JP2870858B2 - 線状電子ビーム照射方法とその装置 - Google Patents
線状電子ビーム照射方法とその装置Info
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- 238000010894 electron beam technology Methods 0.000 title claims description 30
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 12
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は線状電子ビームの照射方法と装置に関し、特
にSOI膜等の半導体膜のアニールまたは機械部品の溶
接、加工等に用いる線状電子ビームの照射方法及びその
装置に関する。
にSOI膜等の半導体膜のアニールまたは機械部品の溶
接、加工等に用いる線状電子ビームの照射方法及びその
装置に関する。
電子ビームを用いて半導体膜のアニールまたは機械部
品の溶接、加工等を行なう際、線状の電子ビームを用い
る方が点状電子ビームに比べ短時間の処理で済ませるこ
とができて有利である。従来、この種の線状電子ビーム
を得る技術としては、線状のカソードを用いる方法また
は点状カソードを用いて点状ビームを一方向に高速走査
することにより線状の加熱領域を得る方法が用いられて
いる。
品の溶接、加工等を行なう際、線状の電子ビームを用い
る方が点状電子ビームに比べ短時間の処理で済ませるこ
とができて有利である。従来、この種の線状電子ビーム
を得る技術としては、線状のカソードを用いる方法また
は点状カソードを用いて点状ビームを一方向に高速走査
することにより線状の加熱領域を得る方法が用いられて
いる。
上述した従来の線状電子ビームを得る技術では、線状
のカソードを用いた場合には、ビームの長さが3〜5mm
程度までは比較的均一なビーム強度分布を得ることが可
能であるが、それ以上の長さを有する均一なビームを得
ることは難しいという欠点がある。したがって、5mm以
上の幅の領域を処理する場合、従来の技術ではビームを
複数回重ね合わせて走査する必要があり、この重ね合わ
せ領域において半導体膜の膜質劣化、また機械部品の溶
接、加工の不均一等の問題が生じる。また点状カソード
を用いて点状ビームを高速走査する方法の場合には、大
きなビーム電流を得ることが困難であり、大面積処理に
は適さないという欠点がある。
のカソードを用いた場合には、ビームの長さが3〜5mm
程度までは比較的均一なビーム強度分布を得ることが可
能であるが、それ以上の長さを有する均一なビームを得
ることは難しいという欠点がある。したがって、5mm以
上の幅の領域を処理する場合、従来の技術ではビームを
複数回重ね合わせて走査する必要があり、この重ね合わ
せ領域において半導体膜の膜質劣化、また機械部品の溶
接、加工の不均一等の問題が生じる。また点状カソード
を用いて点状ビームを高速走査する方法の場合には、大
きなビーム電流を得ることが困難であり、大面積処理に
は適さないという欠点がある。
本発明の目的は、このような従来の問題点を解決し、
従来より長くしかも強度が均一な線状電子ビームを安定
に得る線状電子ビーム照射方法及びその装置を提供する
ことにある。
従来より長くしかも強度が均一な線状電子ビームを安定
に得る線状電子ビーム照射方法及びその装置を提供する
ことにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る線状電子ビー
ム照射方法においては、線状の電子ビームを対称物に照
射する際に、該線状ビームをそのビーム長辺方向に定周
期で間欠的に高速偏向させ、かつ、その定周期で間欠的
な偏向位置を偏向の各周期において異ならせて照射する
ものである。
ム照射方法においては、線状の電子ビームを対称物に照
射する際に、該線状ビームをそのビーム長辺方向に定周
期で間欠的に高速偏向させ、かつ、その定周期で間欠的
な偏向位置を偏向の各周期において異ならせて照射する
ものである。
また、本発明に係る線状電子ビーム照射装置において
は、線状の電子ビームを発生する機構と、該線状電子ビ
ームをそのビーム長辺方向に定周期で間欠的に高速偏向
させ、かつ、その定周期で間欠的な偏向位置を偏向の各
周期において異なるようにビームの偏向を行わせるビー
ム偏向手段とを具備するものである。
は、線状の電子ビームを発生する機構と、該線状電子ビ
ームをそのビーム長辺方向に定周期で間欠的に高速偏向
させ、かつ、その定周期で間欠的な偏向位置を偏向の各
周期において異なるようにビームの偏向を行わせるビー
ム偏向手段とを具備するものである。
