JP4936718B2 - レーザ溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ溶接方法に係わり、より詳細にはメッキ、塗装等の皮膜が形成されている金属部材をレーザ溶接する方法に関する。
図11および図12に、亜鉛メッキで表面処理されている金属部材を被溶接材とする従来のレーザ溶接における作用および問題点を示す。
図11において、上下に重ね合わせられた2枚の金属板のうち下層の金属板100はたとえばスチールを素材とし、その表面にたとえば亜鉛メッキの皮膜102が形成されている。上層の金属板104は、皮膜無しの素金属たとえばステンレス鋼からなる。
図11に示すように、通常は、皮膜無しの金属板104の背後(上方)から所望の溶接ポイントWに向けてレーザ光Lbを集光照射する。そうすると、図12に示すように、レーザ光Lbのエネルギーにより、溶接ポイントW付近で上層の金属板104が最初に溶け、次いで下層の金属板100も溶ける。この時、両金属板100,104の境界でメッキ皮膜102が昇華または気化して、レーザ溶融部106を内部から吹き飛ばす、いわゆる爆飛現象を起こす。このような爆飛によって、溶接品質(接合強度、平面度、外観等)が低下するだけでなく、溶接ポイントWの周囲でメッキ皮膜102が広範囲に欠除ないし損傷してメッキの防食機能が失われるという問題もある。
このようなメッキ皮膜102の気化による爆飛を防止するために、従来は、図13に示すように両金属板100,104の間にシム部材108を挟んで隙間Gを形成し、メッキ皮膜102から発生した昇華物(亜鉛ガス)Sを隙間Gの側方から抜く方法が行われている。
しかしながら、上記のようにシム部材108を用いる従来のレーザ溶接方法は、両金属板100,104の間にシム部材108を溶接前に挟んで溶接後に抜き取るという作業が非常に面倒であるうえ、その割には一定の隙間Gを作れる確実性や再現性が低い。しかも、メッキ皮膜102は通常数ミクロン以下の膜厚であるのに比して、シム部材108の厚みは極薄でも100μm程度までが限度であり、微小の隙間管理は著しく難しい。加えて、上層の金属板104を溶かしてこの隙間Gを埋めてから下層の金属板100まで溶かさなければならず、そのぶん大きなレーザエネルギーが必要となる。なお、過大エネルギーのレーザ照射によって溶接部付近が形状変形することがある。さらには、この方法でも、溶接ポイントWの周囲でメッキ皮膜102がレーザエネルギーにより必要以上の剥離や損傷を受けて耐食性が失われるという課題は依然として残っている。なお、上記の例は被溶接部材が亜鉛メッキの皮膜を有する場合であったが、他の金属メッキや塗装等の皮膜を有する場合にも同様の問題が発生している。
本発明は、上述のような事情に鑑みなされたもので、被溶接材の皮膜からのガスの発生や爆飛がなく、冶具を用いる面倒な隙間管理も不要であり、再現性の高い安定した溶接品質を保証できるレーザ溶接方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の第1のレーザ溶接方法は、表面に皮膜を有する第1の金属部材に第2の金属部材を所望の溶接ポイントにてレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記第1の金属部材の前記溶接ポイントおよびその近傍を含む剥離領域に第1のレーザ光を直接照射して、前記剥離領域内の前記皮膜を前記第1のレーザ光のエネルギーによって除去する第1の工程と、前記剥離領域が前記第2の金属部材で覆われるようにして、前記第1の金属部材と前記第2の金属部材とを重ね合わせる第2の工程と、前記第1の金属部材もしくは前記第2の金属部材の背後から前記溶接ポイントに向けて第2のレーザ光を照射して、前記溶接ポイントにて前記第1の金属部材と前記第2の金属部材とを前記第2のレーザ光のエネルギーによって溶接する第の工程とを有する。
