JP2869894B2 - ブレーキ圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ圧制御装置

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JP2869894B2 JP2004937A JP493790A JP2869894B2 JP 2869894 B2 JP2869894 B2 JP 2869894B2 JP 2004937 A JP2004937 A JP 2004937A JP 493790 A JP493790 A JP 493790A JP 2869894 B2 JP2869894 B2 JP 2869894B2
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、車輪ブレーキ圧を制御する装置に関し、特
に、車輪ブレーキにブレーキ圧を与えているときに路面
に対する車輪の減速スリップが過大になりそうなときに
車輪ブレーキ圧を低下させて車輪の減速スリップを低く
する、いわゆるアンチスキッド制御や、車両走行を加速
しようとするときに路面に対する車輪の加速スリップが
過大になりそうなときに車輪ブレーキ圧を上昇させて車
輪の加速スリップを低くする、いわゆるトラクションス
リップ制御などに用いるブレーキ圧制御装置に関する。
(従来の技術) 例えば前述のアンチスキッド制御では、従来は車輪ブ
レーキをブレーキマスタシリンダに接続する高圧接続用
の開閉電磁弁と、車輪ブレーキをドレイン圧(低圧)に
接続するための低圧用の開閉電磁弁が、車輪ブレーキ圧
制御用に用いられている(例えば特公昭51−6308号公報
および特開昭62−125942号公報)。
ブレーキペダルが踏み込まれてブレーキマスタシリン
ダより高圧接続用の開閉電磁弁を介してブレーキ圧(高
圧)が車輪ブレーキに加わり、車輪の制動力により車輪
の回転速度が低下するが、路面が凍結していたり、ある
いは油など滑り易いもので汚れていたときには、路面に
対する車輪の摩擦係数が低く、路面に対して車輪がスリ
ップして、車両は比較的に高速度で進んでいるが車輪は
制動力により急速に回転速度が低下する。車輪が例えば
停止すると、車輪が路面上を滑り、ステアリングホイー
ルによる操舵(進行方向の変更)が困難となりかつブレ
ーキペダルを踏込んでから車両が停止するまでの制動距
離が長くなる。これを防止するために、車輪回転速度お
よびそれに基づいた基準速度(車両推定速度)に基づい
て車輪のスリップ率を演算し、このスリップ率と必要に
応じて車輪回転速度の加速度(増速度,減速度)等に基
づいて、車輪がロック(車両は進行しているが車輪は回
転を停止)しそうになると、高圧接続用の電磁開閉弁を
閉(遮断)に、低圧接続用の電磁開閉弁を開(通流)に
して車輪ブレーキ圧を下げる。車輪の回転速度が上昇す
ると、高圧接続用の電磁開閉弁を開に、低圧接続用の電
磁開閉弁を閉にして車輪ブレーキ圧を上げる(減圧モー
ドと増圧モードの組合せ)。このような繰り返しで車輪
ブレーキ圧が、路面に対する車輪のスリップが所定範囲
内になるものに制御され、ステアリングホイールによる
操舵の効果が現われ、かつ制動距離が短くなる。
上述のアンチスキッド制御では、車輪ブレーキ圧を2
値的に切換えるので、車輪ブレーキ圧の変動が粗い。し
たがって、減圧にした後に車輪回転の加速度がある程度
高くなりある範囲に入ると、高圧接続用および低圧接続
用の電磁開閉弁を共に閉(遮蔽)として車輪ブレーキ圧
をそのとみの値に保持(ホールド)し、車輪の加速度が
更に高くなると高圧接続用の電磁開閉弁を開にすること
も行なわれている(減圧モード,ホールドモードおよび
増圧モードの組合せ)。
車輪ブレーキ圧を更に円滑に制御するために、また従
来2個の開閉電磁弁を1個の電磁切換弁で代用するため
に、例えば特願昭62−27079号のアンチスキッド制御で
は、減圧モードから増圧モードに移動する間のホールド
モードにおいて、減圧と増圧を比較的に短時間周期で交
互に切換え、かつその繰り返しにおける増圧のデューテ
イ〔増圧時間/(増圧時間+減圧時間)×100%〕を次
第に高くする。本出願人の特願昭63−190900号および前
記特願昭62−270795号のアンチスキッド制御装置では、
ブレーキ圧制御用の弁装置をより簡単なものとするた
め、電磁切換弁を用いており、1個の電気コイルで弁体
を駆動して、車輪ブレーキをブレーキマスタシリンダと
ドレイン圧に選択的に接続する。
(発明が解決しようとする課題) この種のブレーキ圧制御では、路面の摩擦係数μを検
出して、それに対応してブレーキ圧を制御するのが好ま
しいが、従来は、例えば車輪スリップ率と車輪加速度が
ある設定領域に入ると、スリップ要注意と判定して車輪
ブレーキ圧の減圧を開始し、その後車輪スリップ率と車
輪加速度を追跡しつつ車輪スリップ率が所定適範囲に入
るようにしかも可及的に車両減速が速く実現するように
増圧,ホールド,減圧等を繰返している間に、これらの
増圧,ホールド,減圧等の相互間隔や各継続時間等から
路面の摩擦係数μを推定し、推定値に対応して、増圧,
ホールド,減圧等のタイミングを調整する。これは最初
の減圧後のμ推定である。ところが、最初に何程減圧す
ればよいかの目易がないため、最初の減圧が過減圧とな
り続いて増圧をするなど、減圧/増圧の繰返しすなわち
車輪ブレーキ圧の変動を生じ易い。
したがって、最初の減圧開始時点にすでにμを推定し
これに基づいて最初の減圧圧力を設定して、増,減圧の
繰返し頻度を可及的に低くして車輪ブレーキ圧を円滑か
つすみやかに調整して、車輪の過度のスリップを防止し
