JP2870253B2 - 車両用シートの制御装置 - Google Patents

車両用シートの制御装置

Info

Publication number
JP2870253B2
JP2870253B2 JP3253230A JP25323091A JP2870253B2 JP 2870253 B2 JP2870253 B2 JP 2870253B2 JP 3253230 A JP3253230 A JP 3253230A JP 25323091 A JP25323091 A JP 25323091A JP 2870253 B2 JP2870253 B2 JP 2870253B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seat
vehicle
attitude
control
control amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP3253230A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0585235A (ja
Inventor
孝和 森
栄一 浜田
国男 西山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP3253230A priority Critical patent/JP2870253B2/ja
Priority to EP92116719A priority patent/EP0538656B1/en
Priority to DE69221256T priority patent/DE69221256T2/de
Priority to US07/953,673 priority patent/US5321617A/en
Publication of JPH0585235A publication Critical patent/JPH0585235A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2870253B2 publication Critical patent/JP2870253B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Seats For Vehicles (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Position Or Direction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用シートの制御装
置にかかり、特に、車両の走行時に乗員に作用する慣性
に応じて車両の座席シートの姿勢を制御することによ
り、快適な着座位置を確保する車両用シートの制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両には乗員が着座可能な座席シ
ートが備えられており、この座席シートは車両の走行時
に移動しないように車両に取り付けられている。最近で
は車両の性能向上に伴って高速走行が可能になった。座
席シートにおいても乗員の体型に合わせて位置を設定で
きるようになっており、座席シートの着座感にも向上が
図られている。ところが、座席シートは固定されている
ため、車両の走行状態、例えば、車両が旋回する時に
は、旋回するときに生じる慣性力(遠心力)によって、
座席シートに対する着座状態がズレ、乗員に不快感が生
じる。これを解決するために、車両の走行時の慣性力を
センサ(加速度センサ、車速センサ、回転センサ等)で
検出し、この検出値に基づいて座席シートを移動させ
て、乗員の座席シートに対する着座状態を維持すること
で不快感を解消しようとするような座席シートが提案さ
れている(特開昭57−84232号公報、実開昭58
−97040号公報)。これによれば、車両の動き、例
えば、車両旋回時の動きに追従して座席を左右方向に移
動して、常時、快適な着座状態を維持することができ
る。また、車両の高さを検出して座席シートの姿勢を左
右方向に変化させるものもある(実開平3−237号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両
は、慣性力に応じてサスペンション等に力が作用し車体
の姿勢が変化する。このため、車速及び車両の旋回方向
等から求めた慣性力によって座席シートを最適な位置に
制御しても、車両の姿勢変化が生ずるために最適な姿勢
位置にならない。
【0004】また、発進(加速)時や制動(減速)時、
高速走行時の進路変更(レーンチェンジ)や悪路におけ
る旋回時には、短時間の間に慣性力の方向が大きく変化
するために、車両の姿勢が前後左右に大きく変化する。
このため、短時間で制御を行なわなければならないと共
に座席の姿勢制御を左右のみについて行なっても、乗員
は前後方向の姿勢変位が残存し、運転時の最適な姿勢の
確保が難しく、乗員の不快感の解消にはならない。
【0005】本発明は、上記事実を考慮して、乗員に不
快感を与えることのない細やかな姿勢制御を行なうこと
のできる車両用シートの制御装置を得ることが目的であ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明は、車両の走行状態を表す走行状態量
を検出する車両走行状態量検出手段と、検出された車両
の走行状態量に応じて座席シートの姿勢制御量を求める
姿勢制御量演算手段と、姿勢制御量演算手段で求めた座
席シートの姿勢制御量に基づいて座席シートの姿勢を制
御する制御手段と、前記車両の走行状態に応じて前記車
両に生じる慣性力によって変位する前記車両の姿勢変位
量を検出する車両姿勢変位量検出手段と、前記車両の姿
勢変位量を所定値と比較する比較手段と、前記比較手段
の出力に基づいて前記座席シートの姿勢制御量を補正す
る補正手段と、を備えたことを特徴としている。請求項
2の発明は、車両の走行状態を表す走行状態量を検出す
る車両走行状態量検出手段と、前記車両の走行状態に応
じて前記車両に生じる慣性力によって変位する前記車両
の姿勢変位量を検出する車両姿勢変位量検出手段と、車
両走行状態量検出手段で検出された車両の走行状態量と
車両姿勢変位量検出手段で検出された車両の姿勢変位量
に基づいて座席シートの姿勢制御量を求める姿勢制御量
演算手段と、前記姿勢制御量演算手段で求めた座席シー
トの姿勢制御量に基づいて座席シートの姿勢を制御する
制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
【作用】本発明によれば、車両の走行状態を表す走行状
態量を車両走行状態量検出手段によって検出する。車両
の走行状態は、車両が走行するときにおけるまたはその
前後における車両の状態であり、その走行状態量として
は、速さを表す車両の速、加速度、操舵を表す車両に備
えられたステアリングの回転角度、ステアリングの回転
角速度等の物理量を利用することができ、この物理量の
少なくとも1つを検出することによって車両の走行状態
量を特定することが可能である。これらのセンサからの
出力信号に基づいて車両及び車両内に存在する物へ作用
する慣性力を算出する。姿勢制御量演算手段は、検出さ
れた車両の走行状態に応じて座席シートに着座した乗員
