JP2876680B2 - 水系分散体 - Google Patents

水系分散体

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JP2876680B2 JP3357690A JP3357690A JP2876680B2 JP 2876680 B2 JP2876680 B2 JP 2876680B2 JP 3357690 A JP3357690 A JP 3357690A JP 3357690 A JP3357690 A JP 3357690A JP 2876680 B2 JP2876680 B2 JP 2876680B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はポリエステル樹脂を有効成分とする水系分散
体に関し、さらに詳しくは、コーティング剤、バインダ
ー、塗料及び、接着剤に用いるのに適したポリエステル
樹脂の水系分散体に関する。
(従来の技術) 従来より塗料、インキ、コーティング剤、接着および
繊維製品や紙等の各種処理剤の分野で有機溶剤が多量に
用いられてきているが、近年の石油資源の節約、環境汚
染防止、さらには消防法の改正に伴う有機溶剤の制限、
作業環境濃度の規制強化等と有機溶剤の使用は年々困難
な状況となりつつある。
そこで種々の方法、例えば(1)ハイソリッドタイ
プ、(2)非水系ディスパージョンタイプ、(3)水系
ディスパージョン、(4)エマルジョンタイプ、(5)
無溶剤タイプ等が提案され、すでに実施されているもの
も多い。これらの中でも水系ディスパージョンタイプは
その取り扱い易さ故に最も汎用性があり有望視されてい
る。
一方、現在使用されている樹脂の多くは、疎水性であ
り、これを如向に水に分散又は水溶化させるかが大きな
課題である。さらに、その様に一旦水性化された樹脂よ
り形成された度膜に耐水性や耐侯性を如向に付与するか
も重要な課題である。これらの技術的解決はいかなる樹
脂についても共通したものであり、ポリエステル樹脂も
例外ではない。
ポリエステル樹脂を水に分散または水性化させる方法
としては、親水性の原料を共重合する方法、例えばスル
ホン酸金属塩基を含有する原料やポリアルキレングリコ
ールまたは脂肪族ジカルボン酸等を単独または併せて共
重合する方法等が知られている。しかしいずれの方法に
おいても優れた水に対する溶解性または分散性を付与す
るためには多量の上記した親水性原料の使用を必要と
し、得られた皮膜の耐水性や耐侯性は非常に劣ったもの
となる。
例えば、特公昭47-40873号公報では、全酸成分に対し
て8モル%以上のスルホン酸金属塩基含有化合物と全グ
リコール成分に対して20モル%以上のポリエチレングリ
コールの併用を提案している。又特開昭50-121336号公
報でも同様にスルホン酸金属塩基含有化合物とポリエチ
レングリコールの併用を提案している。しかしながらこ
の様なポリエチレングリコールを多量含有する系では、
親水性が強すぎるため、例えば印刷インキ用バインダー
として用いると、吸湿により印刷面が容易にブロッキン
グを起こし、印刷インキのバインダーとしての使用は困
難であった。又塗料やコーティング剤に使用した場合、
吸水、吸湿等により素地との密着性が低下したり、塗膜
外観、例えば光沢の悪化やふくれや色相の変化が生じた
りして使用に耐えなかった。
(発明が解決しようとする課題) かかる問題点、つまり上記水系分散体より得た皮膜の
耐水性を改善するために、特公昭61-058092号公報にお
いて、グリコール成分にポリエチレングリコールの様な
脂肪族エーテル結合を有しないポリアルキレングリコー
ルとスルホン酸金属塩基含有の芳香族ジカルボン酸とを
併用したポリエステル樹脂を両親媒性溶剤を使用して分
散化した水系分散体をすでに提案し、良好な水分散性と
耐水性を得ている。しかしながら、この様な水系分散体
