JPH06165680A - クロライドチャネル - Google Patents

クロライドチャネル

Info

Publication number
JPH06165680A
JPH06165680A JP34360992A JP34360992A JPH06165680A JP H06165680 A JPH06165680 A JP H06165680A JP 34360992 A JP34360992 A JP 34360992A JP 34360992 A JP34360992 A JP 34360992A JP H06165680 A JPH06165680 A JP H06165680A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clc
cdna
kidney
leu
escherichia coli
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP34360992A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Uchida
信一 内田
Shigeru Sasaki
成 佐々木
Fumiaki Marumo
文昭 丸茂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP34360992A priority Critical patent/JPH06165680A/ja
Publication of JPH06165680A publication Critical patent/JPH06165680A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】腎のヘンレの係蹄上行脚部に偏在するクロライ
ドチャネルを発現させるRNAに特異的であり、かつ前
記RNAに相補的であるCLC−K1 cDNAプロー
ブ。 【効果】腎臓のヘンレの係蹄上行脚部のクロライドチャ
ネルの存在が明確に立証され、また単離され、かつ同定
されたので、腎臓の基本的原理の解明の基礎が達成され
る。更にクロライドの輸送異常、またはクロライドの機
能不全及び破損による疾病の診断、治療、診断又は治療
のための材料に新たな指針が得られる。またCLC−K
1cDNAをプラスミドに導入した遺伝子操作大腸菌に
よりクロライド透過性のCLC−K1タンパクが容易に
大量に入手できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は腎髄質、特にヘンレの係
蹄の上行脚に偏在する新規なクロライドチャネル(Cl
C−K1)を形成する遺伝子及びタンパク分子に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】現在までに既にクローニングされているク
ロライドチャネルには3種ある。ClC−0はTorpedo
チャネルともいわれ、エレキエイの発電器官から単離さ
れたクロライドチャネルである。これをもとにして骨格
筋、脳からそれぞれClC−1、ClC−2が単離され
た。ヒトにおいては、ClC−1の欠損でミオトニアと
いう病気が起こることが判明している。ClC−2につ
いてはその生理作用は未だ不明である。
【0003】尿を濃縮するための機構は脱水というスト
レスの下に生きる哺乳類にとって基本的なことである。
ヘンレの係蹄の上行脚、この部位は例えばNa+,Cl-
に対して高い透過性を示し、水に対しては殆ど不透過性
であるという特徴をもっているが、ここにおいて、高張
尿を得るために腎髄質は複雑な対向流系(counter syste
m)を形成している。そしてこのことは髄質内部にある皮
質−髄質(corticomedullary axis)の軸に沿って浸透圧
勾配を生じさせるのに重要である(Imai,M.,Taniguchi,
J.,and Tabei,K. Kidney Int.31,565-579,1987)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】腎臓に特異的なクロラ
イドチャネルの分子レベルでの存在は現在まで立証され
ていない。このクロライドチャネルの存在が明確に立証
され、また単離され、かつ同定されることにより、腎臓
の基本的原理の解明の基礎が達成されるとともに、様々
な腎臓障害治療の基礎が得られる。
【0005】本発明はかかる問題点の解明に基づき、腎
臓のクロライドチャネルを単離したものとして得るこ
と、さらにその複製物、複製の手段を得ることを目的と
する。また本発明のクロライドチャネルを組み込んだ人
工膜を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば単
離されたClC−K1 cDNAプローブを入手するこ
とができ、ClC−K1タンパク分子を生産する大腸
菌、該大腸菌により生成されたClC−K1タンパク分
子及び、該ClC−K1タンパク分子の製造方法によ
り、上記目的を達成できる。更に、ClC−K1タンパ
クを組み込んだ脂質膜を得る。
【0007】具体的手段について以下に述べる。
【0008】(1)腎のヘンレの係蹄上行脚部に偏在す
るクロライドチャネルを発現させるmRNAに特異的で
あり、かつ前記mRNAに相補的であるClC−K1
cDNAプローブ。
【0009】(2)a)哺乳類の腎臓のRNAから逆転
写させて作成した一本鎖cDNAについて 5’−CCGGATCCCTNGGNGA(A/G)G
A(T/C)TGGAT(T/C/A)TT(C/T)
CT−3’(センス鎖) 及び 5’−CCGAATTC(A/G/T)AT(A/G)
TGNAC(A/G)AANGGNCC(T/C)TC
(T/C)TT−3’(アンチセンス鎖) をディジェネレートプライマーとしてPCRにかける、 b)前記PCR生成物をプローブとして前記哺乳類の腎
cDNAライブラリーをスクリーニングして得られる、
ClC−K1 cDNAクローン。
【0010】腎提供者はラットが好ましい。
【0011】(3)配列番号1に示す前記ClC−K1
cDNAの塩基配列。
【0012】(4)前記ClC−K1 cDNAプロー
ブを鋳型として得られるClC−K1mRNAプロー
ブ。
【0013】(5)腎のヘンレの係蹄上行脚部に偏在す
るクロライドチャネルを構成するClC−K1タンパク
分子。
【0014】(6)配列番号1に示す塩基配列によって
コードされる前記ClC−K1タンパク分子をあらわす
アミノ酸配列。
【0015】(7)発現ベクターに配列番号1に示す塩
基配列であらわされるClC−K1遺伝子を組み込んだ
組み替えプラスミド。
【0016】好ましくは前記発現ベクターがpSPOR
T1であり、前記pSPORT1のNotI及びSal
Iとの切断部位に前記ClC−K1遺伝子を挿入した組
み替えプラスミド。
【0017】(8)ClC−K1遺伝子による、ラット
腎のヘンレの係蹄上行脚部に偏在するクロライドチャネ
ルを構成するタンパク分子を生産する大腸菌。(この大
腸菌は、工業技術院微生物工業研究所に識別のための表
示を「DH5α−CLCK1」として寄託されており、
その受託番号は「微工研菌寄第13309号(FERM P-1330
9)」である。)
【0018】(9)前記大腸菌により生成されたClC
−K1タンパク分子。
【0019】(10)前記大腸菌を用いてClC−K1
タンパク分子を採取することを特徴とするClC−K1
タンパク分子の製造方法。
【0020】前記大腸菌は、好ましくは、ClC−K1
遺伝子を発現ベクターpSPORT1に挿入して得られ
た組み替えプラスミドを大腸菌DH10αに導入し、形
質転換して得られた大腸菌であり、より好ましくは、p
SPORT1のNotI及びSalIとの切断部位にC
lC−K1遺伝子を挿入したプラスミドを含む大腸菌、
またはイソプロピルβ−D−チオガラクトシド(以下I
PTGと略記する。)添加により発現誘導可能なベクタ
ー(pSPORT1)、宿主(DH10α)系を用いた
前記プラスミドを持った大腸菌である。
【0021】(11)ClC−K1タンパク分子を含有
することを特徴とする脂質膜。
【0022】(12)ClC−K1タンパク分子を含有
する脂質膜からなることを特徴とするリポソーム。
【0023】
【発明の概要】ここで本発明者らは腎髄質、特にヘンレ
の係蹄の上行脚部(以下TALと略記する)において優
位に発現されるラットのクロライドチャネル(ClC−
K1)をコードしているcDNAの単離について報告す
る。そのアミノ酸配列は既にクローンされたクロライド
チャネル(Jentsch,T.J.,Steinmeyer,K.,and Schwarz,G.
