JP2866182B2 - エンドセリン受容体 - Google Patents

エンドセリン受容体

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    • C07K14/72Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants for hormones
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、哺乳類の血管収縮因子の受容体、さらに詳
しくはエンドセリン受容体に関する。
[発明の背景] エンドセリンは、21個のアミノ酸からなる強力なペプ
チド性血管収縮因子である。
エンドセリンは、冠動脈、肺動脈等の種々の動脈を収
縮させる作用を有する。その冠動脈収縮のEC50は、4×
10-10M程度で、極めて協力かつ持続性がある。また、
エンドセリンは、内皮細胞において多くの神経ペプチド
やペプチドホルモンと同様の様式でde novo合成される
ことも判明している。このような特徴から、エンドセリ
ンは哺乳類のこれまで知られていなかった循環調節系を
構成する内因性因子と考えられるに至った。例えば、高
血圧症においては、エンドセリンの放出量が多いこと、
あるいはエンドセリン感受性が高いことがその一因であ
ることが予想される。逆に、低血圧症では、エンドセリ
ンの放出量が少ないこと、あるいはエンドセリン感受性
の低下がその一因であることが予想される。
最近、ブタの大動脈内皮細胞の培養においてエンドセ
リンが単離、精製され、下記の製造が決定されている
(M.Yanagisawa et al.,Nature,332,411(1988))。
また、ヒトのエンドセリンも同じアミノ酸配列を有す
ることが明らかとなった(Y.Itoh et al.,FEBS Lett.,2
31,440(1988))。
さらに、エンドセリンについて3種のイソペプチドの
存在が明らかとなった。すなわち、上記のアミノ酸配列
を有するエンドセリン(エンドセリン−1)に加えて、
エンドセリン−2(Trp6,Leu7)およびエンドセリン−
3(Thr2,Phe4,Thr5,Thr6,Lys7,Tyr14)が存在す
ることが報告されている(A.Inoue et al.,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA,86,2863(1989))。
また、へび毒としてサラフォトキシン−S6bなどが知
られており(C.Takasaki et al.,Toxicon 26,543(198
8))、エンドセリンとその構造がきわめてよく似てお
り、これらもエンドセリン類の物質と考えられる。
これらのエンドセリンのイソペプチドは細胞膜上の特
異的受容体を介して作用を発現することが知られてい
る。哺乳類エンドセリン受容体には、エンドセリンイソ
ペプチドに対して異なる親和性序列(potency rank ord
er)を示す、少なくとも2種類のサブタイプの存在する
ことが知られている(A.Inoue et al.,Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,86,2863(1989)),T.D.Warner et al.,Eur.J.
Pharmacol.159,325(1989))。
しかし、エンドセリン受容体の構造、すなわちアミノ
酸配列は解明されていなかった。
[発明の要旨] 本発明の目的は、エンドセリンの受容体の構造を解明
し、これによりエンドセリンの受容体をコードするDNA
配列を提供することである。
また、本発明の目的は、エンドセリン受容体またはそ
の類似体を生産する方法を提供することでもある。
さらに、本発明の目的は、エンドセリン受容体または
その類似体を含むタンパク質組成物を提供することでも
ある。
本発明者等の研究により、エンドセリン受容体の構造
が明らかとなった。エンドセリン受容体は、下記のアミ
ノ酸配列を有している。
本発明は、哺乳類のエンドセリン受容体をコードする
領域から実質的になるDNA配列を提供するものである。
上記DNA配列は、天然の哺乳類のエンドセリン受容体
遺伝子のオープンリーディングフレームに由来するcDNA
クローンであってもよい。また、上記DNA配列は、上記c
DNAクローンとハイブリダイズできて、かつ生物学的活
性を有する哺乳類のエンドセリン受容体をコードしてい
るDNA配列であってもよい。さらに、以上述べたようなD
NA配列について、遺伝暗号の縮重の結果として、同じエ
ンドセリン受容体をコードしているDNA配列であっても
よい。
本発明が提供するDNA配列は発現ベクターに組込んで
用いることができる。これにより、本発明は、この組換
え発現ベクターを宿主細胞に挿入し、宿主細胞を発現を
引き起こす条件下で培養することからなる哺乳類のエン
ドセリン受容体またはその類似体を生産する方法も提供
する。
さらに、本発明は、以上のように生産された生物学的
活性を有する哺乳類のエンドセリン受容体またはその類
似体を含むタンパク質組成物も提供する。
このように生産された、哺乳類のエンドセリン受容
体、その類似体およびそれらを含むタンパク質組成物
は、哺乳類のエンドセリンのアッセイに有用であり、ま
た診断で用いるエンドセリン受容体に対する抗体を調製
