JP2864643B2 - NO▲下x▼ガスの処理方法 - Google Patents

NO▲下x▼ガスの処理方法

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JP2864643B2
JP2864643B2 JP2068908A JP6890890A JP2864643B2 JP 2864643 B2 JP2864643 B2 JP 2864643B2 JP 2068908 A JP2068908 A JP 2068908A JP 6890890 A JP6890890 A JP 6890890A JP 2864643 B2 JP2864643 B2 JP 2864643B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明はNOXガスの処理方法に関し、特にディーゼル
機関およびガスタービン原動機の排気ガス中のNOXガス
の処理方法に関する。
B.発明の概要 本発明はNOXガスの処理方法において、 NOXガスと空気及び酸素から選ばれる一種との混合気
体をアジ化化合物と反応させることにより、有害で危険
なアンモニアを使用することなくNOXを低減することを
可能とする。
C.従来の技術 従来、NOXガス処理は排煙脱硝技術として実用化され
ている。排煙脱硝方法としては乾式法と湿式法に大別さ
れ、最も進んでいるのは乾式法の選択接触還元法であ
る。この方法の利点としては次の3点が挙げられる。
(1)システムが簡単である。
(2)高脱硝率が可能である。
(3)NOXが無害なN2とH2Oに分解され排出処理等が不要
である。
この選択接触還元法では還元剤としてアンモニア、炭
化水素,一酸化炭素が使用されている。この中でアンモ
ニアは酸素が共存していても選択的にNOXと反応するが
他の還元剤は酸素と反応する。このため特にディーゼル
およびガスタービン原動機の場合は酸素が共存していて
も選択的にNOXと反応するアンモニアガスが用いられて
いる。また、この反応に使用する触媒としてはPtなどの
貴金属系やAl2O3,TiO2などに担持させた各種金属酸化物
などが挙げられる。ディーゼルおよびガスタービン原動
機の燃焼で生成するNOXの成分はほとんどがNOでありNO2
は5%程度である。このためNOをアンモニアガスと混合
させて、この混合気体を触媒上で接触還元させてN2とH2
Oに分解している。次にこの反応式を示す。
しかしながら、上記反応式で示した選択的接触還元法
では次に示すような問題点があった。
(1)NOXを分解するために有害で危険なアンモニアガ
スを使用しなくてはならない。
(2)アンモニアガスによる還元触媒性能が劣化する。
特に還元触媒は排気されるガス成分によっても劣化する
ため、交換等を必要としてその操作が面倒である。
(3)使用温度の範囲が制限される。
即ち、高温(1000℃程度)では触媒成分の焼結が進行
し、結晶の相転移により触媒性能が劣化する。また、32
0℃以下ではアンモニアガスと水分がSOXを含む排気ガス
と反応して酸性硫安などの化合物を生じ、脱硝性能の低
下を生じる。これらのことから、従来の還元法の使用温
度の範囲は320〜450℃であった。従って使用温度範囲が
制限されると共に常温での使用が困難であった。
(4)処理装置全体の小型化が困難である。
このことは、上記反応式からNOXの還元反応は等モル
であるため、脱硝率に合せてNOX量にほぼ等しいアンモ
ニアガスを排気ガス中へ注入しなければならず、そのた
めアンモニアガスボンベ、触媒等が大型となり装置全体
の小型化が困難なためである。
このため本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研
究した結果、有害で危険なアンモニアガスに代えてアジ
化ナトリウムを用いること、及び酸素及びプラズマ処理
から選ばれる少なくとも一種を用いることにより著しく
NOXを低減できることを見い出しNOXガスの処理方法及び
その装置を完成した(特願平第2−29255号)。
D.発明が解決しようとする課題 しかしながら上記出願ではNaN3を酸性条件下で解離さ
せる方法を提案したが、その後の研究結果から他のアジ
化化合物を用いても同様に高いNOX処理率が得られるこ
とが判明した。
従って本発明は上記出願に係る問題点を、即ち有害で
危険なアンモニアガスを使用することなくNOXを低減で
きることをNaN3以外のアジ化化合物を用いることにより
達成することを目的とする。
E.課題を解決するための手段及び作用 本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研究した結
果、NaN3を水に溶解し、かつこの溶液液中でアジ化水素
を生成しうる他のアジ化化合物に変えても同様な高いNO
X処理率が得られることを見い出し、本発明に係るNOX
スの処理方法を完成した。
即ち、本発明に係るNOXガスの処理方法は酸性条件下
でアジ化化合物を溶解した水溶液にNOX、及び空気及び
酵素から選ばれる一種の混合気体を導入し、該混合気体
と前記アジ化化合物を反応させて、前記NOXガスを還元
除去すること、をその解決手段としている。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明に係る方法は特に理論にこだわるつもりはない
が、アジ化化合物(ここではNaN3を具体例として例示す
る。)を水に溶解し、この水溶液とNOXガスとの反応でN
OXをN2+H2Oに化学的に変えることをその原理とする。
即ち、この反応は次の3つの式から説明される。
NO+NO2+→2HNO2 …(1) 6NaN3+6Hcl→6N3H+6Nacl …(2) 2HNO2+6N3H→10N2+4H2O …(3) 通常、ガスを液体に吸収させるのは非常に効率が悪
い。上記(1)式はNO,NO2を水に吸収させてHNO2にする
反応であり、この反応が全反応速度を支配するいわゆる
律速段階である。従ってこの段階の反応が効率よく行う
ことができれば、上記(3)式の反応は容易に進行す
る。このことが本発明が解決せんとする中心課題と言え
る。
即ち本発明に係る方法では上記(1)式の反応を酸素
を用いることで効率よく進行させることができる。ま
た、酸素を含む限り、空気を用いることもでき、いずれ
を用いても本発明の目的は十分達成し得るが、上記
(1)式をより効率的に進行させるためには酸素濃度は
高い方が好ましい。
次に本発明で最も特徴をなす上記(2)式の反応に使
用するアジ化化合物について説明する。
上記(2)式の反応は予め別に行い、これによりアジ
化化合物はアジ化水素に変換される。このアジ化化合物
には水に溶解し、かつこの溶解液中でアジ化水素を生成
しうるもの,例えば、長周期律表1A,2A族でかつ4〜6
周期に属する金属あるいはNO3,Co,Iから選ばれる少なく
とも一種とN3 -イオンとのアジ化物が挙げられ、好まし
くはアジ化ナトリウム,アジ化カリウム,アジ化カドミ
ウム,アジ化カルシウム,アジ化ストロンチウム,アジ
化バリウムなどを用いうる。なお、これらのアジ化化合
物は単独で使用しても、2種以上組合わせて使用しても
よい。上記(2)式の反応でアジ化化合物をアジ化水素
に変換するに際し、酸性条件下にする必要がある。
この条件は酸の種類に特にこだわる必要はなく塩酸,
硫酸など通常用いられる酸を添加して、好ましくはpH3
以下に設定する。このことはpHが3を超えるとアジ化化
合物が完全に解離せず上記(2)式の反応が完全に進行
しないことに起因している。
更に、上記(3)式の反応は上記(1)式で得られた
HNO2を上記(2)で得られたN3Hにより還元してN2とH2O
に分解する。こうして処理されたN2を処理ガスとして排
出する。
F.実施例 以下、本発明に係るNOXガスの処理方法の詳細な説明
を実施例に基づいて説明する。
実施例1 アジ化カリウム(以下、KN3という。)を用
いたNOXガスの処理方法 まず、KN36.5gを水1000mlに溶解させ、この溶解液に
塩酸を数滴加え、水溶液中でKN3を解離させた。
次に、このNOXガスを空気と共に水溶液中に導入し、K
N3と反応させた。
更に、この反応により発生する気体をNOX濃度分析計
(島津製作所製:島津ポータブルNOX分析計NOA−305
形)で測定した。
その測定結果を表1に示す。表1に示すようにNOXを1
000ppm含有した排ガスを空気と共に吹き込むことで500p
pmまでNOXが希釈される。またNOXを500ppm含有した混合
気体をKN3水溶液に導入することにより更に50ppmまでNO
Xを低減できたことがわかる。なお、この値は比較例と
して添付したNaN3と同値であり、かつ大気汚染防止法で
定められている窒素酸化物排出基準値を大幅に下回るも
のである。
実施例2 他のアジ化化合物を用いたNOXガスの処理方
法 KN3に代えて表2に示すアジ化化合物を用いる以外は
実施例1と同様な方法によりNOXガスの処理方法を行っ
た。
その結果を表2に示す。表2に示すように他のアジ化
化合物を用いても実施例1で示したKN3とほぼ同様な値
を示すことがわかる。
G.発明の効果 (1)本発明はNaN3を他のアジ化化合物に変えても同様
な高いNOXガス処理率を達成することを可能とする。
(2)本発明は上述のように構成されているので、次に
記載する効果も同時に奏する。
本発明に係る方法によれば、アジ化化合物を使用する
ため有害で危険なアンモニアを使用することなくNOX
低減できる。
本発明に係る方法によれば、酸素が反応促進剤として
働くことにより、窒素酸化物排出基準値に比し著しくNO
Xを低減できる。
本発明に係る方法によれば、還元触媒を必要としない
ことから装置全体を小型化でき、その操作も簡便化でき
る。
本発明に係る方法によれば、室温でNOXガスの還元反
応が可能となり、加熱するための装置等が不要となりNO
Xガスの処理を容易に行うことができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−270713(JP,A) 特開 平3−270714(JP,A) 特開 平3−270715(JP,A) 特開 平3−270717(JP,A) 特開 平3−232518(JP,A) 特開 平2−211218(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01D 53/34,53/56

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性条件下でアジ化化合物を溶解した水溶
    液にNOX、及び空気及び酸素から選ばれる一種の混合気
    体を導入し、該混合気体と前記アジ化化合物を反応させ
    て、前記NOXガスを還元除去することを特徴とするNOX
    スの処理方法。
  2. 【請求項2】アジ化化合物が長周期律表の1A,2A族でか
    つ4〜6周期に属する金属あるいはNH3,Co,Iから選ばれ
    る少なくとも一種とN3 -イオンとのアジ化物である請求
    項第(1)項に記載のNOXガスの処理方法。
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