JP2873429B2 - 時計機械体 - Google Patents
時計機械体Info
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- JP2873429B2 JP2873429B2 JP6226699A JP22669994A JP2873429B2 JP 2873429 B2 JP2873429 B2 JP 2873429B2 JP 6226699 A JP6226699 A JP 6226699A JP 22669994 A JP22669994 A JP 22669994A JP 2873429 B2 JP2873429 B2 JP 2873429B2
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Description
【産業上の利用分野】本発明は、ステップモータを駆動
源とし秒針車が実質的に滑らかな連続回転運動をするよ
うにした時計機械体に関するものである。
源とし秒針車が実質的に滑らかな連続回転運動をするよ
うにした時計機械体に関するものである。
【従来の技術】クオーツ時計の時計機械体は、駆動モー
タの回転を輪列を介して秒針車に伝え、この秒針車を回
転させるもので、通常は秒針車を減速して分針車を回転
させ、さらにこれを減速して時針車を回転させる仕組み
になっている。駆動モータとしては、電池消耗度が極め
て低いステップモータが採用されている。ステップモー
タは、間欠回転運動をするものであるため、これにとも
なって秒針車も1秒間隔で間欠運動をするようになって
いる。秒針車の運動に対しては、針が時の流れを連続的
に表示するようにしたスイープ運動を要望する消費者の
声もある。このようなスイープ運動を実現する手段とし
ては、スイープモータを使用するのが一般的であるが、
モータの製造コストが高く、また電池の消耗度が高くな
るという欠点がある。このために、ステップモータの間
欠回転運動を連続回転運動に変換する運動変換手段を備
えるようにすることが行われている。このような運動変
換手段を備えることによって、ステップモータを駆動源
とする時計機械体の秒針車に連続的な回転運動を与える
ようにするための提案が幾つかなされている(例えば実
開平2−128994号公報)。上記提案は、ステップ
モータの回転を輪列を介して、秒針軸に遊嵌されたブッ
シュに固定してある歯車に伝達し、このブッシュ以後の
回転伝達経路に設けられた運動変換手段によって秒針軸
に連続的な回転を与える構成を採っている。運動変換手
段としては、第1の手段として秒針軸に遊嵌されたブッ
シュの上方に、このブッシュの周囲を囲むように位置さ
れた円盤を秒針軸と一体回転可能に設け、ブッシュと円
盤との間をうず巻きばねで連結して、間欠運動による速
度の変化を吸収可能にしてある。そして第2の手段とし
て、秒針軸の先端にプレート状部材を遊嵌し、上記した
円盤とプレート状部材とをばね材で連結して、プレート
状部材を円盤に従動可能とすることにより、間欠運動に
よる速度差を吸収するようにしてある。更に第3の手段
として上記したプレート状部材を容器内に密封状に収容
し、この容器内に潤滑油等の粘性流体を充填し、プレー
ト状部材が粘性流体中で回転する際の粘性抵抗の発生に
よって、秒針軸が滑らかな連続回転運動をするようにし
てある。
タの回転を輪列を介して秒針車に伝え、この秒針車を回
転させるもので、通常は秒針車を減速して分針車を回転
させ、さらにこれを減速して時針車を回転させる仕組み
になっている。駆動モータとしては、電池消耗度が極め
て低いステップモータが採用されている。ステップモー
タは、間欠回転運動をするものであるため、これにとも
なって秒針車も1秒間隔で間欠運動をするようになって
いる。秒針車の運動に対しては、針が時の流れを連続的
に表示するようにしたスイープ運動を要望する消費者の
声もある。このようなスイープ運動を実現する手段とし
ては、スイープモータを使用するのが一般的であるが、
モータの製造コストが高く、また電池の消耗度が高くな
るという欠点がある。このために、ステップモータの間
欠回転運動を連続回転運動に変換する運動変換手段を備
