JP3172371B2 - レーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工方法

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JP3172371B2
JP3172371B2 JP19766294A JP19766294A JP3172371B2 JP 3172371 B2 JP3172371 B2 JP 3172371B2 JP 19766294 A JP19766294 A JP 19766294A JP 19766294 A JP19766294 A JP 19766294A JP 3172371 B2 JP3172371 B2 JP 3172371B2
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勇一 森田
節夫 津田
匡平 岡本
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株式会社日平トヤマ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ加工方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来のレーザ加工においては、ワークの
材質や板厚、加工種類に応じて予め設定された加工条件
に基づいてレーザ加工が行われる。レーザ加工条件は例
えばレーザ光発振周波数、レーザ光出力デューティ比、
ピアッシング時間、加工速度、アシストガス種、アシス
トガス圧、レーザ光最大出力値の設定などがあり、これ
らは加工プログラム中に指定され、この加工プログラム
に従ってレーザ加工が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、1枚のワーク
上に互いに接近した切り抜き加工を行ったり、切断軌跡
が非常に接近される形状の切断を行うような場合、ワー
ク切断部分で切断時の熱が残留し、材料温度が上昇した
状態で次の加工が行われることになる。よって、この残
熱が原因で加工条件が合わなくなり、加工不良を生じる
ことがあった。したがって本発明は以上の従来技術の問
題に鑑みてなされたものであって、先に切断した箇所と
接近して加工するような場合であっても適正な加工条件
のもとで良好なレーザ加工が行えるレーザ加工方法を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明のレーザ
加工方法は、予め設定したレーザ加工条件に基づいてレ
ーザ加工を行うレーザ加工方法において、メモリ内にワ
ークの材質、板厚及び加工の種類に応じた各種の加工条
件データを記憶させておき、レーザ加工の際には、ワー
ク加工位置の表面温度を測定し、この測定値が予め段階
的に設定した複数の基準値のそれぞれを越えた時には
各基準値に対応して予め設けられた各加工条件毎の補正
データに基づいて上記加工条件データを補正し、この補
正した加工条件のもとでレーザ加工を行うことを特徴と
する。
【0005】また本発明のレーザ加工方法では、上記測
定値が予め設定した所定の基準値を越えた時にはワーク
に冷却液を噴射してレーザ加工を行う様にすることがで
きる。
【0006】ワークの温度測定にあたっては赤外線に感
応するGeフォトセンサを用い、レーザヘッドの光学ガ
ラスを通してワーク加工位置の表面温度を測定する様に
するのが好ましい。
【0007】
【実施例】以下に本発明のレーザ加工方法の一実施例を
説明する。図1は本発明のレーザ加工方法を実現するた
めのレーザ加工装置の全体構成を示すブロック図であ
る。レーザ加工機1はテーブル2上のワークWにレーザ
光Lを照射するためのレーザヘッド3を備え、このレー
ザヘッド3はテーブル2に対しX,Y,Z方向に相対移
動される。レーザ光Lはレーザ発振器4からレーザヘッ
ド3へ導入され、内部のミラー5、光学レンズ6を介し
てレーザノズル7からワークWに向けて照射される。レ
ーザヘッド3へはガス供給装置8よりアシストガスが供
給されると共に、焦点コントロール部9によって焦点調
整も行われる。これらのレーザ発振器4、ガス供給装置
8及び焦点コントロール部9はレーザコントロール部1
0によって制御され、上記レーザヘッド3は制御装置1
1内のサーボコントロール部12によって制御される。
【0008】また、レーザヘッド3には光学レンズ6よ
り上部にてガラスファイバ13の先端部が挿入され、こ
のガラスファイバ13を介してセンサ14によりレーザ
光Lのほぼ焦点位置に対応するワークWの表面温度を測
定するようになっている。上記センサ14には本実施例
では赤外線に感応するGeフォトセンサを用いている。
さらに、レーザノズル7の近傍には冷却液供給装置15
から供給される冷却液をワークWに向けて例えばミスト
状に噴射する噴射ノズル16が取り付けられている。冷
却液としては水または水溶性のクーラントが用いられ
