JP2869524B2 - Squid型磁力計測装置 - Google Patents

Squid型磁力計測装置

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JP2869524B2
JP2869524B2 JP16510096A JP16510096A JP2869524B2 JP 2869524 B2 JP2869524 B2 JP 2869524B2 JP 16510096 A JP16510096 A JP 16510096A JP 16510096 A JP16510096 A JP 16510096A JP 2869524 B2 JP2869524 B2 JP 2869524B2
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正勝 藤沼
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はSQUID(超伝導量
子干渉素子;uperconducting Qu
ntum nterferece evice)セ
ンサを用いた磁力計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は従来のSQUID型磁力計測装置
のブロック図である。図7において、1は磁界を検出す
るSQUIDセンサ、2はSQUIDセンサの入力磁界
変化に対する周期的電圧変化を直線的に変換し出力する
他、その出力が上記周期的電圧変化の予め定めた任意の
周期数に相当する電圧値に達した際、これをリセットす
ると共にこのリセット動作が行われたことを示すパルス
(粗パルスと称す。)を出力するFLL(Flux L
ocked Loop)駆動回路、3はFLL駆動回路
2の電圧出力をデジタル量のデータ(精データと称
す。)に変換するA/D変換器、4は上記粗パルスの累
積数を数え、上記リセットが行われる周期数に相当する
磁界量の整数倍で得られるデータ(粗データと称す。)
へ変換し出力する粗計測器、5は粗データと精データを
加算し検出した磁界量を出力する粗精合成器である。
【0003】次に動作について説明する。SQUIDセ
ンサ1は図8に示されるように入力する磁界Bの変化に
対し電圧Vが周期的に変化するB−V特性を有するた
め、そのままでは磁界Bに対し電圧Vが一意的に決まら
ず高ダイナミックレンジの測定には向かない。FLL駆
動回路2はこのようなSQUIDセンサ1の周期的なB
−V特性を直線的な電圧出力に変換する回路で、SQU
IDセンサ1への入力磁界と逆符号のフィードバック磁
界の発生により上記B−V特性上に動作点(例えば谷の
部分)を固定する方式に基づき、図9に示すような予め
定めたB−V特性のn周期(nは整数)が最大電圧とな
り、かつBの大きさに比例する直線状の電圧をA/D変
換器3へ出力し、n周期を超える際はこの電圧出力を発
生する内部の積分器を零点へリセットすると同時に粗パ
ルスを粗計測器4へ出力する。A/D変換器3はFLL
駆動回路2の電圧出力をデジタル量に変換し粗精合成器
5へ精データとして出力する。また、粗計測器4はFL
L駆動回路2の粗パルス出力の累積数に上記予め定めた
周期数に相当する磁界量Bを乗算し、上記n周期の整数
倍に相当する値を粗データとして粗精合成器5へ出力す
る。したがって、SQUIDセンサ1への入力磁界が一
定の変化率で増加した場合、タイミング1に示されるよ
うに粗データは階段状出力、精データは鋸歯状出力とな
り、粗精合成器5において、これらの加算を行うことに
よりSQUIDで検出された磁界量が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のSQUID型磁
力計測装置における理想的な粗精合成は図10のタイミ
ング1に示されるものである。図10は時間経過に対し
てSQUIDセンサ1への入力が直線的に増加している
ときにおいて、デジタル量へ変換されたFLL駆動回路
2の出力である精データを、粗データ及び粗精合成器5
の出力である粗精合成後データと対応させたものであ
る。理想的には精データの零リセット及び粗データの出
力が無限小の一致した時間に行われ、ここに示されるよ
うに粗精合成後出力は滑らかに直線上に増加する。ここ
で更に詳しく実際のFLL駆動回路2の構成を示す。F
LL駆動回路2は図13に示されるように発振器11よ
り変調されたフィードバック磁界をフィードバックコイ
ル12よりSQUIDセンサ1へ入力して、外部磁界の
変化を共振回路13を介し、発振器11の出力と乗算器
14で乗算した後、積分器15を通して電圧出力へ変換
している。実際の回路では当然のことながら積分器15
はある時定数で立ち上がる、あるいは立ち下がる特性を
有するが故、図11のタイミング2に示されるように、
積分器15のリセット時にスパイク状誤差が現れる他、
入力磁界の変化率が高い場合においては図12のタイミ
ング3に示されるような精データの追従遅れによる誤差
が粗精合成後データに現れるという問題があった。
【0005】この発明は、上記のような課題を解決する
ために成されたものであり、FLL駆動回路内部の積分
器の充放電時のある時定数に基づく過渡特性による精デ
ータの誤差を除去し、より正確な磁界測定を実現するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明のSQUID型
磁力計測装置は、従来の同装置にブランキング制御器を
組み込む構成とする。
【0007】また、この発明のSQUID型磁力計測装
置は、従来の装置における粗計測器をカウント型粗計測
器へ置換する構成とする。
【0008】この発明のSQUID型磁力計測装置は、
従来の装置にスルーレート判定器、粗データ外挿器及び
選択回路を組み込む構成とする。
【0009】
【作用】この発明においては、ブランキング制御器によ
りFLL駆動回路内部の積分器リセット時に、以降の一
定時間、リセット直前の電圧出力を保持することによ
り、上記リセット時のスパイク状誤差を除去し、より正
確な磁界計測を実現する。
【0010】また、この発明は、カウント型粗計測器
が、FLL駆動回路の粗パルスを受け取った際、FLL
駆動回路内部の積分器リセット時の過渡特性を決める時
定数で立ち上がる特性で所定の値に達するようなカウン
ト値を粗データとして出力することにより、FLL駆動
回路内部の積分器リセット時のスパイク状誤差を除去
し、より正確な磁界計測を実現する。
【0011】この発明は、スルーレート判定器が入力磁
界の変化率が所定値を超えたと判定した際、粗データ外
挿器により粗データの外挿が行われ、選択回路がA/D
変換器出力に変え、粗データ外挿器出力を粗精合成器へ
出力することにより、精データの追従遅れによる誤差を
除去し、より正確な磁界計測を実現する。
【0012】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例を図によって説明す
る。図1において1〜5は図7に同じ、6はブランキン
グ判定器6a及びブランキング処理器6bより構成さ
れ、粗パルスをブランキング判定器6aにて検出した
際、ブランキング処理器6bにおいて、粗精合成後デー
タのブランキング前後の差がこれに要求される値以下と
なるような時間で粗パルス検出直前の粗精合成器5の出
力を保持するブランキング制御器である。
【0013】この発明の実施例は以上のように構成さ
れ、粗パルス発生時以外はブランキング制御器6は粗精
合成器5の出力をそのまま出力するため、従来のSQU
ID型磁力計測装置と粗精合成の処理は同じである。粗
パルス発生時はこれがブランキング制御器6に検出され
る。ブランキング制御器6は、予め設定されている一定
時間、粗パルス検出直前の粗精合成器5の出力を保持し
出力する。ここで上記一定時間とは、FLL駆動回路2
内部の積分器の放電過渡特性の時定数と精データに許容
される誤差との兼ね合いから設定され、時定数が大きな
値となれば、それに応じた長い時間となるものである。
したがって、図4のタイミング4に示されるように粗デ
ータの立ち上がり時から上記一定時間、粗精合成後出力
が一定値(図4のタイミング4におけるaの部分)とな
り、スパイク誤差は除去される。
【0014】実施例2.図2において1〜3及び5は図
7に同じ、7は時定数指示器7a及び立ち上がりカウン
タ7bより構成され、粗パルスが立ち上がりカウンタ7
bへ入力した際に、時定数指示器7aに入力されている
積分器15の放電過渡特性の時定数を参照し、所定の粗
データへ達する立ち上がり特性のカウント値を出力する
カウント型粗計測器である。
【0015】この発明の実施例は以上のように構成さ
れ、粗パルス発生時以外は従来のSQUID型磁力計測
装置と粗精合成の処理は同じである。粗パルス発生時
は、これを検出次第、カウント型粗計測器7は積分器1
5の放電過渡特性(図5のタイミング5におけるbの部
分)を決める時定数と同じ立ち上がり特性(図5のタイ
ミング5におけるcの部分)で、所定の粗データ(図5
のタイミング5においてd1,d2,d3で示される平
坦な部分)に達するようなカウント値を粗データとして
粗精合成器5へ出力する。粗精合成器5はこのカウント
値としての粗データと精データを加算し、出力する。し
たがって、図5に示されるタイミング5のように積分器
15のリセットに伴う過渡特性時における粗精合成後デ
ータは、一定値にその間の磁界変化を示す精データ変化
が加えられたものとなり、粗精合成に伴うスパイク誤差
は除去される。
【0016】実施例3.図3において1〜5は図7に同
じ、8は粗パルスの単位時間当たりの発生回数をモニタ
し入力磁界の変化率を判定し粗データの外挿指示及び選
択回路10における選択の指示を行う制御信号を出力す
るスルーレート判定器、9はスルーレート判定器8の制
御信号に基づき、粗データが変化した瞬間の粗データ値
を結ぶ近似直線を求め、さらに粗データが変化するタイ
ミングに合わせ、零点へ落とす操作を施すことにより推
定した精データ相当の粗データ外挿出力を精データに同
じレートで出力する粗データ外挿器、10は9と同様ス
ルーレート判定器8の制御信号に基づき、精データ又は
粗データ外挿器出力の何れかを選択出力する選択回路で
ある。
【0017】この発明の実施例は以上のように構成さ
れ、入力磁界の変化率が、FLL駆動回路2の追従遅れ
に伴う精データの誤差(図6タイミング6におけるeの
部分)が要求精度を満たすある所定値以下においては、
選択回路10が精データを出力するため、粗精合成器5
では粗データと精データの加算及び出力が成され、従来
のSQUID型磁力計測装置と粗精の合成処理は同じで
ある。入力磁界の変化率が上記所定値を超えた場合、ス
ルーレート判定器8はこれを検出し、粗データ外挿器9
及び選択回路10へ制御信号を出力する。粗データ外挿
器9は上記制御信号を受けると粗パルス発生時の粗デー
タ値(図6のタイミング6におけるf1,f2,f3の
点)とその時刻から変化率(図6のタイミング6におけ
るgの直線の傾き)を算出し精データの変化状況を推定
し、精データの出力レートでこの精データ相当の粗デー
タ外挿器出力を選択回路10へ出力する。選択回路10
は9と同様、上記制御信号を受けた際は精データに変わ
り、粗データ外挿器9出力を選択し、粗精合成器5へ出
力する。粗精合成器5は粗データと精データ相当の粗デ
ータ外挿器9出力を加算し出力する。したがって、図6
のタイミング6に示されるように、入力磁界が精データ
の追従しきれない変化率で変化した場合は精データに代
わり、粗データ外挿器9出力が選択され、粗精合成後デ
ータから追従遅れによる誤差が除去される。
【0018】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば以下に
記載されるような効果を奏する。
【0019】この発明は、従来のSQUID型磁力計測
装置にブランキング制御器を付加することで、粗精の合
成を図4に示されるタイミング4とすることができ、ス
パイク状誤差の発生を回避した、より正確な磁界計測が
実現できる。
【0020】また、この発明は、粗計測器としてカウン
ト型粗計測器を用いることにより、粗精の合成を図5に
示されるタイミング5とすることができ、スパイク状誤
差の発生を回避した、より正確な磁界計測が実現でき
る。
【0021】この発明は、スルーレート判定器、粗デー
タ外挿器及び選択回路を付加することで、粗精の合成を
図6に示されるタイミング6とすることができ、FLL
駆動回路内部の積分器リセット時の過渡特性に伴った精
データの追従おくれによる誤差を回避した、より正確な
磁界計測が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1を示すブロック図であ
る。
【図2】 この発明の実施例2を示すブロック図であ
る。
【図3】 この発明の実施例3を示すブロック図であ
る。
【図4】 この発明の実施例1における粗精合成のタイ
ミングを示す図である。
【図5】 この発明の実施例2における粗精合成のタイ
ミングを示す図である。
【図6】 この発明の実施例3における粗精合成のタイ
ミングを示す図である。
【図7】 従来のSQUID型磁力計測装置を示すブロ
ック図である。
【図8】 SQUIDセンサの磁界−電圧特性を示す図
である。
【図9】 SQUIDセンサ出力とFLL駆動回路の出
力の関係を示す図である。
【図10】 理想的な粗精合成のタイミングを示す図で
ある。
【図11】 従来の装置における粗精合成のタイミング
を示す図である。
【図12】 精データに追従遅れが生じている際のタイ
ミングを示す図である。
【図13】 FLL駆動回路の構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 SQUIDセンサ、2 FLL駆動回路、3 A/
D変換器、4 粗計測器、5 粗精合成器、6 ブラン
キング制御器、6a ブランキング判定器、6b ブラ
ンキング処理器、7 カウント型粗計測器、7a 時定
数指示器、7b立ち上がりカウンタ、8 スルーレート
判定器、9 粗データ外挿器、10選択回路、11 発
振器、12 フィードバックコイル、13 共振回路、
14乗算器、15 積分器。
フロントページの続き 審査官 中塚 直樹 (56)参考文献 特開 平6−289110(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 33/035 ZAA H01L 39/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁界を検出するSQUIDセンサと、こ
    のSQUIDセンサの入力磁界変化に対する周期的電圧
    変化を直線的に変換し出力し、かつ、その出力が上記周
    期的電圧変化の予め定めた任意の周期数に相当する電圧
    値に達した際、これをリセットすると共に粗パルスを出
    力するFLL駆動回路と、このFLL駆動回路の電圧出
    力をデジタル量の精データに変換するA/D変換器と、
    上記粗パルスを上記周期数に相当する磁界量の整数倍で
    得られる粗データへ変換し出力する粗計測器と、上記粗
    データと精データを加算し検出した磁界量を出力する粗
    精合成器と、上記粗パルスを検出した際、その後一定時
    間、粗パルス検出直前の粗精合成器出力を保持するブラ
    ンキング制御器とを備えたことを特徴とするSQUID
    型磁力計測装置。
  2. 【請求項2】 磁界を検出するSQUIDセンサと、こ
    のSQUIDセンサの入力磁界変化に対する周期的電圧
    変化を直線的に変換し出力し、かつ、その出力が上記周
    期的電圧変化の予め定めた任意の周期数に相当する電圧
    値に達した際、これをリセットすると共に粗パルスを出
    力するFLL駆動回路と、このFLL駆動回路の電圧出
    力をデジタル量の精データに変換するA/D変換器と、
    上記粗パルスが入力した際、上記FLL駆動回路内部の
    積分器リセット時の過渡特性を決める時定数で立ち上が
    る特性で上記周期数に相当する磁界量の整数倍で得られ
    る粗データへ達するカウント値を出力するカウント型粗
    計測器と、上記粗データと精データを加算し検出した磁
    界量を出力する粗精合成器とを備えたことを特徴とする
    SQUID型磁力計測装置。
  3. 【請求項3】 磁界を検出するSQUIDセンサと、こ
    のSQUIDセンサの入力磁界変化に対する周期的電圧
    変化を直線的に変換し出力し、かつ、その出力が上記周
    期的電圧変化の予め定めた任意の周期数に相当する電圧
    値に達した際、これをリセットすると共に粗パルスを出
    力するFLL駆動回路と、このFLL駆動回路の電圧出
    力をデジタル量の精データに変換するA/D変換器と、
    上記粗パルスを上記周期数に相当する磁界量の整数倍で
    得られる粗データへ変換し出力する粗計測器と、上記粗
    パルスの単位時間当たりの発生回数からスルーレートを
    判定し制御信号を出力するスルーレート判定器と、上記
    スルーレート判定器の制御信号に基づき粗データの外挿
    により推定した精データ相当の粗データ外挿出力を精デ
    ータに同じレートで出力する粗データ外挿器と、上記ス
    ルーレート判定器の制御信号に基づき精データ又は上記
    粗データ外挿器出力の何れかを選択出力する選択回路
    と、上記粗データと精データ又は粗データ外挿器出力を
    加算し検出した磁界量を出力する粗精合成器とを備えた
    ことを特徴とするSQUID型磁力計測装置。
JP16510096A 1996-06-06 1996-06-06 Squid型磁力計測装置 Expired - Lifetime JP2869524B2 (ja)

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JPH09329656A JPH09329656A (ja) 1997-12-22
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WO2002058555A1 (fr) * 2001-01-23 2002-08-01 Hitachi, Ltd. Appareil de mesure du biomagnetisme
JP4133934B2 (ja) 2004-06-03 2008-08-13 独立行政法人科学技術振興機構 Squid用ダブルカウンタ方式によるヒステリシス特性型ディジタルfll装置
KR101092490B1 (ko) * 2009-11-26 2011-12-13 한국표준과학연구원 자속고정회로, 자속고정방법, 및 squid 측정 장치

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