JP2873412B2 - 感光性ガラスの加工方法 - Google Patents

感光性ガラスの加工方法

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JP2873412B2 JP3303441A JP30344191A JP2873412B2 JP 2873412 B2 JP2873412 B2 JP 2873412B2 JP 3303441 A JP3303441 A JP 3303441A JP 30344191 A JP30344191 A JP 30344191A JP 2873412 B2 JP2873412 B2 JP 2873412B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光性ガラスをエッチ
ングにより加工する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、感光性ガラスにエッチングにより
加工を施し、インクジェットプリンタヘッドなど微細な
形状を形成する方法がある。この方法は、紫外線ランプ
の照射により感光性ガラスの所望の部分を露光し(露光
工程)、感光性ガラスを500〜700℃に加熱して露
光部を結晶化させ(熱現像工程)、結晶化した露光部を
エッチング液(フッ化水素酸溶液)により溶解させて除
去する(エッチング工程)方法である。なお、紫外線ラ
ンプとしては、高圧水銀ランプなどが用いられている。
【0003】また感光性ガラスを用いて片面にのみエッ
チング加工を施して溝部などを形成する加工では、エッ
チング工程の前にエッチングしたくない反対面をエッチ
ング液から保護するために、エッチング用保護テープな
どで覆ったり、エッチング治具を利用してエッチング液
が当らないようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、感光
性ガラス板に形成した結晶化した露光部をエッチングし
て溝などを加工する時のエッチング深さの制御は、エッ
チング時間やエッチング液の温度や濃度などエッチング
条件で行っていた。しかし結晶化した露光部のエッチン
グ速度は、エッチング条件だけでなく、露光強度や熱現
像条件など他の要因でも変動する。更にエッチング液の
疲労や、エッチングによって溶解した感光性ガラスの結
晶部のエッチング液中への混入などや、エッチング液の
当り方などの諸々の影響によりエッチング速度が変化す
るため、エッチング深さの制御は極めて難しかった。
【0005】また、結晶化した露光部のエッチング面の
表面粗さが大きいという問題があった。インクジェット
ヘッドへ利用する場合、表面粗さの大きい面でのインク
流路では、インクに混入した気泡が停滞し、インク射出
特性に悪影響を及ぼす問題があり、更にマイクロマシー
ニングなどへの利用の場合には、摩擦が大きく、機械的
駆動部が動き難くなるという問題があった。
【0006】また片面エッチングの場合に保護テープで
覆ったりこれを剥がしたりするのは手間がかかるばかり
でなく、剥がす際に感光性ガラスの基板に損傷を与える
ことがあり、また治具を用いる場合には、治具が高価に
なるばかりでなく、取り付けるのに力がかかって、エッ
チング中に感光性ガラスの基板が破損し易く、歩留まり
が低下するなどの問題があった。
【0007】そこで本発明の第1の目的は、感光性ガラ
スの加工に際して、エッチング深さの制御を容易にする
ことにある。
【0008】また本発明の第2の目的は、エッチング面
の表面粗さを小さくすることを可能にすることにある。
【0009】さらに本発明の第3の目的は、片面エッチ
ングにおいても保護テープなどの貼着を不要にし、感光
性ガラスの損傷や破損を無くして歩留まりを向上させる
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の感光性ガラスの加工方法は、感光性ガラス
を露光手段によって所定のパターンに露光する露光工程
と、露光部を結晶化する熱現像工程と、結晶部を除去す
るエッチング工程を経て、感光性ガラスに上記パターン
に対応した溝を形成する加工方法であって、露光工程
は、第1および第2の露光を含み、第1の露光によって
エッチングを受け易い第1結晶部を形成するに必要な第
1露光量を与え、第1および第2の露光または第2の露
光のみによって、第1露光量よりも大であってエッチン