また、本発明の第2のレーザ溶接方法は、表面に第1の皮膜を有する第1の金属部材と表面に第2の皮膜を有する第2の金属部材とを所望の溶接ポイントにてレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、前記第1の金属部材の前記溶接ポイントおよびその近傍を含む第1の剥離領域に第1のレーザ光を直接照射して、前記第1の剥離領域内の前記第1の皮膜を前記第1のレーザ光のエネルギーによって除去する第1の工程と、前記第2の金属部材の前記溶接ポイントおよびその近傍を含む第2の剥離領域に第2のレーザ光を直接照射して、前記第2の剥離領域内の前記第2の皮膜を前記第2のレーザ光のエネルギーによって除去する第2の工程と、前記第1の剥離領域が前記第2の金属部材で覆われ、かつ前記第2の剥離領域が前記第1の金属部材で覆われるようにして、前記第1の金属部材と前記第2の金属部材とを重ね合わせる第の工程と、前記第1の金属部材もしくは前記第2の金属部材の背後から前記溶接ポイントに向けて第3のレーザ光を照射して、前記溶接ポイントにて前記第1の金属部材と前記第2の金属部材とを前記第3のレーザ光のエネルギーによって溶接する第の工程とを有する。
本発明のレーザ溶接方法においては、第1および第2の金属部材の片方または双方に皮膜が形成されている場合は、皮膜付きの当該金属部材に溶接ポイントおよびその近傍を含む剥離領域を設定し、そこに所定のレーザ光を直接照射して当該剥離領域内の皮膜をレーザエネルギーによって除去する。これにより、剥離領域が相手側の金属部材に覆われるようにして、両金属部材を重ね合わせると、剥離領域の箇所に両金属部材で挟まれた空洞スペースが形成される。ここに、第1の金属部材もしくは第2の金属部材の背後から溶接ポイントに向けてレーザスポット溶接用のレーザ光を照射すると、上層の金属部材が空洞スペース内で溶け落ちて下層の金属部材に届き、レーザ光のエネルギーが上層金属部材の溶融部分を通じて下層金属部材にも浸透し、下層金属部材も溶ける。そして、レーザ光の照射停止後に、両金属部材の溶融部が凝固して溶接ナゲットとなる。
本発明の好適な一態様によれば、上記第1のレーザ溶接方法においては第1および第2のレーザ光のいずれもパルスレーザ光であり、上記第2のレーザ溶接方法においては第1、第2および第3のレーザ光のいずれもパルスレーザ光である。この場合、皮膜除去用のパルスレーザ光およびレーザスポット溶接用のパルスレーザを同一のパルスレーザ発振装置により生成することで、加工設備の低コスト化と加工時間の短縮化を実現できる。
また、パルスレーザ光を使用する場合は各レーザ光のピークパワーをフィード
バック制御によってそれぞれ設定値に保持することで、再現性の高い安定した皮膜除去加工およびレーザスポット溶接加工を行うことができる。
また、本発明における剥離領域のサイズは、後工程のレーザスポット溶接工程においてレーザ溶接用のパルスレーザ光が剥離領域を確実に(縁部に当たらずに)通過できる最小の大きさに選ばれるのが好ましく、たとえばパルスレーザ光の照射範囲または照射領域(たとえばビームスポット径)を変えることにより任意に可変調整できる。あるいは当該レーザ光のパルス幅を変えることによって剥離領域のサイズを調整することも可能である。
本発明は、任意の材質および膜厚の皮膜を有する金属部材のレーザ溶接に適用可能であり、特に表面処理、典型的にはメッキ処理や塗装処理によって形成された皮膜を有する金属板に好適に適用できる。
本発明のレーザ溶接方法によれば、上記のような構成および作用により、被溶接材の皮膜からのガスの発生や爆飛がなく、冶具を用いる面倒な隙間管理も不要であり、再現性の高い安定した溶接品質を保証することができる。
以下、図1〜図10を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1〜図7に、本発明の一実施形態におけるレーザ溶接方法を示す。一例として、被溶接材(ワーク)の一方が亜鉛メッキ10で表面処理されているスチール素地の平板12で、他方が皮膜無しの金属素材たとえばステンレス鋼の平板14とする。
通常は(ステンレス板14の板厚がスチール板12の板厚よりも著しく大きくない場合は)、図1に示すように、亜鉛メッキされたスチール板12の上に素地のステンレス板14を位置合わせして重ねる。そして、たとえば図2に示すように、両金属板12,14が重なり合った部分に一定ピッチで複数の溶接ポイントWを設定し、ステンレス板14の背後(上方)から後述するように各溶接ポイントWに所定のパルスレーザ光を照射して両金属板12,14をレーザスポット溶接で接合する。
