JP2875615B2 - 二重効用吸収冷温水機 - Google Patents

二重効用吸収冷温水機

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JP2875615B2 JP2235626A JP23562690A JP2875615B2 JP 2875615 B2 JP2875615 B2 JP 2875615B2 JP 2235626 A JP2235626 A JP 2235626A JP 23562690 A JP23562690 A JP 23562690A JP 2875615 B2 JP2875615 B2 JP 2875615B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、二重効用吸収冷温水機に係り、特に熱損失
を防止するとともに保温を容易にするのに好適な機器配
置の二重効用吸収冷温水機に関するものである。
[従来の技術] 従来の装置は、例えば特開昭56−61559号公報に記載
されているように、本体シェルを単胴または双胴とし、
高温再生器は、単独の別シェルとした構成になってい
た。
このように配置の機器構成とした場合の問題点として
次に挙げる事項がある。
(1)高温再生器は、全サイクルの中でもっとも温度の
高い部分であり、これを単独に構成することによって、
外部に放散する熱がすべて熱損失となる。
(2)高温再生器の熱損失を防止しようとすると、保温
手段が必要になるが、これを実施してもなお熱損失を皆
無にすることはできない。
(3)低温再生器は、高温再生器に次いで温度レベルが
高いが、この部分からの放熱損失がある。
(4)低温再生器の放熱損失を防止するためには、やは
り放熱手段が必要である。
(5)高温再生器,低温再生器の2つのシェルを別個に
製作することにすれば、外殼が各々必要となる。
(6)高温再生器で発生した蒸気は、低温再生器に送ら
れ、管内を通る間に周囲の液を濃縮させるが、この2つ
の再生器を結ぶ太い蒸気管路が必要となる。
[発明が解決しようとする課題] 上記従来技術は、前述のとおり6項目にわたる問題点
をもっていた。
高温再生器の運転中における温度は150℃〜160℃程度
であり、一切保温を実施しない場合には、これによる熱
損失はサイクル全体の効率を3〜10%低下させるほどの
大きさに達する。
低温再生器の温度レベルは90℃前後であるが、これも
保温しないと、放散熱が無視できない。
また、これらを別々のシェル構造物として製作する
と、1個のまとまったシェル構造物として製作する場合
に比較して、部材が多く必要であり、かつ製作工数も大
きくなるという問題がある。
さらに、これら2個の再生器は、高温側の再生器で発
生した蒸気が低温側の再生器の管内に導かれ、管外の溶
液を加熱するというように相互に関係があり、これらの
間を連結する大径の配管が必要となるとともに、この配
管からの放熱損をも考慮しなくてはならない。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためにな
されたもので、高温再生器,低温再生器の外部に対する
熱損失を最小限度に抑制し、かつ、保温を簡単,容易に
して、省資源,省エネルギーに寄与しうる二重効用吸収
冷温水機を提供することを、その目的とするものであ
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の二重効用吸収冷
温水機に係る第1の発明の構成は、蒸発器、吸収器、凝
縮器、低温再生器、高温再生器、溶液熱交換器、溶液ポ
ンプ、冷媒ポンプおよびこれらを作動的に連結する配管
系からなる二重効用吸収冷温水機において、高温再生器
を構成するシェル構造物の内部に低温再生器を配設した
ものである。
また、第2の発明の構成は、第1の発明の前提と同一
前提において、低温再生器を構成するシェル構造物の内
部に高温再生器を配設したものである。
さらに、第3の発明の構成は、第1の発明の前提と同
一前提において、高温再生器と低温再生器とを互いに接
するように配設し、両者が接する部分の隔壁を、高温再
生器からの放熱,低温再生器での加熱に共用されるよう
に構成し、前記凝縮器を、低温再生器と一体のシェル内
に設け、この凝縮器に隣接して吸収器を配設し、この吸
収器と前記低温再生器とが、前記凝縮器を間にして反対
側に位置するように構成したものである。
[作用] 上記の各技術的手段を採用した基本的原理は、熱損失
となる面を最小に押えるとともに、放熱を有効に活用で
きるようにすることを狙いとしている。
低温再生器内の溶液は、高温再生器からの蒸気で加熱
濃縮されるが、高温再生器からの外部への放熱は、単な
る熱損失となるので、これを低温再生器の加熱に利用す
れば、サイクル的には損失が軽減される。
高温再生器からの熱には、高温再生器シェル内にある
高温溶液からの放熱と、濃縮時に発生した蒸気による放
熱とがあり、後者は、利用した後のドレン水が溶液内に
戻らないように、排出する蒸気流とともに低温再生器へ