グを受け難い第2結晶部を、上記第1結晶部に連ねて形
成するに必要な第2の露光量を与える。上記露光手段は
レーザーが望ましい。
【0011】上記のレーザーは、XeClエキシマレー
ザーが望ましい。
【0012】またエッチング工程は、第1結晶部を経て
第2結晶部までエッチングするとエッチング面の表面粗
さの改良に有効である。
【0013】また第2の露光は、第1の露光の露光方向
を横切る垂直方向から露光するものであり、感光性ガラ
ス板の板厚中間部に第2結晶部を形成しまたは第1の露
光の露光方向を横切る垂直方向より傾いた方向から露光
して、感光性ガラス板の板厚中間部に傾斜した第2結晶
部を形成してもよい。
【0014】また第2の露光は、第1の露光の露光方向
を横切る垂直方向から露光し、感光性ガラス板の表裏い
ずれか一方の面に第2結晶部を形成するものであり第2
露光量は第1露光量よりも大であるようにすると片面エ
ッチングの際に有効である。
【0015】さらに露光工程は第3の露光を含み、第3
の露光により第1露光量より大であって、エッチングを
受け難い第3結晶部を形成するのに必要な第3露光量を
与え、第3の露光の露光方向は、第1の露光の露光方向
と同一でかつ第1の露光で非露光であった部分を露光す
るものであるようにするとエッチングされた全ての面の
表面粗さの改良に有効である。
【0016】本発明者は、感光性ガラスを露光手段好ま
しくはエキシマレーザーで露光し熱現像する際に、エッ
チング速度が非結晶部分と比べ速くエッチングする結晶
を形成するのに適正な露光量以上の露光量で露光する
と、エッチングが殆どされない結晶部となること、更に
この結晶部ではエッチング面の表面粗さが非常に小さい
ことを発見した。
【0017】この結論に至る実験データを図16に示し
ており、1パルス当りのエネルギー強度が10mJ/cm2
のXeClエキシマレーザーで露光する場合には、10
0〜6000mJ/cm2 の総露光量ではエッチング速度1
0μm /min 以上であり、非結晶部と比べ速くエッチン
グする結晶が形成されるが、それ以上になるとエッチン
グ速度が急激に低下して10000mJ/cm2 以上の総露
光量では、非常にエッチングされ難い結晶が形成される
ことがわかる。
【0018】このことから、エッチングによって所望の
形状を形成したい部分は、100〜6000mJ/cm2
総露光量で露光し、エッチングされにくい層を形成した
い部分は、10000mJ/cm2 以上の総露光量で露光
し、その後で熱現像し、エッチングを行えば良いことが
明らかとなった。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。 実施例1 まず、図1乃至図5に基づいて、本発明に係る加工方法
により感光性ガラス製のインクジェットプリンタヘッド
を製造する方法を工程順に説明する。図1に示すよう
に、第1の露光工程として、板厚1mmの感光性ガラス板
10の表面10aと裏面10bの両面を研磨し、上方に
レーザー発振器1を配置して、レーザー1aを露光マス
ク2を介して感光性ガラス板の表面10aに照射する。
露光マスク2には感光性ガラス板10の表面に形成され
る溝などの形状の露光パターン2aと、その他の部分に
遮光部2bとが形成してある。
【0020】使用されるレーザーとしては、感光性ガラ
スの感度波長域150〜400nmを含むパルス発振制御
型のレーザーが選ばれ、この例では、308nmの発振波
長を持つXeClエキシマレーザーを使用した。この露
光の際のXeClエキシマレーザー1aの1パルス当り
のエネルギー強度を、10mJ/cm2 とし、50パルス程
度照射し、総露光量を500mJ/cm2 程度とした。この
照射により感光性ガラス板10の表面10aには、露光
パターン2aに対応した露光部11,11が形成され
る。この露光部11は総露光量が500mJ/cm2 である
ので、図16に示すように、エッチング速度が速い第1
結晶部11aを形成可能な露光部である。
【0021】図2に示すように、第2の露光工程では、
感光性ガラス板10の端面10cに対向してもう1つの
レーザー発振器3を配置して、XeClエキシマレーザ
ー3aを露光マスク4を介して感光性ガラスの端面10
cに照射する。露光マスク4には感光性ガラス板10の
板厚中間部に形成されるエッチングされ難い層の形状の
露光パターン4aと、その他の部分に遮光部4bとが形