この実施形態では、レーザスポット溶接の工程に先立ち、図3および図4に示すように、スチール板12の各溶接ポイントWと対応する部位に設定された各剥離領域H10に後述するパルスレーザ加工装置の出射ユニット16より皮膜除去用のパルスレーザ光LBaを所望のレーザ照射条件(ピークパワーP、パルス幅T、ビームスポット径)で集光照射し、剥離領域H10内の亜鉛メッキ皮膜10をパルスレーザ光LBaのレーザエネルギーにより昇華させて除去する。
ここで、剥離領域H10は、好ましくはレーザビームスポットと同形状(円形)で溶接ポイントWとその近傍を含むものである。すなわち、剥離領域H10のサイズは、後述する後工程のレーザスポット溶接工程においてレーザ溶接用のパルスレーザ光LBbが剥離領域H10を確実に(縁部に当たらずに)通過できる最小の大きさに選ばれるのが好ましく、たとえばパルスレーザ光LBaの照射範囲または照射領域を変えることにより任意に可変調整できる。
パルスレーザ光LBaの照射範囲を調整するには、通常の一点照射の場合はパルスレーザ光LBaのビームスポット径を可変する方法が有効である。別の方法として、剥離領域H10内で照射位置をずらしながら複数ポイントに微小スポットのパルスレーザ光LBaを照射することも可能であり、その場合は照射ポイントの個数を変えることによって全体の照射範囲を可変することができる。あるいは、一点照射法または多点照射法のいずれの場合でも、パルスレーザ光LBaのパルス幅TないしレーザエネルギーE(図5)を変えることによってパルスレーザ光LBaの照射範囲を任意に調整することができる。パルスレーザ光LBaのピークパワーPは、素地金属12の変形を来たさずに当該皮膜(この例は亜鉛メッキ被膜)10を所定領域内に限定して確実に昇華させて除去するという観点から、皮膜10の材質、膜厚や素地金属12の材質等に応じて最適な値に設定される。
上記のようにして、亜鉛メッキされたスチール板12の全溶接ポイントWの部位に亜鉛メッキ皮膜10が局所的に除去された剥離領域H10を形成する。次いで、図6に示すように、スチール板12の上にステンレス板14を位置合わせして重ねる。そうすると、スチール板12の各剥離領域H10はその上面がステンレス板14で覆われ、そこに円盤状の空洞(閉)スペースが形成される。この空洞スペースは剥離領域H10と同じ直径(たとえば200〜300μm)を有し、亜鉛メッキ皮膜10の膜厚と等しい高さ(たとえば1〜5μm)を有する。
次に、上記のようにして重ね合わせた被溶接材(12,14)の各溶接ポイントWに対して、図7に示すように、上層側の被溶接材つまりステンレス板14の背後(上方)に配置した上記出射ユニット16より今度はレーザ溶接用のパルスレーザ光LBbを所望のレーザ照射条件(ピークパワーP、パルス幅T、ビームスポット径)で集光照射し、各溶接ポイントWにてステンレス板14とスチール板12とをパルスレーザ光LBbのレーザエネルギーによって溶接する。この際、パルスレーザ光LBbの照射により、先ず上層側のステンレス板14が溶けて、剥離領域H10の空洞スペース内で崩れ落ちる。この空洞スペースの高さ(ギャップ)は数μm程度と非常に狭く、ステンレス板14の溶融した部分はその直下のスチール板12に直ぐに届く。すると、パルスレーザ光LBbのレーザエネルギーがステンレス板14の溶融部分を通じてスチール板12にも浸透しその上面を溶かす。こうして、各溶接ポイントWにてステンレス板14とスチール板12とが一体に溶融し、パルスレーザ光LBbの照射停止後に凝固して溶接ナゲットNとなる。
このレーザスポット溶接法においては、上記のようにパルスレーザ光LBbのエネルギーが剥離領域H10の空洞スペースを通って下層のスチール板12に効率よく入熱されることに加えて、亜鉛メッキ皮膜10にはレーザエネルギーが殆ど及ばないことも重要である。このことにより、レーザ溶接時に、亜鉛メッキ皮膜10が昇華しないため、亜鉛ガスを発生させることはなく、爆飛現象は起こらない。しかも、溶接ポイントWの周囲で亜鉛メッキ皮膜10がレーザエネルギーによる損傷を受けることもないので、防食機能を安定して維持することができる。
被溶接材(12,14)の全ての溶接ポイントWについて上記のようなレーザスポット溶接を行うことにより、図2に示すような平板スポット溶接の加工品を完成させることができる。
