JP2875307B2 - 堅軸研削式精穀機 - Google Patents

堅軸研削式精穀機

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Description

【発明の詳細な説明】 〔従来の技術〕 下部から穀粒を供給して精穀し、上部から排出する竪
軸研削式精穀機は、例えば特開昭62−13083号公報等に
おいて既に提案されている。このものは、竪軸の下部に
螺旋転子を、螺旋転子の上部に研削転子を軸装し、この
両転子と間隔を設けて精白筒を竪軸に同心状に設け、前
記精白筒の下部に穀粒供給部を、上部に穀粒排出部を設
けたものである。そして、供給部より供給された穀粒は
螺旋転子で上送され、研削転子と精白筒とを主要部とす
る精穀室において搗精されるものである。
しかしながら、この竪軸精穀機においては、精穀室内
の穀粒に重力による上下の圧力差が生じ、研削転子の下
部では圧力が大きく穀粒の撹拌流動が阻止されるために
研削精穀転子に接触した米粒だけが過度に精穀作用を受
け、接触しない米粒は殆ど精穀作用を受けず、いわゆる
斑搗精になるという問題点があり、研削転子を短くする
ので機械の能力を大きくすることができなかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
この発明は上記のような問題点を解決し、竪軸研削式
精米機の精穀室の上下における穀粒の圧力差による密度
差を可及的に縮小し、研削式精穀機の最適穀粒密度を確
保し、穀粒の撹拌流動を助長して、穀粒一粒に対して
も、穀粒全粒に対しても斑のない精穀を施せる竪軸研削
式精穀機を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この目的を達成するために本発明は立設した無孔の精
白筒内に回転自在に設けた竪軸に螺旋転子と研削精穀転
子とを軸挿し、精白筒と研削精穀転子とを主要部とする
精穀室の下部を穀粒供給部に、上部を抵抗蓋を備えた穀
粒排出部にそれぞれ連絡した、前記精穀室の下部に空気
吸込口を、上部に排風口を設けると共に該排風口を排風
装置に連絡した竪軸研削式精穀機において、前記抵抗蓋
の後工程に空気遮断機能を備えた排出弁を設ける。
〔作用〕
竪軸研削式精穀機の穀粒供給部から螺旋転子に供給さ
れた穀粒は、螺旋転子による揚穀作用と空気吸込口から
の上昇空気による撹拌流動を伴う揚穀作用を受けながら
研削精穀転子へ送られる。研削精穀転子部に到達した穀
粒は下方から上方への通風による浮力を受け、穀粒密度
が減少して撹拌流動が助長され、研削転子表面に交番的
に接触して、穀粒一粒に対しても穀粒全粒に対しても斑
のない精穀作用を受けて研削精穀転子上端の穀粒排出部
から排出される。そのとき、排出弁が空気遮断機能を備
えているため、排出口からの空気流入による吸引力の減
少により、精白室内の穀粒の浮力が小さくなって撹拌流
動が減退することがない。
〔実施例〕
この発明の実施例を図面を参照しながら説明する。符
号1は竪軸研削式精穀機であり、立設した除糠作用のな
い無孔の精白筒2内に回転自在に設けた竪軸3の底部に
螺旋転子4を、上部に研削精穀転子5をそれぞれ軸挿す
る。また研削精穀転子5は横断面が同心状で、表面に研
削用切刃(研削砥石の砥粒)を略全周に設けてある。精
白筒2と螺旋転子4及び研削精穀転子5とを主要部とす
る精穀室6の下部を穀粒供給部7に、上部を穀粒排出部
8にそれぞれ連絡する。螺旋転子4の下部に、精白筒2
内周と微少隙間を設けて回転自在に回転円盤9を設け
る。回転円盤9の下方に吸気室10を設け、該吸気室10は
空気吸込口11を介して外気に連絡し、精穀室上部に設け
た排風口12には排風装置13に連絡する。また、基台14内
に主電動機15を設ける。
そして、穀粒排出部8に搗精度調節装置16の抵抗蓋17
を設け、穀粒排出部8は排出樋18に連絡している。排出
樋18の下方に空気遮断機能を備えた排出弁23を設ける。
次に上記構成における作用を説明する。まず、穀粒は
竪軸研削式精穀機1の穀粒供給部7へ送られる。竪軸3
