JP2873368B2 - 紙塗工用塗料組成物およびそれを用いた塗工紙 - Google Patents

紙塗工用塗料組成物およびそれを用いた塗工紙

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JP2873368B2
JP2873368B2 JP8353000A JP35300096A JP2873368B2 JP 2873368 B2 JP2873368 B2 JP 2873368B2 JP 8353000 A JP8353000 A JP 8353000A JP 35300096 A JP35300096 A JP 35300096A JP 2873368 B2 JP2873368 B2 JP 2873368B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙塗工用塗料組成
物に関する。さらに詳しくは、高速塗工においても、塗
工層が嵩高で、白紙光沢、白色度、印刷適性、耐ブリス
ター性等に優れた塗工紙を与える紙塗工用塗料組成物お
よびそれを用いた塗工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗工紙用塗料には塗料に保水性を
付与する等の目的で、デンプン系等の水溶性バインダー
が使用されている。また、光沢が高く、印刷適性が良好
な塗工紙を与える塗工紙用バンダー組成物としては、ア
クリルアミド系熱可逆型増粘剤、例えば、ポリN−イソ
プロピルアクリルアミドと樹脂エマルションからなるも
の(特開平1−1426号公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、デンプン系の
水溶性バインダーでは、1000m/分以上の高速塗工
においては塗工液の保水性が不十分で、塗工中または加
熱乾燥中に塗工液が原紙内部に浸透してしまい、十分に
嵩高い塗工層を得ることはできなかった。また、ポリN
−イソプロピルアクリルアミドを用いても、浸透を抑え
る効果が不十分であり光沢及び印刷適性がまだ不十分で
あるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高速塗工に
おいても、塗工層が嵩高で、高度の光沢および印刷適性
を有する塗工紙を製造する方法について鋭意検討した結
果、水溶性バインダーとして特定の水溶性樹脂を用い、
樹脂ラテックスバインダーとして、バインダーマイグレ
ーションが起こりにくい、いわゆる感温ゲル化性ラテッ
クスを用いることによって、塗工層のクッション性に優
れ、光沢に優れる塗工紙が得られることを見いだし、本
発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、ヒドロキシル基を有す
る化合物にエチレンオキシド単独またはエチレンオキシ
ドとプロピレンオキシドとを(共)付加した水溶性ポリ
オキシアルキレン化合物(a)と有機ポリイソシアネー
ト(b)とから誘導される、オキシエチレン単位の含有
量が少なくとも60重量%であり、かつ数平均分子量
5,000〜500,000である水溶性ウレタン樹脂
(A)、液相中の乳化剤量が0または0.01mmol
/g(樹脂)以下の樹脂ラテックス(B)および一定の
温度を境界にして親水性と疎水性とが可逆的に変化する
重合体(C)を必須成分とすることを特徴とする紙塗工
用塗料組成物;およびそれを用いてなる塗工紙に関する
ものである。
【0006】本発明の水溶性ウレタン樹脂(A)におけ
る水溶性ポリオキシアルキレン化合物(a)の出発物質
であるヒドロキシル基を有する化合物としては、例え
ば、水、脂肪族1価アルコール(メタノール、エタノー
ル、オクチルアルコール、トリデシルアルコール、ステ
アリルアルコール等);一価フェノール類(フェノー
ル、オクチルフェノール、ノニルフェノール等);脂肪
族多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコー
ル、ビスヒドロキシメチルベンゼン、ジメチロールプロ
ピオン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペン
タエリスリトール、ソルビトールグリセリン、トリメチ
ロールプロパン等);多価フェノール類(ハイドロキノ
ン、カテコール、及び、ビスフェノールA、ビスフェノ
ールS等のビスフェノール類)などが挙げられる。これ
らのうちでは、水、エチレングリコールおよびプロピレ
