JP2871362B2 - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JP2871362B2
JP2871362B2 JP4325659A JP32565992A JP2871362B2 JP 2871362 B2 JP2871362 B2 JP 2871362B2 JP 4325659 A JP4325659 A JP 4325659A JP 32565992 A JP32565992 A JP 32565992A JP 2871362 B2 JP2871362 B2 JP 2871362B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録体に関し、特に
記録像の保存安定性、及び太陽光等の光に曝されても極
めて長期にわたって地肌の黄変を来さない耐光性に優れ
た感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】無色ないしは淡色の塩基性染料と有機ま
たは無機の呈色剤との呈色反応を利用し、熱により両発
色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体
はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価で
あり、また記録機器がコンパクトで、且つその保守も容
易なため、ファクシミリや各種計算機等の記録媒体とし
てのみならず巾広い分野において使用されている。
【0003】例えばその利用分野の1つとして、小売店
等のPOS(point of sales) システム用の感熱記録ラ
ベルが挙げられるが、同システム化の拡大に伴って、従
来のように短期間でその使命を終える食品用ラベルとは
別に長期間にわたって商品に添付され使用される用途が
増大している。しかし、このような用途では水、ラップ
類、油などに触れることが多く、また長期にわたって室
内光や太陽光に曝されることが多く、その影響で感熱ラ
ベルの記録像(印字)が褪色したり地肌部が黄変する欠
陥が認められ、結果的に商品イメージをも著しく損なっ
てしまう。このため、感熱記録体には耐水性、耐可塑剤
性、耐油性、耐光性等に対する保存性を備えることが強
く要請されている。しかし、一般的に感熱記録体に用い
られている塩基性染料は太陽光等の光に曝されると着色
し、記録体が黄変してしまうと言う欠点がある。また、
このような欠点を改良するために耐光性に優れた塩基性
染料についての報告も多数あり、例えば、特開平4−1
89179、特開平4−189180等のように、特定
の置換基を有する染料を用いることで耐光性が改善され
るという報告がある。これらの染料は耐光性には優れる
ものの、温度、湿度、または、可塑剤、油脂類に対する
保存性が不充分な物が多い。また、耐光性についても充
分であるとは言えず、必ずしも満足な効果が得られてい
ない。
【0004】また、感熱記録体の地肌部の光による黄変
化を防止する目的で、微粉砕した紫外線吸収剤を感熱記
録層中や保護層中に添加する方法が提案されているが、
微粉砕した紫外線吸収剤では紫外線の吸収効率が悪いた
めか少量の使用では充分な効果が得られず、一方、感熱
記録層中に多量に使用すると地肌カブリを生じたり、或
いは記録濃度が低下する等の新たな欠点を生じてしま
う。また、保護層中に微粉砕した紫外線吸収剤を添加す
ると、紫外線吸収剤が可塑剤や油脂類等の影響で溶出し
て保護層の機能を損ない、結果として記録像の保存性が
低下するため、より一層の改良が強く要請されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、温湿
度等の影響による地肌かぶりが少なく、かつ油脂類や溶
剤あるいは可塑剤等の薬品に対する記録像の保存性に優
れ、しかも長期にわたる光暴露にも地肌部の黄変が極め
て少ない感熱記録体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、支持体上
に、無色ないし淡色の塩基性染料と顕色剤を含有した感
熱記録層、及び保護層を順次設けた感熱記録体におい
て、記録層中に〔化1〕で表される塩基性染料を含有
せ、且つ保護層中に紫外線吸収剤として2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′−ドデシル−5′−メチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾールを内包、実質的に発色能のないマイク
ロカプセルを含有させることにより、上記の課題が解決
されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【化1】 〔式中、R1 、R2 は炭素数1〜6のアルキル基、シク
ロヘキシル基、エトキシプロピル基、テトラヒドロフル
フリル基を示し、R1 、R2 は同一または異種でもよ
い。〕
【0008】
【作用】本発明は、感熱記録層中に特定の塩基性染料を
用い、且つ保護層中に紫外線吸収剤を内包し、実質的に
発色能のないマイクロカプセルを含有させることに重大
な特徴を有するものである。なお、塩基性染料と紫外線
吸収剤を共に内包せしめたマイクロカプセルを用いた感
熱記録体や感圧記録体は種々提案されているが、これら
のマイクロカプセルは塩基性染料をも内包しているた
め、光の照射量の増加と共に着色現象を生じるばかりか
長期にわたって充分な耐光性改良の効果を発揮しえない
ものである。一般式〔化1〕で表される塩基性染料の具
体例としては、例えば3−ジエチルアミノ−7−(m−
トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ(n
−ブチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリ
ノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−7−(m−トリ
フルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチ
ル−N−イソアミル)アミノ−7−(p−トリフルオロ
メチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−
イソブチル)アミノ−7−(p−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−フルフリ
ル)アミノ−7−(p−トリフルオロメチルアニリノ)
フルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシプロピ
ル)アミノ−7−(o−トリフルオロメチルアニリノ)
フルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)
アミノ−7−(o−トリフルオロメチルアニリノ)フル
オラン、3−(N−エチル−N−イソブチル)アミノ−
7−(o−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン等
が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではな
く、また必要に応じて2種以上を同時に併用することも
できる。これらの中でも3−ジエチルアミノ−7−(m
−トリフルオロメチルアニリノ)フルオランは、特に耐
光性および地肌かぶりに優れているため、好ましい。
【0009】本発明は、感熱記録層中に〔化1〕で表さ
れるの塩基性染料を用いることに特徴を有するものであ
るが、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種公知の無
色ないしは淡色の塩基性染料と併用しても良い。具体的
には、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチ
ルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチル
アミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−
ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ〔a〕
フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トリル)アミ
ノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−ジベンジルアミノフルオラン、3,6−ビス(ジ
エチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム、3
−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−(N
−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−
アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘ
キシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフ
ルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミ
ノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラ
ン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロフ
ェニルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−
(o−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジ
(n−ブチル)アミノ−7−(o−フルオロフェニルア
ミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−
トルイジノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−フル
フリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフ
ルオラン、3−(N−メチル−N−n−プロピルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−
ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメ
チルアミノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド、3,3−ビス〔1−
(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェ
ニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラ
クロロフタリド、3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピ
ロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,
6,7−テトラブロモフタリド、3−p−(p−アニリ
ノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオ
ラン、2,2−ビス{4−〔6′−(N−シクロヘキシ
ル−N−メチルアミノ)−3′−メチルスピロ〔フタリ
ド−3,9′−キサンテン−2′−イルアミノ〕フェニ
ル}プロパン、3,6,−ビス(ジメチルアミノ)フル
オレン−9−スピロ−3′−(6′−ジメチルアミノ)
フタリド等が挙げられる。勿論、これらに限定されるも
のではなく、また必要に応じて2種以上を同時に併用す
ることもできる。これらの塩基性染料を併用する際は、
本発明の塩基性染料が全塩基性染料中の50%以上、好
ましくは60%以上となるように使用することが好まし
い。
【0010】上記の如き塩基性染料と組み合わせて使用
される呈色剤についても各種の材料が公知であり、例え
ば下記が例示される。活性白土、アタパルジャイト、コ
ロイダルシリカ、珪酸アルミニウム等の無機酸性物質、
4−tert−ブチルフェノール、4−ヒドロキシジフェノ
キシド、α−ナフトール、β−ナフトール、4−ヒドロ
キシアセトフェノール、4−tert−オクチルカテコー
ル、2,2′−ジヒドロキシジフェノール、4,4′−
イソプロピリデンビス(2−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4′−sec −ブチリデンジフェノール、4−
フェニルフェノール、4,4′−イソプロピリデンジフ
ェノール(ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2′−
メチレンビス(4−クロルフェノール)、ハイドロキノ
ン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、
ヒドロキノンモノベンジルエーテル、4−ヒドロキシベ
ンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,
2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4
−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香
酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒド
ロキシ安息香酸−sec −ブチル、4−ヒドロキシ安息香
酸ペンチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニル、4−ヒ
ドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸ト
リル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニル、4−ヒ
ドロキシ安息香酸フェニルプロピル、4−ヒドロキシ安
息香酸フェネチル、4−ヒドロキシ安息香酸−p−クロ
ロベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸−p−メトキシベ
ンジル、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合
体等のフェノール性化合物、安息香酸、p−tert−ブチ
ル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル酸、3−
sec −ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−シクロヘ
キシル−4−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメチル−
4−ヒドロキシ安息香酸等の芳香族カルボン酸、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(3−ア
リル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロ
キシ−4′−メチルジフェニルスルホン、3,4−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−
4′−メチルジフェニルスルホン等の4−ヒドロキシジ
フェニルスルホン誘導体、ビス(3−tert−ブチル−4
−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)スルフィド、ビス
(2−メチル−4−ヒドロキシ−6−tert−ブチルフェ
ニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)スルフィド等のスルフィド誘導体、さらには
これらフェノ−ル性化合物、4−〔2−(p−メトキシ
フェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸、4−〔3−
(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル
酸、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキ
シ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸、及びこ
れら芳香族カルボン酸等と例えば亜鉛、マグネシウム、
アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガン、スズ、
ニッケル等の多価金属との塩、さらにはチオシアン酸亜
鉛のアンチピリン錯体等の有機酸性物質等が例示され
る。これらの中でも4−ヒドロキシ4′−イソプロピ
ルオキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホン、または4,4′−シクロヘキシ
リデンジフェノールは耐光性及び保存性の両面からみて
特に優れており、好ましく用いられる。塩基性染料と呈
色剤との使用比率は、用いる塩基性染料や呈色剤の種類
に応じて適宜選択されるものであり、特に限定するもの
ではないが、一般に塩基性染料1重量部に対して1〜5
0重量部、好ましくは2〜10重量部程度の呈色剤が使
用される。本発明における塩基性染料と呈色剤を含む感
熱記録層用塗料は、一般に水を分散媒体とし、ボールミ
ル、アトライター、サンドミルなどの攪拌・粉砕機によ
り一緒に又は別々に分散するなどして調製される。
【0011】塗液中には通常バインダーとして、デンプ
ン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイ
ン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ
変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリ
ビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジ
イソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・
無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重
合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・
ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等の少なくとも一
種が、記録層の全固形分に対して5〜40重量%、好ま
しくは15〜30重量%程度の範囲で配合される。
【0012】また、塗液中には必要に応じて各種の助剤
を添加することができ、例えばジオクチルスルホコハク
酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪
酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パ
ラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、
消泡剤、蛍光染料、着色染料等が適宜添加される。更
に、本発明の紫外線吸収剤を内包するマイクロカプセル
を記録層用塗液中にも配合し、一層耐光性を高めること
もできる。
【0013】塗液中には各種顔料を併用することも可能
であり、例えばカオリン、クレー、炭酸カルシウム、焼
成クレー、焼成カオリン、酸化チタン、珪藻土、微粒子
状無水シリカ、活性白土等の無機顔料やスチレンマイク
ロボール、ナイロンパウダー、ポリエチレンパウダー、
尿素・ホルマリン樹脂フィラー、生デンプン粒子等の有
機顔料等が挙げられる。
【0014】更に、目的に応じて増感剤を併用すること
もできる。増感剤の具体例としては例えばステアリン酸
アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズ
アミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイ
コサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベヘ
ン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−メ
チロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジ
ル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、
p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエー
テル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ
酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロ
ロベンジル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニ
ルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エー
テル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、
1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−
ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4
−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエ
タン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メ
チルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベン
ジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p
−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−ア
セトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエ
トキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベ
ンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタ
ン等が例示される。これらの増感剤の使用量は特に限定
されないが、一般に呈色剤1重量部に対して4重量部以
下程度の範囲で調節するのが望ましい。
【0015】また、効果を損なわない限り目的に応じて
記録像の保存性を更に高めるために、保存性改良剤を併
用することもできる。かかる保存性改良剤の具体例とし
ては、例えば2,2′−メチレンビス(4−メチル−6
−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチレンビス
(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)2,2′
−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−
ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス(4,
6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチリ
デンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、2,2′−エチリデンビス(4−エチル−6−te
rt−ブチルフェノール)、2,2′−(2,2−プロピ
リデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル)、2,2′−メチレンビス(4−メトキシ−6−te
rt−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6
−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3
−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−
チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4′−チオビス(5−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)、4,4′−チオビス(2−クロロ−
6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス
(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,
4′−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル
−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタ
ン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ
−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4′−チオ
ビス(3−メチルフェノール)、4,4′−ジヒドロキ
シ−3,3′,5,5′−テトラブロモジフェニルスル
ホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−
テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノ
ール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、
4,4′−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、テ
レフタル酸ジグルシジル、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂等のエポキシ化合物、1−〔α−メチル−α−
(4′−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α′,
α′−ビス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベン
ゼン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジ
アミン、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−
ブチルフェニル)リン酸ソーダ等が挙げられる。
【0016】記録層の塗布方法は特に限定されるもので
はなく、支持体上に従来から周知慣用の技術に従って形
成することができ、例えばバーコーティング、エアーナ
イフコーティング、ロッドブレードコーティング、ピュ
アーブレードコーティング、ショートドゥエルコーティ
ング、バリバーブレードコーティング、カーテンコーテ
ィング、ダイコーティング等により塗液を塗布・乾燥す
る方法等によって形成される。また塗液の塗布量につい
ても特に限定されるものではないが、通常乾燥重量で2
〜12g/m2 、好ましくは3〜10g/m2 程度の範
囲である。本発明は、かくして得られた感熱記録層上
に、紫外線吸収剤を内包し且つ実質的に発色能のないマ
イクロカプセルを含有する保護層を設けるものである。
水を媒体として紫外線吸収剤を含む塗液は、各種基材へ
の塗布が容易になされるが、水不溶性の紫外線吸収剤は
微粉砕加工された水分散液の状態で用いるため紫外線吸
収効率が悪いだけでなく、保護層より下層に位置する感
熱記録層に形成される発色像を隠蔽するという問題が生
じてくるが、紫外線吸収剤をマイクロカプセル化するこ
とにより、記録層表面に対する隠蔽性や、紫外線吸収効
率が改善されるものである。
【0017】本発明で使用する紫外線吸収剤の具体例と
しては、例えば下記が挙げられる。フェニルサリシレー
ト、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オク
チルフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収
剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−
4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒ
ドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−ヒド
ロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル
−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert
−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロ
キシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロ
フタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル〕ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−
オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−
ヒドロキシ−3′,5′−ビス(α,α−ジメチルベン
ジル)フェニル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ
−3′−ウンデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシ
ル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−トリデシル−5′−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−3′−テトラデシル−5′−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ペン
タデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ヘキサデシル−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エチルヘキシル)
オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒ
ドロキシ−4′−(2″−エチルヘプチル)オキシフェ
ニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−
4′−(2″−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベン
ゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−
(2″−プロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾト
リアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−
プロピルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾー
ル、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピル
ヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−
〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−エチルヘキシル)
オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒ
ドロキシ−4′−(1″−エチルヘプチル)オキシフェ
ニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−
4′−(1″−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベン
ゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−
(1″−プロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾト
リアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−
プロピルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾー
ル、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピル
ヘキシル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、ポリ
エチレングリコール(分子量約300)とメチル−3−
〔3−tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール
−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネー
トとの縮合物等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
2′−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニ
ルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェ
ニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収
剤、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−2−
n−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)エステル等のヒンダード
アミン系紫外線吸収剤等。勿論、これらに限られるもの
ではなく、また必要に応じて二種以上を併用することも
できる。なお、本発明の感熱記録体では、紫外線吸収剤
をマイクロカプセルに内包して使用するため、従来、地
肌カブリや保存性の面で使用が困難であった低融点の紫
外線吸収剤や、常温で液体の紫外線吸収剤なども使用可
能であり、その選択の幅が大きく広げられるものであ
る。これらの紫外線吸収剤のうちでもベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤が好ましく、特に2−(2′−ヒドロ
キシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ
−4′−(2″−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベ
ンゾトリアゾール、ポリエチレングリコール(分子量約
300)とメチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
