚さを選別し、許容の厚さを越えるものは排
除している。

従来、この厚さ選別装置としては、たとえば、第２図
に示すようなものが知られている。

すなわち、図示しない供給コンベアベルトにより様々
な大きさの郵便物Ｔが上段広幅ベルト１のＡ部に供給さ
れる。前記上段広幅ベルト１は矢印Ｂの方向に走行さ
れ、郵便物Ｔは第１の爪ベルト２の下を通過する。この
とき、第１の爪ベルト２は矢印Ｃの方向に走行され、あ
る一定の厚さ寸法（たとえば15mm）以上の郵便物Ｔは第
１のシュート３に排除され、下段広幅ベルト４上に落下
される。また、薄い郵便物Ｔが重なった状態で第１の爪
ベルト２の下を通過する場合も設定された厚さ寸法以上
の重なりを持つ郵便物Ｔの塊は第１のシュート３に排除
され、下段広幅ベルト４上に落下される。

第１の爪ベルト２を通過した郵便物Ｔはさらに、下流
の第２の爪ベルト５の下を通過する。この第２の爪ベル
ト５は第１の爪ベルト２より高さ寸法が低く設定（たと
えば6mm）され、厚さが設定寸法以上の郵便物ＴをＤ方
向に送り、第２のシュート６により下段広幅ベルト４上
に落下される。

第２の爪ベルト潜り抜けた薄い郵便物は図に示されな
い、さらに、下流の郵便物処理装置に送られ、後工程の
処理が行われる。

一方、第１の爪ベルト２により下段広幅ベルト４に送
られた厚さ寸法の厚い郵便物Ｔもしくは薄い郵便物Ｔの
かたまりは下段広幅ベルト４により、矢印Ｅの方向に運
ばれ、第３の爪ベルト７の下を通過する。この第３の爪
ベルト７も前記第１の爪ベルト２と同様第３の爪ベルト
７の爪と下段広幅ベルト４の上面との隙間がある一定の
設定値（たとえば12mm）に設定され、その設定値以上の
厚さ寸法をもつ郵便物Ｔもしくは薄い郵便物Ｔの塊は第
３の爪ベルト７により矢印Ｆの方向に送られ、装置の外
部に排除される。

第３の爪ベルト７を潜り抜けた郵便物Ｔ及び第２のシ
ュート６により下段広幅ベルト４に送られてきた郵便物
Ｔは第４の爪ベルト８の下を潜り抜ける。この第４の爪
ベルト８も第２の爪ベルト５と同様、高さの設定値を第
３の爪ベルト７より低く設定され（例えば6mm）され、
設定値以上の厚み寸法をもつ郵便物Ｔもしくは薄い郵便
物Ｔの塊は第４の爪ベルト８により矢印Ｇの方向に送ら
れ、装置の外部に排除される。第４の爪ベルト８を通過
した郵便物Ｔは第２の爪ベルト５を通過した郵便物と同
様、図に示されない下流の郵便物処理装置に送られ、処
理が行われる。

（発明が解決しようとする課題） この一連の処理において、第１の爪ベルト２を通過し
た薄い郵便物Ｔの塊は第２の爪ベルト５により、設定値
以上の部分の郵便物Ｔが第２のシュート６により下段幅
広ベルト４に送られるが、このとき、第１のシュート３
により下段幅広ベルト４に送られた郵便物Ｔで第３の爪
ベルト７をくぐり抜けた郵便物Ｔに第２のシュート６に
より落下した郵便物Ｔが重なり、再び設定値を越えた状
態で第４の爪ベルト８に送られ、機械処理できる厚さの
薄い郵便物Ｔであるにも係わらず、装置の外部に排除さ
れてしまうという問題があった。

また、第１の爪ベルト２を通過した郵便物Ｔは第２お
よび第４の爪ベルト5,8の２回しか選別チャンスがない
ため、薄い郵便物Ｔがまとまって排除され、誤選別にな
るという不都合があった。

なお、第２図では、搬送ベルトが上段と下段の２段で
あるが、上，中、下３段にしても同様の問題はのこる。

さらに、第１および第２のシュート6,3の落下角度を
確保するため、各段の間隔を広くする必要があり、その
ために装置全体の高さが高くなってしまうという問題が
あった。