えるようにすることが行われている。このような運動変
換手段を備えることによって、ステップモータを駆動源
とする時計機械体の秒針車に連続的な回転運動を与える
ようにするための提案が幾つかなされている(例えば実
開平2−128994号公報)。上記提案は、ステップ
モータの回転を輪列を介して、秒針軸に遊嵌されたブッ
シュに固定してある歯車に伝達し、このブッシュ以後の
回転伝達経路に設けられた運動変換手段によって秒針軸
に連続的な回転を与える構成を採っている。運動変換手
段としては、第1の手段として秒針軸に遊嵌されたブッ
シュの上方に、このブッシュの周囲を囲むように位置さ
れた円盤を秒針軸と一体回転可能に設け、ブッシュと円
盤との間をうず巻きばねで連結して、間欠運動による速
度の変化を吸収可能にしてある。そして第2の手段とし
て、秒針軸の先端にプレート状部材を遊嵌し、上記した
円盤とプレート状部材とをばね材で連結して、プレート
状部材を円盤に従動可能とすることにより、間欠運動に
よる速度差を吸収するようにしてある。更に第3の手段
として上記したプレート状部材を容器内に密封状に収容
し、この容器内に潤滑油等の粘性流体を充填し、プレー
ト状部材が粘性流体中で回転する際の粘性抵抗の発生に
よって、秒針軸が滑らかな連続回転運動をするようにし
てある。
【発明が解決しようとする課題】上記した手段は、ステ
ップモータの間欠運動を三重の手段によって速度の不連
続性を吸収して秒針車に連続的な回転をさせようとする
もので、その意味では秒針車を滑らかな回転運動をして
いるように見せようとする目的を達成しているものとい
える。しかしながら、これらの運動変換手段はいずれ
も、秒針軸を中心に設けられたものであるため、時刻合
わせをする際に外から針回しによって分針車を回そうと
すると、秒針カナを介してうず巻きばねに力が作用す
る。このため、うず巻きばねが異常な変形をして秒針車
が停止したり、異常な動きをしたりして連続的な時の流
れを中断する結果を生じさせるという問題がある。そこ
で本発明の目的は、ステップモータを駆動源とし秒針車
が実質的に滑らかな連続回転運動をするようにした時計
機械体において、時刻合わせのために針回し軸を回して
も秒針車には影響力を与えず、秒針車が滑らかな連続回
転運動を継続できるようにした時計機械体を提供するこ
とにある。
ップモータの間欠運動を三重の手段によって速度の不連
続性を吸収して秒針車に連続的な回転をさせようとする
もので、その意味では秒針車を滑らかな回転運動をして
いるように見せようとする目的を達成しているものとい
える。しかしながら、これらの運動変換手段はいずれ
も、秒針軸を中心に設けられたものであるため、時刻合
わせをする際に外から針回しによって分針車を回そうと
すると、秒針カナを介してうず巻きばねに力が作用す
る。このため、うず巻きばねが異常な変形をして秒針車
が停止したり、異常な動きをしたりして連続的な時の流
れを中断する結果を生じさせるという問題がある。そこ
で本発明の目的は、ステップモータを駆動源とし秒針車
が実質的に滑らかな連続回転運動をするようにした時計
機械体において、時刻合わせのために針回し軸を回して
も秒針車には影響力を与えず、秒針車が滑らかな連続回
転運動を継続できるようにした時計機械体を提供するこ
とにある。
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の時計機械体は、ステップモータを駆動源
として間欠的に回転するロータの回転運動を秒針車に伝
達する第1の減速輪列と、この第1の減速輪列の途中か
ら分岐して時分針車に伝達する第2の減速輪列とが設け
てあり、上記分針車にはスリップ機構が設けてあり、上
記時分針車を回転する針回し軸は、上記分針車に噛合す
る日の裏車に噛合している時計機械体において、間欠回
転運動を連続回転運動に変換し、上記秒針車が実質的に
滑らかな連続回転運動をする運動変換手段は、上記第2
の減速輪列が分岐した以降の上記秒針車回転用の上記第
1の減速輪列中に設けてあり、上記運動変換手段は、同
軸的に回転自在に嵌合する特定回転軸と特定歯車との間