ングリコールが好ましい。
【0007】水溶性ポリオキシアルキレン化合物(a)
は、上記ヒドロキシル基を有する化合物にエチレンオキ
シド単独及び/またはエチレンオキシドとプロピレンオ
キシドとを(共)付加することにより得られる。
【0008】エチレンオキシドとプロピレンオキシドと
を共付加する場合、(a)中のオキシエチレン単位の割
合は、通常65重量%以上、好ましくは70重量%以上
である。65重量%未満では水溶性ウレタン樹脂(A)
の水溶性が不充分となる。
【0009】(a)が、エチレンオキシドおよびプロピ
レンオキシドを付加物の場合、エチレンオキシドとプロ
ピレンオキシドの付加様式はランダム付加でもブロック
付加でもよいが、得られる(A)の塗料の保水性付与効
果が高い点で、プロピレンオキシド付加後にエチレンオ
キシドを付加したブロック付加物が好ましい。
【0010】(a)の数平均分子量は通常200〜5
0,000、好ましくは400〜30,000である。
数平均分子量が200未満であると水溶性ウレタン樹脂
(A)の水溶性が不十分となり、塗料の保水性が不足
し、50,000を越えると(a)の粘度が高くなりす
ぎ取り扱いが困難になる。(a)としては、数平均分子
量が400〜30,000の、ポリエチレングリコール
(a1)及び/またはポリプロピレングリコールのエチ
レンオキシドブロック付加物(a2)が好ましく、数平
均分子量が400〜30,000のポリエチレングリコ
ール(a1)以上が特に好ましい。
【0011】また、上記(a)とともに、水溶性ウレタ
ン樹脂(A)の分子量を調節する目的で(a)以外の1
分子中に1個の活性水素を有する化合物や、粘度調節等
の目的で(a)以外の2個以上の活性水素を有する化合
物を併用することができる。(a)以外の1分子中に1
個の活性水素を有する化合物としては、1価のアルコー
ル類(メタノール、ブタノール、2−エチルヘキサノー
ル、ベンジルアルコール等)、1価フェノール類(フェ
ノール等)、2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルア
ミン、ジベンジルアミン等)、1価カルボン酸(酢酸、
酪酸、安息香酸等)およびこれらのアルキレンオキシド
(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオ
キシド、スチレンオキシド等)付加物のうち(a)を除
くものが挙げられる。(a)以外の2個以上の活性水素
を有する化合物としては、多価アルコール類、多価フェ
ノール類、ビスフェノール類、ポリエステルポリオール
類、ポリアミドポリオール類、ポリウレタンポリオール
類、エポキシ樹脂、ポリカーボネートポリオール類、ポ
リオレフィングリコール類及びシリコーン系ポリオール
類、エチレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、フ
ェニレンジアミン、トリレンジアミン、ナフタレンジア
ミン、ヘキサメチレンジアミン、イソフォロンジアミ
ン、キシリレンジアミン、アジピン酸、フタル酸等およ
びこれらのアルキレンオキシド付加物のうち(a)を除
くものが挙げられる。これら化合物を併用する場合の使
用量は、(a)に対して通常30重量%以下である。
【0012】水溶性ウレタン樹脂(A)を構成する有機
ポリイソシアネート(b)の具体例としては、エチレン
ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート及びこれらの多量体(イソシ
アヌレート体、ビウレット体など)が挙げられる。
【0013】(A)を構成する(a)中のヒドロキシル
基と(b)中のイソシアネート基との当量比(OH/N
CO)が(1.05〜2.0):1である場合、塗料の
保水性および流動性が優れるため好ましい。また、該
(A)の数平均分子量は、通常5,000〜500,0
00である。数平均分子量が5,000未満であると塗
料の保水性が不足する結果、塗工時の塗料の原紙への浸
透が過剰となり、数平均分子量が500,000を越え
ると塗料の粘度が高くなりすぎ、塗工しにくくなる。
【0014】(A)中のオキシエチレン単位の重量割合
は通常60重量%以上、好ましくは70重量%以上であ
る。60重量%未満では水溶性が不十分となり、塗料の
保水性が不十分となる。
【0015】(A)の製法については特に制限されず、
たとえば、(a)及び(b)を30〜200℃で、0.