そこで、この発明は紙葉類の誤選別が少なく、しか
も、装置の高さ寸法を低くできるようにした紙葉類の選
別装置を提供することを目的とする。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 紙葉類を搬送する第１の搬送手段と、この第１の搬送
手段の下方に設けられ、紙葉類を搬送する第２の搬送手
段と、前記第１の搬送手段に離間対向して設けられ、搬
送される紙葉類のうち第１の厚み以上の紙葉類をその搬
送方向に対し直交する方向に排除する第１の厚さ選別手
段と、この第１の厚さ選別手段の後段であって且つ、前
記第１の搬送手段に離間対向して設けられ、前記第１の
厚さ選別手段を通過した紙葉類のうち第１の厚みよりも
薄い第２の厚み以上の紙葉類をその搬送方向に対し直交
する方向に排除する第２の厚さ選別手段と、前記第１及
び第２の厚さ選別手段で排除された紙葉類を前記第２の
搬送手段へ共通に搬送、投入する第３の搬送手段と、前
記第２の搬送手段に離間対向して設けられ、前記第１及
び第２の厚さ選別手段で排除され前記第３の搬送手段に
よって、搬送、投入された全ての紙葉類のうち、第１の
厚み未満であり且つ第２の厚みより厚い第３の厚み以上
の紙葉類をその搬送方向に対し直交する方向に排除する
第３の厚さ選別手段と、この第３の厚さ選別手段の後段
であって且つ前記第２の搬送手段に離間対向して設けら
れ、前記第３の厚さ選別手段を通過した紙葉類のうち前
記第２の厚み以上の紙葉類をその搬送方向に対し直交す
る方向に排除する第４の厚さ選別手段とからなる。

（作用） 上記手段により、紙葉類の選別回数を増大させるとと
もに、搬送手段間の間隔も狭くできるようにした。

（実施例） 以下、本発明を第１図に示す一実施例を参照して説明
する。

第１図は選別装置を示すもので、この選別装置は第１
の搬送手段としての上段広幅ベルト11、第２の搬送手段
としての中段広幅ベルト12および下段広幅ベルト13を千
鳥状に配設している。前記上段広幅ベルト11、中段広幅
ベルト12および下段広幅ベルト13には駆動ベルト14…を
介して駆動モータ15…が接続されており、これら駆動モ
ータ15…により無端走行されるようになっている。ま
た、前記上段広幅ベルト11、中段広幅ベルト12および下
段広幅搬送ベルト13の上面には第１〜第４の厚さ選別手
段としての第１乃至第６の爪ベルト16〜21が配設されて
いる。これら第１乃至第６の爪ベルト16〜21は駆動モー
タ22…により上記搬送ベルト11,12,13と直交する方向へ
無端走行されるようになっている。

前記上段広幅ベルト11と第１の爪ベルト16との間には
15mmの間隙が形成され、中段広幅ベルト12と第３の爪ベ
ルト18との間には12mmの間隙が形成され、前記下段広幅
ベルト13と第５の爪ベルト22との間には10mmの間隙が形
成されている。また、上段広幅ベルト11と第２の爪ベル
ト17との間、中段広幅ベルト12と第４の爪ベルト19との
間、および前記下段広幅ベルト13と第６の爪ベルト22と
の間にはそれぞれ6mmの間隙が形成されている。

ところで、上記上段広幅ベルト11の一側部にはシュー
ト手段としての戻りコンベア25が設けられている。この
戻りコンベア25は図示しない駆動モータにより矢印Ｈ方
向に走行され、上記第１および第２の爪ベルト16,17に
よって排除される郵便物を中段幅広ベルト12における第
３の爪ベルト18の上流側に落下させるようになってい
る。

しかして、郵便物を選別する場合には、図示しない供
給コンベアベルトにより様々な大きさの郵便物Ｔが上段
広幅ベルト11のＡ部に供給される。前記上段広幅ベルト
11は矢印Ｂの方向に走行され、郵便物Ｔは第１の爪ベル
ト16の下を通過する。このとき、第１の爪ベルト16は矢
印Ｃの方向に走行され、ある一定の厚さ寸法（たとえば
15mm）以上の郵便物Ｔは戻りコンベア25に排除され、中
段広幅ベルト12上に落下される。また、薄い郵便物Ｔが
重なった状態で第１の爪ベルト16の下を通過する場合も
設定された厚さ寸法以上の重なりを持つ郵便物Ｔの塊は
戻りコンベア25上に排除され、下段広幅ベルト12上に落
下される。

第１の爪ベルト16を通過した郵便物Ｔはさらに、下流
の第２の爪ベルト17の下を通過する。この第２の爪ベル
ト17は第１の爪ベルト16より高さが低く設定（たとえば
6mm）され、厚さが設定寸法以上の郵便物ＴをＤ方向に
送り、戻りコンベア25上に排除され、この戻りコンベア
25により搬送されて中段広幅ベルト12に落下される。

第２の爪ベルト17を潜り抜けた薄い郵便物Ｔは図に示
されない、さらに、下流の郵便物処理装置に送られ、後
行程の処理が行われる。

一方、戻りコンベア25により中段広幅ベルト14に送ら
れた厚さ寸法の厚い郵便物Ｔもしくは郵便物Ｔのかたま
りは中段広幅ベルト13により、矢印Ｅの方向に運ばれ、
第３の爪ベルト18の下を通過する。この第３の爪ベルト
18も前記第１の爪ベルト16と同様に第３の爪ベルト18の
爪と中段広幅ベルト12の上面との隙間がある一定の設定
値（たとえば、12mm）に設定され、その設定値以上の厚
さ寸法をもつ郵便物Ｔもしくは薄い郵便物Ｔの塊は第３
の爪ベルト18により矢印Ｆの方向に送られ、図示しない
シュートを介して下段幅広ベルト13に排除される。

第３の爪ベルト18を潜り抜けた郵便物Ｔは第４の爪ベ
ルト19の下を潜り抜ける。この第４の爪ベルト19も第２
の爪ベルト17と同様、高さの設定値を第３の爪ベルト18
より低く設定され（例えば6mm）され、設定値以上の厚
み寸法をもつ郵便物Ｔもしくは薄い郵便物Ｔの塊は第４
の爪ベルト19により矢印Ｇの方向に送られ、図示しない
シュートを介して下段幅広ベルト13に送られる。第４の
爪ベルト19を通過した郵便物Ｔは第２の爪ベルト17を通
過した郵便物Ｔと同様、図に示されない下流の郵便物処
理装置に送られ、処理が行われる。

また、下段幅広ベルト13に送られた郵便物Ｔは第５お
よび第６の爪ベルト20,21により選別され、設定された
厚さ以上の郵便物Ｔおよび重なりの郵便物Ｔはシュート
22,22を介して外部に排除され、設定された厚さの郵便
物のＴは第６の爪ベルト21を通過して下流の郵便物処理
装置に送られる。

上述したように、第１の爪ベルト16を潜り抜けた郵便
物Ｔの塊は第２の爪ベルト17および中段広幅ベルト12上
に配設された第３および第４の爪ベルト18,19の３回選
別チャンスがあり、かつ、戻りコンベア25上で発生した
郵便物Ｔの重なりも、中段広幅ベルト12上に落下させた
ときにある程度緩和させるという効果もある。

さらに、従来機のシュートでは、郵便物を自然落下さ
せるため、ある程度シュートの角度をつけなければなら
ず、上段とその下の段との隙間を多く確保する必要があ
ったが、本発明では駆動力のある戻りコンベア25を用い
ているため、落下のための余分な空間をとる必要がな
く、広幅ベルトの段数を増やす場合にも、装置の高さが
従来機なみに押えることができる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、重なった紙葉
類に対し、選別するチャンスを多く与え、誤選別の低減
に役立つばかりででなく、装置全体をコンパクトにでき
るという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例である紙葉類の選別装置を示
す斜視図、第２図は従来の紙葉類の選別装置を示す斜視
図である。 11……上段広幅ベルト（第１の搬送手段）,12……中段
広幅ベルト（第２の搬送手段）,13……下段広幅ベルト
（第２の搬送手段）、16〜22……第１〜第６の爪ベルト
（第１〜第４の厚さ選別手段）、25……戻りコンベア
（シュート手段）。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】紙葉類を搬送する第１の搬送手段と、 この第１の搬送手段の下方に設けられ、紙葉類を搬送す
   る第２の搬送手段と、 前記第１の搬送手段に離間対向して設けられ、搬送され
   る紙葉類のうち第１の厚み以上の紙葉類をその搬送方向
   に対し直交する方向に排除する第１の厚さ選別手段と、 この第１の厚さ選別手段の後段であって且つ前記第１の
   搬送手段に離間対向して設けられ、前記第１の厚さ選別
   手段を通過した紙葉類のうち第１の厚みよりも薄い第２
   の厚み以上の紙葉類をその搬送方向に対し直交する方向
   に排除する第２の厚さ選別手段と、 前記第１及び第２の厚さ選別手段で排除された紙葉類を
   前記第２の搬送手段へ共通に搬送、投入する第３の搬送
   手段と、 前記第２の搬送手段に離間対向して設けられ、前記第１
   及び第２の厚さ選別手段で排除され前記第３の搬送手段
   によって搬送、投入された全ての紙葉類のうち、第１の
   厚み未満であり且つ第２の厚みより厚い第３の厚み以上
   の紙葉類をその搬送方向に対し直交する方向に排除する
   第３の厚さ選別手段と、 この第３の厚さ選別手段の後段であって且つ前記第２の
   搬送手段に離間対向して設けられ、前記第３の厚さ選別
   手段を通過した紙葉類のうち前記第２の厚み以上の紙葉
   類をその搬送方向に対し直交する方向に排除する第４の
   厚さ選別手段と、 からなることを特徴とする紙葉類の選別装置。