JP2872850B2 - 流体圧シリンダ装置 - Google Patents

流体圧シリンダ装置

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JP2872850B2
JP2872850B2 JP267592A JP267592A JP2872850B2 JP 2872850 B2 JP2872850 B2 JP 2872850B2 JP 267592 A JP267592 A JP 267592A JP 267592 A JP267592 A JP 267592A JP 2872850 B2 JP2872850 B2 JP 2872850B2
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良男 村尾
克明 萩原
浩 茂田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストンロッドの軸方
向の移動とともに当該ピストンロッドが回動駆動を行う
流体圧シリンダ装置に関し、例えばワークのクランプな
どに用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来より、ピストンロッドが軸方向の移
動に応じて回動駆動する流体圧シリンダ装置が提案され
ているが、その流体圧シリンダ装置の構造は以下のとお
りである。
【0003】すなわち、従来の流体圧シリンダ装置は、
シリンダチューブ、シリンダチューブ内を摺動するピス
トン、シリンダチューブの両端を閉塞するロッド側カバ
ー及びヘッド側カバー、ピストンと一体的に連結されて
ロッド側カバーを貫通して外部に突出するピストンロッ
ドを有している。
【0004】ヘッド側カバーには、軸方向内方へ突出す
る円柱状のインナーロッドが設けられており、ピストン
にはインナーロッドの挿入が可能な挿入穴が設けられて
いる。
【0005】インナーロッドには、その周面の互いに1
80度の角度をなす位置に、軸方向に沿って捩れた回転
案内用の凹溝が形成され、ピストンには、それぞれの凹
溝に嵌まり込むように2つの係合ピンがそれぞれ片持ち
で取り付けられている。
【0006】したがって、流体圧シリンダ装置に圧流体
を供給してピストンを軸方向に駆動すると、その軸方向
移動とともにピストンが回転し、例えばピストンロッド
の先端に取り付けられた爪などによってワークをクラン
プすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の流体圧シリンダ装置では、係合ピンが片持ちであるた
めに係合ピンの固定力が弱く、そのため、強力な回転力
を得ることが困難であった。
【0008】また、インナーロッドの両側に凹溝を形成
することが困難であるため、高い加工精度を得ることが
容易ではなく、ピストンロッドの回転位置決めの精度を
向上させることが困難であった。
【0009】本発明は、上述の問題に鑑み、強力な回転
力を得ることが可能であり、且つ回転位置決めの精度を
向上させることの可能な流体圧シリンダ装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】請求項2の発明は、長期間の使用によって
も案内リングがピストンから脱落する恐れのない流体圧
シリンダ装置を提供することを目的とする。請求項3の
発明は、回転係合ピンの脱落が容易に防止され、流体圧
シリンダ装置の構造をさらに簡単にすることを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る流
体圧シリンダ装置は、上述の課題を解決するため、シリ
ンダチューブと、前記シリンダチューブ内を摺動するピ
ストンと、前記シリンダチューブの両端を閉塞するロッ
ド側カバー及びヘッド側カバーと、前記ピストンと一体
的に連結されて前記ロッド側カバーを貫通して外部に突
出するピストンロッドとを有してなる流体圧シリンダ装
置であって、前記ヘッド側カバーには、軸方向内方へ突
出し且つ軸方向に沿うにしたがって捩じれた回転案内面
を有するインナーロッドが設けられており、前記ピスト
ンには、前記インナーロッドの挿入が可能な挿入穴と、
前記挿入穴よりも開口側にあり且つ前記挿入穴よりも径
大のリング嵌入穴とが設けられ、前記リング嵌入穴に
は、前記インナーロッドの外周面と摺接して当該インナ
ーロッドを案内する案内リングが嵌入しており、前記ピ
ストンには、当該ピストンの軸方向の移動に応じて前記
回転案内面に沿って移動し、当該ピストンを当該回転案
内面の捩れに応じて回転させるための回転係合ピンが、
その両端部を当該ピストンにより支持されて設けられて
構成される。
【0012】請求項2の発明に係る流体圧シリンダ装置
では、前記回転係合ピンは、前記案内リングの開口側へ
の移動を係止する位置において前記ピストンに設けられ
て構成される。
【0013】請求項3の発明に係る流体圧シリンダ装置
では、前記回転係合ピンは、前記ピストンに設けられた
半径方向の穴に挿入されており、前記ピストンには、前
記シリンダチューブの内周面と摺動するためのウエアリ
ングが、前記穴の開口部を覆うように設けられて構成さ
れる。
【0014】
【作用】ピストンの軸方向移動によって回転係合ピンが
回転案内面に沿って移動すると、回転係合ピンは回転案
内面の捩じれによって回転駆動され、その結果ピストン
及びピストンロッドが回転(回動)する。
