JP2866923B2 - 透明ガラス質形成組成物及びコーテイング膜形成方法 - Google Patents

透明ガラス質形成組成物及びコーテイング膜形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水ガラスとして知
られている水溶性アルカリ金属ケイ酸塩を主成分とす
る、無機質塗料、接着剤などとして有用な透明ガラス質
形成組成物とその使用に関し、特に、各種基材に対する
バインダー、接着剤などとして強固な結合を形成しうる
とともに、金属製品、木材、セメント製品、石膏、プラ
スチックなどの傷つきやすい表面を外観を損なうことな
く200℃以下の比較的低温で硬化でき、耐水性で耐エ
フロレッセンス性の著しく改善された高光沢性、無色透
明性で硬度の非常に高いガラス質のコーテイング膜を形
成する低温度硬化性透明ガラス質形成組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水ガラスとして知られている水溶
性アルカリ金属ケイ酸塩は、乾燥すると密着性と造膜性
に優れた高硬度のガラス質コーテイング膜を形成するこ
とから安価な無機質塗料や段ボール、紙管等の接着剤と
して、また、土壌硬化剤、鋳物砂のバインダーや耐火モ
ルタル等の粘結剤として古くから使用されてきた。しか
し、水ガラスから形成されたガラス質塗膜は元来、水溶
性で湿気に対しても抵抗性がないなど耐水性に問題があ
った。
【0003】また、水ガラスは強アルカリ性であるため
十分乾燥した塗膜でも空気中の湿気、炭酸ガスを吸収し
て塗膜が白化するエフロレッセンス(effloresnce ;白
華現象)を起こし外観を著しく損なう欠点を有する。
【0004】これらの問題点に対処するため、従来水ガ
ラスの乾燥コーテイング膜の表面を酢酸やリン酸、希薄
な硝酸等で中和したり、塩化アンモニウム塩の水溶液と
塗膜面を接触させる方法などが提案されているが、水で
膨潤したり、亀裂、剥離など塗膜面を損傷しやすく、ま
た水洗を必要とするなど作業性や性能面で問題があっ
た。
【0005】また、硬化剤として亜鉛末などの金属やカ
ルシウム、マグネシウム、アルミニウム等の多価金属の
金属酸化物、あるいは金属水酸化物、また、リン酸アル
ミニウム、リン酸亜鉛などの2,3価金属のリン酸塩、
ホウ酸塩、ケイフッ化ナトリウム、フェロシリコン、炭
酸エチレン、グリオキザール、多糖類のプルランなどを
使用する方法も公知であるが、これらの硬化剤を用いる
と急速にゲル化するためコーテイングなどの場合には作
業性に問題があり、硬化剤の混合によって不透明となっ
たり、光沢性が悪くなり、美粧を目的としたガラス質の
コーテイングのためには実用性に欠けるものであった。
【0006】また、耐水性を改善するため従来技術では
水ガラスを熱処理することも試みられてきた。造膜性、
接着性や経済性の面から広く使用されている(JIS規
格K 1408)3号水ガラスの場合では170℃以上
に加熱する必要があるが(完全な不溶化には450℃以
上)、110℃に加熱した段階で発泡し、コーテイング
膜は多数のピンホールを生じ、130℃以上に加熱する
とコーテイング膜は著しく発泡して透明性を失いコーテ
イング膜が破壊するという問題点があった。また、加熱
処理だけでは耐水性とエフロレッセンスの改善は十分で
ない。
【0007】また、耐水性の改善方法としてSiO2
Na2 O比の高い4号水ガラスやケイ酸リチウム或いは
ケイ酸の第4級アンモニウム塩等を用いることも有効で
あるが該物質は塗膜としての密着性が劣り剥離と亀裂が
著しく、実用に耐えない。このことからリチウム水ガラ
スや4号水ガラスを1号〜3号水ガラスと混合して用い
るとか、エチレン−酢酸ビニル共重合体のエマルジョン
と混合するなどの方法が公知となっているが耐エフロレ