この実施形態では、亜鉛メッキのスチール板12に対する皮膜除去工程(第1工程)と、両金属板12,14の溶接ポイントWに対するレーザスポット溶接工程(第2工程)とを1台のパルスレーザ加工装置で行うようにしている。
図8に、上記実施形態におけるレーザ溶接方法の実施に使用して好適なパルスレーザ加工装置の構成を示す。このパルスレーザ加工装置は、上記出射ユニット16に加えて、パルスレーザ発振器18、レーザ電源20、制御部22、レーザ伝送系24、パワーフィードバック用受光素子26およびインデックス加工ステージ28を有している。
パルスレーザ発振器18は、たとえばYAGロッドからなるレーザ媒体、このレーザ媒体を励起するレーザ励起手段(たとえば励起光源)、レーザ光を共振増幅する共振器ミラー等を内蔵しており、レーザ加工用のパルスレーザ光LBを発振出力する。レーザ電源20は、制御部22の制御の下で所望のレーザパルス波形とレーザ出力特性を得るようにレーザ発振器18内のレーザ励起手段を電気的に駆動する。レーザ伝送系24は、たとえば光ファイバや折り返しミラー30を有し、レーザ発振器18からのパルスレーザ光LB(LBa,LBb)を出射ユニット16へ伝送する。出射ユニット16は、集光レンズ32等の光学系部品を内蔵しており、レーザ発振器18からのパルスレーザ光LBを被溶接材12,14の溶接ポイントWに向けて集光照射する。
受光素子26は、たとえばレーザ伝送系24の折り返しミラー30で得られる漏れ光MLBを受光してパルスレーザ光LBの光強度またはレーザパワーを表す電気信号(レーザパワー検出信号)SLBをレーザ電源20にフィードバックする。レーザ電源20は、受光素子26からのレーザパワー検出信号SLBを設定値のピークパワーに一致するようにパルスレーザ発振器18に供給する励起電流または励起電力を制御する。
インデックス加工ステージ28は、制御部22の制御の下でステージ上の被溶接材12,14を出射ユニット16に対してX、Y、Zの3軸で位置決めするものであり、XY方向では溶接ポイントWをインデックス送りで移動できるようになっている。
制御部22は、マイクロプロセッサ(CPU)、入力装置または操作盤、出力装置、表示装置等からなるマン・マシン・インタフェースとして構成され、本レーザ加工装置の各部の制御を行う。この制御部22において、皮膜除去用のパルスレーザ光LBaとレーザスポット溶接用のパルスレーザ光LBbとを切り換えて選択的に出力できるようになっており、各パルスレーザ光LBa,LBbのピークパワーP、パルス幅T、レーザ照射サイズ等の諸条件を任意に設定できるようになっている。
上記した実施例のレーザスポット溶接工程(第2工程)では、亜鉛メッキされたスチール板12の上に素地のステンレス板14を重ね合わせてその上方(背後)からレーザ溶接用のパルスレーザ光LBbを集光照射するようにした。しかし、図9に示すように、上下反転させ、スチール板12の背後(上方)から各溶接ポイントWに向けてレーザ溶接用のパルスレーザ光LBbを集光照射することも可能である。この方法は、たとえば、ステンレス板14の板厚がスチール板12の板厚よりも著しく大きい場合に用いられてよい。
この方法においては、上層となったスチール板12の裏面側で各剥離領域Hの下面がステンレス板14で覆われ、そこに上記と同様の円盤状空洞スペースが形成される。ここに、パルスレーザ光LBbが照射されると、当該溶接ポイントW付近で、最初に上面のメッキ皮膜10が一瞬に昇華して除去されてから、スチール板12が溶けて剥離領域H10の空洞スペース内でステンレス板14の上に崩れ落ちる。そして、パルスレーザ光LBbのレーザエネルギーがスチール板12の溶融部分を通じてステンレス板14にも浸透しその上面を溶かす。こうして、各溶接ポイントWにてスチール板12とステンレス板14とが一体に溶融し、パルスレーザ光LBbの照射停止後に凝固して溶接ナゲットNとなる。
また、別の実施例として、図10に示すように、スチール板12のみならずステンレス板14にも皮膜(たとえばニッケルメッキ皮膜)34が形成されている場合でも本発明を適用できる。
この場合は、レーザスポット溶接工程(第2工程)に先立ち、図3および図4に示したのと同様の皮膜除去加工をステンレス板14にも施す。すなわち、ステンレス板14の各溶接ポイントWと対応する部位に設定された各剥離領域H34にパルスレーザ加工装置(図8)の出射ユニット16より表面除去用のパルスレーザ光LBc(図示せず)を所望のレーザ照射条件(ピークパワーP、パルス幅T、ビームスポット径)で集光照射し、剥離領域H34内の皮膜34をパルスレーザ光LBcのレーザエネルギーにより昇華させて除去する。剥離領域H34のサイズは、やはり後工程のレーザスポット溶接加工においてレーザ溶接用のパルスレーザ光LBbが剥離領域H34を確実に(縁部に当たらずに)通過できる最小の大きさに選ばれるのが好ましい。また、パルスレーザ光LBcのピークパワーPは、素地金属14の変形を来たさずに当該皮膜34を剥離領域H34内に限定して確実に昇華させて除去するという観点から、皮膜34の材質、膜厚や素地金属14の材質等に応じて最適な値に設定されてよい。
そして、上記のような皮膜除去加工をそれぞれ施されたステンレス板14およびスチール板12を上下に位置合わせして重ねると、図10に示すように、スチール板12の剥離領域H10の上にステンレス板14の剥離領域H34がぴったり重なって、上面がステンレス板14で閉塞されるとともに下面がスチール板12で閉塞された1つの円盤状空洞スペースが形成される。レーザ溶接用のパルスレーザ光LBbが照射されると、当該溶接ポイントW付近で、最初にステンレス板14上面の皮膜34が一瞬に昇華して除去されてから、ステンレス板12が溶けて剥離領域H10,H34の空洞スペース内でスチール板12の上に崩れ落ちる。そして、パルスレーザ光LBbのレーザエネルギーがステンレス板14の溶融部分を通じてスチール板12にも浸透しその上面を溶かす。こうして、各溶接ポイントWにてステンレス板14とスチール板12とが一体に溶融し、パルスレーザ光LBbの照射停止後に凝固して溶接ナゲットNとなる。
上記した実施例における被溶接材(スチール板12,ステンレス板14)および皮膜(亜鉛メッキ皮膜10,ニッケルメッキ皮膜34)の組み合わせは一例にすぎない。本発明は、任意の材質の金属部材および任意の材質の皮膜または任意の表面処理皮膜に適用可能である。したがって、被溶接材(金属部材)の皮膜に関しては、メッキ処理以外にも、たとえば塗装処理、ほうろう処理、化成処理等によって形成された皮膜等も可能である。
また、上記した実施形態では、皮膜除去とレーザスポット溶接の2つの工程を1台のパルスレーザ加工装置によって実施するので、加工設備のコストダウンを図れる利点がある。しかし、皮膜除去工程とレーザスポット溶接工程とを個別のレーザ加工装置で実施することも可能である。その場合、たとえば皮膜除去工程にQスイッチ型のレーザ加工装置を用いることも可能である。
本発明の一実施形態によるレーザ溶接方法の適用可能な被溶接材を示す分解断面図である。 実施形態における被溶接材の接合状態を示す斜視図である。 実施形態における皮膜除去工程の作用を示す斜視図である。 実施形態における皮膜除去工程の作用を示す縦断面図である。 実施形態のレーザ溶接方法で用いるパルスレーザ光のレーザ出力波形を示す図である。 実施形態におけるレーザスポット溶接工程前の被溶接材の状態を示す縦断面図である。 実施形態におけるレーザスポット溶接工程の作用を示す縦断面図である。 実施形態におけるレーザ溶接方法を実施するためのパルスレーザ加工装置の構成を示すブロック図である。 一変形例におけるレーザスポット溶接工程の作用を示す縦断面図である。 別の変形例によるレーザスポット溶接工程の作用を示す縦断面図である。 従来一般のレーザ溶接方法を示す縦断面図である。 従来一般のレーザ溶接方法の作用を示す縦断面図である。 治具(シム部材)を用いる従来のレーザ溶接方法の作用を示す縦断面図である。
符号の説明
10 皮膜(亜鉛メッキ皮膜)
12 スチール板
14 ステンレス板
16 出射ユニット
18 パルスレーザ発振器
20 レーザ電源
22 制御部
28 インデックス加工ステージ
34 皮膜(ニッケルメッキ皮膜)
W 溶接ポイント
10,H34 剥離領域

Claims (17)