する上でも有用である。
また、この薬剤が高血圧症あるいは低血圧症等の疾患
の診断に有効であることは、前述したエンドセリンおよ
びその受容体の生物学的活性から明らかである。
[発明の詳細な記述] 本明細書において、「エンドセリン受容体」とは、エ
ンドセリン分子に結合することができ、哺乳類の細胞膜
タンパク質と同様な本来の立体配置をとる際に、エンド
セリン分子によって与えられる情報を細胞内に伝達する
役割を持っているタンパク質を意味する。本明細書にお
いて用いる場合、この用語は、エンドセリン分子に結合
するか、あるいは情報伝達活性を有する天然タンパク質
の類似物を含んでいる。
「エンドセリン受容体のサブタイプ」とは、エンドセ
リン受容体のうちでエンドセリンあるいはサラフォトキ
シンの各イソペプチドに対して、異なる選択性、すなわ
ち薬理学的親和性序列を示す各々の分子をいう。
本明細書において、DNA配列等において用いられる
「コードする領域から実質的になる配列」等における
『実質的に』の表現は、特定の対象となる配列、例えば
変位配列で、本来の参照配列の1つ以上の置換、欠失あ
るいは付加によって変化したものであって、その全体と
しての作用が、参照配列と比較して不利な機能的相違を
もたらさない配列も含むとの主旨で用いられる。具体的
には、本発明の目的から、50%以上の相似性(相同性と
同義)のあるような類似した配列を含む。なお、この相
似性は、80%以上であることがさらに好ましい。類似性
を決定する目的においては、参照配列の短縮あるいは内
在的欠失は無視して良い。配列の相似性が低い場合で
も、同程度の生物学的活性を有し、同等の発現特性を有
する配列は、実質的に同等な配列とみなす。
「生物学的に活性を有する」という用語は、エンドセ
リン受容体の特性として用いられる場合、特定の分子
が、エンドセリンを結合可能であることが明らかにされ
ている本発明の態様と充分なアミノ酸配列の類似性を有
するか、あるいは混成受容体構成物の構成要素として細
胞にエンドセリンの刺激を伝達するために充分なアミノ
酸配列の類似性をエンドセリン受容体に対して有してい
ることを意味する。具体的には、特定の分子のエンドセ
リン−1、2あるいは3に対する親和性(解離定数)が
1マイクロモル以下であることを意味する。本発明にお
いては、その親和性が0.1マイクロモル以下であること
が好ましく、0.01マイクロモル以下であることがさらに
好ましい。
あるいは、エンドセリンの結合に際して、細胞質内カ
ルシウムイオン濃度を上昇させるに充分なイノシトール
−1,4,5−3リン酸の産出を促すことができることを意
味する。
「DNA配列」は、大きなDNA構成物から分離した断片あ
るいは構成要素として存在するDNAポリマーを示してお
り、それらは少なくとも一度は実質的に純粋な形に単離
されたDNAを起源とする。すなわち、内在性物質の混入
がない形で単離され、かつ同定、操作及び標準的な生化
学的方法、例えば、クローニングベクターを用いて、配
列及びその構成要素である塩基配列が回収可能な程度の
量あるいは濃度で存在する。こうした配列は、真核細胞
遺伝子に典型的な内在性非翻訳配列(イントロン)によ
って中断されていないオープンリーディングフレームを
持つ形で供給されることが好ましい。しかし、関連した
配列を含んだ染色体DNAも用いられることは明らかであ
る。非翻訳DNAは、オープンリーディングフレームの
5′あるいは3′にあり、その場合、非翻訳配列はコー
ド領域の操作あるいは発現の妨げとはならない。
「組換え発現ベクター」は、(a)遺伝子発現におけ
る調節の役割を持つ要素、例えばプロモーターあるいは
エンハンサーのような単独または複数の遺伝的要素、
(b)mRNAに転写され、タンパク質に翻訳される構造あ
るいはコード配列、及び(c)適当な転写および翻訳開
始および終止配列の集合を含む転写単位からなるプラス
ミドを示す。酵母の発現系で用いるための構造要素は、
翻訳されたタンパク質が宿主細胞によって細胞外に分泌
されるためのリーダー配列を含んでいることが好まし
い。組換え体タンパク質がリーダーあるいは輸送配列を
持たずに発現された場合、そのタンパク質はN−末端に
メチオニン残基を含んでいる可能性がある。続いて、そ
の残基は発現された組換えタンパク質から随意に切断さ
れ、最終産物を与える。
次に、エンドセリン受容体をコードするcDNAの単離、
およびDNA配列の決定について説明する。
ラット肺から単離したpoly(A)+RNAの逆転写によっ
て調製されたcDNAライブラリーから、ラットエンドセリ
ン受容体をコードするDNA配列が単離された。このライ
ブラリーは、SV40、ポリオーマウイルス、およびサイト
メガロウイルス由来の調節配列を持った哺乳類発現ベク
ター(pCDM8)を用いて、サルのCOS−7細胞に蓄積され
たDNA断片よりmRNAを直接発現させることによってスク
リーニングした。生物学的に活性なエンドセリン受容体
を発現している細胞は形質導入されたCOS−7細胞を[
125I−Tyr13]エンドセリン−1を含む培地とともにイ
ンキュベートし、結合しなかった標識エンドセリン−1
を除くために洗浄し、そしてその細胞単層をエンドセリ
ン−1との結合を検出するためにX−線フィルムと接触
させることによって同定された。このようにして検出さ
