JP2876930B2 - レーザ溶接の溶接状態および溶接条件管理方法 - Google Patents

レーザ溶接の溶接状態および溶接条件管理方法

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JP2876930B2 JP5056240A JP5624093A JP2876930B2 JP 2876930 B2 JP2876930 B2 JP 2876930B2 JP 5056240 A JP5056240 A JP 5056240A JP 5624093 A JP5624093 A JP 5624093A JP 2876930 B2 JP2876930 B2 JP 2876930B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ溶接の溶接状態
および溶接条件を管理する方法に関し、特にレーザ光に
誘起されて発生するプラズマを光センサで監視すること
によって溶接状態および溶接条件を管理する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鋼板等のレーザ溶接において、溶接部の
溶け込み深さ等の溶接状態(溶接品質)を管理するため
に、レーザ光に誘起されて溶接部で発生するプラズマを
光センサで監視する方法がある。
【0003】図11はその従来の管理方法の一例を示す
図で、互いに重ね合わせた被溶接物Wに対しCO2やY
AG等のレーザ発振機1から出力されたレーザ光Lをレ
ンズ等の集光光学系2で集光した上で照射し、被溶接物
Wとレーザ光Lとを所定速度で相対移動させながら溶接
を行う一方、被溶接物Wの上方にはその溶接部Bを指向
するフォトトランジスタ等の光センサ51を配置し、レ
ーザ光Lに誘起されて溶接部Bで発生するプラズマPの
強度を光センサ51で監視するものである。なお、前記
光センサ51の検出出力は信号処理装置52で処理され
て、予め設定された基準値と比較されることにより溶接
部Bの溶け込み深さについて適否判定がなされる。
【0004】また、前記レーザ誘起プラズマPは母材が
蒸発・電離することにより発生するもので、レーザ光L
をよく吸収する性質を有している。そして、図10に示
すように、溶接部BのキーホールH内の比較的密度の高
いプラズマP1は上記のようにレーザ光Lを吸収するこ
とで溶け込み深さの増大化に貢献するものの、溶接部B
の上方に比較的密度の低いプラズマP2が多量に浮遊し
ているとこれが先にレーザ光Lを吸収して溶接部Bでの
実効溶接エネルギー密度が低下することになるため、通
常は図10に示すようにノズル3から溶接部Bに向けて
ヘリウムやアルゴン等の不活性ガスGを斜めに吹き付け
て、前述した比較的低密度のプラズマP2を排除するよ
うにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の管
理方法においては、被溶接物Wの総板厚が比較的大きく
(例えば2mm以上)、溶け込み深さの設定が被溶接物
Wの裏面まで貫通するかしないかのぎりぎりの条件下に
ある場合に、万一その溶け込みが被溶接物Wの裏面側ま
で貫通した時には、図12に示すようにレーザ誘起プラ
ズマPの一部がその被溶接物Wの裏面側からも噴出する
ことになる。その結果、被溶接物Wの表面側のレーザ誘
起プラズマPを監視している光センサ51の受光量が低
下し、レーザ誘起プラズマPを媒体とした溶接状態(溶
け込み深さ)の判定を正確に行うことができなくなる。
【0006】また、上記のようにレーザ誘起プラズマP
を監視することによって同時にレーザ出力や不活性ガス
流量等の溶接条件を管理しようとする場合に、そのレー
ザ誘起プラズマPの発光強度は上記の各溶接条件の複合
的な影響を受けることから、図11に示すように単一の
光センサ51を用いただけでは各々の溶接条件が適正範
囲にあるかどうか正確に判定することができない。