成してある。したがって第2の露光工程の露光方向は、
第1の露光工程の露光方向を横切る垂直方向からの露光
である。
【0022】この第2の露光行程では、XeClエキシ
マレーザー3a1パルス当りのエネルギー強度を10
mJ/cm2とし、1500パルス照射して総露光量を15
000mJ/cm2とした。この照射により感光性ガラス1
0の板厚中間部に、露光パターン4aに対応した露光部
12が形成され、総露光量は15000mJ/cm2である
ので、図16に示すように、エッチング速度がほとんど
0μm/minでエッチングされ難い第2結晶部12aを形
成可能な露光部である。
【0023】図3に示すように、第3工程では、感光性
ガラス板10を500〜700℃程度の高温に加熱し、
露光部11,12を結晶化する熱現像を行って、第1,
第2結晶部11a,12aを形成する。
【0024】次に図4に示すように、第4工程では、こ
の感光性ガラス板10にフッ化水素酸(HF)6%溶液
からなるエッチング液をシャワー圧力3kg/cm2 でエ
ッチングを行うと、結晶部11aは、表面10a及び裏
面10bの両面からエッチング速度約10μm /min で
溶解除去され、両面に溝部13…が形成されるが、結晶
部12aはエッチング速度ほぼ0μm /min であるので
エッチングされることはない。即ち、第1結晶部11a
が溶解除去されて第2結晶部12aが露出するまで両面
エッチングすることになり、インク流路となる溝部13
の底面を結晶部12aとするインクジェットプリンタヘ
ッドの基板が形成される。インクジェットプリンタヘッ
ドのインク流路では、100μm 程度のエッチング深さ
が必要であるので、10分間をやや超える時間(例えば
11分間)エッチングすれば良い。 この場合のエッチ
ング深さの制御は、エッチング条件や熱現像条件の変動
があっても、結晶部12aはエッチングされないので、
やや長めのエッチング時間とすることで結晶部12aが
露出し、正確にかつ容易に一定のエッチング深さを実現
することができる。
【0025】またエッチング面の表面粗さは非常に滑ら
かとなり、従来の表面粗さがRzで1〜2μm であった
のに対して、本発明ではRzで1桁以上小さくなる。
【0026】図5にはインクジェットプリンタヘッドが
示してあり、上記のようにして形成した感光性ガラスか
らなる基板の表裏両面に振動板14,14を貼着し、振
動板の外面の所定位置に圧電素子15…を設けてインク
ジェットプリンタヘッドが完成する。
【0027】このインクジェットプリンタヘッドは、図
示しないインク供給手段からインク流路13内にインク
が充填されており、圧電素子15…に電圧が印加された
ときに、振動板14が内方へ変形して流路内のインクが
加圧され、インクの射出口から噴出して印字が行われ
る。
【0028】実施例2 次に、図6乃至図8に示す第2の実施例について説明す
る。第1の露光工程は図1で説明したのと同様であり、
感光性ガラス板20にエッチングされやすい第1結晶部
21aを形成するための露光部21が形成される。そこ
で図6の第2の露光工程において、感光性ガラス板20
の端面20cに対向してレーザーを傾斜方向に発射する
レーザー発振器5を配置して、XeClエキシマレーザ
ー5aを露光マスク6を介して感光性ガラス板の端面2
0cに照射する。露光マスク6には感光性ガラス板20
の板厚中間部に傾斜して形成されるエッチングされ難い
層の形状の露光パターン6aと、その他の部分に遮光部
6bとが形成してある。したがってこの例における第2
の露光工程の露光方向は、第1の露光工程の露光方向を
横切る垂直方向より傾いた方向からの露光である。レー
ザー5aの1パルス当りのエネルギー強度及び照射する
パルス数は実施例1の場合と同様であり、総露光量を1
5000mJ/cm2 として、傾斜した露光部22が形成さ
れる。
【0029】図7に示す熱現像工程は実施例1と同様で
あって、露光部21,22を結晶化して第1,第2結晶
部21a,22aを形成する。
【0030】次に図8に示すエッチング工程も実施例1
と同様であり、結晶部21aが表裏両面からエッチング
されて、両面に溝部23,24が形成される。溝部2
3,24の底面は共に傾斜する第2結晶部22aの面が
露出しており、底面の傾斜する溝部を形成することがで
きる。また溝部23と24とはエッチング深さも相違し
ているが、第2結晶部22aが露出した後はエッチング