に生じる慣性力による乗員の移動を抑制するための姿勢
制御量を求める。制御手段は、この姿勢制御量演算手段
で求めた座席シートの姿勢制御量に基づいて座席シート
の姿勢を制御する。車両には走行状態に応じて慣性力が
生じ、この車両に生じる慣性力によって車両の姿勢は変
位する。車両姿勢変位量検出手段は、車両に生じる慣性
力によって変位する車両の姿勢変位量を検出する。この
車両の姿勢変位量は、例えば、サスペンションの変位を
検出することにより検出可能である。比較手段は、検出
された車両の姿勢変位量と所定値とを比較する。補正手
段は、比較手段の出力に基づいて座席シートの姿勢制御
量を補正する。例えば、車両の姿勢変位量が所定値を越
えた場合には、補正手段によって、姿勢制御量演算手段
で求めた座席シートの姿勢制御量を、車両姿勢変位量検
出手段で検出した車両の姿勢変化量に対応させて補正す
ることができる。このように、慣性力による乗員の移動
を抑制するための座席シートの制御量を予め求め、座席
シートの姿勢を早期に安定させ、その後、車両の姿勢の
変位に伴って、その変位量に応じて座席シートの制御量
を補正する。このため、ステアリング操作等によって慣
性力が働き、その慣性力に応じて車両の姿勢の変位が増
大してゆく場合においても、この慣性力に応じた座席シ
ートの姿勢制御量に加えて、車両の姿勢変位をも加味し
て制御するので、車両のサスペンションバネ特性に、影
響されることなく最適な運転姿勢が確保できる。また、
姿勢制御量演算手段は、車両走行状態量検出手段で検出
した車両の速度やステアリングの回転角度等の走行状態
量と、車両姿勢変位量検出手段で検出した車両のサスペ
ンションの変位等の車両に生じる慣性力によって変位す
姿勢変位量とに基づいて座席シートの姿勢制御量を求
めてもよい。この求めた姿勢制御量に基づいて、制御手
段が座席シートの姿勢を制御すれば、車両の速度等によ
る走行状態及びサスペンションの変位等の姿勢変位量が
変化した場合であっても、最適な運転姿勢を確保でき
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。
【0009】なお、図中矢印FRは車体前方方向を、矢
印INは車幅内方方向を、矢印UPは車体上方方向を示
す。
【0010】また、本実施例はファジイ推論を利用して
自動車の運転者の座席シートの姿勢制御に制御シートに
本発明を適用したものである。
【0011】図1に示したように、車両内には、座席シ
ート10が設けられており、この座席シート10は、周
知のようにシートクッション12及びシートバック14
を備えている。
【0012】図2に示したように、座席シート10のシ
ートクッション12の下方、前方右側には、シート姿勢
駆動部20Aが配設されており、座席シート10のシー
トクッション12下方の後方右側には、シート姿勢駆動
部20Bが配設されている。一方、図示は省略したが、
中心線CLを軸としてシート姿勢駆動部20Aと対称な
位置の、シートクッション12下方の前方左側には、シ
ート姿勢駆動部20Cが配設されており、シートクッシ
ョン12下方の後方右側にはシート姿勢駆動部20Dが
配設されている。
【0013】図3(1)、(2)には、シート姿勢駆動
部20Aの概略構造図及び作動図を示した。
【0014】シート姿勢駆動部20Aは、サポート22
A、フランジ24A、ステイ26A、移動ブロック28
A、ナット部30A、ハウジング32A、ネジ36A及
びモータ34Aから構成されている。
【0015】サポート22Aは、断面コ字状であり、屈
曲部の先端付近の各々には貫通孔が設けられている。ま
た、長形状の平坦部にも貫通孔が設けられており、この
貫通孔にボルトを通して座席シート10下部に固定する
ことが可能になっている。
【0016】ステイ26Aは、断面コ字状であり、屈曲
部の先端付近の各々には貫通孔が設けられている。ま
た、長形状の平坦部にも図示しない貫通孔が設けられて
おり、この貫通孔にボルトを通して図示しないシャシに
固定されたレール92に取り付け可能になっている。
【0017】サポート22Aとステイ26Aとは、その
両側面が略三角形の板状に形成されたフランジ24Aを
介して連結されている。フランジ24Aは、各々の頂点
付近に貫通孔が合計3つ設けられており、1つ目の貫通
孔とステイ26Aの貫通孔とにリベット23が軸着され
ている。また、2つ目の貫通孔とサポート22Aの貫通
孔とにもリベット23が軸着されている。
【0018】フランジ24Aの3つ目の孔には、移動ブ
ロック28Aの板状の先端部に設けられた貫通孔と共
に、リベット23が軸着されている。移動ブロック28
Aの一方にはナット部30Aが設けられており、ナット
部30Aには、その中心をネジ36が通されている。
【0019】ネジ36Aの一端は、ハウジング32Aへ
回転可能なように取り付けられており、他端は図示を省
略した保持部材に取り付けられている。このハウジング
32Aは、図示しないウオームギヤ及びウオームホイー
ルを内蔵しており、ウオームギヤ及びウオームホイール
の回転軸にはモータ34Aの回転軸及びネジ36Aが取
り付けられ、モータ34Aの回転がネジ36Aに伝達さ
れるようになっている。また、このハウジング32Aは
下面がレール92に固定されている。
【0020】モータ34Aは制御装置40に接続されて
おり、制御装置40からの信号に応じて回転するように
なっている。このモータ34Aは、回転駆動を司る回転
駆動部35A及びエンコーダ68Aから構成されてい
る。エンコーダ68Aは回転駆動部35Aの回転軸に取
り付けられており、回転駆動部35Aの回転角度に応じ
た信号を出力するようになっている。なお、エンコーダ
68Aを設けることなくオープン制御が可能なパルスモ
ータを使用してもよい。
【0021】したがって、モータ34Aが図3(2)矢
印A方向(反時計方向)に回転すると、ハウジング32
Aによってモータ34Aの回転がネジ36Aに伝達さ
れ、ネジ36Aが図3(2)矢印B方向に回転する。ネ
ジ36Aの一端がハウジング32Aに固定されているこ
とにより、ネジ36Aの回転によりナット部30Aは図
3(2)矢印D方向に移動する。ナット部30Aは移動
ブロック28Aに固定されているため、移動ブロック2
8Aの先端が図3(2)矢印D方向へ移動する。移動ブ
ロック28Aはフランジ24Aを介してレール92に固
定されたステイ26Aに取り付けられているため、フラ
ンジ24Aは回転軸25Aを軸として図3(2)矢印C
方向に回転する。フランジ24Aに取り付けられたサポ
ート22Aは図3(2)矢印E方向に移動し、想像線D
へと至る。一方、モータ34Aが図3(2)の時計方向
に回転すると、サポート22Aは、想像線Uへ至る。こ
のように、サポート22Aが上下動することにより、サ
ポート22Aが取り付けられた座席シート10は上下に
移動可能になる。
【0022】なお、シート姿勢駆動部20B、シート姿
勢駆動部20C、シート姿勢駆動部20Dも同様の構成
になっている。
【0023】図4に示したように、定常走行状態または
停止状態における座席シート10の位置を0(基準位
置)としたときに、シート姿勢駆動部20A、20Bの
サポート22を上昇させると共に、シート姿勢駆動部2
0C、20Dを下降させることにより、座席シート10
はヒップポイントPを中心として基準位置から図4の矢