フェニル〕プロピオネートとの縮合物、なかでも2−
(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ
−4′−(2″−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベ
ンゾトリアゾール、ポリエチレングリコール(分子量約
300)とメチル−3−〔3−tert−ブチル−5−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
フェニル〕プロピオネートとの縮合物の如き常温で液体
のベンゾトリアゾール誘導体は、とりわけ顕著な耐光性
改良効果を発揮するためより好ましく用いられる。
【0018】紫外線吸収剤の使用量については特に限定
するものではないが、感熱記録体の保護層中に0.1〜
3.0g/m2 存在させるのが好ましく、より好ましく
は0.2〜2.0g/m2 の範囲である。紫外線吸収剤
が0.1g/m2 未満になると紫外線吸収効果は低くな
る。また、3.0g/m2 以上になると記録した情報や
イメージが隠蔽されやすくなる。
【0019】本発明で用いるマイクロカプセルは、各種
公知の方法で調製することができ、一般には上記の如き
常温で固体ないし液体の紫外線吸収剤を必要に応じて有
機溶剤に溶解して得た芯物質を水性媒体中に乳化分散
し、油性液滴の周りに高分子物質からなる壁膜を形成す
る方法によって調製される。マイクロカプセルの壁膜と
なる高分子物質の具体例としては、例えばポリウレタン
樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノアルデヒド樹脂、
メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリレ
ート共重合体樹脂、スチレン−メタクリレート共重合体
樹脂、ゼラチン、ポリビニルアルコール等が挙げられ
る。これらのうちでも、特にポリウレタン・ポリウレア
樹脂あるいはアミノアルデヒド樹脂からなる壁膜を有す
るマイクロカプセルは、耐熱性に優れるため、サーマル
ヘッドへのステッキングを防止する目的で保護層中に添
加される無機顔料の機能をも果たすという優れた付随効
果を発揮し、しかも、他の壁膜からなるマイクロカプセ
ルや通常の顔料に比較して屈折率が低く、かつ形状が球
形であるため、保護層中に多量に配合しても光の乱反射
に起因する記録像の濃度低下(所謂、白化現象)を招く
恐れがないため好ましく用いられる。
【0020】ポリウレタン・ポリウレア樹脂からなる壁
膜を有するマイクロカプセルは、多価イソシアネート及
びこれと反応するポリオール、或いは多価イソシアネー
トとポリオールとの付加物等のカプセル壁膜材をカプセ
ル化すべき芯物質中に混合し、ポリビニルアルコール等
の保護コロイド物質を溶解した水性媒体中に乳化分散
し、液温を上昇させて油滴界面で高分子形成反応を起こ
すことによって製造される。
【0021】多価イソシアネート化合物としては、例え
ばm−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジ
イソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,
4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−
ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタ
ン−4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4
−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジ
イソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジ
イソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネー
ト、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シ
クロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソ
シアネート類、4,4′,4″−トリフェニルメタント
リイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシ
アネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチ
ルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソ
シアネート等のテトライソシアネート類、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの付加
物、2,4−トリレンジイソシアネートとトリメチロー
ルプロパンとの付加物、キシリレンジイソシアネートと
トリメチロールプロパンとの付加物、トリレジンイソシ
アネートとヘキサントリオールとの付加物等のイソシア
ネートプレポリマー等が挙げられる。
【0022】またポリオール化合物としては、例えばエ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,
8−オクタンジオール、プロピレングリコール、2,3
−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシブタン、
1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,
3−プロパノンジオール、2,4−ペンタンジオール、
2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、
ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、
1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、フェニルエチレ
ングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン、
ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリ
ン等の脂肪族ポリオール、1,4−ジ(2−ヒドロキシ
エトキシ)ベンゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエト
キシ)ベンゼン等の芳香族多価アルコールとアルキレン
オキサイドとの縮合生成物、p−キシリレングリコー
ル、m−キシリレングリコール、α,α′−ジヒドロキ
シ−p−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジヒドロ
キシジフェニルメタン、2−(p,p′−ジヒドロキシ
ジフェニルメチル)ベンジルアルコール、4,4′−イ
ソプロピリデンジフェノール、4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ルスルフィド、4,4′−イソプロピリデンジフェノー
ルのエチレンオキサイド付加物、4,4′−イソプロピ
リデンジフェノールのプロピレンオキサイド付加物等が
挙げられる。
【0023】勿論、多価イソシアネート化合物及びポリ
オール化合物としては、上記化合物に限定されるもので
はなく、また、必要に応じて二種以上を併用することも
可能である。なお、本発明で使用する多価イソシアネー
ト化合物、又は、多価イソシアネート化合物とポリオー
ル化合物との付加物のうちでも、分子中にイソシアネー
ト基を三個以上有するものが特に好ましい。また、光に
よる着色の面からキシリレンジイソシアネート誘導体と
ヘキサメチレンジイソシアメート誘導体が好ましく用い
られる。さらに、25℃でのB型粘度計の値が1000
cps以下のヘキサメチレンジイソシアネート誘導体は
他の芯物質との相溶性が良く、そのため強度の強いマイ
クロカプセルが得やすい上に、芯物質の粘度が下がるた
め細かく、均一な粒子径のマイクロカプセルが得やすい
ため好ましい。特に、イソシアネレート型ヘキサメチレ
ンジイソシアネート誘導体は紫外線吸収剤との相溶性に
も優れているので特に好ましく用いられる。
【0024】アミノアルデヒド樹脂からなる壁膜を有す
るマイクロカプセルは、芯物質乳化後に壁膜材を添加す
る処方で製造されるため、乳化物の粒径に左右されずに
壁膜の厚さをコントロール出来るメリットも発揮する。
アミノアルデヒド樹脂壁膜を有するカプセルは、一般
に、尿素、チオ尿素、アルキル尿素、エチレン尿素、ア
セトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、グアニ
ジン、ビウレット、シアナミド等の少なくとも一種のア
ミン類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラ
ホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、グルタ
ールアルデヒド、グリオキサール、フルフラール等の少
なくとも一種のアルデヒド類あるいはそれらを縮合して
得られる初期縮合物等を使用したin- situ重合法によっ
て製造される。
【0025】マイクロカプセル化に際して用いられる乳
化剤(保護コロイド剤)としては、各種のアニオン、ノ
ニオン、カチオン又は両性水溶性高分子化合物等が使用
される。アニオン性高分子化合物としては、例えば−C
OO- 、−SO3- 、−OPO3 2- 基等を有するアラビ
アゴム、カラジーナン、アルギン酸ソーダ、ペクチン
酸、トラガカントガム、アーモンドガム、寒天等の天然
高分子化合物、カルボキシメチルセルロース、硫酸化セ
ルロース、硫酸化メチルセルロース、カルボキシメチル
化澱粉、リン酸化澱粉、リグニンスルホン酸等の半合成
高分子化合物、無水マレイン酸(加水分解したものも含
む)共重合体、アクリル酸、メタクリル酸あるいはクロ
トン酸の重合体及び共重合体、ビニルベンゼンスルホン
酸あるいは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸の重合体及び共重合体、及びこれらの重合体ま
たは共重合体の部分アミド誘導体または部分エステル化
物、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、スルホン酸
変性ポリビニルアルコール、リン酸変性ポリビニルアル
コール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール
(アセトアセチル基変性部分鹸化ポリビニルアルコール
を含む)等の合成高分子化合物等が挙げられる。
【0026】更に具体的には、無水マレイン酸(加水分
解したものも含む)共重合体としては、メチルビニルエ
ーテル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−無水マレ
イン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
α−メチルスチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビ
ニル−無水マレイン酸共重合体、メタクリルアミド−無
水マレイン酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸
共重合体等が挙げられ、アクリル酸共重合体、メタクリ
ル酸共重合体あるいはクロトン酸共重合体としては、ア
クリル酸メチル−アクリル酸共重合体(以下“共重合
体”は略す)、アクリル酸エチル−アクリル酸、アクリ
ル酸メチル−メタクリル酸、メタクリル酸メチル−アク
リル酸、メタクリル酸メチル−メタクリル酸、アクリル
酸メチル−アクリルアミド−アクリル酸、アクリロニト
リル−アクリル酸、アクリロニトリル−メタクリル酸、
ヒドロキシエチルアクリレート−アクリル酸、ヒドロキ
シエチルメタクリレート−メタクリル酸、酢酸ビニル−
アクリル酸、酢酸ビニル−メタクリル酸、アクリルアミ
ド−アクリル酸、アクリルアミド−メタクリル酸、メタ
クリルアミド−アクリル酸、メタクリルアミド−メタク
リル酸、酢酸ビニル−クロトン酸等の共重合体が挙げら
れ、ビニルベンゼンスルホン酸あるいは2−アクリルア
ミド−2−メチル−プロパンスルホン酸共重合体として
は、アクリル酸メチル−ビニルベンゼンスルホン酸(又
はその塩)共重合体、酢酸ビニル−ビニルベンゼンスル
ホン酸共重合体、アクリルアミド−ビニルベンゼンスル
ホン酸共重合体、アクリロイルモルホリン−ビニルベン
ゼンスルホン酸共重合体、ビニルピロリドン−ビニルベ
ンゼンスルホン酸共重合体、ビニルピロリドン−2−メ
チル−プロパンスルホン酸共重合体等が例示できる。
【0027】ノニオン性高分子化合物としては、例えば
−OH基を有するヒドロキシエチルセルロース、メチル
セルロース、プルラン、可溶性デンプン、酸化デンプン
等の半合成高分子化合物やポリビニルアルコール、ケイ
素変性ポリビニルアルコール等の合成高分子化合物等が
挙げられ、カチオン性高分子化合物としては、例えばカ
チオン変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。ま
た、両性高分子化合物としては、例えばゼラチン等が挙
げられる。本発明においては、マイクロカプセル壁膜が
ポリウレタン・ポリウレア樹脂の場合、低温キュアーで
耐水効果が得られ保存性に良い影響を与えるアセトアセ
チル基変性ポリビニルアルコール(アセトアセチル基変
性部分鹸化ポリビニルアルコールを含む)、カルボキシ
変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアル
コールが好ましく、特にアセトアセチル基変性ポリビニ
ルアルコール(アセトアセチル基変性部分鹸化ポリビニ
ルアルコールを含む)はアルデヒド化合物との反応によ
り優れた保存性向上効果が得られるためより好ましく用
いられる。
【0028】なお、乳化剤の使用量についても特に限定
するものではないが、一般に、ポリウレタン・ポリウレ
ア樹脂を壁膜材として用いる場合には、壁膜材、紫外線
吸収剤および有機溶剤の三者の合計に対して1〜50重
量%、好ましくは3〜30重量%程度の範囲で調節すれ
ばよい。また、アミノアルデヒド樹脂を壁膜材として用
いる場合には、乳化剤の使用量が、疎水性芯物質100
重量部に対して1〜20重量部、好ましくは3〜10重
量部程度の範囲で調製される。
【0029】有機溶剤としては特に限定されるものでは
なく、感圧複写紙の分野において用いられる種々の高沸
点疎水性媒体から適宜選択して使用することができ、具
体的には例えば、リン酸トリクレジル、リン酸オクチル
ジフェニル等のリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、
フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、オレイン
酸ブチル等のカルボン酸エステル類、各種脂肪酸アミド
類、ジエチレングリコールジベンゾエート、モノイソプ
ロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン等のアル
キル化ナフタレン類、1−メチル−1−フェニル−1−
トリルメタン、1−メチル−1−フェニル−1−キシリ
ルメタン、1−フェニル−1−トリルメタン等のアルキ
ル化ベンゼン類、イソプロピルビフェニル等のアルキル
化ビフェニル類、o−フェニルフェノールグリシジルエ
ーテル等のキセノキシアルカン類、トリメチロールプロ
パントリアクリレート等のアクリル酸エステル類、多価
アルコールと不飽和カルボン酸とのエステル、塩素化パ
ラフィン、および灯油等が挙げられる。勿論、これらは
二種以上を併用することもできる。尚、上記の如き高沸
点疎水性媒体のうちでもリン酸トリクレジルおよび1−
フェニル−1−トリルメタンは、本発明で使用する紫外
線吸収剤との関係において優れた溶解性を発揮するため
好ましい。また、一般にカプセル壁膜材、紫外線吸収剤
および有機溶剤の混合物の粘度が低い程、乳化後の粒径
が小さくなり、また粒度分布もシャープになるため、必
要に応じて、混合物の粘度を下げる目的で低沸点溶剤を
併用することもできる。かかる低沸点溶剤の具体例とし
ては、酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化メチレンなどが挙
げられる。
【0030】有機溶剤の使用量については、使用する紫
外線吸収剤の種類や添加量、さらには有機溶剤の種類等
に応じて適宜調節すべきものであり特に限定するもので
はない。しかし、マイクロカプセル中で紫外線吸収剤が
充分に溶解した状態であるのが好ましい為、ポリウレタ
ン・ポリウレア樹脂の場合には、有機溶剤、紫外線吸収
剤およびマイクロカプセル壁膜材の三者の合計に対して
有機溶剤の割合が、一般に60重量%以下になるように
調節するのが望ましい。また、アミノアルデヒド樹脂の
場合には、紫外線吸収剤に対し2000重量%以下、好
ましくは1000重量%以下の範囲となるように調節す
るのが望ましい。なお、常温で液体の紫外線吸収剤を使
用する場合には、有機溶剤は必ずしも必須ではなく、必
要に応じて上記範囲内で適宜調節すればよい。
【0031】また、カプセル壁膜材の使用量についても
特に限定するものではないが、長期保存によりマイクロ
カプセル中の有機溶剤が滲み出て感熱記録体の保存性を
低下させる恐れがあるため、通常のマイクロカプセルに
比較して多量の壁膜材を使用することが好ましく、ポリ
ウレタン・ポリウレア樹脂の場合は、有機溶剤、紫外線
吸収剤およびマイクロカプセル壁膜材の三者の合計に対
して、壁膜材の割合が20〜70重量%、好ましくは2
0〜60重量%の範囲となるように選択するのが望まし
く、アミノアルデヒド樹脂の場合は、紫外線吸収剤、必
要に応じて使用される有機溶剤の合計に対して、壁膜材