に介在させてあるコイルばねと、他の特定歯車に粘性抵
抗の負荷を付与する粘性抵抗付与手段とからなる。
めに、本発明の時計機械体は、ステップモータを駆動源
として間欠的に回転するロータの回転運動を秒針車に伝
達する第1の減速輪列と、この第1の減速輪列の途中か
ら分岐して時分針車に伝達する第2の減速輪列とが設け
てあり、上記分針車にはスリップ機構が設けてあり、上
記時分針車を回転する針回し軸は、上記分針車に噛合す
る日の裏車に噛合している時計機械体において、間欠回
転運動を連続回転運動に変換し、上記秒針車が実質的に
滑らかな連続回転運動をする運動変換手段は、上記第2
の減速輪列が分岐した以降の上記秒針車回転用の上記第
1の減速輪列中に設けてあり、上記運動変換手段は、同
軸的に回転自在に嵌合する特定回転軸と特定歯車との間
に介在させてあるコイルばねと、他の特定歯車に粘性抵
抗の負荷を付与する粘性抵抗付与手段とからなる。
【実施例】以下本発明の一実施例について図面を参照し
て説明する。図1,2に示すように、時計機械体は、下
地板1と上地板2とが対向しており、その間に中板3を
設けてある。下地板1の中心部に設けられた指針軸孔1
aからは後述のステップモータ6によって回転させられ
る指針軸5が突出している。下地板1,上地板2及び中
板3にそれぞれ形成された軸部及び軸受け孔部を介し
て、ステップモータ6によって間欠的に回転するロータ
7の回転を秒針車13に伝達する第1の減速輪列R1
と、この第1の減速輪列の途中から分岐して時分針車2
1,18に伝達する第2の減速輪列R2とが設けてあ
る。第2の減速輪列R2が分岐した以降の第1の減速輪
列R1中には、間欠回転運動を連続回転運動に変換する
後述の運動変換手段Uが設けてある。図2に示すよう
に、ステップモータ6は、コイル枠6a,コイル6b,
鉄心6c,ステータ6d及びロータ7により構成してあ
る。ロータ7にはマグネットM(図1参照)か取り付け
てある。ロータ7は、ロータ軸7a(図1参照)の両端
が下地板1と上地板2とによって軸支してあり、ロータ
軸7aと一体に形成してあるロータカナ7b(図1参
照)は駆動車8と噛合している。駆動車のカナ部8aは
後述の3番車9の特定回転軸の一例としての中間車軸9
aに回転自在に軸支されている特定歯車の一例としての
中間歯車10と噛合している。図3に示すように、3番
車9は中間車軸9aと、この中間車軸に同軸的に回転自
在に軸支された中間歯車10と、この中間歯車の上方に
これと対向するように設けられた円盤11と、この円盤
に中間歯車10から回転伝達可能、かつ中間車軸9aに
同軸的に設けられた弾性部材であるコイルばね12とに
よって構成されている。円盤11は3番車の中間車軸9
aに圧入されており、3番車9と一体回転可能である。
中間歯車10と対向するように設けられた円盤11の対
向面には、溝部11aが設けてあり、この溝部にはコイ
ルばね12の上端部12aが収納されている。コイルば
ね12の上端部は、溝部11aから外方へ向けて設けら
れた係止部11bに係合している。同様にして、溝部1
1aと対向する中間歯車10にも溝部10aが設けてあ
り、コイルばね12の下端部が収納されている。コイル
ばね12の下端部12bは溝部10aから外方に向けて
形成された係止部10bに係合している。このようにし
てコイルばね12が中間歯車10と円盤11との両者に
係合しているため、3番車9では中間歯車10が回転す
るとコイルばね12が巻き締められて中間歯車10から
受けるトルクを吸収して円盤11は回転可能である。な
お、3番車9側に不測の負荷が働いた場合に、コイルば
ね12が許容値以上に巻き締められて破損するのを防止
する手段として、中間歯車10に度当り用突起10cが
形成してあり、円盤11の外周には突部11cが形成し
てある。コイルばね12に許容値以上の力が働いた場合
には、度当り用突起10cが突部11cに当接してコイ
ルばね12の巻き締めを停止させ、コイルばね12には
これ以上の力が働かないようにしてある。本実施例で
は、コイルばね12は円筒状に形成されているがこれに
限るものではなく、平面状に形成されたうずまきばね等
どのような形状に形成されたものでもよいことはいうま