【0015】回転係合ピンが回転案内面によって回転駆
動される結果、回転案内面にはその反力が発生し、これ
によってインナーロッドに曲げ応力が加わる。案内リン
グによってその応力が受けられ、インナーロッドの軸心
のずれが防止される。
【0016】回転係合ピンによって、案内リングの抜け
止めが行われ、ウエアリングによって回転係合ピンの抜
け止めが行われる。
【0017】
【実施例】図1は本発明に係る油圧シリンダ装置1の断
面正面図、図2は油圧シリンダ装置1の左側面図、図3
は油圧シリンダ装置1の IIIーIII 線矢視断面側面図で
ある。
【0018】油圧シリンダ装置1は、ヘッド側カバー1
5が一体に形成されたシリンダチューブ11、シリンダ
チューブ11内を摺動するピストン12、ピストン12
と一体に形成されたピストンロッド13、シリンダチュ
ーブ11の開口側の端部を閉塞するロッド側カバー14
などから構成されており、ピストンロッド13はロッド
側カバー14を液密に且つ摺動可能に貫通して外部に突
出し、その先端にはワークをクランプするための押え板
16がボルト62によって取り付けられている。
【0019】ヘッド側カバー15には、軸方向内方へ突
出するインナーロッド21が取り付けられている。図4
はインナーロッド21の正面図、図5は図4のインナー
ロッド21のVーV線矢視断面図である。
【0020】図4及び図5をも参照して、インナーロッ
ド21は、円柱状の基部22、回転駆動部23、ヘッド
側カバー15の中央に設けられた穴に嵌入する嵌合部2
6、ナット61によって締めつけて固定するためのネジ
部27からなっている。
【0021】回転駆動部23は、その断面形状が基部2
2よりも小径の半円形であり、その弦に相当する平面部
分が、軸方向に延びるにしたがって捩じれた回転案内面
24を形成している。
【0022】図4に示す回転案内面24は、回転駆動部
23の根本部分においては捩じれておらず、その先端部
近傍において徐々に捩じれが発生し、全体で約50度の
角度に捩じれている。回転案内面24の中央部には、軸
方向に沿った捩じれた溝25が設けられている。
【0023】図1〜図3に戻って、ピストン12には、
インナーロッド21の挿入が可能な挿入穴31と、挿入
穴31よりも開口側にあり且つ挿入穴31よりも径大の
リング嵌入穴32とが設けられている。リング嵌入穴3
2には、その内周面がインナーロッド21の回転駆動部
23の外周面と摺接し、インナーロッド21がその半径
方向に加わる応力によって曲がらないように案内する案
内リング35が圧入されている。
【0024】また、ピストン12には、ピストン12の
軸方向の移動に応じて回転案内面24に沿って移動し、
ピストン12を回転案内面24の捩れに応じて回転させ
るための円柱状の回転係合ピン41が設けられている。
【0025】回転係合ピン41は、案内リング35より
も開口側において、ピストン12に設けられた半径方向
の2つの穴45,45にわたって挿入されるとともに、
各穴45の外周側に設けられたネジ穴46にネジ込まれ
たセットネジ42,42によって抜け止めがなされてい
る。
【0026】この回転係合ピン41の存在によって、案
内リング35がリング嵌入穴32から抜け出て脱落する
のが防止されている。ピストン12の外周面には、シリ
ンダチューブ11の内周面との間を密封するためのOリ
ング51、及びシリンダチューブ11の内周面と摺動す
るための合成樹脂からなるウエアリング52が装着され
ている。
【0027】ウエアリング52は、穴45が形成されて
いる軸方向の位置においてピストン12の外周面に形成
された溝53に嵌まり込んでおり、これによって、穴4
5の開口部が覆われ、セットネジ42の脱落が防止され
ている。
【0028】ピストンロッド13には、その先端部に、
ボルト62によって押え板16を取り付けるためのネジ
穴65が設けられ、ネジ穴65と上述の挿入穴31との
間にはこれらを連通する空気抜き穴66が設けられてい
る。空気抜き穴66のネジ穴65に近い部分にはネジ穴
67が設けられ、そのネジ穴67にはロッド側室の空気
抜き用のネジ69がシール材68を挟んでネジ込まれて
いる。
【0029】なお、63は油圧シリンダ装置1を取り付
けるための穴、71〜73はパッキン、75,76はポ
ート、77はヘッド側室の空気抜き用のネジである。上
述の実施例の油圧シリンダ装置1は、ポート76から圧
油を供給することによってピストン12及びピストンロ
ッド13が図1の左方へ伸長移動するが、その際に、回
転係合ピン41が回転案内面24に沿って移動するの
で、ストロークの終わりに近づいたときにピストン12
が回転し、これによってピストンロッド13及び押え板
16が回転駆動する。
【0030】また、ポート75から圧油を供給すると、
ピストン12及びピストンロッド13が収縮移動し、そ
の際には押え板16が上述と逆方向に回転駆動する。ロ
ッド側室の空気抜きを行う場合には、油圧シリンダ装置
1をピストンロッド13の先端部を上方にして立てた状
態で、ボルト62を取り外し、空気抜き用のネジ69を
緩めればよい。
【0031】上述の実施例によると、案内リング35に
よってインナーロッド21が曲がらないように案内され
ており、そのためインナーロッド21の軸心がずれるこ
とがなく、ピストン12の回転角度が正確となる。
【0032】回転係合ピン41は、回転案内面24と摺
動してピストン12を回転駆動するとともに、案内リン