【0007】すなわち、図11の光センサ51が受ける
受光量特性は上記の各溶接条件のみならず光センサ51
の俯角(光センサ51の指向方向と被溶接物Wとのなす
角度)θの影響を受け、しかも各溶接条件ごとに最適と
される俯角θの大きさが異なることから、単一の光セン
サ51だけでは各溶接条件の適否を的確に判定すること
ができない。
【0008】これは、図10に示すように、溶接部Bの
キーホールH内の高密度で発光強度の大きいプラズマP
1と、キーホールH上部の比較的低密度で発光強度の小
さいプラズマP2の見える度合が図11の光センサ51
の俯角θの大きさに応じて異なるためで、キーホールH
上部の比較低的密度で発光強度の小さいプラズマP2
不活性ガス流量に大きく影響されるのに対して、キーホ
ールH内の高密度で発光強度の大きいプラズマP1は不
活性ガス流量にはそれほど影響されないという性質があ
る。
【0009】本発明は、以上のような従来の課題に着目
してなされたもので、被溶接物の裏面からのレーザ誘起
プラズマの噴出や、光センサの俯角の違いによる受光量
特性への影響を考慮して、溶接状態や溶接条件を的確に
判定できるようにした方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、被溶接物にレーザ光を照射して溶接を行うにあた
り、前記レーザ光に誘起されて溶接部位から発生するプ
ラズマを光センサにより監視し、そのレーザ誘起プラズ
マの強度に基づいて溶接状態を管理する方法において、
前記被溶接物の表裏両面側に配置した光センサにより溶
接部位の表裏両面でのレーザ誘起プラズマの発生を個別
に監視し、前記裏面側の光センサの出力値が所定値未満
の場合には、表面側の光センサの出力値を総プラズマ強
度として予め設定した基準値と比較して溶接状態の適否
を判定する一方、前記裏面側の光センサの出力値が所定
値以上の場合には、その裏面側の光センサの出力値に所
定の補正係数を乗じた上で前記表面側の光センサの出力
値に加算して総プラズマ強度を算出し、この総プラズマ
強度と前記基準値とを比較して溶接状態の適否を判定す
ることを特徴としている。
【0011】また、請求項2の発明は、被溶接物にレー
ザ光を照射するとともに溶接部位に不活性ガスを吹き付
けながらレーザ溶接を行うにあたり、前記レーザ光に誘
起されて溶接部位から発生するプラズマを光センサによ
り監視し、そのレーザ誘起プラズマの強度に基づいてレ
ーザ出力や不活性ガス流量等の複数の溶接条件を監理す
る方法において、前記被溶接物の上方から溶接部位を指
向する俯角の異なる複数の光センサによりその溶接部位
でのレーザ誘起プラズマの発生を個別に監視し、前記各
光センサが管理すべき溶接条件の項目を各光センサごと
に予め定めておく一方、前記各溶接条件のデータの変動
とそれに伴う該当する光センサ出力との関係を相関デー
タとして予め規定しておき、溶接中の前記各光センサの
出力を該当する相関データと照合してその各光センサ出
力に対応する溶接条件データを個別に算出し、この算出
された各溶接条件データと予め設定された基準値とを比
較して溶接条件ごとにその適否を判定することを特徴と
している。
【0012】
【作用】請求項1の発明によると、レーザ溶接による溶
け込みが被溶接物の裏面側まで及んでその裏面側にもレ
ーザ誘起プラズマが噴出した時には、裏面側の光センサ
の出力値に所定の補正係数を乗じた上で表面側の光セン
サの出力値に加算して総プラズマ強度を算出することに
より、裏面側のプラズマ噴出量を考慮した溶接状態の適
否判定を行えるようになる。
【0013】また、請求項2の発明によると、管理すべ
き溶接条件ごとに最適とされる俯角をもつ光センサを設
けてレーザ誘起プラズマを監視することにより、各溶接
条件ごとに独立してその適否を判定することができる。
【0014】
【実施例】図2は本発明の第1の実施例を示す図で、図
11と同様にレーザ誘起プラズマPの監視により溶接状