でもない。図1,2に示すように、中間車軸9aのカナ
部9bは、他の特定歯車の一例としての秒針車13と一
体の秒針歯車13aと噛合している。秒針車13の中心
に突設された秒針軸13bは、中板3を貫通して分針パ
イプ19及び時針パイプ21aとともに、下地板1から
下方に突出して指針軸5を構成している。図4に示すよ
うに、秒針軸13bの他端部すなわち秒針歯車13aの
他方の面の中心部には、直径をこの秒針軸の3〜4倍の
太さの径に形成した凸部13cが形成してある。凸部1
3cの端面の中心部に設けられた孔部13dは、上地板
2に設けられた突起2aと回転可能に嵌合している。ま
た、地板2に形成された突起2aの周囲には周囲が前方
に突出し、その前端部から所定深さに掘り下げてなる凹
部2bが形成してある。凹部2bの内径Hは、秒針軸の
凸部13cの直径Gよりもやや大きめに作られており、
この凸部を収容可能であるとともに両者間に間隙部Cが
形成可能である。この間隙部Cには秒針車13に粘性抵
抗の負荷を付与する粘性抵抗付与手段の一例としてのグ
リース等の粘性流体Bが封入してある。粘性流体Bは、
秒針車13が回転する際の潤滑剤としての機能を有する
とともに、粘性力によって3番車9から伝達される間欠
性を伴う回転の速度変化を吸収する機能を併有する。こ
のため、3番車9に設けてあるコイルばね12で吸収さ
れてもなお残存する回転の間欠運動による回転速度の変
化は、粘性流体Bによって完全に緩衝され、秒針車13
は実質的に滑らかな連続回転運動をすることが可能にな
る。すなわち、運動変換手段Uは、同軸的に回転自在に
嵌合する中間車軸9aと中間歯車10との間に介在させ
てあるコイルばね12と、秒針車13に粘性抵抗の負荷
を付与する粘性抵抗付与手段Bとからなっている。図2
に示すように、3番車9の中間歯車10には、5番車1
4が噛合している。5番車14は図1では左端部に図示
されており、5番車14の軸部は中板3を貫通してい
る。中板3と下地板1との間に位置する5番車14のカ
ナ部14aは、6番車15と噛合している。6番車のカ
ナ部15aは、7番車16と噛合し、7番車のカナ部1
6aは8番車17と噛合している。8番車17のカナ部
17aは分針車18と噛合している。分針車18は、周
知のスリップ機構(図示せず。)を介して分針パイプ1
9と摩擦的に結合している。また分針パイプ19と一体
に、分針車18と隣接位置に設けられた分針カナ19a
には、日の裏車20が噛合している。日の裏車のカナ部
20aは、時針パイプ21a(図1参照)と一体の時針
車21と噛合し、分針車18の回転を60分の1に減速
している。日の裏車20は上地板2の外側から操作可能
に設けられた針回し軸22のカナ22aと噛合してお
り、針回し軸22を回すことによって時刻合わせができ
るようになっている。上記したように、第1の減速輪列
R1は、ロータ7,駆動車8,中間歯車10,中間車軸
9a,秒針車13とから構成されており、第1の減速輪
列R1の途中である中間歯車10から分岐する第2の減
速輪列R2は、5番車14,6番車15,7番車16,
8番車17,分針車18,日の裏車20,時針車21と
から構成されている。秒針車13と中板3との間には秒
針車13に嵌合するとともに両者に弾接して、秒針車1
3の動きを規制する秒針車ばね23が装着してある。次
に動作について説明する。ステップモータ6によりロー
タ7が回転すると、その間欠回転運動は、駆動車8を介
して3番車9に伝達される。3番車9の中間歯車10が
中間車軸9aに回転自在に軸支された状態で回転する
と、この回転運動はコイルばね12を介して円盤11に
伝達される。ここで、中間歯車10に伝達された間欠回
転運動は、コイルばね12によって速度の変化を吸収さ
れ、滑らかな回転運動に変換して円盤11に伝達する。
円盤11は3番車9の中間車軸9aと一体回転し、カナ
部9bと噛合している秒針歯車13aを回転させる。秒
針歯車13aは粘性抵抗付与手段Bとしてのグリースに
よって速度の変化を吸収され、コイルばね12による速
度変化の吸収と合わせ、速度変化を完全に吸収されるこ
とにより図示しない秒針は滑らかな連続回転を行う。そ