1〜30時間反応させることによって得られる。該ウレ
タン化反応は、溶媒の存在下または非存在下いずれでも
行われる。溶媒を使用する場合の溶剤としては、(b)
に対して不活性なものであれば特に制限はなく、アセト
ン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、トルエン、キシレン、ジオキサン等
が挙げられる。これらの溶剤は、通常反応後除去され
る。
【0016】前記反応は、必要により公知の触媒の存在
下に行ってもよい。触媒としては、有機チタネート化合
物[(イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、
イソプロピルトリ(ジオクチルピロホスフェート)チタ
ネート、テトライソプロピルジ(ラウリルホスファイ
ト)チタネート等]、有機アルミニウム系化合物(アセ
トアルコキシアルミニウムジイソプロピネート等)、有
機錫系化合物(ジオクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレー
ト、ジブチル錫マレート等、ジブチル錫スルフィド、ジ
ブチル錫オキシド等)が挙げられる。該触媒の使用量は
(a)及び(b)との合計量100重量部に対して通常
0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部
である。
【0017】本発明で用いられる液相中の乳化剤量が0
または0.01mmol(ミリモル)/g(樹脂)以下
の樹脂ラテックス(B)の樹脂の種類には特に制限はな
く、例えば、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹
脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ブタジエン−アクリ
ロニトリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸
ビニル系樹脂、エチレン/プロピレン系樹脂、ポリブタ
ジエン系樹脂等の樹脂のラテックスが挙げられる。該
(B)の樹脂の重量平均分子量は、通常少なくとも10
000、好ましくは少なくとも30,000である。ま
た、該(B)の固形分は通常5〜70重量%である。
【0018】(B)における液相中の乳化剤量は、通常
0または0.01mmol/g(樹脂)以下、好ましく
は、0または0.002mmol/g(樹脂)以下であ
ることが必要である。液相中の乳化剤量が0.01mm
ol/g(樹脂)を越えると、後述する一定の温度を境
界として親水性と疎水性とが可逆的に変化する重合体
(C)の親水性と疎水性の変化機能が阻害され、その結
果本発明の目的とする嵩高な塗工層の形成が阻害され
る。なお、液相中の乳化剤量は樹脂ラテックス(B)中
の樹脂分の重量に対する量として表される。該液相中の
乳化剤量は、樹脂ラテックスから樹脂分を遠心分離法、
塩析法等で除いて得られる液相を、液体クロマトグラフ
ィー等で分析し定量することによって求めることができ
る。
【0019】ラテックスの液相中の乳化剤量が0または
0.01mmol/g(樹脂)以下の樹脂ラテックスを
製造する方法としては、例えば、水への溶解度が低い
乳化剤を用いてラジカル重合性モノマーを公知の方法で
乳化重合する方法、ラジカル重合性基を有するラジカ
ル重合性乳化剤[例えば、(メタ)アクリロイル基を有
するラジカル重合性乳化剤、ビニル基を有するラジカル
重合性乳化剤、アリル基を有するラジカル重合性乳化剤
等]を使用してラジカル重合性モノマーを公知の方法で
乳化重合する方法、水溶性ポリマーを保護コロイドと
して使用してラジカル重合性モノマーを公知の方法で乳
化重合する方法、有機溶剤中でイオン性官能基(カル
ボキシル基、スルホン酸基、アミノ基等)を有するポリ
マーを公知の方法で合成し必要によりアルカリまたは酸
で中和し、水を加えて乳化後に、溶剤を除去する方法等
が挙げられる。
【0020】これらの方法のうちでは、樹脂ラテックス
が通常の条件で容易に得られる点での方法が好まし
く、特に安定なラテックスを与えるという点で、(メ
タ)アクリロイル基を有するラジカル重合性乳化剤[分
子内にスルホン酸基、硫酸エステル基等のアニオン基の
塩とポリオキシアルキレン(炭素数2〜4、好ましくは
3)基とを有する(メタ)アクリレートなど]を用いる
方法が特に好ましい。
【0021】本発明で用いられる一定の温度を境界にし
て親水性と疎水性とが可逆的に変化する重合体(C)と
しては、例えば、(イ)アルキルナフタレンホルマリン
縮合物のアルキレンオキシド付加物(特開昭63−19
