JP2868785B2 - ダイカストマシンの昇圧時間検出方法 - Google Patents

ダイカストマシンの昇圧時間検出方法

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JP2868785B2
JP2868785B2 JP1137253A JP13725389A JP2868785B2 JP 2868785 B2 JP2868785 B2 JP 2868785B2 JP 1137253 A JP1137253 A JP 1137253A JP 13725389 A JP13725389 A JP 13725389A JP 2868785 B2 JP2868785 B2 JP 2868785B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はダイカストマシンの昇圧時間検出方法に係
り、さらに詳しくは、溶湯の充填完了後の昇圧時間検出
方法に関する。
〔背景技術〕
ダイカスト法等においては、金型キャビティに溶湯を
充填するに際し、射出プランジャの前進速度を低速から
高速に切り換えるとともに、溶湯充填後に増圧バルブ装
置を作動させて加圧する手法が採用されている。
従って、加圧状態が適正であるかどうかを把握し、異
常が発生したときには速やかにこれを検知して所定の警
報等を行うことは、鋳造品の成形特性を一定に維持し、
かつ、不良品の多数発生を回避する上で極めて重要なこ
とと言える。
そのため、本出願人は、射出圧力が変化する過程にお
いて、増圧バルブ装置が作動された際の2地点間におけ
る昇圧時間が、許容範囲時間内にあるかどうかを比較
し、許容範囲時間を逸脱したときに警報等を発するよう
にした射出圧力管理装置を既に提案している(実願平1
−36232号)。
これによれば、正常時における射出圧力は、増圧バル
ブ装置作動後に急激な圧力上昇を示すため、2地点間に
おける圧力上昇時間と、予め設定された許容範囲時間と
の比較によって圧力上昇状態が正常か否かを判断できる
という利点がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記既提案のものにあっては、増圧バ
ルブ装置作動後における昇圧時間計測地点の始点は、油
圧源としてのアキュムレータのピストン押圧力で定まる
設定圧力により定義されているものであるため、次のよ
うな問題があった。
すなわち、昇圧時間の計測開始点として設定圧力を用
いた場合にあっては、鋳造条件の変更等に基づいて都度
設定変更しなければならないため、前記開始点を統一化
することが不可能であった。また、この場合にあって
は、例えばアキュムレータ圧力−35kg/cm2でアキュムレ
ータ圧力検出用ヘッドが必要であり、35kg/cm2の初期設
定が必要であった。
さらに、前記アキュムレータの異常等により、計測開
始点である設定圧力が検知されないときには、昇圧時間
の計測自体が行われず、異常検知ができないという問題
も生ずる。
本発明は、前記問題点が昇圧時間の計測開始点として
前述のような設定圧力を採用していた点に起因すること
に着目してなされたもので、その目的は、鋳造条件に関
わりなく昇圧時間の計測開始点を統一化することがで
き、計測時間を高精度に検出することのできるダイカス
トマシンの昇圧時間検出方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
そのため、本発明に係るダイカストマシンの昇圧時間
検出方法は、射出プランジャの駆動により溶湯を金型キ
ャビティに射出し、充填完了後に増圧して加圧する際の
ダイカストマシンの昇圧時間検出方法において、前記射
出プランジャの速度を計測するとともに、当該速度が減
速されて所定の設定速度以下に降下した瞬間を検出して
昇圧時間の計測開始点とし、次いで、射出プランジャの
押圧力を計測して所定の設定圧力以上に圧力が上昇した
瞬間を検出して計測終了点とするとき、前記計測開始点
から前記所定の設定圧力に至るまでに必要な時間を予め
許容範囲時間として設定しておき、計測開始後、前記所
定の設定圧力以上に圧力が上昇した瞬間を検出できた場
合、前記計測開始点から計測終了点までにかかった時間
を前記許容範囲時間と比較し、その計測に要した時間が
前記許容範囲時間を超えているときに異常信号を出力す
ることを特徴とする。
また、本発明に係る他のダイカストマシンの昇圧時間
検出方法は、射出プランジャの駆動により溶湯を金型キ
ャビティに射出し、充填完了後に増圧して加圧する際の
ダイカストマシンの昇圧時間検出方法において、前記射
出プランジャの速度を計測するとともに、当該速度が減
速されて所定の設定速度以下に降下した瞬間を昇圧時間
の計測開始点とし、射出プランジャの押圧力を計測して
所定の設定圧力以上に圧力が上昇した瞬間を計測終了点
とするとき、前記計測開始点から前記所定の設定圧力に
至るまでに必要な時間を予め許容範囲時間として設定し
ておき、計測開始後、前記許容範囲時間を超えても依然
として前記所定の設定圧力を検出できないときに異常信
号を出力することを特徴とする。
〔作用〕
本発明の前記方法によれば、溶湯の充填が完了した際
に、射出プランジャの速度が急激に減速し、当該速度が
設定速度以下に降下したときに昇圧時間の計測が開始さ
れる。この計測は射出プランジャの押圧力が予め設定さ
れた設定圧力を超えたことを検知したときにまた、計測
開始後、許容範囲時間を超えても依然として所定の設定
圧力を検知できないときに異常信号が出力されて終了さ
れる。このようにすれば、所望の圧力上昇が得られない
場合にも異常検知ができる。
従って、充填完了時における射出プランジャの移動速
度は、必然的に急激な減速を伴うから、この減速時の特
定点を計測開始点と定義しておけば、常に異常検知を行
うことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は、ダイカストマシンの射出速度および射出圧
力の実測値を所定処理する各構成のブロック図を示す。
この図において、前記射出圧力は、射出圧力検知器10に
より検出され、この射出圧力検出器10は、例えば、図示
しない射出プランジャを押圧する射出シリンダの油圧回
路等に設けられている。また、前記射出速度は、射出速
度検出器11により検出され、この射出速度検出器11は、
図示しない射出シリンダのピストンロッドに設けられる
公知の検出器により構成されている。
前記射出圧力検出器10および射出速度検出器11の各出
力は、次段の演算装置12に与えられるようになってい
る。この演算装置12には、設定器13が併設され、この設
定器13により昇圧時間の計測開始点を定義する速度、計
測終了点を定義する圧力値および計測された時間が正常
であるか否かを判断するための許容範囲がそれぞれ入力
設定される。
前記演算装置12は、計測開始点から計測終了点に至る
までの昇圧時間を計測するタイマ機能と、計測時間が設
定された許容範囲時間内にあるかどうかを比較する機能
とを備え、その比較結果をCRT等の表示装置14に出力す
る一方、前記計測時間が許容範囲時間を逸脱したときに
警報手段15に異常信号を出力するようになっている。こ
の際、警報手段15としては音声によるもの、あるいはラ
ンプ点灯表示によるもの等が好ましい。
第2図は、前記射出速度および射出圧力の経時的変化
を演算処理してCRT等の表示装置に表示した状態を示し
たものであり、実線で示される曲線Aは射出圧力変化を
示し、また、点線で示される曲線Bは射出速度変化を示
している。
第2図中、区間Lは射出プランジャの低速射出域であ
る。また、区間Hは高速射出域を示し、その終了点が充
填完了時である。射出速度が急激に低下して速度VS以下
に降下した瞬間が昇圧時間の計測開始点としてC点で示
されている。また、速度VS以下の降下を検知したことに
対応して図示しない増圧バルブ装置が始動した点がM点
として示されている。増圧バルブ装置作動後の射出圧力
は急激に上昇し、その最大圧力P2の約80%が昇圧時間の
計測終了点Eとして定められ、前記C点からE点までの
所要計測時間がTとして示されている。なお、第2図中
S点は射出プランジャの始動開始点を示す。
以上の構成において、本実施例に係るダイカストマシ
ンの昇圧時間検出方法は次のように実施される。
初期設定において、昇圧時間の計測開始点Cを検出す
るための射出速度VSおよび前記計測終了点Eに対応する
射出プランジャの押圧力を設定器13を介して演算装置12
に予め入力する。
この設定作業終了後、射出プランジャを始動してその
速度を射出速度検出器11により検出して逐次演算装置12
に出力する。一方、射出圧力検出器10では、射出シリン
ダの圧力変化を検出してこれを演算装置12に出力する。
ここで、充填が完了して射出速度が急激に降下し、こ
の速度が前記設定速度VS以下になった瞬間Cが検出され
ると、演算装置12のタイマ機能が作動し、昇圧時間の計
測が開示される。この直後に増圧バルブ装置がM点で作
動して押圧力がさらに上昇され、設定圧力に対応する計
測終了点Eに到達すると、演算装置12のタイマ機能が停
止し、前記計測開始点Cから計測終了点Eまでの昇圧時
間Tが演算される。
このようにして演算された昇圧時間Tが、前記予め設
定された許容範囲時間内に属するか否かが演算装置12に
て比較される。比較結果が許容範囲時間内であれば特に
異常信号は出力されないが、許容範囲時間を逸脱した場
合には異常信号を次段の警報手段15に出力し、これによ
り所定のブザー等を作動させてオペレータに異常が報知
されるようになっている。
なお、射出圧力および射出速度変化曲線は、第2図に
示されるような態様で表示装置14に表示される。
このような本実施例によれば、昇圧時間の計測開始点
として、従来のようなアキュムレータのピストン押圧力
で決定される設定圧力値を採用することなく、充填完了
時に射出速度が急激に降下する際の特定点を用いるもの
としたから、鋳造条件の変更等に基づいて都度設定変更
を行っていた従来の問題を解消できるとともに、計測開
始点の統一化を図ることが達成でき、かつ、一定の精度
で計測を行なえるという効果がある。しかも、前述のよ
うなアキュムレータ圧力検出用ヘッドも不要とすること
ができる。
また、充填完了時には射出速度は必ず急激な降下を伴
うから、計測開示条件は必然的に満たされることによ
り、常に異常検知を行うことができ昇圧時間の検出を高
精度に行うことができる。
なお、前記実施例において、異常信号の発生条件とし
ては、計測終了点Eを超えた瞬間に昇圧時間の計測を終
了し、これにより得られた計測時間を許容範囲時間と比
較する態様について説明したが、計測開始後、許容範囲
時間を超えても依然として計測終了点となるはずの所定
の設定圧力を検知できない場合には、直ちに異常信号を
出力して警報を発生するようにしてもよい。
このように構成した場合には、所望の圧力上昇が得ら
れなかった場合にあっても異常検知を行うことができる
という効果が付加される。
また、計測終了点の設定圧力は、最大圧力の80%に限
らず、それ以下または以上であってもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、鋳造条件に関
わりなく昇圧時間の計測開始点を統一化することがで
き、計測時間を高精度に検出することのできるダイカス
トマシンの昇圧時間検出方法を提供することができると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例に係るダイカストマシンの昇圧時間検
出方法を実施するための回路構成を示すブロック図、第
2図は射出速度および射出圧力の変化を示すオシログラ
フ図である。 10……射出圧力検出器、11……射出速度検出器、12……
演算装置、13……設定器、15……警報手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 17/32 B29C 45/77

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】射出プランジャの駆動により溶湯を金型キ
    ャビティに射出し、充填完了後に増圧して加圧する際の
    ダイカストマシンの昇圧時間検出方法において、前記射
    出プランジャの速度を計測するとともに、当該速度が減
    速されて所定の設定速度以下に降下した瞬間を昇圧時間
    の計測開始点とし、射出プランジャの押圧力を計測して
    所定の設定圧力以上に圧力が上昇した瞬間を計測終了点
    とするとき、前記計測開始点から前記所定の設定圧力に
    至るまでに必要な時間を予め許容範囲時間として設定し
    ておき、計測開始後、前記所定の設定圧力以上に圧力が
    上昇した瞬間を検出できた場合、前記計測開始点から計
    測終了点までにかかった時間を前記許容範囲時間と比較
    し、その計測に要した時間が前記許容範囲時間を超えて
    いるときに異常信号を出力することを特徴とするダイカ
    ストマシンの昇圧時間検出方法。
  2. 【請求項2】射出プランジャの駆動により溶湯を金型キ
    ャビティに射出し、充填完了後に増圧して加圧する際の
    ダイカストマシンの昇圧時間検出方法において、前記射
    出プランジャの速度を計測するとともに、当該速度が減
    速されて所定の設定速度以下に降下した瞬間を昇圧時間
    の計測開始点とし、射出プランジャの押圧力を計測して
    所定の設定圧力以上に圧力が上昇した瞬間を計測終了点
    とするとき、前記計測開始点から前記所定の設定圧力に
    至るまでに必要な時間を予め許容範囲時間として設定し
    ておき、計測開始後、前記許容範囲時間を超えても依然
    として前記所定の設定圧力を検出できないときに異常信
    号を出力することを特徴とするダイカストマシンの昇圧
    時間検出方法。
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