JP2869651B2 - 強誘電性高分子メモリーの記録再生方法 - Google Patents

強誘電性高分子メモリーの記録再生方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、光ディスク、光カード等に用いられる強誘
電性高分子を光記録媒体として用いた光メモリーの記録
再生方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、分極を一方向に揃えた強誘電体を部分的に加熱
して、その部分の分極を消去したり、分極が反転しない
程度の分極と逆向きの電界を印加した状態で部分的に加
熱しその部分の分極を反転させるという方法を用い、加
熱した部分と加熱しない部分の分極の違いという形で情
報を記録する方式があった。第2図に示されるように、
強誘電性高分子メモリーの情報記憶部分は一対の電極2
に挟まれた強誘電体薄膜1からなっており、この強誘電
性高分子メモリーの記憶の消去、書き込み、読み出しは
以下のようにして行われる。
i)消去:第3A図に示されるように、電源4によって強
誘電体薄膜1の抗電界より大きい電界を強誘電体薄膜1
に加え、薄膜の分極を一方向に揃える。
ii)書き込み:第3B図に示されるように、消去時と逆極
性の抗電界以下の電界を薄膜1に加えながらレーザー光
3で薄膜1を局部的に加熱する。温度上昇による抗電界
の減少により照射部分のみの分極が反転する。
iii)読み出し:第3C図に示されるように、不可逆な分
極変化が生じない程度の弱いレーザー光スポット3で薄
膜1表面を走査し、照射点の焦電電流を電流アンプ5お
よびそれにつながる信号処理システム6で検出して分極
の極性を読み取る。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、この従来の方法では、書き込みの際
に、それ以前に記録された情報を一度消すという操作が
必要であった。即ち、消去、書き込みという二段階で記
録がなされていた。
(課題を解決するための手段) 本発明では、部分加熱する際に、書き込む情報の0/1
に対応して、それだけでは分極が反転しない程度の正負
の電界を印加し、それ以前の分極の極性がどちら向きで
あっても、印加した電界の方向に分極の向きが揃うとい
う方法を用いる。
(作 用) 加熱すると抗電界が低下し、熱する前には反転しない
ような分極と逆極性の低電界下においても分極反転を生
じるようになる。従来は、この分極反転を生じるという
性質を用い、分極反転させたい部分のみ選択的に加熱を
行っていたが、本発明では、分極と逆極性の電界下で加
熱すると反転し、同極性の電界下では反転しないこと、
即ち、最終的に電界の極性と分極の極性が一致する性質
を利用して書き込みを行う。
(発明の効果) 本発明によれば、一度消去してから書き込みを行う場
合と比較して、書き込み時間が半分ですむという効果を
有する。
(実施例) 以下に、本発明の一実施例につき図面を用いて詳細に
説明する。
第1図は、本発明による情報の記録の説明図である。
1はフッ化ビニリデン/三フッ化エチレン共重合体から
なる記録媒体、2はこの記録媒体1を挟んでなる一対の
電極、3は記録媒体1にレーザー光をスポット状に集光
しレーザー光をON−OFFする光学系、4は記録時に電極
2に対して電圧を印加する電源、5は再生時にレーザー
光照射部から発生した焦電流を検出するための電流アン
プである。可変出力電源4は、T/W信号がR(再生)時
は出力ゼロ、W(記録)時は記録信号の0/1に対応して
+/−の電圧(記録媒体の抗電界以下の電圧)を発生す
る。電流アンプ5には記録時に可変出力電源4の発生す
る電圧の極性が反転するとき、また、レーザー光照射部
の分極が反転するときに大きな電流が流れるので、この
過入力をバイパスする適当な保護回路を有するものが望
ましい。
厚さ1μmのフッ化ビニリデン/三フッ化エチレン共
重合体フィルムからなる記録媒体1上に電源4により±
30MV/mの電界を加えながら、光学系3から発する10mWの
レーザー光で書き込みを行った。これにより、分極が電
界の極性に従って反転し、情報の記録が行われることが
確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による情報の記録方法を説明する図で
ある。 第2図は、従来の強誘電性高分子メモリーの概略図であ
り、第3A図、第3B図及び第3C図はそれぞれ強誘電性高分
子メモリーの消去、書き込み及び読み出しの基本的な操
作を説明する図である。 1……記録媒体、2……電極、3……光学系、4……電
源、5……電流ランプ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報の0/1に対応してその極性を変えた抗
    電界以下の電界を、強誘電性高分子からなる記録媒体に
    それを挟む一対の電極を介して印加しながら記録点にレ
    ーザー光を照射して情報を記録し、情報が記録された前
    記強誘電性高分子にレーザー光を照射した際の焦電流を
    検出して情報の再生が行われる強誘電性高分子メモリー
    の記録再生方法。
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