3901号公報に記載のもの等)、(ロ)アルキレンオ
キシド変性ポリオルガノシロキサン(特開平6−256
617号公報に記載のもの等)、(ハ)セルロース系感
温ゲル化剤(メチルセルロース、ヒドロキシメチルセル
ロース等)、(ニ)ポリビニルアルキルエーテル(ポリ
ビニルメチルエーテル等)、(ホ)N−アルキル(メ
タ)アクリルアミドを必須単量体とする(共)重合体
(N−イソプロピルアクリルアミド重合体、N−メトキ
シプロピルアクリルアミド重合体等特開平1−1427
6号公報に記載のもの等)、(ヘ)N,N−ジアルキル
(メタ)アクリルアミドを必須単量体とする(共)重合
体(N,N−ジエチルメタクリルアミド重合体、N−ア
クリロイルピロリジン重合体等特開昭60−23318
4号公報に記載のもの等)、(ト)環状アミンのアルキ
レンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステルを必
須単量体とする(共)重合体(モルホリノエチルメタク
リレート重合体等特開平6−9848号公報に記載のも
の等)、(チ)炭素数5以上の非環状アミンのアルキレ
ンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステルを必須
単量体とする(共)重合体(ジイソプロピルアミノエチ
ルアクリレート重合体等)、(リ)アルコールまたは水
のアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エス
テルを必須単量体とする(共)重合体(メトキシエトキ
シエチルメタクリレート重合体等特公平6−23375
号公報に記載のもの等)、(ヌ)アルコールまたは水の
アルキレンオキシド付加物の(ビニルフェニル)エーテ
ルを必須単量体とする(共)重合体[テトラエチレング
リコールモノメチルモノ(ビニルフェニル)エーテル重
合体等]および(ル)酢酸ビニル/ビニルアルコール共
重合体等、一定の温度を境界にして疎水性と親水性が変
化しその水溶液の粘度が変化するものが挙げられる。
【0022】これらのうち、(ホ)〜(ヌ)の重合体
が、嵩高な塗工層を与える点で好ましく、なかでも
(ト)の環状アミンのアルキレンオキシド付加物の(メ
タ)アクリル酸エステルを必須単量体とする(共)重合
体、および(チ)の炭素数5以上の非環状アミンのアル
キレンオキシド付加物の(メタ)アクリル酸エステルを
必須単量体とする(共)重合体が特に好ましい。
【0023】(C)における親水性と疎水性が可逆的に
変化する一定の温度(転移温度)は、通常15〜100
℃、好ましくは40〜80℃である。なお、転移温度
は、該(C)の1重量%水溶液を徐々に加温してゆき、
その水溶液が白濁またはゲル化し始める温度を測定する
ことによって求められる。
【0024】本発明において、(A)と(B)の合計1
00重量部(固形分)当たりの(A)の量(固形分)
は、通常0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量
部である。(A)の量が0.1重量部未満では塗料の保
水性が不十分となり、50重量部を越えると塗料の流動
性が悪くなる。
【0025】本発明において、(C)の量(固形分)
は、(A)と(B)の合計100重量部(固形分)に対
し通常0.001〜30重量部、好ましくは0.01〜
10重量部である。(C)の量が0.001重量部未満
では塗料を紙に塗工したときに嵩高な塗工層が得られ
ず、50重量部を越えると塗料の流動性が悪くなる。
【0026】本発明の組成物からなる紙塗工用塗料10
0重量部中の、(A)、(B)および(C)の合計含有
量(固形分)は、通常、1〜70重量部である。
【0027】本発明の紙塗工用塗料組成物には、通常、
クレー、焼成クレー、カオリン、焼成カオリン、炭酸カ
ルシウム、サチンホワイト、酸化チタン、酸化アルミニ
ウム、含水ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸カルシウム、ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、アルミノケイ
酸ソーダ、アルミノケイ酸マグネシウム、ケイソウ土、
水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫酸カ
ルシウム、タルク、プラスチックピグメント(スチレン
系、スチレン/ブタジエン系、スチレン/アクリル系、
アクリル系、尿素−ホルマリン樹脂等の樹脂の密実状、
中空状、コアシェル状等のビーズ等)等の顔料の1種以
上が配合される。また、必要に応じて、顔料分散剤[ポ
