JP2872735B2 - 湯葉入りすまし汁及びスープの製造方法 - Google Patents
湯葉入りすまし汁及びスープの製造方法Info
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- JP2872735B2 JP2872735B2 JP2071425A JP7142590A JP2872735B2 JP 2872735 B2 JP2872735 B2 JP 2872735B2 JP 2071425 A JP2071425 A JP 2071425A JP 7142590 A JP7142590 A JP 7142590A JP 2872735 B2 JP2872735 B2 JP 2872735B2
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- soup
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、生湯葉を利用したスープやすまし汁などの
製造方法に関するものである。
製造方法に関するものである。
[従来の技術] 豆乳を加熱した時、液面に生成する被膜から作られる
湯葉は伝統的な食品であり、良質の蛋白質と脂質に富む
ことから、近年健康食品として注目されている。これを
すまし汁やスープ(以下スープ類と呼ぶことがある)に
加えれば、美味で栄養価の高い食品が得られる。
湯葉は伝統的な食品であり、良質の蛋白質と脂質に富む
ことから、近年健康食品として注目されている。これを
すまし汁やスープ(以下スープ類と呼ぶことがある)に
加えれば、美味で栄養価の高い食品が得られる。
しかし生湯葉は保存性が悪いために、冷凍保存しなけ
れば生湯葉の品質を長期間保つことができないので、一
般に乾燥湯葉として保存販売されている。しかし、乾燥
湯葉は脆くて壊れやすい上に湯戻し等の手間が掛かって
いた。
れば生湯葉の品質を長期間保つことができないので、一
般に乾燥湯葉として保存販売されている。しかし、乾燥
湯葉は脆くて壊れやすい上に湯戻し等の手間が掛かって
いた。
[発明が解決しようとする課題] そこで湯葉を入れたスープ類を殺菌し、レトルト食品
とすれば、長期間保存ができ、しかも簡便な調理法で食
するこどができる。
とすれば、長期間保存ができ、しかも簡便な調理法で食
するこどができる。
しかし生湯葉を加えたレトルト食品を製造する場合に
も次のような問題がある。すなわち生湯葉を熱水中で長
時間加熱すると非常に柔らかくなって溶解しやすくな
り、レトルト処理の場合は完全に溶解し、液が白濁す
る。
も次のような問題がある。すなわち生湯葉を熱水中で長
時間加熱すると非常に柔らかくなって溶解しやすくな
り、レトルト処理の場合は完全に溶解し、液が白濁す
る。
本発明者らは以上の欠点を解決し、生湯葉の品質、味
を失わず、すまし汁やスープにした時にも濁りのないレ
トルト食品を得るための方法について検討した結果、生
湯葉を予め食塩水溶液で加熱処理することにより、湯葉
の被膜が変性し、スープ類に添加してレトルト処理して
も濁りが生ぜず、商品価値の高いレトルト食品が得られ
ることを見出し、本発明に到達した。
を失わず、すまし汁やスープにした時にも濁りのないレ
トルト食品を得るための方法について検討した結果、生
湯葉を予め食塩水溶液で加熱処理することにより、湯葉
の被膜が変性し、スープ類に添加してレトルト処理して
も濁りが生ぜず、商品価値の高いレトルト食品が得られ
ることを見出し、本発明に到達した。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明は生湯葉を予め食塩水溶液で加熱処理
した後、すまし汁またはスープに加え殺菌し、レトルト
食品とすることを特徴とする、生湯葉入りすまし汁及び
スープの製造方法である。
した後、すまし汁またはスープに加え殺菌し、レトルト
食品とすることを特徴とする、生湯葉入りすまし汁及び
スープの製造方法である。
本発明において生湯葉を処理するための食塩水の濃度
は0.8〜2.0重量%が好ましい。0.8重量%より低濃度で
は、レトルト処理の際の食塩濃度によっては、濁りが生
ずる恐れがある。また2.0重量%より高濃度にしても、
同様に濁りが生ずる傾向が認められる。
は0.8〜2.0重量%が好ましい。0.8重量%より低濃度で
は、レトルト処理の際の食塩濃度によっては、濁りが生
ずる恐れがある。また2.0重量%より高濃度にしても、
同様に濁りが生ずる傾向が認められる。
加熱温度は70℃〜90℃が好ましい。70℃以下では濁り
が生じやすく、90℃以上では対流により湯葉が撹拌さ
れ、崩れやすくなる。また加熱時間は1〜3分間が好ま
しい。
が生じやすく、90℃以上では対流により湯葉が撹拌さ
れ、崩れやすくなる。また加熱時間は1〜3分間が好ま