態(溶け込み深さ)を管理する場合の例を示している。
なお、図11と共通する部分には同一符号を付してあ
る。
【0015】図2に示すように、被溶接物Wの表面側
(上部)に設けられて溶接部Bを指向する光センサ4と
は別に、被溶接物Wの裏面側にも溶接部Bを指向する光
センサ5を設けた点で従来のものと異なっている。
【0016】前記各光センサ4,5の出力は、信号処理
装置6のアンプ7A,7Bでそれぞれ増幅されたのちフ
ィルタ8A,8Bで高周波成分のノイズが除去され、さ
らにA/D変換器9A,9BでA/D変換されたのちに
コンピュータ10に取り込まれる。そして、前記各光セ
ンサ4,5の出力と、コンピュータ10のメモリに予め
記憶設定された基準値とを比較することにより、溶接状
態の適否の判定がなされることになる。
【0017】図3は溶接条件の一つである焦点の位置を
変化させた時の、その焦点位置の変化と各光センサ4,
5の受光量の変化との関係を示したものである。なお、
溶接条件は、レーザ出力2.5kW、不活性ガスである
アルゴン(Ar)ガス供給量20リットル/分、溶接速
度2.5m/分である。
【0018】図3に示すように、焦点位置が合焦点位置
付近の−1mmから+2mm程度までの範囲では、溶接
部Bでの母材の溶け込みが被溶接物Wの裏面まで及んで
実質的に貫通していることから、その裏面側へのレーザ
誘起プラズマPの噴出により裏面側の光センサ5の出力
2が大きく、その間は表面側の光センサ4の出力Q1
相対的に小さくなっていることがわかる。つまり、被溶
接物Wの裏面側でレーザ誘起プラズマPが観察されるよ
うになると、逆に表面側で観察できるレーザ誘起プラズ
マPの発光強度が低下することを意味している。
【0019】しかしながら、各光センサ4,5はレーザ
誘起プラズマPからの距離や観察角度がそれぞれに異な
り、総プラズマ強度Qを得るにあたって各光センサ4,
5の出力Q1,Q2を単純に加算しただけでは意味をなさ
ない。そこで、図3の場合と全く同じ条件下で、溶け込
みが裏面側まで貫通しない程度に厚い被溶接物を用い
て、溶け込みが裏面側まで貫通しない場合の表面側の光
センサ4の出力の変化すなわち総プラズマ強度Qの変化
を図4のように求めた。そして、図3の各光センサ4,
5の出力特性Q1,Q2の総和が図4の総プラズマ強度特
性Qとなるような補正係数Zを次式により求めた。
【0020】Q=Q1+Z・Q2 ‥‥‥‥‥(1) すなわち、Q=Q1+Z・Q2となる値として、補正係数
ZをQ2の関数として図5のように求めた。
【0021】この補正係数Zを用いることにより、溶接
による溶け込みが被溶接物Wの裏面まで及ぶような条件
下においても、表面側および裏面側の双方の光センサ
4,5でレーザ誘起プラズマPを監視することにより、
レーザ溶接部Bの溶接状態(溶け込み状態)の適否を的
確に判定することができる。これは、図3,4に示した
焦点位置以外の他の溶接条件のもとでも同様である。
【0022】図1は図2に示したシステムでの処理手順
を示す図で、図2のコンピュータ10のメモリには上記
の補正係数Zの値と総プラズマ強度の基準値Q0が予め
記憶設定されている。
【0023】最初に、図1に示すように、溶接が開始さ
れるとコンピュータ10は、溶接部Bの表裏両面でのレ
ーザ誘起プラズマPを監視している光センサ4,5の出
力Q1,Q2を一定の周期で取り込み(図1のステップS
1〜S4)、裏面側の光センサ5の出力Q2をもとに被
溶接物Wの裏面側でレーザ誘起プラズマPの発生が認め
られるか否か、すなわち溶接による溶け込みが被溶接物
Wの裏面側まで貫通しているか否かを判定する(ステッ
プS5)。
【0024】そして、溶け込みが被溶接物Wの裏面側ま
で貫通していない時には総プラズマ強度Q=Q1として
次のステップに進み(ステップS7)、他方、ステップ
S5で溶け込みが被溶接物Wの裏面側まで貫通している
時にはQ=Q1+Z・Q2により裏面側の光センサ5の出