されないので、エッチング条件などを厳しくしなくて
も、この溝の形成は容易である。
【0031】第2結晶部22aの傾斜の角度は、レーザ
ー5aの露光方向で決まるので、精度と再現性の良い加
工が可能である。またエッチング面の表面粗さが小さい
ことは先の実施例と同様である。
【0032】実施例3 次に、図9乃至図11に示す第3の実施例について説明
する。第1及び第2の露光工程は図1及び図2で説明し
たと同様であり、感光性ガラス板30にエッチングされ
やすい第1結晶部31aを形成するための露光部31
と,エッチングされ難い第2結晶部32aを形成可能な
露光部32とが形成される。本実施例では更に図9の第
3の露光工程を含んでいるもので、感光性ガラス板30
の表面30aに対向してレーザーを発射するレーザー発
振器7を配置して、XeClエキシマレーザー7aを露
光マスク8を介して感光性ガラスの表面30aに照射す
る。露光マスク8には、図1の露光マスク2における露
光パターンと遮光部とを反転し、遮光部であった位置を
露光パターン8aとし、露光パターンであった位置を遮
光部8bとしている。したがってこの第3の露光工程の
露光方向は、第1の露光工程の露光方向と同一でかつ第
1の露光工程で非露光であった部分への露光である。こ
の第3の露光工程は、溝の両側面にエッチングされ難い
第3結晶部33aを形成するための露光であるので、照
射されるレーザー7aの1パルス当りのエネルギー強度
を、10mJ/cm2 とし、1500パルス照射し、総露光
量を15000mJ/cm2 とする。これによってエッチン
グされ難い第3結晶部33aを形成可能な露光部33が
形成される。
【0033】図10に示す熱現像工程は実施例1と同様
であって、露光部31,32及び33を結晶化して第
1,2,3結晶部31a,32a及び33aを形成す
る。
【0034】次に図11に示すエッチング工程も実施例
1と同様であり、第1結晶部31aが表裏両面からエッ
チングされて、両面に溝部34…が形成される。溝部3
4の底面は共に第2結晶部32aの面が露出しており、
溝部34の両側面は共に第3結晶部33aの面が露出し
ており、これらは非結晶部(未露光部)よりもエッチン
グ速度が遅いため、エッチング条件などを厳しくしなく
ても、溝の形成は容易であり、しかも両側面では、垂直
に近い加工が非結晶部の場合以上に可能であり、更に表
面粗さは非結晶部の場合よりも小さい滑らかな面とな
る。
【0035】上記の実施例1〜3では、第2の露光工程
における総露光量を、いずれもエッチング速度が非結晶
部より速い結晶部を形成するのに必要な総露光量よりも
多くしているが、エッチングにより形成される溝の底面
となる部分がエッチングされ難い結晶部であれば良いの
で、第1と第2の露光工程による総露光量の和が上記の
必要な総露光量よりも多くなれば良い。
【0036】実施例4 次に、図12乃至図14に示す第4の実施例について説
明する。この例は片面のみをエッチング加工する場合の
加工方法であって、反対面側に必要な総露光量より多く
の露光を行って、エッチングされ難い結晶部を設けるこ
とで保護テープなどを不要にしている。
【0037】第1の露光工程は図1で説明したのと同様
であり、感光性ガラス板40にエッチングされやすい第
1結晶部41aを形成するための露光部41が形成され
る。そこで図12の第2の露光工程において、感光性ガ
ラス板40の端面40dに対向してレーザーを発射する
レーザー発振器9を配置して、XeClエキシマレーザ
ー9aを露光マスク19を介して感光性ガラスの端面4
0dに照射する。露光マスク19には感光性ガラス板4
0の裏面40bにエッチングされ難い層の形状の露光パ
ターン19aと、その他の部分に遮光部19bとが形成
してある。レーザー9aの1パルス当りのエネルギー強
度を、10mJ/cm2 とし、1500パルス照射し、総露
光量を15000mJ/cm2 とする。これによりエッチン
グされ難い第2結晶部42aを、感光性ガラス板40の
裏面40b側に形成可能な露光部42が形成される。
【0038】図13に示す熱現像工程は実施例1と同様
であって、露光部41,42を結晶化して第1,2結晶
部41a,42aを形成する。
【0039】次に図14に示すエッチング工程では、エ
ッチングしたくない裏面40bにエッチングされ難い結
晶部42aが形成してあるので、保護テープなどは不要