ッセンス性に劣る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の水溶性アルカリ金属ケイ酸塩(水ガラス)のもつ不燃
性、密着性、高硬度、高光沢性、経済性などの優れた特
性を活かしながら、水ガラスのもつ耐水性の悪さ、空気
中の炭酸ガスによる白化現象などの欠点を解決して、優
れた作業性と不燃性、耐水性を有する緻密で密着性のよ
い高硬度のガラス質のコーテイング膜を80〜150℃
の比較的低温度で各種材料の表面に形成させることので
きる塗料となる硬化性組成物や、バインダーとして各種
の充填剤と混合して安価で耐水性と耐エフロレッセンス
性の優れた固化物を与えたり、接着剤となる低温度硬化
性組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水ガラス
の持つ欠点を解決し、かつ比較的低温でガラス質のコー
テイング膜を各種材料に付与する方法に付いて鋭意研究
を進めた結果、特定の無機化合物であるリン酸二水素カ
リウム或いはリン酸二水素ナトリウムの水溶液を、ある
限定された量をJIS規格K 1404で規定されてい
る3号水ガラスで代表されるアルカリ金属ケイ酸ソーダ
に均一に混合するだけで密着性を損なうことなく透明性
の良い高硬度のコーテイング膜が形成できることを知
り、しかも意外なことにこのコーテイング膜を80〜1
50℃の温度で数分間から30分加熱処理をしただけ
で、水ガラスの最大の欠点であった耐水性の欠如とエフ
ロレッセンスが著しく改善されることを見いだし本発明
を完成するに至った。本発明においてコーテイング膜と
は、塗料とした場合の塗膜ばかりでなく、接着剤として
用いた場合の塗布膜などを含む意味である。
【0010】即ち、本発明は(1)一般式:M2 O・n
SiO2 (式中、nは2.0〜3.3であり、Mはアル
カリ金属を示し、2個のMは互いに同じでも異なってい
てもよい。)で表される水ガラス成分(A)を主成分と
し、これに(B)成分として、水に溶解したリン酸二水
素カリウムKH2 PO4 又はリン酸二水素ナトリウムN
aH2 PO4 を水ガラス成分(A)に対して常温で沈殿
を生じない限界量まで添加混合してなることを特徴とす
る透明性のガラス質形成組成物、(2)(1)項に記載
のガラス質形成組成物を基材に塗布し、ついで80〜1
50℃で強制乾燥することを特徴とするガラス質塗膜の
形成法、及び(3)(1)項に記載のガラス質形成組成
物で接着し80〜150℃で強制乾燥することを特徴と
する接着方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において水ガラス成分
(A)としては、好ましくはM2 O・nSiO2(nは
2.0〜3.3)で示されるJIS規格1〜3号の市販
のケイ酸ソーダが単独で用いられるが、同等のケイ酸カ
リウム水ガラス、モル比4.5のリチウム水ガラス、モ
ル比3.9〜4.1の4号ケイ酸ソーダを適宜混合した
ものも用いることができる。
【0012】また、本発明に用いられる(B)成分は、
水ガラスと混合時に部分的に生じるゲル状のママコの形
成を抑え、溶解混合を容易にするために水溶液とする
が、5〜10重量%濃度に水に溶解したリン酸二水素カ
リウム塩、リン酸二水素ナトリウム塩を3号ナトリウム
水ガラス等に混合していき、常温でゲル化したり、沈殿
を生じるに至る直前の限界量(沈殿を生じる量とは、混
合時に沈殿を生じても、経時的に溶解する場合が多く4
8時間以上放置しても均一に溶解しない量をいう。)ま
で混合することが望ましい。本発明において、(B)成
分を(A)成分に対して常温で沈殿を生じない限界量ま
で添加混合するとは、限界量そのものから、その限界量
より10%低い濃度の場合までを包含する意味である。
この(B)成分の添加量は、好ましくは、水ガラス成分
(A)に対し、5重量%濃度の水溶液で等倍量、10重
量%濃度の水溶液で1/2倍量である。本発明において
リン酸塩としては二水素塩を用いることが、耐エフロレ