の一方、中間歯車10から分岐した第2の減速輪列R2
によって分針車18及び時針車21が回転する。時刻合
わせをするときには、針回し軸22を回転することによ
って第2の減速輪列R2を逆に針回しトルクが伝わり、
日の裏車20のカナ部20aを介して時針車21が回転
させられると共に、日の裏車20から分針カナ19aと
分針パイプ19が回転させられ、これにより図示しない
時針及び分針が回わされる。分針パイプ19の回転は、
分針車18との間にスリップ機構が介在させてあり、し
かも分針車18から第2の減速輪列R2を逆に上流方向
に回転が伝達される場合には増速輪列になり回転負荷が
大であるために、分針パイプ19と分針車18との間の
スリップ機構が働いて、この分針パイプは回転するが、
分針車は回転しない。つまり、回転力の逆方向の伝達が
断たれる。このため、針回し時には中間歯車10は回転
されず、第1の減速輪列R1に回転が伝達することはな
い。このように、針回し時に回転が伝達される輪列に
は、第1の減速輪列R1中に設けられている粘性流体
B、コイルばね12からなる運動変換手段Uが含まれな
いので、秒針車13の連続的な回転運動が針回し動作に
より妨げられることがない。なお、本実施例では、凸部
を秒針車に設け、これを収容する凹部を上地板に形成し
てあるが、これを逆にして、凸部を上地板に形成し、凹
部を秒針車に設けるようにしてもよい。
て説明する。図1,2に示すように、時計機械体は、下
地板1と上地板2とが対向しており、その間に中板3を
設けてある。下地板1の中心部に設けられた指針軸孔1
aからは後述のステップモータ6によって回転させられ
る指針軸5が突出している。下地板1,上地板2及び中
板3にそれぞれ形成された軸部及び軸受け孔部を介し
て、ステップモータ6によって間欠的に回転するロータ
7の回転を秒針車13に伝達する第1の減速輪列R1
と、この第1の減速輪列の途中から分岐して時分針車2
1,18に伝達する第2の減速輪列R2とが設けてあ
る。第2の減速輪列R2が分岐した以降の第1の減速輪
列R1中には、間欠回転運動を連続回転運動に変換する
後述の運動変換手段Uが設けてある。図2に示すよう
に、ステップモータ6は、コイル枠6a,コイル6b,
鉄心6c,ステータ6d及びロータ7により構成してあ
る。ロータ7にはマグネットM(図1参照)か取り付け
てある。ロータ7は、ロータ軸7a(図1参照)の両端
が下地板1と上地板2とによって軸支してあり、ロータ
軸7aと一体に形成してあるロータカナ7b(図1参
照)は駆動車8と噛合している。駆動車のカナ部8aは
後述の3番車9の特定回転軸の一例としての中間車軸9
aに回転自在に軸支されている特定歯車の一例としての
中間歯車10と噛合している。図3に示すように、3番
車9は中間車軸9aと、この中間車軸に同軸的に回転自
在に軸支された中間歯車10と、この中間歯車の上方に
これと対向するように設けられた円盤11と、この円盤
に中間歯車10から回転伝達可能、かつ中間車軸9aに
同軸的に設けられた弾性部材であるコイルばね12とに
よって構成されている。円盤11は3番車の中間車軸9
aに圧入されており、3番車9と一体回転可能である。
中間歯車10と対向するように設けられた円盤11の対
向面には、溝部11aが設けてあり、この溝部にはコイ
ルばね12の上端部12aが収納されている。コイルば
ね12の上端部は、溝部11aから外方へ向けて設けら
れた係止部11bに係合している。同様にして、溝部1
1aと対向する中間歯車10にも溝部10aが設けてあ
り、コイルばね12の下端部が収納されている。コイル
ばね12の下端部12bは溝部10aから外方に向けて
形成された係止部10bに係合している。このようにし
てコイルばね12が中間歯車10と円盤11との両者に
係合しているため、3番車9では中間歯車10が回転す
るとコイルばね12が巻き締められて中間歯車10から
受けるトルクを吸収して円盤11は回転可能である。な
お、3番車9側に不測の負荷が働いた場合に、コイルば
ね12が許容値以上に巻き締められて破損するのを防止
する手段として、中間歯車10に度当り用突起10cが
形成してあり、円盤11の外周には突部11cが形成し