であり、このままフッ化水素酸(HF)6%溶液からな
るエッチング液をシャワー圧力3kg/cm2 でエッチン
グし、結晶部41aに所望のエッチング深さが得られる
まで行って溝部43…を形成する。インクジェットプリ
ンタヘッドのインク流路では、100μm 程度のエッチ
ング深さが必要であるので、10分間程度エッチングす
れば良い。
【0040】図15にはインクジェットプリンタヘッド
が示してあり、上記のようにして形成した感光性ガラス
からなる基板を用い、インク流路である溝部43を覆う
ように振動板44を貼着し、振動板の外面の所定位置に
圧電素子45…を設けてインクジェットプリンタヘッド
が完成する。
【0041】このインクジェットプリンタヘッドは、図
示しないインク供給手段からインク流路43内にインク
が充填されており、圧電素子45…に電圧が印加された
ときに、振動板44が内方へ変形して流路内のインクが
加圧され、インクの射出口から噴出して印字が行われ
る。
【0042】この実施例4では、第1の露光工程による
結晶部が感光性ガラス板の板厚を貫通して設けられるも
のを図示しているが、これに限られず、結晶部を所望の
深さまで形成するように露光量を調整しても良い。また
この第2の露光工程では、表裏いずれか一方の面にエッ
チングされにくい結晶部を設けるものであるから、上記
のエッチングを受け易い結晶部を形成するに必要な適性
露光量よりも多い総露光量を与える必要がある。上記実
施例においては露光手段としてXeClエキシマレーザ
ーを用いているが、レーザーとしてはその他にもXeF
(発振波長351nm),KrF(発振波長248nm),
ArF(発振波長193nm)エキシマレーザー、N2
ーザー(発振波長337nm)を用いてもよく、またNd
+ とYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネッ
ト)とを混合したレーザー,色素レーザー,Krイオン
レーザー,Arイオンレーザーまたは銅蒸気レーザーの
基本発振波長光を非線形光学素子などにより紫外域に変
換したレーザーを用いてもよく、また露光手段はレーザ
ーに限られずエキシマランプ、超高圧水銀ランプによる
紫外線でもよい。
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明では、第
1及び第2の露光工程で、総露光量を選択して露光する
ことによって、エッチングを受け易い第1結晶部と、エ
ッチングを受け難い第2結晶部とをそれぞれ形成してエ
ッチングするので、第2結晶部までエッチングすること
によって、エッチング深さの制御が容易にでき、第2結
晶部は、エッチング後の面が非結晶部よりも滑らかであ
るので、表面粗さを小さくすることができ、インク流路
とする場合に極めて有利である。また片面エッチングに
おいても、第2結晶部を設けておくことにより、保護テ
ープなどの貼着が不要となり、感光性ガラスの損傷や破
損を無くして歩留まりを向上できる。
【0044】感光性ガラスの感度波長域を含むパルス発
振制御型のレーザーを感光性ガラスの露光手段として用
いれば照射する総露光量の制御が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の第1の露光工程を示す正面
図である。
【図2】同上の第2の露光工程を示す正面図である。
【図3】同上の熱現像工程後の感光性ガラスの正面図で
ある。
【図4】同上のエッチング工程後の感光性ガラスの断面
図である。
【図5】同上の方法により製造した感光性ガラス製の基
板を用いたインクジェットプリンタヘッドの断面図であ
る。
【図6】本発明の実施例2の第2の露光工程を示す正面
図である。
【図7】同上の熱現像工程後の感光性ガラスの正面図で
ある。
【図8】同上のエッチング工程後の感光性ガラスの断面
図である。
【図9】本発明の実施例3の第3の露光工程を示す正面
図である。
【図10】同上の熱現像工程後の感光性ガラスの正面図
である。
【図11】同上のエッチング工程後の感光性ガラスの断
面図である。
【図12】本発明の実施例4の第2の露光工程を示す正
面図である。
【図13】同上の熱現像工程後の感光性ガラスの正面図
である。
【図14】同上のエッチング工程後の感光性ガラスの断
面図である。
【図15】同上の方法により製造した感光性ガラス製の
基板を用いたインクジェットプリンタヘッドの断面図で
ある。
