JP2871307B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2871307B2
JP2871307B2 JP17235792A JP17235792A JP2871307B2 JP 2871307 B2 JP2871307 B2 JP 2871307B2 JP 17235792 A JP17235792 A JP 17235792A JP 17235792 A JP17235792 A JP 17235792A JP 2871307 B2 JP2871307 B2 JP 2871307B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として冷凍装置に使
用するスクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種のスクロール圧縮機は、例
えば特開平1−285688号公報に開示されている。
このスクロール圧縮機は、図3に概略的に示したよう
に、密閉ケーシングAに圧縮要素Bを内装すると共に、
前記圧縮要素Bの背面側に、該圧縮要素Bの吐出口Cに
連通する吐出室Dを設け、前記圧縮要素Bで圧縮したガ
ス冷媒を前記吐出口Cを介して前記吐出室Dに吐出した
後、該吐出室Dに接続した吐出管Eを介して外部に供給
するように成す一方、前記吐出室D内に前記吐出口Cを
覆うデミスターFを設け、前記圧縮要素Bの吐出口Cか
ら吐出するガス冷媒が前記デミスターFを通過する際、
該冷媒ガスに含まれる油を前記デミスターFで分離する
ようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで以上のスクロ
ール圧縮機に用いられる前記デミスターFにあっては、
前記吐出口Cから吐出するガス冷媒の流速が速くなるに
伴って油の分離効率が低下する不具合があり、そのため
特にインバータ制御されるスクロール圧縮機のように前
記吐出口Cから吐出する冷媒ガスの流速が変化するもの
では、該圧縮機の高速運転時、前記デミスターFによる
油の分離効率が低くなって、所謂油上がり現象を招くこ
とも考えられる。
【0004】本発明は以上の実情に鑑みて開発したもの
であって、目的とするところは、圧縮要素の吐出口から
吐出されるガス冷媒の流速が速くとも、該ガス冷媒に混
入している油を効率よく分離することの出来るスクロー
ル圧縮機を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のスクロール圧縮
機は、ケーシング1内に第1スクロール2及び第2スク
ロール3をもった圧縮要素Pと、スクロール2・3の少
なくとも一方を駆動する駆動軸51とを内装すると共
に、圧縮要素Pの吐出口23に連通して且つ吐出管12
が開口する吐出室S2を設けて成るスクロール圧縮機で
あって、吐出室S2に、渦巻体81によって形成された
渦巻通路80をもった渦巻状集油体8を設け、渦巻通路
80の渦巻始端部を、圧縮要素Pの吐出口23に連通さ
せ、渦巻終端部を吐出管12の開口部に対し離れた位置
に配設し、渦巻通路80内において渦巻体81の内側に
沿って配置されかつ多数の油通し孔91をもった渦巻状
分離体9を設けて、渦巻状分離体9と渦巻体81との間
に集油路90を形成していることを特徴とする。
【0006】上記のスクロール圧縮機において好ましく
は、集油路90の渦巻終端部に油収集部13が設けら
れ、この油収集部13に、油溜りに連通する油戻し通路
が開口されている。
【0007】
【作用】本発明によれば、ケーシング1内の吐出室S2
に、渦巻通路80をもった渦巻状集油体8を設け、前記
渦巻通路80の渦巻始端部を、圧縮要素Pの吐出口23
に連通させたことにより、前記吐出口23から吐出する
ガス冷媒が前記渦巻通路80内を渦状に通過する際、該
ガス冷媒に混入している油を遠心力の作用により該ガス
冷媒から分離させて、前記渦巻状集油体8の内側に付着
させることが出来るので、例えば圧縮機を高速運転させ
る場合でも、この高速運転により前記圧縮要素Pの吐出
口23から前記渦巻通路80内を渦状に吐出されるガス
冷媒の流速が速くなり、該ガス冷媒に含まれる油に作用
する遠心力も大きくなるのであるから、油を有効に分離
出来、該油の分離効率が一層高まるのであり、しかも前
記渦巻通路80の渦巻終端部を、前記吐出管12の開口
部に対し離れた位置に配設したことにより前記渦巻通路
80内で分離された油が前記吐出管12に流入するのを
抑制することが出来る。
【0008】また前記渦巻体81の内側に沿って、多数
の油通し孔91をもった渦巻状分離体9を配置して、こ
の分離体9と前記渦巻体81との間に集油路90を形成
することにより、前記渦巻通路80内において遠心力の
作用によりガス冷媒から分離した油を前記油通し孔91