力Q2を補正して総プラズマ強度Qを算出する(ステッ
プS6)。
【0025】さらに、溶接による母材の溶け込みが被溶
接物Wの裏面側まで貫通しているか否かにかかわらず、
上記の総プラズマ強度Qの値を予め設定されている基準
値Q0として比較して適正範囲内におさまっているかど
うかその合否を判定し(ステップS8)、前記総プラズ
マ強度Qが適正であるかぎり上記の一連のステップを溶
接終了まで繰り返す(ステップS9,S10)。
【0026】これに対して、ステップS8で総プラズマ
強度Qが適正範囲を逸脱していると判定された場合に
は、母材の溶け込みに過不足が生じているものとみなし
て溶接エラー処理を実行し、その時点で溶接を中止する
(ステップS11)。
【0027】このように本実施例によれば、被溶接物W
の裏面側に発生するレーザ誘起プラズマPを考慮して総
プラズマ強度Qを算出し、この総プラズマ強度Qと予め
設定した基準値Q0とを比較して溶け込み深さの適否を
判定することによって、被溶接物Wの裏面側まで溶け込
みが及んだり及ばなかったりするぎりぎりの条件下での
溶接の場合にもその溶け込み深さを正確に判定すること
ができ、判定結果の信頼性が大幅に向上する。
【0028】図6は本発明の第2の実施例を示す図で、
レーザ誘起プラズマPの監視によりレーザ出力や不活性
ガス流量等の溶接条件を管理する場合の例を示してい
る。なお、図2と共通する部分には同一符号を付してあ
る。
【0029】図6に示すように、被溶接物Wの上方に
は、互いに溶接部Bを指向しながらもその俯角θ1,θ2
が相違する二つの光センサ11,12が設けられている
点で図2のものと異なっており、一方の光センサ12の
俯角θ2は30度、他方の光センサ11の俯角θ1は60
度にそれぞれ設定されている。
【0030】前記光センサ11,12の出力S1,S
2は、アンプ7A,7B、フィルタ8A,8BおよびA
/D変換器9A,9Bを経てコンピュータ10に取り込
まれた上で、そのコンピュータ10のメモリに予め記憶
設定された基準値と比較されることにより、レーザ出力
や不活性ガス流量等の溶接条件の適否の判定が各溶接条
件ごとに個別になされることになる。
【0031】図7は溶接条件の一つであるレーザ出力を
変化させた時のそのレーザ出力変化と各光センサ11,
12の受光量変化(光センサ出力S1,S2)との関係を
示し、また図8は不活性ガスGの流量を変化させた時の
その流量変化と各光センサ11,12受光量変化との関
係を示したものである。
【0032】図7から明らかなように、レーザ出力を変
化させた時には、俯角60度をもつ一方の光センサ11
の出力はレーザ出力の変化に応じて変化するのに対し
て、俯角30度をもつ他方の光センサ12の出力はレー
ザ出力の変化にかかわらずほとんど変化しない。これは
図10にも示すように、一方の光センサ11はその俯角
θ1が他方の光センサ12よりも大きく、キーホールH
の奥深い部分を観察していることから、レーザ出力に応
じて変化するキーホールH内部のレーザ誘起プラズマP
1の変化を敏感にとらえることができるためである。こ
れに対して、他方の光センサ12は、その俯角θ2が小
さいために光センサ11よりもキーホールHの上部を観
察しており、このキーホールH上部のレーザ誘起プラズ
マP2の発光強度はプラズマ自体の密度が小さいために
レーザ出力の変化の割には大きく変化しないためであ
る。
【0033】一方、図8および図10に示すように、俯
角60度の光センサ11の出力S1はノズル3から吹き
出される不活性ガス流量の変化にはほとんど影響されな
いのに対し、他方の光センサ12の出力S2は、キーホ
ールH上部のレーザ誘起プラズマP2を観察している度
合が大きいために不活性ガス流量の増減によるキーホー
ルH上部のレーザ誘起プラズマP2の影響を受けて、不
活性ガス流量の変化に応じて大きく変化する。
【0034】そこで、図6の光センサ11,12はいず