リ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウ
ム、ヘキサメタリン酸ナトリウム等]、消泡剤(鉱物油
系消泡剤、シリコン系消泡剤等)、(A)以外の水溶性
バインダー(カチオン化デンプン、酸化デンプン、リン
酸エステル化デンプン、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋
白、ポリビニルアルコール、無水マレイン酸系樹脂、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス等)、その他の添加剤[潤滑剤、pH調整剤、防腐
剤、耐水化剤、印刷適性向上剤等]などの公知の添加剤
が含有されていてもよい。
【0028】本発明の組成物からなる紙塗工用塗料およ
び塗工紙を製造する方法について述べる。紙塗工用塗料
を製造する方法としては、例えば、まず顔料を必要に応
じて顔料分散剤、消泡剤の存在下、分散装置を用いて水
に分散してピグメントスラリーを得る。次いで、水に溶
解された水溶性バインダーを加え、均一化後、水溶性ウ
レタン樹脂(A)、樹脂ラテックス(B)、重合体
(C)および必要によって用いられる(A)以外の水溶
性バインダー、その他の添加剤等を配合する方法が挙げ
られる。
【0029】分散装置としては、ハイスピードミキサ
ー、ケディミル、スピードミル、シグマブレードニーダ
ー、モアハウスミル、リードニーダー等が挙げられる。
【0030】塗工紙は、上記のようにして得られた塗料
を塗工機で紙に塗工後ドライヤーで乾燥し、必要により
平滑化処理することによって得られる。塗料の塗工量
は、乾燥後の重量として通常1〜50g/m2、好まし
くは5〜25g/m2である。
【0031】塗工は、塗工機によって一層あるいは多層
に分けて行われる。塗工機としては、ロールコーター、
両面同時塗工型コーター、各種ブレードコーター、エア
ナイフコーター、ロッドコーター、ブラシコーター、カ
ーテンコーター、チャンプレックスコーター、バーコー
ター、グラビアコーター等を設けたオンマシンあるいは
オフマシンコーターが挙げられる。
【0032】乾燥及び平滑化処理は、ドライヤーで乾燥
した後、スーパーカレンダーで平滑化仕上げしてもよい
し、ウェットキャスト法、リウェットキャスト法または
ゲル化キャスト法等のいわゆるキャスト仕上げによって
もよい。本発明の塗料組成物を用いることにより、キャ
スト仕上げにおいても、従来のキャスト仕上げの難点の
一つであった塗工層の乾燥性が悪いことによる生産性の
低さを改善できる。また、高速でキャスト仕上げを行っ
ても、乾燥が不十分で塗工層がドラムに付着するなどの
ドラムに汚れが発生し難い。従って、本発明の塗料組成
物は、高速キャスト仕上げにも好適に用いることができ
る。
【0033】ドライヤーとしては、赤外線ドライヤー、
ドラムドライヤー、エアキャップドライヤー、エアホイ
ルドライヤー、エアコンベアドライヤー、及びこれらの
組合せが挙げられる。
【0034】乾燥温度は、塗工方法、ドライヤーの種
類、塗工量等によって任意に選択されるが、ドライヤー
内部の温度は通常50〜200℃である。
【0035】平滑化処理は、通常のカレンダー(スーパ
ーカレンダー、グロスカレンダー、ソフトカレンダー、
マシンカレンダー等)をオンマシンあるいはオフマシン
で用いることによって行うことができ、キャストドラム
によって行うこともできる。処理圧力および温度につい
ては特に制限はないが、ニップ圧は通常20〜300k
g/cm、温度は通常室温〜250℃で行われる。加圧
ニップ数は、通常1〜15である。また、仕上げ後の途
工紙の調湿、加湿のためにロールによる水塗り装置、静
電加湿装置、蒸気加湿装置等を前記カレンダーとともに
配置することもできる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、部は重量部、%は重量%である。
【0037】製造例1 ポリエチレングリコール(数平均分子量20,000)
200部、ポリエチレングリコール(数平均分子量1,
000)10部およびヘキサメチレンジイソシアネート
2.8部(OH/NCO=1.2)を160℃で10時
間反応させ、数平均分子量64,000の水溶性ウレタ
ン樹脂1(以下「樹脂1」という)」を得た。
【0038】製造例2 ポリエチレングリコール(数平均分子量20,000)
100部、プロピレングリコール(数平均分子量1,6
00)のエチレンオキシド付加物(数平均分子量8,0
00、エチレンオキシド80重量%)40部およびトリ
レンジイソシアネート1.6部(OH/NCO=1.