線状のカソードから取り出した電子を加速し、収差を
減少させるため比較的大口径の電子光学系を用いて集束
することにより、カソードの像を試料面上に投影できる
ことが実験により確認された。したがって、この線状の
電子ビームをビームの長辺方向に高速走査することによ
り、見かけ上、本来のビーム長より長い線状電子ビーム
を得ることが可能である。ビーム強度は長辺方向各点で
のビームの滞在確率に比例するので、ビーム長辺方向に
高速走査しない場合に均一なビーム強度分布であれば、
ビーム長分ずつ長辺方向にずらせ、各ステップにおける
滞在時間が等しいようなステップ状の波形をビーム偏向
波形として用いることによりビーム長辺方向に従来より
長く、しかも均一な強度分布の線状ビームを得ることが
できる。しかし、実際にはビーム強度分布は長辺方向に
おいて理想的な矩形分布ではなく、長辺方向の両端にお
いて裾を引くような分布となっている。したがって、ビ
ーム長分ずつ長辺方向にずらせた偏向波形によりビーム
偏向を行なっても合成された見かけ上のビーム強度分布
は、ビーム間においてビーム強度が低下し、均一な強度
分布の線状ビームを得ることができない。そこで、偏向
波の各ステップにおける電圧値をステップ電圧以内でラ
ンダムに変化させ、各ステップにおけるビームの照射位
置をビームのステップ移動範囲内で変化させることによ
り、合成されたビーム強度分布のビーム間におけるビー
ム強度変化を少なくすることができる。
減少させるため比較的大口径の電子光学系を用いて集束
することにより、カソードの像を試料面上に投影できる
ことが実験により確認された。したがって、この線状の
電子ビームをビームの長辺方向に高速走査することによ
り、見かけ上、本来のビーム長より長い線状電子ビーム
を得ることが可能である。ビーム強度は長辺方向各点で
のビームの滞在確率に比例するので、ビーム長辺方向に
高速走査しない場合に均一なビーム強度分布であれば、
ビーム長分ずつ長辺方向にずらせ、各ステップにおける
滞在時間が等しいようなステップ状の波形をビーム偏向
波形として用いることによりビーム長辺方向に従来より
長く、しかも均一な強度分布の線状ビームを得ることが
できる。しかし、実際にはビーム強度分布は長辺方向に
おいて理想的な矩形分布ではなく、長辺方向の両端にお
いて裾を引くような分布となっている。したがって、ビ
ーム長分ずつ長辺方向にずらせた偏向波形によりビーム
偏向を行なっても合成された見かけ上のビーム強度分布
は、ビーム間においてビーム強度が低下し、均一な強度
分布の線状ビームを得ることができない。そこで、偏向
波の各ステップにおける電圧値をステップ電圧以内でラ
ンダムに変化させ、各ステップにおけるビームの照射位
置をビームのステップ移動範囲内で変化させることによ
り、合成されたビーム強度分布のビーム間におけるビー
ム強度変化を少なくすることができる。
次に、本発明について図面を参照して説明する。
第1図は本発明の一実施例の構成図、第2図は本発明
に用いるビーム偏向波形を示した図、第3図は本実施例
により得られたビーム強度分布を示すグラフである。
に用いるビーム偏向波形を示した図、第3図は本実施例
により得られたビーム強度分布を示すグラフである。
図において、本実施例は電子銃1を構成するカソード
2及びウェネルト3と、加速電極4と、レンズコイル5
と、偏向電極6と、試料7を載置する試料台8と、加速
電源9と、バイアス電源10と、偏向電源11とを有してい
る。
2及びウェネルト3と、加速電極4と、レンズコイル5
と、偏向電極6と、試料7を載置する試料台8と、加速
電源9と、バイアス電源10と、偏向電源11とを有してい
る。
電子銃1は線状のカソード2及びウェネルト3を有す
る。カソード2はタングステンフィラメントの直熱形と
した。フィラメントの電子放出面は5mm×1mmの矩形とし
た。ウェネルト3は、カソード2を包囲するような形状
となっている。加速電極4として比較的大口径のものを
用い、該電極4には加速電源9から15キロボルトの定電
圧が印加され、カソード2から放射される線状の電子ビ
ームを加速する。レンズコイル5は電子ビームの集束を
行なうもので、比較的大口径のものを用いる。偏向電極
6には偏向電源11から第2図に示すようなステップ状の
波形をもつビーム偏向信号12が印加され、試料台8上の
試料7に対して線状電子ビームの走査を行ない、見かけ
上長い電子ビームを試料上で得るために用いる。本実施
例では印加電圧は3ステップとし、各ステップはそれぞ
れ、−500ボルト、0ボルト、+500ボルトを中心電圧と
し、ステップ電圧内でランダムに変化するようにした。
また、各ステップ電圧の印加時間は0.3マイクロ秒とし
た。バイアス電源10は0〜1000ボルトまで連続可変可能
な安定化電源とし、このバイアス電源10の電圧を変化さ
せることによりビーム電流を所望の電流値に設定する。
る。カソード2はタングステンフィラメントの直熱形と
した。フィラメントの電子放出面は5mm×1mmの矩形とし
た。ウェネルト3は、カソード2を包囲するような形状
となっている。加速電極4として比較的大口径のものを
用い、該電極4には加速電源9から15キロボルトの定電
圧が印加され、カソード2から放射される線状の電子ビ
ームを加速する。レンズコイル5は電子ビームの集束を
行なうもので、比較的大口径のものを用いる。偏向電極
6には偏向電源11から第2図に示すようなステップ状の
波形をもつビーム偏向信号12が印加され、試料台8上の
試料7に対して線状電子ビームの走査を行ない、見かけ
上長い電子ビームを試料上で得るために用いる。本実施
例では印加電圧は3ステップとし、各ステップはそれぞ
れ、−500ボルト、0ボルト、+500ボルトを中心電圧と
し、ステップ電圧内でランダムに変化するようにした。
また、各ステップ電圧の印加時間は0.3マイクロ秒とし
た。バイアス電源10は0〜1000ボルトまで連続可変可能
な安定化電源とし、このバイアス電源10の電圧を変化さ
せることによりビーム電流を所望の電流値に設定する。
本発明においては、線状のカソード2から放射された
線状電子ビームを、加速電極4及びレンズコイル5から
なる比較的大口径の電子光学系を用いて集束させ、偏向
電極6に第2図のようなステップ状の偏向信号12を印加
することにより、集束された線状の電子ビームをそのビ
ーム長辺方向に定周期で間欠的に高速偏向させ、かつ、
その定周期で間欠的な偏向位置を偏向の各周期において
異ならせて照射する。第3図に示すように、ビーム強度
分布は長辺方向において理想的な矩形分布ではなく、1
3,14で示すように長辺方向の両端において裾を引くよう
な分布となっている。そこで、偏向波の各ステップにお
ける電圧値をステップ電圧以内でランダムに変化させ、
各ステップにおけるビームの照射位置を変化させる。す
なわち、第3図に示すように、点線で示すビーム強度分
布13をもつビームで照射を行い、次にそのビームの照射
位置を1点鎖線で示す位置にずらせて照射を行う。ある
瞬間のビーム強度分布13と次の瞬間のビーム強度分布14
とは同一であり、ビームの照射位置をずらせることによ
り、合成された見かけ上のビーム強度分布15のビーム間
におけるビーム強度変化を少なくすることができる。
線状電子ビームを、加速電極4及びレンズコイル5から
なる比較的大口径の電子光学系を用いて集束させ、偏向
電極6に第2図のようなステップ状の偏向信号12を印加
することにより、集束された線状の電子ビームをそのビ
ーム長辺方向に定周期で間欠的に高速偏向させ、かつ、
その定周期で間欠的な偏向位置を偏向の各周期において
異ならせて照射する。第3図に示すように、ビーム強度
分布は長辺方向において理想的な矩形分布ではなく、1
3,14で示すように長辺方向の両端において裾を引くよう
な分布となっている。そこで、偏向波の各ステップにお
ける電圧値をステップ電圧以内でランダムに変化させ、
各ステップにおけるビームの照射位置を変化させる。す
なわち、第3図に示すように、点線で示すビーム強度分
布13をもつビームで照射を行い、次にそのビームの照射
位置を1点鎖線で示す位置にずらせて照射を行う。ある
瞬間のビーム強度分布13と次の瞬間のビーム強度分布14
とは同一であり、ビームの照射位置をずらせることによ
り、合成された見かけ上のビーム強度分布15のビーム間
におけるビーム強度変化を少なくすることができる。
本発明によれば、約10mmの長さを有する線状電子ビー
ムを5〜30ミリアンペアのビーム電流範囲で安定して得
ることができる。また、そのビーム強度分布をファラデ
ーケージで測定した結果、5〜30ミリアンペアの電流範
囲にわたり、10mmのビーム長内での強度変化は±5%以
内とすることができる。これは、第3図に示すように、
長辺方向のビーム偏向により合成された見かけ上長いビ
ームが得られるためである。
ムを5〜30ミリアンペアのビーム電流範囲で安定して得
ることができる。また、そのビーム強度分布をファラデ
ーケージで測定した結果、5〜30ミリアンペアの電流範
囲にわたり、10mmのビーム長内での強度変化は±5%以
内とすることができる。これは、第3図に示すように、
長辺方向のビーム偏向により合成された見かけ上長いビ
ームが得られるためである。
本構成の装置により試料の処理を行なうには、試料を
ビームの長辺方向と直角な方向に移動させるか、あるい
はビームをその長辺方向と直角な方向に偏向することに
より試料上の帯状の領域を加熱処理できる。
ビームの長辺方向と直角な方向に移動させるか、あるい
はビームをその長辺方向と直角な方向に偏向することに
より試料上の帯状の領域を加熱処理できる。
以上説明したように本発明によれば、従来より長く、
しかも均一な強度分布の線状電子ビームを安定に得るこ
とができ、従って、短時間のアニールで均一な膜質を有
する半導体膜を得ることができ、また短時間で機械部品
の溶接や加工を行なうことができる効果がある。
しかも均一な強度分布の線状電子ビームを安定に得るこ
とができ、従って、短時間のアニールで均一な膜質を有
する半導体膜を得ることができ、また短時間で機械部品
の溶接や加工を行なうことができる効果がある。
第1図は本発明の一実施例の構成図、第2図は本実施例
に用いるビーム偏向波形を示した図、第3図は本実施例
により得られるビーム強度分布を示す図である。 1……電子銃、2……カソード 3……ウェネルト、4……加速電極 5……レンズコイル、6……偏向電極 7……試料、8……試料台 9……加速電源、10……バイアス電源 11……偏向電源、12……ビーム偏向信号 13……ある瞬間のビーム強度分布 14……次の瞬間のビーム強度分布 15……合成された見かけ上のビーム強度分布
に用いるビーム偏向波形を示した図、第3図は本実施例
により得られるビーム強度分布を示す図である。 1……電子銃、2……カソード 3……ウェネルト、4……加速電極 5……レンズコイル、6……偏向電極 7……試料、8……試料台 9……加速電源、10……バイアス電源 11……偏向電源、12……ビーム偏向信号 13……ある瞬間のビーム強度分布 14……次の瞬間のビーム強度分布 15……合成された見かけ上のビーム強度分布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 37/317 H01J 37/317 Z (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 37/147 H01J 37/30 H01J 37/315 H01J 37/317 G21K 5/04
Claims (2)
- 【請求項1】線状の電子ビームを対称物に照射する際
に、該線状ビームをそのビーム長辺方向に定周期で間欠
的に高速偏向させ、かつ、その定周期で間欠的な偏向位
置を偏向の各周期において異ならせて照射することを特
徴とする線状電子ビーム照射方法。 - 【請求項2】線状の電子ビームを発生する機構と、該線
状電子ビームをそのビーム長辺方向に定周期で間欠的に
高速偏向させ、かつ、その定周期で間欠的な偏向位置を
偏向の各周期において異なるようにビームの偏向を行わ
せるビーム偏向手段とを具備することを特徴とした線状
電子ビーム照射装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1251088A JP2870858B2 (ja) | 1989-09-27 | 1989-09-27 | 線状電子ビーム照射方法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1251088A JP2870858B2 (ja) | 1989-09-27 | 1989-09-27 | 線状電子ビーム照射方法とその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03112043A JPH03112043A (ja) | 1991-05-13 |
JP2870858B2 true JP2870858B2 (ja) | 1999-03-17 |
Family
ID=17217461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1251088A Expired - Lifetime JP2870858B2 (ja) | 1989-09-27 | 1989-09-27 | 線状電子ビーム照射方法とその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2870858B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02258689A (ja) * | 1989-03-31 | 1990-10-19 | Canon Inc | 結晶質薄膜の形成方法 |
-
1989
- 1989-09-27 JP JP1251088A patent/JP2870858B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03112043A (ja) | 1991-05-13 |
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