Nature 348,510-514,1990. Steinmeyer,K.,Ortland,C.,
and Jentsch,T.J. Nature 354 301-304,1991. Thieman
n,A.,Grunder,S.,Pusch,M.,and Jentsch,T.J. Nature 3
56,57-60,1992)とおよそ40%が同一であり、よく似た
ヒドロパシープロフィルを示す。
【0024】アフリカツメガエルの卵母細胞における発
現実験にて、Cl-の電流が発現され、この電流は過分
極下、脱分極下で瞬間的に活性化し、わずかに外向き整
流の電流−電圧関係をあらわす。
【0025】ラットが水の損失により脱水状態になった
とき、ClC−K1 mRNAの発現が増大した。この
ことはClC−K1の機能が尿濃縮機構において重要で
あることを示唆している。
【0026】<定義>本発明でClC−K1とはTAL
に偏在するクロライドチャネルをさすこととし、便宜的
に前記クロライドチャネルを発現させるcDNAプロ−
ブ及び、このcDNAプロ−ブにコードされているDN
A配列も広義にはあらわすこととする。
【0027】
【好適な実施態様】
<ClC−K1遺伝子の単離、及び配列の決定>本発明
者らは既にクローンされた3種のクロライドチャネル(J
entsch,T.J.,Steinmeyer,K.,and Schwarz,G. Nature 34
8,510-514,1990. Steinmeyer,K.,Ortland,C.,and Jents
ch,T.J. Nature 354 301-304,1991. Thiemann,A.,Grund
er,S.,Pusch,M.,and Jentsch,T.J. Nature 356,57-60,1
9922,3,4)が重要なアミノ酸の同一性をあらわしている
領域に基づいてディジェネレートポリメラーゼ鎖反応
(PCR)のプライマーとして下記に示すものをデザイ
ンした。
【0028】センス鎖;CCGGATCCCTNGGN
GA(A/G)GA(T/C)TGGAT(T/C/
A)TT(C/T)CT
【0029】アンチセンス鎖;CCGAATTC(A/
G/T)AT(A/G)TGNAC(A/G)AANG
GNCC(T/C)TC(T/C)TT
【0030】腎のRNA全量である1μgがAMVリバ
ース トランスクリプターゼ(ベーリンガー マンハイ
ム社)によって42℃、60分間で逆転写され、その後
94℃で5分間加熱された。合成されたcDNAを用い
てサブシーケンスのPCRを次の要領、94℃で1分、
55℃で1分、72℃で3分、35サイクルで、行なっ
た。
【0031】予想された大きさであった330bpのP
CR生成物はEcoRIとBamHIとで両端を切断
し、pSPORT1(BRL)のEcoRIとBamH
Iとの切断部位に挿入し、配列を決定した。
【0032】クローンの約80%がClC−2であっ
た。しかし他のものは新たなクローンを含んでいたが、
ClC−0,1,2と類似の配列を持っていた。
【0033】非常に厳格な条件(6xSSPE,5xDe
nhardt溶液,1%SDS,100μg/mL鮭精子のD
NA)のもとに、32P−dCTPでラベルされた330
bpPCRクローンをプロ−ブとして、λgt22Aの
ラット腎cDNAライブラリーをスクリーニングした。
【0034】得られたクローンλ1−f1を更にNot
IとSalIとで切断し、2.4kbインサート(Cl
C−K1)がpSPORT1のNotIとSalIとの
切断部位に、サブクローニングされた。nested deletio
n clonesがErase-A-Baseシステムによって調製された。
センス鎖はT7 DNAポリメラーゼを用いた鎖終止法
によって十分に配列の決定が検討された。アンチセンス
鎖は合成プライマーを用いて配列が決定された。
【0035】このインサートはClC−K(kidney)1と
称することとし、その配列は2407bpであることが
明らかになった。そのことからClC−K1は他のCl
-チャネル(Jentsch,T.J.,Steinmeyer,K.,and Schwarz,
G. Nature 348,510-514,1990. Steinmeyer,K.,Ortland,
C.,and Jentsch,T.J. Nature 354 301-304,1991. Thiem
ann,A.,Grunder,S.,Pusch,M.,and Jentsch,T.J. Nature
356,57-60,1992)と貫通部の類似性を有する、相対的な
分子量が76000である686個のアミノ酸からなる
タンパクであることが予想される(図9〜図11)。
【0036】Torpedo チャネル(ClC−0)との全体
的なアミノ酸配列の同一性は39%であり、骨格筋チャ
ネル(ClC−1)とは41%であり、ClC−2とは
43%である。
【0037】ClC−0,1,2と比較して、ClC−
K1は小さいタンパクである。これは、疎水性のドメイ
ン12と13(D12とD13)の間が短いことによる
(図10〜図11)。
【0038】図9〜図11はClC−K1のアミノ酸配
列及びClC−0,1,2のアミノ酸配列との比較を示
す対照図である。4種のチャネル間で保存された残基は
ボールド体で示し、推定された膜横断領域(Kyte,J.and
Doolittle,R.F. J.Molec.Biol.157,105-132,1982)には
下線を付した。潜在的にNリンクされたグリコシル化部
位(Kornfelt,R.,and Kornfelt,S. Ann.Rev.Biochem.54,
631-664,1985)はアスタリスク(*)で示し、PCRプ
ライマー部位には二重線を付した。
【0039】本発明ではラットについて実験を行なった
が、哺乳類であれば他の動物種についても、上記作業に
より該動物種のClC−K1 cDNAが得られること
は明白であり、塩基配列及びアミノ酸配列においても、
かなりの部分で同一性を有するであろうことは容易に推
測される。(例えばCHIP28ではヒトとラットの間
での塩基配列の相同性は88%であった。)
【0040】本発明者らは、遺伝子バンクにヌクレオチ
ド配列を投稿している過程にある。
【0041】<ClC−K1の存在組織の探索>RNA
が種々のラットの組織または腎皮質、外側髄質、内側髄
質から抽出され、ポリ(A)+RNAの10μg(A)
または5μg(B)をホルムアルデヒド含有アガロース
ゲル上で電気泳動させた。この際臭化エチジウム色素を
添加して等量をチェックした。
【0042】ナイロン膜に転写後、ブロットは32P−d
CTPでラベルされた2.14kbインサート(ClC
−K1)と共に非常に厳重な条件下で交雑された。
【0043】ノーザン分析からClC−K1 mRNA
(2.4kbバンド;cDNAと殆ど同じ大きさ)が腎
において、特に内側髄質(innner medulla)において優位
に発現していることが明らかになった。うっすらとした
バンドは膀胱でも認められたが、骨格筋、心臓、腸、
肺、脳ではバンドは検出されなかった(図1,図2)。
【0044】腎におけるClC−K1の局在性について
より詳しい情報を得るために、本発明者らは微小分離し
たネフロンセグメント(各2mm)を用いて、逆転写PC
Rを記載(Moriyama,T.,Murphy,H.R.,Martin,B.M.,and G
arcia-Perez,A.Am.J.Physiol.258,F1470-F1474,1990)に
従って行なった。この方法では正確にネフロンセグメン