印θA方向へ所定角度回転する。一方、シート姿勢駆動
部20A、20Bのサポート22を下降させると共に、
シート姿勢駆動部20C、20Dを上昇させることによ
り、座席シート10はヒップポイントPを中心として基
準位置から図4の矢印θB方向へ所定角度回転する。
【0024】図5に示したように、シート姿勢駆動部2
0A、20Cのサポート22を上昇させると共に、シー
ト姿勢駆動部20B、20Dのサポート22を下降させ
ることにより、座席シート10はヒップポイントPを中
心として基準位置から図5の矢印θC方向へ所定角度回
転する。一方、シート姿勢駆動部20A、20Cのサポ
ート22を下降させると共に、シート姿勢駆動部20
B、20Dを上昇させることにより、座席シート10は
ヒップポイントPを中心として図5矢印θD方向へ所定
角度回転する。
【0025】ここで、車両の旋回時(ロール制御)、加
速時(スクオート制御)、減速時(ダイブ制御)におい
て、座席シート10の姿勢を制御するために回転するモ
ータと制御状態との関係の例を以下の表1に示した。
【0026】
【表1】 但し、 0:モータを回転しない 1:モータを回転する θ=R:ステアリング16右回転(図6参照) θ=L:ステアリング16左回転(図6参照) なお、上記モータの回転は、座席シート10の初期位置
から座席シート10の姿勢を変位させるための回転を示
している。また、このとき、各モータは時計方向に回転
することにより、シート姿勢駆動部20のサポート22
が上昇する方向である。このように、各モータを回転さ
せることにより、座席シート10を車両の走行に応じた
位置に制御することができる。
【0027】図7に示したように、制御装置40は、リ
ードオンリメモリ(ROM)44、ランダムアクセスメ
モリ(RAM)46、中央処理装置(CPU)42、入
力ポート50、出力ポート52及びこれらを接続するデ
ータバスやコントロールバス等のバス48で構成されて
いる。なお、このROM44には、後述するファジイ推
論を行なうために利用するファジイルールおよび制御プ
ログラムが記憶されている。
【0028】入力ポート50には、ステアリングセンサ
62、車速センサ64、ストロークセンサ66A、66
B、66C、66D、エンコーダ68A、68B、68
C、68Dが接続されている。ステアリングセンサ62
は、ステアリング16の回転に応じたパルス信号を出力
する。また、車速センサ64は、車両の速度を指示する
スピードメータ(図示省略)のケーブルに取り付けら
れ、車両の速度Vに応じた信号を出力する。
【0029】ストロークセンサ66A〜66Dは、図示
しないサスペンションに取り付けられており、車体と車
輪との変位に応じた信号を出力する。エンコーダ68A
〜68Dは、上記モータ34A〜34Dの各回転軸に取
り付けられており、このモータ34A〜34Dの各々の
回転角度に基づいてシート姿勢駆動部20A〜20Dの
サポート22の上下位置を特定することができる。
【0030】出力ポート52は、増幅回路54を介して
回転駆動部35A、回転駆動部35B、回転駆動部35
C、回転駆動部35Dに接続され、それぞれを回転する
ようになっている。
【0031】また、バス48には、メモリ56が接続さ
れており、以下の表2及び表3に示した補正係数hのテ
ーブルが記憶されている。このテーブルは、ストローク
センサ66の変位量により座席シート10の姿勢を制御
する制御量Yを補正する補正量Hを演算するときに用い
る。すなわち、ストロークセンサ66とシート制御補正
量との関係を表している。なお、ストロークセンサ66
の値は、ストロークセンサ66A〜66Dの平均値、最
大値、最小値及び何れか1つの値を用いことができる。
例えば、ロール制御時のストロークセンサ66の変位量
dDがα≦dD<βであり、車速Vが高速(PVL)と
きには補正係数hは1/10になる(表2)。このスト
ロークセンサ66の変位量により座席シート10の姿勢
制御量を求める関係を以下の式(1)に示した。
【0032】 Y=Yf+h・Yf −−−−−(1) 但し、 Y:シート制御量 Yf:ステアリングセンサ62及び車速センサ64(車
両走行状態)に基づいて求めたシート制御量
【0033】
【表2】 但し、ZR,PM,PL,PVL:車速V Li :ロール制御時の座席シート制御量 α,β:定数
【0034】
【表3】 但し、ZR,PM,PL:ステアリング16の回転角度
θ Ki :スクオート・ダイブ制御時の座席シート制御量 α,β:定数 次に、本実施例に用いられるシート制御量について説明
する。
【0035】本発明者は、座席シート10の姿勢制御を
連続的に制御するのでなく、予め2または3つの所定値
を定めておき、この所定値により座席シート10の姿勢
を制御することにより、連続的に制御した場合と等価な
制御を行なうことができることを実験により確認した。
本実施例に用いられるシート制御量の所定値は、座席シ
ート10をヒップポイントPを中心に左右に揺動させる
ための制御量L(表4参照)、及び座席シート10をヒ
ップポイントPを中心に前後に揺動させるための制御量
K(表5参照)として、座席シート10の初期位置から
順に制御量がL1、L2、L3、及びK1、K2と大き
くなるように予め所定値が定められている。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】 なお、上記の制御量には、その制御が正方向(シート姿
勢駆動部20が上昇する方向)のみの場合を記載した。
【0038】本実施例では、座席シート10の姿勢制御
量を演算するためにファジイ推論を利用している。この
ファジイ推論に用いられるファジィ推論規則について説
明する。
【0039】本実施例のファジィ推論規則としては、i
f〜then〜の形で表される規則を用いる。以下に、
車両を旋回したときにおけるロール制御のファジィ推論
規則の例を示す。 (1)もし、ステアリングの回転角度が小さいならば、
座席シート10の姿勢制御を行なわない。 (2)もし、ステアリングを右に中程度回転しかつ車速
度Vが中高速度ならば、座席シート10を右に少し傾け
る。 (3)もし、ステアリングを右に中程度回転しかつ車速
度Vが中低速度ならば、座席シート10の姿勢制御を行
なわない。 (4)もし、ステアリングを右に中程度回転しかつ車速
度Vが中高速度であると共にステアリングの回転角速度
が大きいならば、座席シート10を右に中程度傾ける。 (5)もし、ステアリングを右に大きく回転しかつ車速
度Vが高速度であると共にステアリングの回転角速度が
大きいならば、座席シート10を右に大きく傾ける。
【0040】上記の規則を含む車両旋回時におけるロー
ル制御のファジィ推論規則をテーブル化して以下に示し
た表6で表した。なお、表6には、ステアリング16を
右回転したときのファジイ規則を表している。
【0041】
【表6】 但し、 θ:ステアリング回転角度 dθ:ステアリング回転角速度 V:車速 (a) 〜(t) :ファジイ推論規則の番号 なお、上記ステアリング16の回転角度が小さい、中程
度及び大きいという言語値は右回転をZR、RM、RL
で表し、左回転をZR、LM、LLで表した。また、車
速度Vが低速、中低速、中高速及び高速という言語値
は、ZR、PM、PL、PVLで表した。同様に、ステ
アリングの回転角速度が小さい、中程度及び大きいとい
う言語値は、ZR、PM、PLで表した。