  1. 表面に皮膜を有する第1の金属部材に第2の金属部材を所望の溶接ポイントにてレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記第1の金属部材の前記溶接ポイントおよびその近傍を含む剥離領域に第1のレーザ光を直接照射して、前記剥離領域内の前記皮膜を前記第1のレーザ光のエネルギーによって除去する第1の工程と、
    前記剥離領域が前記第2の金属部材で覆われるようにして、前記第1の金属部材と前記第2の金属部材とを重ね合わせる第2の工程と、
    前記第1の金属部材もしくは前記第2の金属部材の背後から前記溶接ポイントに向けて第2のレーザ光を照射して、前記溶接ポイントにて前記第1の金属部材と前記第2の金属部材とを前記第2のレーザ光のエネルギーによって溶接する第の工程と
    を有するレーザ溶接方法。
  2. 前記第1および第2のレーザ光のいずれもパルスレーザ光である請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  3. 前記第1および第2のレーザ光を同一のパルスレーザ発振装置により生成する請求項2に記載のレーザ溶接方法。
  4. 前記第1のレーザ光のピークパワーをフィードバック制御によって設定値に保持する請求項2または請求項3に記載のレーザ溶接方法。
  5. 前記剥離領域のサイズを前記第1のレーザ光の照射範囲によって調整する請求項2〜4のいずれか一項に記載のレーザ溶接方法。
  6. 前記剥離領域のサイズを前記第1のレーザ光のビームスポット径によって調整する請求項5に記載のレーザ溶接方法。
  7. 前記剥離領域のサイズを前記第1のレーザ光のパルス幅によって調整する請求項2〜4のいずれか一項に記載のレーザ溶接方法。
  8. 表面に第1の皮膜を有する第1の金属部材と表面に第2の皮膜を有する第2の金属部材とを所望の溶接ポイントにてレーザ溶接するレーザ溶接方法であって、
    前記第1の金属部材の前記溶接ポイントおよびその近傍を含む第1の剥離領域に第1のレーザ光を直接照射して、前記第1の剥離領域内の前記第1の皮膜を前記第1のレーザ光のエネルギーによって除去する第1の工程と、
    前記第2の金属部材の前記溶接ポイントおよびその近傍を含む第2の剥離領域に第2のレーザ光を直接照射して、前記第2の剥離領域内の前記第2の皮膜を前記第2のレーザ光のエネルギーによって除去する第2の工程と、
    前記第1の剥離領域が前記第2の金属部材で覆われ、かつ前記第2の剥離領域が前記第1の金属部材で覆われるようにして、前記第1の金属部材と前記第2の金属部材とを重ね合わせる第の工程と、
    前記第1の金属部材もしくは前記第2の金属部材の背後から前記溶接ポイントに向けて第3のレーザ光を照射して、前記溶接ポイントにて前記第1の金属部材と前記第2の金属部材とを前記第3のレーザ光のエネルギーによって溶接する第の工程と
    を有するレーザ溶接方法。
  9. 前記第1、第2および第3のレーザ光のいずれもパルスレーザ光である請求項8に記載のレーザ溶接方法。
  10. 前記第1、第2および第3のレーザ光を同一のパルスレーザ発振装置により生成する請求項9に記載のレーザ溶接方法。
  11. 前記第1および第2のレーザ光のピークパワーをフィードバック制御によってそれぞれ設定値に保持する請求項9または請求項10に記載のレーザ溶接方法。
  12. 前記剥離領域のサイズを前記第1のレーザ光の照射範囲によって調整する請求項9〜11のいずれか一項に記載のレーザ溶接方法。
  13. 前記第1および第2の剥離領域のサイズをそれぞれ前記第1および第2のレーザ光のビームスポット径によって調整する請求項12に記載のレーザ溶接方法。
  14. 前記第1および第2の剥離領域のサイズをそれぞれ前記第1および第2のレーザ光のパルス幅によって調整する請求項9〜11のいずれか一項に記載のレーザ溶接方法。
  15. 前記皮膜が表面処理によって形成されたものである請求項1〜14のいずれか一項に記載のレーザ溶接方法。
  16. 前記皮膜がメッキ処理または塗装処理によって形成されたものである請求項15に記載のレーザ溶接方法。
  17. 前記皮膜が亜鉛メッキ被膜である請求項16に記載のレーザ溶接方法。
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