【図16】総露光量に対するエッチング速度のデータを
示す説明図である。
【符号の説明】
10,20,30,40 感光性ガラス 1a,3a,5a,7a,9a レーザー(露光手
段) 11a,21a,31a,41a 第1の結晶部 12a,22a,32a,42a 第2の結晶部 33a 第3の結晶部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−133782(JP,A) 特開 平4−59628(JP,A) 特開 平4−349132(JP,A) 特開 平4−357133(JP,A) 特開 平5−78146(JP,A) 特開 平5−105485(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03C 15/00 B41J 2/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性ガラスを露光手段によって所定の
    パターンに露光する露光工程と、露光部を結晶化する熱
    現像工程と、結晶部を除去するエッチング工程を経て、
    上記感光性ガラスに上記パターンに対応した溝を形成す
    る加工方法であって、 上記露光工程は、第1及び第2の露光を含み、上記第1
    の露光によってエッチングを受け易い第1結晶部を形成
    するに必要な第1露光量を与え、 上記第1及び第2の露光または上記第2の露光のみによ
    って上記第1露光量よりも大でありエッチングを受け難
    い第2結晶部を上記第1結晶部に連ねて形成するに必要
    な第2露光量を与えることを特徴とする感光性ガラスの
    加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において上記露光手段はレーザ
    ーであることを特徴とする感光性ガラスの加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、上記レーザーは、X
    eClエキシマレーザーであることを特徴とする感光性
    ガラスの加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2または3において、上
    記エッチング工程は、上記第1結晶部を経て上記第2結
    晶部までエッチングすることを特徴とする感光性ガラス
    の加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2または3において、上
    記第2の露光は、上記第1の露光の露光方向を横切る垂
    直方向から露光するものであり、上記感光性ガラス板の
    板厚中間部に第2結晶部を形成するものであることを特
    徴とする感光性ガラスの加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2または3において、上
    記第2の露光は、上記第1の露光の露光方向を横切る垂
    直方向より傾いた方向から露光するものであり、上記感
    光性ガラス板の板厚中間部に傾斜した第2結晶部を形成
    するものであることを特徴とする感光性ガラスの加工方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1または2または3において、上
    記第2の露光は、上記第1の露光の露光方向を横切る垂
    直方向から露光し、上記感光性ガラス板の表裏いずれか
    一方の面に上記第2結晶部を形成するものであり上記第
    2露光量は上記第1露光量よりも大であることを特徴と
    する感光性ガラスの加工方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2または3において、上
    記露光工程は第3の露光を含み、上記第3の露光により
    上記第1露光量より大であって、エッチングを受け難い
    第3結晶部を形成するのに必要な第3露光量を与え、上
    記第3の露光の露光方向は、上記第1の露光の露光方向
    と同一でかつ上記第1の露光で非露光であった部分を露
    光するものであることを特徴とする感光性ガラスの加工
    方法。
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