しい。
湯葉膜は表の緻密な組織(HTL:high textured laye
r)と裏側の疎な組織(LTL:low textured layer)から
成っている。この組織の生成状態を時間経過を追って観
察すると、HTLは始めの20分間ぐらいは漸次厚くなって
いくが、約20ミクロンの厚さで留まり、後はLTLだけが
肥大していくことが知られている(岡本奨、渡辺研:日
本食品工業学会誌、Vol.22、p325〜330(1975))。
r)と裏側の疎な組織(LTL:low textured layer)から
成っている。この組織の生成状態を時間経過を追って観
察すると、HTLは始めの20分間ぐらいは漸次厚くなって
いくが、約20ミクロンの厚さで留まり、後はLTLだけが
肥大していくことが知られている(岡本奨、渡辺研:日
本食品工業学会誌、Vol.22、p325〜330(1975))。
本発明者らはこのような生湯葉を食塩溶液で予め加熱
処理すると、LTLがしっかりした被膜に変わり、水に戻
した場合にも湯葉の膜が劣化しにくく、膜蛋白質の溶解
も低く抑えることができることを見出した。本発明はこ
の知見に基づいてなされたものである。
処理すると、LTLがしっかりした被膜に変わり、水に戻
した場合にも湯葉の膜が劣化しにくく、膜蛋白質の溶解
も低く抑えることができることを見出した。本発明はこ
の知見に基づいてなされたものである。
食塩水溶液で加熱処理後の生湯葉は適当に水切りりし
た後、すまし汁またはスープに加える。スープ類は和
風、洋風、中華風等、いずれのものでも使用できる。つ
いでこれをレトルト容器に充填し、殺菌する。レトルト
容器はスタンディングパウチ等公知のものを使用でき
る。殺菌方法は通常110℃〜121℃、10分〜35分程度が適
当である。
た後、すまし汁またはスープに加える。スープ類は和
風、洋風、中華風等、いずれのものでも使用できる。つ
いでこれをレトルト容器に充填し、殺菌する。レトルト
容器はスタンディングパウチ等公知のものを使用でき
る。殺菌方法は通常110℃〜121℃、10分〜35分程度が適
当である。
[実施例] 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 1.5重量%の食塩水溶液で生湯葉を80℃1分間加熱処
理した後、各種食塩濃度で120℃10分間のレトルト殺菌
を行ない、レトルト処理前と処理後の食塩水溶液の660n
mにおける吸光度を測定し、生湯葉の溶出による濁りの
程度を評価した。結果を第1表に示す。
理した後、各種食塩濃度で120℃10分間のレトルト殺菌
を行ない、レトルト処理前と処理後の食塩水溶液の660n
mにおける吸光度を測定し、生湯葉の溶出による濁りの
程度を評価した。結果を第1表に示す。
比較例1 食塩水溶液による加熱処理を行なわない生湯葉をその
まま、実施例1と同様に各種食塩濃度で120℃、10分間
レトルト処理し、生湯葉のレトルト処理前後の660nmに
おける吸光度を測定した。結果を第2表に示す。
まま、実施例1と同様に各種食塩濃度で120℃、10分間
レトルト処理し、生湯葉のレトルト処理前後の660nmに
おける吸光度を測定した。結果を第2表に示す。
第1表および第2表の結果から明らかなように、食塩
水溶液による加熱処理を行なわない場合は、特に0.3%
以下の食塩濃度で加熱処理した際に、湯葉膜が劣化し、
濁りがでる現象が顕著であるのに対し、1.5%の食塩溶
液で生湯葉を前処理することにより、0.3%の食塩溶液
中でも比較的に濁りの少ない溶液を得る事ができた。
水溶液による加熱処理を行なわない場合は、特に0.3%
以下の食塩濃度で加熱処理した際に、湯葉膜が劣化し、
濁りがでる現象が顕著であるのに対し、1.5%の食塩溶
液で生湯葉を前処理することにより、0.3%の食塩溶液
中でも比較的に濁りの少ない溶液を得る事ができた。
このように1.5重量%の食塩水溶液で予め浸漬加熱処
理した生湯葉を、和風すまし汁やスープに加え殺菌する
と、膜の劣化を長期的に抑制することができる。特にレ
トルト処理における食塩濃度が低い場合に本発明の食塩
水溶液による加熱前処理の効果が顕著である。元来湯葉
入りのスープ類は淡泊な味が好まれており、しかも最近
は健康維持のため、スープ類の減塩が奨励されている傾
向を考慮すると、本発明方法は湯葉入りのスープ類の製
造方法としてはきわめて価値の大きいものである。
理した生湯葉を、和風すまし汁やスープに加え殺菌する
と、膜の劣化を長期的に抑制することができる。特にレ
トルト処理における食塩濃度が低い場合に本発明の食塩
水溶液による加熱前処理の効果が顕著である。元来湯葉
入りのスープ類は淡泊な味が好まれており、しかも最近
は健康維持のため、スープ類の減塩が奨励されている傾
向を考慮すると、本発明方法は湯葉入りのスープ類の製
