JP2865931B2 - Mosトランジスタの製造方法 - Google Patents

Mosトランジスタの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はMOSトランジスタの
製造方法に関し、より詳しくは、半導体基板中の重金属
などをゲッタリングして、MOSトランジスタの接合リ
ーク電流を低減する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体基板にMOSトランジス
タを作り込む場合、半導体基板表面を素子毎に区画する
素子分離工程、ゲート絶縁膜およびゲート電極を形成す
るゲート形成工程、ソースドレイン領域を形成するソー
スドレイン形成工程などが順に行われる。そして、これ
らの製造工程の途中に、基板表面または基板内部にゲッ
ターサイトを形成して、半導体基板中に入り込んでくる
重金属イオンなどをゲッタリングする方法が採用されて
いる(主に、素子完成後にソースドレイン領域の接合リ
ーク電流を低減するためである。)。
【0003】例えば、図4に示すように、IG(イント
リンシック・ゲッタリング)処理等によりゲッターサイト
105を形成する方法が知られている。また、図5に示
すように、素子分離工程後、ゲート形成工程前にゲッタ
ーサイト106を形成する方法も知られている。この場
合、上記SiN膜103を除去した後に、11+(N型基
板ならば31+)を高エネルギ注入して基板内部101b
に中不純物濃度(基板濃度とソースドレイン領域の濃度
との間)のゲッターサイト106を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ゲ
ッターサイト106は高温処理(熱酸化など)により活性
化される時点でゲッタリング能力を発揮するが、活性化
された後はゲッタリング能力が低下する危惧がある。上
記従来の方法では、高温処理を含む比較的早い工程段階
でゲッターサイト105,106を形成しているため、
後の工程、特にソースドレイン形成工程で、基板1中に
入り込んでくる重金属などをゲッタリングし難いという
問題がある。このため、ソースドレイン領域の接合リー
ク電流を効果的に低減することができない。
【0005】例えば、ゲート電極に対してSiO2(CV
D法による)からなるサイドウォールを形成してLDD
(ライトリ・ドープト・ドレイン)構造を形成する場合、
サイドウォールをエッチングする時点で、表面から10
00Åの領域にNa,Kなどのアルカリ金属、Ca,Mg,C
u,Crなどの重金属、炭素Cなどが数10ppm〜数100
ppm程度入り込むことが分かっている。ソースドレイン
領域をイオン注入により形成する時点でも、イオン注入
機から同程度の汚染が入り込んでくると推定される。
【0006】ここで、単に、ゲート電極形成工程後、ソ
ースドレイン形成工程前に高エネルギ注入を行って基板
内部にゲッターサイトを形成する場合、注入イオンが貫
通することによりゲート絶縁膜が劣化することがある。
また、ゲート電極構成物質(タングステン,ポリシリコン
など)のノック・オンによりゲート電極下にコンタミネ
ーションが生じたり、到達イオンが起こす2次欠陥が生
じたりして、素子特性が劣化する。
【0007】そこで、この発明の目的は、素子特性を劣
化させることなく、ソースドレイン形成工程で基板中へ
入り込んでくる重金属などをゲッタリングできるMOS
トランジスタの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明のMOSトランジスタの製造方法は、半導
体基板の表面にゲート絶縁膜を形成した後、このゲート
絶縁膜上に導電膜と絶縁膜を順に堆積する工程と、上記
導電膜と絶縁膜を同一パターンに加工して、ゲート電極
とこのゲート電極を覆う保護層とを形成する工程と、上
記保護層をマスクとして所定のイオンを注入して、上記
ゲート電極直下のゲート絶縁膜にイオンを貫通させるこ
となく上記ゲート電極の両側の基板内部にゲッターサイ
トを形成する工程と、上記保護層をマスクとして所定の
イオンを注入し、さらに、注入したイオンを活性化する
熱処理を行って、上記ゲート電極の両側の基板表面にソ