トに従った多量の情報について比較することはできない
けれども、ClC−K1が腎のどこに優位に発現するか
についての情報を得ることができる。
【0045】結果は図3が示すようにクロライドの高い
上皮透過性が証明されているTALにおいて強いシグナ
ルが検出された。内側髄質集合管(IMCD)とヘンレ
の係蹄の下行脚(TDL)でも穏やかなシグナルが与え
られた。最も弱いシグナルは近位曲尿細管(PCT)か
らであった。
【0046】<ClC−K1がクロライドチャネルであ
ることの証明>アフリカツメガエルの卵母細胞におい
て、オリジナルである推定された全長cDNAからはC
-の電流は発現しなかった。同じ現象がClC−1と
2においても報告された(Steinmeyer,K.,Ortland,C.,an
d Jentsch,T.J. Nature 354 301-304,1991. Thiemann,
A.,Grunder,S.,Pusch,M.,and Jentsch,T.J. Nature 35
6,57-60,1992)。
【0047】それ故本発明者らはClC−K1の最初の
ATGの前に、Torpedo クロライドチャネルの5’側非
翻訳配列である83bpが組み込まれるようにリコンビ
ナントPCR(Higuchi,R. in PCR Technology(ed. Erli
ch,H.A.)61-70(Stockton,NewYork,1989))によってキメ
ラClC−K1クローンを作成した。新しいキメラクロ
ーンの配列を確かめ、このことによってオリジナルのC
lC−K1に新たなアミノ酸が付加されることがないこ
とを確認した。
【0048】NotIによりプラスミドを線状化した
後、キャップのついたRNAがT7RNAポリメラーゼ
を用いて試験管内で合成された。記載された通りに(Uch
ida,S.,Kwon,H.M.,Preston,A.S.,and Handler,J.S. J.B
iol.Chem.266,9605-9609,1991)前もって調製されたアフ
リカツメガエルの卵母細胞は15〜20ngのトランス
クリプトが注入され、2〜4日間、Barth緩衝液中で培
養された。
【0049】電気生理学的な分析は標準的な2−電極−
電圧クランプ技術(standard 2-electrode-voltage clam
p technique)とpCLAMPソフトウエアを用いて室温
にてND96溶液中で、−20mVの電位から、+60
から−120mVの間の値へと2秒間隔で電圧がかけら
れた。
【0050】ClC−K1トランスクリプトを注入した
アフリカツメガエルの卵母細胞では、水注入卵母細胞に
比べて大きな時間非依存性電流が観察された(図4,図
6)。コンダクタンスは−120〜+60mVの間でわ
ずかに外向き整流であった(図7)。ClC−K1注入
卵母細胞は40mVにおいて、クロライドチャネルの阻
害剤である1mM DIDS(4,4'ージイソシアナトスチ
ルベンー2,2'ージスルホン酸)及び1mM 9−AC(9-ア
ントラセンカルボン酸)によってコンダクタンスがそれ
ぞれ約90%及び70%に阻害された(図5、図7)。
【0051】微小灌流の研究はTALでのクロライドの
高透過性を証明し(Imai,M.,and Kokko,J.P. J.Clin.Inv
est.53,393-402,1974)、クロライドチャネルの存在を想
定した(Imai,M.,and Kokko,J.P. J.Clin.Invest.58,105
4-1060,1976)。今井モデル(Imai,M.,Taniguchi,J.,and
Tabei,K. Kidney Int.31,565-579,1987)によれば、TA
Lは下行脚直管及びIMCDと共に対向流系を形成して
おり、TALから下行脚直管までのクロライドの動きは
皮質−髄質軸(corticomedullary axis)に沿って浸透圧
勾配を引き起こすのに重要であると考えられている。
【0052】前述したようにClC−K1はTALに主
に発現した。従ってTALにおける微小灌流の結果は今
回の実験結果と非常によく一致している。そしてI−V
相関曲線(図7)がほとんど直線になっていることか
ら、ClC−K1チャネルが細胞膜の両側に存在してい
るならば、クロライド濃度勾配が強いられる条件下で
は、クロライドイオンはこのチャネルを通って尿細管の
上皮を透過できるということが、示唆される。
【0053】尿の濃縮機構においてClC−K1は重要
であるという仮説をテストするために、本発明者らはコ
ントロールと脱水のラットについて腎臓でのClC−K
1を比較した。
【0054】水を飲むことが制限されないコントロール
群、水が2日間、又は5日間にわたって摂取できない脱
水ラット群の、3群にラットを分けた。全てのラットは
同時に殺され、全RNAを調製するために腎全体が使用
された。
【0055】放射線標識されたClC−K1及びClC
−2に対するアンチセンスRNAプロ−ブ各20μgを
調製された全RNAと混合し、80%ホルムアミド、4
00mM 酢酸ナトリウム、1mM EDTA、40mM
piperazine-N,N'-bis[2-ethanesulfonic acid](PI
PES),pH6.4の溶液中で、一晩ハイブリダイゼ
ーションさせた。ClC−K1に対しては、ClC−K
1の5’末端の540bpを含んでいる配列を決定する
ために用いたクローンが、線状化され、放射線標識され
たアンチセンスRNAプロ−ブを作成するために使われ
た。
【0056】ハイブリダイゼーション後、RNaseA
及びT1が加えられて、保護されたフラグメントは変性
ポリアクリルアミドゲル中で分析された。ClC−K1
とClC−2のmRNAの量がリボヌクレアーゼプロテ
クシヨンアッセイによって、測定された。β−アクチン
の量が全RNAの50μgをノーザン分析することによ
って、測定された。
【0057】この結果(図8)、脱水状態のラットはC
lC−2及びβ−アクチンのmRNA量が変化しなかっ
たのに対して、ClC−K1 mRNAの量が増加(2
日及び5日脱水させたラットはコントロールと比較して
各々およそ2.5倍及び4倍増加)した。このことはこ
のチャネルが尿濃縮機構において必要であるだろうこと
を示唆している。
【0058】<ClC−K1タンパク質の複製手段>環
状プラスミドpSPORT1を制限酵素NotI及びS
alIで切って、切断された部位にClC−K1 cD
NAを挿入する。ClC−K1遺伝子を組み込んだプラ
スミドは大腸菌10DHα株に導入して形質転換させ
る。
【0059】上記組み替えDNA法による宿主の形質転
換は、公知の方法(Cohen,S.N.et al.,Proc.Natl.Acad.S
ci.,USA.,69,2110,1972)もしくは、それに準ずる方法に
より行なうことができる。
【0060】このようにして、得られた形質転換体(組
換え体)を公知の培地、例えば L−Broth (アンピシリ
ン含有)培地で培養する。培養に際して、菌体増殖後の
一定時期にプロモーターをより効率よく働かせるため
に、IPTGを添加する。添加後の培養は通常37℃で
3〜4時間行なう。培養後、公知の方法で菌体を集め、
緩衝液に懸濁し、菌体を破砕し、カラムクロマトグラフ
ィー等の公知の方法によりClC−K1タンパクを精製
する。
【0061】<今後の展望>嚢胞性線維症及びミオトニ
ーにおいて、クロライドチャネルの機能不全及び破損が
発見された(Hyde,S.C.,Emsley,P.,Hartshorn,M.,Mimmac
k,M.M.,Gileadi,U.,Pearce,S.R.,Gallagher,M.P.,Gill,