を駆動する主電動機15および排風装置13を起動させる
と、穀粒は穀粒供給部7から螺旋転子4へ供給される。
螺旋転子4による揚穀作用と、排風装置13により精穀室
6内を下方から上方へ通風される風による撹拌流動作用
とにより穀粒は精穀室6へと揚送される。穀粒は精穀室
6においても通風による浮力を受け上下の穀粒の密度差
を減少し、撹拌流動を助長されながら研削精穀転子5の
回転によって生じる精穀作用を受けて均一に搗精され
る。搗精された穀粒は穀粒排出部8に到達し、搗精度調
節装置16の抵抗蓋17により排出樋18への流出を抑制さ
れ、抵抗蓋17の抑制程度を変更することにより搗精度を
調節することができる。そして、穀粒は排出樋18を流下
し、排出弁19の回動により排出されてから次工程へ送ら
れる。そのとき、排出弁23が空気遮断機能を備えている
ため、穀粒排出部8から空気が流入しない。そのため、
空気流入による吸引力の減少により、精穀室6内の穀粒
の浮力が小さくなって、穀粒の撹拌流動が減退すること
がない。精穀室6における搗精作用により発生した糠等
の塵埃は、一部は排風装置13により除去されるが、大部
分は穀粒と共に精穀室から排除される。また、通風され
る空気は米粒が乾燥しない程度に調湿されたものが望ま
しい。
吸気室10は、通風路19を介して中空状の主軸3の吸風
路20に連絡することもできる。この場合、中空状の主軸
3の下端は閉塞され、上端は開口されて大気に連絡し、
該軸上方には風量調節装置22に連絡したバルブ21を設け
る構成とし、通風量を制御することができる。
尚、空気吸込口および排風口の位置は実施例に限定さ
れることなく、精白室に上昇気流を生じせしめる位置で
あれば本発明の目的を達成できることは明白である。
〔発明の効果〕
本発明の竪型研削式精穀機によれば、立設した無孔の
精白筒内に回転自在に設けた竪軸に螺旋転子と研削精穀
転子とを軸挿し、精白筒と研削精穀転子とを主要部とす
る精穀室の下部を穀粒供給部に、上部を穀粒排出部にそ
れぞれ連絡した竪軸研削式精穀機において、前記精穀室
の下部に空気吸込口を、上部に排風口を設けると共に該
排風口を排風装置に連絡して精穀室内に下から上へ通風
することにより、穀粒密度が粗である必要がある研削式
精穀機において穀粒の重力による圧力差をすなわち密度
差を可及的に縮小すると共に密度自体を小さくして穀粒
の撹拌流動を促進して穀粒一粒に対しても穀粒全粒に対
しても研削精穀転子への接触機会を均等にでき斑のない
精穀を施せる。抵抗蓋の後工程に空気遮断機能を備えた
排出弁を設けたことにより、穀粒排出部からの空気流入
による吸引力の減少により、精穀室内の浮力が小さくな
って、穀粒の撹拌流動が減退することがない。
【図面の簡単な説明】
図は本発明を実施した研削式精穀機の一部破断側面図で
ある。 1……竪軸研削式精穀機、2……精白筒、3……竪軸、
4……螺旋転子、5……研削精穀転子、6……精穀室、
7……穀粒供給部、8……穀粒排出部、9……回転円
盤、10……吸気室、11……空気吸込口、12……排風口、
13……排風装置、14……基台、15……主電動機、16……
搗精度調節装置、17……抵抗蓋、18……排出樋、19……
通風路、20……吸風路、21……バルブ、22……風量調節
装置、23……排出弁。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立設した無孔の精白筒内に回転自在に設け
    た竪軸に螺旋転子と研削精穀転子とを軸挿し、精白筒と
    研削精穀転子とを主要部とする精穀室の下部を穀粒供給
    部に、上部を抵抗蓋を備えた穀粒排出部にそれぞれ連絡
    し、前記精穀室の下部に空気吸込口を、上部に排風口を
    設けると共に該排風口を排風装置に連絡した竪軸研削式
    精穀機において、前記抵抗蓋の後工程に空気遮断機能を
    備えた排出弁を設けたことを特徴とする竪軸研削式精穀
    機。
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