れた形質導入体は、フィルム上に黒い点として見ること
ができる。
この方法を用いることにより、一つの形質導入体のプ
ールについてのアッセイがエンドセリン−1結合を示す
黒い点を検出するまでに、約20,000個のcDNAが約40プー
ル中でスクリーニングされた。この陽性のプール由来の
細菌の凍結保存品を培養液中で増殖させ、寒天培地上で
単コロニーを作らせ、これについて、検出可能なエンド
セリン−1結合活性を持った表面タンパク質を合成させ
ることができる一つのクローンが同定されるまでスクリ
ーニングを行なった。このクローンは単離され、ラット
のエンドセリン受容体のcDNA配列を決定するために挿入
断片の配列が調べられた。
単離されたcDNAクローンをCOS−7細胞に導入し発現
させたところ、この細胞はエンドセリン−1、−2、−
3およびサラフォトキシンS6b、S6cに対する特異的結合
活性を獲得し、エンドセリンの刺激は、イノシトール−
1,4,5−3リン酸の産生および細胞質内カルシウム濃度
の上昇という形で細胞内へ伝達された。
さらにこの時、この細胞はエンドセリン−1とエンド
セリン−3に対してほぼ等しい親和性、すなわちエンド
セリン−1とエンドセリン−3に対する差が10倍以内で
ある親和性を示した。従って、このcDNAはこれまでに予
測されているエンドセリン受容体サブタイプのうち、エ
ンドセリン−1とエンドセリン−3に関して非選択性の
サブタイプをコードしていると考えられる。
以上のように決定されたエンドセリン受容体をコード
するDNA配列および相当するアミノ酸配列を以下に示
す。
上記のDNA配列およびアミノ酸配列について説明す
る。
最初のATG(メチオニンをコードする開始コドン)か
らTGA(1324−1326)のストップコドンまで1323bのオー
プンリーディングフレームが存在し、441アミノ酸残基
がコードされている。このcDNAがコードしているエンド
セリン受容体mRNAには過渡的に発現されるサイトカイン
や成長因子と同様に3′非翻訳領域にAUUUAというmRNA
を不安定化する配列が存在する。このポリペプチドは、
フォンハイジーンアルゴリズム(von Heijine,Nucleic
Acids Res.,14,4683(1989))で予想される26アミノ酸
残基のシグナル配列から始まり、415アミノ酸残基で構
成され、分子量46901と計算される。
このポリペプチドには、7ヶ所において24〜28個の疎
水性アミノ酸からなる膜貫通領域と思われる部分があ
り、予想される第1膜貫通部分のN末端に2つの糖鎖付
加部位が見出された。これらは、光受容体ロドプシンや
他のGタンパク質(グアニンヌクレオチド結合性調節タ
ンパク質)と共役する受容体に共通する特徴である。膜
貫通部分と第1、第2細胞外部分と予想される部分は、
これらの受容体スーパーファミリーと比べてアミノ酸配
列がよく保存されている。第3細胞内部分とC末端部分
は、他の多くのGタンパク質と共役する受容体と同様、
リジンやアルギニンの近くにセリンやスレオニンが豊富
な部位が存在し、これらの部位は、セリン/スレオニン
キナーゼによるリン酸化がおきる可能性がある。また、
N−末端の細胞内部分は比較的長く(74残基)、第3細
胞内部分は短い(31残基)ことや、3番目の膜貫通部分
にアスパラギン酸がないこと、N−末端にシグナル配列
があることなどの特徴がみられ、それぞれサイロトロピ
ン受容体、LH−CG受容体、タキキニン受容体などとの共
通性が部分的に見出される。
本発明は、以上述べたエンドセリン受容体をコードす
るDNA配列を提供する。このDNA配列は、哺乳類、微生物
による調節を受ける組換え体転写単位、またはウイルス
の転写あるいは翻訳調節要素内で発現され得る形で提供
されることが好ましい。例えば、微生物内で発現される
配列は、イントロンを含まないものである。好ましい態
様では、本DNA配列は少なくとも1つ、しかし随意に1
つ以上のcDNA配列あるいはそれについての複製由来の配
列成分からなる。
このような配列は、合成オリゴヌクレオチドを組み上
げることにより調製されたDNA配列に連結しているか、
あるいは隣接している。しかし、主にオリゴヌクレオチ
ドから組み上げられた合成遺伝子は、ここで与えられる
配列情報を用いることにより構築することができる。典
型的な配列は、前述したものと実質的に同一な配列を含
んでいる。コード配列は、N−末端に位置する、例えば
ヌクレオチド配列上で翻訳フレームと連結したメチオニ
ンを特定するN−末端のATGコドンのような、1つ以上
の付加的アミノ酸をコードするコドンを含むことができ
る。遺伝子コードの縮重のため、同じアミノ酸配列をコ
ードするヌクレオチド配列にも相当の多様性がある。前
述した典型的なDNA配列以外の態様には、中等度にスト
リンジェントな条件(42℃、20%(v/v)ホルムアミド
存在下)で、典型的なDNA配列にハイブリダイズするこ
とができる配列が含まれる。その他の配列は生物学的な
活性を有するエンドセリン受容体ペプチドをコードする
上記の配列に縮重している。
本発明はまた、有用な量の精製されたエンドセリン受
容体を生産するための発現ベクターを提供する。本発明
のベクターは、哺乳類、微生物、酵母、バクテリオファ
ージあるいはウイルス遺伝子由来の調節要素に使用可能
な状態に連結された哺乳類のエンドセリン受容体、ある
いは生物学的に等価な類似物をコードする合成あるいは
cDNA由来のDNA断片からなることができる。使用できる
調節要素は以下に詳細に述べる。適当な細胞系列への形
質転換、形質導入あるいは感染によって、このようなベ
クターは組換え体タンパク質の発現を誘導することがで
きる。
哺乳類のエンドセリン受容体は、適当なプロモーター
の調節の下、哺乳類細胞、酵母、細菌、あるいはその他
の細胞中で発現することができる。無細胞翻訳系によっ
ても、本発明のDNA構成物由来のmRNAを用いて哺乳類の
エンドセリン受容体を生産することができる。細菌、真
菌、酵母および哺乳類細胞宿主に用いるための適当なク
ローニングおよび発現ベクターは、ポウエル(Pouwel)
ら(Cloning Vectors:A Laboratory Manual,エルスビュ
ー社、ニューヨーク州、(1985))によって述べられて
いる。
種々の哺乳類細胞培養系を、組換え体タンパク質の発
現に用いることができる。適当な哺乳類宿主細胞系列と
しては、グルツマン(Gluzman)(Cell,23,175(198
1))により述べられたサル腎臓細胞のCOS−7系列及
び、例えば、C127、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞系列
などのベクターを発現可能な細胞系列が含まれる。哺乳
類発現ベクターは、複製開始点、適当なプロモーターお
よびエンハンサーのような非転写要素、5′あるいは
3′に隣接する非転写配列、また必須のリボソーム結合
部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー(splice
donor)およびアクセプター部位のような5′あるいは
3′の非翻訳配列、および終止配列等を含んでいる。例
えば、SV40複製開始点、初期プロモーター、エンハンサ
ー、スプライスおよびポリアデニル化部位等のSV40ウイ
ルスゲノム由来のDNA配列は、異種DNA配列の発現に必要
とされるその他の遺伝的要素を与えるために用いられ
る。典型的なベクターは、岡山とバーグ(Berg)(Mol.
Cell.Biol.,,280(1983))によって明らかにされた
通りに構築することができる。
C127ネズミ乳腺表皮細胞で、哺乳類受容体cDNAを安定
かつ高レベルに発現するために有用な系は、コスマン
(Cosman)ら(Molecular Immunol.,23,935(1986))
により述べられていることに従って構築することができ
る。
酵母の系では、サッカロミセス・セレビシエのような
サッカロミセス属の種を用いることが好ましい。ピキア
(Pichia)あるいはクリュベロミセス(Kluyveromyce
s)等の、他の属の酵母も、組換え体タンパク質の生産
株として用いることができる。
一般に、有用な酵母ベクターは複製開始点と、例えば
大腸菌のアンピシリン耐性Ampr遺伝子とサッカロミセス
・セレビシエのTRP1遺伝子のような、酵母と大腸菌の両
方で形質転換に用いることが可能な選択マーカーおよび
下流の構造遺伝子の転写を誘導する酵母の高発現遺伝子
由来のプロモーターを含んでいる。このようなプロモー
ターは3−ホスホグリセリン酸リン酸化酵素で、α−因
子、酸性ホスファターゼおよび熱ショックタンパク質等
高率で発現される遺伝子をコードする酵母の転写単位に
由来する。この異種構造配列は、翻訳開始および終止配
列並びに好ましくは、翻訳されたタンパク質を細胞外の
培地中へ分泌することを可能にするリーダー配列ととも
に適当なフレームに組み上げられる。上記の異質配列
は、N−末端の同定可能なペプチドまたは、例えば発現
された組換え体産物の安定化を行う、あるいは精製が単
純になるような所望の特徴を与える配列を含む融合タン
パク質をコードすることも任意に可能である。
有用な酵母ベクターは、大腸菌内での選択および複製
のためにpBR322由来のDNA配列(Ampr遺伝子と複製開始
点)およびグルコースによって抑制されるアルコール脱
水素酵素2(ADH2)プロモーターを含む酵母のDNA配列
を用いることにより組み上げることができる。ADH2プロ
モーターはルッセル(Russell)ら(J.Biol.Chem.,258,
2674(1982))とベイヤー(Beier)ら(Nature,300,72
4(1982))によって開示されている。これらのベクタ
ーはまた、酵母TRP1遺伝子を選択マーカーとして持ち、
酵母2μ複製開始点を含んでいる。酵母リーダー配列、
例えば酵母宿主からの異種タンパク質の分泌を導くα−
因子のリーダーは、プロモーターと発現される構造遺伝
子との間に挿入することができる(U.S.Patent No.4,54
6,082;Kurian et al.,Cell,30,933(1982);およびBit
tner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81,983(198
4))。
リーダー配列はその3′末端付近に、外来の遺伝子と
そのリーダー配列の融合を促進するための、1つ以上の
有用な制限酵素切断部位を含むように修飾することがで
きる。
適当な酵母の形質転換法は当業者にはよく知られてい
る;典型的な技法は、ヒネン(Hinnen)ら(Proc,Natl.
Acad.Sci.USA 75,1929(1978))によって述べられてお
り、トリプトファン陽性となった形質転換体を、0.67%
酵母窒素源、0.5%カザアミノ酸、2%ブドウ糖、10μg
/mlアデニン、20μg/mlウラシルからなる選択培地上で
選択する。
ADH2プロモーターからなるベクターによって形質転換
された宿主株は、1%酵母抽出物、2%ペプトン、1%
ブドウ糖、80μg/mlアデニン、80μg/mlウラシルを含む
栄養豊富な培地で発現のために生育させる。ADH2プロモ
ーターの脱制御は培地中のブドウ糖が消費されてしまっ
たときに起きる。粗酵母上清は濾過によって集められ、
続いての精製の前に4℃に保つ。
細菌で使用する有用な発現ベクターは、哺乳類エンド
セリン受容体をコードするDNA配列を適当な翻訳開始お
よび終止信号とともに機能を持つプロモーターにフレー
ムを合わせて挿入することによって構築される。このベ
クターは、一つ以上の表現型の選択マーカーと宿主内で
の増殖を保証する複製開始点を含んでいる。形質転換に
適した原核生物宿主には、大腸菌、枯草菌(Bacillus s
ubtilis)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonell
a typhimurium)、及びシュードモナス(Pseudomonas
属に含まれる様々な種、ストレプトマイセス(Streptom
yces)、スタフィロコッカス(Staphylococcus)などが
含まれるが、他のものも選択の対象として取ることもで
きる。
発現ベクターは、成熟タンパク質のN−末端残基をコ
ードするコドンに近い部位でcDNAを切断することによっ
て都合良く構築される。次いで、コード領域の欠失した
部分を「埋め合わせる」ため、あるいは発現ベクター中
の適当なフレームや開始メチオニンを特定するコドンと
なるようにコード断片を連結するための連結配列を提供
するために、合成オリゴヌクレオチドを用いることも随
時可能である。
制限的な例としてではなく典型的なものとしては、細
菌で用いる有用な発現ベクターは、良く知られたクロー
ニングベクターであるpBR322(ATCC37017)の遺伝的要
素からなる市販のプラスミド由来の選択マーカー及び細
菌の複製開始点を含むことができる。こうした市販のベ
クターは、例えばpKK223−3p(ファルマシア・ファイン
ケミカルズ、ウプサラ、スウェーデン)及びpGEM1(プ
ロジェマ・バイオテック、マジソン、ワイオミング州、
米国)などを含んでいる。これらのpBR322の「主鎖」部
分は、適当なプロモーター及び発現される構造配列と結
合している。
特に有用な細菌の発現系は、λファージのPLプロモー
ターとc1857熱不安定なリプレッサーを用いている。ア
メリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから得ら
れるλPL由来のプロモーターを取り入れたプラスミドベ
クターには、大腸菌株JMB9(ATCC37092)に内在した形
のpHUB2プラスミドと大腸菌株RP1(ATCC53082)に内在
した形のpPLc28がある。大腸菌内での発現に有用なその
他のプロモーターとしては、スツデェー(Studier)ら
(J.Mol.Biol.189,113(1986))によって述べられてい
るT7RNAポリメラーゼのプロモーター、ラウェー(Laue
r)(J.Appl.Genet.1,139(1981))によって記載され
ておりATCC37121として得られる1acZプロモーター、及
びマニアチス(Maniatis)(Molecular Cloning;A Labo
ratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1982,
p.412)によって述べられているATCC37138として得られ
tacプロモーターがある。
適当な宿主株を形質転換し適当な細胞濃度までその宿
主株を増殖させた後、選択されたプロモーターを適当な
方法(例えば、温度シフトあるいは化学的誘導)で脱抑
制し、細菌を更に短期間培養する。細胞は普通遠心によ
り集め、物理的あるいは化学的方法で破砕し、その結果
生じた粗抽出液をその後の精製のために残しておく。例
えば、細胞を最大の通気と激しい攪拌を行なう条件下
で、10リットルの培養器中で増殖させる。消泡財(Anti
foam A)を用いるのが好ましい。培養はモット(Mott)
ら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,88(1985))によって
開示された超誘導培地中30℃で行なうか、あるいはそれ
に代るものとしては、抗生物質を含んだ培地で培養し、
A600が0.4−0.5に相当する細胞濃度で温度を42℃にあげ
ることによって脱抑制し、次いで温度シフト後、3−6
時間が好ましいが、2−20時間の間に細胞を集める。細
胞は、初め濾過あるいはその他の方法で濃縮し、次に1
0,000×gで10分間、4℃で遠心後、直ちに細胞のパレ
ットを凍結する。
好ましくは、精製された哺乳類のエンドセリン受容体
あるいは生物学的に等価な類似体は、培養液から精製さ
れる本発明の合成遺伝子の組換え体翻訳産物を発現する
ために適した宿主/ベクター系を培養することによって
調製される。
精製されたエンドセリン受容体を生産する別の方法
は、細胞培養上清あるいは抽出液からの精製を含んでい
る。この方法では、有用な量のタンパク質を作る細胞系
列を用いる。そのような細胞系列からの上清は、例えば
アミコン社あるいはミリポア・ファルコン社の限外濾過
装置といった市販のタンパク質濃縮濾紙を用いて随時濃
縮することができる。濃縮操作に続き、濃縮液を既に述
べたような適当な精製用マトリックスにかける。例え
ば、適当なアフィニティーマトリックスは、適当な支持
体に結合したエンドセリン−1あるいはレクチンまたは
抗体分子などから成っている。それに代るものとして、
例えばジエチルアミノエチル(DEAE)基を持つ担体ある
いはマトリックスのような陰イオン交換樹脂が用いられ
る。マトリックスとしては、アクリルアミド、アガロー
ス、デキストラン、セルロースあるいはその他のタンパ
ク質精製に通常用いられているようなものが使用可能で
ある。また、その代りとして、陽イオン交換樹脂を用い
ることも可能である。適当な陽イオン交換体としては、
スルフォプロピル基あるいはカルボキシメチル基からな
る種々の不溶性マトリックスを含んでいる。
最後に、メチルあるいはその他の脂肪族基を有するシ
リカゲルなどの疎水性充填剤を用いた一種以上の逆相系
高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を、エンドセ
リン受容体組成物をさらに精製するために用いることが
可能である。上述の精製段階のいくつかあるいは全てを
様々に組み合わせることにより、均一な組換え体タンパ
ク質を得ることが可能だろう。
細菌の培養で生産された組換え体タンパク質は通常細
胞ペレットからの抽出を始めとして、一工程以上の濃
縮、塩析、水相のイオン交換あるいはゲル濾過クロマト
フラフィーの段階を経て単離される。最後に、高速液体
クロマログラフィー(HPLC)を最終精製段階として用い
ることができる。組換え体哺乳類エンドセリン受容体の
発現に用いられた微生物細胞は、凍結−融解の繰り返
し、超音波処理、物理的破砕、あるいは細胞溶解試薬を
用いるなど、どのような都合の良い方法によっても破壊
することができる。
哺乳類のエンドセリン受容体を分泌タンパク質として
発現する酵母の発酵は、精製を大いに容易にする。大規
模な発酵の結果得られる分泌された組換え体タンパク質
はウルダル(Urdal)ら(J.Chromatog.296,171(198
4))によって明らかにされた方法と類似した方法によ
って精製することが可能である。この引用文献には、組
換え体ヒト00GM−CSFの精製のための調製用HPLCカラム
における、二段階の連続した逆相系HPLC処理が述べられ
ている。
種々の態様において、本発明は内在物質の混入なし
に、実質的に均一な組換え体である哺乳類のエンドセリ
ン受容体ポリペプチドを提供している。
本発明における組換え体であるエンドセリン受容体タ
ンパク質には、微生物中での発現あるいは微生物によっ
て発現されたタンパク質の精製を助けるような適当なペ
プチドあるいはタンパク質配列と融合されたタンパク質
として発現した哺乳類のエンドセリン受容体も本発明に
より意図されているものである。
本発明のタンパク質の生物学的に等価な類似体とは、
生物学的活性に不要な末端、あるいは細胞内側の残基ま
たは配列が削られたエンドセリン受容体のような短縮さ
れた種々の類似体を含んでいる。
ここで用いられている「変異アミノ酸配列」とは、天
然の配列から故意に作られた変種のヌクレオチド配列に
よってコードされるポリペプチドを示している。「変異
タンパク質」あるいは「類似体」は、変異アミノ酸配列
を含むタンパク質を意味している。「天然の配列」は野
生型あるいは天然の形の遺伝子またはタンパク質と同一
なアミノ酸配列あるいはヌクレオチド配列を示してい
る。
本発明を、以下の実施例により、さらに説明する。
[実施例1] チャーグイン(Chirgwin)ら(Biochem.,18,5294(19
79))と同様の手法を用いてラット肺より抽出した全RN
Aから単離したPoly(A)+の付加したmRNAを逆転写する
ことによりcDNAライブラリーを作製した。具体的には、
細胞をイソチオシアン酸グアニジウム溶液中で溶かし、
溶液物をCsClのパッドの上に重層し、RNAが沈澱するま
で遠心分離した。RNAのペレットは再懸濁し、タンパク
質分解酵素による分解、有機溶媒による溶出、およびア
ルコール沈澱によりさらに精製した。オリゴdTセルロー
スクロマトグラフィーによりpoly(A)+RNAを単離し、
二本鎖cDNAは、グブラー(Gubler)とホフマン(Hoffma
n)(Gene,25,263(1983))と同様の方法で調製した。
具体的には、RNAはオリゴdTまたはランダムオリゴヌク
レオチドをプライマーとして用いて逆転写酵素により、
cDNAに複製した。cDNAを大腸菌DNAポリメラーゼIとRNa
seHと共にインキュベーションすることにより二本鎖に
し、その末端はさらにT4DNAポリメラーゼとインキュベ
ーションすることにより平滑化した。平滑末端を持つこ
れらのcDNAに、BstXIリンカーを付加した後、セファロ
ース(sepharose)CL−2Bによるゲル濾過クロマトグラ
フィーにより短いものを排除した。そして哺乳動物細胞
用高発現プラスミドベクターpCDM8に結合させた。このp
CDM8の模式図を第1図に示す。
pCDM8ベクターはSV40とポリオーマの複製起点、サイ
トメガロウイルス/T7RNAポリメラーゼプロモーター及び
M13複製起点を含んで創製された4.8kbのプラスミドベク
ターである(Seed,Nature,329,840(1987))。
以上のようにしてできたpCDM8上のラット肺cDNAライ
ブラリーを大腸菌(EcoliMc1061/P3 )を形質転換す
るのに用い、約5×105のコロニーを得た。これらの組
換え体を500コロニーずつにわけてプールしておき、プ
ラスミドDNAを各々のプールから調製した。次にプール
したDNAをシード(Seed)ら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA.
84,3365(1987))と同様のDEAE−デキストランとクロ
ロキン処理を用いてサルのCOS−7細胞の集密的になっ
ていない(サブコンフルエント)細胞単層にトランスフ
ェクトするのに用いた。次に導入された配列が過渡的な
発現をできるように細胞を3日間培養し、各プレートの
細胞の単層を以下のようにエンドセリン−1結合に関し
てアッセイした。各プレートに、2.5×10-11M[125I−
Tyr13]エンドセリン−1を含む0.3%BSA含有DMEM培地2
mlを加え、37℃、5%CO2下で2時間インキュベートし
た。次にこの培地を除き、[125I−Tyr13]エンドセリ
ン−1を含まない上記培地で1回、PBS(pH7.4)で2回
それぞれ洗浄後、2.5%グルタールアルデヒド含有PBSに
よって固定した。各プレートは空気中で乾燥後、縁を壊
して平らな板だけにし、−80℃で8〜72時間X線フィル
ムと重ねた。エンドセリン−1結合活性は露光したフィ
ルム上に黒い点として見ることができた。このようにし
てライブラリーから約2×104の組換え体をスクリーン
した後、エンドセリン受容体の発現を誘導することので
きる単一のクローンprETR−7が導入されたCOS−7組換
え体を得た。
クローンprETR−7の挿入断片はpUC118/119プラスミ
ドにサブクローンし、ダイデオキシ法によってDNA配列
を決定した(Sangeret al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,7
4,5463(1977))。
[実施例2] COS−7細胞上で発現されたラットエンドセリン受容体
の特性(受容体以後の情報伝達系) i)イノシトールリン酸類の生成 prETR−7を導入したCOS−7細胞を3日間培養した
後、0.025%トリプシン/0.05%EGTAで剥離し、大豆トリ
プシンインヒビターを加えてトリプシン作用を止め、遠
心して細胞を集めた。A容器(140mM塩化ナトリウム、4
mM塩化カリウム,1mMリン酸2ナトリウム、1mM塩化マグ
ネシウム、1.25mM塩化カルシウム、11mMグルコース、5m
Mヘペス(pH7.4)、0.2%BSA)で2回洗浄後、80μCi/m
l 3H−ミオイノシトールを加えたA溶液で3時間インキ
ュベートした。その後、10mM塩化リチウム存在下で30分
間10-7Mエンドセリン−1またはエンドセリン−3で刺
激し、全イノシトールリン酸類をAG−1×8陰イオン交
換クロマトグラフィーで分離後、放射活性を測定し定量
化した。
結果を第2図に示す。
ii)細胞質内カルシウム濃度上昇 上記のように集めて洗浄したCOS−7細胞を4μMfura
−2/AMを加えたA溶液で20℃で60分間インキュベートし
た。2回洗浄後、A溶液(fura−2/AMを含まない)中で
20℃で保持した。1回の実験には約106個/mlの細胞を使
い、キュベット中で常に攪拌しながら励起波長340と380
nm、蛍光波長500nmで測定を行った。種々の濃度のエン
ドセリン−1、−2あるいは−3を、ゴム製のセプタム
を通してマイクロシリンジにより注入した。カルシウム
濃度は蛍光強度の比から、グリンキービクス(Grynkiew
icz)ら(J.Biol.Chem.,260,3440(1985))の方法によ
り計算して求めた。
COS−7細胞上に発現したエンドセリン受容体におけ
るEC50は2×10-11M程度でありエンドセリン−1、−2
及び−3と同程度の効力を示した。
以上の結果を第3図に示す。
iii)[125I−Try13]エンドセリン−1の結合実験 prETR−7を導入したCOS−7細胞を12穴のプレートで
培養し、A溶液で1回洗浄後、[125I−Try13]エンド
セリン−1(2×10-11M)とさまざまの濃度のエンドセ
リン−1、−2あるいは−3を含んだA溶液1mlを37℃
で60分間インキュベートした。充分に洗浄後、細胞に結
合した放射活性を測定した。
COS−7細胞上に発現したエンドセリン受容体におけ
る結合親和性は、約2×10-9M程度でありエンドセリン
−1、−2、−3が同等の親和性を示した。
結果を第4図に示す。
[実施例3] エンドセリン受容体cDNAを使用したノーザンブロット
による各組織での発現状態 前記のような方法でラット各組織からpoly(A)+RNA
を抽出し、それぞれ10μgずつをホルムアルデヒド/1.1
%アガロースゲル電気泳動で分離した後、ジーンスクリ
ーンプラス膜(NEN,DuPont)に転写した。2kbのcDNA断
片をランダムプライム法によってα−32P−dCTPで8×1
08c.p.m./mgになるようにラベルしプローブとして用い
た。ハイブリダイゼーションは1M塩化ナトリウム/50%
ホルムアミド/1%SDS、250μg/mlサケ精子DNA溶液中で4
2℃で行ない、2×SSC/1%SDSにより22℃で5回、65℃
で1回、0.1×SSC/0.1%SDSにより50℃で1回洗浄し
た。オートラジオフラフィーは10時間行なった。
14のラット組織から抽出したpoly(A)+RNAに対して
ノーザンブロットを行なったところ、薬理学的検討によ
ってエンドセリンの作用が報告されている組織で、5.0k
bのエンドセリン受容体mRNAが検出された。多量の発現
がみられたのはエンドセリン受容体mRNA含量の多い順に
脳、肺、腎臓、心臓、眼球、肝臓、胃、副腎で子宮、小
腸、顎下腺にも比較的多く存在したが、精巣、骨格筋に
はごくわずかしか存在せず、脾臓、大動脈平滑筋には発
現がみられなかった。
[実施例4] CHO細胞dhfr欠損株によるエンドセリン受容体の発現 エンドセリン受容体cDNA挿入断片を、dhfr(dihydrof
orate reductase)遺伝子とSV40ウイルス由来のプロモ
ーターを含む発現ベクター(R.A.Poovman,et al.,Prote
ins,1,139(1986))pSVDのプロモーター下流に組みこ
み、エンドセリン受容体発現プラスミドpSVDrETRを創製
した。
このエンドセリン受容体発現プラスミドを第5図に示
す。
CHO(chinese hamster ovary)dhfr-細胞(G.Urlaub,
et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77,4216(1980))
は、10%FBS含有Hamf12培地で、サブコンフルエント(s
ubconfluent)に単層培養した。
エンドセリン受容体発現プラスミドpSVDrETRをリン酸
カルシウム法およびグリセロール処理により、CHOdhfr-
細胞にトランスフェクトした。トランスフェクトした細
胞を24時間後、約20倍の培養面積にまき直し、さらに24
時間待って細胞が充分接着した後、培地を10%透析FBS
含有DMEM培地に替えた。
これによって、トランスフェクションされたdhfr遺伝
子がゲノムに組み込まれた細胞のみが増殖し、コロニー
を形成した。
充分に成長したコロニーをペニシリンカップ法により
トリプシンにてはがし、12穴プレートにまき直して同じ
培地で増殖させた。
こうして単離したクローナルな細胞が、実際にエンド
セリン受容体を発現していることを、前記のようにエン
ドセリン投与による細胞質内カルシウム濃度上昇をfura
−2を用いて観察すること、および[125I−Try13]エ
ンドセリン−1による結合実験により確認した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、pCDM8を示す模式図である。 第2図は、イノシトールリン酸類の生成における本発明
に従うエンドセリン受容体の生物学的活性を示すグラフ
である。 第3図は、細胞質内カルシウム濃度上昇における本発明
に従うエンドセリン受容体の生物学的活性を示すグラフ
である。 第4図は、エンドセリンとの結合における本発明に従う
エンドセリン受容体の生物学的活性を示すグラフであ
る。 第5図は、本発明に従うエンドセリン受容体の発現プラ
スミドを示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Biochemical and B iophysical Rosearc h Communications, 1990年2月28日,第167巻,第1号,p. 251−257 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 DDBJ/GenBank/EMBL BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記塩基配列もしくは下記塩基配列の一つ
    以上の塩基の置換、欠失あるいは付加によって変化した
    塩基配列からなる哺乳類のエンドセリン受容体をコード
    するDNA。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の塩基配列もしくはその塩
    基配列の一つ以上の塩基の置換、欠失あるいは付加によ
    って変化した塩基配列であって、哺乳類のエンドセリン
    受容体をコードするDNAを含む組換え発現ベクター。
  3. 【請求項3】下記のアミノ酸配列もしくはそのアミノ酸
    配列の一つ以上のアミノ酸の置換、欠失あるいは付加に
    よって変化したアミノ酸配列を持つ哺乳類のエンドセリ
    ンの受容体。
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