が30〜300重量%、好ましくは35〜200重量%
の範囲となるように選択するのが望ましい。
【0032】さらに、マイクロカプセル化における紫外
線吸収剤の使用量については、使用する紫外線吸収剤や
有機溶剤の種類などに応じて適宜選択すべきもので特に
限定するものではないが、顕著な効果を得るために、ポ
リウレタン・ポリウレア樹脂の場合は、有機溶剤、紫外
線吸収剤およびマイクロカプセル壁膜材の三者の合計に
対して3〜80重量%、好ましくは10〜80重量%程
度の紫外線吸収剤量となるように配合するのが望まし
く、アミノアルデヒド樹脂の場合は、紫外線吸収剤、マ
イクロカプセル壁膜材及び必要に応じて使用される有機
溶剤の三者の合計に対して3〜75重量%、好ましくは
3〜50重量%程度の紫外線吸収剤量となるように配合
するのが望ましい。
【0033】本発明で使用するマイクロカプセル中に
は、紫外線吸収剤の他に、必要に応じて酸化防止剤、油
溶性蛍光染料、離型剤等を添加することもできる。ま
た、マイクロカプセル化の際に、反応促進剤として錫化
合物、ポリアミド化合物、エポキシ化合物、ポリアミン
化合物などを併用することも可能である。尚、ポリアミ
ン化合物を使用する場合は、耐光性の点で脂肪族ポリア
ミン化合物を用いるのが望ましい。
【0034】本発明で使用するマイクロカプセルの平均
粒子径は、紫外線の吸収効率や記録像の画質等を考慮す
ると、0.1〜3μm、好ましくは0.3〜2.5μm
程度の範囲となるように調節するのが望ましい。また、
マイクロカプセルの保護層中への配合量は、紫外線吸収
剤の種類やカプセル中における濃度、さらには目的とす
る品質等に応じて適宜選択すべきものであるが、一般に
保護層の全固形分に対して5〜80重量%、好ましくは
20〜70重量%程度の範囲で調節するのが望ましい。
【0035】本発明の感熱記録体は、前記の如く、紫外
線吸収剤を内包するマイクロカプセルを含有する保護層
を有するものであるが、かかる保護層は、マイクロカプ
セルと水溶性又は水分散性の高分子化合物からなるバイ
ンダーとを主成分として構成される。かかるバインダー
の具体例としては、例えばデンプン類、ヒドロキシエチ
ルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビ
ニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコー
ル、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、珪素
変性ポリビニルアルコール、ジイソブチレン・無水マレ
イン酸共重合体塩、スチレン・無水マレイン酸共重合体
塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・アク
リル酸共重合体塩、スチレン・ブタジエン共重合体エマ
ルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリ
ウレタン樹脂等が例示できるが、中でもアセトアセチル
基変成ポリビニルアルコール及びカルボキシ変成ポリビ
ニルアルコールは、強固なフィルムを形成することがで
きるため特に好ましく用いられる。
【0036】保護層中には、印刷適性やスティッキング
をより改善するために、必要に応じて顔料を添加するこ
とができるが、その具体例としては、炭酸カルシウム、
酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化珪
素、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、タ
ルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、コロイダルシ
リカ等の無機顔料、スチレンマイクロボール、ナイロン
パウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹
脂フィラー、生デンプン粒子等の有機顔料等が挙げられ
る。その使用量は一般にバインダー成分100重量部に
対して5〜300重量部程度の範囲で調節するのが望ま
しい。
【0037】保護層形成用塗液の調製方法については特
に限定するものではなく、一般に水を分散媒体とし、前
記特定のマイクロカプセル(分散液)、バインダー、必
要に応じて添加される顔料等を混合して調製される。更
に、保護層用塗液中には、必要に応じてステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、
カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス
等の滑剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の界
面活性剤(分散剤、湿潤剤)、消泡剤、カリミョウバン
や酢酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩等の各種助剤
を適宜添加することもできる。また耐水性を一層向上さ
せるためにグリオキサール、ホウ酸、ジアルデヒドデン
プン、エポキシ系化合物等の硬化剤を併用することもで
きる。
【0038】保護層の形成方法については特に限定され
ず、例えばエアーナイフコーティング、バリバーブレー
ドコーティング、ピュアーブレードコーティング、ロッ
ドブレードコーティング、ショートドウェルコーティン
グ、カーテンコーティング、ダイコーティング等の適当
な塗布方法により記録層用塗液を支持体上に塗布・乾燥
した後、更に保護層用塗液を記録層上に塗布・乾燥する
等の方法で形成される。また、保護層用塗液の塗布量は
乾燥重量で0.1〜20g/m2 、好ましくは0.5〜
10g/m2 程度の範囲で調節される。なお、支持体と
しては、紙、プラスチックフィルム、合成紙、不織布、
金属蒸着物等のうちから適宜選択して使用される。
【0039】なお、必要に応じて感熱記録体の裏面側に
も保護層を設け、一層保存性を高めることも可能であ
る。さらに、支持体に下塗り層を設けたり、各層塗抹後
にスーパーカレンダー掛け等の平滑化処理を施したり、
あるいは記録体裏面に粘着剤処理を施して粘着ラベルに
加工するなど、感熱記録体製造分野における各種の公知
技術が必要に応じて付加し得るものである。
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。ま
た、特に断らない限り例中の部および%はそれぞれ重量
部および重量%を示す。
【0040】〔実施例1〕 A液調製 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン10部、メチルセルロースの5%水
溶液5部、及び水40部からなる組成物をサンドミルで
平均粒子径が2μmになるまで粉砕した。
【0041】B液調製 4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスル
ホン30部、メチルセルロースの5%水溶液5部、及び
水80部からなる組成物をサンドミルで平均粒子径が2
μmになるまで粉砕した。
【0042】C液調製 1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、メ
チルセルロースの5%水溶液5部、及び水55部からな
る組成物をサンドミルで平均粒子径が2μmになるまで
粉砕した。
【0043】記録層の形成 A液55部、B液115部、C液80部、ポリビニルア
ルコールの10%水溶液200部、及び炭酸カルシウム
35部を混合攪拌して得られた塗液を60g/m2 の上
質紙の片面に乾燥後の塗布量が6g/m2 となるように
塗布乾燥して感熱記録層を形成した。
【0044】D液調製 加熱装置を備えた攪拌混合容器中に、アセトアセチル基
変成部鹸化ポリビニルアルコール〔商品名:ゴーセファ
イマーZ−210、日本合成化学社製〕の12%水溶液
220部を加え、カプセル製造用水性媒体とした。別
に、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール〔商品名:チヌビ
ン171、チバガイギー社製〕77部、主成分がイソシ
アヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート〔商品
名:タケネートD−170HN、武田薬品工業社製〕3
3部を40℃まで加熱混合攪拌して得られた溶液を上記
カプセル製造用水性媒体中にTKホモミキサー〔モデル
HV−M、特殊機化工業社製〕を用いて平均粒子径が2
μmとなるように冷却しながら乳化分散した。次いで、
この乳化分散液に水175部を加えて、攪拌しながら9
0℃で5時間反応させて、紫外線吸収剤を内包したポリ
ウレタンポリウレア樹脂からなる壁膜を有するマイクロ
カプセル分散液を調製した。
【0045】保護層の形成 D液220部、アセトアセチル基変成ポリビニルアルコ
ール〔商品名:ゴーセファイマーZ−200,日本合成
化学社製〕の10%水溶液150部、カオリン〔商品
名:UW−90,EMC社製〕15部、ステアリン酸亜
鉛の30%水分散液6部、および水30部からなる組成
物を混合攪拌して得た保護層用塗液を、記録層上に乾燥
後の塗布量が5g/m2 となるように塗布乾燥した後、
スーパーカレンダー処理を行い感熱記録体を得た。
【0046】〔実施例2〕実施例1のB液調製におい
て、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニル
スルホンの代わりに、ビス−(3−アリル−4−ヒドロ
キシ)スルホンを用いた以外は実施例1と同様にして感
熱記録体を得た。
【0047】〔実施例3〕実施例1のB液調製におい
て、4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニル
スルホンの代わりに、4,4′−シクロヘキシリデンジ
フェノールを用いた以外は実施例1と同様にして感熱記
録体を得た。
【0048】〔実施例4〕 E液調製 3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリ
ノフルオラン 10部、メチルセルロースの5%水溶液
5部、及び水10部からなる組成物をサンドミルで平
均粒子径が2μmになるまで粉砕した。 実施例1の記録層の形成においてA液55部を、
A液40部とE液15部に置き換えた事以外は実施例1
と同様にして感熱記録体を得た。
【0049】〔実施例5〕実施例1のD液調製におい
てイソシアヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート
〔商品名:タケネートD−170HN、武田薬品工業社
製〕33部の代わりにキシリレンジイソシアネートとト
リメチロールプロパンの(3:1)付加物〔商品名:タ
ケネートD−110N,武田薬品工業社製,25%の酢
酸エチルを含有〕44部とし、また反応条件90℃5時
間を、60℃3時間に変更した以外は実施例1と同様に
して感熱記録体を得た。
【0050】
【0051】
【0052】〔実施例6〕 実施例1のA液調製において、3−ジエチルアミノ−
7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオランの
代わりに3−(N−エチル−N−イソブチル)アミノ−
7−(o−トリフルオロメチルアニリノ)フルオランを
用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録体を得
た。
【0053】〔実施例7〕 実施例1のB液調製において、4−ヒドロキシ−4′
−イソプロポキシジフェニルスルホンの代わりに4,
4′−イソプロピリデンジフェノールを用いた以外は、
実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0054】〔比較例1〕実施例1、記録層の形成に
おいてA液55部を、E液55部に置き換えた事以外は
実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0055】〔比較例2〕 G液調製 3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロアニリ
ノ)フルオラン10部、メチルセルロースの5%水溶液
5部、及び水10部からなる組成物をサンドミルで平均
粒子径が2μmになるまで粉砕した。 実施例1の記録層の形成においてA液55部を、G
液55部に置き換えた事以外は実施例1と同様にして感
熱記録体を得た。
【0056】〔比較例3〕実施例1の保護層の形成に
おいてD液220部を加えなかった事以外は、実施例1
と同様にして感熱記録体を得た。
【0057】〔比較例4〕実施例1のD液調製におい
て2−(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール〔商品名:チヌビン
171、チバガイギー社製〕77部を加えなかった事以
外は実施例1と同様にして感熱記録体を得た。
【0058】〔比較例5〕 H液の調製 2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール10部、メチルセルロースの5%水溶液
5部、および水40部からなる組成物をサンドミルで平
均粒子径が1.5μmとなるまで粉砕した。 記録体の形成 実施例1の保護層の形成においてD液220部の代わ
りにH液100部を用いた以外は実施例1と同様にして
感熱記録体を得た。
【0059】〔比較例6〕 記録層の形成 A液55部、B液115部、C液80部、H液90部、
ポリビニルアルコールの10%水溶液200部、及び炭
酸カルシウム35部を混合攪拌して得られた塗液を60
g/m2 の上質紙の片面に乾燥後の塗布量が6g/m2
となるように塗布乾燥して感熱記録層を形成した。 保護層の形成 比較例3と同様にして感熱記録体を得た。
【0060】かくして得られた15種類の感熱記録体に
ついて、以下の品質評価テストを行い、その結果を表1
に示した。 〔評価〕 〔発色濃度〕 感熱プリンター(大倉シミュレーター,印加エネルギー
0.4mJ/dot )で印字して得た記録像の発色濃度
を、マクベス濃度計(マクベス社製,RD−914R
型)でビジュアルモードにて測定した。 〔耐光性〕 上記で記録後の感熱記録体の地肌部の初期濃度と、直
射日光に14日間曝した後の地肌部の濃度をマクベス濃
度計(ブルーフィルター使用)で測定した。
【0061】〔耐可塑性〕 ポリプロピレンパイプ(40mmφ)上に塩化ビニリデ
ンラップフィルム〔商品名:KMA−W、三井東圧化学
社製〕を3重に巻きつけ、その上に上記の方法で印字
発色させた感熱記録体の発色面が外側になるように挟
み、さらにその上から塩化ビニリデンラップフィルムを
3重に巻き付けて室温で3日間放置した後、再度マクベ
ス濃度計(ビジュアルモード)にて記録像の発色濃度を
測定し、耐可塑剤性を評価した。
【0062】〔耐高温高湿性〕 上記の方法で記録後の感熱記録体を、50℃、75%
RH中に24時間放置した後の発色濃度と地肌部濃度を
マクベス濃度計(ビジュアルモード)にて測定し、耐高
温高湿性を評価した。
【0063】〔耐溶剤性〕 エタノールを浸み込ませたガーゼで記録紙の表面を拭
き、カブリの濃度をマクベス濃度計(ビジュアルモー
ド)にて測定し耐溶剤性を評価した。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように本発明の
感熱記録体は、いずれも光に対して地肌部の変色が極め
て少なく、しかも発色性、保存性に優れた感熱記録体で
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−189180(JP,A) 特開 昭63−265682(JP,A) 特開 平3−120075(JP,A) 特開 平4−8581(JP,A) 特開 昭64−75284(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、無色ないし淡色の塩基性染料
    と顕色剤を含有した感熱記録層、及び保護層を順次設け
    た感熱記録体において、記録層中に〔化1〕で表される
    塩基性染料を含有し、且つ保護層中に紫外線吸収剤とし
    て2−(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−メ
    チルフェニル)ベンゾトリアゾールを内包し、実質的に
    発色能のないマイクロカプセルを含有することを特徴と
    する感熱記録体。 【化1】 〔式中、R1 、R2 は炭素数1〜6のアルキル基、シク
    ロヘキシル基、エトキシプロピル基、テトラヒドロフル
    フリル基を示し、R1 、R2 は同一または異種でもよ
    い。〕
  2. 【請求項2】塩基性染料が、3−ジエチルアミノ−7−
    (m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオランである
    請求項1記載の感熱記録体。
  3. 【請求項3】マイクロカプセルの平均粒子径が0.1〜
    3μmである請求項1記載の感熱記録体。
  4. 【請求項4】マイクロカプセルが、ポリウレタン・ポリ
    ウレア樹脂からなる壁膜を有するマイクロカプセルであ
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱記録体。
  5. 【請求項5】顕色剤が4−ヒドロキシ−4′−イソプロ
    ピルオキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロキ
    シジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロ
    キシフェニル)スルホン、または4,4′−シクロヘキ
    シリデンジフェノールから選ばれる1種である請求項1
    〜4のいずれか一項に記載の感熱記録体。
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