造方法としてはきわめて価値の大きいものである。
実施例2 1.5%食塩溶液200mlをボイルしながら短冊状に加工し
た生湯葉6gを混合し、1分間加熱処理した。この加熱処
理の生湯葉を水切りした後に、以下の組成の原料に混ぜ
合わせ、レトルト容器(藤森工業製)に充填し、120℃
で25分間加熱殺菌した。室温で2週間放置した後に、開
封し食したところ、製造直後のものと変わらない湯葉の
形態と食感が得られた。
た生湯葉6gを混合し、1分間加熱処理した。この加熱処
理の生湯葉を水切りした後に、以下の組成の原料に混ぜ
合わせ、レトルト容器(藤森工業製)に充填し、120℃
で25分間加熱殺菌した。室温で2週間放置した後に、開
封し食したところ、製造直後のものと変わらない湯葉の
形態と食感が得られた。
(和風すまし汁) 鰹調味料7.5g、昆布調味料5g、淡口醤油9.7g、食塩6.
3g、水1000ml 実施例3 1.5%食塩溶液200mlをボイルしながら短冊状に加工し
た生湯葉6gを混合し、1分間加熱した。この加熱処理の
生湯葉を水切りした後に、以下の組成の原料に混ぜ合わ
せ、レトルト容器(藤森工業製)に充填し、120℃で15
分間加熱殺菌した。
3g、水1000ml 実施例3 1.5%食塩溶液200mlをボイルしながら短冊状に加工し
た生湯葉6gを混合し、1分間加熱した。この加熱処理の
生湯葉を水切りした後に、以下の組成の原料に混ぜ合わ
せ、レトルト容器(藤森工業製)に充填し、120℃で15
分間加熱殺菌した。
室温で4週間放置した後に、開封し食したところ、製
造直後のものと変わらない湯葉の形態と食感が得られ
た。
造直後のものと変わらない湯葉の形態と食感が得られ
た。
(中華風コンソメスープ) 中華風ブイヨン10g、ガラスープ10g、酒11g、胡麻油
4.4g、食塩6.7g、コショウ0.1g、グルタミン酸ソーダ2.
8g、水1000ml [発明の効果」 本発明によれば、生湯葉を予め食塩水溶液で加熱処理
することにより、スープ類に添加してレトルト処理して
も濁りの生じない、商品価値の高い湯葉入りスープ類の
レトルト食品が得られ、特に食塩濃度の低いスープ類の
製造方法としてきわめて有用である。
4.4g、食塩6.7g、コショウ0.1g、グルタミン酸ソーダ2.
8g、水1000ml [発明の効果」 本発明によれば、生湯葉を予め食塩水溶液で加熱処理
することにより、スープ類に添加してレトルト処理して
も濁りの生じない、商品価値の高い湯葉入りスープ類の
レトルト食品が得られ、特に食塩濃度の低いスープ類の
製造方法としてきわめて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/39 A23L 1/20
Claims (1)
- 【請求項1】生湯葉を予め食塩水溶液で加熱処理した
後、すまし汁またはスープに加え殺菌し、レトルト食品
とすることを特徴とする、生湯葉入りすまし汁及びスー
プの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2071425A JP2872735B2 (ja) | 1990-03-20 | 1990-03-20 | 湯葉入りすまし汁及びスープの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2071425A JP2872735B2 (ja) | 1990-03-20 | 1990-03-20 | 湯葉入りすまし汁及びスープの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03272666A JPH03272666A (ja) | 1991-12-04 |
JP2872735B2 true JP2872735B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=13460145
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2071425A Expired - Lifetime JP2872735B2 (ja) | 1990-03-20 | 1990-03-20 | 湯葉入りすまし汁及びスープの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2872735B2 (ja) |
-
1990
- 1990-03-20 JP JP2071425A patent/JP2872735B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03272666A (ja) | 1991-12-04 |
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