ースドレイン領域を形成する工程を有することを特徴と
している。
【0009】
【作用】ゲート電極を覆う保護層をマスクとしてイオン
注入を行って、上記ゲート電極直下のゲート絶縁膜にイ
オンを貫通させることなく上記ゲート電極の両側の基板
内部にゲッターサイトを形成しているので、上記ゲート
電極直下のゲート絶縁膜が注入イオンの貫通により劣化
することがない。また、ゲート電極構成物質のノック・
オンによりゲート電極下にコンタミネーションが生じた
り、到達イオンが起こす2次欠陥が生じたりすることも
ない。したがって、素子特性の劣化が防止される。
【0010】また、上記ゲッターサイトは、ソースドレ
イン領域を形成するための熱処理時に、基板中に入り込
んでくる重金属などをゲッタリングする。しかも、上記
ゲッターサイトは、熱処理によって活性化されて、素子
完成後にソースドレイン領域の空乏層の延びを抑える埋
め込み層として働く。したがって、ソースドレイン領域
の接合リーク電流が効果的に低減される。
【0011】
【実施例】以下、この発明のMOSトランジスタの製造
方法を実施例により詳細に説明する。
【0012】まず、図1(a)に示すように、P型シリ
コン基板(P型ウエル)1の表面1aに、図4に示したの
と同様に、選択酸化のマスクとしてSiN膜(図示せず)
を設け、厚さ6000Åのフィールド酸化膜2を形成し
た後、この上から11+(N型基板ならば31+)を注入し
て素子分離領域表面にフィールド反転防止層5を設け
る。しかる後、厚さ6000Åのフィールド酸化膜2を
形成する。上記フィールド反転防止層5のイオン注入の
ドーズ量は1×1014cm-2とする。また、注入エネルギ
は30〜100keVの範囲に設定する。なお、上記フィ
ールド反転防止層5は活性化されて、素子完成後に埋め
込み層として働く。すなわち、ソースドレイン領域の端
部の空乏層の広がりを抑えて、接合リーク電流を低減す
る。 次に、同図(b)に示すように、基板1の表面1aに厚さ
150Åのゲート絶縁膜12を形成した後、このゲート
絶縁膜12上に、CVD法により、導電膜として厚さ1
5nmのポリシリコン膜10,厚さ20nmのWSi膜9を順
に堆積する。さらに、CVD法により、絶縁膜として厚
さ70〜500nmのHTO(ハイ・テンペラチャ・オキ
サイド)膜8を堆積する。レジスト7を1.1μmの厚さ
に設けて、このWSi膜9,ポリシリコン膜10とHTO
膜8とを同一パターンに加工する。これにより、上記W
Si膜9,ポリシリコン膜10によってゲート電極Gを形
成するとともに、上記HTO膜8によってゲート電極G
を覆う保護層(簡単のため、HTO膜8と同一数字で表
す。)を形成する。上記ゲート電極Gの両側にはゲート
絶縁膜12が露出する状態となる。 次に、上記レジスト7,HTO膜8およびゲート電極
Gをマスクとしてボロン・イオン11+を注入エネルギ
200〜500keVの範囲で注入して、ゲート電極Gの
両側の基板内部1bにゲッターサイト6を形成する。実
際の注入エネルギは図2と図3に基づいて、ゲッターサ
イト6が所定の深さに形成されるように設定する。図2
はマスクを設けずにイオン注入した場合の注入エネルギ
とシリコン基板中での深さとの関係を示し、図3は注入
エネルギと注入イオンを阻止するのに必要なHTO膜8
の厚さとの関係を示している。図2,図3から分かるよ
うに、HTO膜8の厚さを変えることによって、ゲッタ
ーサイト6の深さを調節することができる。 さらに、この上から、リン・イオン31+を注入エネ
ルギ60keV,ドーズ量3×1014cm-2の条件で注入し
て、ゲート電極Gの両側の基板表面1aにLDD層13
を形成する。HTO膜8をマスクとしてゲッターサイト
6を形成しているので、注入イオンがゲート絶縁膜12
を貫通するのを阻止でき、ゲート絶縁膜Gが劣化するの
を防止することができる。また、ゲート電極構成物質の
ノック・オンによりゲート電極G下にコンタミネーショ
ンが生じたり、到達イオンが起こす2次欠陥が生じたり
することもない。したがって、素子特性の劣化を防止す
ることができる。 次に、同図(c)に示すように、レジスト7を除去した
後、CVD法により、この基板1上に厚さ3000Åの
LTO(ロー・テンペラチャ・オキサイド)膜を堆積し、