を用いて作成した塗料においては、それより形成された
塗膜の耐水性は優れるものの塗膜外観、例えば表面平滑
性、光沢等がまだ不十分である。又コーティング時にお
いて不用塗料の回収の際、いわゆる皮張り現象が生じや
すいため、回収ができきなかったり、回収されても均一
な塗料にできない等の問題があり作業性、生産性の点に
も問題がある。
(課題を解決するための手段) そこで、本発明者らはこの様な現状を考慮し、塗膜外
観および耐水性に優れ、尚かつ作業性に優れた水系分散
体を得るべく鋭意研究を重ねた結果本発明に到達した。
すなわち本発明は、(A)ポリカルボン酸成分とし
て、スルホン酸金属塩基を含有する芳香族ジカルボン酸
を全酸成分に対し1〜20モル%含有し、ポリオール成分
として下記a群から得らばれるジオールの少なくとも一
種を全ポリオール成分に対して30〜100モル%含有する
ポリエステル樹脂、(B)沸点が60〜200℃の水溶性有
機化合物及び(C)水を含み、かつ(A)、(B)およ
び(C)が式1)、2)および3)の配合比を満足する
ことを特徴とする水系分散体。
a群:3−メチル−1,5−ペンタンジオール 3−エチル−1,5−ペンタンジオール 3−プロピル−1,5−ペンタンジオール 3−メチル−1,6−ヘキサンジオール 4−メチル−1,7−ヘプタンジオール 4−メチル−1,8−オクタンジオール 4−プロピル−1,8−オクタンジオール 式1) A+B+C=100 (重量部) 式2) A/B/C= 1〜45/2.75〜69.3/16.5〜94 (重量比) 式3) B/(B+C)=0.05〜0.7 (重量比) 本発明におけるポリエステル樹脂は、ポリカルボン酸
成分が芳香族ジカルボン酸50〜100モル%及びその他の
ポリカルボン酸0〜50モル%より成り、芳香族ジカルボ
ン酸成分の内、スルホン酸金属塩基含有のジカルボン酸
成分が1.0〜20モル%含まれるものであり、又、ポリオ
ール成分が下記a群から得らばれるジオールの少なくと
も一種30〜100モル% a群:3−メチル−1,5−ペンダンジオール 3−エチル−1,5−ペンタンジオール 3−プロピル−1,5−ペンタンジオール 3−メチル−1,6−ヘキサンジオール 4−メチル−1,7−ヘプタンジオール 4−メチル−1,8−オクタンジオール 4−プロピル−1,8−オクタンジオール及び炭素
原子数2〜25のグリコール0〜70モル%より成るポリエ
ステル樹脂である。
スルホン酸金属塩基を含有しない芳香族ジカルボン酸
としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソ
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、インデンジカルボ
ン酸、ジフェン酸等を挙げることができ、ポリカルボン
酸成分の50〜100モル%であることが必要であり好まし
くは60〜100モル%である。スルホン酸金属塩基含有の
ジカルボン酸としては、スルホテレフタル酸、5−スル
ホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホ
ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、5〔4−スルホフェ
ノキシ〕イソフタル酸等の金属塩をあげることができ
る。金属塩としてはLi、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩
が挙げられる。特に好ましいものとしては5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸である。スルホン酸金属塩基含有
芳香族ジカルボン酸は全ポリカルボン酸成分に対し、1.
0〜20モル%の範囲である。好ましくは、2.0〜15モル%
である。スルホン酸金属塩基含有芳香族ジカルボン酸1.
0モル%未満ではポリエステル樹脂の分散性及び再溶解
性に劣る。逆に20モル%を越えると溶液粘度が高くなり
すぎ、コーティング適性に劣り、得られる塗膜の耐水性
にも劣る。
その他のポリカルボン酸としては、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカ
ンジオン酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸又シク
ロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキ
サヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環
族ジカルボン酸等を挙げることができる。その他のポリ
カルボン酸は0〜50モル%で用いられ、好ましくは0〜
40モル%である。その他のポリカルボン酸が50モル%を
こえ、芳香族ジカルボン酸が50モル%未満の場合耐水
性、塗膜強度が低下し、粘着性が現われる。
p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエト
キシ)安息香酸あるいは、ヒドロキシピバリン酸などの
ヒドロキシカルボン酸、又γ−ブチロラクトン、ε−カ
プロラクトンなどのラクトン類を必要により使用するこ
とができる。又トリメリット酸、ピロメリット酸等の3
価以上のポリカルボン酸も10モル%以下であれば使用す
ることができる。
本発明のポリオール成分として用いられるポリオール
成分としては、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、
3−エチル−1,5−ペンタジオール、3−プロピル−1,5
−ペンタンジオール、3−メチル−1,6−ヘキサンジオ
ール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、4−メチ
ル−1,8−オクタンジオール、4−プロピル−1,8−オク
タンジオール等で挙げることができるが、3−メチル−
1,5−ペンタンジオールが好ましい。本発明の特定のジ
オール成分の使用量は、30〜100モル%必要であり、こ
のジオールを共重合することにより、従来にはない優れ
た透明性を有する水分散体あるいは水溶性ワニスを得る
ことができる。これは本発明のジオールの分子の動きや
すさに加え、側鎖のアルキル基が高分子セグメント同子
の凝集性を低下させるためより一層分散しやすくなるた
めである。分散体の透明性は塗膜外観例えば平滑性や光
沢に大きな影響をおよぼす。
a群から選ばれる少なくとも一種のジオールが30モル
%未満の場合は、これらの効果が不足し、透明性が低下
するとともに、再溶解性が悪くなってくる。又塗膜外観
に劣る様になる。
炭素原子数2〜25のアルキレングリコールとしては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘヤサンジ
オール、1,9−ノナンジオール、ジメチロールヘプタ
ン、ジメチロールペンタン、ジエチレンジグリコール、
トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、TCDグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、
ビスフェノールAエチレンオキサイド誘導体、ビスフェ
ノールSエチレンオキサイド誘導体、ビスフェノールF
エチレンオキサイド誘導体、グリセリン、トリメチロー
ルプロパン、ペンタエリスリトール等を挙げることがで
きる。炭素原子数2〜25のアルキレングリコールは、0
〜70モル%である。
本発明においてポリエステル樹脂は単独、あるいは必
要により2種以上併用することができる。
本発明のポリエステル樹脂は、好ましくは非晶性であ
り、そのガラス転移点が−30℃〜80℃の範囲である。特
に好ましくは、−20℃〜70℃である。ガラス転移点が−
20℃未満であると、粘着性を有し、耐水性に劣る様にな
る。又70℃を越えると分散体の粘度が高くなりコーティ
ング性が悪くなる。
本発明のポリエステル樹脂の分子量は、好ましくは25
00〜30,000である。分子量2,500未満では塗膜の強じん
性が得られず、30,000をこえると水分散体の粘度が高く
なるため、ポリエステル樹脂の含有量を高くすることが
困難になる。
本発明のポリエステル樹脂は公知の任意の方法によっ
て製造される。又この様にして得られたポリエステル樹
脂は溶融状態または、後述する水溶性有機化合物との溶
液状態でアミノ樹脂、エポキシ化合物、イソシアネート
化合物などと混合することもできる。あるいはこれらの
化合物との一部反応させることもでき、得られた部分反
応生成物は同様に水分散体の原料として供することも可
能である。
本発明に用いられる水溶性有機化合物はポリエステル
樹脂の意識的に低められた水に対する親和性を高め、水
に対する分散性を補助する目的で使用されるものであ
る。すなわち、本発明のポリエステル樹脂と水溶性有機
化合物および水との三者が共存した状態で良好な水分散
体が得られる。
本発明に用いられる水溶性有機化合物は20℃で1の
水に対する溶解度が20g以上の有機化合物であり、具体
的には脂肪族および脂環族のアルコール、エーテル、エ
ステルおよびケトン化合物等が挙げられる。例えばメタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノ
ール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノ
ール、tert−ブタノール等の一価アルコール類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール等のグリコール
類、メチルセロソルブエチルセロソルブ、n−ブチルセ
ロソルブのエチレングリコールアルキルエーテル類及び
そのアセテート類、プロピレングリコールアルキルエー
テル類及びそのアセテート類、ジオキサン、テトラヒト
ロフラン等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロオクタ
ノン、シクロデカノン、イソホロン等のケトン類などで
ある。特に、好ましいのはn−ブチルセロソルブイソプ
ロパノール、プロピレングリコールモノエチルエーテル
等である。
これらの水溶性有機化合物は単独または2種以上を併
用することができる。これらの水溶性有機化合物の沸点
は60〜200℃の範囲にあることが必要である。沸点が60
℃に達しない場合はポリエステル樹脂をこの有機化合物
に混合または溶解、あるいは分散させるのに十分な温度
を保つことが困難である。さらに沸点が200℃を越える
と得られた水分散体を塗布した後、速い乾燥性が得られ
ない。
本発明の水分散体は(A)ポリエステル樹脂と(B)
水溶性有機化合物とを50〜200℃であらかじめ混合し、
これに(C)水を加えるか、あるいは(A)と(B)と
の混合物を水に加え40〜120℃で攪拌することにより製
造される。あるいは(C)水中へまたは(C)水と
(B)水溶性有機化合物との混合溶液中へ(A)ポリエ
ステル樹脂を添加し、40〜100℃で攪拌して分散させる
方法によっても製造される。
いづれの方法においても(A)ポリエステル樹脂
(B)水溶性有機化合物および(C)水の配合比は水分
散体の性能を保持するうえで重要な要素であり式1)、
2)および3)の配合比を満すことが必要である。
式1) A+B+C=100 (重量部) 式2) A/B/C= 1〜45/2.75〜69.3/16.5〜94 (重量比) 式3) B/(B+C)=0.05〜0.7 (重量比) 水分散体に含まれる(A)ポリエステル樹脂の配合比
が(A)+(B)+(C)の総量に対して1重量%に達
しない場合水分散体の粘度が低くなりすぎ、コーチィン
グ時ハジキを生じやすい。又45重量%を越える場合は逆
に粘度が高くなり過ぎ好ましくない。(B)水溶性有機
化合物を配合する場合、(B)水溶性有機化合物と
(C)水との配合割合において、(B)が5重量%以上
の場合、優れた分散性及び透明性のものが得られ、ま
た、コーティング性に優れるため皮膜の外観に優れる。
70重量%を越えると系の引火点が低くなる問題が生じて
くる。
本発明の水分散体は(A)、(B)および(C)から
なる組成物はそのままでも使用されるが、さらに架橋剤
であるアミノ樹脂、エポキシ化合物、およびイソシアネ
ート化合物の群より選ばれた1種以上の化合物を配合し
て使用することができる。
アミノ樹脂としては、例えば尿素、メラミン、ベンゾ
グアナミン等のホルムアルデヒド付加物、さらに炭素数
が1〜6のアルコールによるアルキルエーテル化物を挙
げることができる。好ましくはメラミン、及びベンゾグ
アナミン樹脂である。
エポキシ化合物としてはビスフェノールAのジグリシ
ジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノ
ールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、
オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジ
グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステ
ル、p−オキシ安息香酸グリシジルエステルエーテル、
テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサ
ハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグ
リシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、
セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエー
テル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルお
よびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル
類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリ
シジルイソシアヌレート、1,4−ジグリシジルオキシベ
ンゼン、ジグリシジルメチルヒダントイン、ジグリシジ
ルエチレン尿素、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセ
ロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールエタン
ポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリ
グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシ
ジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加
物のポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
さらにイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪
族、芳香脂肪族のジイソシアネート、3価以上のポリイ
ソシアネートがあり、低分子化合物、高分子化合物のい
ずれでもよい。たとえばテトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水素
化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイ
ソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
トの3量体などのイソシアネート化合物、あるいはこれ
らのイソシアネート化合物の過剰量と、たとえばエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、トリメチロール
プロパン、グリセリン、ソルビトール、エチレンジアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン等の低分子活性水素化合物又は各種ポ
リエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、
ポリアミド類等の高分子活性水素化合物などとを反応さ
せて得られる末端イソシアネート基含有化合物等が挙げ
られる。
イソシアネート化合物としてはブロック化イソシアネ
ートであってもよい。イソシアネートブロック化剤とし
ては、たとえばフエノール、チオフエノール、メチルチ
オフエノール、エチルフエノール、クレゾール、キシレ
ノール、レゾルシノール、ニトロフエノール、クロロフ
エノール等のフエノール類、アセトキシム、メチルエチ
ルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシ
ム類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール等のアルコール類、エチレンクロルヒドリン、1,3
−ジクロロ−2−プロパノール等のハロゲン置換アルコ
ール類、t−ブタノール、t−ペンタノール、t−ブタ
ンチオール等の第3級アルコール類、ε−カプロラクタ
ム、δ−バレロラクタム、γ−プチロラクタム、β−プ
ロピルラクタム等のラクタム類が挙げられ、その他にも
芳香族アミン類、イミド類、アセチルアセトン、アセト
酢酸エステル、マロン酸エチルエステル等の層性メチレ
ン化合物、メルカプタン類、イミン類、尿素類、ジアリ
ール化合物類重亜硫酸ソーダなども挙げられる。ブロッ
ク化イソシアネートは、上記イソシアネート化合物とイ
ソイアネートブロック化剤とを従来公知の適宜の方法に
より付加反応させて得られる。
これらの架橋剤には、硬化剤、あるいは促進剤を併用
することもできる。架橋剤の配合方法としては(A)ポ
リエステル樹脂に混合する方法、直接水分散体に配合す
る方法、さらにあらかじめ(B)水溶性有機化合物また
は(C)水との混合物に溶解または分散させる方法等が
あり、架橋剤の種類により任意に選択することができ
る。
本発明の水分散体は他の樹脂、例えばポリアクリル酸
塩およびポリビニルアルコール等の水溶液、水溶性アル
キッド、アクリルエマルジョン、アクリルハイドロソー
ル等と併用することもできる。
本発明の水系分散体は、プラスチックフィルムに対し
てインラインやオフラインでコーティングするコーティ
ング剤として作業性、フィルム特性の点から特に好適で
ある。
本発明の水系分散体には、顔料、染料及び各種添加剤
を配合して使用することができる。
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。実
施例中単に部とあるものは重量部を示す。
各測定項目は以下の方法に従った。
(1) 分子量 GPC測定により、ポリスチレン換算にて数平均分子量
を求めた。
(2) ガラス転移点 示差走査熱量計(DSC)を用いて、20℃/分の昇温速
度で測定した。サンプルは試料5mgをアルミニウム押え
蓋型容器に入れ、クリンプして用いた。
(3) 透明性 水分散体を目視判定した。
(4) 再溶解性 分散体の5wt%をガラス板状に広げ12hr風乾させる。
風乾させたものをふたたび元の分散体にもどし均一に分
散するかどうかをテストした。
○:良好、△:一部分散、×:分散しない (5) 耐水性 分散体100固形部に対しメラミン(スミマールM30W)
を25固形部パラトルエンスルホン酸(触媒)0,25固形部
配合したものを亜鉛鉄板状に塗布し、240℃×1分焼き
付けを行った。次いで得られた塗装板を100℃で煮沸処
