JP2867478B2 - 潤滑剤用添加剤 - Google Patents

潤滑剤用添加剤

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は潤滑剤用の添加剤に関する。
[従来の技術] 従来、潤滑油及びグリースなどの潤滑剤に耐荷重性等
の各種特性を向上する目的で、添加剤を加えることが知
られている。添加剤として例えば次のようなものが知ら
れている。しかし、従来のいずれの添加剤にも問題があ
る。
硫黄系添加剤(例えば、硫化油脂、ジベンジルジサ
スルフィド、硫化オレフィン等のスルフィド類)は、銅
板腐食性の問題がある。
塩素系添加剤(例えば、塩素化パラフィン類)は、
水の存在下で腐食性が大であるという問題がある。
ヨウ素系添加剤は、金属加工用として使用される腐
食性が大きく、高価格という問題がある。
リン系添加剤(例えば、ホスフェイト、ホスファイ
ト等)は、腐食性があるという問題がある。
また、耐荷重性の高いパーフルオロポリエーテルとし
て特公昭63−43419号公報に記載されたものが公知であ
る。しかし、これを例えば炭化水素系潤滑油に添加して
も、潤滑油とパーフルオロポリエーテルの分離がおこ
り、炭化水素系潤滑油の特性を向上させることはできな
い。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、潤滑油及びグリースなどの潤滑剤に
均一に溶解もしくは安定に分散し、かつ潤滑剤の特性、
特に耐荷重性能を向上する添加剤を提供することにあ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明の要旨は、式: Rf−X−A (I) [式中、 Rfは、フルオロアルキルポリエーテル基を含有する、
式: Y(C3F6OCFHCF2CF2OCH2CF2CF2O (式中、Yはフッ素原子又はCaF2a+1O(aは1〜3)、 l、m及びnは、2≦l+m+n≦200、l+m≧1を
満たす数である。) で示される基、 Xは、−CF2COO−、−C2F4COO−又は−CF2CF2−、 Aは、ポリオキシアルキレン基を含有する、式: (式中、Rは同一又は相異なり、水素原子、メチル基又
はエチル基、 R′は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、p及び
qは、0≦p≦100、0≦q≦100を満たす数である。) で示される基 である。] で示される含フッ素ポリエーテルからなる炭化水素系潤
滑剤用添加剤に存する。
フルオロアルキルポリエーテル基は、例えば、式: −C3F6O− (a) で示される繰り返し単位、式: −C2F4O− (b) で示される繰り返し単位及び式: −CF2O− (c) で示される繰り返し単位から成る群から選択された少な
くとも1種の繰り返し単位を有し、繰り返し単位(a)
又は(b)の少なくとも一方を含む。繰り返し単位
(a)、(b)及び(c)の合計数は少なくとも3であ
る。−C3F6O−は−CF2CF2CF2O−及び−CF(CF3)CF2O−
を含む。−C2F4O−は、通常、−CF2CF2O−である。
フルオロアルキルポリエーテル基としては、 Y(C3F6OCFHCF2CF2OCH2CF2CF2O
(d) [Yはフッ素原子又はCaF2a+1O(aは1〜3)、l,m,n
は、2≦l+m+n≦200 l+m≧1を満たす数である。] が挙げられる。−C3F6O−は−CF2CF2CF2O−であること
が好ましい。
なお、上記の繰り返し単位はランダムに配列してい
る。
一方、ポリオキシアルキレン基は、例えば、式: −C2H4O− で示される繰り返し単位、式: −C3H6O− で示される繰り返し単位及び式: −C4H8O− で示される繰り返し単位から成る群から選択された少な
くとも1種の繰り返し単位を有し、繰り返し単位の合計
数が1〜100である。
である。
本発明において含フッ素ポリエーテルは、式: [式中、Yはフッ素原子又はCaF2a+1O(aは1〜3)、
Rは同一又は相異なり、水素原子、メチル基又はエチル
基、 R′は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、 Xは−CF2COO−、−C2F4COO−又は−CF2CF2−、 l、m、n、p及びqは、0≦p≦100、0≦q≦10
0、2≦l+m+n≦200、l+m≧1を満たす数であ
る。] で示される化合物である。
好ましい含フッ素ポリエーテルの具体例は、 F(CF2CF2CF2O)mCF2CF2COOCH2CH2(OCH2CH2)nOCH3 [mの平均値は9、nの平均値は20である。] [mの平均値は10、nの平均値は25である。] [mの平均値は20、nの平均値は30である。] F(CF2CF2CF2O)(CFHCF2CF2O)nCF2CF2COO− −CH2CH2(OCH2CH2)oOH [mの平均値は8、nの平均値は1、oの平均値は20で
ある。] [mの平均値は11、nの平均値は22又は50である。] [mの平均値は11又は20、oの平均値は33である。] [lの平均値は20、m+nの平均値は10である。] CF2CF2(OCF2CF2CF2mOCF2CF2CH2CH2(OCH2CH2nOCH3 [mの平均値は10、nの平均値は20である。] である。
本発明の添加剤を炭化水素系の潤滑油・グリースへ添
加する場合は、Rf−X−Aにおいて(Rf基の分子量)/
(A基の分子量)が2以下であるのが溶解性の面で好ま
しい。
本発明において添加する対象となる潤滑剤を例示すれ
ば以下の通りである。
潤滑油としては鉱油・高度精製鉱油が挙げられ、エス
テル系、ポリグリコール系、フェニルエーテル系、アル
キルベンゼン系、シリコーン系、ハロカーボン系、ポリ
α−オレフィン系等の合成油がある。
特にポリグリコール系の合成油が本発明の添加剤と相
溶性が優れており好ましい。
グリースとしては、基油が前記のような潤滑油であっ
て、これに増稠剤として、金属石けん、ベントナイト、
シリカゲル、フタロシアニン、ポリウレア、フッ素樹脂
等を配合したものが挙げられる。
添加剤の添加量は、潤滑剤と添加剤の合計に対して、
通常0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%である。
添加剤は二種以上併用して添加してもよい。
含フッ素ポリエーテルの製造は、例えば、式: Rf−X−H (e) で示される含フッ素化合物を、式: HO−A で示される化合物と反応させることによって、あるいは
式: Rf−X−I (f) で示される含フッ素化合物を、式: M−A で示される化合物と反応させることによって行える[上
記式中、A、Rf及びXは前記と同意義、Mはアルカリ金
属である。]。通常、反応は、20〜150℃の温度で1〜1
0時間行う。
上記化合物(e)及び(f)については、特公昭63−
43419号公報に詳しく記載されている。
[発明の効果] 本発明の潤滑剤用添加剤は、潤滑剤に均一に溶解もし
くは安定に分散し、腐食及びスラッジを発生することな
く、潤滑剤に高い耐荷重性及び電気絶縁性、並びに低い
吸湿性を付与できる。
[発明の好ましい態様] 以下、調製例、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明する。
調製例1 含フッ素カルボン酸F(CF2CF2CF2O)mCF2CF2COOH
[mの平均値は11である。]100g(50ミリモル)に、ポ
リプロピレングリコールブチルエーテル [nの平均値は48である。](日本油脂株式会社製、ユ
ニルーブMB700)150g(50ミリモル)を加えて混合し
た。次いで濃硫酸5ccを加え、攪拌下、100℃で6時間反
応を行った。なお、反応の終了は、IR及びNMR分析によ
り確認した。反応終了後、2%NaHCO3水溶液50mlで2回
洗った。下層を分取し、孔径0.2μmのフィルターによ
り濾過し、式: [式中、m及びnは前記と同意義。] で示される含フッ素ポリエーテルを得た。収量:220g(8
8%)。
調製例2 反応体としてF(CF2CF2CF2O)mCF2CF2COOH[mの平
均値は11である。]50ミリモル及び [oの平均値は33である。]50ミリモルを使用する以外
は、実施例1と同様の手順によって、 [m及びoは前記と同意義。] を調製した。
調製例3 反応体としてF(CF2CF2CF2O)mCF2CF2COOH[mの平
均値は11である。]50ミリモル及び [rの平均値は22である。]50ミリモルを使用する以外
は、実施例1と同様の手順によって、 [m及びrは前記と同意義。] を調製した。
調製例4 反応体としてF(CF2CF2CF2O)qCF2CF2COOH[qの平
均値は20である。]50ミリモル及び [rの平均値は33である。]50ミリモルを使用する以外
は、実施例1と同様の手順によって、 [q及びrは前記と同意義。] を調製した。
実施例1 調製例1により調製した含フッ素ポリエーテル [mの平均値は11、nの平均値は50である。]7gをニッ
サン・ユニオールD700(日本油脂株式会社製ポリオキシ
プロピレングリコール)133gに添加し液体混合用攪拌機
により室温で攪拌を行ない均一溶液とした。溶液の外観
は透明状であった。この溶液の耐荷重性についてASTM−
D−3233Aに準じ、ファレックス試験機を用いて焼付き
限界荷重の測定を行なった。結果を表に示す。
実施例2 調製例2により調製した含フッ素ポリエーテル [mの平均値は11、oの平均値は33である。]7gをニッ
サン・ユニオールD700 133gに添加し実施例1と同様の
方法で攪拌し透明な均一溶液を得た。この溶液について
焼付き限界荷重を測定した。結果を表に示す。
実施例3 調製例3により調製した含フッ素ポリエーテル [mの平均値は11、rの平均値は22である。]7gをニッ
サン・ユニオールD700 133gに添加し、実施例1と同様
の方法で攪拌しごくわずかに濁りのあるほぼ透明状の溶
液を得た。この溶液について焼付き限界荷重を測定し
た。結果を表に示す。
実施例4 調製例4により調製した含フッ素ポリエーテル [qの平均値は20、rの平均値は33である。]7gをニッ
サン・ユニオールD700 133gに添加し、実施例1と同様
の方法で攪拌し透明状の溶液を得た。この溶液について
焼付き限界荷重を測定した。結果を表に示す。
実施例5 調製例2で得られた含フッ素ポリエーテル1.3gをニッ
サン・ユニオールD700 128.7gに添加混合し透明状溶液
を得た。この溶液について焼付き限界荷重を測定した。
結果を表に示す。
実施例6 調製例2で得られた含フッ素ポリエーテル26gをニッ
サン・ユニオールD700 104gに添加混合し透明状溶液を
得た。この溶液について焼付き限界荷重を測定した。結
果を表に示す。
実施例7 調製例2で得られた含フッ素ポリエーテル65gをニッ
サン・ユニオールD700 65gに添加混合し透明状溶液を得
た。この溶液について焼付き限界荷重を測定した。結果
を表に示す。
実施例8 調製例1で得られた含フッ素ポリエーテル7gをニッサ
ンユニオールMB7(日本油脂株式会社製、ブチル変性ポ
リオキシプロピレングリコール)133gに添加し、実施例
1と同様の方法で混合し透明状溶液を得た。この溶液に
ついて焼付き限界荷重を測定した。結果を表に示す。
実施例9 調製例1で得られた含フッ素ポリエーテル7gをアルバ
ニアグリース#2(昭和シエル石油株式会社製鉱油系Li
グリース)133gにミキサーを用い少量ずつ添加混合し、
稠度298のグリースを得た。このグリースについて焼付
限界荷重を測定した。結果を表に示す。
比較例1 F(CF2CF2CF2O)nCF2CF3[nの平均値は27であ
る。]7gをユニオールD700 133gに添加したが、全く溶
解しなかった。
比較例2 ポリエチレングリコールブチルエーテル [nの平均値は50である。](日本油脂株式会社製、ユ
ニルーブMB700)7gを、日本油脂株式会社製ユニルーブM
B7 133gに添加し、溶液を得た。この溶液について焼付
限界荷重を測定した。結果を表に示す。
比較例3〜5 ユニオールD700(比較例3)、ユニルーブMB7(比較
例4)及びアルバニアグリース#2(比較例5)のそれ
ぞれについて焼付限界荷重を測定した。結果を表に示
す。
比較例6 [oの平均値は33]7gをユニオールD700 133gに添加
し、溶液を得た。この溶液について焼付限界荷重を測定
した。結果を表に示す。
表中の溶解性は以下のような基準に従って評価した。
C ……完溶 PS……一部溶解 I ……ほとんど不溶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−155345(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 147/04 C10M 105/02 C10N 30:06 C10N 50:10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: Rf−X−A (I) [式中、 Rfは、フルオロアルキルポリエーテル基を含有する、
    式: Y(C3F6OCFHCF2CF2OCH2CF2CF2O (式中、Yはフッ素原子又はCaF2a+1O(aは1〜3)、 l、m及びnは、2≦l+m+n≦200、l+m≧1を
    満たす数である。) で示される基、 Xは、−CF2COO−、−C2F4COO−又は−CF2CF2−、 Aは、ポリオキシアルキレン基を含有する、式: (式中、Rは同一又は相異なり、水素原子、メチル基又
    はエチル基、 R′は水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、p及び
    qは、0≦p≦100、0≦q≦100を満たす数である。) で示される基 である。] で示される含フッ素ポリエーテルからなる炭化水素系潤
    滑剤用の添加剤。
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