D.R.,Hubbard,R.,and Higgins,C.F. Nature346,362-36
5,1990. Steinmeyer,K.,Klocke,R.,Ortland,C.,Groneme
ier,M.,Jockusch,H.,Gruender,S.,and Jentsch,T.J. Na
ture 354,304-308,1991)。腎でのクロライドの細胞透過
輸送、及びそのことの体液の恒常性への役割に関する分
子生理学については殆ど知られていない。ネフロン末端
での異常なクロライドの輸送はバーター症候群(Batter
syndrome)及び家族性II型偽性アルドステロン機能低下
症(familial type II pseudohypoaldosteronism)の原因
であると考えられている(Gill,J.R.,Jr.,and Bartter,
F.C. Am.J.Med.65,766-772,1978. Take,C.,Ikeda,K.,Ku
rasawa,T.,and Kurokawa,K.N.Engl.J.Med.324,472-476,
1991)。
【0062】ClC−K1はTAL以外では末端に位置
しているネフロンセグメントに発現されている。けれど
も、上記疾患とClC−K1とのかかわり合いは依然と
して解明されていない。現段階では、脱水によるClC
−K1の発現部位や調節により、ClC−K1が尿濃縮
機構において重要な役割を担っていることが強く示唆さ
れているにすぎない。
【0063】しかし、本発明によりClC−K1の単離
に成功し、かつ多量に複製することが可能になったこと
により、今後の研究に大いに貢献するだろう。
【0064】<産業上の利用例>本発明でClC−K1
の単離、同定、複製が可能になったことにより、産業上
次のような利用価値が得られる。
【0065】ClC−K1タンパクを発現させた物質を
利用して、Cl-の再吸収抑制作用による利尿剤のスク
リーニング法が確立できる。例えば以下に示す利尿剤の
スクリーニング法が挙げられる。
【0066】1)ClC−K1のアミノ酸配列から、い
くつかの活性中心と思われるペプタイドを人工合成し、
該ペプタイドと特異的に結合する物質をスクリーニング
する。
【0067】2)ClC−K1組み替えプラスミドを有
する本発明の大腸菌からClC−K1タンパクを大量に
製造させ、該タンパクに特異的に結合する物質をスクリ
ーニングする。
【0068】3)ClC−K1タンパクの細胞外ドメイ
ンに対する抗体を作成し、該抗体がClC−K1タンパ
クと結合するのを阻害する物質をスクリーニングする。
【0069】ClC−K1タンパクを組み込んだ人工膜
(Bear,C.E.,et al.Cell,68,809-818,1992)は、Cl-
過性を示し、例えば以下に示す利用法がある。
【0070】1)カルキ(臭)の除去として家庭用の浄
水装置に用いる。
【0071】2)人工透析装置においてクロライドイオ
ンの除去段階に用いる。
【0072】特にClC−K1タンパクを脂質膜の一種
であるリポソームに組み込んだものは例えば以下に示す
利用法がある。
【0073】有機化合物等をクロライド化する場合にお
いて、穏やかに反応を進めなければならない時に、Cl
C−K1を組み込んだリポソームを反応液中に混ぜる。
始めは余剰のCl-イオンはリポソームに取り込まれて
いるが、反応が進むに従い徐々にCl-イオンがリポソ
ームから放出され、反応に供される。反応終了後、遠心
または透析処理等により、リポソームは除去できる。
【0074】ClC−K1タンパクを組み込んだリポソ
ームは公知の方法で製造でき、比較的一般的なのは凍結
融解法(M.Kasahara,P.C.Hinkle,J.Biol.Chem.,252,738
4,1977)、オクチルグルコシドによる希釈法(M.J.Newma
n,T.H.Wilson,J.Biol.Chem.,255,10583,1980)及び透析
法(Y.Kagawa,A.Kandrach,E.Racker,J.Biol.Chem.,248,6
76,1973)である。
【0075】リポソームの大きさ、性状(単層または多
重層)は脂質の種類によって適宜選択する。
【0076】例えばClC−K1タンパクと脂質(リン
脂質との混合が好ましい。)と界面活性剤(例えばデオ
キシコール酸塩)を加えて、超音波によりよく攪拌混合
する。次に透析またはゲル瀘過により界面活性剤を除け
ば、ClC−K1タンパクが組み込まれたリポソームが
できる。
【0077】凍結融解法によるClC−K1タンパクが
組み込まれたリポソームの調製例を以下に示す。
【0078】
【調製例】100mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5),50mM MgCl2、アセトン処理したアゾレク
チン(ダイズ粗脂質)22.5mgに10mMトリス−
塩酸緩衝液(pH7.5)0.5mLを加え、窒素ガス
を吹き込んだ後水浴型の超音波発振装置で約20分、ほ
ぼ透明になるまで超音波処理する。
【0079】このリポソーム167μL、精製ClC−
K1タンパク質20μg、及び10mMトリス−塩酸緩
衝液(pH7.5)を加え0.5mLとする。窒素ガス
を吹き込んだ後−70℃に冷やしたアセトン中で凍結す
る。室温で融解した後、水浴型の超音波発振装置を用い
て超音波処理を15秒行なう。50mM MgCl2−1
00mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)及び水で希
釈し、8mg脂質/mL−2mM MgCl2−10mM
トリス−塩酸緩衝液として、ClC−K1タンパク質を
組み込んだリポソームを得る。
【0080】また、本発明によりClC−K1cDNA
の複製が可能となり、かつ人工的にClC−K1mRN
Aを合成することができるようになったので、公知の技
術(M.Mishina,et al.Nature(London),307,604,1984)を
利用して生体膜上にClC−K1タンパク質を発現させ
ることができる。
【0081】例えばClC−K1cDNAを組み込んだ
プラスミドを細胞培養に移植し、あるいはClC−K1
mRNAを卵母細胞に注入して、細胞膜上にClC−K
1タンパク質を発現させることができる。
【0082】
【発明の効果】本発明により次のような効果が期待でき
る。
【0083】腎臓のヘンレの係蹄上行脚部のクロライ
ドチャネルの存在が明確に立証され、また単離され、か
つ同定されたので、腎臓の基本的原理の解明の基礎が達
成される。
【0084】更に腎臓の基本的原理が解明されるの
で、腎臓障害診断に新たな指針が得られる。
【0085】また腎臓の基本的原理が解明されるの
で、腎臓障害治療または治療のための材料に新たな指針
が得られる。
【0086】クロライドの輸送異常、またはクロライ
ドの機能不全及び破損による疾病の診断、治療、診断又
は治療のための材料に新たな指針が得られる。
【0087】ClC−K1cDNAあるいはmRNA
を細胞内に導入することにより、生体膜にClC−K1
クロライドチャネルを発現させることができる。
【0088】本発明の遺伝子操作大腸菌によりクロラ
イド透過性のClC−K1タンパクが容易に大量に入手
できる。
【0089】ClC−K1タンパク質を組み込んだク
ロライド透過性の人工膜が得られる。
【0090】ClC−K1タンパク質を組み込んだク
ロライド透過性のリポソームが得られる。
【0091】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:2407 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物:Sprague-Dawley rat 単離クローン名:ClC-K1 組織の種類:腎臓 配列 GCGCCACGAC GCAGGACCTC TGCAGGGTGG ACTGAGAGGA CGG ATG GAA GAA CTC 55 Met Glu Glu Leu 1 GTG GGA CTG CGT GAG GGC TCC TCT GGG AAG CCA GTA ACT CTG CAA GAG 103 Val Gly Leu Arg Glu Gly Ser Ser Gly Lys Pro Val Thr Leu Gln Glu 5 10 15 20 CTA TGG GGG CCG TGT CCA CCG ATC CGC CGA GGT GTC AGA AGG GGC CTA 151 Leu Trp Gly Pro Cys Pro Pro Ile Arg Arg Gly Val Arg Arg Gly Leu 25 30 35 GAG TGG CTG AAA GAG CGG TTG TTC CGT GTG GGT GAG GAC TGG CAC TTC 199 Glu Trp Leu Lys Glu Arg Leu Phe Arg Val Gly Glu Asp Trp His Phe 40 45 50 CTG GTG GCT CTC GGG GTG CTC ATG GCT CTG ATC AGC TAT GCC ATG AAC 247 Leu Val Ala Leu Gly Val Leu Met Ala Leu Ile Ser Tyr Ala Met Asn 55 60 65 TTT GCC ATT GGA CGT GTG GTC AGA GCA CAC AAA TGG CTA TAC CGG GAG 295 Phe Ala Ile Gly Arg Val Val Arg Ala His Lys Trp Leu Tyr Arg Glu 70 75 80 GTT GGG GAC GGC CAC CTG CTC CGG TAC CTC TCC TGG ACC GTC TAC CCT 343 Val Gly Asp Gly His Leu Leu Arg Tyr Leu Ser Trp Thr Val Tyr Pro 85 90 95 100 GTG GCT CTT CTG TCC TTC TCC TCC GGC TTC TCG CAG AGC ATC TCA CCC 391 Val Ala Leu Leu Ser Phe Ser Ser Gly Phe Ser Gln Ser Ile Ser Pro 105 110 115 TTC TCT GGA GGG TCT GGA CTC CCA GAG CTG AAG ACC ATG CTG TCC GGT 439 Phe Ser Gly Gly Ser Gly Leu Pro Glu Leu Lys Thr Met Leu Ser Gly 120 125 130 GTG GTC CTG GAG GAC TAC CTA GAC ATC AAG AAC TTC GGG GCC AAG GTG 487 Val Val Leu Glu Asp Tyr Leu Asp Ile Lys Asn Phe Gly Ala Lys Val 135 140 145 GTG GGC CTC TCC TGC ACC CTG GCA ACA GGC AGT ACC ATC TTC CTA GGC 535 Val Gly Leu Ser Cys Thr Leu Ala Thr Gly Ser Thr Ile Phe Leu Gly 150 155 160 AAA GTG GGC CCC TTC GTG CAC CTG AGC GTG ATG ATT TCT GCT TAT CTG 583 Lys Val Gly Pro Phe Val His Leu Ser Val Met Ile Ser Ala Tyr Leu 165 170 175 180 GGC CGA GTG CGC GCC AAG ACC ATT GGG GAA ACT GAG AAC AAG GCC AAG 631 Gly Arg Val Arg Ala Lys Thr Ile Gly Glu Thr Glu Asn Lys Ala Lys 185 190 195 GAA ATT GAA ATG CTC TCG GCG GCA GCG GCA GTG GGC GTG GCC ACA GTT 679 Glu Ile Glu Met Leu Ser Ala Ala Ala Ala Val Gly Val Ala Thr Val 200 205 210 TTC GCA GCC CCC TTC AGC GGT GTC CTG TTC AGC ATC GAG GTC ATG TCC 727 Phe Ala Ala Pro Phe Ser Gly Val Leu Phe Ser Ile Glu Val Met Ser 215 220 225 TCT CAC TTC TCC GTC TGG AAT TAC TGG AGG GGC TTC TTT GCC GCC ACA 775 Ser His Phe Ser Val Trp Asn Tyr Trp Arg Gly Phe Phe Ala Ala Thr 230 235 240 TGC GGG GCC TTC ATG TTC CGT CTC CTA GGG GTC TTC AAC AGT GAA CAG 823 Cys Gly Ala Phe Met Phe Arg Leu Leu Gly Val Phe Asn Ser Glu Gln 245 250 255 260 GAG ACC ATC ACC TCC ATC TAC AAG ACC AGA TTC CGA GTG GAT GTG CCC 871 Glu Thr Ile Thr Ser Ile Tyr Lys Thr Arg Phe Arg Val Asp Val Pro 265 270 275 TTT GAC CTG CCT GAA ATC TTC TTC TTT GTG GCT CTG GGG TTC ATC TGC 919 Phe Asp Leu Pro Glu Ile Phe Phe Phe Val Ala Leu Gly Phe Ile Cys 280 285 290 GGG GTC CTG AGC TGC GCG TAC CTG TTC TGT CAG AGA ACT TTT CTC CGC 967 Gly Val Leu Ser Cys Ala Tyr Leu Phe Cys Gln Arg Thr Phe Leu Arg 295 300 305 TTT ATC AAG ACC AAT CGG TAC ACC TCC AGA CTG TTG GCT ACA AGC AAG 1015 Phe Ile Lys Thr Asn Arg Tyr Thr Ser Arg Leu Leu Ala Thr Ser Lys 310 315 320 CCG TCC TAC GCA GCT CTG GTT GCC CTG GTC CTG GCC TCC ATC ACC TAT 1063 Pro Ser Tyr Ala Ala Leu Val Ala Leu Val Leu Ala Ser Ile Thr Tyr 325 330 335 340 CCA CCT GGT GTG GGT CGC TTC ATG GCC TCC CGG CTG TCC ATG GCA CAG 1111 Pro Pro Gly Val Gly Arg Phe Met Ala Ser Arg Leu Ser Met Ala Gln 345 350 355 CAT TTG CAC TCT CTG TTT GAC AAC AAC TCT TGG GCA CTG ATG ACC CGA 1159 His Leu His Ser Leu Phe Asp Asn Asn Ser Trp Ala Leu Met Thr Arg 360 365 370 AAT TCA TCC CCA CCC TGG CCT GCG GAC GCG GAC CCC CAG AAC CTG TGG 1207 Asn Ser Ser Pro Pro Trp Pro Ala Asp Ala Asp Pro Gln Asn Leu Trp 375 380 385 CCG GAA TGG TGT CAC CCA CGG TTC ACC ATC TTT GGG ACT CTG GCC TTC 1255 Pro Glu Trp Cys His Pro Arg Phe Thr Ile Phe Gly Thr Leu Ala Phe 390 395 400 TTC CTG GTC ATG AAG TTC TGG ATG CTG ATT CTG GCT ACC ACG ATC CCC 1303 Phe Leu Val Met Lys Phe Trp Met Leu Ile Leu Ala Thr Thr Ile Pro 405 410 415 420 ATG CCT GCT GGG TAT TTC ATG CCC ATA TTC ATC ATT GGA GCT GCC ATT 1351 Met Pro Ala Gly Tyr Phe Met Pro Ile Phe Ile Ile Gly Ala Ala Ile 425 430 435 GGG GCC TCT TGG GAG AGG CCC TGT CTG TCG CCT TCC AGA GGG CAT TGT 1399 Gly Ala Ser Trp Glu Arg Pro Cys Leu Ser Pro Ser Arg Gly His Cys 440 445 450 GGC TGG CAG AGA GGT CAA CCC CAT CAT GCC TGG GGG CTA TGC TCT GGA 1447 Gly Trp Gln Arg Gly Gln Pro His His Ala Trp Gly Leu Cys Ser Gly 455 460 465 GGT GCT GCT GCC TTC TCG GGG GCG GTG ACC CAC ACC ATC TCC ACA GCA 1495 Gly Ala Ala Ala Phe Ser Gly Ala Val Thr His Thr Ile Ser Thr Ala 470 475 480 CTG CTG GCC TTT GAG CTG ACC GGC CAG ATC GTT CAT GCA CTG CCT GTG 1543 Leu Leu Ala Phe Glu Leu Thr Gly Gln Ile Val His Ala Leu Pro Val 485 490 495 500 CTG ATG GCC GTG CTG GCG GCC AAT GCC ATC TCT CAA AAC TGT CAG CCG 1591 Leu Met Ala Val Leu Ala Ala Asn Ala Ile Ser Gln Asn Cys Gln Pro 505 510 515 TCT TTC TAC GAT GGC ACC ATC ATG GCC AAG AAA CTG CCG TAC CTG CCG 1639 Ser Phe Tyr Asp Gly Thr Ile Met Ala Lys Lys Leu Pro Tyr Leu Pro 520 525 530 TGG ATC CGT GGC CGA CAG ATT GGC TCC TAC CCT GTG ACT GTG GAA CAC 1687 Trp Ile Arg Gly Arg Gln Ile Gly Ser Tyr Pro Val Thr Val Glu His 535 540 545 TTC ATG AAC TGT AAC CTC ACC ACG CTG GCC AAG GAC ACG CCC CTG GAG 1735 Phe Met Asn Cys Asn Leu Thr Thr Leu Ala Lys Asp Thr Pro Leu Glu 550 555 560 GAG GTG GTC AAA GTT GTG ACC TCT ACA GAA GTG TCT CAA TAT CCC TTG 1783 Glu Val Val Lys Val Val Thr Ser Thr Glu Val Ser Gln Tyr Pro Leu 565 570 575 580 GTG GAG ACC AGA GAG TCT CAG ACC CTG GTG GGC ATT GTG GAA CGG ACC 1831 Val Glu Thr Arg Glu Ser Gln Thr Leu Val Gly Ile Val Glu Arg Thr 585 590 595 CAC TTG GTG CAA GCC CTC CAG ACC CAG CCA GCT TCC TGG GCT CCA GGC 1879 His Leu Val Gln Ala Leu Gln Thr Gln Pro Ala Ser Trp Ala Pro Gly 600 605 610 CAA GAG CGC TTT CTC CAG GAC ATC TTG GCA GGT GGC TGC CCC ACA CAG 1927 Gln Glu Arg Phe Leu Gln Asp Ile Leu Ala Gly Gly Cys Pro Thr Gln 615 620 625 CCA GTG ACC CTG CAG CTG TCC CCA GAG ACC TCC CTG TAT CAG GCA CAC 1975 Pro Val Thr Leu Gln Leu Ser Pro Glu Thr Ser Leu Tyr Gln Ala His 630 635 640 AGC CTC TTT GAG CGG CTG ACC CTT CAG TCG CTG TTC GTG ACG TCA CGG 2023 Ser Leu Phe Glu Arg Leu Thr Leu Gln Ser Leu Phe Val Thr Ser Arg 645 650 655 660 GGC AAA GCT GTG GGC TCT GTG TCC TGG GCG GAG CTG AAG AAA GCC ATT 2071 Gly Lys Ala Val Gly Ser Val Ser Trp Ala Glu Leu Lys Lys Ala Ile 665 670 675 TCC ACC TTG ATC AAC CCA CCA GCC CCC AAG TGAGCCAGCG TTGGGGTCAG 2121 Ser Thr Leu Ile Asn Pro Pro Ala Pro Lys 680 685 686 AACAGGACCC CAGCTAAGAG CTGCAGAGGC TGCACAGAGC CCCACCCCAT TTCCCTCCCT 2181 ACCCCACCCC TCCAGCCCAG CCCGGCTCCC CAGTGCCTCA GGCAGCTCTA CCCAGCTGAA 2241 CGGGACTCCG TATTCATCAT GGCCTACACC GAGAGCACAA CATCTCTCTG GTCTGGAAGG 2301 GACAAATCTC ACCCTGGTGC ATGTCCCTTC TGGGATTATC TATTCACAAC CAGTAGCTCC 2361 TGAGAAAATA AAAGTAAAGC TGGTTCCCAG AAAAAAAAAA AAAAAA 2407
【図面の簡単な説明】
【図1】種々のラットの組織でのClC−K1の発現を
示すノーザンブロットの写真である。 英語表記の説明 cerebrum;大脳、 cerebellum;
小脳、atrium;心房、 ventri
cle;心室、aorta;大動脈、 l
ung;肺、stomach;胃、 int
estine;腸、liver;肝、
spleen;脾臓、pancreas;すい臓、
kidney;腎、adrenal gland;副腎、
testis;精巣、ovary;卵巣、
bladder;膀胱。
【図2】ラットの腎組織内でのClC−K1の発現を示
すノーザンブロットの写真である。 英語表記の説明 cortex;髄質、 outer medulla;外側髄質、 inner
medulla;内側髄質
【図3】ラットのネフロンセグメントに沿ったClC−
K1の発現の局在性を示すPCRの写真である。 略号の説明 PCT:近位尿細管曲部、 TDL:ヘンレ
の係蹄の細い下行脚、TAL:ヘンレの係蹄の細い上行
脚、 MAL:髄質の太い上行脚、CCD:皮質集合
管、 IMCD:内側髄質集合管
【図4】標準的な2個の電極電圧クランプによりClC
−K1 cRNAをあらかじめ注入した卵母細胞をND
96溶液中で測定した電流記録図である。
【図5】標準的な2個の電極電圧クランプによりClC
−K1 cRNAをあらかじめ注入した卵母細胞を10
mM DIDS溶液中に5分間インキューベーション
後、ND96溶液中で測定した電流記録図である。
【図6】水注入卵母細胞を標準的な2個の電極電圧クラ
ンプにより測定した電流記録図である。
【図7】ND96中の、1mM DIDS存在下、1m
M 9−AC存在下、低クロライドND96(7mM C
-,96mM (シクラメート)-)中にある各々のC
lC−K1 cRNA注入卵母細胞の電流−電圧関係の
定状態を示す。
【図8】脱水状態のラットにおけるClC−K1 mR
NAの増量調節を示すノーザンブロットの写真である。
【図9】ClC−K1のアミノ酸配列とClC−0,
1,2のアミノ酸配列との比較を示し、ClC−K1の
アミノ酸配列の1番目から325番目までの比較を示す
対照図である。4種のチャネル間で保存された残基はボ
ールド体で示し、推定された膜横断領域には下線を付し
た。潜在的にNリンクされたグリコシル化部位はアスタ
リスク(*)で示し、PCRプライマー部位には二重線
を付した。アミノ酸の略号は次の通りである。 A;アラニン(Ala)、 C;システイン
(Cys)、D;アスパラギン酸(Asp)、 E;
グルタミン酸(Glu)、F;フェニルアラニン(Ph
e)、 G;グリシン(Gly)、H;ヒスチジン(H
is)、 I;イソロイシン(Ile)、K;リ
ジン(Lys)、 L;ロイシン(Le
u)、M;メチオニン(Met)、 N;アスパ
ラギン(Asn)、P;プロリン(Pro)、
Q;グルタミン(Gln)、R;アルギニン(Ar
g)、 S;セリン(Ser)、T;トレオニン
(Thr)、 V;バリン(Val)、W;トリ
プトファン(Trp)、 Y;チロシン(Tyr)。
【図10】ClC−K1のアミノ酸配列とClC−0,
1,2のアミノ酸配列との比較を示し、ClC−K1の
アミノ酸配列の326番目から617番目までの比較を
示す図9に続く対照図である。
【図11】ClC−K1のアミノ酸配列とClC−0,
1,2のアミノ酸配列との比較を示し、ClC−K1の
アミノ酸配列の618番目から686番目までの比較を
示す図10に続く対照図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】種々のラットの組織でのCIC−K1の発現を
示すノーザンブロットの写真である。ここで、ノーザン
ブロットとはRNA断片を電気泳動で分離し、特殊な紙
(ここではナイロン膜)に移した後、放射性の一本鎖D
NA又はRNA(ここでは32P−dCTPでラベルさ
れたClC−K1)をプローブとしてハイブリッド形成
を行ない位置決定する方法のことであり、電気泳動法の
一種である。 英語表記の説明 cerebrum;大脳、 cer
ebellum;小脳、atrium;心房、
ventricle;心室、aort
a;大動脈、 lung;肺、
stomach;胃、 int
estine;腸、liver;肝、
spleen;牌臓、pancreas;
すい臓、 kidney;腎、adr
enal gland;副腎、 testi
s;精巣、ovary;卵巣、
bladder;膀胱。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】ラットの腎組織内でのClC−K1の発現を示
すノーザンブロットの写真である。ここで、ノーザンブ
ロットとは前述したようにRNA断片の電気泳動法であ
る。 英語表記の説明 cortex;髄質、 outer medull
a;外側髄質、 inner medulla;内側
髄質
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】ラットのネフロンセグメントに沿ったClC−
K1の発現の局在性を示す逆転写PCRの写真である。
即ち、腎各部のRNA断片から逆転写してcDNAを作
製し、これをPCR法により増やした後電気泳動で分離
し、DNAを変性させてナイロン膜に移し、32P−d
CTPでラベルされたClC−K1をプローブとしてハ
イブリッド形成を行ない位置決定をし(サザンブロッ
ト)、発現の局在性を示した写真である。 略号の説明 PCT:近位尿細管曲部、 TDL:ヘンレ
の係蹄の細い下行脚、TAL:へンレの係蹄の細い上行
脚、 MAL:髄質の太い上行脚、CCD:皮質集合
管、 IMCD:内側髄質集合管
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】脱水状態のラットにおけるClC−K1 mR
NAの増量調節を示すノーザンブロットの写真である。
ここで、ノーザンブロットとは前述したようにRNA断
片の電気泳動法である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】腎のヘンレの係蹄上行脚部に偏在するクロ
    ライドチャネルを発現させるRNAに特異的であり、か
    つ前記RNAに相補的であるClC−K1 cDNAプ
    ローブ。
  2. 【請求項2】配列番号1に示す塩基配列であらわされる
    請求項1記載のClC−K1 cDNA配列。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のClC−K1 cD
    NAプローブを鋳型として得られることを特徴とするC
    lC−K1 cRNAプローブ。
  4. 【請求項4】a)哺乳類の腎臓のRNAから逆転写させ
    て作成した一本鎖cDNAについて 5’−CCGGATCCCTNGGNGA(A/G)G
    A(T/C)TGGAT(T/C/A)TT(C/T)
    CT−3’(センス鎖) 及び 5’−CCGAATTC(A/G/T)AT(A/G)
    TGNAC(A/G)AANGGNCC(T/C)TC
    (T/C)TT−3’(アンチセンス鎖) をディジェネレートプライマーとしてPCRにかける、 b)前記PCR生成物をプローブとして前記哺乳類の腎
    cDNAライブラリーをスクリーニングして得られる、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載のClC−K1
    cDNA。
  5. 【請求項5】請求項4における哺乳類がラットであるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のClC−K1 cDN
    A。
  6. 【請求項6】腎のヘンレの係蹄上行脚部に偏在するクロ
    ライドチャネルを構成するClC−K1タンパク分子。
  7. 【請求項7】配列番号1の塩基配列によってコードされ
    る請求項6記載のClC−K1タンパク分子のアミノ酸
    配列。
  8. 【請求項8】発現ベクターに配列番号1に示す塩基配列
    であらわされるClC−K1遺伝子を組み込んだことを
    特徴とする組み替えプラスミド。
  9. 【請求項9】前記発現ベクターがpSPORT1であ
    り、前記pSPORT1のNotI及びSalIとの切
    断部位に前記ClC−K1遺伝子を挿入したことを特徴
    とする請求項8記載の組み替えプラスミド。
  10. 【請求項10】請求項5に記載のClC−K1 cDN
    Aによる、 腎のヘンレの係蹄上行脚部に偏在するクロライドチャネ
    ルを構成するタンパク分子を生産する大腸菌。
  11. 【請求項11】配列番号1に示す塩基配列であらわされ
    るClC−K1遺伝子による、 腎のヘンレの係蹄上行脚部に偏在するクロライドチャネ
    ルを構成するタンパク分子を生産する大腸菌。
  12. 【請求項12】前記ClC−K1遺伝子を発現ベクター
    pSPORT1に挿入して得られた組み替えプラスミド
    を大腸菌DH10αに導入し、形質転換して得られた請
    求項10又は11に記載の大腸菌。
  13. 【請求項13】pSPORT1のNotI及びSalI
    との切断部位に前記ClC−K1遺伝子を挿入したプラ
    スミドを含む請求項12記載の大腸菌。
  14. 【請求項14】イソプロピルβ−D−チオガラクトシド
    添加により発現誘導可能なベクター(pSPORT
    1)、宿主(DH10α)系を用いた請求項13記載の
    プラスミドを持った大腸菌。
  15. 【請求項15】請求項10〜14の一に記載の大腸菌に
    より生成されたClC−K1タンパク分子。
  16. 【請求項16】請求項10〜14の一に記載の大腸菌を
    用いてClC−K1タンパク分子を採取することを特徴
    とするClC−K1タンパク分子の製造方法。
  17. 【請求項17】腎のヘンレの係蹄上行脚部に偏在するク
    ロライドチャネルを構成するClC−K1タンパク分子
    を含有することを特徴とする脂質膜。
  18. 【請求項18】腎のヘンレの係蹄上行脚部に偏在するク
    ロライドチャネルを構成するClC−K1タンパク分子
    を含有する脂質膜からなることを特徴とするリポソー
    ム。
JP34360992A 1992-12-01 1992-12-01 クロライドチャネル Withdrawn JPH06165680A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34360992A JPH06165680A (ja) 1992-12-01 1992-12-01 クロライドチャネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34360992A JPH06165680A (ja) 1992-12-01 1992-12-01 クロライドチャネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06165680A true JPH06165680A (ja) 1994-06-14

Family

ID=18362863

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34360992A Withdrawn JPH06165680A (ja) 1992-12-01 1992-12-01 クロライドチャネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06165680A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4203097B2 (ja) 変性低密度リポ蛋白質受容体
JP2644794B2 (ja) 新規な型のコロニー刺激因子―1
KR100631766B1 (ko) 폴리펩티드, 그 폴리펩티드를 암호화하는 cDNA 및그들의 용도
JPS60115528A (ja) ヒトインタ―ロイキン―2蛋白質を含有する抗腫瘍用または免疫機能低下疾患治療用組成物
Brosius III et al. Insulin-responsive glucose transporter expression in renal microvessels and glomeruli
KR20010023325A (ko) 함지방세포-특이적 단백질 상동체
JPH09507750A (ja) Wnt−x増殖因子をコードするDNA
EP0220241A1 (en) PURIFIED PROTEIN HAVING ANGIOGENIC ACTIVITY AND METHODS OF PREPARING THE SAME.
US6602694B1 (en) Uncoupling protein 4 (UCP-4)
JPH025869A (ja) Dna配列、組換えdna分子及びリポコルチン類3、4、5並びに6の製造方法
JPH0625295A (ja) 新規生理活性物質エピモルフィン、それをコードする 遺伝子及びエピモルフィンに対する抗体
US6372890B1 (en) Water-soluble polypeptides
US6432913B1 (en) Polypeptide of protein p140 and DNAs encoding it
US5728548A (en) Retinoid receptor-1 (RR1) and DNA encoding RR1
JPH06165680A (ja) クロライドチャネル
JPH06506115A (ja) 新規ベータインテグリンサブユニット
US6252046B1 (en) Polypeptide having water channel activity and DNA sequence
EP0780472A2 (en) Stress proteins
JPH04144684A (ja) エンドセリン受容体
US5661003A (en) Water channel
JPH10313876A (ja) 抗腫瘍タンパク質およびその遺伝子
WO1995004756A1 (en) Complement inhibitor proteins of non-human primates
JPH11299489A (ja) 中性アミノ酸トランスポーター及びその遺伝子
JPH06293800A (ja) 新規生理活性物質エピモルフィン、それをコードする 遺伝子及びエピモルフィンに対する抗体
JP2005527194A (ja) アメフラシ、Aplysiapunctataの細胞傷害性サイプラシン、生物反応性組換え体のcDNAクローニングおよび発現

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20000201