1)を160℃で10時間反応させ、数平均分子量15
0,000の水溶性ウレタン樹脂2(以下「樹脂2」と
いう)」を得た。
【0039】製造例3 攪拌機、滴下ボンベ、窒素ガス導入管、温度計を備えた
加圧反応容器にラジカル重合性基を有する乳化剤として
アクリロイルオキシポリオキシプロピレン(重合度=1
2)硫酸エステルNa塩10部、水102部、スチレン
45部、メチルメタクリレート9部、メタクリル酸4
部、過硫酸ナトリウム1部およびラウリルメルカプタン
0.2部を仕込み、攪拌下、系内を窒素ガスで置換後、
滴下ボンベからブタジエン37部を圧入し、50℃で3
0時間、85℃で5時間反応させた。水酸化ナトリウム
水溶液でpH8.5に調整し、減圧下未反応モノマーを
ストリッピングすることによって、SBR系樹脂ラテッ
クス1(固形分47.9%、以下「SBR1」という)
を得た。この「SBR1」の水相の乳化剤量は0.00
03mmol/g(樹脂)であった。
【0040】製造例4 製造例3と同様にして、スチレン50部、メチルメタク
リレート4部、メタクリル酸4部、アクリロニトリル5
部、ブタジエン32部及びメタクリロイルオキシポリオ
キシプロピレン(重合度=9)硫酸エステルNa塩10
部から、SBR系樹脂ラテックス2(固形分48.3
%、以下「SBR2」という)を得た。この「SBR
2」の水相の乳化剤量は、0.0005mmol/g
(樹脂)であった。
【0041】製造例5 乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸
Na[三洋化成工業(株)製「エレミノールMON−
7」]10部を用いた以外は製造例3と同様にして、比
較のためのSBR系樹脂ラテックス3(固形分48.2
%、以下「SBR3」という)を得た。この「SBR
3」の水相の乳化剤量は、0.1mmol/g(樹脂)
であった。
【0042】製造例6 2−モルホリノエチルメタクリレート(モルホリンのエ
チレンオキシド1モル付加物とメタクリル酸とのエステ
ル)100部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)0.1部をアンプルに加え、凍結脱
気後密閉し、50℃で8時間重合させて、一定の温度を
境界にして親水性と疎水性とが可逆的に変化する重合体
1(以下「重合体1」という)を得た。
【0043】製造例7 2−(2−モルホリノエトキシ)エチルメタクリレート
(モルホリンのエチレンオキシド2モル付加物、メタク
リル酸とのエステル)90部と、メチルメタクリレート
10部及び2,2’−アゾ ビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)0.1部をアンプルに加え、凍結脱気後
密閉し、60℃で8時間重合させて、一定の温度を境界
にして親水性と疎水性とが可逆的に変化する重合体2
(以下「重合体2」という)を得た。
【0044】実施例1 水25部、分散剤[サンノプコ(株)製SNディスパー
サント5040]0.3部、水酸化ナトリウム0.1
部、消泡剤[サンノプコ(株)製ノプコDF122]
0.1部とともに、2級クレー40部および炭酸カルシ
ウム10部からなる顔料組成物をディスパーで、200
0回転で30分間分散混合し、この分散液に、製造例1
で得た「樹脂1」の30%水溶液6部、α化リン酸エス
テル化化デンプン(30%水溶液)2.3部を加え、さ
らに、製造例3で得た「SBR1」14部、製造例6で
得た「重合体1」の40%水溶液0.07部及び適量の
水を加え均一混合し、濃度60%の「紙塗工用塗料1」
を得た。
【0045】実施例2 実施例1において、「重合体1」に代えて製造例7で得
た「重合体2」を同量用いた以外は実施例1と同様にし
て「紙塗工用塗料2」を得た。
【0046】実施例3 実施例1において、「SBR1」に代えて製造例4で得
た「SBR2」を同量用いた以外は実施例1と同様にし
て「塗紙塗工用塗料3」を得た。
【0047】実施例4 実施例1において、「樹脂1」に代えて製造例2で得た
「樹脂2」を同量用いた以外は実施例1と同様にして
「紙塗工用塗料4」を得た。
【0048】実施例5 実施例1において、「樹脂1」に代えて製造例2で得た
「樹脂2」を同量用い、「SBR1」の代わりに製造例
4で得た「SBR2」を同量用い、「重合体1」に代え
て製造例7で得た「重合体2」を同量用いた以外は実施
例1と同様にして「紙塗工用塗料5」を得た。
【0049】比較例1 実施例1において、「SBR1」に代えて製造例5で得
た「SBR3」を同量用いた以外は実施例1と同様にし
て「紙塗工用塗料6」を得た。