る。制御装置11は、ディスプレイ17、入力ユニット
18を備え、数値制御部19、前記サーボコントロール
部12、シーケンス部20及び加工条件設定部21が設
けられている。さらに、メモリとして加工プログラム記
憶部22、加工条件記憶部23及び補正データ記憶部2
4を有する。
【0009】通常、レーザ加工は、加工プログラム記憶
部22に記憶された加工プログラムに従って、加工条件
記憶部23に記憶された加工条件データを読み出しなが
ら、サーボコントロール部12及びレーザコントロール
部10を動作し、レーザヘッド3の位置決め及び加工速
度、レーザパワー等の各種レーザ加工条件がコントロー
ルされる。本実施例では加工条件記憶部23とレーザコ
ントロール部10との間に加工条件設定部21を設け、
その内部の補正レベル判断部25と加工条件演算部26
とによって加工条件記憶部23に記憶された加工条件デ
ータを補正データ記憶部24に記憶された補正データに
基づいて適正に調整するようにしている。
【0010】加工条件記憶部23には、例えば図3に示
すように、ワークWの材質や板厚及び加工種類に応じ
て、加工速度(F速度)、レーザパワー(出力)、レー
ザ光周波数、レーザ光出力デューティ比(DUTY)、
焦点距離等の各種加工条件が記憶されている。また、補
正データ記憶部24には例えば図4に示すようにセンサ
14からの測定値が上記加工条件記憶部23に予め記憶
された加工条件データを補正すべき値に到達したか否か
の判断基準となる複数の基準値すなわち第1〜第4の基
準値が段階的に設定され記憶されている。これらの第1
〜第4の基準値はそれぞれ温度に応じた補正レベル
(1)、補正レベル(2)、補正レベル(3)、補正レ
ベル(4)に順次対応して設定されている。また、補正
レベル(4)の基準値である第4の基準値はセンサ14
からの測定値がワークWを冷却すべき値に到達したか否
かの判断基準となる所定の基準値も兼ねている。さらに
アラーム処理をする値に到達したか否かの判断基準とな
る第5の基準値が予め設定され記憶されている。また、
補正データ記憶部24にはどの加工条件をどのように補
正するかの加工条件項目と各補正レベル(1)〜(4)
に対応する補正率(%)が予め設定され記憶されてい
る。これらの基準値及び加工条件項目及びそれぞれの補
正率等の補正データについては入力ユニット18および
ディスプレイ17によって任意に設定できるようになっ
ている。
【0011】センサ14として用いたGeフォトセンサ
は図5の特性グラフで示すように波長0.8〜1.8μ
mの赤外線に対して高感度に感応する。したがってレー
ザヘッド3から発せられる特にCO2レーザ光や、波長
0.5〜0.7μmである可視光には感応しない。ガラ
スファイバ13はその先端をレーザヘッド3内に挿入
し、しかもレーザ光照射領域から外れた位置においてレ
ーザ光焦点に指向させて取り付けられている。したがっ
て、光学レンズ6を通して、ワークWの加工位置の平面
温度を赤外線の検出により測定できるようになってい
る。このセンサ14の出力は温度に関連する電気エネル
ギー、例えば電圧値として得られる。なお、赤外線を検
出する手段としてGeフォトセンサ以外のセンサを使
い、周波数フィルタで上記波長に限定することも可能で
ある。
【0012】上記センサ14からの測定値は加工条件設
定部21の補正レベル判断部25へ送られ図2の判断フ
ローに基づき、補正データ記憶部24内の第1〜第5の
基準値と順次比較され、その判断結果が加工条件演算部
26に送られる。
【0013】レーザ光の熱エネルギーによりワークWが
加熱されると、ワークW表面から温度に応じて赤外線が
放射される。センサ14が赤外線を感応し、ワークWの
表面温度が測定される。この測定値が第1〜第4の基準
値の何れかを越えた場合、その越えた基準値に対応する
補正レベル(1)〜(4)が判断され、補正データ記憶
部24内に記憶された各補正レベル(1)〜(4)に対
応する補正データである加工条件項目と補正率に基づ
き、加工条件記憶部23から読み出された加工条件デー
タが補正演算され、この補正された加工条件データがレ
ーザコントロール部10、シーケンス部20及び数値制
御部19へ出力されるようになっている。これにより、
ワークWの温度に応じて補正された適正な加工条件のも
とでレーザ加工を行うことができる。
【0014】また、補正レベル判断部25で測定値が第
4の基準値を越え補正レベル(4)が判断された場合に
は、シーケンス部20に冷却指令を出し、冷却液供給装
置15を動作して、噴射ノズル16よりワークWの加工
位置表面へ冷却液を噴射するようにしている。これによ
り、ワークW表面の温度が下がり、センサ14からの測
定値が第4の基準値以下になった場合には冷却液の供給
が停止される。なお、測定値が第1の基準値以下になっ
たときには、加工条件の補正は不要であり、補正をキャ
ンセルし、加工条件記憶部23に記憶された加工条件デ
ータの通りにレーザ加工が行われ、一方測定値が第5の
基準値を越えた場合には、アラーム処理を実施し、加工