【0042】また、上記座席シート10の姿勢制御を行
なわない、座席シート10を右に少し、中程度及び大き
く傾けるという言語値は、ZR、PS、PM、PLで表
した。
【0043】ここで、ステアリング16を左回転した場
合には、座席シート10の姿勢制御は右に傾けるという
ことと対称に作動させるため、このファジイ規則は、表
6におけるステアリング16の回転角度が小さい及び大
きい、という言語値に対応する右回転のZR、RM、R
Lを、左回転のZR、LM、LLに置き換え、座席シー
ト10の制御を左に傾けるように制御するという言語値
にすることにより、上記表6と同様になる。
【0044】上記ステアリング16の回転角度が小さい
及び大きい、という言語値に対応する右回転のZR、R
M、RLは、図8(1)に示すメンバシップ関数によっ
て定量化される。ZRは、ステアリング16の中心位置
(角度)を0度(図6参照)として、回転角度θが0か
らθ1まで徐々に一致度が減少しかつ0から−θ1まで
徐々に一致度が減少する特性である。RMは、回転角度
が0から徐々に一致度が増加しθ1で一致度が1になる
と共にθ1からθ2まで徐々に一致度が減少する特性で
ある。RLは、回転角度がθ1から徐々に一致度が増加
しθ2で一致度が1となると共にθ2以上では一致度が
1となる特性である。一方、左回転の言語値に対応する
ZRは、上記右回転と同様であり、LM、LLは、上記
右回転のRM、RLの符号を逆にした特性である。
【0045】また、ステアリングの回転角速度が小さ
い、中程度及び大きいという言語値に対応するZR、P
M、PL、PVLについても同様に、図8(2)に示す
メンバシップ関数によって定量化される。ZRは、0か
らdθ1まで徐々に一致度が減少する特性である。PM
は、回転角速度dVが0から徐々に一致度が増加しdθ
1で一致度が1になりかつdθ1からdθ2まで徐々に
一致度が減少する特性である。PLは、dθ1から徐々
に一致度が増加しdθ2で一致度が1になると共にdθ
2以上では一致度が1となる特性である。
【0046】同様に、車速度Vが低速、中低速、中高速
及び高速、という言語値に対応するZR、PM、PL、
PVLは、図8(3)に示すメンバシップ関数によって
定量化される。ZRは、車速Vが0からV1まで徐々に
一致度が減少する特性である。PMは、車速Vが0から
徐々に一致度が増加しV1で一致度が1になると共にV
1からV2まで徐々に一致度が減少する特性である。P
Lは、車速VがV1から徐々に一致度が増加しV2で一
致度が1になると共にV2からV3まで徐々に一致度が
減少する特性である。PVLは、車速VがV2から徐々
に一致度が増加しV3で一致度が1となると共にV3以
上では一致度が1となる特性である。
【0047】なお、座席シート10の姿勢制御を行なわ
ない、座席シート10を右に少し、中程度、大きく傾け
るという言語値に対応するZR、PS、PM、PLは、
図8(5)に示すメンバシップ関数によって定量化され
る。ZRは、姿勢制御量Yが常時0の特性である。PS
は姿勢制御量YがL1で一致度が1であり、PMは姿勢
制御量YがL2で一致度が1であり、PLは姿勢制御量
YがL3で一致度が1である特性である。また、座席シ
ート10を傾ける制御量に対応させるためには、座席シ
ート10がヒップポイントPを中心に左右に揺動するた
め、座席シート10の右側の変位量と左側の変位量が基
準位置から対称に同量変位する。例えば、座席シート1
0を右側にL1だけ傾ける場合には、右側のシート姿勢
駆動部20A,20Bを−L1に、左側のシート姿勢駆
動部20C,20DをL1にすればよい。一方、座席シ
ート10を左側にL1だけ傾ける場合には、右側のシー
ト姿勢駆動部20A,20BをL1に、左側のシート姿
勢駆動部20C,20Dを−L1にすればよい。
【0048】次に、上記ファジイ規則及びメンバシップ
関数に基づいてファジイ推論して座席シート10の姿勢
制御量を求める例について図15に示したフローチャー
トを参照し説明する。
【0049】図15に示したように、座席シート10の
姿勢制御量を求める処理が開始されると、ステップ15
0へ進み、メモリに記憶されたステアリング16の角度
θ、車速V、ステアリング16の回転角速度dθ、車加
速度dVを取り込む。
【0050】ステップ152では、上記で説明したファ
ジィ推論規則にしたがって各々のメンバシップ関数に基
づいてステアリング16の角度θ、車速V、ステアリン
グ16の回転角速度dθ、車加速度dVに対応する一致
度、すなわち、ファジイ規則の前件部である条件との一
致度を演算する。ステップ154では、上記規則の各々
に対して一致度の論理積つまり一致度の最小値wi(i
は規則の数)、すなわち、ステアリング16の角度θ、
車速V、ステアリング16の回転角速度dθ、車加速度
dVに対する適合度を演算する。
【0051】次のステップ156では、上記規則毎に推
論結果を算出する。すなわち、座席シート10の姿勢状
態を定量化するメンバシップ関数ZR、PS、PM、P
L等の集合で、上記規則に対応する関数を適合度wiに
よって重み付けされた集合を求める。つまり、適合度w
iとメンバシップ関数ZR、PS、PM、PL等との論
理積、すなわち、最小値からなる集合Wiを求める。
【0052】次のステップ158では、規則毎に算出さ
れた推論結果から総合的な推論結果を算出する。すなわ
ち、求めた各々の集合Wiの和集合としての推論結果で
ある集合Wを求める。ステップ160では、集合Wの重
心を求め、求めた各々の重心値から最も近い座席シート
10の制御量0、L1、L2、L3を選択する。
【0053】そして、ステップ162では、選択された
制御量0、L1、L2、L3から、座席シート10のシ
ート姿勢駆動部20A〜20Dの各々の制御量を演算す
る。すなわち、上記で説明したように、ロール制御時
(座席シート10を左右に傾ける時)には、シート姿勢
駆動部20A、20Bの制御量SR及びシート姿勢駆動
部20C、20Dの制御量SLを演算する。
【0054】例えば、車両が旋回するときのロール制御
について上記表6の規則(f)及び規則(g)の2つの
規則を用いて推論を行なう。規則(f)に対しては、図
9(1)に示したメンバシップ関数(図8参照)を利用
し、ステアリング16の回転角度θがθa、回転角速度
dθがdθa、車速VがVaの場合には、図9(2)に
示したように、ステアリング16の回転角度θに対する
メンバシップ関数はRMによって一致度が演算されて、
回転角速度dθに対するメンバシップ関数はZRによっ
て一致度が演算される。同様に車速Vに対するメンバシ
ップ関数は関数PL及びPVLによって一致度が演算さ
れる。これにより、図9(2)に示したように、求めら
れた一致度の最小値を適合度w1 とする。規則(g)に
対しても同様であり、図9(3)に示したように、各々
の最小値を適合度w2 とする。
【0055】したがって、規則(f)に対して、座席シ
ート10の制御量を表すメンバシップ関数ZRを適合度
1 でカットした斜線部の集合W1(図9(2)参
照)、規則(g)に対して、座席シート10の制御量を
表すメンバシップ関数PSを適合度w2 でカットした斜
線部の集合W2(図9(3)参照)を合成した斜線部の
集合Wが、ファジイ推論の推論結果になる(図9(4)
参照)。この集合Wの重心を求め、重心値に最も近い制
御量(0、L1,L2,L3の何れか)であるL1を座
席シート10の制御量と決定する。この決定された制御
量から、シート姿勢駆動部20A〜20Dの駆動値を演
算する。すなわち、シート姿勢駆動部20A、20Bの
制御量SRを−L1に、シート姿勢駆動部20C、20
Dの制御量SLをL1にする。
【0056】また、上記表6の規則(j)及び規則
(k)の2つの規則を用いて推論を行なう場合には、規
則(j)に対しては、図10(1)に示したメンバシッ
プ関数(図8参照)を利用し、ステアリング16の回転
角度θがθb、回転角速度dθがdθb、車速VがVb
の場合には、図10(2)に示したように、ステアリン
グ16の回転角度θに対するメンバシップ関数はRMに
よって一致度が演算されて、回転角速度dθに対するメ
ンバシップ関数はPLによって一致度が演算される。同
様に車速Vに対するメンバシップ関数は関数PL及びP
VLによって一致度が演算される。これにより、図10
(2)に示したように、求められた一致度の最小値を適
合度w1 とする。規則(k)に対しても同様であり、図
10(3)に示したように、各々の最小値を適合度w2
とする。
【0057】したがって、規則(j)に対して、座席シ
ート10の制御量を表すメンバシップ関数PSを適合度
1 でカットした斜線部の集合W1(図10(2)参
照)、規則(j)に対して、座席シート10の制御量を
表すメンバシップ関数PMを適合度w2 でカットした斜
線部の集合W2(図10(3)参照)を合成した斜線部
の集合Wが、ファジイ推論の推論結果になる(図10
(4)参照)。この集合Wの重心を求め、重心値に最も
近い制御量(0、L1,L2,L3の何れか)であるL
2を座席シート10の制御量と決定する。この決定され
た制御量から、シート姿勢駆動部20A〜20Dの駆動
値を演算する。すなわち、シート姿勢駆動部20A、2
0Bの制御量SRを−L2に、シート姿勢駆動部20
C、20Dの制御量SLをL2にする。
【0058】次に、車両を加速、減速したときのスクォ
ート・ダイブ制御のファジィ推論規則の例を示す。 (1)もし、車加速度dVが小さいならば、座席シート
10の姿勢制御を行なわない。 (2)もし、車加速度dVが少し増加し車速Vが中低速
ならば、座席シート10の前側の姿勢制御を行なわずに
座席シート10の後側を少し上昇させる。 (3)もし、車加速度dVが大きく増加し車速Vが高速
ならば、座席シート10の前側を少し下降させ、座席シ
ート10の後側を多く上昇させる。 (4)もし、車加速度dVが少し減少し車速Vが中高速
ならば、座席シート10の前側の姿勢制御を行なわずに
座席シート10の後側を少し下降させる。 (5)もし、車加速度dVが大きく減少し車速Vが高速
ならば、座席シート10の前側を多く上昇させ、座席シ
ート10の後側を多く下降させる。
【0059】上記の規則を含む車両を加速、減速したと
きのスクォート・ダイブ制御のファジィ推論規則をテー
ブル化して以下の表7で表した。
【0060】
【表7】 但し、 V:車速 dV:車加速度 AF:座席シート前側の制御 AB:座席シート後側の制御 (a) 〜(n) :ファジイ推論規則の番号 なお、上記車速Vが低速、中低速、中高速及び高速、と
いう言語値はZR、PM、PL、PVLで表した。ま
た、車加速度dVが小さい、少し増加、大きく増加する
という言語値は、ZR、PM、PLで、少し減少、大き
く減少するという言語値は、NM、NLで表した。
【0061】また、上記座席シート10の制御を行なわ
ないという言語値はZRに対応させ、座席シート10を
少し、大きく上昇させるという言語値は、PM、PL
で、少し下降、大きく下降させるという言語値は、N
M、NLで表した。
【0062】上記車加速度dVが低速、中低速、中高速
及び高速、という言語値に対応するZR、PM、PL、
PVLは、図8(4)に示すメンバシップ関数によって
定量化される。ZRは、車加速度dVが0からdV1ま
で徐々に一致度が減少する特性である。PMは、車加速
度dVが0から徐々に一致度が増加しdV1で一致度が
1になると共にdV1からdV2まで徐々に一致度が減
少する特性である。PLは、車加速度dVがdV1から
徐々に一致度が増加しdV2で一致度が1になると共に
dV2以上では一致度が1となる特性である。また、N
Mは、車加速度dVが0から徐々に少なくなると一致度
が増加し−dV1で一致度が1になると共に−dV1か
ら−dV2まで徐々に一致度が減少する特性である。N
Lは、車加速度dVが−dV1から徐々に一致度が増加
し−dV2で一致度が1になると共に−dV2以下では
一致度が1となる特性である。
【0063】また、座席シート10の姿勢制御を行なわ
ない、座席シート10の前側AF、または後側ABを中
程度、大きく上昇させるという言語値に対応するZR、
PS、PM、PLは、図8(6)に示すメンバシップ関
数によって定量化される。ZRは、姿勢制御量Yが常時
0の特性である。PSは姿勢制御量YがK1で一致度が
1であり、PMは姿勢制御量YがK2で一致度が1であ
る特性である。また、座席シート10の前側AF、また
は後側ABを中程度、大きく下降させるという言語値に
対応するNSは姿勢制御量Yが−K1で一致度が1であ
り、NMは姿勢制御量Yが−K2で一致度が1である特
性である。
【0064】次に、車両が加速するときのスクオート制
御または、車両が減速するときのダイブ制御について上
記ファジイ規則及びメンバシップ関数に基づいてファジ
イ推論して座席シート10の姿勢制御量を求める例につ
いて説明する。
【0065】スクオート制御またはダイブ制御は、上記
ロール制御のときに説明した図15のフローチャートを
用いる。例えば、車両が加速するときのスクオート制御
について上記表7の規則(j)及び規則(k)の2つの
規則を用いて推論を行なう。規則(j)に対しては、図
11(1)に示したメンバシップ関数(図8参照)を利
用し、車速VがVc、車加速度dVがdVcの場合に
は、図11(2)に示したように、車速Vに対するメン
バシップ関数はPLによって一致度が演算されて、車加
速度dVに対するメンバシップ関数はPMによって一致
度が演算される。これにより、図11(2)に示したよ
うに、規則(j)に対しては、求められた一致度の最小
値を適合度w1 とする。規則(k)に対しても同様であ
り、図11(3)に示したように、各々の最小値を適合
度w2 とする。
【0066】したがって、規則(j)に対して、座席シ
ート10の前側の制御量Afを表すメンバシップ関数Z
R及び座席シート10の後側の制御量Abを表すメンバ
シップ関数PMを適合度w1 でカットした斜線部の集合
W11,W12(図11(2)参照)、規則(k)に対
して、座席シート10の前側の制御量Afを表すメンバ
シップ関数ZR及び座席シート10の後側の制御量Ab
を表すメンバシップ関数PLを適合度w2 でカットした
斜線部の集合W21,W22(図11(3)参照)を合
成した斜線部の集合W1,W2が、ファジイ推論の推論
結果になる(図11(4)参照)。この各々の集合W
1、W2の重心を求め、重心値に最も近い制御量(0、
K1,K2の何れか)を座席シート10の前側の制御量
Afには0を、座席シート10の後側の制御量Abには
K2を座席シート10の制御量と決定する。この決定さ
れた制御量から、シート姿勢駆動部20A〜20Dの駆
動値を演算する。すなわち、シート姿勢駆動部20A、
20Cの制御量SFを0に、シート姿勢駆動部20B、
20Dの制御量SBをK2にする。
【0067】また、車両が減速するときのダイブ制御に
ついて上記表7の規則(h)及び規則(g)の2つの規
則を用いて推論を行なう。規則(h)に対しては、図1
2(1)に示したメンバシップ関数(図8参照)を利用
し、車速VがVd、車加速度dVがdVdの場合には、
図12(2)に示したように、車速Vに対するメンバシ
ップ関数はPLによって一致度が演算されて、車加速度
dVに対するメンバシップ関数はNMによって一致度が
演算される。これにより、図12(2)に示したよう
に、規則(h)に対しては、求められた一致度の最小値
を適合度w1 とする。規則(g)に対しても同様であ
り、図12(3)に示したように、各々の最小値を適合
度w2 とする。
【0068】したがって、規則(h)に対して、座席シ
ート10の前側の制御量Afを表すメンバシップ関数Z
R及び座席シート10の後側の制御量Abを表すメンバ
シップ関数NMを適合度w1 でカットした斜線部の集合
W11,W12(図12(2)参照)、規則(g)に対
して、座席シート10の前側の制御量Afを表すメンバ
シップ関数ZR及び座席シート10の後側の制御量Ab
を表すメンバシップ関数NLを適合度w2 でカットした
斜線部の集合W21,W22(図11(3)参照)を合
成した斜線部の集合W1,W2が、ファジイ推論の推論
結果になる(図12(4)参照)。この各々の集合W
1、W2の重心を求め、重心値に最も近い制御量(0、
−K1,−K2の何れか)を座席シート10の前側の制
御量Afには−K1を、座席シート10の後側の制御量
Abには−K2を座席シート10の制御量と決定する。
この決定された制御量から、シート姿勢駆動部20A〜
20Dの駆動値を演算する。すなわち、シート姿勢駆動
部20A、20Cの制御量SFを−K1に、シート姿勢
駆動部20B、20Dの制御量SBをK2にする。
【0069】以下、本実施例の作用について、図14、
図15、図13及び図16を参照して座席シート10の
姿勢を制御する制御ルーチンと共に説明する。
【0070】先ず、乗員が車両のイグニッションキーが
オンされ、エンジンをスタートさせると、図13に示し
た制御ルーチンが実行される。本制御ルーチンが実行さ
れるとステップ110へ進み、本制御プログラムの初期
設定が行なわれる。
【0071】図14に示したように、初期設定処理が開
始されると、ステップ130へ進み、車速Vを読み取
る。ステップ132では、V=0か否かを判断すること
により、車両が停止しているか否かを判断する。車両が
停止していない場合は、ステップ134において予め記
憶されている座席シート10の初期位置を読み取って図
示しないレジスタに記憶し、ステップ142で読み取っ
た座席シート10の位置をメモリに設定して、本ルーチ
ンを終了する。
【0072】車両が停止している場合には、ステップ1
36へ進み、ストロークセンサ66A〜66Dを読み取
って、ステップ138へ進む。ステップ138では、モ
ータ34A〜モータ34Dのエンコーダ68A〜68D
を読み取る。このモータ34A〜モータ34Dの回転位
置(角度)からシート姿勢駆動部20A〜20Bの位置
を得る。
【0073】ステップ140では、V=0か否かを判断
し、車両が停止している間、ストロークセンサ66A〜
66D及びエンコーダ68A〜68Dの読み取りを繰り
返し行なう。車両が走行を始めるとステップ142へ進
み、読み取った座席シート10の位置を図示しないレジ
スタに記憶して、本ルーチンを終了する。
【0074】このように、車両の停止状態におけるスト
ロークセンサ66およびエンコーダ68の検出値を初期
値としている。なお、坂道等で車両が傾斜して停車して
いる場合には、ストロークセンサ66の値に応じて補正
を加え、車両が平地に停車した場合と等価な状態の初期
値として演算するようにしてもよい。
【0075】図13に示したように、初期設定が終了す
ると、ステップ112においてステアリング16の角度
θ、車速Vを読み取る。続いてステップ114では、読
み取ったステアリング16の角度θ、車速Vに基づいて
ステアリング16の回転する角速度dθ、車加速度dV
を演算する。演算が終了するとステップ116へ進み、
上記で説明したようにファジイ推論を利用して座席シー
ト10の姿勢制御量を演算する(図15参照)。
【0076】座席シート10の姿勢制御量の演算が終了
すると、ステップ118へ進み、求めた座席シート10
の姿勢制御量を図示しないレジスタに記憶すると共にこ
の記憶された姿勢制御量を取り込む。なお、ステップ1
18より、後述する割り込みルーチンが実行可能にされ
る。
【0077】ステップ120では、モータ34A〜34
Dの位置を読み取り、ステップ122へ進む。ステップ
122では、記憶されている座席シート10の姿勢制御
量だけモータ34A〜34Dが回転したか否かを判断
し、未だ姿勢制御量だけ移動していないときには、ステ
ップ126へ進み、各々のモータ34A〜34Dを駆動
して記憶されている座席シート10の姿勢制御量だけモ
ータ34A〜34Dが回転するまで実行される。移動が
終了すると、ステップ124へ進み、乗員が車両のイグ
ニッションキーをオフしたか否かを判断し、オンの時に
は、ステップ112へ戻り、オフの時にはステップ12
8へ進み、座席シート10を初期位置へ戻して本ルーチ
ンを終了する。
【0078】ここで、本実施例では、上記ファジイ推論
を利用して座席シート10の制御量を演算した後には、
所定時間毎に割り込みがかかるようになっている。以
下、この割り込みルーチンに付いて説明する、図16に
示したように、割り込みがかかるとステップ170が実
行される。ステップ170では、ストロークセンサ66
A〜66Dの各々のストロークDi(i=A〜D)を読
み取り、ステップ172へ進む。ステップ172では、
各々サスペンションについて変位量dDiを演算し、ス
テップ174へ進む。ステップ174では、何れか1つ
のストロークセンサ66A〜66Dの変位量がα<dD
iか否かを判断する。α≧dDiの場合には、車両の姿
勢が変位していないので、座席シート10の制御量を補
正することなく、本割り込みルーチンを終了する。α<
dDiの場合には、車両の姿勢が変位しているので、ス
テップ176へ進み、上記ステップ116で、求められ
た姿勢制御量(Ki,Li)Yiを取り込む。なお、こ
のとき、車速V及びステアリング16の回転角度θと取
り込む。また、この車速V及びステアリング16の回転
角度θは、所定量毎大きくなるに従ってZR,PM,P
L,PVLに対応させる。取り込みが終了するとステッ
プ178へ進み、ロール制御の場合には上記表2、スク
オートまたはダイブ制御の場合には上記表3に示したテ
ーブルを参照する。ステップ180では、補正量(h・
Yf)を演算し、ステップ182へ進む。ステップ18
2では、上記式(1)に基づいて座席シート10の姿勢
制御量を演算したのち、上記ステップ116で、求めら
れた姿勢制御量(Ki,Li)Yiの内容をこの補正さ
れた制御量に書き換えて本ルーチンを終了する。
【0079】これにより、座席シート10の姿勢制御
は、車両が変位した後の制御量に変更され、この変更さ
れた位置に座席シート10が移動する。このように、先
ず、ステアリングの回転角、ステアリング角加速度、車
速及び車加速度に基づいた車両走行状態量から直接シー
ト姿勢制御値を計算するので、早期に座席シート10の
姿勢を変位させる制御量を演算することができると共
に、車両の姿勢変化が生じた場合においても、演算され
た制御量を更に車両の姿勢変位に応じて車両の姿勢変化
による乗員の移動を抑制する方向に制御量に補正するた
め、乗員が快適な座席シート10の位置に制御すること
ができる。
【0080】また、上記座席シート10の姿勢制御にフ
ァジイ制御を利用したことにより、運転者の感覚に合っ
た制御をすることができる。更に、ロール制御時、座席
シート10のヒップポイントPを中心に左右対称に制御
するようにしたので、運転時、運転者の目線の上下の振
れが少なく、運転が安定する。
【0081】なお、上記車速V及びステアリング16の
回転角度θと取り込み、この車速V及びステアリング1
6の回転角度θをZR,PM,PL,PVLに対応させ
て、このZR,PM,PL,PVLに基づいて上記表2
または表3を参照するとしたが、この制御をファジイ推
論を利用して補正量を求めてもよい。
【0082】上記実施例では、ステアリングセンサ62
及び車速センサ64に基づいて求められた車両走行状態
量からシート姿勢制御量を計算する例について説明した
が、車両の挙動センサ、例えば、G(加速度)センサを
用いてもよい。このGセンサには、前後及び横Gセンサ
を利用することができる。
【0083】このGセンサを用いて右旋回のときのロー
ル制御を行なう場合のファジイ推論規則の例を以下の表
8に示した。
【0084】
【表8】 したがって、Gセンサによって検出された値に基づいて
座席シート10の姿勢制御量が演算され、車両が変位し
た後には、上記実施例で説明したように制御量が車両の
姿勢の変位に応じて変更され、この変更された位置に座
席シート10が移動する。このように、Gセンサを用い
ることにより、車両の走行状態を演算して求めることな
く、直接車両の走行状態を検出することができる。この
ため、先ず、Gセンサに基づいた車両走行状態量から早
期に座席シート10の姿勢を変位させる制御量を演算す
ることができると共に、車両の姿勢変化が生じた場合に
おいても、演算された制御量を更に車両の姿勢変位に応
じて車両の姿勢変化による乗員の移動を抑制する方向
制御量に補正するため、乗員が快適な座席シート10の
位置に制御することができる。
【0085】なお、上記実施例では、一致度の最小値を
適合度とする、論理積によるファジィ推論について説明
したが一致度の積を演算して適合度を求める例(代数積
によるファジィ推論)を用いてもよい。更に一致度より
適合度を求める他のファジィ推論の合成規則を用いても
よい。
【0086】また、上記実施例では、自動車の運転席の
座席シートに本発明を適応した場合について説明した
が、本実施例は車両の種類および座席シートの位置に限
定されるものではなく、座席シートを有した車両には適
応可能であり、更に座席シートの位置には助手席または
後部座席、及びこれらを組み合わせて用いてもよい。
【0087】また、上記実施例では、シートバック及び
シートクッションとを制御する例について説明したが、
ヘッドレスト及びランバーサポートの少なくとも一方を
上記と同時に制御してもよい。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、走
行時の慣性力による着座者の姿勢の変位を慣性力に応じ
て座席シート位置を変化させることにより調整し、更
に、車両に生じる慣性力による車両の変位を検出するこ
とにより座席シート位置の調整をするので、きめ細かな
シート姿勢制御を行なうことができ、運転者の座席シー
トのホールド性が向上し快適で、より安定した姿勢で運
転できる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に利用可能な車両を示す斜視図であ
る。
【図2】本発明の実施例の制御シートが適用された座席
シートを示す斜め前方から見た斜視図である。
【図3】(1)は、実施例の制御シートに利用したシー
ト姿勢駆動部の構成斜視図、(2)は、(1)の側面図
である。
【図4】座席シートを車両の車幅方向に揺動した状態を
表すイメージ図である。
【図5】座席シートを車両の前後方向に揺動した状態を
表すイメージ図である。
【図6】ステアリングの回転方向を示す線図である。
【図7】本実施例に利用した制御装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図8】メンバシップ関数を表す線図である。
【図9】(1)はメンバシップ関数を示す線図、(2)
〜(3)は本実施例における推論過程を示したイメージ
図、(4)は推論結果を示したイメージ図である。
【図10】(1)はメンバシップ関数を示す線図、
(2)〜(3)は本実施例における推論過程を示したイ
メージ図、(4)は推論結果を示したイメージ図であ
る。
【図11】(1)はメンバシップ関数を示す線図、
(2)〜(3)は本実施例における推論過程を示したイ
メージ図、(4)は推論結果を示したイメージ図であ
る。
【図12】(1)はメンバシップ関数を示す線図、
(2)〜(3)は本実施例における推論過程を示したイ
メージ図、(4)は推論結果を示したイメージ図であ
る。
【図13】本実施例の制御ルーチンを示す流れ図であ
る。
【図14】本実施例の制御ルーチンにおける初期設定処
理を示す流れ図である。
【図15】本実施例の制御ルーチンにおけるシート制御
量演算処理ルーチンを示す流れ図である。
【図16】本実施例の割り込み処理ルーチンを示す流れ
図である。
【符号の説明】
10 座席シート 12 シートクッション 20 シート姿勢駆動部 40 制御装置 62 ステアリングセンサ 64 車速センサ 66 ストロークセンサ 68 エンコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−84232(JP,A) 実開 平2−50452(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60N 2/00 - 2/54

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行状態を表す走行状態量を検出
    する車両走行状態量検出手段と、 検出された車両の走行状態量に応じて座席シートの姿勢
    制御量を求める姿勢制御量演算手段と、 姿勢制御量演算手段で求めた座席シートの姿勢制御量に
    基づいて座席シートの姿勢を制御する制御手段と、前記車両の走行状態に応じて前記車両に生じる慣性力に
    よって変位する前記 車両の姿勢変位量を検出する車両姿
    勢変位量検出手段と、 前記車両の姿勢変位量を所定値と比較する比較手段と、 前記比較手段の出力に基づいて前記座席シートの姿勢制
    御量を補正する補正手段と、 を備えたことを特徴とする車両用シートの制御装置。
  2. 【請求項2】 車両の走行状態を表す走行状態量を検出
    する車両走行状態量検出手段と、前記車両の走行状態に応じて前記車両に生じる慣性力に
    よって変位する前記 車両の姿勢変位量を検出する車両姿
    勢変位量検出手段と、 車両走行状態量検出手段で検出された車両の走行状態量
    と車両姿勢変位量検出手段で検出された車両の姿勢変位
    量に基づいて座席シートの姿勢制御量を求める姿勢制御
    量演算手段と、 前記姿勢制御量演算手段で求めた座席シートの姿勢制御
    量に基づいて座席シートの姿勢を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする車両用シートの制御装置。
JP3253230A 1991-10-01 1991-10-01 車両用シートの制御装置 Expired - Fee Related JP2870253B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3253230A JP2870253B2 (ja) 1991-10-01 1991-10-01 車両用シートの制御装置
EP92116719A EP0538656B1 (en) 1991-10-01 1992-09-30 System for accommodating sitting attitude of vehicle occupant
DE69221256T DE69221256T2 (de) 1991-10-01 1992-09-30 Vorrichtung zum Anpassen der Sitzposition von Fahrzeuginsassen
US07/953,673 US5321617A (en) 1991-10-01 1992-10-01 System for accommodating sitting attitude of vehicle occupant

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3253230A JP2870253B2 (ja) 1991-10-01 1991-10-01 車両用シートの制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0585235A JPH0585235A (ja) 1993-04-06
JP2870253B2 true JP2870253B2 (ja) 1999-03-17

Family

ID=17248383

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3253230A Expired - Fee Related JP2870253B2 (ja) 1991-10-01 1991-10-01 車両用シートの制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2870253B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7822523B2 (en) 2006-02-24 2010-10-26 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Seat apparatus for vehicle

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR19980052882A (ko) * 1996-12-24 1998-09-25 박병재 차량의 운전석 제어방법
JP2007176425A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Toyota Motor Corp 車両制御装置
JP4661730B2 (ja) 2006-08-10 2011-03-30 トヨタ自動車株式会社 車両の高度制御装置
CN111546950B (zh) * 2020-05-06 2022-05-10 广州小鹏汽车制造有限公司 调整方法、调整装置、车辆和存储介质
CN114778103B (zh) * 2022-06-17 2022-10-28 深圳市永达电子信息股份有限公司 一种检测部件结构紧密度的自动化测试装置及方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7822523B2 (en) 2006-02-24 2010-10-26 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Seat apparatus for vehicle

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0585235A (ja) 1993-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0538656B1 (en) System for accommodating sitting attitude of vehicle occupant
US6527079B2 (en) Control unit for an electrical-motor-driven power steering apparatus
JP4586962B2 (ja) 車両の姿勢制御装置
JP6888587B2 (ja) シート制御装置
JPH0780407B2 (ja) 電動パワ−ステアリング連動式車高制御装置
JP6603953B2 (ja) 車両
JP2870253B2 (ja) 車両用シートの制御装置
JP2007253883A (ja) 車両用シートの姿勢制御装置
JP2008012972A (ja) 走行装置及び車両姿勢制御装置
JP3077309B2 (ja) 車両用シートの制御装置
JP2019031149A (ja) 車体傾斜装置
EP0424843B1 (en) Suspension control apparatus
JPH05262171A (ja) 車両用シートの制御装置
JPH08142728A (ja) 車両用シートの制御装置
JP7465667B2 (ja) 車両用シート及びこの車両用シートを備えた車両、車両の制御方法及びプログラム
JP3646026B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2000219146A (ja) 車輌の走行制御装置
JP2022147002A (ja) ダンパ制御装置
JP2022158441A (ja) 車両の制御装置
JPH11208439A (ja) 車輌の停止制御装置
JPS63151549A (ja) 車両状態感応型シ−トサイドサポ−ト
JP2002331816A (ja) 車両のサスペンション特性制御装置
JPH06312666A (ja) 動力操舵装置
JPS60113710A (ja) 自動車のコ−ナリングセンサ
JP3299820B2 (ja) アクティブコントロールシート

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080108

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090108

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100108

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees