JP2868617B2 - 電磁弁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 背景技術 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の形式の電磁
弁から出発する。ドイツ連邦共和国特許出願公告第1204
485号明細書に基づき公知のこのような弁の場合、可動
子室が緩衝のためにオイルを充填されており、絞り通路
を介して、空気を充填された補償室に接続されている。
この補償室は、通気装置を介して環境周囲（大気）に接
続されている。相応に調整することにより、空気交換を
可能にすると共に、オイルの流出を阻止しようとしてい
る。

このような弁の場合、可動子室は往々にして開口を介
して、弁を受容する、圧力オイルを充填された室に接続
されている。この際、汚染物粒子が可動子室に入り込
み、弁の機能が損なわれることがある。この点を、フィ
ルタを取付けたりまたは中間室を介在させることによっ
て防止しようという試みがすでになされている。しかし
ながらこれには費用が多くかかる。

発明の利点 これに対して請求項１に記載された特徴を有する本発
明による弁は、極めて簡単な形式で、弁への、特に可動
子室への汚れたオイルの侵入を防止するという利点を有
する。本発明のさらに別の有利な構成は従属形式請求
項、明細書の以下の説明および図面に示されている。

図面 図面は本発明の実施例を示す。第１図は電磁弁、特に
比例弁の縦断面である。第２図は実施例の変化形を示す
図である。

実施例 電磁弁はほぼ鐘形の金属のケーシング10を有してい
る。このケーシング10はケーシング内部へ延びる中心の
突出部11を有している。この突出部11のまわりにはコイ
ル13を有するコイル枠体12が配置されている。ケーシン
グ10の開いている部分へはこの部分の縁曲げにより、弁
ケーシングに対して同軸的に延びる弁部分15のフランジ
部分14が固定されている。コイル枠体12の下方には、可
動子室16がケーシング10内に形成されている。該可動子
室には平型可動子として形成された、弾性的に支承され
た可動子17が位置している。この可動子17は中心孔18を
有している。この孔18には弁体20の頭部19が差し込まれ
ていて、ここにばねリング21によって固定されている。
このばねリング21は可動子17を、２つのダイヤフラムば
ね22,23を含めて、頭部19のフランジ状の縁部に固定し
ている。これらのダイヤフラムばね22,23はその外周で
ケーシング内に、外側リング25によって固定されてい
る。この外側リング25はケーシング10内の環状の肩26と
弁部分15のフランジ部分14との間に締め込まれている。
さらにダイヤフラムばね23の後方にはフレキシブルのゴ
ムダイヤフラム27が位置している。ゴムダイヤフラム27
は、その隆起した外縁部28でフランジ部分14の環状溝29
内に固定され、かつ内側の環状隆起部30によって弁体20
に当接している。このダイヤフラムは弁部分を可動子室
16に対して密封するために役立つ。フランジ部分14の下
方にはフランジ31が弁部分15に位置している。このフラ
ンジ31によってケーシング10を含む弁部分は機械部分、
たとえばトランスミッションケーシングに固定されてい
る。可動子室16またはゴムダイヤフラム27の下方には偏
平な室32が位置している。この室32へはフランジ部分14
の外側から複数の孔33が開口している。この室32は縦孔
34に移行し、この縦孔34中を、弁体20は充分に遊びをも
って突き抜けている。縦孔34には、一貫した横孔35が通
っており、縦孔34の底部には環状の肩36が形成されてい
る。この環状の肩36には縦孔34に対して同軸的に延びる
孔37が接続している。この孔37は、弁部分全体を通して
延びる拡大された孔部分38に移行する。これらすべての
孔部分は、互いに同心的に位置し、かつ弁体20に対して
同軸である。この弁体20は、弁体の終端位置で孔37を閉
鎖する端部39を有する、上述のすべての部分、つまり室
32と前記の孔はトランスミッションケーシングのトラン
スミッションオイル中に位置している。

弁体20の頭部19には圧縮ばね40が作用している。この
圧縮ばね40は、突出部11の孔41内に配置されており、こ
の孔41内で調整ねじ42に支持されている。

両ダイヤフラムばね22,23は閉じた面を有しておら
ず、複数の切欠きを有している。このような形式のダイ
ヤフラムばねはこのような弁においては一般によく用い
られているのでこれ以上は述べない。したがって可動子
室16全体に亘って圧力媒体を分配することができるとい
うことのみを示す。可動子室からは通路43がコイル枠体
に沿って環状で浅い第１補償室44に通じている。この第
１補償室44からは短い孔45が、同様に環状の第２補償室
46を通じている。この両補償室44,46は一部分はコイル
枠体内に、また一部分はケーシング10の底部に配置され
たプラスチック体内に位置している。第２補償室46から
は孔47が大気に、すなわちトランスミッションケーシン
グがやはり同様に通じている大気に通じている。上述の
空間、すなわち可動子室16、通路43、孔41および部分的
には第１補償室44は、弁体の運動を緩衝する目的で、極
めて清浄なオイルを充填されている。これらの室内へ外
部から、すなわちトランスミッションケーシングから汚
れたオイルが入り込まないようにするために、第２補償
室46が部分的に空気を充填されている。このためには、
弁全体が水平の位置で取付けられかつ第２補償室46の上
部が外部に接続せず、その結果この第２補償室46の上部
に常に空気クッションが存在し、この空気クッションが
孔45を介してさらに第１補償室44内にまで達しているよ
うに留意すべきである。温度を原因とするオイルの体積
変化または可動子17の運動、ひいてはまた、可動子室を
密封するゴムダイヤフラム27の運動に基づく可動子室の
室容積の変化が生じると、上記の空気クッションは２つ
の補償室間を往復運動する。このことにより、弁の故障
を生じるような、汚れたオイルが可動子室へ達するとい
うことは起こり得ない。２つのオイル、つまり清浄なオ
イルと汚れたオイルはいかなる運転状態においても空気
によって互いに分離されている。

第２図による実施例では、補償室44と46とを接続する
孔45の中に不動に収容されたフィルタ挿入体48が位置し
ている。この孔45はこのような目的のために、延長され
たスリーブ49内に形成されている。このフィルタ挿入体
48は、底部が円形である、ほぼグラス状の形状を有して
いる。このフィルタ挿入体48の開口側は室44に向いてい
る。弁の貯蔵および／または輸送の際には、組み付け位
置からはずれることにより、補償室46の上部の外部への
接続が可能になる。孔45内に固定して収容されたフィル
タ挿入体48は清浄なオイルの漏れを防止する。それとい
うのは、孔45とフィルタ挿入体48とによって、フィルタ
挿入体48の底部に狭い環状のほぼ円錐形の間隙が形成さ
れ、この間隙にオイルが、開放された補償室44内に過剰
の圧力を発生させることなしに、表面張力と毛細管作用
によって引きつけられ保持されるからである。弁の正確
な作業形式についてはこれ以上は詳述しない。それとい
うのは、弁の作業形式は本発明にとって重要ではなく、
それ自体公知であるからである。弁体20もしくは頭部39
は、孔35を介する、図示されていないポンプからタンク
への接続、または弁ケーシング15の別の孔48を介する、
図示されていないポンプから負荷装置への接続を制御す
るものである。

Claims (6)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電磁弁、特に比例弁であって、ばね部材
   （22,23）によって弾性的に弁ケーシング（10）に枢着
   された可動子（17）と、該可動子によって操作可能な、
   圧力媒体を制御するための弁体（20）とが設けられてお
   り、該弁体が、圧縮ばね（40）によって負荷されてい
   て、前記弁ケーシングに設けられた孔（34）内で充分な
   遊びをもって運動可能であり、可動子室（16）が、前記
   可動子の運動を緩衝する目的で液体を充填されており、
   該液体が、液体の体積の変化を補償する補償室（44）に
   まで侵入するようになっており、該補償室が、弁ケーシ
   ングの、前記可動子側とは反対側の部分に構成されてい
   る形式のものにおいて、 前記補償室（44）が、通路（45）を介して第２補償室
   （46）と接続されており、該第２補償室が、部分的に空
   気を充填されていて、別の液体室に接続されており、電
   磁弁が、前記第２補償室（46）から空気が外方へ漏れ出
   すことができないように前記別の液体室内に配置されて
   おり、前記空気が部分的に液体を充填された補償室（4
   4,46）と前記別の液体室の液体との間の空気クッション
   として働くことを特徴とする電磁弁。
2. 【請求項２】前記可動子（17）が、平型可動子として形
   成されており、かつ２つのダイヤフラムばね（22,23）
   によって保持されている、請求項１記載の電磁弁。
3. 【請求項３】前記電磁弁が、オイルを充填された機械部
   分に配置されている、請求項１または２記載の電磁弁。
4. 【請求項４】前記電磁弁を受容する室が、オイルを充填
   されたトランスミッションケーシングであり、しかも前
   記電磁弁の周囲が、オイルによって完全に取り囲まれて
   いる、請求項１から３までのいずれか１項記載の電磁
   弁。
5. 【請求項５】弁部分が、前記可動子室（16）に対して、
   ケーシング内に固定されたゴムダイヤフラム（27）によ
   って密封されている、請求項１から４までのいずれか１
   項記載の電磁弁。
6. 【請求項６】孔（45）にほぼグラス形のフィルタ挿入体
   （48）が位置しており、このフィルタ挿入体（48）の開
   口側が、コイル（13）に隣接する室（44）に向き合って
   いる、請求項1,2または５のいずれか１項記載の電磁
   弁。