れも溶接部Bのレーザ誘起プラズマPを監視しているも
のの、一方の光センサ11の出力によってレーザ出力を
管理するとともに、他方の光センサ12の出力によって
不活性ガス流量を管理するものとして、図7の特性曲線
1および図8の特性曲線S2を相関データとしてコンピ
ュータ10のメモリに予め記憶させておく。
【0035】図9は図6に示したシステムでの処理手順
を示す図で、溶接が開始されるとコンピュータ10は、
溶接部Bでレーザ誘起プラズマPを監視している双方の
光センサ11,12の出力S1,S2を一定の周期で取り
込む。
【0036】すなわち、最初に一方の光センサ12の出
力S2をコンピュータ10に取り込み(図9のステップ
S1〜S3)、予めコンピュータ10のメモリに記憶さ
れている図8の相関データと比較照合して、その光セン
サ12の出力S2に相当する不活性ガス流量QGを算出す
る(ステップS4)。
【0037】そして、その算出した不活性ガス流量QG
と、コンピュータ10に予め記憶されている基準ガス流
量QG0とを比較して、その不活性ガス流量QGが適正範
囲内におさまっているかどうかその合否を判定する(ス
テップS5)。判定の結果、不活性ガス流量QGが適正
範囲内であれば次のステップに移行し、他方、不活性ガ
ス流量QGが適正範囲を逸脱していれば不活性ガス流量
のエラー処理を実行し、その時点で溶接を中止する(ス
テップS7)。
【0038】さらに、図9のステップS6では、他方の
光センサ11の出力S1をコンピュータ10に取り込
み、予めコンピュータ10のメモリに記憶されている図
7の相関データと比較照合して、その光センサ11の出
力S1に相当するレーザ出力WLを算出する(ステップS
7)。
【0039】そして、その算出したレーザ出力WLと、
コンピュータ10に予め記憶されている基準レーザ出力
L0とを比較して、そのレーザ出力WLが適正範囲内に
おさまっているかどうか合否を判定する(ステップS
8)。判定の結果、レーザ出力WLが適正範囲内であれ
ば上記の一連のステップを溶接終了まで繰り返し(ステ
ップS9,S10)、他方、レーザ出力WLが適正範囲
を逸脱している場合にはレーザ出力WLのエラー処理を
実行し、その時点で溶接を中止する(ステップS1
1)。
【0040】このように、不活性ガス流量QGおよびレ
ーザ出力WLの各溶接条件ごとに俯角の異なる光センサ
11,12で個別にレーザ誘起プラズマPを監視するこ
とにより、それぞれの溶接条件が適正範囲であるかどう
か独立して判定することができる。
【0041】なお、前記第1,第2のいずれの実施例に
おいても、エラー処理として該当する溶接条件が適正範
囲内に入るようにレーザ出力制御系や不活性ガス流量制
御系に直接フィードバックをかけるようにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
被溶接物の表面側のレーザ誘起プラズマを監視する表面
側の光センサに加えて、被溶接物の裏面側のレーザ誘起
プラズマを監視する裏面側の光センサを設けて、裏面側
の光センサの出力値に所定の補正係数を乗じた上で表面
側の光センサの出力値に加算して総プラズマ強度を算出
し、この総プラズマ強度と基準値とを比較して溶接状態
の適否を判定するようにしたことにより、溶接部の溶け
込み深さの設定が被溶接物の裏面まで貫通するかしない
かのぎりぎりの条件下にある場合に、万一その溶け込み
が被溶接物の裏面側まで貫通したとしても、その裏面側
でのレーザ誘起プラズマの発生を考慮して溶接状態の判
定を正確に行うことができ、判定結果の信頼性が向上す
る。
【0043】また、請求項2の発明によれば、各溶接条
件ごとに俯角の異なる光センサで個別にレーザ誘起プラ
ズマを監視し、予め記憶設定された光センサの出力値と
溶接条件データとの相関データから該当する溶接条件デ
ータを算出した上で基準値と比較して各溶接条件の適否
を判定することにより、複数の溶接条件について各溶接
条件ごとにその適否を正確に判定することができ、判定
結果の信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す処理手順のフロー
チャート。
【図2】図1の処理手順を実行するシステムの概略説明
図。
【図3】レーザ光の焦点位置と光センサ出力との相関を
示す特性図。
【図4】レーザ光の焦点位置と光センサ出力との相関を
示す特性図。
【図5】図3の二つの特性を図4の特性にするのに必要
な補正係数の説明図。
【図6】本発明の第2の実施例を示すシステムの概略説
明図。
【図7】レーザ出力と光センサ出力との相関を示す特性
図。
【図8】不活性ガス流量と光センサ出力との相関を示す
特性図。
【図9】図6のシステムでの処理手順を示すフローチャ
ート。
【図10】溶接部の断面説明図。
【図11】従来の溶接状態管理システムの概略説明図。
【図12】溶接部の断面説明図で、(A)は溶け込みが
裏面まで及ばない場合の断面説明図、(B)は溶け込み
が裏面まで及んだ場合の断面説明図。
【符号の説明】
1…レーザ発振機 2…集光光学系 4,5…光センサ 6…信号処理装置 10…コンピュータ 11,12…光センサ B…溶接部 G…不活性ガス L…レーザ光 P…レーザ誘起プラズマ W…被溶接物

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被溶接物にレーザ光を照射して溶接を行
    うにあたり、前記レーザ光に誘起されて溶接部位から発
    生するプラズマを光センサにより監視し、そのレーザ誘
    起プラズマの強度に基づいて溶接状態を管理する方法に
    おいて、 前記被溶接物の表裏両面側に配置した光センサにより溶
    接部位の表裏両面でのレーザ誘起プラズマの発生を個別
    に監視し、 前記裏面側の光センサの出力値が所定値未満の場合に
    は、表面側の光センサの出力値を総プラズマ強度として
    予め設定した基準値と比較して溶接状態の適否を判定す
    る一方、 前記裏面側の光センサの出力値が所定値以上の場合に
    は、その裏面側の光センサの出力値に所定の補正係数を
    乗じた上で前記表面側の光センサの出力値に加算して総
    プラズマ強度を算出し、この総プラズマ強度と前記基準
    値とを比較して溶接状態の適否を判定することを特徴と
    するレーザ溶接の溶接状態管理方法。
  2. 【請求項2】 被溶接物にレーザ光を照射するとともに
    溶接部位に不活性ガスを吹き付けながらレーザ溶接を行
    うにあたり、前記レーザ光に誘起されて溶接部位から発
    生するプラズマを光センサにより監視し、そのレーザ誘
    起プラズマの強度に基づいてレーザ出力や不活性ガス流
    量等の複数の溶接条件を監理する方法において、 前記被溶接物の上方から溶接部位を指向する俯角の異な
    る複数の光センサによりその溶接部位でのレーザ誘起プ
    ラズマの発生を個別に監視し、 前記各光センサが管理すべき溶接条件の項目を各光セン
    サごとに予め定めておく一方、 前記各溶接条件のデータの変動とそれに伴う該当する光
    センサ出力との関係を相関データとして予め規定してお
    き、 溶接中の前記各光センサの出力を該当する相関データと
    照合してその各光センサ出力に対応する溶接条件データ
    を個別に算出し、 この算出された各溶接条件データと予め設定された基準
    値とを比較して溶接条件ごとにその適否を判定すること
    を特徴とするレーザ溶接の溶接条件管理方法。
JP5056240A 1993-03-17 1993-03-17 レーザ溶接の溶接状態および溶接条件管理方法 Expired - Lifetime JP2876930B2 (ja)

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