ッセンス改善のためには必須で、一水素塩のリン酸一水
素カリウム塩、リン酸一水素ナトリウム塩、リン酸カリ
ウム塩、リン酸ナトリウム塩では効果が殆どない。ま
た、これらのリン酸二水素塩を用いた場合でも混合量が
少なすぎると耐エフロレッセンス改善には不十分であっ
た。また、リン酸二水素カリウム塩に代わってリン酸二
水素アンモニウム塩を用いることは、有毒で腐食性の蒸
気を発生しやすいので避ける方がよい。また、リン酸二
水素カルシウム塩は直ちにケイ酸カルシウムの沈殿を生
じるので不適当であった。リン酸は有毒物質で取り扱い
も面倒であるだけでなく、ゲル化を著しく促進し、添加
量、濃度の特定などが困難で不適当であった。本発明の
透明ガラス質形成組成物において形成する塗膜の厚さ、
作業性を考慮して水分を任意に添加することができ、水
分含量は特に制限はない。
【0013】上述のようにしてリン酸二水素塩で調製さ
れた組成物は、均一、無色透明性のやや粘稠性の液体で
ある。本発明の透明ガラス質形成組成物は、基材上に塗
布したり、この組成物により各種物質を固化したりして
用いることができる。この適用方法について述べると、
本発明の組成物を鉄板、ガラス板などにコーテイング後
自然乾燥するだけでは無色透明、高光沢性のガラス質の
膜が形成されるが耐水性と耐エフロレッセンス性は十分
でない。しかし、コーテイング後80〜150℃の強制
乾燥を行うと急速に乾燥硬化して無色透明性の耐水性の
あるガラス質の堅いコーテイング膜が形成されるが、こ
のようにして得られたガラス質のコーテイング膜は意外
なことに1カ月以上放置しても全くエフロレッセンスが
見られない。
【0014】リン酸二水素カリウムの添加混合によるエ
フロレッセンス抑制の詳細な理由はまだ明確でないが以
下のように考えられる。水ガラスは加熱処理によって縮
合が更に進んでポリシロキサンの三次元構造の篭が形成
されるが、この場合大部分のNa+ イオンは周囲の水分
子を介してでなく直接シロキサン結合に非架橋酸素を介
して結合もしくはポリシロキサン結合の網目構造の篭の
中に閉じこめられる。しかし、一部のNa+ イオンは水
分子に囲まれた運動性の高い状態で残存するため空気中
の湿気と炭酸ガスを吸収して白色の炭酸ソーダを形成し
白華現象を示す。これに対し本発明では、リン酸二水素
イオンは次式のように解離している。 H2 PO4 - → HPO4 2- +H+ HPO4 2- → PO4 3- +H+ ここでリン酸二水素イオンがリン酸一水素イオン、リン
酸イオンなどに中和されるとともに、水分子に囲まれた
状態で一部残存しているNa+ イオンが全て次式で示さ
れる反応によってに水不溶性の塩を生成してNa+ イオ
ンが固定される。 Na2 O・xSiO2 +H2 O → xSi(OH)4 +Na+ +OH- Na+ +H2 PO4 -+nSi(OH)4 → NaH2 PO4 ・nH4 SiO4 ↓ 2Na+HPO4 2- +nSi(OH)4 → Na2 HPO4 ・nH4 SiO4 ↓など 生成した不溶性の塩はガラス質で水ガラスの形成するポ
リシロキサンに埋め込まれて、より緻密な不溶性の保護
膜を形成するものと思われる。
【0015】本発明の組成物を基材に塗布する方法は特
に制限はなく、浸漬塗装の他スプレーガン、ローラーコ
ート、ドクターナイフ、刷毛塗り、コテ塗りなどの通常
の塗装方法が採用できる。この場合、前記組成物に更に
粉末のシリカ、アルミナ、タルクなどの充填剤や顔料な
どを加えることもできる。
【0016】基材としては木材、各種金属パネル、金属
部品、段ボール、瓦、コンクリート製品、アスベスト、
スレート、天然石材、石膏、さらに適当なプライマーを
用いることによって透明性のプラスチックのハードコー
テイングにも利用できる。
【0017】本発明による組成物をコーテイングして得
られたコーテイング膜は、80〜150℃で強制乾燥す
るのが望ましく、これにより耐水性に優れ、空気中の炭
酸ガスによるエフロレッセンスが見られない無色透明性
の高光沢性のガラス質コーテイング膜が形成できる。
【0018】このようにして形成されたコーテイング膜
は微小硬度計によるヌープ硬度で300〜400といっ
た著しく硬度が高いにもかかわらず各種基材、例えば鉄
板、木材、紙製品などに対する密着性に優れると共に耐
候性、難燃性、耐擦傷性に優れる。本発明では特に80
℃〜150℃という低い温度で硬化でき、従来の水ガラ
ス系の塗料では考えられなかった優れた耐水性と耐エフ
ロレッセンス性を有することが大きな特徴である。
【0019】また、本発明の低温度硬化性組成物は、上
記コーテイング膜の形成以外に、段ボール紙や紙管用の
耐水、耐アルカリステイン(強アルカリ物質の移行がな
い)の堅い強固な接着剤として有用であり、また、粘
土、石粉、ガラス粉、焼却灰などの各種骨材粒子に対す
る結合材としても用いることが出来る。この場合成形後
120〜200℃で加熱養生すれば耐水性のある強固な
ガラス状の硬化体が得られる。しかも、水ガラスなど原
料は非常に低価格であるため、本発明の組成物は建築、
土木などを含めて多岐の用途に使用できる産業材料とし
ても画期的なものである。
【0020】
【実施例】実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本
発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。な
お、例中の組成を示す%は重量%を示す。
【0021】実施例1 JIS規格3号水ガラス(富士化学社製)100gにリ
ン酸二水素カリウムの10%水溶液を50gを混合した
ところ最初沈殿を生じ、ゲル状に固化したが、24時間
後には、均一透明な状態に溶解して長期間安定なやや粘
性を有する透明なゾル溶液組成物が形成された。
【0022】上記組成物を製缶用鉄板をサンドペーパー
で研磨後アプリケーターを用いコーテイングし、直ちに
120〜150℃のホットプレート上で5分から10分
加熱乾燥すると、高光沢性で密着性の良いガラス質の塗
膜が形成された。塗膜の硬度は非常に高く、寺田式微小
硬度計(SM−2型)によるヌープ硬度はKH=316
で0番スチールウール(中心系25μm)で強く擦って
も全く傷が付かず耐擦傷性に優れている。自然乾燥で生
成したコーテイング膜は耐水性は悪く水中に浸漬すると
コーテイング膜が剥離溶解した。しかし、150℃で強
制乾燥硬化したコーテイング膜の場合は水中に浸漬して
も表面の状態に全く変化が見られず、水ガラス塗膜の欠
点であった耐水性が著しく改善された。また、炭酸ガス
吸収による白化(エフロレッセンス)現象は自然乾燥硬
化の場合には、経時的にエフロレッセンスが認められた
が水ガラス単独の場合に比較すると本発明の方法によっ
てかなり減少している。また、150℃で加熱乾燥硬化
した場合は長期間置いても全くエフロレッセンスは見ら
れなくなった。
【0023】比較例1 実施例1において、水ガラスと混合するリン酸二水素カ
リウム水溶液の量を実施例1の場合の半分の25gとし
た以外は実施例1と全く同様にして透明なゾル溶液組成
物を調製した。この場合水ガラスとの混合時にゲル化す
ることなく均一な無色透明の組成液が得られるが、実施
例1と同様の方法で150℃で鉄板上に強制乾燥硬化し
て得られるコーテイング膜は耐水性が良好で水ガラス単
独の場合に比較すると大幅に改善されている。しかし、
経時的エフロレッセンスが見られ塗膜表面が白化した。
しかし水洗によりこの白化は容易に除去され、もとに戻
すことができた。
【0024】実施例2 実施例1と同様の方法によってJIS規格3号水ガラス
100gに5%リン酸二水素カリウム水溶液を100g
混合したところ、沈殿の生成は少なく均一に混合でき、
やがて無色透明性の低粘性ゾル溶液が得られた。この組
成液をガラス板、木材、鉄板、スレート板等に塗布し1
20℃で加熱乾燥硬化した。形成されたコーテイング膜
は耐水性と耐エフロレッセンセ性に優れ、且つ密着性が
良く無色透明性で高光沢性であった。膜の硬度はヌープ
硬度KH=350であった。
【0025】比較例2 比較例1においてJIS規格3号水ガラス100gに5
%リン酸水素二カリウム水溶液を350gを混合した場
合は、最初の内は意外にも透明な組成液が得られたが経
時的に白色不透明となり、やがて全体が固化した。
【0026】比較例3 JIS規格3号水ガラス100gに5%濃度のリン酸水
素二ナトリウムを混合した場合は、200〜400g混
合して放置しても沈殿を生じることなく無色透明性の均
一な溶液が得られた。しかし、150℃での強制乾燥硬
化で得られた塗膜は、経時的にエフロレッセンスが見ら
れ効果が見られなかった。
【0027】実施例4 実施例1と同様に3号水ガラス100gにリン酸二水素
ナトリウムの10%溶液を50g混合したところ部分的
に透明なゲル状のママコを生じたが、一昼夜放置によ
り、やや粘稠な透明性の良い溶液が形成され、実施例1
と同様の物性を示した。また、3号水ガラス100gに
リン酸二水素ナトリウムの5%水溶液を150g混合し
た場合は系全体が半透明のゲル状に固化したが、5%水
溶液を100g混合した場合は無色透明性の低粘性の溶
液が形成され実施例1と全く同様の耐エフロレッセンス
性と耐水性の優れたガラス質の塗膜が得られた。
【0028】
【発明の効果】本発明の低温度硬化性組成物によって水
ガラスの最大の欠点である耐水性の欠如と炭酸ガス吸収
による白華現象(エフロレッセンス)を改善できたこと
から、水ガラス系無機塗料の特徴であるところの、有機
系塗料では得られない優れた耐候性、帯電防止性、耐炎
性、防曇性、耐擦傷性を有するガラス質ないし琺瑯調の
塗膜が形成でき、しかも、媒体として水を用いるため無
公害性と作業性に優れている。このことから、木材、各
種金属、コンクリート、モルタル、アスベスト、スレー
ト、天然石材、ガラス、石膏などの表面をガラス質ない
し琺瑯調の硬い塗膜で被覆できる。特に鉄板、鉄骨、鉄
製部品などの防錆、耐擦傷性改善や石材、瓦、コンクリ
ート製品の耐酸性雨対策、木材、プラスチック段ボール
紙の不燃化処理、耐擦傷性処理法として利用できる。ま
た、紙管や段ボール用のアルカリステイン無しの接着剤
や、クレイ、セメント、アスベスト、砂、焼却灰などの
バインダーとしても使用でき、原料が非常に安価である
ために不焼成レンガやタイルなどの成形物が容易に得ら
れ建築、土木などの分野にまで広範囲の用途がある。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:M2 O・nSiO2 (式中、n
    は2.0〜3.3であり、Mはアルカリ金属を示し、2
    個のMは互いに同じでも異なっていてもよい。)で表さ
    れる水ガラス成分(A)を主成分とし、これに(B)成
    分として、水に溶解したリン酸二水素カリウムKH2
    4 又はリン酸二水素ナトリウムNaH2 PO4 を水ガ
    ラス成分(A)に対して常温で沈殿を生じない限界量ま
    で添加混合してなることを特徴とする透明性のガラス質
    形成組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のガラス質形成組成物を
    基材に塗布し、ついで80〜150℃で強制乾燥するこ
    とを特徴とするガラス質塗膜の形成法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のガラス質形成組成物で
    接着し80〜150℃で強制乾燥することを特徴とする
    接着方法。
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