が中断される。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明のレーザ加工方法で
は、レーザ加工の過程でワークの表面温度を測定し、ワ
ークの温度が予め設定した基準値を越えた時には予め記
憶された加工条件データを補正し、また、ワークの温度
が更に高温になり予め設定した所定の基準値を越えた時
にはワークに冷却液をかけてワークを冷却し加工を行う
様にしたのでワークの残熱による加工不良を防止でき
る。また、これにより加工スピードを速くする事による
トラブルを回避できるため従来より加工時間を短縮する
ことが可能となる。また、上記基準値を複数設定し、そ
れぞれに応じた補正を行うことにより、ワークの温度に
応じた適正な加工条件が得られる。また本発明によれば
Geフォトセンサによってワークの温度を測定したの
で、特にCO2レーザ光及び可視光の影響を受けず、金
属が高温になったとき発する赤外線にのみ反応して金属
表面温度を測定できる為、特別に周波数フィルタ等を用
いることなく、正確にワーク表面温度の状態を測定する
ことができる。しかもセンサはレーザヘッドの内部より
光学ガラスを通してワーク表面温度を測定しているの
で、環境の良い場所で、正確な測定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレーザ加工方法を実施するためのレ
ーザ加工装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明のレーザ加工方法を説明するレーザ加
工条件設定時の判断フローを示す図である。
【図3】 本発明のレーザ加工方法の一実施例における
加工条件記憶部の構成を示す模式図である。
【図4】 本発明のレーザ加工方法の一実施例における
補正データ記憶部の構成を示す模式図である。
【図5】 本発明のレーザ加工方法の一実施例に用いた
Geフォトセンサの感度特性を示す図である。
【符号の説明】
1・・・レーザ加工機、3・・・レーザヘッド、6・・
・光学レンズ、7・・・レーザノズル、10・・・レー
ザコントロール部、11・・・制御装置、12・・・サ
ーボコントロール部、13・・・ガラスファイバ、14
・・・Geフォトセンサ、15・・・冷却液供給装置、
16・・・噴射ノズル、19・・・数値制御部、20・
・・シーケンス部、21・・・加工条件設定部、22・
・・加工プログラム記憶部、23・・・加工条件記憶
部、24・・・補正データ記憶部、25・・・補正レベ
ル判断部、26・・・加工条件演算部、W・・・ワー
ク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−56615(JP,A) 特開 昭62−238092(JP,A) 特開 平5−154674(JP,A) 特開 平6−18433(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 26/00 - 26/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め設定したレーザ加工条件に基づいて
    レーザ加工を行うレーザ加工方法において、メモリ内に
    ワークの材質、板厚及び加工の種類に応じた各種の加工
    条件データを記憶させておき、レーザ加工の際には、ワ
    ーク加工位置の表面温度を測定し、この測定値が予め
    階的に設定した複数の基準値のそれぞれを越えた時に
    、各基準値に対応して予め設けられた各加工条件毎の
    補正データに基づいて上記加工条件データを補正し、こ
    の補正した加工条件のもとでレーザ加工を行うことを特
    徴とするレーザ加工方法。
  2. 【請求項2】 上記測定値が予め設定した所定の基準値
    を越えた時にはワークに冷却液を噴射してレーザ加工を
    行うことを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方
    法。
  3. 【請求項3】 ワークの温度測定に赤外線に感応するG
    eフォトセンサを用い、レーザヘッドの光学ガラスを通
    してワーク加工位置の表面温度を測定する請求項1又は
    請求項に記載のレーザ加工方法。
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CN101107501B (zh) * 2005-03-04 2011-07-27 松下电器产业株式会社 激光加热装置及激光加热方法
CN106715038B (zh) 2014-10-17 2018-07-27 三菱电机株式会社 激光加工方法及激光加工装置
JP6636007B2 (ja) * 2017-12-19 2020-01-29 株式会社アマダホールディングス レーザ加工方法

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