グ35の抜け止めにも兼用されており、これによって、
案内リング35の圧入が甘い場合であっても案内リング
35が脱落することが防止され、長時間にわたって安定
して使用可能である。
【0033】回転係合ピン41は、そいの両端部がピス
トン12によって支持されているから、曲げ応力などに
も強く、強力な回転力を得ることができ、回転案内面2
4の加工は比較的容易であるから高精度に仕上げること
ができる。
【0034】また、ウエアリング52によって、穴45
の開口部が覆われ、セットネジ42及び回転係合ピン4
1の脱落が防止されている。このように、本実施例の油
圧シリンダ装置1では、機能部品によって抜け止めが兼
用されており、簡単な構造であるにも係わらず動作が確
実でありまた故障が少ない。
【0035】上述の実施例においては、回転係合ピン4
1は、穴45に対して固定又は回転可能のいずれでもよ
く、またその軸方向に若干移動可能であってもよい。回
転係合ピン41としてニードルローラを用いてもよい。
回転係合ピン41を案内リング35から若干離したが、
これらを接触させてもよい。また、案内リング35を貫
通して回転係合ピン41を設けてもよい。案内リング3
5をリング嵌入穴32に圧入したが、これに代えてネジ
込むようにしてもよい。ウエアリング52は穴45の全
部を覆うようにしたが、その一部のみを覆ってもよい。
【0036】上述の実施例において、ヘッド側カバー1
5とシリンダチューブ11、及びピストン12とピスト
ンロッド13が、それぞれ一体になったものについて説
明したが、これらは別体でもよい。その他、インナーロ
ッド21、回転係合ピン41、ウエアリング52、又は
油圧シリンダ装置1の各部の構造、形状、材質などは、
上述した以外に種々変更することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明によると、強力な回転力を得るこ
とが可能であり、且つ回転位置決めの精度を向上させる
ことの可能な流体圧シリンダ装置を提供することができ
る。
【0038】請求項2の発明によると、長期間の使用に
よっても案内リングがピストンから脱落する恐れのない
流体圧シリンダ装置を提供することができる。請求項3
の発明によると、回転係合ピンの脱落が容易に防止さ
れ、流体圧シリンダ装置の構造をさらに簡単にすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油圧シリンダ装置の断面正面図で
ある。
【図2】油圧シリンダ装置の左側面図である。
【図3】図1の油圧シリンダ装置の IIIーIII 線矢視断
面側面図である。
【図4】本発明に係る油圧シリンダ装置のインナーロッ
ドの正面図である。
【図5】図4のインナーロッドのVーV線矢視断面図で
ある。
【符号の説明】
1 油圧シリンダ装置(流体圧シリンダ装置) 11 シリンダチューブ 12 ピストン 13 ピストンロッド 14 ロッド側カバー 15 ヘッド側カバー 21 インナーロッド 24 回転案内面 31 挿入穴 32 リング嵌入穴 35 案内リング 41 回転係合ピン 45 穴(半径方向の穴) 52 ウエアリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平1−97842(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F15B 15/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダチューブと、 前記シリンダチューブ内を摺動するピストンと、 前記シリンダチューブの両端を閉塞するロッド側カバー
    及びヘッド側カバーと、 前記ピストンと一体的に連結されて前記ロッド側カバー
    を貫通して外部に突出するピストンロッドとを有してな
    る流体圧シリンダ装置であって、 前記ヘッド側カバーには、軸方向内方へ突出し且つ軸方
    向に沿うにしたがって捩じれた回転案内面を有するイン
    ナーロッドが設けられており、 前記ピストンには、 前記インナーロッドの挿入が可能な挿入穴と、前記挿入
    穴よりも開口側にあり且つ前記挿入穴よりも径大のリン
    グ嵌入穴とが設けられ、 前記リング嵌入穴には、前記インナーロッドの外周面と
    摺接して当該インナーロッドを案内する案内リングが嵌
    入しており、 前記ピストンには、当該ピストンの軸方向の移動に応じ
    て前記回転案内面に沿って移動し、当該ピストンを当該
    回転案内面の捩れに応じて回転させるための回転係合ピ
    ンが、その両端部を当該ピストンにより支持されて設け
    られてなることを特徴とする流体圧シリンダ装置。
  2. 【請求項2】前記回転係合ピンは、前記案内リングの開
    口側への移動を係止する位置において前記ピストンに設
    けられてなることを特徴とする請求項1記載の流体圧シ
    リンダ装置。
  3. 【請求項3】前記回転係合ピンは、前記ピストンに設け
    られた半径方向の穴に挿入されており、 前記ピストンには、前記シリンダチューブの内周面と摺
    動するためのウエアリングが、前記穴の開口部を覆うよ
    うに設けられてなることを特徴とする請求項2記載の流
    体圧シリンダ装置。
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