を介して前記渦巻通路80とは区画された前記集油路9
0内に流すことができる。したがって、前記の如く分離
された油が前記渦巻通路80を流れるガス冷媒に再混入
することがない。
【0009】また集油路90の渦巻終端部に油収集部1
3を設け、この油収集部13に、油溜りに連通する油戻
し通路を開口させることにより、前記渦巻通路80内で
分離された油の回収を有効に行なうことができる。
【0010】
【実施例】図1に示す密閉スクロール圧縮機は横形とし
たものであって、横形ケーシング1内の一側に、鏡板2
1に渦巻体22を突設し且つ中心部に吐出口23を形成
した第1スクロール2と、同じく鏡板31に渦巻体32
を突設し、前記第1スクロール2と噛合して密閉空間4
を画成する第2スクロール3とを備えた圧縮要素Pを架
構11を介して支持すると共に、該圧縮要素Pの側方に
モータ5を配置して、該モータ5の駆動軸51を前記第
2スクロール2に連結して、該モータ5の駆動により前
記第2スクロール3を第1スクロール2に対し公転させ
て、前記密閉空間4内で圧縮されて高圧となったガス流
体を、吐出口23から後記する吐出室S2に吐出した
後、前記密閉ケーシング1に接続した吐出管12から外
部に取出すようにしている。
【0011】また第1スクロール2の背面側には、前記
密閉ケーシング1内を低圧のガス流体を開放するモータ
側室S1と圧縮後の高圧流体を開放する吐出室S2とに
区画する区画壁7を設けて、該区画壁7の中央に、前記
吐出口23に連通する貫通孔71を形成している。
【0012】しかして以上のスクロール圧縮機におい
て、図に示す実施例では、前記吐出管12を前記横形ケ
ーシング1の上壁に接続して、該吐出管12を前記吐出
室S2の上部で開口する一方、前記吐出室S2における
前記区画壁7の背面に、渦巻通路80をもつ渦巻状集油
体8を設けるのである。
【0013】即ち図に示す渦巻状集油体8は、金属プレ
ートを渦巻状に形成して成る渦巻体81と該渦巻体81
の一側をカバーする円盤状のカバー体82とから成り、
図1に示すように該カバー体82を前記渦巻体81と共
に前記区画壁7の背面にボルト83で固定して、前記渦
巻体81と前記区画壁7と前記カバー体82とで画成さ
れる前記渦巻通路80の渦巻始端部を、前記貫通孔71
に連通すると共に、前記渦巻通路80の渦巻終端部を前
記吐出管12の開口部に対し離れた位置、具体的には前
記吐出室S2の内底部に設けた油収集部13に開口させ
ている。そして前記油収集部13と前記モータ側室S1
の内底部に設けた油溜部10との間に油戻通路を備えた
油戻し管14を設け、前記油収集部13に溜る潤滑油を
前記油戻し管14の油戻通路を介して前記油溜部10に
戻すようにしている。
【0014】また図に示す実施例では、多数の油通し孔
91を備えた渦巻状分離体9を、前記渦巻通路80内に
おいて前記渦巻体81の内側に沿って配置して、この渦
巻状分離体9と前記渦巻体81との間に、前記渦巻通路
80に沿って延びる渦巻状の集油路90を設けて、該集
油路90の渦巻終端部を前記油収集部13に開口させる
と共に、前記渦巻分離体9の渦巻終端側を前記渦巻通路
80の渦巻終端よりも更に延ばして、その終端を前記吐
出室S2内における前記吐出管12と前記油収集部13
との中間位置まで延設している。
【0015】以上の構成からなる圧縮機のモータ駆動に
伴い、前記圧縮要素Pの吐出口23を介して前記渦巻通
路80の渦巻始端部に吐出するガス冷媒は、該渦巻通路
80内を渦状に流れるのであるが、該ガス冷媒に含まれ
る油はガス冷媒よりも比重が大きいことから該ガス冷媒
に含まれる油に遠心力が作用し、該油が前記ガス冷媒か
ら分離して径方向外方に飛散し、前記油通し孔91を介
して前記集油路90内に流入すると共に、前記渦巻体8
の内側面に付着するのである。そして前記渦巻体81の
内側面に付着した油は、該集油路90内に流入する一部
のガス冷媒の流れに乗って該渦巻体81の内側面を伝い
ながら前記集油路90の渦巻終端側に運ばれて、前記油
収集部13に流下し、該収集部13に流下した油は前記
油戻し管14の油戻通路を介して前記油溜部10に戻さ
れるのである。
【0016】しかして、前記渦巻状集油体8を構成する
前記渦巻体81及び渦巻状分離体9が渦巻状に形成され
て、前記渦巻通路80の通路長さが充分確保されている
ので、該渦巻通路80での油分離を確実に行えるし、ま
た前記集油路90は前記渦巻状分離体9を介して前記渦
巻通路80と区画されているので、該集油路90内に流
入した油が前記渦巻通路80側に戻るようなことがな
く、従って前記のごとく分離された油が前記渦巻通路8
0を流れるガス冷媒に再混入するようなことがないし、
更に前記集油路90の終端は、ケーシング1の上部に開
口する前記吐出管12に対してケーシング1の内底部に
