JPH0692028A - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JPH0692028A
JPH0692028A JP5046996A JP4699693A JPH0692028A JP H0692028 A JPH0692028 A JP H0692028A JP 5046996 A JP5046996 A JP 5046996A JP 4699693 A JP4699693 A JP 4699693A JP H0692028 A JPH0692028 A JP H0692028A
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JP
Japan
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heat
sensitive recording
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hydroxy
recording layer
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Application number
JP5046996A
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English (en)
Inventor
Naoto Arai
直人 新井
Yoshiyuki Nukushina
欣之 温品
Masayuki Kamei
正之 亀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0692028A publication Critical patent/JPH0692028A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光暴露に対して記録像の褪色および地肌部の黄
変の極めて少ない耐光性に優れた感熱記録体を提供す
る。 【構成】支持体上に、無色ないし淡色の塩基性染料と顕
色剤を含有する感熱記録層、および保護層を順次設けた
感熱記録体において、該感熱記録層が、透明な厚さ50
μmのPETフィルム上に感熱記録層を3g/m2 設け
た際のヘイズ値が30以下となる感熱記録層用の塗液で
形成され、且つ保護層中に、紫外線吸収剤を内包した実
質的に発色能のないマイクロカプセルを含有した感熱記
録体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱記録体に関し、特に
記録像および地肌部の耐光性に優れた感熱記録体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】無色ないしは淡色の塩基性染料と有機ま
たは無機の呈色剤との呈色反応を利用し、熱により両発
色物質を接触させて記録像を得るようにした感熱記録体
はよく知られている。かかる感熱記録体は比較的安価で
あり、また記録機器がコンパクトで、且つその保守も容
易なため、ファクシミリや各種計算機等の記録媒体とし
てのみならず巾広い分野において使用されている。
【0003】例えばその利用分野の1つとして、小売店
等のPOS(point of sales)システム
用の感熱記録ラベルが挙げられるが、同システム化の拡
大に伴って、従来のように短期間でその使命を終える食
品用ラベルとは別に長時間にわたって商品に添付され使
用される用途が増大している。しかし、このような用途
では長期にわたって室内光や太陽光に曝されることが多
く、それらの影響で感熱記録ラベルの記録像(印字)が
褪色したり、地肌部が黄変し、結果的に商品イメージを
も著しく損なってしまう。このため、感熱記録体には、
耐光性等に対する保存性を備えることが強く要請されて
いる。
【0004】従来、感熱記録体の地肌部の光による黄変
化を防止する目的で、微粉砕した紫外線吸収剤を感熱記
録層中や保護層中に添加する方法が提案されているが、
微粉砕した紫外線吸収剤では紫外線の吸収剤率が悪いた
めか少量の使用では充分な効果が得られず、一方、感熱
記録層中に多量に使用すると地肌カブリを生じたり、或
いは記録濃度が低下する等の新たな欠点を生じてしま
う。また、紫外線吸収剤を内包したカプセルを保護層中
に含有することで、紫外線の吸収効率は著しく向上する
が、用途によっては、まだ耐光性が不足しており、更な
る改良が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光暴
露に対して記録像の褪色および地肌部の黄変の極めて少
ない耐光性に優れた感熱記録体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、支持体上
に無色ないし淡色の塩基性染料と顕色剤を含有する感熱
記録層、および保護層を順次設けた感熱記録体におい
て、該感熱記録層が、厚さ50μmのPETフィルム上
に感熱記録層を3g/m2 設けた際のヘイズ値が30以
下となる感熱記録層用塗液から形成され、且つ保護層中
に、紫外線吸収剤を内包した実質的に発色能のないマイ
クロカプセルを含有させることにより、上記目的が達成
されることを見出した。
【0007】更に、この感熱記録体の支持体と感熱記録
層との間に、紫外線吸収剤を内包した実質的に発色能の
ないマイクロカプセルを含有する中間層を設けることに
より、より耐光性に優れる記録体が得られることを見出
し完成するに至った。
【0008】
【作用】本発明の感熱記録層は、厚さ50μmのPET
フィルム上に感熱記録層を3g/m2 設けた際のヘイズ
値が30以下となる感熱記録層用塗液から形成されるこ
とを特徴とするものである。なお、PETフィルム自体
のヘイズ値が2以下のものを使用すること。感熱記録層
のヘイズ値が30以下、好ましくは25以下になると、
特に光の乱反射が減少して、光の乱反射による記録像の
褪色や地肌部の黄変が少なくなる。感熱記録層のヘイズ
値は、記録層の厚さを一定とした場合、空隙孔と記録材
料等の平均粒子径が1μm以下になると光の乱反射が少
なくなって低下する。即ち、感熱記録層の透明性が高く
なる。
【0009】感熱記録層の顔料として、コロイダルシリ
カやアルミナゾルを用いることにより感熱記録層中の空
隙孔が減少して、感熱記録層の透明性が上がるが、その
使用量としては、記録層中の全固形量に対して5〜40
重量%の範囲が望ましい。5重量%未満になると記録層
の透明性は殆んど改良されず、また40重量%を越える
と透明性は改善されず、しかも記録濃度が低下する。好
ましくは10〜30重量%の範囲で含有させることが望
ましい。コロイダルシリカやアルミナゾルの平均粒子径
としては、特に40nm以下が好ましい。また、アルミ
ナゾルの中ではゾル粒子がベーマイトからなるアルミナ
ゾルが透明度が高く好ましい。
【0010】かかる記録層に用いられる無色ないし淡色
の塩基性染料としては各種のものが公知であり、例えば
下記が挙げられる。3,3−ビス(p−ジメチルアミノ
フェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビ
ス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p
−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル
インドール−3−イル)フリタド、3−(p−ジメチル
アミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−
イル)フリタド、3,3−ビス(1,2−ジメチルイン
ドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、
3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9
−エチルカルバゾール−3−イル)−6−ジメチルアミ
ノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−
3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジ
メチルアミノフェニル−3−(1−メチルピロール−3
−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等のトリアリー
ルメタン系染料、4,4′−ビス−ジメチルアミノベン
ズヒドリルベンジルエーテル、N−ハロフェニル−ロイ
コオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロ
イコオーラミン等のジフェニルメタン系染料、ベンゾイ
ルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコ
メチレンブルー等のチアジン系染料、3−メチル−スピ
ロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピ
ラン、3−フェニル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベ
ンジル−スピロ−ジナフトピラン、3−メチル−ナフト
−(6′−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピ
ル−スピロ−ジベンゾピラン等のスピロ系染料、ローダ
ミン−Bアニリノラクタム、ローダミン(p−ニトロア
ニリノ)ラクタム、ローダミン(o−クロロアニリノ)
ラクタム等のラクタム系染料、3−ジメチルアミノ−7
−メトキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メト
キシフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフル
オラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオ
ラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−7−メチ
ルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−アセチ
ル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−N−メチルアミノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチル
アミノ−7−(N−メチル−N−ベンジルアミノ)フル
オラン、3−ジエチルアミノ−7−(N−クロロエチル
−N−メチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ
−7−ジエチルアミノフルオラン、3−(N−エチル−
p−トルイジノ)−6−メチル−7−フェニルアミノフ
ルオラン、3−(N−シクロペンチル−N−エチルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N
−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−
トルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジ(n−ブ
チル)アミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフルオ
ラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7
−フェニルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−(2−カルボメトキシ−フェニルアミノ)フルオラ
ン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−
メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−(N−シ
クロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−
フェニルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチ
ル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ピペリジノ−
6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフロオロメチルア
ニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−
クロロフェニルアミノ)フルオラン、3−ジブチルアミ
ノ−7−(o−クロロフェニルアミノ)フルオラン、3
−ピロリジノ−6−メチル−7−p−ブチルフェニルア
ミノフルオラン、3−(N−メチル−N−テトラヒドロ
フルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリル
アミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のフ
ルオラン系染料等。
【0011】また塩基性染料と組合せて使用される酸性
物質も各種の化合物が公知であり、例えば下記が例示さ
れる。活性白土、酸性白土、アタパルジャイト、ベント
ナイト、珪酸アルミニウムなどの無機酸性物質、4−ヒ
ドロキシジフェノキシド、α−ナフトール、β−ナフト
ール、4−ヒドロキシアセトフェノン、4−tert−ブチ
ルフェノール、ハイドロキノン、4−tert−オクチルカ
テコール、4,4′−イソプロピリデンジフェノール
(ビスフェノールA)、4,4′−シクロヘキシリデン
ジフェノール、2,2′−ジヒドロキシジフェノール、
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチ
ルフェノール)、4,4′−イソプロピリデンビス(2
−tert−ブチルフェノール)、4,4′−sec −ブチリ
デンジフェノール、4−フェニルフェノール、2,2′
−メチレンビス(4−クロロフェノール)、4,4′−
ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4′−ジヒドロ
キシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メチ
ルジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−クロロ
ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−メトキシ
ジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4′−イソプロ
ポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ安息香酸ベ
ンジル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ヒドロキノ
ンモノベンジルエーテル、ノボラック型フェノール樹
脂、フェノール重合体などのフェノール性化合物、安息
香酸、p−tert−ブチル安息香酸、トリクロロ安息香
酸、テレフタル酸、3−sec −ブチル−4−ヒドロキシ
安息香酸、3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ安息香
酸、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、サリ
チル酸、3−イソプロピルサリチル酸、3−tert−ブチ
ルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、3−(α−メ
チルベンジル)サリチル酸、3−クロロ−5−(α−メ
チルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチル
サリチル酸、3−フェニル−5−(α,α−ジメチルベ
ンジル)サリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジル
サリチル酸などの芳香族カルボン酸、およびこれらフェ
ノール性化合物、芳香族カルボン酸と例えば亜鉛、マグ
ネシウム、アルミニウム、カルシウム、チタン、マンガ
ン、スズ、ニッケル等の多価金属塩の有機酸性物質等。
【0012】本発明において、記録層中の発色剤と呈色
剤の使用比率は用いる発色剤と呈色剤の種類に応じて適
宜選択すべきもので、特に限定するものではないが、例
えば塩基性染料と酸性物質を用いる場合には、一般に塩
基性染料1重量部に対して1〜7重量部、好ましくは1
〜4重量部程度の酸性物質が使用される。これらの物質
を含む塗布液の調製は、一般に水を分散媒体とし、ボー
ルミル、アトライター、横型サンドミル等の撹拌、粉砕
機により発色剤と呈色剤とを一緒に又は別々に分散する
などして塗液として平均粒径1μm以下、望ましくは
0.5μm以下に調製される。
【0013】かかる塗液中には、通常バインダーとして
澱粉類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイ
ン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、ジイソブチ
レン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重合体塩、
スチレン・アクリル酸共重合体塩、天然ゴム系エマルジ
ョン、スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン、ア
クリロリトリル・ブタジエン共重合体エマルジョン、メ
チルメタクリレート・ブタジエン共重合体エマルジョ
ン、ポリクロロプレンエマルジョン、酢酸ビニルエマル
ジョン、エチレン・酢酸ビニルエマルジョンなどの少な
くとも一種が記録層の全固形分に対して、3〜40重量
%、好ましくは10〜35重量%程度添加される。
【0014】塗液中には必要に応じて各種の助剤を添加
することができ、例えばジオクチルスルホコハク酸ナト
リウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウ
リルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩
等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィン
ワックス、エステルワックス等のワックス類、消泡剤、
蛍光染料、着色染料等が適宜添加される。
【0015】また、塗液中には本発明の特徴を害しない
限り、各種顔料を併用することも可能であり、例えばカ
オリン、クレー、炭酸カルシウム、焼成クレー、焼成カ
オリン、珪藻土、微粒子状無水シリカ、活性白土等の無
機顔料やスチレンマイクロボール、ナイロンパウダー、
ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹脂フィラ
ー、生デンプン粒子等の有機顔料が挙げられる。
【0016】更に、目的に応じて増感剤を併用すること
もできる。増感剤の具体例としては、例えばステアリン
酸アミド、メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベン
ズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エ
イコサン酸アミド、エチレンビステアリン酸アミド、ベ
ヘン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、N−
メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジ
ル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、
p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジルエー
テル、m−ターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ
酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロ
ロベンジル、p−ベンジルビフェニル、トリルビフェニ
ルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エー
テル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、
1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−
ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4
−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエ
タン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メ
チルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベン
ジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p
−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−ア
セトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエ
トキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベ
ンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタ
ン等が例示される。これらの増感剤の使用量は特に限定
されないが、一般に呈色剤1重量部に対して4重量部以
下の範囲で調節するのが望ましい。
【0017】本発明は、効果を損なわない限り目的に応
じて記録像の保存性を更に高めるために、保存性改良剤
を併用することもできる。かかる保存性改良剤の具体例
としては、例えば2,2′−メチレンビス(4−メチル
−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−エチレン
ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)2,
2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−te
rt−ブチルフェノール)、2,2′−エチリデンビス
(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2′−
エチリデンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、2,2′−エチリデンビス(4−エチル−6−
tert−ブチルフェノール)、2,2′−(2,2−プロ
ピリデン)ビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル)、2,2′−メチレンビス(4−メトキシ−6−te
rt−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(6
−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3
−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−
チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4′−チオビス(5−メチル−6−tert−ブ
チルフェノール)、4,4′−チオビス(2−クロロ−
6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス
(2−メトキシ−6−tert−ブチルフェノール)、4,
4′−チオビス(2−エチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル
−m−クレゾール)、1−〔α−メチル−α−(4′−
ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α′,α′−ビ
ス(4″−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフ
ェニル)ブタン、4,4′−チオビス(3−メチルフェ
ノール)、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,
5′−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4′−ジ
ヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルジフェ
ニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、N,
N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、
2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフ
ェニル)リン酸ソーダ等が挙げられる。
【0018】本発明は、かくして形成された感熱記録層
上に、紫外線吸収剤を内包し且つ実質的に発色能のない
マイクロカプセルを含有する保護層を設けたところに重
大な特徴を有するものである。特に、透明性の高い感熱
記録層上に、紫外線吸収剤を内包したマイクロカプセル
が添加された保護層を設けることにより、地肌部の黄変
が相乗的に改良される。
【0019】更に、支持体と感熱記録層との間にも紫外
線吸収剤を内包し且つ実質的に発色能のないマイクロカ
プセルを含有する中間層を設けると、感熱記録層中の迷
光を効率良く除去することができ、黄変が極めて少なく
なる。
【0020】なお、塩基性染料と紫外線吸収剤を共に内
包せしめたマイクロカプセルを用いた感熱記録体や感圧
記録体が種々提案されているが、これらのマイクロカプ
セルは塩基性染料をも内包しているため、光の照射量の
増加と共に着色現象を生ずるばかりか、長期にわたって
充分な耐光性改良効果を発揮しえないものである。
【0021】本発明において、マイクロカプセル中に内
包される紫外線吸収剤の具体例としては、例えば下記が
挙げられる。フェニルサリシレート、p−tert−ブチル
フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレ
ート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベ
ンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベ
ンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−
ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メト
キシ−5−スルホベンゾフェノン等のベンゾフェノン系
紫外線吸収剤、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−5′−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′−(3″,
4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)
−5′−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−3′,
5′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−
2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′−ドデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシル−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−ウンデシル−5′−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−3′−トリデシル−5′−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−テトラ
デシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−3′−ペンタデシル−5′−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′−ヘキサデシル−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−
4′−(2″−エチルヘキシル)オキシフェニル〕ベン
ゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−
(2″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリ
アゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−エ
チルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、
2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルオク
チル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−
〔2′−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘプチ
ル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′
−ヒドロキシ−4′−(2″−プロピルヘキシル)オキ
シフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロ
キシ−4′−(1″−エチルヘキシル)オキシフェニ
ル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−
4′−(1″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕ベン
ゾトリアゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−
(1″−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリ
アゾール、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プ
ロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾー
ル、2−〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピル
ヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−
〔2′−ヒドロキシ−4′−(1″−プロピルヘキシ
ル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、ポリエチレ
ングリコール(分子量約300)とメチル−3−〔3−
tert−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−
イル)−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとの
縮合物等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2′−
エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアク
リレート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルア
クリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、ビ
ス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
セバケート、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ
−tert−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6
−ペンタメチル−4−ピペリジル)エステル等のヒンダ
ードアミン系紫外線吸収剤等。
【0022】勿論、これらに限られるものではなく、ま
た必要に応じて二種以上を併用することもできる。な
お、本発明の感熱記録体では、紫外線吸収剤をマイクロ
カプセルに内包して使用するため、従来、地肌カブリや
保存性の面で使用が困難であった低融点の紫外線吸収剤
や、常温で液体の紫外線吸収剤なども使用可能であり、
その選択の幅が大きく広げられるものである。
【0023】これらの紫外線吸収剤のうちでもベンゾト
リアゾール系紫外線吸収剤が好ましく、特に2−(2′
−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−
5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ドデシル−5′−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2′−ヒ
ドロキシ−4′−(2″−エチルヘキシル)オキシフェ
ニル〕ベンゾトリアゾール、ポリエチレングリコール
(分子量約300)とメチル−3−〔3−tert−ブチル
−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
ヒドロキシフェニル〕プロピオネートとの縮合物は、と
りわけ顕著な耐光性改良効果を発揮するためより好まし
く用いられる。
【0024】紫外線吸収剤の使用量については特に限定
するものではないが、感熱記録層中の塩基性染料100
重量部に対して好ましくは10〜500重量部、より好
ましくは20〜300重量部程度の範囲となるように調
節するのが望ましい。
【0025】本発明で用いるマイクロカプセルは、各種
公知の方法で調製することができ、一般には上記の如き
常温で固体ないし液体の紫外線吸収剤を必要に応じて有
機溶剤に溶解して得た芯物質を水性媒体中に乳化分散
し、油性液滴の周りに高分子物質からなる壁膜を形成す
る方法によって調製される。マイクロカプセルの壁膜と
なる高分子物質の具体例としては、例えばポリウレタン
樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリカーボネート樹脂、アミノアルデヒド樹脂、
メラミン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリレ
ート共重合体樹脂、スチレン−メタクリレート共重合体
樹脂、ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。これらのう
ちでも、特にポリウレタン・ポリウレア樹脂あるいはア
ミノアルデヒド樹脂からなる壁膜を有するマイクロカプ
セルは、耐熱性に優れるため、サーマルヘッドへのステ
ッキングを防止する目的で保護層中に添加される無機顔
料の機能をも果たすという優れた付随効果を発揮し、し
かも、他の壁膜からなるマイクロカプセルや通常の顔料
に比較して屈折率が低く、かつ形状が球形であるため、
保護層中に多量に配合しても光の乱反射に起因する記録
像の濃度低下(所謂、白化現象)を招く恐れがないため
好ましく用いられる。
【0026】ポリウレタン・ポリウレア樹脂からなる壁
膜を有するマイクロカプセルは、多価イソシアネート及
びこれと反応するポリオール、或いは多価イソシアネー
トとポリオールとの付加物等のカプセル壁膜材をカプセ
ル化すべき芯物質中に混合し、ポリビニルアルコール等
の保護コロイド物質を溶解した水性媒体中に乳化分散
し、液温を上昇させて油滴界面で高分子形成反応を起こ
すことによって製造される。
【0027】アミノアルデヒド樹脂からなる壁膜を有す
るマイクロカプセルは、芯物質乳化後に壁膜材を添加す
る処方で製造されるため、乳化物の粒径に左右されずに
壁膜の厚さをコントロール出来るメリットも発揮する。
アミノアルデヒド樹脂壁膜を有するカプセルは、一般
に、尿素、チオ尿素、アルキル尿素、エチレン尿素、ア
セトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、グアニ
ジン、ビウレット、シアナミド等の少なくとも一種のア
ミン類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラ
ホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、グルタ
ールアルデヒド、グリオキサール、フルフラール等の少
なくとも一種のアルデヒド類あるいはそれらを縮合して
得られる初期縮合物等を使用したin- situ重合法によっ
て製造される。
【0028】マイクロカプセル化に際して用いられる乳
化剤(保護コロイド剤)としては、各種のアニオン、ノ
ニオン、カチオン又は両性水溶性高分子化合物等が使用
される。なお、乳化剤の使用量についても特に限定する
ものではないが、一般に、ポリウレタン・ポリウレア樹
脂を壁膜材として用いる場合には、壁膜材、紫外線吸収
剤および有機溶剤の三者の合計に対して1〜50重量
%、好ましくは3〜30重量%程度の範囲で調節すれば
よい。また、アミノアルデヒド樹脂を壁膜材として用い
る場合には、乳化剤の使用量が、疎水性芯物質100重
量部に対して1〜20重量部、好ましくは3〜10重量
部程度の範囲で調製される。
【0029】有機溶剤としては特に限定されるものでは
なく、感圧複写紙の分野において用いられる種々の高沸
点疎水性媒体から適宜選択して使用することができ、具
体的には例えば、リン酸トリクレジル、リン酸オクチル
ジフェニル等のリン酸エステル類、フタル酸ジブチル、
フタル酸ジオクチル等のフタル酸エステル類、オレイン
酸ブチル等のカルボン酸エステル類、各種脂肪酸アミド
類、ジエチレングリコールジベンゾエート、モノイソプ
ロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン等のアル
キル化ナフタレン類、1−メチル−1−フェニル−1−
トリルメタン、1−メチル−1−フェニル−1−キシリ
ルメタン、1−フェニル−1−トリルメタン等のアルキ
ル化ベンゼン類、イソプロピルビフェニル等のアルキル
化ビフェニル類、o−フェニルフェノールグリシジルエ
ーテル等のキセノキシアルカン類、トリメチロールプロ
パントリアクリレート等のアクリル酸エステル類、多価
アルコールと不飽和カルボン酸とのエステル、塩素化パ
ラフィン、および灯油等が挙げられる。勿論、これらは
二種以上を併用することもできる。尚、上記の如き高沸
点疎水性媒体のうちでもアルキル化ナフタレン類および
アルキル化ベンゼン類、本発明で使用する紫外線吸収剤
との関係において優れた溶解性を発揮するため好まし
い。また、一般にカプセル壁膜材、紫外線吸収剤および
有機溶剤の混合物の粘度が低い程、乳化後の粒径が小さ
くなり、また粒度分布もシャープになるため、必要に応
じて、混合物の粘度を下げる目的で低沸点溶剤を併用す
ることもできる。かかる低沸点溶剤の具体例としては、
酢酸エチル、酢酸ブチル、塩化メチレンなどが挙げられ
る。
【0030】有機溶剤の使用量については、使用する紫
外線吸収剤の種類や添加量、さらには有機溶剤の種類等
に応じて適宜調節すべきものであり特に限定するもので
はない。しかし、マイクロカプセル中で紫外線吸収剤が
充分に溶解した状態であるのが好ましい為、ポリウレタ
ン・ポリウレア樹脂の場合には、有機溶剤、紫外線吸収
剤およびマイクロカプセル壁膜材の三者の合計に対して
有機溶剤の割合が、一般に10〜60重量%、好ましく
は20〜60重量%程度の範囲となるように調節するの
が望ましい。また、アミノアルデヒド樹脂の場合には、
紫外線吸収剤に対し50〜2000重量%、好ましくは
100〜1000重量%の範囲となるように調節するの
が望ましい。なお、常温で液体の紫外線吸収剤を使用す
る場合には、有機溶剤は必ずしも必須ではなく、必要に
応じて上記範囲内で適宜調節すればよい。
【0031】また、カプセル壁膜材の使用量についても
特に限定するものではないが、長期保存によりマイクロ
カプセル中の有機溶剤が滲み出て感熱記録体の保存性を
低下させる恐れがあるため、通常のマイクロカプセルに
比較して多量の壁膜材を使用することが好ましく、ポリ
ウレタン・ポリウレア樹脂の場合は、有機溶剤、紫外線
吸収剤およびマイクロカプセル壁膜材の三者の合計に対
して、壁膜材の割合が35〜70重量%、好ましくは3
5〜60重量%の範囲となるように選択するのが望まし
く、アミノアルデヒド樹脂の場合は、紫外線吸収剤、必
要に応じて使用される有機溶剤の合計に対して、壁膜材
が30〜300重量%、好ましくは35〜200重量%
の範囲となるように選択するのが望ましい。
【0032】更に、マイクロカプセル化における紫外線
吸収剤の使用量については、使用する紫外線吸収剤や有
機溶剤の種類などに応じて適宜選択すべきもので特に限
定するものではないが、顕著な効果を得るために、ポリ
ウレタン・ポリウレア樹脂の場合は、有機溶剤、紫外線
吸収剤およびマイクロカプセル壁膜材の三者の合計に対
して3〜50重量%、好ましくは3〜20重量%程度の
紫外線吸収剤量となるように配合するのが望ましく、ア
ミノアルデヒド樹脂の場合は、紫外線吸収剤、マイクロ
カプセル壁膜材及び必要に応じて使用される有機溶剤の
三者の合計に対して3〜75重量%、好ましくは3〜5
0重量%程度の紫外線吸収剤量となるように配合するの
が望ましい。
【0033】本発明で使用するマイクロカプセル中に
は、紫外線吸収剤の他に、必要に応じて酸化防止剤、油
溶性蛍光染料、離型剤等を添加することもできる。ま
た、マイクロカプセル化の際に、反応促進剤として錫化
合物、ポリアミド化合物、エポキシ化合物、ポリアミン
化合物などを併用することも可能である。尚、ポリアミ
ン化合物を使用する場合は、耐光性の点で脂肪族ポリア
ミン化合物を用いるのが望ましい。
【0034】本発明で使用するマイクロカプセルの平均
粒子径は、紫外線の吸収効率や記録像の画質等を考慮す
ると、0.1〜3μm、好ましくは0.3〜2.5μm
程度の範囲となるように調節するのが望ましい。また、
マイクロカプセルの保護層中への配合量は、紫外線吸収
剤の種類やカプセル中における濃度、さらには目的とす
る品質等に応じて適宜選択すべきものであるが、一般に
保護層の全固形分に対して5〜80重量%、好ましくは
20〜70重量%程度の範囲で調節するのが望ましい。
【0035】本発明の感熱記録体は、前記の如く、保護
層或いは保護層と中間層の両方に紫外線吸収剤を内包す
るマイクロカプセルを含有するものである。かかる保護
層は、マイクロカプセルと水溶性又は水分散性の高分子
化合物からなるバインダーとを主成分として構成され
る。かかるバインダーの具体例としては、例えばデンプ
ン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイ
ン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ
変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリ
ビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、ジ
イソブチレン・無水マレイン酸共重合体塩、スチレン・
無水マレイン酸共重合体塩、エチレン・アクリル酸共重
合体塩、スチレン・アクリル酸共重合体塩、スチレン・
ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が例示できる
が、中でもアセトアセチル基変成ポリビニルアルコール
及びカルボキシ変成ポリビニルアルコールは、強固なフ
ィルムを形成することができるため特に好ましく用いら
れる。
【0036】保護層中には、印刷適性やスティッキング
をより改善するために、必要に応じて顔料を添加するこ
とができるが、その具体例としては、炭酸カルシウム、
酸化亜鉛、酸化アルミニウム、二酸化チタン、二酸化珪
素、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸亜鉛、タ
ルク、カオリン、クレー、焼成カオリン、コロイダルシ
リカ等の無機顔料、スチレンマイクロボール、ナイロン
パウダー、ポリエチレンパウダー、尿素・ホルマリン樹
脂フィラー、生デンプン粒子等の有機顔料等が挙げられ
る。その使用量は一般にバインダー成分100重量部に
対して5〜300重量部程度の範囲で調節するのが望ま
しい。
【0037】保護層形成用塗液の調製方法については特
に限定するものではなく、一般に水を分散媒体とし、前
記特定のマイクロカプセル(分散液)、バインダー、必
要に応じて添加される顔料等を混合して調製される。更
に、保護層用塗液中には、必要に応じてステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、
カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス
等の滑剤、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の界
面活性剤(分散剤、湿潤剤)、消泡剤、カリミョウバン
や酢酸アルミニウム等の水溶性多価金属塩等の各種助剤
を適宜添加することもできる。また耐水性を一層向上さ
せるためにグリオキサール、ホウ酸、ジアルデヒドデン
プン、エポキシ系化合物等の硬化剤を併用することもで
きる。
【0038】中間層は、マイクロカプセルと水溶性又は
水分散性の高分子化合物からなるバインダーとを主成分
として構成される。かかるバインダーとしては、上述の
保護層用バインダーと同様のものを例示でき、これを適
宜使用することができる。更に、中間層には必要に応じ
て顔料を添加することができ、上述の保護層用バインダ
ーと同様のものを例示でる。
【0039】本発明において、感熱記録層、保護層、中
間層の形成方法については特に限定されず、例えばエア
ーナイフコーティング、バリバーブレードコーティン
グ、ピュアーブレードコーティング、ロッドブレードコ
ーティング、ショートドウェルコーティング、カーテン
コーティング、ダイコーティング等の適当な塗布方法に
より記録層用塗液を支持体上に塗布・乾燥した後、更に
保護層用塗液を記録層上に塗布・乾燥する等の方法で形
成される。なお、支持体としては、紙、プラスチックフ
ィルム、合成紙、不織布、金属蒸着物等のうちから適宜
選択して使用される。また、記録層用塗液の塗布量は乾
燥重量で2〜12g/m2 、好ましくは3〜10g/m
2 程度、保護層用塗液の塗布量は乾燥重量で0.1〜2
0g/m2、好ましくは0.5〜10g/m2 程度の範
囲で調節される。
【0040】なお、必要に応じて感熱記録体の裏面側に
も保護層を設け、一層保存性を高めることも可能であ
る。さらに、各層塗抹後にスーパーカレンダー掛け等の
平滑化処理を施したり、あるいは記録体裏面に粘着剤処
理を施して粘着ラベルに加工するなど、感熱記録体製造
分野における各種の公知技術が必要に応じて付加し得る
ものである。
【0041】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。ま
た、特に断らない限り例中の部および%はそれぞれ重量
部および重量%を示す。
【0042】
【実施例1】 〔中間層の形成〕焼成クレー(商品名:アンシレック
ス、EMC社製)80部、酸化チタン20部、スチレン
・ブタジエン共重合体ラテックス(固形分:50%)1
5部、ポリビニルアルコール10%水溶液30部、及び
水200部からなる組成物を混合し、中間層用塗液を調
製した。得られた塗液を50g/m2 の上質紙に乾燥重
量が7g/m2 となるように塗布・乾燥して中間層を形
成した。
【0043】〔A液調製〕3−ジ(n−ブチル)アミノ
−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン10部、
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20部、メ
チルセルロースの5%水溶液30部、および水60部か
らなる組成物をサンドミルで平均粒子径が0.8μmに
なるまで粉砕した。
【0044】〔B液調製〕4−ヒドロキシ−4′−イソ
プロポキシジフェニルスルフォン20部、メチルセルロ
ースの5%水溶液20部、および水40部からなる組成
物をサンドミルで平均粒子径が0.8μmになるまで粉
砕した。
【0045】〔記録層用塗液の調製〕A液120部、B
液80部、固形濃度30%のコロイダルシリカ(平均粒
子径20nm)70部、固形濃度50%のスチレン・ブ
タジエン58部、ジオクチルスルホコハク酸ソーダの1
0%水溶液1部、および水71部からなる組成物を混合
攪拌して記録層用塗液を得た。
【0046】〔C液調製〕加熱装置を備えた攪拌混合容
器中に、ポリビニルアルコール〔商品名:PVA−21
7,クラレ社製〕の8%水溶液60部を加え、マイクロ
カプセル製造用水性媒体とした。別に、ジイソプロピル
ナフタレン5部に、2−(2′−ヒドロキシ−3′−ド
デシル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール1
0部、キシリレンジイソシアネートとトリメチロールプ
ロパンの(3:1)付加物〔商品名:タケネートD−1
10N,武田薬品工業社製,25%の酢酸エチルを含
有〕18部を溶解して得た溶液を、上記カプセル製造用
水性媒体中にTKホモミキサー〔モデルHV−M,特殊
機化工業社製〕を用いて、平均粒子径が2μmとなるよ
うに冷却しながら乳化分散した。次いで、この乳化分散
液に水50部を加え、攪拌しながら60℃で3時間反応
させて紫外線吸収剤を内包したポリウレタン・ポリウレ
ア樹脂からなる壁膜を有するマイクロカプセル分散液を
調製した。
【0047】〔保護層用塗液の調製〕C液220部、ア
セトアセチル基変成ポリビニルアルコール〔商品名:ゴ
ーセファイマーZ−200,日本合成化学社製〕の10
%水溶液150部、カオリン〔商品名:UW−90,E
MC社製〕15部、ステアリン酸亜鉛の30%水分散液
6部、および水30部からなる組成物を混合攪拌して得
た保護層用塗液を得た。
【0048】〔記録層および保護層の形成〕中間層上
に、上記の記録層用塗液および保護層用塗液を乾燥後の
塗布量がそれぞれ4g/m2 、5g/m2 となるように
順次塗布乾燥し、スーパーカレンダー処理を施して、感
熱記録体を得た。
【0049】
【実施例2】実施例1の記録層用塗液の調製において、
固形濃度30%のコロイダルシリカ(平均粒子径20n
m)70部の代わりに、固形濃度12.6%のアルミナ
ゾル〔商品名:カタロイドAS−2、触媒化成社製〕1
70部を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体
を得た。
【0050】
【実施例3】 〔D液調製〕加熱装置を備えた攪拌混合容器中に、ポリ
ビニルアルコール〔商品名:PVA−217EE,クラ
レ社製〕の8%水溶液60部を加え、マイクロカプセル
製造用水性媒体とした。別に、リン酸トリクレジル12
部に、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール〔商品名:スミゾブ200、住
友化学社製〕2部、キシリレンジイソシアネートとトリ
メチロールプロパンの(3:1)付加物〔商品名:タケ
ネートD−110N,武田薬品工業社製,25%の酢酸
エチルを含有〕18部を溶解して得た溶液を、上記カプ
セル製造用水性媒体中にTKホモミキサー〔モデルHV
−M,特殊機化工業社製〕を用いて、平均粒子径が2μ
mとなるように冷却しながら乳化分散した。次いで、こ
の乳化分散液に水50部を加え、攪拌しながら60℃で
3時間反応させて紫外線吸収剤を内包したポリウレタン
・ポリウレア樹脂からなる壁膜を有するマイクロカプセ
ル分散液を調製した。
【0051】〔中間層の形成〕焼成クレー〔商品名:ア
ンシレックス、EMC社製〕100部、50%スチレン
─ブタジエン共重合体ラテックス8部、を固形分が44
%となるように調製し、分散機で処理し顔料分散液を得
た後、これにD液400部、10%ポリビニルアルコー
ル20部、5%メチルセルロース1部を混合攪拌して得
た中間層用塗液を50g/m2 の上質紙に乾燥後の塗布
量が8g/m2 となるようにロッドブレードコーターで
塗布乾燥し、中間層を得た。
【0052】〔記録層および保護層の形成〕中間層上
に、実施例1の記録層用塗液および上記の保護層用塗液
を乾燥後の塗布量がそれぞれ4g/m2 、5g/m2
なるように順次塗布乾燥し、スーパーカレンダー処理を
施して、感熱記録体を得た。
【0053】
【実施例4】 〔中間層の形成〕D液500部、10%ポリビニルアル
コール25部、5%メチルセルロース1部を混合攪拌し
て得た中間層用塗液を厚さ50μmの2軸延伸PETフ
ィルムに乾燥後の塗布量が1.5g/m2 となるように
バーコーターで塗布乾燥し、中間層を得た。
【0054】実施例3の中間層形成おいて、上記の中間
層を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録体を得
た。
【0055】
【比較例1】実施例1の記録層用塗液の調製において、
固形濃度30%のコロイダルシリカ70部の代わりに軽
質炭酸カルシウム21部を用いる以外は、実施例1と同
様にして感熱記録体を得た。
【0056】
【比較例2】 〔E液調製〕2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール10部、メチルセルロース
の5%水溶液5部、および水40部からなる組成物をサ
ンドミルで平均粒子径が3μmになるまで粉砕した。 〔保護層用塗液の調製〕実施例1の保護層用塗液の調製
において、C液(マイクロカプセル分散液)220部の
代わりにE液を70部用いた以外は、実施例1と同様に
して感熱記録体を得た。
【0057】かくして得られた6種類の感熱記録紙につ
いて以下の評価試験を行い、その結果を〔表1〕に記載
した。 〔感熱記録層のヘイズ度〕感熱記録層用塗液をコロナ放
電処理された厚さ50μmの2軸延伸PETフィルムに
乾燥後の塗布量が3g/m2 となるように塗布乾燥した
フィルムのヘイズ度をヘイズメーター〔商品名:TC−
H IV、東京電色社製〕を用いて測定した。 〔発色性〕感熱評価機〔商品名:TH−PMD、大倉電
機社製〕を用い、印加エネルギー0.4mJ/dotに
て各感熱記録体を発色させ、得られた記録像および白紙
部の発色濃度をマクベス濃度計〔RD−914型、マク
ベス社製〕でビジュアルモードにて測定した。 〔耐光性〕直射日光に14日間曝した後、地肌部と記録
像の濃度をマクベス濃度計(ブルーフィルター使用)で
測定した。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】〔表1〕の結果から明らかなように、本
発明の感熱記録体は、いずれも光暴露に対して記録像の
褪色および地肌部の黄変の少ない感熱記録体であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、無色ないし淡色の塩基性染料
    と顕色剤を含有する感熱記録層、および保護層を順次設
    けた感熱記録体において、該感熱記録層が、透明な厚さ
    50μmのPETフィルム上に感熱記録層を3g/m2
    設けた際のヘイズ値が30以下となる感熱記録層用の塗
    液で形成され、且つ保護層中に、紫外線吸収剤を内包し
    た実質的に発色能のないマイクロカプセルを含有させた
    ことを特徴とする感熱記録体。
  2. 【請求項2】支持体と感熱記録層の間に、紫外線吸収剤
    を内包した実質的に発色能のないマイクロカプセルを含
    有する中間層を設けた請求項1記載の感熱記録体。
JP5046996A 1992-07-29 1993-03-08 感熱記録体 Pending JPH0692028A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5046996A JPH0692028A (ja) 1992-07-29 1993-03-08 感熱記録体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20209892 1992-07-29
JP4-202098 1992-07-29
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006024103A1 (en) * 2004-09-03 2006-03-09 Tropiglas Technologies Ltd Dye materials and infra red active polymer compositions thereof

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