てある。コイルばね12に許容値以上の力が働いた場合
には、度当り用突起10cが突部11cに当接してコイ
ルばね12の巻き締めを停止させ、コイルばね12には
これ以上の力が働かないようにしてある。本実施例で
は、コイルばね12は円筒状に形成されているがこれに
限るものではなく、平面状に形成されたうずまきばね等
どのような形状に形成されたものでもよいことはいうま
でもない。図1,2に示すように、中間車軸9aのカナ
部9bは、他の特定歯車の一例としての秒針車13と一
体の秒針歯車13aと噛合している。秒針車13の中心
に突設された秒針軸13bは、中板3を貫通して分針パ
イプ19及び時針パイプ21aとともに、下地板1から
下方に突出して指針軸5を構成している。図4に示すよ
うに、秒針軸13bの他端部すなわち秒針歯車13aの
他方の面の中心部には、直径をこの秒針軸の3〜4倍の
太さの径に形成した凸部13cが形成してある。凸部1
3cの端面の中心部に設けられた孔部13dは、上地板
2に設けられた突起2aと回転可能に嵌合している。ま
た、地板2に形成された突起2aの周囲には周囲が前方
に突出し、その前端部から所定深さに掘り下げてなる凹
部2bが形成してある。凹部2bの内径Hは、秒針軸の
凸部13cの直径Gよりもやや大きめに作られており、
この凸部を収容可能であるとともに両者間に間隙部Cが
形成可能である。この間隙部Cには秒針車13に粘性抵
抗の負荷を付与する粘性抵抗付与手段の一例としてのグ
リース等の粘性流体Bが封入してある。粘性流体Bは、
秒針車13が回転する際の潤滑剤としての機能を有する
とともに、粘性力によって3番車9から伝達される間欠
性を伴う回転の速度変化を吸収する機能を併有する。こ
のため、3番車9に設けてあるコイルばね12で吸収さ
れてもなお残存する回転の間欠運動による回転速度の変
化は、粘性流体Bによって完全に緩衝され、秒針車13
は実質的に滑らかな連続回転運動をすることが可能にな
る。すなわち、運動変換手段Uは、同軸的に回転自在に
嵌合する中間車軸9aと中間歯車10との間に介在させ
てあるコイルばね12と、秒針車13に粘性抵抗の負荷
を付与する粘性抵抗付与手段Bとからなっている。図2
に示すように、3番車9の中間歯車10には、5番車1
4が噛合している。5番車14は図1では左端部に図示
されており、5番車14の軸部は中板3を貫通してい
る。中板3と下地板1との間に位置する5番車14のカ
ナ部14aは、6番車15と噛合している。6番車のカ
ナ部15aは、7番車16と噛合し、7番車のカナ部1
6aは8番車17と噛合している。8番車17のカナ部
17aは分針車18と噛合している。分針車18は、周
知のスリップ機構(図示せず。)を介して分針パイプ1
9と摩擦的に結合している。また分針パイプ19と一体
に、分針車18と隣接位置に設けられた分針カナ19a
には、日の裏車20が噛合している。日の裏車のカナ部
20aは、時針パイプ21a(図1参照)と一体の時針
車21と噛合し、分針車18の回転を60分の1に減速
している。日の裏車20は上地板2の外側から操作可能
に設けられた針回し軸22のカナ22aと噛合してお
り、針回し軸22を回すことによって時刻合わせができ
るようになっている。上記したように、第1の減速輪列
R1は、ロータ7,駆動車8,中間歯車10,中間車軸
9a,秒針車13とから構成されており、第1の減速輪
列R1の途中である中間歯車10から分岐する第2の減
速輪列R2は、5番車14,6番車15,7番車16,
8番車17,分針車18,日の裏車20,時針車21と
から構成されている。秒針車13と中板3との間には秒
針車13に嵌合するとともに両者に弾接して、秒針車1
3の動きを規制する秒針車ばね23が装着してある。次
に動作について説明する。ステップモータ6によりロー
タ7が回転すると、その間欠回転運動は、駆動車8を介
して3番車9に伝達される。3番車9の中間歯車10が
中間車軸9aに回転自在に軸支された状態で回転する
と、この回転運動はコイルばね12を介して円盤11に
伝達される。ここで、中間歯車10に伝達された間欠回
転運動は、コイルばね12によって速度の変化を吸収さ