開口しているので、該集油路90から前記油収集部13
に流れ出る油が、前記吐出管12に流入するようなこと
がないのである。
【0017】斯くして圧縮機の高速運転により、前記圧
縮要素Pの吐出口23から吐出されるガス冷媒の流速が
速くなると、該ガス冷媒が前記渦巻通路80内を渦状に
流れる速度も速くなって、該ガス冷媒に含まれる油に作
用する遠心力も大きくなるので、該油の分離効率が一層
高くなるのである。
【0018】以上の実施例では、横形の密閉スクロール
圧縮機に本発明を適用したが、縦形の密閉スクロール圧
縮機に適用してもよいし、あるいはモータを外部に配設
した所謂開放型のスクロール圧縮機に適用してもよい。
【0019】
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、吐出室S
2に、渦巻通路80をもった渦巻状集油体8を設け、前
記渦巻通路80の渦巻始端部を、前記圧縮要素Pの吐出
口23に連通させたことにより、前記吐出口23から吐
出するガス冷媒を前記渦巻通路80内において渦状に流
して、該ガス冷媒に混入している油を遠心力の作用によ
り分離させることが出来、従って圧縮機の高速運転によ
り前記圧縮要素Pの吐出口23から前記渦巻通路80内
に渦状に吐出されるガス冷媒の流速も速くなるに伴い、
該ガス冷媒に含まれる油に作用する遠心力も大きくなっ
て、該油の分離効率を一層高くすることが出来、高速運
転時、油上がりを解消することが出来るし、しかも前記
渦巻通路80の渦巻終端部を、前記吐出管12の開口部
に対し離れた位置に配設したことにより、前記渦巻通路
80内で分離された油が前記吐出管12に流入するのを
抑制することが出来る。
【0020】また前記渦巻体81の内側に沿って、多数
の油通し孔91をもった渦巻状分離体9を配置して、こ
の分離体9と前記渦巻体81との間に集油路90を形成
することにより、前記渦巻通路80内において遠心力の
作用によりガス冷媒から分離した油を前記油通し孔91
を介して前記渦巻通路80とは区画された前記集油路9
0内に流すことができる。したがって、前記の如く分離
された油が前記渦巻通路80を流れるガス冷媒に再混入
するのを防止することができる。
【0021】また集油路90の渦巻終端部に油収集部1
3を設け、この油収集部13に、油溜りに連通する油戻
し通路を開口させることにより、前記渦巻通路80内で
分離された油の回収を有効に行なうことができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるスクロール圧縮機の一部を省略
して示す横断面図。
【図2】同要部の縦断面図。
【図3】従来のスクロール圧縮機の一例を示す要部の断
面図。
【符号の説明】
1 密閉ケーシング 12 吐出管 13 油収集部 2 第1スクロール 3 第2スクロール P 圧縮要素 23 吐出口 51 駆動軸 8 渦巻状集油体 80 渦巻通路 9 渦巻状分離体 90 集油路 91 油通し孔 S2 吐出室
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−40483(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 18/02 311 F04C 29/02 311 F04C 29/02 351 F04C 29/02 361

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング1内に第1スクロール2及び
    第2スクロール3をもった圧縮要素Pと、前記スクロー
    ル2・3の少なくとも一方を駆動する駆動軸51とを内
    装すると共に、前記圧縮要素Pの吐出口23に連通し且
    つ吐出管12が開口する吐出室S2を設けて成るスクロ
    ール圧縮機であって、前記吐出室S2に、渦巻体81に
    よって形成された渦巻通路80をもった渦巻状集油体8
    を設け、前記渦巻通路80の渦巻始端部を、前記圧縮要
    素Pの吐出口23に連通させ、渦巻終端部を前記吐出管
    12の開口部に対し離れた位置に配設し、前記渦巻通路
    80内において前記渦巻体81の内側に沿って配置され
    かつ多数の油通し孔91をもった渦巻状分離体9を設け
    て、前記渦巻状分離体9と前記渦巻体81との間に集油
    路90を形成していることを特徴とするスクロール圧縮
    機。
  2. 【請求項2】 前記集油路90の渦巻終端部に油収集部
    13を設け、この油収集部13に、油溜りに連通する油
    戻し通路を開口させている請求項1記載のスクロール圧
    縮機。
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