かつ車体の減速は可及的に早く行なうのが好ましい。
特開昭60−35647号公報に開示のアンチスキッド制御
装置では、車輪のスリップ率と車輪加速度から車輪/路
面間のμを推定する。これは、μがスリップ率20%程度
をピークとした山なりの形状になるという性質に基づい
ている。
しかし、実際にはこのμ推定は車輪ブレーキ圧の減圧
を一度開始した後のブレーキ圧制御中には可能である
が、車輪ブレーキ圧の減圧を開始していない、ブレーキ
圧制御前では車輪ブレーキ圧が不明かつ不定であるた
め、この種のμ推定は不可能である。
本発明は、車輪の過度のスリップを防止するための車
輪ブレーキ圧制御において、車輪ブレーキ圧調整の開始
時に路面の摩擦係数μを検出して、開始時のブレーキ圧
調整を路面状態に対応した適切なものとすることを第1
の目的とし、車輪ブレーキ圧制御開始時の最初のブレー
キ圧設定を適正に設定して、車輪ブレーキ圧を円滑かつ
すみやかに調整して、車輪の過度のスリップを防止しか
つ車体の減速(制御スリップ抑制の場合)又は加速(加
速スリップ抑制の場合)は可及的に速く行なうことを第
2の目的とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明のブレーキ圧制御装置は、 ブレーキ圧源(2,18〜20); 電気コイル(123)を有し、ブレーキ圧源(2,18〜2
0)と車輪ブレーキ(6)の間にあって電気コイル(12
3)の通電電流値に対応する圧力を車輪ブレーキ(6)
に与える圧力制御弁装置(3); 該圧力制御弁装置(3)の電気コイル(123)に通電
するための通電手段(13a,11); 車輪ブレーキ(6)が装備された車輪(FK)の回転速
度を検出する車輪速度検出手段(12fr); 該車輪速度検出手段(12fr)が検出した車輪回転速度
に基づいて基準速度(Vs)および基準速度(Vs)の加速
度(Vsd)を演算する演算手段(11); 前記車輪回転速度および基準速度(Vs)を含む変数
(車輪スリップ率,車輪加速度)に基づいて車輪ブレー
キ圧調整要否を決定する決定手段(11);および、 該決定手段(11)が車輪ブレーキ圧調整要と決定した
ときの基準速度(Vs)の加速度(Vsd)に応じて路面の
摩擦係数μを推定し、路面の摩擦係数に応じて車輪ブレ
ーキ圧(Pwc)を演算し、該車輪ブレーキ圧(Pwc)に応
じて圧力制御弁装置(3)の電気コイルの通電電流値
(Ii)を演算し、通電電流値(Ii)の通電を通電手段
(13a,11)に指示するブレーキ圧制御手段(11); を備える。
なお、カッコ内の記号および説明は、図面を参照して
後述する実施例の対応要素および対応事項を示す。
(作用) 決定手段(11)が、車輪ブレーキ圧調整要を決定した
ときには、制動又は加速により、車輪スリップ率がある
程度高く車輪ブレーキの減圧(制動スリップの場合)又
は加速(加速スリップの場合)が必要である。
以下、制動スリップ抑制の実施態様に関して説明する
と、このように始めてブレーキ圧調整要を決定したとき
には、まだ減圧を行なっていないので、車輪ブレーキに
は、ある程度のスリップを生ずる程度のブレーキ圧が加
わっており、車両速度の加速度(この場合制動であるの
でマイナス値すなる減速度である。そこで以下では減速
度と称する)が、車輪に対する路面の摩擦係数μに略比
例するので、該減速度でμ対応値を算出しうる。したが
って、算出したμ対応値より路面状態が分かり、路面状
態(μ)に対応したブレーキ圧制御を開始しうる。
しかして、路面μに対して適切な車輪ブレーキ圧は、
例えば第2a図に示すように比例関係にあるので、路面μ
に対応して適切な車輪ブレーキ圧を算出しうる。
本発明では、ブレーキ圧制御手段(11)が、決定手段
(11)の車輪ブレーキ圧調整要の決定に応じて、基準速
度(Vs)の減速度(Vsd)に対応付けられる車輪ブレー
キ圧(Pwc)を演算するので、この車輪ブレーキ圧(Pw
c)は、路面μに対応した適切な車輪ブレーキ圧であ
る。そして、ブレーキ圧制御手段(11)が、車輪ブレー
キ圧(Pwc)に応じて圧力制御弁装置(3)の電気コイ
ルの通電電流値(Ii)を演算し、該通電電流値(Ii)の
通電を通電手段(13a,11)に指示し、通電手段(13a,1
1)が圧力制御弁装置(3)の電気コイル(123)にこれ
を通電するので、決定手段(11)が車輪ブレーキ圧調整
要と決定したとき、車輪ブレーキ(6)に、路面μに対
応した適切な車輪ブレーキ圧(Pwc)が設定される。
このように、ブレーキ圧調整要となったときの最初の
車輪ブレーキ圧が、路面μに対応したブレーキ圧となる
ので、過減圧とが過制動になりにくく、車輪ブレーキ圧
の調整が円滑となり、しかも車体の減速が可及的に速く
なる。
以上においては、制動スリップ抑制の態様を説明した
が、加速スリップ抑制(トラクションスリップ制御)に
おいても本発明は同様に実施しうる。加速スリップ抑制
の制御においては、上述の減速度(基準速度の加速度で
あり、マイナス値の絶対値)を狭義の加速度(基準速度
の加速度であり、正値の絶対値)と読み代え、車輪ブレ
ーキの減圧は増圧と、増圧は減圧と読み替えればよい。
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下
の実施例の説明より明らかになろう。
(実施例) 第1a図に、本発明の一実施例を示す。ブレーキペダル
1をドライバ(運転者)が踏込むと、踏込み量に対応し
たブレーキ圧が、圧力制御弁装置3,3A,4および4Aを介し
て前輪右車輪FRのブレーキ6,前輪左車輪FLのブレーキ7,
後輪右車輪RRのブレーキ8および後輪左車輪RLのブレー
キ9に加わる。
圧力制御弁装置3,3A,4および4Aは、その電気コイルに
通電がないときには、車輪ブレーキ6〜9をブレーキマ
スタシリンダ2のブレーキ圧出力ポートに接続している
(最高増圧設定)。この出力ポートには、電気モータ19
で駆動されるポンプ18,18Aの高圧出力(吐出)ポートが
連通している。ポンプ18,18Aの低圧出力(吸入)ポート
にはリザーバ20,20Aが接続されている。圧力制御弁装置
3,3A,4および4Aは、その電気コイルに通電があるときに
は、電流値に逆比例したブレーキ圧を車輪ブレーキ6〜
7に与える。このブレーキ圧は、電気コイルの電流値
と、ブレーキマスタシリンダ2の出力圧およびポンプ1
8,18Aの吐出圧(両者共に高圧)と、ポンプ18,18Aの吸
引圧(ドレイン圧)に基づいて形成されるものである
(減圧設定)。
前右車輪FR,前左車輪FL,後右車輪RRおよび後左車輪RL
の回転速度は、速度センサ12fr,12fL,12rrおよび12rL
検出する。
リザーバ20のブレーキオイルはポンプ18で吸引されて
第1圧力制御弁装置3と第4圧力制御弁装置4Aに供給さ
れ、リザーバ20Aのブレーキオイルはポンプ18Aで吸引さ
れて第2圧力制御弁装置3Aと第3圧力制御弁装置4に供
給される。
第1〜4圧力制御弁装置3,3A,4および4Aの電気コイ
ル,電気モータ19ならびに速度センサ12fr〜12rLは電子
制御装置10に接続されている。
第1b図に、第1圧力制御弁装置3の構成を示す。この
装置3の主体は電磁弁120である。これをまず説明する
と、電磁弁120のスプール122は磁性体であり、ケース部
材119の内部空間にあって往(左方),復(右方)動す
る。ケース部材119の内面には、第1入力ポート121が連
通するリング状の通流溝118が形成されており、また、
ケース部材119の軸方向に離れて、第2入力ポート128が
連通するリング状の通流溝117が形成されている。
磁性体スプール112の側周面には、通流溝118および11
7の大略中間部に、それらの通流溝118および117と通流
し得るリング状の溝134が形成されており、その溝幅
は、通流溝118と117の間の距離と等しい。この溝134に
出力ポート127が連通している。
第1b図に示すようにスプール122が左リミット位置
(第1位置)にあるときには、溝118の一部に溝134の一
部が重なるので、これらの溝を介して第1入力ポート12
1(ブレーキ圧)に出力ポート127が連通しているが、溝
134は溝117に重ならないので、第2入力ポート128(ド
レイン圧)と出力ポート127とは遮断であり(増圧)、
増圧速度(車輪ブレーキ6の圧力上昇速度)が最高であ
る。スプール122が右方に移動すると、溝134と溝118の
重なりが小さくなるので、増圧速度が低くなり、溝134
が118と117のいずれとも重ならない一点で、出力ポート
127は、第1入力ポート121と第2入力ポート128のいず
れとも遮断(ホールド)であり、ここで増圧速度が零
(減圧速度も零)である。
スプール122が更に右方に移動すると、溝134が溝117
と重なり、出力ポート127は第1入力ポート121とは遮断
で第2入力ポート128とは連通となり(減圧)、右に移
動する程減圧速度(車輪ブレーキ6の圧力低下速度)が
高くなる。スプール122の右移動は、ストッパ131で制限
され、スプール122の右端がストッパ131に当ったときが
右リミット位置(第2位置)でありここで減圧速度が最
高である。
したがって、スプール122が、第1b図に示す第1位置
(左リミット位置)から次第に前述の第2位置(右リミ
ット位置)に向けて移動するのにつれて、車輪ブレーキ
6のブレーキ圧は、高い増圧速度の「増圧」から次第に
低い増圧速度となり、ある一点で「ホールド」となりそ
こを越えて低い減圧速度の「減圧」となりそして次第に
高い減圧速度となる。
スプール122は、圧縮コイルスプリング124で左方に押
されている。ケース部材119の左端部には、穴が開けら
れてその穴の左方に出力作用室125が形成され、該穴
に、出力作用室125からスプール作動空間に貫けたプラ
ンジャ126が挿入されている。
出力作用室125は出力ポート127に連通している。スプ
ール122の、スプリング124や電気コイル123による駆動
を防げないように、スプール122の右方のスプリング収
納空間130と、スプール122の左方のプランジャ突出空間
129は、第2入力ポート128に連通した通流穴116で連通
している。すなわちプランジャ突出空間129はドレイン
圧であるので、該空間129の圧力は、プランジャ126の、
スプール122の右移動を妨げない。出力ポート127の圧力
が上昇すると、出力作用室125の圧力が高くなって、プ
ランジャ126を右方に押そうとする。これにより、スプ
ール122には、出力作用室125およびプランジャ126を介
して、出力ポート127の圧力が右駆動力として作用す
る。しかし、車輪ブレーキ圧の予定された最高圧におい
ても、スプリング124が与える左駆動力の方が大きいの
で、電気コイル123が非通電のときには、車輪ブレーキ
圧の何如にかかわらず、スプール122は、第1b図に示す
第1位置にある。
ケース部材119の右端にヨーク132が固着されており、
ヨーク132の内部に電気コイル123が装備されている。電
気コイル123が周回する、ヨーク132の内筒部の略中間部
はリング状に破断され、そして非磁性体リング133が装
着されている。電気コイル123に通電すると、中空リン
グ筒状のヨークに電気コイル123と鎖交し電気コイル123
を周回する形の磁束が発生するが、その一部が非磁性体
リング133の所でヨーク133の軸心方向に広がり磁性体ス
プール122に、それを右方に駆動する磁気吸引力を及ぼ
し、スプール122を右方に駆動する。
電気コイル123に通電がなく、スプール122が第1b図に
示す第1位置にあるときに、ブレーキペダル1の踏込み
によりマスタシリンダ2があるブレーキ圧を発生する
と、ブレーキオイルがマスタシリンダ2から、フィルタ
102−第1入力ポート121−溝118−134−出力ポート127
−フィルタ106の経路で車輪ブレーキ6に流れて車輪ブ
レーキ6のブレーキ圧が上昇する。溝118と134の重なり
が最大であるので、車輪ブレーキ6のブレーキ圧の上昇
速度は最高である。
電気コイル123の通電電流値と、出力ポート127の出力
圧との関係を第2b図に示す。第2b図に示すように、電気
コイル123の電流値に対して、出力圧は逆比例の関係と
なる。なお、出力圧の最高圧は入力ポート121に加わる
圧力値となる。
ブレーキペダル1が解放されると、ブレーキマスタシ
リンダ2が負圧を第1入力ポート121に及ぼし、車輪ブ
レーキ6のブレーキオイルがフィルタ6−出力ポート12
7−溝134−118−第1入力ポート121−フィルタ102の経
路でマスタシリンダ2に戻るが、車輪ブレーキ6のブレ
ーキ圧とマスタシリンダ2の圧力との差が所定値以上の
間、逆止弁103を通しても、車輪ブレーキ6のブレーキ
オイルがマスタシリンダ2に戻る。
ブレーキペダル1の踏込みによりマスタシリンダ2が
あるブレーキ圧を発生し、車輪ブレーキ6のブレーキ圧
がある程度上昇し車輪FRに制動力が作用しているとき
に、電気コイル123に通電があると、電流値に対応して
スプール122が右方に移動しこの移動の間に、溝118に対
する溝134の重なりが減少して、マスタシリンダ2の出
力圧に対して車輪ブレーキ6の圧力が低いとき(ブレー
キ圧上昇過程)には、車輪ブレーキ6の上昇速度が低下
する。溝118と134の重なりがなくなってから溝134が117
と重なり始めて出力ポート127にドレイン圧が加わり車
輪ブレーキ6の圧力が低下を始める。低下速度は溝134
と117の重なりの大きさに依存する。出力ポート127の圧
力が低下すると、プランジャ126による、スプール122を
右方に押す力が下がるので、これがスプール122に作用
している右駆動力(電気コイル123による駆動力+プラ
ンジャ126による駆動力)を低下させ、この右駆動力が
圧縮コイルスプリング124による左駆動力と平衡した
所、つまりは電気コイル123の電流値に対応する位置、
でスプール122が停止する。したがって、出力ポート127
(車輪ブレーキ6)の圧力は、電気コイル123の電流値
に対応した値となる。この減圧のときに、車輪ブレーキ
6から、フィルタ106−出力ポート127の経路で、ブレー
キオイルがリザーバ20に流れる。
フィルタ102は、マスタシリンダ2から車輪ブレーキ
6に供給されるブレーキオイル中のゴミの、電磁弁120
への進入を防止し、フィルタ106は、車輪ブレーキ6か
らマスタシリンダ2に戻るブレーキオイル中のゴミの、
電磁弁120への進入を防止する。これらは、電磁弁120に
作動不良を起させないように装備されている。
マスタシリンダ2と車輪ブレーキ6の間の、前者から
後者へのブレーキオイルの通流は阻止し、その逆の通流
は許す逆止弁103は、マスタシリンダ2のブレーキ圧が
低下した(ブレーキペダル1が解放された)ときに車輪
ブレーキ6のブレーキオイルをすみやかにマスタシリン
ダ2に戻すためと、万が一電磁弁120が作動不良の場合
の車輪ブレーキ圧の解放を可能にするために用いられて
いる。
マスタシリンダ2からドレイン圧(第2入力ポート12
8)へのブレーキオイルの通流は阻止し、その逆への通
流は許す逆止弁104は、減圧時にリザーバ20のブレーキ
オイルをマスタシリンダ2に戻す。なお、上述の「減
圧」をすると後述のようにポンプ18を駆動するので、こ
のポンプ18により、リザーバ20のブレーキオイルがマス
タシリンダ2に戻されるので、逆止弁104による戻し
は、ポンプ18が停止したときにまだリザーバ20にブレー
キオイルが残っている場合や、ポンプ18が動作不良のと
きに現われる。
以上においては第1圧力制御弁装置3の構成と動作を
説明したが、第2〜第4圧力制御弁装置3A,4および4Aの
構成および動作も、装置3と全く同じである。
第11図に、圧力制御弁装置のもう一つの構成例を示
す。これも第1圧力制御弁装置3として用いるものであ
る。これにおいては、ケース部材119の内空間の、スプ
ール122の左側の空間が出力作用室125であって、出力ポ
ート127はこの室125とスプール122の開けられて穴114を
通して溝134に連通している。スプール122の右側の空間
204に圧縮コイルスプリング124が収納され、該空間204
に、オリフィス207および通流穴115を通して第1入力ポ
ート121が連通している。該空間204にノズル208が連通
し、ノズル207はプランジャ209の左端で閉じられてい
る。プランジャ209には、左右方向に長いスロットが開
けられており、このスロットをリーフスプリング210が
貫通している。リーフスプリング210は、プランジャ209
を、ノズル20を閉じる方向に駆動(左駆動)する。電気
コイル123に通電すると、プランジヤ209が右方に引か
れ、プランジャ209がノズル208を開き、空間204の圧力
が、入力ポート121の圧力よりも低下し、この低下度合
はプランジャ209の位置すなわち電気コイル123の電流値
に対応する。すると出力作用室125の圧力が空間204の圧
力よりも高いのでスプール122が右方に移動し、〔出力
作用室125がスプール122を右駆動する力−空間204の圧
力がスプール122を左駆動する力〕が、スプリング124が
スプールを左駆動する力、に等しくなる位置にスプール
122が移動する。しかして、空間204がスプール122を左
駆動する力が、電気コイル123の電流値で定まるので、
スプール122の位置が該電流値に対応したものとなる。
上述の圧力制御弁装置3,3A,4および4Aによばれ、例え
ば路面の摩擦係数μiに対応して第2a図に示すように、
過度のスリップを生じないで可及的に速く車両を減速す
るための車輪ブレーキ圧(最適圧)Pwcが定まるので、
所要車輪ブレーキ圧Pwcを発生する通電電流値Iiを第2b
図に示す通電電流値/出力圧特性から求めて、この通電
電流値Iiを圧力制御弁装置3,3A,4,4Aに通電して、所望
のブレーキ圧Pwcを車輪ブレーキ6,7,8,9に与えることが
できる。
第3図に、第1a図に示す電気制御装置10の構成を示
す。電子制御装置10は、第3図に示すように、マイクロ
コンピュータ(以下CPUと称する)11を備えており、CPU
11の入力ポートIP1〜IP4に波形整形回路12を介して、車
輪速度検出用のパルス発生器12fr,12fL,12rr,12rLが発
生する車輪回転同期パルスが与えられる。CPU11の出力
ポートOP1〜OP4にはソレノイドドライバ13a〜13dが接続
されており、これらがそれぞれ圧力制御弁装置3,3A,4,4
Aの電気コイル123に通電する。通電電流に比例する電流
を抵抗14a〜14dが発生し、増幅器15a〜15dが該電圧を平
滑化してA/D変換器16a〜16dに与える。CPU11は、所要の
タイミングで、A/D変換器16a〜16dにデジタル変換を指
示して、デジタルデータを入力ポートIP5〜IP8を介して
読込む。ポンプ18,18Aを駆動する電気モータ19にはモー
タドライバ13eが接続されており、CPU11は出力ポートOP
5を介してこのモータドライバ13eにオン(モータ駆動)
/オフ(モータ停止)信号を出力する。
第4図に、CPU11の制御動作を示す。電源が投入され
る(ステップ1:以下、カッコ内ではステップとかサブル
ーチンとかの語を省略する)と、CPU11は、内部レジス
タ,カウンタ,タイマ等を初期化し、出力ポートには待
機時の出力信号レベル(低レベル0)を設定し、かつ、
パルス発生器12fr〜12rLの発生パルスに応答する割込処
理を許可する。
この許可により、例えばパルス発生器12frの出力が例
えば高レベル1から低レベル0に立下がると、12frに割
当てている時間カウントレジスタに、12frに割当ててい
る計時カウンタのカウントデータを書込み、計時カウン
タを再スタートし、そしてこの割込処理を終了しメイン
ルーチン(第4図)に戻る。他のパルス発生器に関して
も同様な割込処理を実行する。これにより、各パルス発
生器に割当てられている時間カウントレジスタには、各
車輪の回転速度に逆比例するパルス発生周期データが常
時書込まれている。
第4図の「車輪速度およびその加速度の演算」(3)
では、まず、各車輪(各パルス発生器)について、各車
輪宛てのパルス発生周期データより車輪速度VwFR,VwFL,
VwRR,VwRLを算出し、そして前回算出した車輪速度と今
回算出した車輪速度より車輪の加速度DvwFR,DvwFR,DvwR
R,DvwRLを算出する。
CPU11は次に、算出した各車輪速度VwFR,VwFL,VwRR,Vw
RLに基づいて車両速度と見なす基準速度Vsを算出する
(4)。「基準速度Vsの演算」(4)の内容は、第5図
を参照して後述する。
CPU11は次に、基準速度平均値を算出するために、過
去8回の基準速度の減速度と今回算出の減速度を格納す
る9個のレジスタVsd1〜Vsd9のデータを、Vsd2のものを
Vsd1に、Vsd3のものをVsd2に、・・・Vsd9のものをVsd8
に移し(5〜8)、そして、今回算出の基準速度Vsと前
回算出の基準速度より、基準速度の減速度を算出してレ
ジスタVsd9に書込む(9)。これにより今回算出した基
準速度の減速度と、過去8回算出した基準速度の減速度
がレジスタVsd9〜Vsd1に書込まれている。
CPU11はここで基準速度の減速度の平均値を算出して
減速度レジスタVsdに書込む(10A)。なお、以下におい
ては、基準速度Vsの減速度Vsdとは、減速度レジスタVsd
のデータ(平均値データ)であるものとする。
CPU11は次に、上述の平均値算出処理と同様な処理で
基準速度Vsの時系列平均値を算出して基準速度レジスタ
Vsに書込む(10B)。
CPU11は次に、各車輪の回転速度と基準速度レジスタV
sの基準速度(平均値)Vsに基づいて、各車輪のスリッ
プ率を算出する(11)。スリップ率S(%)は、 100×(基準速度Vs−車輪速度)/基準速度Vs である。
次にCPU11は、「FRの圧力設定」(12FR)を実行す
る。これにおいては、圧力制御に進入しているか否かを
示す、車輪FR割当てのレジスタFRFのデータを参照し
て、それが0(圧力制御に進入していない)であると、
車輪FRのスリップ率と加速度の関係が、第7図に示す
「アンチロック制御開始領域」にあるか否かをチェック
する(22)。否であると次の「FLの圧力設定」(12FL)
に進み、車輪ブレーキ6の圧力制御は行なわない。「ア
ンチロック制御開始領域」に入ると、すなわち車輪FRの
スリップ率が大きくなると、レジスタFRFに、圧力制御
に進入したことを示す1を書込み(23)、そのときの減
速度Vsdより路面の摩擦係数μiを算出(この実施例で
は、μiがVsdに比例すると見なして、μi=A・Vsd、
A:定数、として算出)し(24)、μiより、第2a図に示
す関係で所要車輪ブレーキ圧Pwcを算出し(25)、そし
て第2b図に示す関係で所要通電電流値Iiを算出して、圧
力制御弁装置3に割当てた電流出力レジスタIFRにIi=
f(Pwc)を書込む(26)。後述する「出力」(13)お
よび電流出力用の内部割込処理で、圧力制御弁装置3の
電気コイル123には、時系列平均電流値がIiとなる通電
デューテイでオン/オフ通電が行なわれ、圧力制御弁装
置3の出力ポート127の圧力すなわち車輪ブレーキ6の
圧力がIiに対応する圧力Pwcとなる。
このように車輪ブレーキ6を、圧力制御に進入してか
らの初期圧Pwc(圧力制御進入前は、マスタシリンダ2
の出力圧がそのまま車輪ブレーキ6に加わっているの
で、この初期圧Pwcはブレーキ6の減圧となる)に設定
すると、その後は、レジスタFRFの内容が1であるの
で、「FRのマップ制御目標液圧演算」(27)に進んで、
第10図に示す増,減圧条件マップに従って、車輪ブレー
キ圧(通電電流値)を定める。その内容は第6図を参照
して後述する。
「FRのマップ制御目標液圧演算」(27)を実行する
と、次にCPU11は、それによって算出した通電電流値
(レジスタIFRの内容IFR)が0(通常の、ブレーキペダ
ル踏込みにより与えられる圧力を車輪ブレーキに与える
設定:スリップ抑制のための圧力制御不要)になったか
をチェックする(28)。0になっていると、車輪ブレー
キ6の圧力制御を終了するため、レジスタFRFをクリア
する(29)。このようにクリアすると、その後また「FR
の圧力設定」(12FR)に進むと、FRF=0であるので、
第7図に示すアンチロク制御開始領域」にあるか否か
を、また新たに判定し(22)、また「アンチロック制御
開始領域」に入ったとき、ステップ23以下の初期圧の設
定を行なう。
上述の「FRの圧力設定」(12FR)を抜けるとCPU11
は、次に「FLの圧力設定」(12FL),「RRの圧力設定」
(12RR)および「RLの圧力設定」(12RL)をこの順に実
行する。これらの内容は、「FRの圧力設定」(12FR)と
同様であり、それぞれ車輪ブレーキ7,8および9のブレ
ーキ圧の制御要否の判定とそれに対応した処理を同様に
行なう。
次にCPU11は「出力」(13)の処理を実行する。これ
においては、車輪ブレーキ6割当てのレジスタFRF,車輪
ブレーキ7割当てのレジスタFLF,車輪ブレーキ8割当て
のレジスタRRFおよび車輪ブレーキ9割当てのレジスタR
LF(FLF,RRFおよびRLFは、FRFに対応するもの)の内容
をチェックして、それらのいずれかが1であると出力ポ
ートOP5に高レベル1を出力してモータ19を駆動(ポン
プ駆動)し、すべてが0であるときには低レベル0を出
力してモータ19を停止(ポンプ停止)する。更に、それ
らのレジスタの内容のいずれかが1であると、内部タイ
マ割込を許容し内容のすべてが0があると内部タイマ割
込を禁止しかつ出力ポートOP1〜OP3のすべてに、通電停
止を指定する低レベル0を出力する。
レジスタFRF,FLF,RRFおよびRLFの内容のいずれかが1
であって内部タイマ割込を許可すると、その後CPU11
は、内部タイマがタイムオーバする毎に、圧力制御弁3,
3A,4および4Aへの出力電流値制御(デューテイ制御+フ
ィードバック制御)を行なって、この割込処理の繰返し
の実行によって、圧力制御片3,3A,4および4Aの電気コイ
ル123の通電電流値(時系列平均値)を、レジスタIFR,I
FL,IRRおよびIRL(IFL,IRRおよびIRLはIFRに対応するも
の)に書込まれている電流値とする。
第4図においては詳細な図示は省略したが、上述のサ
ブルーチン3および4は、5msec周期で繰返し、ステッ
プ5〜サブルーチン13は、10msec周期で繰返す。また、
ステップ26で設定した初期圧は20msecの間継続して出力
し、それからサブルーチン27に進むようにしている。
次に、第5図を参照して「基準速度Vsの演算」(4)
の内容を説明する。先ず、四つの車輪の速度VwFR
(n),VwFL(n),VwRR(n)およびVwRL(n)の最大
値VwMax(n)を算出する(41)。なお、nは演算時期
を表わす。次に、各々の車輪のロック時の車輪ブレーキ
圧(車輪ロック時の通電電柱値)の平均値PIMを算出し
(42)、図示しない所定の線図に従いPIMに応じた減速
度αDN(絶対値)を設定する(43)。そして、VwMax
(n)が前回算出の基準速度Vs(n−1)−αDNよい大
であれば、今回算出する基準速度Vs(n)をVs(n−
1)−αDNと定め、そうでなければ今回算出する基準速
度Vs(n)をVwMax(n)と定める(44〜46)。
次に第6図を参照して、「マップ制御目標液圧演算」
(27)の内容を説明する。これにおいてはまず車輪スリ
ップ率と車輪加速度の関係が第10図に示す増,減圧条件
マップの「目標増圧領域」にあるか否かをチェックして
(52〜54)、その領域にあると目標増圧モード情報を設
定する(55)。その領域にないと、次に「ホールド領
域」にあるか否かをチェックして(56,57)、その領域
にあるとホールド出力モード情報を設定する(58)。
「ホールド領域」にもなかったときには、「急減圧領
域」にあるか否かをチェックして(59,60)、その領域
にあると急減圧出力モード情報を設定する(61)。「急
減圧領域」にもなかったときには、減圧出力モード情報
を設定する(62)。
このように所要モードを判定すると、目標増圧モード
情報を設定したときには車輪ブレーキ圧(通電電流値)
が車輪ロック時の液圧(電流)PIの80%より小(大)で
あるか否かをチェックして(65,66)、80%より小
(大)であれば、急増圧用電流値をレジスタ(ブレーキ
6宛ての場合にはIFR)に書込み(67)、大(小)であ
れば、緩増圧用電流値をレジスタに書込む(68)。
ホールド出力モード情報を設定したときには、レジス
タ(ブレーキ6宛ての場合にはIFR)の内容を変更しな
い。急減圧出力モード情報を設定した場合には、急減圧
用電流値をレジスタ(ブレーキ6宛ての場合にはIFR)
に書込み、また、減圧出力モード情報を設定した場合に
は、減圧出力用電流値をレジスタに書込む。しかして、
急減圧出力モード情報又は減圧出力減圧モード情報を設
定した場合には、前回の設定が目標増圧モード情報又は
ホールド出力モード情報であったかを参照し(63)、そ
うであると前回の車輪ブレーキ圧がロック圧であるの
で、レジスタ(車輪ブレーキが6の場合にはIFR)の圧
力(電流値)をロック圧レジスタ(ブレーキ6宛てのロ
ック圧電流値レジスタ)P1に書込む(64)。
なお、目標増圧モード情報又はホールドモード情報を
設定しているときには、前述の内部タイマ割込による出
力電流値制御(デューテイ制御+フィードバック制御)
において、デューテイサイクルの1周期又は数周期の経
過毎に、電流値を1ステップ低下させてブレーキ圧を最
小ステップづつ次第に高くする。これにより、車輪のス
リップ率と車輪加速度の関係が第10図に示す目標増圧領
域にある間は、圧力制御弁装置の電流値が次第に低くな
り車輪ブレーキ圧が第9図に示すように次第に高くな
る。出力電流設定値が0になると、第4図のステップ2
8,29でレジスタ(FRF:車輪ブレーキ6の場合)がクリア
され、車輪ブレーキ(6)の圧力制御が終了する。な
お、ホールドモード情報を設定しているときの電流値低
減速度は、目標増圧モード情報を設定しているときの電
流値低減速度よりも低い。
第8図に、上述のブレーキ圧制御によってもたらされ
る、アンチロック制御中の車輪ブレーキ圧の推移を示
す。ブレーキペダルの踏込みにより車輪ブレーキ6〜8
(以下6のみに関して説明)にブレーキ圧が加わりそれ
が上昇する(第8図のイの点)。このブレーキ圧の上昇
により車輪速および車速(Vs)が低下し、車輪6のスリ
ップ率と車輪6の加速度の関係が第7図の「アンチロッ
ク制御開始領域」に入ると(ロ)、第4図のステップ23
〜26が実行されて、車輪ブレーキ6のブレーキ圧目標値
が、第2a図のPwc(第8図では20kg/cm2以下の値)に設
定される。この設定により車輪ブレーキ6のブレーキ圧
がPwcに向けて降下し車輪の減速が小さくなる(ロ〜
ハ)。圧力制御弁装置3の目標出力をPwcに設定してか
ら20msec後の第4図の「FRのマップ制御目標液圧演算」
(27)で、引き続き2回(計20msec)に渡って第10図の
「ホールド領域」と判定され、圧力制御弁装置3の電流
値の切換えは行なわず、時系列で少しづつ電流値が低減
され車輪ブレーキ圧はわずかづつ高くなるが、この間に
車輪FRの回転が回復する(ハ〜ニ)。次の「FRのマップ
制御目標液圧演算」(27)では、第10図の「目標増圧領
域」と判定されて、この場合まだロック圧(P1)を検出
していないので、第6図のステップ66,67による「急増
圧出力」モード情報が設定されて、これにより車輪ブレ
ーキ圧が上昇する(ニ〜ホ:10msec)。次の連続多数回
の「FRのマップ制御目標液圧演算」(27)では、連続し
て「ホールド」モード情報が設定され、最初に「ホール
ド」モードを設定したときの出力電流値から時系列でわ
ずかづつ電流値が低減されて車輪ブレーキ圧は低速度で
上昇し、この間、先の増圧と相伴って、車輪の回転速度
が低下する(ホ〜ヘ)。次の「FRのマップ制御目標液圧
演算」(27)では、「急減圧」モード情報が設定され
(ヘ)、その時のロック圧(電流値)PIがロック圧レジ
スタに書込まれると共に、電流値が高値(急減圧値)に
変更され、これにより車輪ブレーキ圧が低下し、車輪の
回転が回復する。次の「FRのマップ制御目標液圧演算」
(27)では、「目標増圧」モード情報が設定され、この
ときには、ロック圧PIがあるので、緩増圧出力が行なわ
れて、電流値は比較的に緩やかな速度で次第に低下し車
輪ブレーキ6の圧力が緩やかに上昇し車輪FRの回転速度
が低下する。第8図には示していないが、次以降の「FR
のマップ制御目標液圧演算」(27)では、「目標増圧」
モード情報が連続して設定されて、その最初の車輪ブレ
ーキ圧(電流値)が先のロック圧(電流値)PIの80%以
上(以下)であるので、第6図のステップ66,68で緩増
圧速度を設定し、所定ブレーキ圧(出力電流値)を内部
タイマ割込によるデューテイ制御+フィードバック制御
で時系列で次第に高く(小さく)する。そして遂には出
力電流値(レジスタIFRの値)が0となり、そこでレジ
スタFRFをクリアする(第4図のステップ29)。これに
より、圧力制御弁装置3の通電電流値が0となり、車輪
ブレーキ6には、その時のブレーキ圧ラインSPL(第1a
図)の圧力がそのまま加わる(車輪FRのブレーキ圧制御
の終了)。
なお、ブレーキ圧制御開始時(ロ)の路面μが低くこ
れに対応して減圧(ロ〜ハ)をした後に路面μが高くな
るほど、路面μに変動があるときには、例えば減圧(ロ
〜ハ)をした後に急増圧又は緩増圧をしこれをやってい
る間に出力電流値が零となってブレーキ圧制御を終了す
るが、車両はまだ停止せずまた低μとなって、上述の時
点(ロ)と同様な状態で再度ブレーキ圧制御を開始する
こともある。
いずれにしても、初期ブレーキ圧(ロ点で圧力制御弁
装置に設定する出力圧)を、路面μに対応した適値Pwc
に設定するので、過減圧(制御不足)としてしまうこと
が、減圧不足(過制動)にしてしまうとかの確率が低
く、車輪ブレーキ圧の調整が円滑となりしかも車速(基
準速度Vs)の減圧が速くなる。
なお、上述のように、基準速度Vsの減速度Vsdを、現
在から過去に渡って9回の算出値の平均値としている
(第4図の5〜10)のは、ブレーキ圧制御が必要な状態
では、スリップ等により車輪回転速度の高低変化が比較
的に激しく、したがって車輪回転速度に基づいて算出す
る基準速度Vsが比較的に激しく変動するので、それに基
づいて算出する減速度も比較的に激しく変動するので、
それを時系列で平滑化して、路面μ対応の減速度を安定
して正確に算出するためである。また、基準速度Vsも時
系列平均をとって(10B)、該平均値を車輪スリップ率
の算出(第4図の11)に用いているのは、算出基準速度
の激しい変動が車輪スリップ率の算出を不正確にし易い
ので、これを防止するためである。
〔発明の効果〕
以上の通り本発明によれば、ブレーキ圧制御手段(1
1)が、決定手段(11)の車輪ブレーキ圧調節要の決定
に応じて、基準速度(Vs)の減速度(Vsd)に対応付け
られる車輪ブレーキ圧(Pwc)を演算し、ブレーキ圧制
御手段(11)が、車輪ブレーキ圧(Pwc)に応じて圧力
制御弁装置(3)の電気コイルの通電電流値(i)を演
算し、該通電電流値(Ii)の通電を通電手段(13a,11)
の指示し、通電手段(13a,11)が圧力制御弁装置(3)
の電気コイル(123)にこれを通電するので、決定手段
(11)が車輪ブレーキ圧調整要と決定したとき、車輪ブ
レーキ(6)に、路面μに対応した適切な車輪ブレーキ
圧(Pwc)が設定される。
このように、ブレーキ圧調整要となったときの最初の
車輪ブレーキ圧が、路面μに対応したブレーキ圧となる
ので、過減圧とか過制動になりにくく、車輪ブレーキ圧
の調整が円滑となり、しかも車体の減速又は加速が可及
的に速くなる。
【図面の簡単な説明】
第1a図は、本発明の一実施例のブレーキ圧制御システム
を示すブロック図である。 第1b図は、第1a図に示す圧力制御弁装置3の主要部を示
す拡大縦断面図である。 第2a図は、第1a図に示す車輪FR等の路面の摩擦係数μに
対する最適ブレーキ圧の関係を示すグラフである。 第2b図は、第1b図に示す圧力制御弁装置3の通電電流値
と出力圧との関係を示すグラフである。 第3図は、第1a図に示す電子制御装置10の構成概要を示
すブロック図である。 第4図は、第3図に示すマイクロコンピュータ11の制御
動作の概要を示すフローチャートである。 第5図は、第4図に示す「基準速度Vsの演算」(4)の
内容を示すフローチャートである。 第6図は、第4図に示す「FRのマップ制御目標圧演算」
(27)の内容を示すフローチャートである。 第7図は、車輪スリップ率および車輪加速度の相関で定
めるブレーキ圧制御開始領域を示すグラフである。 第8図は、第1a図に示す車輪FR等の、ブレーキ圧制御中
の圧力推移を示すタイムチャートである。 第9図は、第1a図に示す車輪ブレーキ6等の圧力を増圧
するときの、車輪ブレーキ圧の推移を示すタイムチャー
トである。 第10図は、第4図に示す「FRのマップ制御目標液圧演
算」(27)で参照する増,減圧判定用の条件マップを示
す平面図である。 第11図は、第1a図に示す圧力制御弁装置3の変形例を示
す縦断面図である。 1:ブレーキペダル、2:ブレーキマスタシリンダ 3,3A,4,4A:圧力制御弁装置 6〜9:車輪ブレーキ、FR,FL,RR,RL:車輪 10:電子制御装置、11:電気コイル 12fr,12fL,12rr,12rL:車輪回転周期パルス発生器 18,18A:ポンプ、19:モータ 20,20A:リザーバ、33,33A,34,34A:電磁開閉弁
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−112131(JP,A) 特開 昭64−63462(JP,A) 特開 昭64−52568(JP,A) 特開 昭62−85751(JP,A) 特開 平1−106765(JP,A) 特開 平63−53157(JP,A) 特開 昭60−35647(JP,A) 特開 平2−171377(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 8/00 - 8/58

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキ圧源; 電気コイルを有し、前記ブレーキ圧源と車輪ブレーキの
    間にあって該電気コイルの通電電流値に対応する圧力を
    車輪ブレーキに与える圧力制御弁装置; 該圧力制御弁装置の電気コイルに通電するための通電手
    段; 前記車輪ブレーキが装備された車輪の回転速度を検出す
    る車輪速度検出手段; 該車輪速度検出手段が検出した車輪回転速度に基づいて
    基準速度および基準速度の加速度を演算する演算手段; 前記車輪回転速度および基準速度を含む変数に基づいて
    車輪ブレーキ圧調整要否を決定する決定手段;および、 該決定手段が車輪ブレーキ圧調整要と決定したときの前
    記基準速度の加速度に応じて路面の摩擦係数μを推定
    し、該路面の摩擦係数に応じて車輪ブレーキ圧を演算
    し、該車輪ブレーキ圧に応じて前記圧力制御弁装置の電
    気コイルの通電電流値を演算し、該通電電流値の通電を
    前記通電手段に指示するブレーキ圧制御手段; を備えるブレーキ圧制御装置。
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