れ、滑らかな回転運動に変換して円盤11に伝達する。
円盤11は3番車9の中間車軸9aと一体回転し、カナ
部9bと噛合している秒針歯車13aを回転させる。秒
針歯車13aは粘性抵抗付与手段Bとしてのグリースに
よって速度の変化を吸収され、コイルばね12による速
度変化の吸収と合わせ、速度変化を完全に吸収されるこ
とにより図示しない秒針は滑らかな連続回転を行う。そ
の一方、中間歯車10から分岐した第2の減速輪列R2
によって分針車18及び時針車21が回転する。時刻合
わせをするときには、針回し軸22を回転することによ
って第2の減速輪列R2を逆に針回しトルクが伝わり、
日の裏車20のカナ部20aを介して時針車21が回転
させられると共に、日の裏車20から分針カナ19aと
分針パイプ19が回転させられ、これにより図示しない
時針及び分針が回わされる。分針パイプ19の回転は、
分針車18との間にスリップ機構が介在させてあり、し
かも分針車18から第2の減速輪列R2を逆に上流方向
に回転が伝達される場合には増速輪列になり回転負荷が
大であるために、分針パイプ19と分針車18との間の
スリップ機構が働いて、この分針パイプは回転するが、
分針車は回転しない。つまり、回転力の逆方向の伝達が
断たれる。このため、針回し時には中間歯車10は回転
されず、第1の減速輪列R1に回転が伝達することはな
い。このように、針回し時に回転が伝達される輪列に
は、第1の減速輪列R1中に設けられている粘性流体
B、コイルばね12からなる運動変換手段Uが含まれな
いので、秒針車13の連続的な回転運動が針回し動作に
より妨げられることがない。なお、本実施例では、凸部
を秒針車に設け、これを収容する凹部を上地板に形成し
てあるが、これを逆にして、凸部を上地板に形成し、凹
部を秒針車に設けるようにしてもよい。
【発明の効果】本発明は、ステップモータを駆動源とし
て間欠的に回転するロータの回転運動を秒針車に伝達す
る第1の減速輪列と、この第1の減速輪列の途中から分
岐して時分針車に伝達する第2の減速輪列とが設けてあ
り、上記分針車にはスリップ機構が設けてあり、上記時
分針車を回転する針回し軸は、上記分針車に噛合する日
の裏車に噛合している時計機械体において、間欠回転運
動を連続回転運動に変換し、上記秒針車が実質的に滑ら
かな連続回転運動をする運動変換手段は、上記第2の減
速輪列が分岐した以降の上記秒針車回転用の上記第1の
減速輪列中に設けてあり、上記運動変換手段は、同軸的
に回転自在に嵌合する特定回転軸と特定歯車との間に介
在させてあるコイルばねと、他の特定歯車に粘性抵抗の
負荷を付与する粘性抵抗付与手段とからなるものである
ため、時刻合わせの際に針回し軸を回してもコイルばね
には直接的に力が働かず、秒針車が異常な動きをしな
い。
て間欠的に回転するロータの回転運動を秒針車に伝達す
る第1の減速輪列と、この第1の減速輪列の途中から分
岐して時分針車に伝達する第2の減速輪列とが設けてあ
り、上記分針車にはスリップ機構が設けてあり、上記時
分針車を回転する針回し軸は、上記分針車に噛合する日
の裏車に噛合している時計機械体において、間欠回転運
動を連続回転運動に変換し、上記秒針車が実質的に滑ら
かな連続回転運動をする運動変換手段は、上記第2の減
速輪列が分岐した以降の上記秒針車回転用の上記第1の
減速輪列中に設けてあり、上記運動変換手段は、同軸的
に回転自在に嵌合する特定回転軸と特定歯車との間に介
在させてあるコイルばねと、他の特定歯車に粘性抵抗の
負荷を付与する粘性抵抗付与手段とからなるものである
ため、時刻合わせの際に針回し軸を回してもコイルばね
には直接的に力が働かず、秒針車が異常な動きをしな
い。
【図1】本発明の一実施例の要部の断面図である。
【図2】本発明の一実施例におけるステップモータの回
転を針回し軸に伝達する経路を示す構成図である。
転を針回し軸に伝達する経路を示す構成図である。
【図3】3番車の拡大断面図である。
【図4】粘性抵抗付与手段を示す要部の部分拡大断面図
である。
である。
6 ステップモータ 7 ロータ 9a 特定回転軸(中間車軸) 10 特定歯車(中間歯車) 12 コイルばね 13 他の特定歯車(秒針車) 18 分針車 20 日の裏車 21 時針車 22 針回し軸 B 粘性付与手段 R1 第1の減速輪列 R2 第2の減速輪列 U 運動変換手段
Claims (1)
- 【請求項1】 ステップモータを駆動源として間欠的に
回転するロータの回転運動を秒針車に伝達する第1の減
速輪列と、この第1の減速輪列の途中から分岐して時分
針車に伝達する第2の減速輪列とが設けてあり、 上記分針車にはスリップ機構が設けてあり、上記時分針車を回転する針回し軸は、上記分針車に噛合
する日の裏車に噛合している時計機械体において、 間欠回転運動を連続回転運動に変換し、上記秒針車が実
質的に滑らかな連続回転運動をする運動変換手段は、上
記第2の減速輪列が分岐した以降の上記秒針車回転用の
上記第1の減速輪列中に設けてあり、 上記運動変換手段は、同軸的に回転自在に嵌合する特定
回転軸と特定歯車との間に介在させてあるコイルばね
と、他の特定歯車に粘性抵抗の負荷を付与する粘性抵抗
付与手段とからなることを特徴とする時計機械体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6226699A JP2873429B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 時計機械体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6226699A JP2873429B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 時計機械体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0894775A JPH0894775A (ja) | 1996-04-12 |
JP2873429B2 true JP2873429B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=16849268
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6226699A Expired - Fee Related JP2873429B2 (ja) | 1994-09-21 | 1994-09-21 | 時計機械体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2873429B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5609963B2 (ja) * | 2012-12-18 | 2014-10-22 | カシオ計算機株式会社 | 多針付電子機器 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5386269A (en) * | 1976-12-22 | 1978-07-29 | Citizen Watch Co Ltd | Crystal timepiece |
JPH0619114Y2 (ja) * | 1987-05-19 | 1994-05-18 | セイコー電子工業株式会社 | 小秒針付電子時計 |
JPH01212387A (ja) * | 1988-02-19 | 1989-08-25 | Seiko Epson Corp | 運動変換器 |
JPH0747756Y2 (ja) * | 1988-12-19 | 1995-11-01 | カシオ計算機株式会社 | 指針式時計 |
JP3130586U (ja) * | 2007-01-20 | 2007-03-29 | 敏行 高井 | 測量絵柄付き容器 |
-
1994
- 1994-09-21 JP JP6226699A patent/JP2873429B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0894775A (ja) | 1996-04-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |