JP2869071B2 - フッ素含有被覆組成物 - Google Patents

フッ素含有被覆組成物

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐候性、撥水性、耐汚染性、低摩擦性に優
れた被膜を形成する被覆組成物に関するものである。
[従来の技術] 従来、耐候性、撥水性、耐汚染性に優れ、有機溶剤に
可溶な塗料用樹脂として、フッ素含有樹脂が用いられ、
特公昭50−29730号公報や特開昭58−34866号公報などに
示されている。また、特開昭60−187921号にはマクロモ
ノマを使用したフッ素系グラフトポリマが明示されてい
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、かかる従来の技術においては、水分を
吸収することによって加水分解が起こり、耐久性が不充
分であるといった問題点を有していた。
本発明は、吸水率が低く、耐水性に優れるために、長
期に渡って耐候性などを維持することができる、耐久性
に優れたフッ素含有被覆組成物を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するために下記の構成を有
する。
下記(a)、(b)、(c)、(d)の単量体成分
(ただしジシクロペンテニルオキシアルキレンビニルエ
ステル、ジシクロペンテニルオキシビニルエステルを除
く)から構成される共重合体を主成分としてなるフッ素
含有被覆組成物。
(a)一般式Rf(CH2nOCOCR=CH2で表される(メタ)
アクリル酸エステル 3〜30重量% (Rfはフッ素原子の数が10以上のフルオロアルキル基ま
たはパーフルオロアルキル基含有の置換基であり、nは
1または2,Rは水素またはメチル基を示す。) (b)炭素数5〜25の脂環族アルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル 20〜60重量% (c)末端に不飽和基を有し、(a)、(b)および
(d)いずれにも属さないビニル単量体 7〜47重量% (d)末端に不飽和基を有し、さらに水酸基、カルボキ
シル基、エポキシ基、アミド基、メチロール基から選ば
れるいずれかの官能基を有するビニル単量体 3〜30重量% 本発明において(a)成分として使用されるフッ素含
有共重合体の単量体成分は、一般式Rf(CH2nOCOCR=C
H2で表され、Rfはフッ素原子の数が10以上のフルオロア
ルキル基またはパーフルオロアルキル基,nは1または2,
Rは水素またはメチル基であることが必要である。具体
的には次のような高級フルオロアルキル(メタ)アクリ
レートである。
CH2=CRCO2(CH2mCnF2n+1 (mは1または2、nは5〜12の整数を示す) CH2=CRCO2CH2O(CF22OCnF2n+1 (nは3〜4の整数を示す) CH2=CRCO2CH2(CF2mH (mは6〜14の偶数を示す。) CH2=CRCO2(CH2mNR′SO2C8F17 (mは1〜10の整数を示す。R′は炭素数1〜4のアル
キル基を示す。) CH2=CRCO2(CH22NR′COC7F15 (R′はC1〜C9のアルキル基を示す) CH2=CRCO2(CH22Rf (Rfは、C6F13〜C12F25を示す) CH2=CRCO2(CH22N(CH3)SO2 CH2=CRCO2CH2CHOHCH2C8F17 CH2=CRCO2(CH22N(CH3)CO(CF2CF2O)3C2F5 ここでRfのフルオロアルキル基またはパーフルオロア
ルキル基においてフッ素原子の数が10以上のものを用い
ることによって、膜厚方向にフッ素の濃度分布をもった
被覆を形成し、被膜表面のフッ素濃度は高く、内部の方
はフッ素濃度が低くなるという効果を有する。特にRfの
フッ素原子の数が12〜30の範囲において、きわめて優れ
た効果を発揮する。
フッ素濃度を知る手段としては、同一条件で接触角を
測定した場合、フッ素濃度が高いと被膜表面の接触角は
大きくなり、被膜表面の接触角を測定することによって
簡便に知ることができる。また2次イオン質量分析装置
を用いて被膜表面(〜1000Å)のフッ素濃度を直接に測
定することもできる。この装置は、5〜15Kev程度のエ
ネルギーを被膜表面に当て、スパッタリングによって試
料から発生する2次イオンを質量分析する方法である。
また、塗膜表面の元素組成分析については、防錆管
理′86年11月号340〜345頁にESCAを用いて報告されてい
る。
したがって、フッ素含有の該モノマを少量使用するこ
とによって被膜中のフッ素含有による効果を最大限に発
揮できる特徴がある。このように、被膜表面のフッ素濃
度がきわめて高くなることから、フッ素による優れた特
性が付与され、被膜表層の耐候性、撥水性、耐汚染性、
耐食性、低摩擦性を著しく向上させることができる。例
えば、塗料用被膜は、酸化チタンなどの顔料によって着
色して使用する場合、屋外に暴露されても、太陽光線は
その大部分が被膜表面で反射され、内部にまでは侵入し
て行きにくく、耐久性が求められる場合などにおいて、
本発明の組成物が効果的に使用される。
一方、基板に接触する面(裏面)はフッ素濃度がほと
んど無いために、被膜と基板との密着性が優れる特徴が
あり、通常のフッ素系塗料の密着性の悪さの問題点が解
決されている。このように本発明組成物から、被膜中の
フッ素含量を必要度の高いところに多く配置させ、一方
必要度の低いところにはフッ素を分布させない塗膜が得
られる。
また、かかる(a)の単量体の使用量は共重合体中に
おいて3〜30重量%であることが必要である。3重量%
未満ではフッ素含有による効果が小さい。また、30重量
%を越えると次のような理由から良好な被膜を作製する
ことができない。
(イ) フッ素含有共重合体は固体であるので、通常、
溶剤に溶かし溶液として取り扱う。該単量体の使用量が
30重量%を越えると、フッ素含有共重合体の溶液は撹拌
時に石鹸のように泡立ち、塗装(コーテング)すること
が困難となる。
消泡剤を用いることで改善はできるが、消泡剤使用に
よって耐水性、耐薬品性、耐候性などに悪影響をおよぼ
す問題が生じやすい。
(ロ) 被膜の機械的強度および硬度が低下しやすい。
これは本発明で用いる高級フルオロアルキル(メタ)ア
クリレートのホモポリマのTg(ガラス転移温度)が低い
ために、その使用量が増えると被膜の引っ張り強度、剛
性および硬度が低下する。
(ハ) 被膜の摩擦係数が増大し、目的とする低摩擦化
を達成できない。
(ニ) 下地基板との接着性が悪くなる。該モノマ量の
使用量が多くなるとフッ素含有の被膜が下地基板面にも
存在しやすくなり、そのために接着性がわるくなるもの
と思われる。
つぎに(b)成分の脂環族アルキル基を有する(メ
タ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルのアルキル基が次に例示する脂環族ア
ルキル基によって置換されている化合物を挙げることが
できる。脂環族アルキル基としては、シクロペンチル、
シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、2,2,5−トリ
メチルシクロヘキサン、n−ボルニル、iso−ボルニ
ル、ノルボルニル、ノルボルニルメチル、l−メンチ
ル、l−フェンチル、1−アダマンチル、2−アダマン
チル、3,5−ジメチル−1−アダマンチル、p−メンタ
ン、2−メチルカンファン、l−メンチール、シクロド
デシル、トリシクロ[5,2,1,02,6]デカ−8−イル、ト
リシクロ[5,2,1,02,6]デカ−4−メチル、3−メチル
−1−アダマンチル、8−エチルアダマンチル、8−メ
チル−5−エチル−1−アダマンチル、3,5,8−トリエ
チル−1−アダマンチル、3,5−ジメチル−8−エチル
−1−アダマンチル、ノルボルネン、オクタヒドロ−4,
7−メンタノインデニル、オクタヒドロ−4,7−メンタノ
インデン−1−イルメチル、p−メンチル−8、p−メ
ンチル−2、8−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチル−ビ
シクロ[8,1,1]ヘプタン、8,7,7−トリメチル−4−ヒ
ドロキシ−ビシクロ[4,1,0]ヘプタン−4−イルなど
が代表的なものとして例示される。
これらの脂環族アルキル基を有する(メタ)アクリル
酸エステルは本発明の被膜の吸水性を低下せしめる効果
をもたらすものである。共重合体中にこれを導入するこ
とによって被膜中のエステル結合、ウレタン結合等の加
水分解性を大幅に低減できる。また、前記(a)成分に
おけるフッ素を含有することによる効果に影響を与える
ことはない。すなわち、本発明からなる被膜は低吸水性
を有し、長期にわたって、耐候性、撥水性、対汚染性、
低摩擦性などの性能を維持するものである。
かかる(b)成分の使用量は、20〜60重量%の範囲が
必要である。20重量%未満の場合には、本発明の特徴と
する低い吸水性において効果がなく、逆に60重量%を越
えると疎水性の大きな分子によって脆くなり、密着性や
撥水性および耐候性などが低下する。さらに好ましい範
囲は30〜50重量%である。
次に(c)成分の末端に不飽和基を有するビニル単量
体の代表的なものとしては、スチレン、ビニルトルエ
ン、もしくはα−メチルスチレンの如き芳香族系ビニル
化合物;酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデンの如
きビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリート、エチ
ル(メタ)アクリレート、n(またはt)−ブチル(メ
タ)アクリレートの如き(メタ)アクリル酸エステル
類;マレイン酸、フマール酸、もしくはイタコン酸など
の不飽和ジカルボン酸類とC1〜C10なる一価のアルコー
ルとのジエステル類;(メタ)アクリルアミド、ジメチ
ル(メタ)アクリルアミドもしくはN−アルコキシメチ
ル化(メタ)アクリルアミドの如き(メタ)アクリルア
ミド類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの
如きN、N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリ
レート類;βアシッドホスホキシ(メタ)アクリレート
の如き燐酸基含有(メタ)アクリレート類;(メタ)ア
クリル酸、マレイン酸、フマール酸もしくはイタコン酸
あるいは水酸基含有ビニル単量体と飽和ポリカルボン酸
との等モル付加反応生成物の如き不飽和カルボン酸類;
グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル
(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アリルグリシジ
ルエーテルあるいは(メタ)アクリル酸、マレイン酸、
フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸と「エ
ピコート1001もしくは1004」(シェル社製 エポキシ樹
脂)、「エピクロン200、400、441、850もしくは1050」
(大日本インキ社製 エポキシ樹脂)、「アラルダイト
6071」(チバガイギー社製 エポキシ樹脂)、または
「チッソノックス 221」(チッソ社製 エポキシ樹
脂)の如き1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有
するポリエポキシ化合物とを等モルで付加反応させて得
られるエポキシ基含有重合性付加物;重合性不飽和結合
およびエポキシ基を有する低分子量のポリエステル樹脂
(例えばシェル社の「ペオパ」)などが代表的なものと
して挙げられる。
これらの使用量は、(a)成分や、(b)成分や、後
述の(d)成分の使用量の関係から、7〜47重量%の範
囲で使用することが必要である。
本発明の(a)〜(c)および後述の(d)のビニル
単量体からなるフッ素含有共重合体は、ガラス転移温度
Tgが30〜80℃の範囲であることが好ましい。Tgが30℃未
満の場合には硬化被膜の硬度が低く、一方、80℃を越え
ると硬化被膜が脆くなりすぎるので所望とする性能が得
られない。特に好ましくは40〜70℃の範囲である。
本発明のフッ素含有共重合体は、(a)〜(c)およ
び後述の(d)のビニル単量体を用いて公知の重合方
法、例えばラジカル発生剤を用いて溶液重合法、塊状重
合法、懸濁重合法などによって行うことができる。これ
らのなかでは溶液重合法が好ましく用いられ、ラジカル
発生剤としてはアクリル系モノマの重合に用いられてい
るものであればいずれも使用しうる。代表的なものを挙
げれば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジ−t
−ブチルパーオキサイド(DTBPO)、ベンゾイルパーオ
キサイド(BPO)、t−ブチルパーベンゾェート(TBP
B)、t−ブチルパーオクトェート(TBPO)、またはク
メンハイドロパーオキサイド(CHP)などが例示され
る。また使用できる有機溶剤としては、トルエン、キシ
レン、の如き芳香族系炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブ
チルもしくは酢酸セロソルブの如き酢酸エステル類;メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンの如きケト
ン類などのアクリル系塗料に通常使用されているような
溶剤であればそのまま使用可能である。また、必要によ
り、n−ドデシルメルカプタン、オクチルメルカプタ
ン、またはt−ブチルメルカプタンの如きメルカプタン
類;「ジペンテン−T」(日本テルペン化学社製)など
の連鎖移動剤を使用することもできる。
また本発明において、前記(a)〜(c)の単量体成
分から構成される共重合体中に、(d)に示される官能
基含有ビニル単量体を3〜30重量%の割合で含有するこ
とにより、硬化系被覆組成物を得ることができる。3重
量%未満の場合には架橋が不十分なために耐久性におけ
る効果が充分ではなく、また、逆に30重量%を越える場
合には架橋密度が高くなりすぎて被膜が脆くなるという
問題や、また、ワニスの安定性が低下したり、塗膜物性
の低下などの問題を生じるため好ましくない。この中で
さらに好ましい範囲は7〜15重量%である。
(d)成分の官能基含有ビニル単量体としては、β−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、β−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、の如きヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸、イタコ
ン酸、フマール酸、マレイン酸、クロトン酸の如き不飽
和カルボン酸類;オクチル酸グリシジルエステルもしく
はヤシ油脂肪酸グリシジルエステルの如き一価カルボン
酸のモノグリシジルエステル類、またはブチルグリシジ
ルエーテル類などで代表されるモノエポキシ化合物との
付加物;不飽和カルボン酸のアルキレノキサイド付加
物;不飽和カルボン酸アミドおよびそのメルロール化
物;重合性不飽和結合を有する低分子量のポリエステル
系樹脂などが代表的なものとして例示される。
また、架橋剤を使用することによって、被膜の耐候性
が向上し、本発明の特性を安定して発現することができ
る。架橋剤は前記(d)成分中の官能基含有ビニル単量
体と反応し架橋構造を構築する。架橋剤としては、共重
合体中に含有される前記(d)成分中の官能基含有ビニ
ル単量体と反応しうる官能基を有するものであればどの
ようなものでもよいが、代表的なものは例えば通常アミ
ノ樹脂と称されるものが挙げられ、それには尿素、チオ
尿素、エチレン尿素、メラミンベンゾグァナミンなどと
ホルムアルデヒドとの共縮合物やそれらの低級アルコー
ル処理物;脂肪族、脂環族ジイソシアネート類やこれら
のビューレットタイプ、アダクト体それにトリマ体など
のポリイソシアネート類例えば、「パーノックD−75
0、DN−950、−970またはD−800」(以上大日本インキ
社製)、「タケネートB−820NS、D−110N、D−123N
またはD−140N」(以上武田薬品社製)、「コロネート
L、EHまたは2031」(以上日本ポリウレタン社製)「デ
スモジュールL、NまたはHL」(以上バイエル社製)な
どが好適に使用される。また(ポリ)アミン類、酸無水
物類、エポキシ樹脂類、熱反応性フェノール樹脂などが
挙げられる。被膜硬化反応には、一般的な触媒、例えば
ジブチルチンジラウレートなどの反応促進剤も併用でき
る。架橋剤の配合量としては、前記(a)成分に対し
て、0.1〜50重量%であることが好ましい。0.1重量%未
満である場合は、硬化が十分に進んだ被膜が得られず、
50重量%を越えると、硬化被膜中のフッ素濃度の低下
や、残存する架橋剤によって被膜が可塑化するなどとい
った傾向がある。そしてこれら架橋剤のうち、ポリイソ
シアネートを使用する場合は、前記共重合体との配合比
としてOH/NCO=1/0.2〜1/1.5(当量比)となる範囲で使
用するか、あるいは、共重合体に対し、0.1〜40重量%
の範囲が好ましく用いられ、硬化条件も常温から加熱ま
で任意の条件を選ぶことができる。
基板への被覆組成物のコーティング方法としては、ス
プレー塗装が一般的であるが、ハケ塗り、ローラー塗り
などいずれの方法でもよい。
このようにして得られた本発明の共重合体およびその
硬化系被覆組成物は、そのままクリヤーとして使用する
こともできるし、あるいは顔料を混ぜてエナメル塗料と
して使用することもできる。
また、必要に応じて、各種の添加剤などを使用するこ
ともできる。このような添加剤としては例えば紫外線吸
収剤、酸化防止剤、滑剤、レベリング剤などがある。
〔実施例〕
次に本発明を実施例および比較例により更に詳細に説
明する。実施例および比較例中の「部」は特に誤りのな
い限り「重量部」を示す。なお、被膜の評価項目と評価
方法は次のとおり。
塗装時固形分:フォードカップ15秒設定での固形分(wt
%)。希釈溶剤−MIBK 耐水性(吸水率):ガラス基板上に塗装した被膜を14cm
×14cmの大きさに剥がしとり、25℃の水に浸漬した後、
重量を測定。
光沢値:60度鏡面反射率を計測。
グロスメータGM−3M型(村上色彩技術研究所社)。
ゴバン目密着性テスト:1mm角のます目100個をカッター
で作成。ニチバンセロテープによる剥離テスト。
エリクセン値:エリクセン測定機(東洋精機製作所製)
により1インチ硬球の押出し深度(mm)をみる。
QUVテスト:紫外線/結露サイクル促進耐候製試験機
(米国Q−パネル社製)を使用。
テスト条件UV 70℃×8時間 結露 50℃×4時間 屋外暴露:建屋屋上に3年間放置した。
実施例 1 撹拌機、コンデンサー、滴下ロート、温度計および窒
素ガス吹き込み管を備えた2リットルのガラス製四つ口
フラスコに、酢酸n−ブチル(以下BACと略記する)250
部、キシレン(以下XyLと略記する)250部を仕込み、窒
素ガスで系内を置換した後95±2℃に昇温した。
同温度で撹拌を続けながらモノマ組成として1H,1H,2
H,2H−ヘプタデカフロロデシメタクリレート〔CH2=CCH
3COO(CH2(CF28F(以下17FMと略記する)〕50
部、n−ブチルアクリレート(以下BAと略記する)151.
5部、メチルメタアクリレート(以下MMAと略記する)38
部、アクリル酸(以下AAと略記する)2.5部、メタアク
リル酸トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカ−8−イル(以下
TCDMAと略記する)200部、2−ヒドロキシエチルメタア
クリレート(以下HEMAと略記する)58部および重合開始
剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと略記
する)5部からなる混合物を3時間所用して滴下した。
滴下終了後1時間撹拌を続け、その後AIBN1部を1時間
毎に5回添加した。その後さらに1時間撹拌を続け反応
を終了し、不揮発分50wt%、ガードナーホルト粘度H、
Mn=11,000、Mw/Mn=2.5の含フッ素共重合体溶液を得
た。
この含フッ素共重合体溶液80部に、n−ブチル化メラ
ミン樹脂“スーパーベッカミンG−821"(大日本インキ
化学工業社製)20部を混合し、さらに酸化チタンをPWC
=40wt%になるように配合し、フォードカップで15秒に
なるようにさらにMIBNで希釈した後、ガラス板およびリ
ン酸亜鉛鋼板の基板上にスプレー塗装し、含フッ素アク
リルの被膜を得た。乾燥は10分間セッティングした後、
オーブン中で80℃で30分加熱し、さらに室温(25℃)で
1週間とした。この含フッ素アクリルの硬化被膜は表1
に示すように耐水性、密着性、耐候性などに優れてい
た。
実施例 2 実施例3で得られた含フッ素共重合体溶液50部、酸化
チタン20.5部、イソシアネート化合物としてスミジュー
ルN−75(住友バイエルウレタン社製)5.7部、MIBK23.
4部を混合し、以下実施例1と同様に希釈,塗装,乾燥
を行い含フッ素アクリルの硬化被膜を得た。この含フッ
素アクリルの硬化被膜は表1に示すように耐水性、密着
性、耐候性などに優れていた。
比較例 1 実施例1の含フッ素共重合体溶液を得るに際して17FM
50部、BA108.5部、MMA281部、AA2.5部、HEMA58部を使用
し、重合温度を95±2℃にする他は実施例1と同様にし
て不揮発分50wt%、ガードナーホルト粘度T、Mn=10,0
00、Mw/Mn=2.0の含フッ素共重合体溶液を得た。さらに
実施例4と同様にして硬化被膜を得た。この硬化被膜は
本発明の組成物に比べ吸水性が高く、QUVテスト2000hr
において光沢の劣化が見られた。
比較例 2 実施例1の含フッ素共重合体溶液を得るに際して17FM
200部、BA70.5部、AA2.5部、TCDMA169部、HEMA58部を使
用し、重合温度を95±2℃にする他は実施例1と同様に
して不揮発分50wt%、ガードナーホルト粘度Q、Mn=9,
100、Mw/Mn=1.8の含フッ素共重合体溶液を得た。さら
に実施例4と同様に塗料化,塗装,乾燥を行なって硬化
被膜を得たが、乾燥被膜にハジキやヘコミが多数あり、
平滑な被膜が得られず評価するに至らなかった。
比較例 3 実施例1の含フッ素共重合体溶液を得るに際して17FM
50部、BA39.5部、AA2.5部、TCDMA350部、HEMA58部を使
用し、重合温度を95±2℃にする他は実施例1と同様に
して不揮発分50wt%、ガードナーホルト粘度N、Mn=1
3,000、Mw/Mn=2.2、樹脂Tg=101℃の含フッ素共重合体
溶液を得た。さらに実施例4と同様に塗料化,塗装,乾
燥を行って硬化被膜を得たが、この硬化被膜は表1に示
したように密着性が大幅に低下した。
[発明の効果] 本発明のフッ素含有被覆組成物は、優れた撥水性、耐
汚染性、耐食性に加えて、脂環族アルキル基を有する
(メタ)アクリル酸エステルを用いるために、吸水率が
低く、耐候性、耐久性に優れる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−271406(JP,A) 特開 昭62−577(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)、(b)、(c)、(d)の単
    量体成分(ただしジシクロペンテニルオキシアルキレン
    ビニルエステル、ジシクロペンテニルオキシビニルエス
    テルを除く)から構成される共重合体を主成分としてな
    ることを特徴とするフッ素含有被覆組成物。 (a)一般式Rf(CH2nOCOCR=CH2で表される(メタ)
    アクリル酸エステル 3〜30重量% (Rfはフッ素原子の数が10以上のフルオロアルキル基ま
    たはパーフルオロアルキル基含有の置換基であり、nは
    1または2、Rは水素またはメチル基を示す。) (b)炭素数5〜25以上の脂環属アルキル基を有する
    (メタ)アクリル酸エステル 20〜60重量% (c)末端に不飽和基を有し、(a)、(b)および
    (d)いずれにも属さないビニル単量体 7〜47重量% (d)末端に不飽和基を有し、さらに水酸基、カルボキ
    シル基、エポキシ基、アミド基、メチロール基から選ば
    れるいずれかの官能基を有するビニル単量体 3〜30重量%
  2. 【請求項2】(d)の単量体成分の官能基と反応しうる
    架橋剤を含有してなることを特徴とする請求項(1)記
    載のフッ素含有被覆組成物。
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