流入するように構成すれば、サイクル効率を最も効果的
に向上させることができる。
これは、上記第1,第2の発明とも同様であり、要する
に、いつたん高温再生器で発生した蒸気のもつ熱を有効
活用することによって大きな効果を得ようとするもので
ある。
第1の発明では、低温再生器を高温再生器シェル内い
配置したので、低温再生器から外部への放熱損を無くす
ることができる。
第2の発明では、高温再生器を低温再生器シェル内に
配置したので、高温再生器からの放熱を低温再生器の加
熱に利用することができる。
第3の発明では、高温再生器と低温再生器とを互いに
接するように構成し、両者が接する部分の隔壁を通じ
て、高温再生器から放散される熱を低温再生器の加熱に
利用するようにしており、さらに、高温再生器,低温再
生器間の配置に加えて、凝縮器とほぼ同じレベルにある
吸収器を、低温再生器と直接に接することのないよう
に、凝縮器を介して相対する位置に設けるようにしたの
で、サイクル各部の温度レベルの違いによる放熱損を最
小に押えることができる。
[実施例] 以下、本発明の各実施例を第1図ないし第6図を参照
して説明する。
まず、本発明を実施する二重効用吸収冷温水機の一般
的な構成および作用について第6図を参照して説明す
る。
第6図は、一般的な二重効用吸収冷凍サイクルの系統
図である。
一般的な二重効用吸収冷温水機は、第6図に示すよう
に、冷媒である水は、蒸発器1内で、約1/100気圧の真
空下において蒸発し、冷水管2を流通する冷水から熱を
奪う。冷やされた冷水は負荷側に送られ冷房に供され
る。蒸発した水蒸気は吸収器3に流入し、濃い臭化リチ
ウム水溶液に吸収され、吸収熱を冷却水管4を流通する
冷却水に与えるとともに、臭化リチウム水溶液の濃度を
下げる。薄くなった臭化リチウムの稀溶液は、溶液ポン
プ5によって送り出され、溶液熱交換器6を経て、低温
再生器7と高温再生器8に送り込まれる。高温再生器8
に送り込まれた溶液は、加熱源9により加熱濃縮され、
稀溶液を濃溶液にするとともに蒸気を発生させる。この
蒸気は、低温再生器7の管内に導かれ、管外の稀溶液を
加熱濃縮し、自らは蒸気ドレンとなって、低温再生器管
外側で液の濃縮の際発生する蒸気とともに凝縮器10に流
入する。凝縮器10で凝縮液化した蒸気はドレンとなっ
て、蒸発器1に還り、冷媒ポンプ11によって蒸発器管群
上に散布され、再び蒸発をくりかえす。両再生器で濃縮
された溶液は、再び溶液熱交換器6を経て、吸収器3の
管群上に散布されて吸収作用をくり返すようになってい
る。
次に、第1図は、本発明の関連技術に係る二重効用吸
収冷凍サイクルの系統図である。図中、第6図と同一符
号のものは、一般的な二重効用吸収冷温水機と同等部分
であるから、その説明を省略する。
第1図の実施例では、蒸発器1,吸収器3を1つのシェ
ル、低温再生器7A,高温再生器8A,凝縮器10Aを別のシェ
ルに構成している。
低温再生器7Aと高温再生器8Aとを上下に接するように
配設し、両者が接する部分に隔壁となる仕切り板12を形
成している。
これにより、仕切板12を通して、高温再生器8Aからの
放熱が低温再生器7Aの加熱に利用される。
次に、第2図は、本発明の他の関連技術に係る二重効
用吸収冷温水機の再生器部の略示構成図である。第2図
に記入していない本体部分は第1図と同様である。ま
た、図中、第1図と同一符号は同等部分であるから、そ
の説明を省略する。
第2図の実施例では、低温再生器7B,凝縮器10Bを一体
構成にしたシェルを、高温再生器8Bのシェル上に仕切面
12Bを介して載置した構成となっている。
仕切面12Bを曲面状に広くとることにより、第1図の
実施例と同様の効果が期待されるとともに、低温再生器
7Bからの放熱を最小限に押えることができる。
上記第1,2図の実施例は、本発明の二重効用吸収冷温
水機に係る第1の発明の実施例であったが、次に第2,第
3の発明の実施例を第3,4図を参照して説明する。
第3図は、本発明の一実施例に係る二重効用吸収冷凍
サイクルの系統図である。図中、第6図と同一符号のも
のは、一般的な二重効用吸収冷温水機と同等部分である
から、その説明を省略する。
第3図の実施例では、蒸発器1,吸収器3,凝縮器10を1
つのシェル、低温再生器7C,高温再生器8Cを別のシェル
に構成している。そして、低温再生器7Cが、高温再生器
8Cのシェル構造物に係る高温再生器シェル13内にそっく
り組み込まれたものである。
これによって、低温再生器7Cからの外部への放熱を皆
無することができる。
なお、この場合は、高温再生器8Cの保温手段は必要と
なるが、低温再生器7Cの保温が一切必要なくなるもので
ある。
次に、第4図は、本発明の他の実施例に係る二重効用
吸収冷温水機の再生器部の略示構成図である。第4図に
記入していない本体部分は第3図と同様である。また、
図中、第1図と同一符号は同等部分であるから、その説
明を省略する。
第4図の実施例は、第3図の実施例とは逆に、高温再
生器8Dが、低温再生器7Dのシェル構造物に係る低温再生
器シェル14内にそっくり組み込まれたものである。
これによって、高温再生器8Dからの放熱を低温再生器
7Dの加熱に利用することができる。
なお、この場合は、低温再生器7Dのみ保温手段が必要
となる。
次に、本発明の二重効用吸収冷温水機に係る第3の発
明の実施例を第5図を参照して説明する。
第5図は、本発明のさらに他の実施例に係る二重効用
吸収冷温水機の略示構成図である。図中、第6図と同一
符号のものは、一般的な二重効用吸収冷温水機と同等部
分であるから、その説明を省略する。
第5図に示す実施例は、高温再生器8A,低温再生器7A
のみならず、凝縮器10A,吸収器3A,蒸発器1Aを含めた各
機器を一体シェル構造にした、全体サイクルの配置に関
するものである。
温度レベル的には、150〜160℃の高温再生器8A、90℃
前後の低温再生器7A、40℃前後の凝縮器10Aおよび吸収
器3A、5℃前後の蒸発器1Aが、各々高温側から低温側
に、温度レベルの高い側から低い側に向って相接して配
置されている。
すなわち高温再生器8A上に低温再生器7Aが仕切板12を
介して接しており、凝縮器10Aは低温再生器7A上に一体
シェル内に配設され、この凝縮器10Aに隣接して吸収器3
Aが配設され、両者が接する部分に隔壁となる仕切板15
が形成されている。ここで、吸収器3Aと前記低温再生器
7Aとは凝縮器10Aを間にして反対側に位置するように構
成されている。さらに、吸収器3Aに隣接して蒸発器1Aが
仕切壁16を介して配設され、これら全体はほぼL字形に
折り曲げたシェル構造をなしている。
第5図の実施例によれば、サイクル各部の温度レベル
の違いによる放熱損を最小に押えることができる。例え
ば、凝縮器10Aと吸収器3Aとの間には熱損失がなく、か
つ、低温再生器からの熱が蒸発器に伝わって熱損失にな
るというようなことも生じない。
なお、第5図の実施例では、全体のシェル構造がL字
形になっているが、第3の発明としては、最も温度の高
い高温再生器を一番下に、最も温度の低い蒸発器を一番
上に立形に積み重ねた配置としても差支えない。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように、本発明によれば、高温再
生器,低温再生器の外部に対する熱損失を最小限度に抑
制し、かつ、保温を簡単,容易として、省資源,省エネ
ルギーに寄与しうる二重効用吸収冷温水機を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の関連技術に係る二重効用吸収冷凍サ
イクルの系統図、第2図は、本発明の他の関係技術に係
る二重効用吸収冷温水機の再生器部の略示構成図、第3
図は、本発明の一実施例に係る二重効用吸収冷凍サイク
ルの系統図、第4図は、本発明の他の実施例に係る二重
効用吸収冷温水機の再生器部の略示構成図、第5図は、
本発明のさらに他の実施例に係る二重効用吸収冷温水機
の略示構成図、第6図は、一般的な二重効用吸収冷凍サ
イクルの系統図である。 1,1A……蒸発器,3,3A……吸収器、5……溶液ポンプ、
6……溶液熱交換器、7,7A,7B,7C,7D……低温再生器、
8,8A,8B,8C,8D……高温再生器、10,10A,10B……凝縮
器、11……冷媒ポンプ、12……仕切板、12B……仕切
面、13……高温再生器シェル、14……低温再生器シェ
ル、15……仕切板、16……仕切壁。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸発器、吸収器、凝縮器、低温再生器、高
    温再生器、溶液熱交換器、溶液ポンプ、冷媒ポンプおよ
    びこれらを作動的に連結する配管系からなる二重効用吸
    収冷温水機において、 高温再生器を構成するシェル構造物の内部に低温再生器
    を配設した ことを特徴とする二重効用吸収冷温水機。
  2. 【請求項2】蒸発器、吸収器、凝縮器、低温再生器、高
    温再生器、溶液熱交換器、溶液ポンプ、冷媒ポンプおよ
    びこれらを作動的に連結する配管系からなる二重効用吸
    収冷温水機において、 低温再生器を構成するシェル構造物の内部に高温再生器
    を配設した ことを特徴とする二重効用吸収冷温水機。
  3. 【請求項3】蒸発器、吸収器、凝縮器、低温再生器、高
    温再生器、溶液熱交換器、溶液ポンプ、冷媒ポンプおよ
    びこれらを作動的に連結する配管系からなる二重効用吸
    収冷温水機において、 高温再生器と低温再生器とを互いに接するように配設
    し、両者が接する部分の隔壁を、高温再生器からの放
    熱,低温再生器での加熱に共用されるように構成し、 前記凝縮器を、低温再生器と一体のシェル内に設け、こ
    の凝縮器に隣接して吸収器を配設し、 この吸収器と前記低温再生器とが、前記凝縮器を間にし
    て反対側に位置するように構成した ことを特徴とする二重効用吸収冷温水機。
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