【0050】比較例2 実施例1において、「樹脂1」を用いず、その代わりに
ポリエチレングリコール(数平均分子量20,000)
を同量用いた以外は実施例1と同様にして「紙塗工用塗
料7」を得た。
【0051】実施例1〜5、比較例1〜2で得た「紙塗
工用塗料1」〜「紙塗工用塗料7」を、それぞれ58g
/m2の中質紙にドライ塗工量約8g/m2となるように
ブレードコーター(塗工速度800m/min)を用い
て塗工し、150℃で30秒間乾燥し、裁断した。その
後、ミニスーパーカレンダーで、カレンダー処理(温度
60℃、ニップ圧90kg/cm、通紙2回)して「塗
工紙1」〜「塗工紙6」をそれぞれ作成し、各塗工紙に
ついて白紙光沢、印刷光沢および耐ブリスター性を測定
した。その結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】(試験方法)印刷試験;明製作所(株)製
RI印刷機を用いてオフセット用インキをベタ塗りし
た。 光沢;東京電色(株)製グロスメーターで75゜光沢を
測定した。 ドライピック;RI印刷機でピッキングテスト用インク
によって印刷面のピッキングの程度を目視判定した。5
段階評価で5が最も良い水準である。 耐ブリスター性;塗工紙の両面にRI印刷機でオフセッ
ト用インキをベタ塗りし、25℃、湿度60%で24時
間調湿後、温調したシリコーンオイル中に素早く浸漬
し、ブリスター発生の有無を目視判定した。ブリスター
が発生する最低温度で表示した。
【0054】
【発明の効果】本発明の紙塗工用塗料組成物は、従来の
ものに比べ、紙への浸透の少ない嵩高い塗工層を形成す
るので、白紙光沢、白色度、印刷適性、耐ブリスター
性、塗工層のクッション性等に優れた塗工紙を得ること
ができる。上記効果を奏することから本発明の塗料組成
物を用いて得られる塗工紙は、特にグラビア印刷用塗工
紙および輪転オフセット印刷用塗工紙として有用であ
る。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシル基を有する化合物にエチレ
    ンオキシド単独またはエチレンオキシドとプロピレンオ
    キシドとを(共)付加した水溶性ポリオキシアルキレン
    化合物(a)と有機ポリイソシアネート(b)とから誘
    導される、オキシエチレン単位の含有量が少なくとも6
    0重量%であり、かつ数平均分子量5,000〜50
    0,000である水溶性ウレタン樹脂(A)、液相中の
    乳化剤量が0または0.01mmol/g(樹脂)以下
    の樹脂ラテックス(B)および一定の温度を境界にして
    親水性と疎水性とが可逆的に変化する重合体(C)を必
    須成分とすることを特徴とする紙塗工用塗料組成物。
  2. 【請求項2】 (a)が、数平均分子量が400〜3
    0,000の、ポリエチレングリコール(a1)及び/
    またはポリプロピレングリコールのエチレンオキシドブ
    ロック付加物(a2)である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 (A)における(a)のヒドロキシル基
    と(b)のイソシアネート基とのOH/NCO当量比が
    (1.05〜2.0):1である請求項1または2記載
    の組成物。
  4. 【請求項4】 (B)が、(メタ)アクリロイル基を有
    するラジカル重合性乳化剤を用いて製造した樹脂ラテッ
    クスである請求項1〜3いずれか記載の紙塗工用塗料。
  5. 【請求項5】 (C)が、環状アミンのアルキレンオキ
    シド付加物の(メタ)アクリル酸エステルおよび/また
    は炭素数5以上の非環状アミンのアルキレンオキシド付
    加物の(メタ)アクリル酸エステルを必須単量体とする
    (共)重合体である請求項1〜4いずれか記載の組成
    物。
  6. 【請求項6】 (A)と(B)の固形分合計100重量
    部当たり、(A)を0.1〜50重量部(固形分)の割
    合で含有する請求項1〜5いずれか記載の組成物。
  7. 【請求項7】 (A)と(B)の固形分合計100重量
    部に対し、(C)を0.001〜30重量部(固形分)
    の割合で含有する請求項1〜6いずれか記載の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7いずれか記載の組成物を用
    いてなる塗工紙。
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