このLTO膜をエッチバックして、HTO膜8およびゲ
ート電極Gの両側にサイドウォール11を形成する。 次に、HTO膜8,ゲート電極Gおよびサイドウォー
ル11をマスクとしてひ素イオンAs+を注入エネルギ6
0keV,ドーズ量4×1015cm-2の条件で注入し、続い
て、注入したイオンを活性化する熱処理(900℃,30
分間)を行う。これにより、LDD層13のサイドウォ
ール11の両側の部分にソースドレイン領域14を形成
する。
【0013】この作製工程によれば、サイドウォール1
1形成時にドライエッチャーから、また、LDD層1
3,ソースドレイン領域14形成時にイオン注入機か
ら、それぞれ重金属などの汚染がシリコン基板1内に入
り込んでくるが、それらの重金属などは工程での熱処
理によってゲッターサイト6にゲッタリングすることが
できる。しかも、熱処理の後は、ゲッターサイト6は活
性化されて、ソースドレイン領域14の空乏層の延びを
抑える埋め込み層として働く。したがって、ソースドレ
イン領域14の接合リーク電流を効果的に低減すること
ができる。
【0014】なお、この実施例はPチャネル型MOSト
ランジスタを作製する場合について説明したが、当然な
がら、この発明はNチャネル型MOSトランジスタを作
製する場合にも適用することができる。
【0015】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明のM
OSトランジスタの製造方法は、ゲート電極を覆う保護
層をマスクとしてイオン注入を行って、上記ゲート電極
直下のゲート絶縁膜にイオンを貫通させることなく上記
ゲート電極の両側の基板内部にゲッターサイトを形成し
ているので、上記ゲート電極直下のゲート絶縁膜が注入
イオンの貫通により劣化するのを防止することができ
る。また、ゲート電極構成物質のノック・オンによりゲ
ート電極G下にコンタミネーションが生じたり、到達イ
オンが起こす2次欠陥が生じたりすることもなく、した
がって、素子特性の劣化を防止することができる。
【0016】また、ソースドレイン領域を活性化する熱
処理を行うときに、上記ゲッターサイトが重金属などを
ゲッタリングする。しかも、素子完成後はゲッタリング
層がソースドレイン領域の空乏層の延びを抑える埋め込
み層として働く。したがって、ソースドレイン領域の接
合リーク電流を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例のMOSトランジスタの
製造方法を説明する工程図である。
【図2】 注入エネルギとシリコン基板中での注入イオ
ンの深さとの関係を示す図である。
【図3】 注入エネルギと注入イオンを阻止するのに必
要なHTO膜の厚さとの関係を示す図である。
【図4】 従来のゲッターサイト形成方法を説明する図
である。
【図5】 従来のゲッターサイト形成方法を説明する図
である。
【符号の説明】
1 P型シリコン基板 1a 基板表
面 1b 基板内部 2 フィール
ド酸化膜 5,6 ゲッターサイト 7 レジスト 8 HTO膜 9 WSi膜 10 ポリシリコン膜 11 サイド
ウォール 12 ゲート絶縁膜 13 LDD
層 14 ソースドレイン領域

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の表面にゲート絶縁膜を形成
    した後、このゲート絶縁膜上に導電膜と絶縁膜を順に堆
    積する工程と、 上記導電膜と絶縁膜を同一パターンに加工して、ゲート
    電極とこのゲート電極を覆う保護層とを形成する工程
    と、 上記保護層をマスクとして所定のイオンを注入して、上
    記ゲート電極直下のゲート絶縁膜にイオンを貫通させる
    ことなく上記ゲート電極の両側の基板内部にゲッターサ
    イトを形成する工程と、 上記保護層をマスクとして所定のイオンを注入し、さら
    に、注入したイオンを活性化する熱処理を行って、上記
    ゲート電極の両側の基板表面にソースドレイン領域を形
    成する工程を有することを特徴とするMOSトランジス
    タの製造方法。
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