理2hr行い、表面状熊を判定した。
○:変化なし、△:若干フリスター、白化が生じてい
る。×:フリスター、白化多い。
(6) 塗膜外観 (5)にて作成した煮沸処理前の塗膜の光沢を目視判
定した。
○良好、△若干光沢がひけている。×光沢なし 合成例 a) ジメチルテレフタル酸194部、ジメチルイソフタ
ル酸184部、3,5−ジカルボメトキシベンゼンスルホン酸
ナトリウム148部、3−メチル−1,5−ペンタンジオール
142部、エチレングリコール74部、ネオペンチルグリコ
ール166部、チタンブトキサイド0.20部を1フラスコ
に仕込、4時間かけて230℃迄徐々に昇温しエステル交
換反応を行った。次いで30分かけて10mmHgまで減圧初期
重合を行うとともに温度を250℃迄昇温した。さらに250
℃、1mmHg以下にて60分間後期重合を行い、淡黄色透明
の樹脂を得た。(a)得られた共重合ポリエステル樹脂
(a)は、NMR等の組成分析の結果、酸成分がテレフタ
ル酸/イソフタル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸
=50/47.5/2.5(モル比)、グリコール成分が3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール/エチレングリコール/ネ
オペンチルグリコール=31/18/51(モル比)であった。
GPC測定からの数平均分子量(Mn)は14,100又ガラス転
移温度は42.4℃であった。
b−j) 合成例(a)と同様にして、樹脂組成が第1
表に示される様な共重合ポリエステルを合成した。b〜
jは比較ポリエステルである。
実施例 共重合ポリエステル(a)100部、ブチルセロソルブ1
60部、水240部を1フラスコに仕込み、80℃、3hrかけ
て分散を行った。得られた分散体は常温においても安定
であり、完全に透明ではないが良好のものであった。こ
の分散体を用いて再溶解性テストを行った所、すみやか
に再分散し再溶解性は良好であった。
次に所定の耐水性テストを行った。本分散体は透明性
に優れており塗膜外観(光沢)も良好であった。又耐水
性もフリスターや白化等問題なく良好であった。
実施例〜 共重合ポリエステルb〜eについて第2表に示す分散
組成物について実施例と同様に評価した。
比較例〜 比較ポリエステルf〜j及び共重合ポリエステルa,c
について、実施例同様に第2表に示す分散組成にて評
価を行った。
第2表で明らかな様に本発明の水系分散体は、その分
散安定性、透明性及び再溶解性に優れさらには、その塗
膜特性である耐水性と外観(光沢)にも優れている。
(発明の効果) 本発明の水系分散体は、従来相反すると言われた分散
性と耐水性ともに優れるため、コーティング材、バイン
ダー、塗料及び接着剤、繊維、紙処理剤として有用であ
る。又、本発明の水系分散体はそれ自体透明性を有する
ものであり、仕上り塗膜外観に優れる様になり特にコー
ティング剤(プラスチックフィルムのインラインコーテ
ィングやオフラインコーティング)、塗料用として好適
である。さらには、本発明の水系分散体は、再溶解性に
も優れるため従来の溶剤型と同様なリサイクル使用が可
能となり、作業性及び生産性の点でも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09J 167/02 C09J 167/02 (56)参考文献 特開 昭61−37815(JP,A) 特開 昭60−233127(JP,A) 特開 昭59−56424(JP,A) 特開 昭58−141208(JP,A) 特開 昭58−37028(JP,A) 特開 昭56−147822(JP,A) 特開 昭56−118969(JP,A) 特開 昭55−7865(JP,A) 特開 昭50−121336(JP,A) 特公 昭47−40873(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 67/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリカルボン酸成分としてスルホン
    酸金属塩を含有する芳香族ジカルボン酸を全酸成分に対
    し1〜20モル%含有し、ポリオール成分として下記a群
    から得らばれるジオールの少なくとも−種を全ポリオー
    ル成分に対して30〜100モル%含有するポリエステル樹
    脂、(B)沸点が60〜200℃の水溶性有機化合物及び
    (C)水を含み、かつ(A)、(B)および(C)が式
    1)、2)および3)の配合比を満足することを特徴と
    する水系分散体。 a群:3−メチル−1,5−ペンタンジオール 3−エチル−1,5−ペンタンジオール 3−プロピル−1,5−ペンタンジオール 3−メチル−1,6−ヘキサンジオール 4−メチル−1,7−ヘプタンジオール 4−メチル−1,8−オクタンジオール 4−プロピル−1,8−オクタンジオール 式1) A+B+C=100(重量部) 式2) A/B/C= 1〜45/2.75〜69.3/16.5〜94(重量比) 式3) B/(B+C)=0.05〜0.7(重量比)
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